JP4797997B2 - 位相差フィルム、液晶パネル及び画像表示機器 - Google Patents
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Description
本発明はまた、このような位相差フィルムを備える液晶パネル及び画像表示機器に関する。
例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン又は9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン及びイソフタル酸クロリド及び/又はテレフタル酸クロリドから誘導した共重合繰り返し単位を含むポリマー及びフィルム(特許文献5)、ジカルボン酸及び/又はそのエステル形成性誘導体と9,9−(4−ヒドロキシエトキシフェニル)フルオレンを含むポリエステルを溶融後、押し出し成形して無配向となるフィルムとなし、適当な温度で熱セットした後、縦横逐次2軸延伸をした耐熱フィルム(特許文献6)、ジカルボン酸及び/又はそのエステル形成性誘導体と9,9−(4−ヒドロキシエトキシフェニル)フルオレンを含むポリエステルからなる液晶用プリズムシート(特許文献7)及び脂環式ジカルボン酸及び/又はそのエステル形成性誘導体を含むジカルボン酸成分と9,9−(4−ヒドロキシエトキシフェニル)フルオレンを含むジオール成分からなるポリエステル(特許文献8)が挙げられる。これら上記ポリエステルのフィルムは耐熱性はある程度高く、複屈折性も小さいが、全波長領域における位相差性については何ら開示されていない。
一般に、樹脂の光弾性係数の値が高いと、溶融押出や溶液キャスト法等で製膜したフィルムの位相差の値が大きくなる。そして、このフィルムを延伸した場合、張力のわずかな振れにより、フィルム面内の位相差のばらつきが更に大きくなる。また、このような位相差フィルムを貼合する場合、貼合時の張力により所望する位相差がずれてしまうばかりでなく、貼合後の偏光板の収縮等により、位相差値が変化しやすいという問題もある。
従って、光学用途の樹脂にあって、光弾性係数の低減は重要な改善項目である。
まず、本発明の位相差フィルムの構成材料であるポリエステル樹脂について説明する。
本発明の位相差フィルムの構成材料のポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成分(A)とジオール成分(B)を反応させてなるポリエステル樹脂であって、更に、ジカルボン酸成分(A)が脂環式ジカルボン酸及び/又はそのエステル形成性誘導体を主成分とし、ジオール成分(B)が特定のビスフェニルフルオレン系化合物と脂環式ジオール化合物とを含むものである。
以下、溶融重合法で本発明に係るポリエステル樹脂を製造する場合の成分、製造方法等について詳細に記述する。
本発明に係るジカルボン酸成分(A)は、全ジカルボン酸成分の主成分、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上が脂環式ジカルボン酸及び/又はそのエステル形成性誘導体である。
ジカルボン酸成分(A)の主成分、好ましくは80モル%以上が脂環式ジカルボン酸及び/又はそのエステル形成性誘導体であることにより、高透明で耐熱性の高いフィルムが得られる。
本発明に係るジオール成分(B)は、下記一般式(I)で表されるビスフェニルフルオレン系化合物と脂環式ジオール化合物とを含む。
脂環式ジオールが、5員環、6員環、又はスピロ環の構造の脂環式ジオールであることにより、得られるポリエステル樹脂の耐熱性を高くすることができる。
本発明においては、前記ジカルボン酸成分(A)及びジオール成分(B)以外の少量共重合成分として、例えば、グリコール酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸やアルコキシカルボン酸、及び、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ステアリン酸、ベヘン酸、安息香酸、t−ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸等の単官能成分、トリカルバリル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ナフタレンテトラカルボン酸、没食子酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、シュガーエステル等の三官能以上の多官能成分、等が用いられてもよい。
