JP5233085B2 - 光学用ポリエステル樹脂を含む液晶ディスプレイ用光学ポリエステルフィルム - Google Patents

光学用ポリエステル樹脂を含む液晶ディスプレイ用光学ポリエステルフィルム Download PDF

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Description

本発明は耐熱性および成形性に優れた液晶ディスプレイ用光学ポリエステルフィルムに関する。
位相差フィルムやプリズムシート等の機能光学フィルムは、ポリメチルメタクリレート(以下PMMA)やポリカーボネート(以下PC)、環状ポリオレフィン(以下COC)等から構成され、液晶ディスプレイなどに利用されている。
しかしながら、PMMAは吸湿による寸法変化などが大きく、PCは溶融粘度が非常に大きいため成形加工が困難であり、COCは高コストでありフィルム成形も容易ではない。
一方、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)に代表されるポリエステルからなるフィルムは透明性が高く、成形性も良好であり、各種光学用フィルムとして使用されてきている。しかしながら、これらのポリエステルフィルムは複屈折や光弾性係数などが非常に大きく、また二軸延伸フィルムは成形性も不足しているため位相差フィルムやプリズムシートには不向きである。
そこでこれらのポリエステルを共重合によって改質する方法が検討されており、例えば特許文献1、2ではフルオレン化合物を共重合したPETが、特許文献3では脂肪族ジカルボン酸とフルオレン化合物からなるポリエステルが、特許文献4ではフルオレン化合物、フェニルインダンジカルボン酸、スピログリコール等共重合したPENが、特許文献5では脂環族ジカルボン酸とフルオレン化合物からなるポリエステルが提案されている。
しかしながら、特許文献1、2のフルオレンを共重合したPETは機械的に脆く、光学的にも異方性が残存し易く光弾性係数も大きい。
特許文献3記載の脂肪族ジカルボン酸とフルオレン化合物からなるポリエステルはガラス転移点が低いために耐熱性が低く、樹脂としても着色し易いために光学用樹脂として不適である。
特許文献4記載のフルオレン化合物等を共重合したPENは良好な耐熱性を有するが光学異方性が残存し易く光弾性係数も大きい。
特許文献5記載の脂環族ジカルボン酸とフルオレン化合物からなるポリエステルは良好な光学特性を有しているが、フィルム成形性が不良であり、均一なフィルムを得ることができない。
特許第2843214号公報 特許第2843215号公報 特許第2854796号公報 特許第3261887号公報 特許第3331121号公報
本発明の目的は、上記した従来の課題を解決し、耐熱性や光学特性が良好な光学用ポリエステル樹脂を含む液晶ディスプレイ用光学ポリエステルフィルムを提供することにある。
前記した本発明の目的は、リン化合物を含有し、脂環族成分としてシス/トランス比率が0.8/0.2〜0.5/0.5であるシクロヘキサン誘導体成分およびフルオレン誘導体成分を構成単位として含み、下記式(1)および(2)を満足する光学用ポリエステル樹脂を含む液晶ディスプレイ用光学ポリエステルフィルムにより達成できる。
85℃≦示差走査熱量測定によるガラス転移点温度≦150℃ ・・・(1)
1.0≦(Ma/2+Mb+Mc)/P≦5.0 ・・・(2)
(Maはポリエステル樹脂1t中に含有されるアルカリ金属元素のモル数、Mbはポリエステル樹脂1t中に含有されるアルカリ土類金属元素のモル数、Mcはポリエステル樹脂1t中に含有されるZn、Co、Mn金属元素それぞれのモル数の和、Pはポリエステル樹脂1t中に含有されるリン元素のモル数)
本発明によれば、耐熱性と光学特性にすぐれたポリエステル樹脂を含む光学用ポリエステルフィルムを得ることができ、位相差フィルムやレンズシート等の機能光学材料を低コストで製造することができる。
本発明の光学用ポリエステル樹脂は、リン化合物を含有し、シクロヘキサン誘導体成分およびフルオレン誘導体成分を構成単位として含有する。シクロヘキサン誘導体成分は光学異方性や光弾性係数を低減させる効果、エンボス加工における成形性を向上させる効果があり、フルオレン誘導体は適正な位相差を与える効果、位相差の波長分散に逆分散性を与える効果、ガラス転移点温度(以下Tg)を高める効果がある。本発明によれば、耐熱性と光学特性にすぐれたポリエステル樹脂を含む液晶ディスプレイ用光学ポリエステルフィルムを得ることができ、位相差フィルムやレンズシート等の機能光学材料を低コストで製造することができる。
シクロヘキサン誘導体成分は、ジカルボン酸成分またはグリコール成分として(ポリエステル樹脂の構成単位として)導入せしめることができ、フルオレン誘導体成分もジカルボン酸成分またはグリコール成分として(ポリエステル樹脂の構成単位として)導入せしめることができる。
フルオレン誘導体成分は、シクロヘキサン誘導体成分がジカルボン酸成分の場合にはグリコール成分として、シクロヘキサン誘導体成分がグリコール成分の場合にはジカルボン酸成分として用いることが好ましいが、コストの観点から、シクロヘキサン誘導体成分はジカルボン酸成分とし、フルオレン誘導体成分はジオール成分とすることが好ましい。
本発明において、シクロヘキサン誘導体成分、デカリン誘導体成分、スピログリコール成分およびジオキサングリコール成分からなる群から選ばれる少なくとも一種の成分であることが好ましいが、シクロヘキサン誘導体成分である必要がある。
シクロヘキサン誘導体としては、シクロヘキサンジカルボン酸およびこれのエステル形成性誘導体やシクロヘキサンジメタノール等を挙げることができる。これらのなかでもシクロヘキサンジカルボン酸およびこれのエステル形成性誘導体が好ましい。
シクロヘキサン誘導体には、シス型、トランス型の異性体が存在するが、シス/トランス比率が0.9/0.1〜0.2/0.8(重量比)であることが光学特性やコストの観点から好ましい。特に好ましくはシス/トランス比率が0.8/0.2〜0.5/0.5である。
