JP6087490B2 - フルオレン誘導体からなる熱可塑性樹脂およびその溶融重合方法 - Google Patents

フルオレン誘導体からなる熱可塑性樹脂およびその溶融重合方法 Download PDF

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Description

本発明は、フルオレン誘導体からなる溶融重合時の着色が極めて少ない熱可塑性樹脂およびその製造方法に関する。
近年、ビスフェノール類を原料とする樹脂(例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂など)において、耐熱性、透明性、耐衝撃性等及び、高屈折率を備えた材料が強く要求されている。9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンなどのフルオレン誘導体からなる樹脂は、耐熱性に優れ、高透明で高屈折率な材料として有望であり、自動車用ヘッドランプレンズ、CD、CD−ROMピックアップレンズ、フレネルレンズ、レーザープリンター用fθレンズ、カメラレンズ、リアプロジェクションテレビ用投影レンズなどの光学レンズなどとして期待されている。
これら樹脂を製造する方法は種々知られている。例えば、エステル交換法により芳香族ジオール類と炭酸ジエステルおよび/もしくは芳香族ジカルボン酸ジエステル類を溶融状態で重合する溶融重縮合法がある。また、ホスゲンを水不混合性有機溶媒中に溶解し、二価のフェノール性化合物類のアルカリ水溶液と接触させる界面重合法がある。特に、溶融重縮合法は溶媒を使用せず、基本的にハロゲン系の原料を使用しないという特徴を有し、設備が簡便で製造可能であり産業上有効である。
しかし、溶融重縮合法は、洗浄工程を導入しがたく、原料の品質により得られるポリマーの着色が大きいという問題を有する。このような溶融重縮合法の問題点を解決するために、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンなどのフルオレン誘導体からなる樹脂に関する報告がなされている。(特許文献1、2)。これらの報告では、フルオレン誘導体を製造する際の残存硫黄量を減らす事で、ポリマーの着色を低減できるとしている。
しかしながら、該フルオレン誘導体中の硫黄量が少なくとも、原料モノマーであるジオール中に芳香族性水酸基を有するジオールが少なからず存在し、溶融重合時に酸化もしくは芳香族性水酸基が重合触媒と作用し、上記の着色問題を完全に解決できていない。
よって、光学材料として広く用いるために、これらの問題を解決する必要性がある。
特開2008−111047号公報 特開2009−185299号公報
本発明は、フルオレン誘導体からなる色相に優れる熱可塑性樹脂およびその溶融重合方法を提供することにある。
本発明者らはこの目的を達成せんとして鋭意研究を重ねた結果、フルオレン誘導体として特定構造の副生物の含有量を制御した9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンを用いることにより、上記目的を達成できる事を見出し本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の1〜8の熱可塑性樹脂の溶融重合方法およびそれによって得られた熱可塑性樹脂が提供される。
1.フルオレノン、フェノキシエタノール、β−メルカプトプロピオン酸を少なくとも用いて得られた、下記式(1)で表される、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンを、全ジヒドロキシ成分の30モル%以上の割合で用いるジヒドロキシ成分と炭酸エステル成分および/又はジカルボン酸成分を反応させた熱可塑性樹脂の溶融重合方法において、
用いる9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンは、純度が99%以上で、含有する下記式(2)で表される芳香族水酸基体の含有量が、50ppm以下、下記式(3)で表される芳香族水酸基体の含有量が、200ppm以下、
下記式(4)の化合物の含有量が、500ppm以下、
下記式(5)の化合物の含有量が、200ppm以下、
およびS化合物の含有量が80ppm以下であることを特徴とする熱可塑性樹脂の溶融重合方法。
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2.熱可塑性樹脂が、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂およびポリエステルカーボネート樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種である上記1に記載の熱可塑性樹脂の溶融重合方法。
3.上記1または2に記載の熱可塑性樹脂の溶融重合方法で得られた熱可塑性樹脂であって、ペレットのb値が、−10.0〜10.0以下であることを特徴とする熱可塑性樹脂の溶融重合方法
