JP6272658B2 - ポリエステルカーボネート共重合体 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリエステルカーボネート共重合体に関する。
従来、代表的なポリエステルカーボネート樹脂としては2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下ビスフェノールAという)、テレフタル酸やイソフタル酸又はこれらの誘導体及びホスゲンやジフェニルカーボネート等のカーボネート前駆物質を反応させて得られるポリエステルカーボネート樹脂が知られており、かかるポリマーが透明性、耐熱性、寸法精度がよい等の優れた性質を有することも知られている。しかしながら、近年軽薄短少化を反映して、より過酷な条件での使用が増え、屈折率や光弾性定数等の光学特性に加え、成形性の良いポリマーが要望されている。
例えば、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンと芳香族ジカルボン酸を用いたポリエステルカーボネート樹脂が検討されている(特許文献1)。該樹脂は、光弾性定数に優れるが、ガラス転移温度が150℃以上と高いため、成形流動性を良くするには成形温度を極めて高温にする必要があった。成形温度を高温にするほど樹脂が分解しやすくなり、ガス発生による成形不良が起こりやすいという課題があった。
特開平10−087800号公報
本発明は、光学特性に優れ、成形流動性の良いポリエステルカーボネート共重合体に関する。
本発明者は、上記課題を達成せんとして新規なポリエステルカーボネート樹脂について鋭意研究を重ねた結果、フルオレン含有ジオールを特定割合以上占めるジオールとジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体とカーボネート前駆物質を反応させると、光学特性及び成形流動性に優れることを見出した。
すなわち、本発明によれば、以下に示すポリエステルカーボネート共重合体が提供される。
1.(A)ジオール、(B)脂肪族ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体及び(C)カーボネート前駆物質からなるポリエステルカーボネート樹脂であって、(A)ジオールの1〜100モル%が式(I)で表わされるジオールであり、ガラス転移温度が150℃未満であって、且つ光弾性定数の絶対値が34×10 −12 Pa −1 以下であるポリエステルカーボネート共重合体。
Figure 0006272658
(式(I)中、R、R、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数6〜20のアリールオキシ基である。)
2.比粘度が0.12〜0.55である前記1に記載のポリエステルカーボネート共重合体。
3.比粘度が0.12〜0.36である前記1または2に記載のポリエステルカーボネート共重合体。
4.(A)ジオールの1〜100モル%が9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンである前記1〜のいずれかに記載のポリエステルカーボネート共重合体。
5.260℃、せん断速度1000/secにおける溶融粘度が400Pa・s以下である前記1〜のいずれかに記載のポリエステルカーボネート共重合体。
6.前記1〜のいずれかに記載のポリエステルカーボネート共重合体からなる光学部材。
7.前記1〜のいずれかに記載のポリエステルカーボネート共重合体からなる光学レンズ。
本発明によれば、光学特性及び成形性に優れるポリエステルカーボネート共重合体を得ることができる。そして、それを用いることで、光学レンズや光ディスク、光学フィルム、プラセル基板等の光学部材を得ることができ極めて有用である。
本発明のポリエステルカーボネート共重合体は、ジオール、ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体及びカーボネート前駆物質を重合触媒存在下、反応させることによって製造される。
本発明のポリエステルカーボネート共重合体は、ジオール成分として下記式(I)で表わされるジオールを含む。ジオール成分中の下記式(I)の含有量は10モル%以上99モル%以下が好ましく、20モル%以上95モル%以下であるとより好ましく、30モル%以上70モル%以下であるとさらに好ましい。
Figure 0006272658
式(I)中、R、R、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜1
0のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数6〜20のアリールオキシ基である。
炭素数1〜10のアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
炭素数1〜10のアルコキシル基として、メトキシ基、エトシキ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基などが挙げられる。