デカリン誘導体はデカリンジカルボン酸およびこれのエステル形成性誘導体やデカリンジオールを挙げることができる。これらのなかでもデカリンジカルボン酸およびこれのエステル形成性誘導体が好ましい。
シクロヘキサン誘導体成分としてはこれらに限定はされないが、光学特性やコストのバランスを考慮すれば、シクロヘキサンジカルボン酸およびこれのエステル形成性誘導体が最も好ましい。
また、脂環族成分としてスピロ環構造を有するものが好ましく、具体的にはスピログリコール成分やジオキサングリコール成分を用いることができる。これらの成分は光学異方性を低減し、ポリエステルのTgを高める効果がある。
ここでスピログリコールとは3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンを指し、ジオキサングリコールとは2−(5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサン−2−イル)−2−メチルプロパン−1−オールを指す。
クロヘキサンジカルボン酸はTgを高める効果があまり期待できないため、上記したスピログリコールやジオキサングリコールを併用することが好ましい。
上記したシクロヘキサン成分は、ポリエステル繰り返し単位中にジカルボン酸成分として、またはグリコール成分として98〜50モル%用いることが好ましい
本発明において、フルオレン誘導体成分としては9,9−ビス−(4−カルボキシフェニル)−フルオレンや、9,9−ビス−(4−ヒドロキシエトキシフェニル)−フルオレンや、9,9−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−フルオレンを基本に置換基としてアルキル基やハロゲンを付与したものを挙げることができ、特に9,9−ビス−(4−ヒドロキシエトキシフェニル)−フルオレンがポリエステル重合の際の反応性から好ましく用いることができる。フルオレン誘導体成分は適正な位相差を与える効果や位相差の波長逆分散性を与える効果、Tgを高める効果を有し、ポリエステル繰り返し単位中にジカルボン酸成分として、またはグリコール成分として20〜95モル%用いることが好ましい。この範囲よりも少ない場合はポリエステルのTgが低くなりやすく、この範囲よりも多い場合には適正な位相差を与えることが難しくなり、光弾性係数も大きくなってくる。
本発明の光学用ポリエステル樹脂では、全ジカルボン酸成分の内、テレフタル成分、イソフタル成分から選択される少なくとも一種の芳香族ジカルボン酸成分を2〜50モル%含有させることが好ましい。この範囲で芳香族ジカルボン酸成分を共重合することで適正な位相差が得られやすく、ポリエステルのTgを向上させたりポリエステルの屈折率を向上させる効果がある。位相差を大きくとりたい時にはテレフタル酸成分の方が好ましく、位相差や光弾性係数を小さくしながらもTgを高めたいときにはイソフタル酸成分の方が好ましい。求められる位相差に応じて種類や共重合量を選択することができる。
脂環族以外のジカルボン酸成分としては、前記したテレフタル酸成分、イソフタル酸成分以外も用いることができ、例えば、フタル酸、2−メチルテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、フェニレンジオキシジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルケトンジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、テトラリンジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸、ドデカジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸を挙げることができる。
本発明の光学ポリエステル樹脂では、全グリコール成分の内、エチレングリコール、スピログリコール、ジオキサングリコール、シクロヘキサンジメタノール、イソソルベートおよび1,3プロピレングリコールからなる群から選択される少なくとも一種のグリコール成分を5〜80モル%用いることができる。
このうちエチレングリコールを10〜40モル%、スピログリコールを10〜40モル%用いることが好ましい。
本発明の光学用ポリエステル樹脂は示差走査熱量測定(以下DSC)によるTgが85℃〜150℃の範囲である必要がある。
Tgが85℃未満では耐熱性が不十分であり、ディスプレイ等に用いることができず、150℃を超える場合には光学的異方性や光弾性係数が大きくなりやすく、エンボス加工も難しくなってくる。好ましいTgは100〜145℃であり、特に120〜140℃が好ましい。
このような範囲のTgは、フルオレン誘導体成分やスピログリコール成分を前記した範囲で用いることで達成することができ、もちろん芳香族ジカルボン酸成分の併用やその他成分を併用しても構わない。
本発明の光学用ポリエステル樹脂は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Zn、Co、Mnから選択される金属成分とリン元素Pを含有し、その含有量として1.0≦(Ma/2+Mb+Mc)/P≦5.0を満たしている。ここで、Maはポリエステル樹脂1t中に含有されるアルカリ金属元素のモル数、Mbはポリエステル樹脂1t中に含有されるアルカリ土類金属元素のモル数、Mcはポリエステル樹脂1t中に含有されるZn、Co、Mn金属元素それぞれのモル数の和、Pはポリエステル樹脂1t中に含有されるリン元素のモル数である。
金属成分(M=Ma/2+Mb+Mc)とリン(P)の比率が1.0未満である場合、光学ポリエステルの成形性が不十分となる。光学ポリエステル樹脂をフィルムに成形する際、溶融したポリエステル樹脂を鏡面冷却体に密着させることが必要であるが、これには静電印加法が有効である。M/P比率が1.0未満の場合には静電印加性が不良であり、溶融シートを鏡面冷却体に密着させることができにくい。溶融シートを密着できなければポリエステルの結晶化による白濁を誘発したり、シートの厚み斑が大きくなったり、不均一な冷却による光学異方性が発現したりする傾向にある。