ただし、これらのその他の共重合成分は、ポリエステル樹脂原料中に1重量%以下、特に0.5重量%以下であることが好ましい。
溶融重合法の場合、本発明に係るポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成分(A)と、ジオール成分(B)と、必要に応じて用いられるその他の共重合成分とをエステル化反応又はエステル交換反応させ、引き続いて重縮合反応をすることにより製造することができる。
エステル化又はエステル交換反応は、ジカルボン酸成分とジオール成分と、必要に応じて用いられるその他の共重合成分とを、攪拌機及び留出管を備えたエステル化反応槽に仕込み、触媒を加え、不活性ガス雰囲気常圧又は減圧下攪拌しつつ、反応により生じた水分などの副生成物を留去しながら反応を進行させることにより行われる。原料の使用比率、すなわち、ジカルボン酸成分の合計に対するジオール成分の合計のモル比は通常1.0〜2.0モル倍である。
触媒の使用量は、生成するポリエステル樹脂に対し、通常50〜2000ppm、好ましくは100〜1000ppmである。
エステル化又はエステル交換反応の触媒は、そのまま重縮合反応触媒としても使用することもできる。
エステル化反応又はエステル交換反応終了時の反応率は90〜100%である。ここで、反応率は、仕込んだ全カルボン酸成分に対する反応によりエステル化又はエステル交換されたカルボン酸成分の比を百分率で表す。
十分な反応速度を得るために触媒を使用するのが好ましい。触媒としては、通常、重縮合反応使に使用される触媒であれば特に限定されず、上記のエステル化又はエステル交換反応において例示した触媒と同じものをそのまま重縮合反応触媒として使用することができる。また、好ましい触媒についても上述した通りである。
重縮合反応で新たに触媒を使用する場合の使用量は、生成するポリエステル樹脂に対し、通常50〜2000ppm、好ましくは100〜1000ppmである。
本発明に係るポリエステル樹脂の固有粘度は、通常0.3〜1.5dl/g、好ましくは0.4〜1.0dl/gである。固有粘度が0.3dl/g未満の場合はこれを原料として溶融成形してフィルムを得るときその機械的強度が十分でなく、1.5dl/gより大きい場合は溶融時の流動性が低下して成形性に劣る。
本発明の位相差フィルムは上述のポリエステル樹脂を原料として、フィルムを製膜、又は製膜後に延伸することにより製造することができる。フィルムの製膜方法としては、従来公知の溶融押出法、溶液キャスト法等を用いることができる。
また、本発明の位相差フィルムを1/2波長板として用いる場合は、その位相差値は、200nmから400nmの範囲で選択される。
本発明の位相差フィルムを1/4波長板として用いる場合は、その位相差値は、90nmから200nmまでの範囲で選択される。1/4波長板としてのより好ましい位相差値は、100nmから180nmまでである。
本発明の位相差フィルムを1/4波長板とし、これを偏光板と積層貼合して円偏光板として用いることができる。その場合、一般には、偏光板の偏光軸と位相差フィルムの遅相軸は実質的に45°の相対角度を保ち積層される。
また、本発明の位相差フィルムを、偏光板を構成する偏光保護フィルムとして用いて積層してもかまわない。さらに、本発明の位相差フィルムをSTN液晶表示装置の色補償板とし、これを偏光板と積層貼合することにより楕円偏光板として用いることもできる。
尚、以下の諸例で使用したポリエステル樹脂及び位相差フィルムの評価方法は次の通りである。
<ポリエステル樹脂のモノマー組成>