炭素数5〜20のシクロアルキル基として、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基、シクロドデシル基、シクロトリデシル基、シクロテトラデシル基、シクロペンタデシル基、シクロへキサデシル基、シクロヘプタデシル基、シクロオクタデシル基、シクロノナデシル基、シクロイコシル基などが挙げられる。
炭素数6〜20のアリール基として、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
炭素数6〜20のアリールオキシ基として、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基などが挙げられる。上記の中でも9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンが好ましい。
本発明のポリエステルカーボネート共重合体は、ジオール成分として上記式(I)で表わされるジオールを含むが、その他のジオールとして、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、デカリン−2,6−ジメタノール、ノルボルナンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール、シクロペンタン−1,3−ジメタノール、スピログリコール、イソソルビド、ヒドロキノン、レゾルシノール、ビスフェノールA、ビスフェノールC、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等が挙げられる。
本発明のポリエステルカーボネート共重合体の製造に用いるカーボネート前駆物質としては例えばホスゲン、ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、上記二価フェノール類のビスクロロホーメート、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−p−トリルカーボネート、ジ−p−クロロフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート等が挙げられ、なかでもジフェニルカーボネートが好ましい。
本発明のポリエステルカーボネートは、ガラス転移点が150℃未満であると好ましく、100℃以上150℃未満であるとより好ましく、120℃以上145℃以下であるとよりいっそう好ましい。ガラス転移点が100℃未満では成形品の耐熱性が不足し、使用範囲が限定されるため好ましくない。ガラス転移点が150℃以上では成形温度が高くなり、樹脂分解による成形不良が起こり易いため好ましくない。
本発明のポリエステルカーボネート共重合体に使用するジカルボン酸成分として、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、1,5−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、2,6−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、2,7−デカヒドロナフタレンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられ、中でも脂肪族ジカルボン酸を用いるとガラス転移点が好適な範囲となり好ましい。これらは単独または二種以上組み合わせて用いてもよい。また、これらの誘導体としては酸クロライドやエステル類が用いられる。
本発明のポリエステルカーボネート共重合体は、ポリマー繰り返し単位において、エステル基のモル量がエステル基とカーボネート基の合計モル量の1〜99モル%である。エステル基のモル量は、好ましくは1〜82モル%、より好ましくは2〜67モル%である。
本発明のポリエステルカーボネート共重合体の比粘度は、0.12〜0.55の範囲にあることが好ましく、0.12〜0.36の範囲であるとより好ましく、0.12〜0.30の範囲であるとよりいっそう好ましい。比粘度が0.12未満では成形品が脆くなり好ましくない。比粘度が0.55より高くなると、重合時間が長くなり樹脂の色相が悪くなることや溶融粘度が高くなり成形性が悪くなることがあり好ましくない。
本発明のポリエステルカーボネート共重合体の光弾性定数の絶対値は、50×10−12Pa−1以下、より好ましくは40×10−12Pa−1以下、さらに好ましくは34×10−12Pa−1以下である。光弾性定数の絶対値が50×10−12Pa−1より大きいと、応力による複屈折が発生し、光学歪みが大きくなるため好ましい。
本発明のポリエステルカーボネート共重合体の260℃、せん断速度1000/secにおける溶融粘度は、400Pa・s以下であることが好ましく、300Pa・s以下であるとより好ましい。溶融粘度が400Pa・sより大きいと、射出成形時の流動性が不十分であり好ましくない。
本発明の共重合体を製造する方法としては、ジオール成分とジカルボン酸成分とビスアリールカーボネートとのエステル交換反応が好ましく採用される。
本発明のポリエステルカーボネート共重合体は、一般式(1)で表されるジオール成分及びジカルボン酸成分及び炭酸ジエステルを、触媒の存在下、溶融重縮合法により好適に得ることができる。