M/P比率が5.0を超える場合、金属成分によるポリエステル樹脂の熱安定性が損なわれ、着色や分解の原因となる。特にポリエステル樹脂をフィルム製膜する際にはフィルム屑を再度押出機に原料として投入するため、繰り返し溶融による安定性が重要である。これは通常の射出成形用樹脂とは異なり、フィルムならではの必要特性である。
前記した静電印加性はポリエステルの溶融時の体積比抵抗(溶融比抵抗)によって直接的にコントロールできる。すなわち290℃における溶融比抵抗を5×10〜2×10Ω・cmの範囲とすることが好ましい。溶融比抵抗は電荷キャリア数と移動度によって決定され、前記のM/P比率は電荷キャリア数に対応する。移動度についてはポリエステルの組成によって異なり、一般的に融点が低い場合に大きな移動度を有する傾向にある。しかしながら本発明の光学用ポリエステル樹脂は実質的に融点を示さないため、同じM/Pであってもポリエステルの組成によって溶融比抵抗値は異なる。
本発明の光学用ポリエステル樹脂は、金属成分としてアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、Zn、Co、Mnから選択される元素を含有するが、アルカリ金属元素の場合、Naはポリエステル樹脂を黄色く着色しやすく、Kがよい。アルカリ土類金属元素ではCaは異物を形成し易く、Mgがよい。Zn、Co、MnではMnが異物や色調の点から好ましい。このなかでもMgとMnが樹脂の透明性の観点から好ましく、特にMnが好ましい。
前記した各種金属元素は金属化合物の形で樹脂中に導入することができるが、この金属化合物は、エステル交換反応触媒を兼ねていても構わない。特にMnはエステル交換反応での活性が強く、好ましい。金属化合物はポリエステルに可溶なものが好ましく、水酸化物や塩化物、酢酸塩が好ましく、特に酢酸塩が好ましい。
リン化合物については、特に限定されないが、例えばリン酸系、亜リン酸系、ホスホン酸系、ホスフィン酸系化合物等を挙げることができ、中でもこれらのエステル化合物が異物形成抑制の観点から好ましい。特にホスホン酸系エステルからなるホスホン酸誘導体が異物形成抑制、繰り返し溶融時の耐熱性の点から好ましく、具体的にはトリエチルホスホノアセテートが好ましい。
ポリエステルの繰り返し溶融時の耐熱性を高めるには3価のリン化合物(リン化合物に含まれるリン元素が3価である)を用いることも好ましい。具体的には、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスフォナイト、ビス(2,4−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールフォスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト等を挙げることができ、これらはチバスペシャリティーケミカルズ社から“IRGAFOS”、旭電化工業社から“アデカスタブ”として市販されている。これらのリン化合物を前記トリエチルホスホノアセテートに代えて使用したり、併用して使用しても構わない。
本発明の光学用ポリエステル樹脂は、安定した繰り返し溶融時の耐熱性を有しているが、ポリエステル樹脂を290℃で20分溶融し急冷したときの固有粘度をη2とし、前記溶融を行う前の固有粘度をη1としたとき、それらの差Δη=η1−η2の値が0.1以下であることが好ましい。このような特性を有していれば、フィルム製膜時に繰り返し溶融しても品質の高いフィルムを得ることができる。
本発明の光学用ポリエステル樹脂は、ポリエステル樹脂2gを20mlのフェノール/1,1,2,2,テトラクロロエタンの3/2(容積比)混合溶媒に溶解し、光路長20mmのセルを用いて測定した溶液のヘイズが4%以下であることが好ましく、特に2%以下が好ましい。4%を超える場合はポリエステル樹脂中に微細な異物が形成されていることがある。光学用ポリエステル樹脂の溶液ヘイズは、触媒組成によって影響を受けやすく、前記したM/Pを本発明の範囲にすることはもちろん、以下に述べる重合触媒についても考慮することが好ましい。
光学用ポリエステル樹脂を重合する際には、Ti、Sb、Ge化合物を重合触媒として用いることが好ましく、各元素の樹脂中の含有量として以下の(3)〜(5)を満足していることが好ましい。
0≦Ti<1 ・・・(3)
0≦Sb<3.0 ・・・(4)
0<Ge<7 ・・・(5)
ここで、Tiはポリエステル樹脂1t中に含有されるチタン元素のモル数、Sbはポリエステル樹脂1t中に含有されるアンチモン元素のモル数、Geはポリエステル樹脂1t中に含有されるゲルマニウム元素のモル数である。
これらの触媒は、ポリエステル樹脂に求められる特性に応じて使い分けたり、併用したりしてもよい。例えばTiは触媒活性が強く、ポリエステルの生産性が高いものの、着色しやすい。Sbはバランスのとれた特性を有するが、Sb金属粒子が析出しやすく、ポリエステル樹脂の透明性が損なわれやすい。Geはコストの高い触媒ではあるが、光学用ポリエステルには最も好ましい。Ge触媒としては、結晶性二酸化ゲルマニウムをエチレングリコールに溶解したものが好ましい。
Ge化合物を重合触媒として用いた場合、重合の終了したポリエステルを水処理することが好ましい。水処理とは温度が50℃〜120℃の温水や水蒸気にポリエステルチップを10分〜10時間晒す処理であり、該処理によってGe触媒を失活させることができる。Ge触媒を失活させると、ポリエステルの繰り返し溶融時における熱安定性が向上するために好ましい。
光学用ポリエステル樹脂を水処理する際には、ポリエステルチップに混在しているポリエステルからなるフィルム状物や針状物、粉(これらをファインと呼ぶ)を除去することが好ましい。好ましくは、ファイン含有量は200ppm以下である。ファインはポリエステルチップのカッティング時や移送時に発生するが、高度に結晶化するなどして高融点化しやすい。このようなファインが混在しているチップを溶融製膜に供した場合、溶融しなかったファインが異物としてフィルムに混在し、フィッシュアイなどの欠点となる。