4.熱可塑性樹脂0.7gを100mlの塩化メチレンに溶解し、20℃で測定した比粘度が0.12〜0.55、ガラス転移温度が110℃〜160℃、温度280℃―せん断速度1000/secにおける溶融粘度が30〜200Pa・sである上記3記載の熱可塑性樹脂の溶融重合方法
5.光学フィルム、光学ディスク、光学プリズムおよび光学レンズからなる群より選ばれる少なくとも一種に用いられる上記3または4に記載の熱可塑性樹脂の溶融重合方法。
本発明により、溶融重合時、溶融押出時、成形時等において、樹脂の着色が極めて小さいフルオレン誘導体からなる熱可塑性樹脂を製造することができる。さらに、成形流動性が良好であり、それを用いることで、色相に優れる光学部品を射出成形などで得ることができ、光学レンズやプリズム、光ディスク、光ファイバー、光学フィルム等の各種光学材料に用いることができ極めて有用である。
<フルオレン誘導体中の不純物>
本発明における前記式(1)で表される9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン中における、式(2)で表される化合物の含有量は、50ppm以下である。上記範囲外であると、式(2)、(3)で表される芳香族水酸基が酸化反応を受けやすく、また、触媒と作用し色相の良いポリマーが得られず、さらには、成形流動性が低下する。
さらに、式(1)で表される9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン中における、式(4)で表される末端停止剤として作用する脂肪族水酸基体の含有量が500ppm以下であることが好ましい。式(1)で表される9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン中に含まれる式(4)で表される化合物の含有量が、500ppm以下であると色相の良好な樹脂に加えてさらに分子量の調節が容易となる。式(1)で表される9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン中に含まれる式(4)で表される化合物の含有量は、より好ましくは、100ppm以下であり、特に好ましくは、50ppm以下である。上記範囲外であると、末端低止剤となり所望のポリマーが得られにくくなる。
また、式(1)で表される9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン中における、式(5)で表される、耐熱性の低い化合物の含有量が200ppm以下であることが好ましい。式(1)で表される9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン中に含まれる式(5)で表される化合物の含有量が200ppm以下であると色相の良好な樹脂に加えてさらに耐熱性の良好な熱可塑性樹脂が得られる。式(1)で表される9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン中に含まれる式(5)で表される化合物の含有量は、より好ましくは、100ppm以下であり、特に好ましくは、50ppm以下である。上記範囲外であると、耐熱性の指標となるガラス転移温度が低下し、成形品が得られない場合がある。
ここで、式(1)で表されるフルオレン誘導体に不純物として含まれる式(2)〜(5)で表される化合物は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により定量できる。
<9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンジオール成分とジカルボン酸成分の純度>
本発明に使用される一般式(1)で表わされるジヒドロキシ成分及びジカルボン酸成分の純度は、HPLCによって測定することができる。純度は、好ましくは99.0%以上、より好ましくは99.5%以上、さらに好ましくは99.9%以上である。純度が上記範囲外であると色相の良い樹脂が得られにくく好ましくない。
<フルオレン誘導体の製造方法>
式(1)で表されるフルオレン誘導体の精製方法の一例としては、脂肪族アルコールを用いた再精製が有効である。式(1)で示されるフルオレン誘導体の脂肪族アルコールへの溶解性が低いのに対し、式(2)、(3)で表される芳香族水酸基体は溶解性を示す。式(1)の、85℃、16wt%トルエン溶液を脂肪族アルコールに再沈殿させ、濾過回収、乾燥し精製粗結晶を得る。具体的な脂肪族アルコールには炭素数1〜2の、メタノール、エタノール等を挙げることができる。この精製粗結晶を85℃、16wt%トルエン溶液に調製し、撹拌しながら室温、もしくは、冷水で容器の回りを冷却しながら固体を析出させ,次いで、得られた結晶を濾過し、乾燥させ回収する。その後、再度85℃、16wt%トルエン溶液とし、再結晶化を行い、精製結晶を回収する。上記精製方法により、所望の芳香族水酸基体含有量の式(1)で表されるフルオレン誘導体を得ることが出来る。また、上記精製方法を繰り返すことにより式(4)、(5)で表される不純物量も所定の量に低減できる。