触媒として使用する塩基性化合物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ビスフェノールAのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム等が挙げられる。アルカリ土類金属化合物としては水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウム等が挙げられる。
助触媒として使用する含窒素塩基性化合物としてはテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリフェニルアミン、ジメチルアミノピリジン等が挙げられる。
エステル交換触媒としては亜鉛、スズ、ジルコニウム、鉛、チタン、ゲルマニウム、アンチモン、オスミウム、アルミニウムの塩が挙げられ、例えば、酢酸亜鉛、安息香酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛、塩化スズ(II)、塩化スズ(IV)、酢酸スズ(II)、酢酸スズ(IV)、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズオキサイド、ジブチルスズジメトキシド、ジルコニウムアセチルアセトナート、オキシ酢酸ジルコニウム、ジルコニウムテトラブトキシド、酢酸鉛(II)、酢酸鉛(IV)、チタンテトラブトキシド(IV)、チタンテトライソプロポキシド、チタン(IV)=テトラキス(2−エチル−1−ヘキサノラート)、酸化チタン、トリス(2,4−ペンタジオネート)アルミニウム(III)等が用いられる。
以上の触媒の中でもチタン化合物が好適に用いられ、チタンテトラブトキシド(IV)、チタン(IV)=テトラキス(2−エチル−1−ヘキサノラート)が特に好ましい。
これらの触媒は単独で用いても、二種以上併用してもよく、これらの重合触媒の使用量はジオール成分とジカルボン酸成分の合計1モルに対して、10−9〜10−3モルの比率で用いられる。
本発明のポリエステルカーボネート共重合体は、重合反応終了後、熱安定性および加水分解安定性を保持するために、触媒を除去もしくは失活させてもよい。アルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物については、一般的に、公知の酸性物質の添加による触媒の失活を行う方法が好適に実施される。これらの失活を行うとしては、具体的には、安息香酸ブチル等のエステル類、p−トルエンスルホン酸等の芳香族スルホン酸類、p−トルエンスルホン酸ブチル、p−トルエンスルホン酸ヘキシル等の芳香族スルホン酸エステル類、亜リン酸、リン酸、ホスホン酸等のリン酸類、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸モノフェニル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジn−プロピル、亜リン酸ジn−ブチル、亜リン酸ジn−ヘキシル、亜リン酸ジオクチル、亜リン酸モノオクチル等の亜リン酸エステル類、リン酸トリフェニル、リン酸ジフェニル、リン酸モノフェニル、リン酸ジブチル、リン酸ジオクチル、リン酸モノオクチル等のリン酸エステル類、ジフェニルホスホン酸、ジオクチルホスホン酸、ジブチルホスホン酸等のホスホン酸類、フェニルホスホン酸ジエチル等のホスホン酸エステル類、トリフェニルホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン等のホスフィン類、ホウ酸、フェニルホウ酸等のホウ酸類、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩等の芳香族スルホン酸塩類、ステアリン酸クロライド、塩化ベンゾイル、p−トルエンスルホン酸クロライド等の有機ハロゲン化物、ジメチル硫酸等のアルキル硫酸、塩化ベンジル等の有機ハロゲン化物等が好適に用いられる。これらの失活剤は、触媒量に対して0.01〜50倍モル、好ましくは0.3〜20倍モル使用される。触媒量に対して0.01倍モルより少ないと、失活効果が不充分となり好ましくない。また、触媒量に対して50倍モルより多いと、耐熱性が低下し、成形体が着色しやすくなるため好ましくない。
触媒失活後、ポリマー中の低沸点化合物を0.1〜1mmHgの圧力、200〜320℃の温度で脱揮除去する工程を設けても良い。
本発明におけるポリエステルカーボネート共重合体中に残留するフェノール量は、重合体の重量を基準として100ppm以下、さらに好ましく10ppm以下、より好ましくは5ppm以下が望ましい。これより多いと、高温下において着色や分子量低下を引き起こし、また、例えば成形時等においても着色、シルバーストリーク、発泡、或いは金型汚染等の原因となり優れた成形品を得ることができない。
通常、ポリカーボネート樹脂は、重合後期までPhOHが副生するため、樹脂中の残存フェノール量を低減することは困難であるが、本発明のポリエステルカーボネート共重合体では、重合後期に副生するフェノール量が極めて少ないため、樹脂中の残存フェノール量を大幅に低減できる。