ファイン含有量が200ppmを超える場合、前記した欠点が現れやすい。ファインの除去は、ポリエステルチップを水洗いすることで実施することができる。水洗いは、シャワーをポリエステルチップにかける方法や、水槽にチップを投入して撹拌し、脱水する方法を採ることができる。水洗いに際して使用する水は、純水やイオン交換水などの異物やイオン成分を含有しないものが好ましい。
以上の光学用ポリエステル樹脂を含む液晶ディスプレイ用光学ポリエステルフィルムは位相差フィルムに好ましく用いることができる。
次にプリズムシートやレンズシートに適した光学用ポリエステル樹脂について説明する。
プリズムシートやレンズシートは、熱した金型をポリエステルフィルムに圧着させて付型させる方法によって製造することができる。このような加工をおこなう際には、金型とポリエステルシートとの剥離性が重要である。剥離性が不足している場合、金型からポリエステルシートを剥がす際に成形形状が崩れたり、金型が破損する場合もある。
金型とポリエステルシートとの離型性を高めるには、金型にメッキやコーティングを施したり離型剤を塗布したりする方法もあるが、ポリエステルを改質する方法によれば、より低コストで離型性を高めることができる。
具体的には、炭素数が10〜30の脂肪族モノカルボン酸および/又は炭素数が10〜30の脂肪族モノアルコールをポリエステル樹脂に対して0.2〜3重量%含有させる方法がある。これらの脂肪族モノカルボン酸や脂肪族モノアルコールは、重合の完了したポリエステル樹脂に添加してもよいが、ブリードアウトを抑制するため、ポリエステル重合時に添加して共重合する方が好ましい。これらの成分は、炭素数が10未満であると離型効果が小さく、30を超えるとポリエステルの透明性を損なうことがある。具体的にはカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラウリルアルコール、ミスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等を挙げることができ、ステアリン酸やステアリルアルコールが好ましい。また脂肪族モノカルボン酸と脂肪族モノアルコールでは脂肪族モノアルコールの方が離型効果が高く、特にステアリルアルコールが好ましい。
前記した脂肪族モノアルコール以外には、ポリエーテル変性シリコーンオイルを添加しても構わない。このようなポリエーテル変性シリコーンオイルは、シリコーン製造メーカーから各種市販されており、特に水溶性を有するグレードを用いることが好ましい。具体的には、例えば、GE東芝シリコーン社製のポリエーテル変性シリコーンオイル“TSF4440”等を挙げることができる。
このように脂肪族モノカルボン酸や脂肪族モノアルコール、ポリエーテル変性シリコーンオイルを含んだ光学用ポリエステル樹脂は金型との離型性に優れ、プリズムシートやレンズシート加工に好適である。
本発明の光学用ポリエステル樹脂の製造は次のようにして行うことができる。
重合はジカルボン酸とグリコールを原料とするエステル化法でも、ジカルボン酸ジエステルとグリコールを用いるエステル交換法で行っても構わない。
エステル交換法の場合、原料として例えばテレフタル酸ジメチル、シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル、9,9−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)−フルオレン、エチレングリコール、スピログリコール、ステアリルアルコール、ポリエーテル変性シリコーンオイルを所定のポリマー組成となるように反応缶へ仕込む。この際には、エチレングリコールを全ジカルボン酸成分に対して1.7〜2.3モル倍添加すれば反応性が良好となる。これらを150℃程度で溶融したのち酢酸マンガンを添加する。150℃では、これらのモノマー成分は均一な溶融液体となる。次いで反応容器内を235℃まで昇温しながらメタノールを留出させ、エステル交換反応を実施する。なお、本発明において、エステル交換反応は通常のポリエチレンテレフタレート(PET)に比較してより高温でなければ進行しにくい。このため、エステル交換反応は200〜220℃の温度でスタートさせることが好ましく、反応率が約50%を超えてから220〜235℃まで昇温することが好ましい。
このようにしてエステル交換反応が終了した後トリエチルホスホノアセテートを添加し、よく撹拌したのち二酸化ゲルマニウムのエチレングリコール溶液を添加する。
なお、3価のリン化合物はトリエチルホスホノアセテートと同時に添加しても構わない。
触媒の添加が終了したら反応物を重合装置へ仕込み、装置内温度をゆっくり285℃まで昇温しながら装置内圧力を常圧から133Pa以下まで減圧する。重合反応の進行に従って反応物の粘度が上昇する。所定の撹拌トルクとなった時点で反応を終了し、重合装置からポリエステルを水槽へ吐出する。吐出されたポリエステルは水槽で急冷され、カッターでチップとする。
得られたポリエステルは95℃の温水が満たされた水槽に投入して5時間水処理する。水処理が終了したポリエステルは脱水機で水分を除去し、ファインも取り除く。
このようにして光学用ポリエステル樹脂を得ることができるが、上記は一例であってこれに限定されるわけではない。
つぎに位相差フィルムの製膜について説明する。
製膜方法には、種々の方法を使用することができる。すなわち、インフレーション法、T−ダイ法、カレンダー法、切削法、流延法、エマルション法、ホットプレス法等の製造法が使用できるが、好ましくは、インフレーション法、T−ダイ法、キャスト法、ホットプレス法が使用できる。インフレーション法やT−ダイ法による製造法の場合、単軸あるいは二軸押出スクリューのついたエクストルーダ型溶融押出装置等が使用できる。好ましくはL/D=25以上120以下の二軸混練押出機が着色を防ぐために好ましい。また、溶融押出装置を使用し溶融混練する場合、着色抑制の観点から、ベントを使用し減圧下での溶融混練あるいは窒素気流下での溶融混練を行うことが好ましい。特に本発明の光学用ポリエステル樹脂は非晶性であるため乾燥が難しい。ベント式押出機は乾燥しなくても溶融押し出しできるために好ましく用いられる。