サンプル約20mgを重クロロホルム溶媒約750μLに溶解し、外径5mmのNMR試料管に移し、Bruker社製AV400M分光計を使用して室温下で、1H−NMRスペクトルを測定した。各帰属ピークより構成モノマー量を計算した。
CHDA:1,4−シクロヘキサンジカルボン酸
t−CHDA:トランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸
c−CHDA:シス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸
1,4−CHDM:1,4−シクロヘキサンジメタノール(トランス体:シス体=69:31)
BHEPF:9,9−ビス〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕フルオレン
EG:エチレングリコール
TCDDM:3(4),8(9)−ビス(ヒドロキシメチル)−トリシクロ−[5.2.1.02.6]デカン
PCPDDM:4,9:5,8−ジメタノ−1(2),6(7)−ヒドロキシメチル−3a,4,4a,5,8,8a,9,9a−オクタヒドロ−1H−ベンゾインデン
SPG:3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン
ISOB:1,4:3,6−ジアンヒドロソルビトール
ELYTOL:1,4−アンヒドロエリトリトール
ADDM:1,3−アダマンチルジメタノール
ADDA:1,3−アダマンタンジカルボン酸
NBDA:2,3−ノルボルナンジカルボン酸
TPA:テレフタル酸
ポリエステル樹脂試料約0.25gを、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合溶媒を用いて、濃度が約1.00g/dLとなるように溶解させ、濃度C(g/dL)を算出する。この試料溶液を、30℃まで冷却して保持し、全自動溶液粘度計(センテック社製「2CH型DJ504」)にて、試料溶液の落下秒数(t)及び溶媒のみの落下秒数(t0)を測定し、下式により算出した。
固有粘度(IV)=((1+4KHηsp)0.5−1)/(2KHC)
ここで、 ηsp=t/t0−1 であり、tは試料溶液の落下秒数、t0は溶媒のみの落下秒数、Cは試料溶液濃度(g/dL)、KHはハギンズの定数である。KHは0.33を採用した。
ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、JIS K7121に従い、示差走査熱量計(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、DSC220)を用いて測定した。ポリエステル樹脂約10mgを同社製アルミパンに入れて密封し、昇温速度20℃/分で室温から300℃まで昇温した。得られたDSCデータより、補外ガラス転移開始温度を採用した。
He−Neレーザー、偏光子、補償板、検光子、光検出器からなる複屈折測定装置と振動型粘弾性測定装置(レオロジー社製DVE−3)を組み合わせた装置を用いて測定した。(詳細は、日本レオロジー学会誌Vol.19,p93−97(1991)を参照。)
80℃で5時間真空乾燥をしたポリエステル樹脂サンプル4.0gを、幅8cm、長さ8cm、厚さ0.5mmのスペーサーを用いて、熱プレスにて熱プレス温度250℃で、予熱1分、圧力20MPaの条件で1分間加圧後、スペーサーごと取り出し、水管冷却式プレスで、圧力20MPaで3分間加圧冷却し、シートを作製した。シートから幅5mm、長さ20mmの試料を切り出し、粘弾性測定装置に固定し、25℃の室温で貯蔵弾性率E’を周波数96Hzにて測定した。同時に、出射されたレーザー光を偏光子、試料、補償板、検光子の順に通し、光検出器(フォトダイオード)で拾い、ロックインアンプを通して角周波数ω又は2ωの波形について、その振幅とひずみに対する位相差を求め、ひずみ光学係数O’を求めた。このとき、偏光子と検光子の方向は直交し、またそれぞれ、試料の伸長方向に対してπ/4の角度をなすように調整した。
光弾性係数Cは、貯蔵弾性率E’とひずみ光学係数O’を用いて次式より求めた。
C=O’/E’