本発明のポリエステルカーボネート共重合体は、例えば射出成形法、圧縮成形法、射出圧縮成形法、溶融製膜法、キャスティング法など任意の方法により成形、加工され、光学レンズや光ディスク、光学フィルム、プラセル基板、光カード、液晶パネル、ヘッドランプレンズ、OPCバインダー等の光学部材に使用することができる。さらには、樹脂中の残存するフェノール量が極めて少ないため、医療機器や生体材料用部材等に使用することができる。
本発明の共重合体には、各種添加剤を重縮合生成物に添加する方法としては特に限定されない。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明する。なお、評価は下記の方法によった。
(1)ポリマー10mgを重クロロホルム0.6mlに溶解し、日本電子社製JNM−AL400のプロトンNMRを用いて、積算回数128回で測定した。共重合比は各成分に起因するピークの積分比から求めた。
(2)ガラス転移点:重合終了後に得られたポリエステルカーボネート共重合体ペレットをデュポン社製910型DSCにより、昇温速度20℃/minで測定した。
(3)比粘度:重合終了後に得られたポリエステルカーボネート共重合体ペレットを120℃で4時間乾燥し、該ペレット0.35gを塩化メチレン50ccに溶解した溶液を測定サンプルとした。測定は20±0.01℃の恒温槽中でオスワルト粘度管の標線間の通過時間を計測し、下記式からその溶液の20℃における比粘度(ηsp)を求めた。
ηsp=(t−t)/t
ここで比粘度のt:ポリマー溶液の標線間通過時間、t:塩化メチレンの標線間通過時間である。
(4)光弾性定数測定:重合終了後に得られたポリエステルカーボネート共重合体ペレットを塩化メチレンに溶かしキャスト製膜した。フィルムの中央部分から長さ50mm、幅10mmの試験片を切り出し、日本分光(株)製 Spectroellipsometer M−220を使用し光弾性定数を測定した。
(5)流動性評価:重合終了後に得られたポリエステルカーボネート共重合体ペレットを東洋精機(株)製キャピログラフ1Dにより、260℃、せん断速度1000/secにおける溶融粘度を測定した。
(6)レンズの成形評価:住友重機械(株)製SE30DU射出成形機を用い、表3に記載の条件にて、厚さ0.3mm、凸面曲率半径5mm、凹面曲率半径4mm、φ5mmのレンズを射出成形し成形性を評価した。レンズ成形板の欠点(シルバーや汚れ等)の有無を判定した。5ショット中欠点無しを○、5ショット中欠点1個以上ありを×として評価した。
実施例1
9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン(以下“BPEF”と省略することがある)105.24重量部、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(以下“CHDA”と省略することがある)23.07重量部、ジフェニルカーボネート(以下“DPC”と省略することがある)21.42重量部、炭酸カリウム8.29×10−3重量部、ジメチルアミノピリジン24.43×10−3重量部を攪拌機および留出装置付きの反応釜に入れ、窒素雰囲気常圧下、180℃に加熱し、20分間撹拌した。その後、20分かけて減圧度を80kPaに調整し、60℃/hrの速度で250℃まで昇温し、エステル交換反応を行った。その後、250℃に保持したまま、120分かけて0.13kPa以下まで減圧し、260℃、0.13kPa以下の条件下で1時間攪拌下重合反応を行った。その後、生成したポリエステルカーボネート共重合体をペレタイズしながら抜き出した。得られたポリエステルカーボネート共重合体の諸特性を表1及び表2に示した。得られたポリエステルカーボネート共重合体を120℃で4時間真空乾燥した後、得られる樹脂組成物の重量を基準としてビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトを0.10%、グリセリンモノステアレートを0.10%加えて、ベント付きφ30mm単軸押出機を用いてペレット化した。該ペレットを120℃で5時間乾燥後、射出成形にてレンズを成形し、評価結果を表3に示した。
実施例2
BPEF84.19重量部、トリシクロデカンジメタノール(以下“TCDDM”と省略することがある)37.69重量部、コハク酸ジメチル(以下“DMS”と省略することがある)2.34重量部、DPC80.55重量部、水酸化ナトリウム0.08×10−3重量部を攪拌機および留出装置付きの反応釜に入れ、実施例1と同様の方法で反応を行い、生成したポリエステルカーボネート共重合体をペレタイズしながら抜き出した。得られたポリエステルカーボネート共重合体の諸特性を表1及び表2に示した。また、実施例1と同様の方法でレンズを成形し、評価結果を表3に示した。
実施例3
BPEF77.18重量部、1,4−シクロヘキサンジオール(以下“CHDOH”と省略することがある)18.58重量部、CHDA9.23重量部、DPC59.98重量部、炭酸カリウム8.29×10−3重量部、ジメチルアミノピリジン24.43×10−3重量部を攪拌機および留出装置付きの反応釜に入れ、実施例1と同様の方法で反応を行い、生成したポリエステルカーボネート共重合体をペレタイズしながら抜き出した。得られたポリエステルカーボネート共重合体の諸特性を表1及び表2に示した。また、実施例1と同様の方法でレンズを成形し、評価結果を表3に示した。