本発明の熱可塑性樹脂は、式(2)、(3)さらに好ましくは、式(4)、(5)で表わされる不純物を上記の含有量以下にした式(1)で表されるジヒドロキシ成分を原料として使用する。式(1)で表わされるジヒドロキシ成分を使用する場合、酸化されにくく、触媒と結合しても着色要因物質となることがなく、好ましい。また、成形流動性が良くなり好ましい。さらに重合不良が生じにくい。
<ポリカーボネート樹脂>
本発明の一実施形態は、ポリカーボネート樹脂がある。本実施形態は、式(1)で表される化合物を少なくとも含有するジヒドロキシ成分を炭酸エステル成分と、塩基性化合物触媒の存在下反応させた樹脂である。本実施形態において、利用するジヒドロキシ成分及び炭酸ジエステル成分は、それぞれ単一成分であっても良く、又はジヒドロキシ成分及び/又は、炭酸ジエステル成分が2種類以上の化合物を含む、即ち、共重合成分を含んでも良い。
また、式(1)で表される化合物とともに使用可能なビスフェノール類の例には、1,1’−ビフェニル−4,4’−ジオール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、α,ω−ビス[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス[3−(o−ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサン、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンなど芳香族ジオールが含まれる。また、エチレングリコール等の脂肪族ジオール、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、デカリン−2, 6−ジメタノール、ノルボルナンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール、シクロペンタン−1,3−ジメタノール、スピログリコール等の脂環式ジオールを含んでもよい。これらは、1種を単独で使用しても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらの中でも特に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA:BPA)が好ましい。
炭酸ジエステルとしては、ジフェニルカーボネート、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−p−トリルカーボネート、ジナフチルカーボネート等が挙げられ、なかでもジフェニルカーボネートが好ましい。これらの芳香族炭酸ジエステルは単独で用いても、二種以上併用してもよい。
本実施形態のポリカーボネート樹脂を製造する方法としては、通常のポリカーボネート樹脂の製造に用いる方法が任意に採用される。例えばジオールとホスゲンとの反応、又はジオールとビスアリールカーボネートとのエステル交換反応が好ましく採用される。
ジオールとホスゲンとの反応では、非水系で酸結合剤及び溶媒の存在下に反応を行う。酸結合剤としては例えばピリジン、ジメチルアミノピリジン、第三級アミン等が用いられる。溶媒としては例えば塩化メチレンやクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。分子量調節剤として例えばフェノールやp−tert−ブチルフェノール等の末端停止剤を用いることが望ましい。反応温度は通常0〜40℃、反応時間は数分〜5時間が好ましい。
エステル交換反応では、不活性ガス存在下にジオールとビスアリールカーボネートを混合し、アルカリ金属化合物触媒もしくはアルカリ土類金属化合物もしくはその双方からなる混合触媒の存在下にて、減圧下通常120〜350℃、好ましくは150〜300℃で反応させる。減圧度は段階的に変化させ、最終的には1mmHg以下にして生成したアルコール類を系外に留去させる。反応時間は通常1〜4時間程度である。重合触媒としてはアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物を主成分として用い、必要に応じて含窒素塩基性化合物を従成分として用いても良い。
触媒として使用するアルカリ金属化合物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ビスフェノールAのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム等が挙げられる。アルカリ土類金属化合物としては水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウム等が挙げられる。
助触媒として使用する含窒素塩基性化合物としてはテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリフェニルアミン、ジメチルアミノピリジン等が挙げられる。