80℃で5時間真空乾燥をしたポリエステル樹脂サンプル2.4gを、幅8cm、長さ8cm、厚さ0.3mmのスペーサーを用いて、熱プレスにて熱プレス温度250℃で、予熱1分、圧力20MPaの条件で1分間加圧後、スペーサーごと取り出し、水管冷却式プレスで圧力20MPaで3分間加圧冷却しシートを作製した。このシートから幅6cm、長さ6cmの試料を切り出した。この試料を、同時二軸延伸装置(T.M.Long社製)に装着し、所定の延伸温度で5分間加熱し、所定の倍率に一軸延伸し、1分間保持した後、試料を取り外した。このとき延伸方向に対して垂直方向は、保持した状態(延伸倍率1.0)で延伸を行った。
塩化メチレン24gにポリエステル樹脂サンプル6gを室温で溶解した後、石英製の光路長1cmのセルに移し、スガ試験機社製ヘーズメーター(HGM−215)を用いてヘーズを測定した。
<製造例1:ポリエステル樹脂Aの製造>
攪拌機、還流冷却器、加熱装置、圧力計、温度計及び減圧装置を装備した容量450ccのガラス製反応器に、CHDA(トランス体:シス体=95:5)60.4質量部、BHEPF76.9質量部、1,4−CHDM26.2質量部を仕込み、反応器内を窒素ガスで置換した。反応器内を窒素ガスでシールしながら、内温を1時間で220℃に昇温して1時間保持し、エステル化反応を行った。その後、二酸化ゲルマニウム1重量%水溶液10.8gを仕込んだ後、内温を220℃から45分間かけて270℃まで昇温しつつ、反応器内の圧力を徐々に減圧にしながら重縮合反応を行った。反応器の絶対圧力0.1kPa、反応温度を270℃として、360分間維持し、重縮合反応を終了した。重縮合反応終了後直ちに、得られた樹脂を水中にストランド状に抜き出し、切断してペレット化してポリエステル樹脂Aを得た。
製造例1と同じ反応器を用いて、t−、c−混合CHDA(トランス体:シス体=35:65)50.1質量部、BHEPF119.2質量部、EG4.2質量部を仕込んだ以外は、製造例1と同様にエステル化反応、重縮合反応を行い、ペレット化してポリエステル樹脂Bを得た。
製造例1と同じ反応器を用いて、製造例1で用いたCHDA53.1質量部、BHEPF94.7質量部、1,4−CHDM14質量部を仕込んだ以外は、製造例1と同様にエステル化反応、重縮合反応を行い、ペレット化してポリエステル樹脂Cを得た。
製造例1と同じ反応器を用いて、製造例1で用いたトランス/シス体比のCHDA47.4質量部、BHEPF108.6質量部、1,4−CHDM4.5質量部を仕込んだ以外は、製造例1と同様にエステル化反応、重縮合反応を行い、ペレット化してポリエステル樹脂Dを得た。
製造例1と同じ反応器を用いて、TPA69.1質量部、BHEPF78質量部、1,4−CHDM25.4質量部及びテトラ−n−ブチルチタネートの6重量%ブタノール溶液0.889質量部を仕込みを仕込み、反応器内を窒素ガスで置換した。反応器内を窒素ガスでシールしながら、内温を1時間で250℃に昇温し、さらに2時間250℃に保持しエステル交換反応を行い、その後二酸化ゲルマニウム1重量%水溶液10.8gを仕込んだ。内温を250℃から45分間かけて280℃まで昇温しつつ、反応器内の圧力を徐々に減圧にしながら重縮合反応を行った。反応器の絶対圧力0.1kPa、反応温度を280℃として、180分間保持し、重縮合反応を終了した。重縮合反応終了後直ちに、得られた樹脂を水中にストランド状に抜き出し、切断してペレット化し、ポリエステル樹脂Eを得た。
製造例1と同じ反応器を用いて、製造例1で用いたトランス/シス体比のCHDA70.1質量部、BHEPF53.5質量部、1,4−CHDM42.2質量部、及び触媒として二酸化ゲルマニウムの1重量%水溶液4.3質量部を仕込んだ以外は、製造例1と同様にエステル化反応、重縮合反応を行い、ペレット化してポリエステル樹脂Fを得た。
製造例1と同じ反応器を用いて、製造例1で用いたトランス/シス体比のCHDA46.3質量部、BHEPF120.1質量部を仕込んだ以外は、製造例1と同様にエステル化反応、重縮合反応を行い、ペレット化してポリエステル樹脂Gを得た。