積層フィルムとするには、2台以上の押出機を用い、積層口金やフィードブロック等で溶融ポリエステルを積層し、押し出すことで製造することができる。
キャスト方法は溶融した樹脂をギアーポンプで計量した後にTダイ口金から吐出させ、冷却されたドラム上に、密着手段である静電印加法、エアーチャンバー法、エアーナイフ法、プレスロール法などでドラムなどの冷却媒体に密着冷却固化させて室温まで急冷し、未延伸のフィルムを得ることが好ましい。特に位相差フィルムでは良好な平面性や均一な厚み、光学特性が要求されるため、静電印加法が特に好ましく用いられる。本発明の光学用ポリエステル樹脂は静電印加性に優れるため良好な特性の未延伸シートが得られる。
また、流延法により未延伸のフィルムを製造する場合、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等の溶剤が使用可能であり、好ましくはアセトン、メチルエチルケトンあるいはN−メチルピロリドン等が使用できる。該フィルムは、本発明の光学用ポリエステル樹脂を前記の1種以上の溶剤に溶かし、その溶液をバーコーター、Tダイ、バー付きTダイ、ダイ・コートなどを用いて、ポリエチレンテレフタレートなどの耐熱フィルム、スチールベルト、金属箔などの平板または曲板(ロール)上に流延し、溶剤を蒸発除去する乾式法あるいは溶液を凝固液で固化する湿式法等を用いることにより製造できる。
位相差フィルムは、さらにフィルムを一軸延伸、二軸延伸および/または厚み方向に延伸して得る。二軸延伸の延伸方式は特には限定されず、逐次二軸延伸方式、同時二軸延伸方式などの方法を用いることができる。
同時二軸延伸法により延伸する場合は、リニアモーターを利用した駆動方式(特公昭63−12772号公報等)によるテンターを用いて同時二軸延伸する方法が好ましいが、特に限定されず、フィルム把持クリップの駆動方式には、チェーン駆動方式、スクリュー方式、パンタグラフ方式、などを採用することもできる。同時二軸延伸の温度としては、熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tg以上、(ガラス転移温度Tg+50℃)以下であることが好ましい。延伸温度がこの範囲をはずれると、均一延伸ができなくなり、厚みむらやフィルム破れが生じやすい。延伸倍率には特に限定はなく、目的とした位相差に応じて決められるべきである。延伸速度としては特に限定されないが、100〜50,000%/分が好ましい。
また、逐次二軸延伸により延伸する場合は、得られた未配向のフィルムをポリエステル樹脂の(ガラス転移温度Tg−30℃)以上、(ガラス転移温度Tg+50℃)以下に加熱されたロール群上で接触昇温させて、長手方向に1.1〜2.5倍延伸し、これをいったん冷却した後に、テンタークリップに該フィルムの端部を噛ませて幅方向にポリエステル樹脂の(ガラス転移温度Tg+5℃)以上、(ガラス転移温度Tg+50℃)の温度雰囲気下の中で1.1〜2.5倍延伸し、二軸配向したポリエステル樹脂フィルムを得ることができる。
逐次二軸延伸により延伸する場合、ロールとフィルムの接触による傷を低減する目的でカバーフィルムを少なくとも1方の面に貼り合わせて延伸することが好ましい。カバーフィルムは、種々の樹脂のフィルムを使用することができる。カバーフィルムの具体例としては、ポリオレフィンフィルム、ポリエステルフィルム等が挙げられる。特に好ましくは、ポリプロピレンフィルムおよび/またはポリエチレンナフタレートフィルムである。
本発明の位相差フィルムの厚みは、0.01μm〜10mmであることが好ましい。より好ましくは5μmから100μm、さらに好ましくは10μmから30μmである。フィルムの厚みが1,000μmを超えると光線透過率が低くなることがある。またフィルムの厚みが0.01μm未満では加工性が低下することがある。
プリズムシートやレンズシートは、成形させる金型を準備し、これをTg+10〜50℃程度に加熱し、未延伸または延伸の終了したポリエステルシート、フィルムにプレスする。プレスしたら1分ほど圧力をかけ続け、そのままの状態でTg以下まで冷却する。金型がポリエステル樹脂のTg以下となったところで金型とポリエステルフィルムを剥離する。
本願発明の光学用ポリエステル樹脂を含む液晶ディスプレイ用光学ポリエステルフィルムは、各種の光学用途に好適に用いることができ、例えば、光学用ポリエステル樹脂を少なくとも1層に含む光学用積層ポリエステルフィルムや、上記した位相差フィルムを液晶ディスプレイ用に用いることも好ましい。さらに、本願発明の光学用ポリエステル樹脂を含む光学用ポリエステルフィルムを熱エンボス加工した液晶ディスプレイ用フィルムも好ましい。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
なお、物性の測定方法、効果の評価方法は次の方法に従って行った。
(1)ポリエステル樹脂に含まれる金属元素、リン元素の定量
アルカリ金属元素を除く金属元素、リン元素の含有量は、蛍光X線元素分析装置(リガク製 ZSX100e型)によって測定し、あらかじめ作成しておいた検量線を用いて含有量を求めた。
(2)ポリエステル樹脂に含まれるアルカリ金属元素の定量
原子吸光光度計(島津製作所製 AA6300型)(フレーム:アセチレン−空気)を用いて原子吸光法によって測定し、あらかじめ作成しておいた検量線を用いて含有量を求めた。
(3)ポリエステル樹脂のガラス転移点
測定するサンプルを約10mg秤量し、アルミニウム製パン、パンカバーを用いて封入し、示差走査熱量計(パーキンエルマー社製 DSC7型)によって測定した。測定においては窒素雰囲気中で20℃から285℃まで16℃/分の速度で昇温した後、液体窒素を用いて急冷し、再び窒素雰囲気中で20℃から285℃まで16℃/分の速度で昇温する。この2度目の昇温過程でガラス転移点を測定した。