実施例4
BPEF70.16重量部、CHDOH23.23重量部、DMS5.85重量部、DPC70.26重量部、チタンテトラブトキシド34.03×10−3重量部を攪拌機および留出装置付きの反応釜に入れ、実施例1と同様の方法で反応を行い、生成したポリエステルカーボネート共重合体をペレタイズしながら抜き出した。得られたポリエステルカーボネート共重合体の諸特性を表1及び表2に示した。また、実施例1と同様の方法でレンズを成形し、評価結果を表3に示した。
比較例1
撹拌機付ステンレス製反応釜に9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン24.2部(ジオールの合計モル数に対して50モル%)、ビスフェノールA13.6部、ジメチルテレフタレート8.2部(ジオールと芳香族ジカルボン酸成分の合計モル数に対して25モル%)、ジメチルイソフタレート1.7部(ジオールと芳香族ジカルボン酸成分の合計モル数に対して5モル%)及びジフェニルカーボネート20.8部を仕込み、これに触媒としてテトラブトキシチタン6×10−5部を加え、200〜220℃で脱メタノール及び脱フェノールを行った。殆ど留出が終了した後リン酸トリメチル1マイクロリットル及び0.5%酸化ゲルマニウム水溶液0.1ミリリットルを加え、260〜280℃まで徐々に昇温すると同時に徐々に減圧度を上げて0.1mmHgにした。溶融粘度が十分になった後反応を停止し、ポリエステルカーボネート樹脂を得た。また、実施例1と同様の方法でレンズを成形し、評価結果を表3に示した。
Figure 0006272658
BPEF:9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン
TCDDM:トリシクロデカンジメタノール
CHDOH:1,4−シクロヘキサンジオール
BPA:ビスフェノールA
CHDA:1,4−シクロヘキサンジカルボン酸
DMS:コハク酸ジメチル
DMT:テレフタル酸ジメチル
DMI:イソフタル酸ジメチル
Figure 0006272658
Figure 0006272658
実施例1〜4のポリエテルカーボネート共重合体はガラス転移点が低く、流動性が良いため、比較的低温である260℃での成形が可能である。また、光弾性定数が小さいため、応力による複屈折が発生しにくい。
これに対して、比較例1(先行文献相当品)はガラス転移点が高く、260℃での流動性が悪いため、260℃での成形は困難である。成形温度を上げて十分な流動性を確保しても、樹脂分解による成形不良が発生しやすくなる。また、光弾性定数が大きいため、応力による複屈折が発生しやすい。
本発明のポリエステルカーボネート共重合体は、成形性や色相に優れるため、カメラレンズ、プロジェンターレンズ、ピックアップレンズ等の各種光学レンズや光ディスク、光学フィルム、プラセル基板、光カード、液晶パネル、ヘッドランプレンズ、OPCバインダー等の光学部材として極めて有用である。

Claims (7)

  1. (A)ジオール、(B)脂肪族ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体及び(C)カーボネート前駆物質からなるポリエステルカーボネート樹脂であって、(A)ジオールの1〜100モル%が式(I)で表わされるジオールであり、ガラス転移温度が150℃未満であって、且つ光弾性定数の絶対値が34×10 −12 Pa −1 以下であるポリエステルカーボネート共重合体。
    Figure 0006272658
    (式(I)中、R、R、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数6〜20のアリールオキシ基である。)
  2. 比粘度が0.12〜0.55である請求項1に記載のポリエステルカーボネート共重合体。
  3. 比粘度が0.12〜0.36である請求項1または2に記載のポリエステルカーボネート共重合体。
  4. (A)ジオールの1〜100モル%が9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)
    フェニル]フルオレンである請求項1〜のいずれかに記載のポリエステルカーボネート共重合体。
  5. 260℃、せん断速度1000/secにおける溶融粘度が400Pa・s以下である請求項1〜のいずれかに記載のポリエステルカーボネート共重合体。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載のポリエステルカーボネート共重合体からなる光学部材。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載のポリエステルカーボネート共重合体からなる光学レンズ。
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