製造例1と同じ反応器を用いて、製造例1で用いたトランス/シス体比のCHDA57.8質量部、BHEPF75質量部、TCDDM33.5質量部及び触媒として二酸化ゲルマニウム1重量%水溶液に換えて、テトラ−ブチル−チタネートの6重量%ブタンジオール溶液0.36質量部を仕込んだ以外は、製造例1と同様にエステル化反応、重縮合反応を行い、ペレット化してポリエステル樹脂Hを得た。
製造例1と同じ反応器を用いて、製造例1で用いたトランス/シス体比のCHDA47.3質量部、BHEPF98.1質量部、PCPDDM14.7質量部及び触媒として二酸化ゲルマニウム1重量%水溶液に換えて、テトラ−ブチル−チタネートの6重量%ブタンジオール溶液0.36質量部を仕込んだ以外は、製造例1と同様にエステル化反応、重縮合反応を行い、ペレット化してポリエステル樹脂Iを得た。
製造例1と同じ反応器を用いて、製造例1で用いたトランス/シス体比のCHDA56質量部、BHEPF94.9質量部、SPG16.4質量部及び触媒として二酸化ゲルマニウム1重量%水溶液に換えて、テトラ−ブチル−チタネートの6重量%ブタンジオール溶液3.63質量部を仕込んだ以外は、製造例1と同様にエステル化反応、重縮合反応を行い、ペレット化してポリエステル樹脂Jを得た。
製造例1と同じ反応器を用いて、製造例1で用いたトランス/シス体比のCHDA62.6質量部、BHEPF81.3質量部、ELYTOL19.3質量部、及び触媒としてテトラブチルチタネートの6重量%ブタンジオール溶液0.36質量部を仕込んだ以外は、製造例1と同様にエステル化反応、重縮合反応を行い、ペレット化してポリエステル樹脂Kを得た。
製造例1と同じ反応器を用いて、製造例1で用いたトランス/シス体比のCHDA59.9質量部、BHEPF76.2質量部、ISOB26.4質量部、及び触媒としてテトラブチルチタネートの6重量%ブタンジオール溶液0.36質量部を仕込んだ以外は、製造例1と同様にエステル化反応、重縮合反応を行い、ペレット化してポリエステル樹脂Lを得た。
製造例1と同じ反応器を用いて、製造例1で用いたトランス/シス体比のCHDA56.5質量部、BHEPF71.7質量部、ADDM33.3質量部、及び触媒としてテトラブチルチタネートの6重量%ブタンジオール溶液0.36質量部を仕込んだ以外は、製造例1と同様にエステル化反応、重縮合反応を行い、ペレット化してポリエステル樹脂Mを得た。
製造例1と同じ反応器を用いて、製造例1で用いたトランス/シス体比のCHDA26.1質量部、ADDA34.1質量部、BHEPF73.8質量部、TCDDM21.9質量部、及び触媒としてテトラブチルチタネートの6重量%ブタンジオール溶液0.36質量部を仕込んだ以外は、製造例1と同様にエステル化反応、重縮合反応を行い、ペレット化してポリエステル樹脂Nを得た。
製造例1と同じ反応器を用いて、ADDA75.2質量部、BHEPF60.1質量部、TCDDM26.9質量部、及び触媒としてテトラブチルチタネートの6重量%ブタンジオール溶液0.36質量部を仕込んだ以外は、製造例1と同様にエステル化反応、重縮合反応を行い、ペレット化してポリエステル樹脂Oを得た。
製造例1と同じ反応器を用いて、製造例1で用いたトランス/シス体比のCHDA29.6質量部、NBDA31.3質量部、BHEPF66.2質量部、TCDDM29.6質量部、及び触媒としてテトラブチルチタネートの6重量%ブタンジオール溶液0.36質量部を仕込んだ以外は、製造例1と同様にエステル化反応、重縮合反応を行い、ペレット化してポリエステル樹脂Pを得た。
製造例1と同じ反応器を用いて、NBDA79.3質量部、BHEPF59.6質量部、TCDDM26.6質量部、及び触媒としてテトラブチルチタネートの6重量%ブタンジオール溶液0.36質量部を仕込んだ以外は、製造例1と同様にエステル化反応、重縮合反応を行い、ペレット化してポリエステル樹脂Qを得た。
製造例1〜17で製造されたポリエステル樹脂A〜Qの成分比を表1に示す。
表中成分比は全ジカルボン酸成分又は全ジオール成分を100とした時の各成分のモル比を表す。
ポリエステル樹脂A〜Qの物性を表2に示す。
<実施例1>