(4)ポリエステル樹脂の溶融比抵抗
ポリエステル樹脂を60〜100℃の温度で24時間以上減圧乾燥する。その後、該ポリエステル樹脂をガラス製試験管中・窒素気流下にて290℃で溶融し、この溶融ポリエステル中に一対の電極を挿入する。電極間に電圧を印加し、観察される電流値からポリエステルの溶融比抵抗値を次の計算式によって求めた。
溶融比抵抗(Ω・cm)=(V×S)/(I×D)
V:印加電圧(V)、S:電極面積(cm)、I:電流値(A)、D:電極間隔(cm)
(5)ポリエステル樹脂のΔη
ポリエステルを60〜100℃の温度で24時間以上減圧乾燥する。その後、該ポリエステルをガラス製試験管中・窒素気流下にて290℃で溶融する。20分間溶融させた後ポリエステルを水中に吐出して急冷する。
溶融前のポリエステル樹脂の固有粘度をη1、溶融・急冷後のポリエステル樹脂の固有粘度をη2とし、Δηは(η1−η2)として求めた。
なお、固有粘度はオルトクロロフェノールを溶媒とし、25℃で測定した。
(6)ポリエステル樹脂の溶液ヘイズ
ポリエステル2gを20mlのフェノール/1,1,2,2,テトラクロロエタンの3/2(容積比)混合溶媒に溶解し、光路長20mmのセルを用い、ヘイズメーター(スガ試験機社製 HGM−2DP)によって積分球式光電光度法にて分析をおこなった。
(7)ファイン含有量
ポリエステルチップ20kgをJIS−Z8801−1による公称目開き2mmのふるいでふるい分け、ふるい落とされたファインを捕捉してその重量を測定し求めた。
(8)キャスト性
押出機から押し出された溶融ポリエステルシートを10m/分の速度で静電印加キャストし、フィルム表面状態から下記のランク付けをおこなった。○と△を合格、×を不合格とした。
○:フィルムに空気噛み込み等による表面欠点が見られない。
△:フィルムのエッジ近傍に空気噛み込み等による欠点が見られるが、フィルム中央部には表面欠点が見られない。
×:フィルム中央部にも空気噛み込み等による表面欠点が観察される。
(9)耐熱性
ポリエステルフィルムを80℃で100時間熱処理し、熱処理前後のレターデーション保持率を測定し、下記のランク付けをおこなった。○と△を合格、×を不合格とした。
レターデーション保持率=(R2/R1)×100(%)
R1:熱処理前の550nm光におけるレターデーション
R2:熱処理後の550nm光におけるレターデーション
○:レターデーション保持率が90%以上
△:レターデーション保持率が85%以上90%未満
×:レターデーション保持率が85%未満
なおレターデーションの測定は、下記測定器を用いて測定した。
装置:王子計測(株)社製の自動複屈折計(KOBRA−21ADH)
測定径:φ5mm
測定波長:480.4nm, 548.3nm, 628.2nm, 752.7nm
測定波長以外の波長の位相差:
R(480.4), R(548.3), R(628.2), R(752.7)を用い、コーシーの波長分散式
(R(λ)=a+b/λ+c/λ+d/λ
の各a〜dの係数を求め、このコーシーの波長分散式に求めたい波長を代入して求めた。
(R(λ)は波長λにおけるレターデーションを表す。)
(10)エンボス成形性
図1に示す断面形状(一辺が20μmである正三角形のくぼみがある)を有する金型をポリエステルのTg+30℃に加熱し、未延伸ポリエステルフィルムに10MPaの圧力で10秒間プレスしエンボス加工した。エンボス加工後のフィルム断面形状(図2)を観察し、フィルム表面に形成された三角形の高さ(HP)を測定した。これを金型のくぼみ深さ(HK)に対する比率を算出し、下記のランク付けをおこなった。○と△を合格、×を不合格とした。
○:HP/HK比率が90%以上
△:HP/HK比率が80%以上90%未満
×:HP/HK比率が80%未満
(11)フィッシュアイ
A4サイズにカットしたフィルムを直交偏光板の間に置き、拡大鏡を用いて輝点を観察した。下記のランク付けをおこない、○と△を合格、×を不合格とした。
○:フィッシュアイが見当たらない。
△:フィッシュアイが1個観察される。
×:フィッシュアイが2個以上観察される。
(12)光弾性係数(単位:10−12Pa−1
短辺1cm長辺7cmのサンプルを切り出した。このサンプルの厚みをd(μm)とし、島津(株)社製TRANSDUCER U3C1−5Kを用いて、上下1cmずつをチェックに挟み長辺方向に1kg/mm(9.81×10Pa)の張力(F)をかけた。この状態で、ニコン(株)社製偏光顕微鏡5892を用いて位相差R(nm)を測定した。光源としてはナトリウムD線(589nm)を用いた。これらの数値を光弾性係数=R/(d×F)にあてはめて光弾性係数を計算した。
(参考例)チタン触媒(乳酸チタンナトリウムキレート化合物)の調製
攪拌機、凝縮器及び温度計を備えた3リットルのフラスコ中の温水(371g)に乳酸(226.8g、2.52モル)を溶解させ撹拌した。この撹拌されている溶液に滴下漏斗からチタンテトライソプロポキシド(288g、1.0モル)をゆっくり加えた。この混合物を1時間加熱、還流させて曇った溶液を生成させ、これよりイソプロパノール/水混合物を減圧下にて蒸留した。その生成物を70℃以下の温度まで冷却し、その撹拌されている溶液に水酸化ナトリウムの32wt%水溶液(380g、3.04モル)を滴下漏斗によってゆっくり加えた。得られた生成物を濾過し、次いでエチレングリコール(504g、8モル)と混合し、減圧下で加熱してイソプロパノール/水を除去し、わずかに曇った淡黄色の生成物(チタン含有量5.6wt%)を得た。
実施例1
(ポリエステルの合成)
シス/トランス比率(重量比)が70/30である1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルを32.2重量部、ジメチルテレフタレートを7.8重量部、エチレングリコールを25重量部、9,9−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)フルオレンを70.4重量部、酢酸マンガン四水塩を0.06重量部それぞれ計量し、エステル交換反応装置に仕込み、内容物を150℃で溶解させて撹拌した。
撹拌しながら反応内容物の温度を205℃まで昇温し、さらに235℃までゆっくり昇温しながらメタノールを留出させた。所定量のメタノールが留出したのち、トリエチルホスホノアセテートを0.032重量部含んだエチレングリコール溶液を添加した。トリエチルホスホノアセテートの添加5分後に二酸化ゲルマニウムを0.04重量部含んだエチレングリコール溶液を添加し、さらに10分間撹拌してエステル交換反応を終了した。その後エステル交換反応物を重合装置に移行した。
次いで重合装置内容物を撹拌しながら減圧および昇温し、エチレングリコールを留出させながら重合をおこなった。なお、減圧は90分かけて常圧から133Pa以下に減圧し、昇温は90分かけて235℃から285℃まで昇温した。
重合装置の撹拌トルクが所定の値に達したら重合装置内を窒素ガスにて常圧へ戻し、重合装置下部のバルブを開けてガット状のポリマーを水槽へ吐出した。水槽で冷却されたポリエステルガットはカッターにてカッティングし、チップとした。
このようにしてポリエステルチップを得た。
(ポリエステルの水処理)
得られたポリエステルチップは95℃のイオン交換水で満たされた水槽に投入し、5時間水処理した。水処理の終了したチップは脱水機によって水と分離した。この水処理によってポリエステルチップに含まれていたファインも除去した。
(ポリエステルフィルムの製膜)
ポリエステルチップを減圧乾燥した後、押出機に供給した。押出機に供給されたポリエステルは280℃で溶融されて金属不織布フィルターによって濾過されたのち、Tダイから溶融シートとして押し出した。この溶融シートを、静電印加法(電極は直径0.15ミリのタングステンワイヤーを使用)によって表面温度が25℃に制御された鏡面ドラム上に冷却固化し、未延伸シートとした。
さらに未延伸シートをTg+10℃に加熱されたロール延伸機によって長手方向に3倍延伸した。このようにして一軸延伸フィルムを得た。
一方、別途採取した未延伸シートを用いて図1に示した金型を用い、ポリエステルのTg+30℃に加熱し、未延伸シートに10MPaの圧力で10秒間プレスした。
プレス終了後の金型と未延伸シートとは密着性が強く、これらの剥離は容易でなかった。
結果を表1〜4に示す。
実施例2
水処理をおこなわない以外は実施例1と同様にしてポリエステルチップとフィルムを得た。結果を表1〜4に示すが、水処理をおこなわなかったためにGe触媒の活性が残っており、Δηが増大した。また合格範囲ではあるが、ファインも除去されなかったので、溶液ヘイズの値が若干高くなり、フィッシュアイも見られた。
実施例3
実施例1におけるリン化合物をトリエチルホスホノアセテートから旭電化工業製“アデカスタブPEP36”に変更し、残存リン量が実施例1と同一となるように添加した。これ以外は実施例1と同様にしてポリエステルチップとフィルムを得た。結果を表1〜4に示す。3価リン化合物によってΔηが改善されたが、ポリエステル樹脂の溶融比抵抗値は高くなった。
実施例4、5
実施例1におけるリン化合物をトリエチルホスホノアセテートからトリメチルリン酸、リン酸にそれぞれ変更し、残存リン量が実施例1と同一となるように添加した。これ以外は実施例1と同様にしてポリエステルチップとフィルムを得た。結果を表1〜4に示す。エステル系リン化合物では溶液ヘイズが小さいが、リン酸では溶液ヘイズが上昇した。
実施例6、7
実施例1におけるトリエチルホスホノアセテート添加量を変更する以外は実施例1と同様にしてポリエステルチップとフィルムを得た。結果を表1〜4に示す。
金属/リン比率が小さい場合、溶融比抵抗が上昇してキャスト性が低下した。一方、金属/リン比率が大きい場合、Δη・溶液ヘイズが上昇しフィッシュアイも観察された。また金属/リン比率が大きいポリエステルは、溶融製膜時において溶融粘度が低下し、フィルム幅が狭くなるなどの現象が観察された。
実施例8、9
実施例1における酢酸マンガン四水塩(エステル交換反応触媒)を酢酸マグネシウム四水塩、酢酸カルシウム一水塩に変更した。触媒の添加量は、実施例1と同程度のエステル交換反応時間となるように調整した。さらに金属/リン比率が実施例1と同じになるようにトリエチルホスホノアセテート添加量を調製した。これ以外は実施例1と同様にしてポリエステルチップとフィルムを得た。結果を表1〜4に示す。
マグネシウムを用いた場合、ポリエステルの溶融比抵抗が効果的に低下する反面、金属量が増えたためにΔηが若干悪化した。またカルシウムを用いた場合には体積比抵抗が上昇し、溶液ヘイズも上昇した。
実施例10、11
実施例1における重合触媒を二酸化ゲルマニウムから三酸化アンチモン、乳酸チタンナトリウムキーレート(参考例で調製)に変更し、これ以外は実施例1と同様にしてポリエステルチップとフィルムを得た。結果を表1〜4に示す。
アンチモン触媒では重合に時間がかかり、得られたポリエステルの溶液ヘイズも上昇した。チタン触媒では重合時間が最も短く、反応性は良好であった。しかしながら、チタン触媒の場合には、ポリエステルの色調が黄味を帯びていた。なお、アンチモン触媒、チタン触媒いずれの場合も水処理による触媒失活効果は小さく、Δηはゲルマニウム触媒よりも大きい値となった。
実施例12〜14
ジカルボン酸成分、ジオール成分の組成比率を変更して実施例1と同様にポリエステルチップとフィルムを得た。結果を表1〜4に示す。
芳香族ジカルボン酸成分の比率が増大すると光弾性係数は増大し、エンボス成形性が低下する傾向にあった。またTgが低い水準では耐熱性が、Tgの高い水準ではエンボス成形性が低下し、金型とフィルムの離型性も悪化する傾向にあった。
実施例15〜20
ジカルボン酸成分、ジオール成分の組成を変更して実施例1と同様にポリエステルチップとフィルムを得た。いずれも良好な特性を示した。結果を表1〜4に示す。
実施例21、22
重合触媒である二酸化ゲルマニウムの使用量を変更して実施例1と同様にポリエステルチップとフィルムを得た。結果を表1〜4に示す。重合触媒が多くなると溶液ヘイズが上昇し、フィッシュアイが発生し易くなる。