ポリエステル樹脂A2.4gを幅8cm、長さ8cm、厚さ0.3mmのスペーサーを用いて、熱プレス成形機(東洋精機社製)で、成形温度250℃で5分間予熱した後、1分間圧縮した後、取り出し、冷却用プレスで3分間圧縮した。得られたプレスシートを幅6cm、長さ6cmの正方形に切り出した。この試料を同時二軸延伸装置(T.M.Long社製)に装着し、延伸温度140℃で5分間加熱し、1.6倍に一軸延伸し、1分間保持した後、試料を取り外した。このとき延伸方向に対して垂直方向は、保持した状態で延伸を行った。
表3に示したポリエステル樹脂を用いて、実施例1と同様にプレスシートを成形し、得られたプレスシートを幅6cm、長さ6cmの正方形に切り出した後、表3に記載の延伸温度にて、実施例1と同様に一軸延伸した。
実施例2と同様にプレスシートを成形し、得られたプレスシートを幅6cm、長さ6cmの正方形に切り出した後、2.5倍に一軸延伸し、1分間保持した後、試料を取り外した。このとき、延伸方向に対して垂直方向は、保持した状態(延伸倍率1.0)で延伸を行った。
<実施例5〜14>
表3に示したポリエステル樹脂を用いて実施例1と同様にプレスシートを成形し、得られたプレスシートを幅6cm、長さ6cmの正方形に切り出した後、表3に記載の延伸温度にて、実施例1と同様に一軸延伸した。
実施例1〜14及び比較例1〜4で得られた位相差フィルムの厚みと評価結果を表3に示した。
Claims (10)
- ジカルボン酸成分(A)とジオール成分(B)とを反応させてなるポリエステル樹脂(ただし、該ポリエステル樹脂において、ガラス転移温度が101℃以上108℃以下であるポリエステル樹脂を除く。)よりなる位相差フィルムにおいて、該ジカルボン酸成分(A)が脂環式ジカルボン酸及び/又はそのエステル形成性誘導体を主成分とし、該ジオール成分(B)が下記一般式(I)で表されるビスフェニルフルオレン系化合物と脂環式ジオール化合物(ただし、該脂環式ジオール化合物において、スピログリコールを除く。)とを含み、該位相差フィルムは、波長450〜630nmにおける位相差が長波長側ほど大きいことを特徴とする位相差フィルム。
- 請求項1において、前記ポリエステル樹脂の光弾性係数が45×10−12Pa−1以下であることを特徴とする位相差フィルム。
- 請求項1又は2において、前記ジオール成分(B)が、前記ビスフェニルフルオレン系化合物45〜90モル%と、脂環式ジオール化合物10〜55モル%とを含むことを特徴とする位相差フィルム。
- 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記脂環式ジオール化合物が、5員環構造、共有結合によって椅子形又は舟形に固定されている6員環構造、又はスピロ環構造を含むことを特徴とする位相差フィルム。
- 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記ジカルボン酸成分(A)が、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸及び/又はそのエステル形成性誘導体を主成分とすることを特徴とする位相差フィルム。
- 請求項5において、前記1,4−シクロヘキサンジカルボン酸及び/又はそのエステル形成性誘導体が、トランス体:シス体=80:20〜100:0であることを特徴とする位相差フィルム。
- 請求項1ないし6のいずれか1項において、前記ポリエステル樹脂のガラス転移温度が100℃以上230℃以下であることを特徴とする位相差フィルム。
- 請求項1ないし7のいずれか1項において、前記ポリエステル樹脂を溶融押出し法によってシート又はフィルムとした後、これを少なくとも一方向に延伸することにより得られることを特徴とする位相差フィルム。
- 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の位相差フィルムを含むことを特徴とする液晶パネル。
- 請求項9に記載の液晶パネルを含むことを特徴とする画像表示機器。
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