参考例23
1,4シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルのシス/トランス比率を20/80に変更する以外は実施例1と同様にポリエステルチップとフィルムを得た。トランス比率が増えることでTgと光弾性係数が若干上昇した。結果を表1〜4に示す。
実施例24
ステアリルアルコールを1重量部、原料として追加する以外は実施例1と同様にポリエステルチップとフィルムを得た。エンボス成形後の金型離型性が格段に向上し、問題なく金型からフィルムを剥離することができた。結果を表1〜4に示す。
比較例1、2
トリエチルホスホノアセテート添加量を変更する以外は実施例1と同様にポリエステルチップとフィルムを得た。金属/リン比率が低すぎる場合、静電印加性が悪化し、フィルムキャスティング時に空気を噛み込み、フィルム表面(鏡面ドラム面側)に泡状欠点が多量に発生した。一方、金属/リン比率が高すぎる場合、ワイヤー電極から溶融フィルムへ不均一な放電が発生し、フィルム表面(鏡面ドラム面側)には筋状の欠点が発生した。さらにポリエステルのΔηも大きく、溶融シートの吐出が不安定であった。
いずれのフィルムも表面欠点が多く、エンボス成形や延伸成形を取りやめた。
比較例3、4
ジカルボン酸成分、ジオール成分の組成比率を変更する以外は実施例1と同様にしてポリエステルチップとフィルムを得た。結果を表1〜4に示す。Tgが低い場合には耐熱性が不足しており、Tgが高い場合にはエンボス成形性が不足していた。
比較例5
水処理を実施しない以外は比較例4と同様にしてポリエステルチップとフィルムを得た。結果を表1〜4に示す。本水準のポリエステルは脆さがあり、チップカッティング時に多くのファインが生成していた。エンボス成形性とフィッシュアイが不十分であった。
比較例6
ジカルボン酸成分、ジオール成分の組成比率を変更する以外は実施例1と同様にしてポリエステルチップとフィルムを得た。結果を表1〜4に示す。
ガラス転移点は100℃であったが、エンボス成形性が不足していた。
Figure 0005233085
Figure 0005233085
Figure 0005233085
Figure 0005233085
エンボス成形用金型の断面形状を示す概略図である。 エンボス成形されたフィルム断面形状を示す概略図である。
符号の説明
1:金型本体
2:くぼみ深さ(HK)
3:三角形状の一辺の長さ(20μm)
4:エンボス加工済みフィルム
5:三角高さ(HP)

Claims (9)

  1. リン化合物を含有し、脂環族成分としてシス/トランス比率が0.8/0.2〜0.5/0.5であるシクロヘキサン誘導体成分およびフルオレン誘導体成分を構成単位として含み、下記式(1)および(2)を満足する光学用ポリエステル樹脂を含む液晶ディスプレイ用光学ポリエステルフィルム。
    85℃≦示差走査熱量測定によるガラス転移点温度≦150℃ ・・・(1)
    1.0≦(Ma/2+Mb+Mc)/P≦5.0 ・・・(2)
    (Maはポリエステル樹脂1t中に含有されるアルカリ金属元素のモル数、Mbはポリエステル樹脂1t中に含有されるアルカリ土類金属元素のモル数、Mcはポリエステル樹脂1t中に含有されるZn、Co、Mn金属元素それぞれのモル数の和、Pはポリエステル樹脂1t中に含有されるリン元素のモル数)
  2. 290℃における溶融比抵抗が5×10〜2×10Ω・cmの範囲である、請求項1に記載の光学用ポリエステル樹脂を含む液晶ディスプレイ用光学ポリエステルフィルム。
  3. チタン、アンチモンおよびゲルマニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含有し、下記式(3)〜(5)を満足する、請求項1または2に記載の液晶ディスプレイ用光学ポリエステルフィルム。
    0≦Ti<1 ・・・(3)
    0≦Sb<3.0 ・・・(4)
    0<Ge<7 ・・・(5)
    (Tiはポリエステル樹脂1t中に含有されるチタン元素のモル数、Sbはポリエステル樹脂1t中に含有されるアンチモン元素のモル数、Geはポリエステル樹脂1t中に含有されるゲルマニウム元素のモル数)
  4. リン化合物がホスホン酸誘導体である、請求項1〜3のいずれかに記載の光学用ポリエステル樹脂を含む液晶ディスプレイ用光学ポリエステルフィルム。
  5. リン化合物に含まれるリン元素が3価である、請求項1〜4のいずれかに記載の光学用ポリエステル樹脂を含む液晶ディスプレイ用光学ポリエステルフィルム。
  6. 290℃で20分間溶融し急冷したときの固有粘度をη2とし、前記溶融を行う前の固有粘度をη1としたとき、それらの差Δη=η1−η2の値が0.1以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の光学用ポリエステル樹脂を含む液晶ディスプレイ用光学ポリエステルフィルム。
  7. ポリエステル樹脂2gを20mlのフェノール/1,1,2,2,テトラクロロエタンの3/2(容積比)混合溶媒に溶解し光路長20mmのセルを用いて測定した溶液のヘイズが4%以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の光学用ポリエステル樹脂を含む液晶ディスプレイ用光学ポリエステルフィルム。
  8. テレフタル酸成分、イソフタル酸成分から選択される少なくとも一種の芳香族ジカルボン酸成分を全ジカルボン酸成分に対して2〜50モル%含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の光学用ポリエステル樹脂を含む液晶ディスプレイ用光学ポリエステルフィルム。
  9. ファイン含有量が200ppm以下である、請求項1〜のいずれかに記載の光学用ポリエステル樹脂を含む液晶ディスプレイ用光学ポリエステルフィルム。
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