これらの触媒は単独で用いても、二種以上併用してもよく、これらの重合触媒の使用量はジオール成分の合計1モルに対して、10−9〜10−3モルの比率で用いられる。また、色相改善のために酸化防止剤や熱安定剤等を加えてもよい。
本実施形態のポリカーボネート樹脂は、重合反応終了後、熱安定性および加水分解安定性を保持するために、触媒を除去もしくは失活させてもよい。アルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物については、一般的に、公知の酸性物質の添加による触媒の失活を行う方法が好適に実施される。これらの失活を行うとしては、具体的には、安息香酸ブチル等のエステル類、p−トルエンスルホン酸等の芳香族スルホン酸類、p−トルエンスルホン酸ブチル、p−トルエンスルホン酸ヘキシル等の芳香族スルホン酸エステル類、亜リン酸、リン酸、ホスホン酸等のリン酸類、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸モノフェニル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジn−プロピル、亜リン酸ジn−ブチル、亜リン酸ジn−ヘキシル、亜リン酸ジオクチル、亜リン酸モノオクチル等の亜リン酸エステル類、リン酸トリフェニル、リン酸ジフェニル、リン酸モノフェニル、リン酸ジブチル、リン酸ジオクチル、リン酸モノオクチル等のリン酸エステル類、ジフェニルホスホン酸、ジオクチルホスホン酸、ジブチルホスホン酸等のホスホン酸類、フェニルホスホン酸ジエチル等のホスホン酸エステル類、トリフェニルホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン等のホスフィン類、ホウ酸、フェニルホウ酸等のホウ酸類、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩等の芳香族スルホン酸塩類、ステアリン酸クロライド、塩化ベンゾイル、p−トルエンスルホン酸クロライド等の有機ハロゲン化物、ジメチル硫酸等のアルキル硫酸、塩化ベンジル等の有機ハロゲン化物等が好適に用いられる。これらの失活剤は、触媒量に対して0.01〜50倍モル、好ましくは0.3〜20倍モル使用される。触媒量に対して0.01倍モルより少ないと、失活効果が不充分となり好ましくない。また、触媒量に対して50倍モルより多いと、耐熱性が低下し、成形体が着色しやすくなるため好ましくない。
触媒失活後、樹脂中の低沸点化合物を0.1〜1mmHgの圧力、200〜320℃の温度で脱揮除去する工程を設けても良い。
<ポリエステル樹脂>
本発明の一実施形態は、ポリエステル樹脂がある。本実施形態では、式(1)で表される化合物を少なくとも含むジヒドロキシ成分と、ジカルボン酸及び/又はこれらの反応性誘導体を含むジカルボン酸成分とを、反応させたポリエステル樹脂である。
本実施形態で利用するジヒドロキシ成分及びジカルボン酸成分は、それぞれ単一の成分であってもよく、又はジヒドロキシ成分及び/又はジカルボン酸成分が2種以上の化合物を含む、即ち、共重合成分を含んでいてもよい。
式(1)で表される化合物とともに使用可能な他のジヒドロキシ化合物としては、アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、テトラメチレングリコール(1,4−ブタンジオール)、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、オクタンジオール、デカンジオールなどの直鎖状又は分岐鎖状のC2-12のアルキレングリコールなど);(ポリ)オキシアルキレングリコール(例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール);などが挙げられる。これらのジオールは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
式(1)で表される化合物と組み合わせて用いるジヒドロキシの好ましい例は、直鎖状又は分岐鎖状C2-10のアルキレングリコールであり、より好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C2-6のアルキレングリコール、さらに好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C2-4アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール(1,4−ブタンジオール)である。
特に好ましい作用をするジヒドロキシ成分としては、エチレングリコールが挙げられる。
式(1)で表されるジヒドロキシ以外のジヒドロキシ(例えばエチレングリコール)は、重合反応性を高めるとともに樹脂に柔軟性を付与させるための共重合成分として有用である。なお、共重合成分の導入により、屈折率、耐熱性、吸水性が低下する場合があるため、それらの点では、一般的には共重合比率は小さいほうがよい。
ジカルボン酸成分としては、ジカルボン酸、もしくはそのエステル形成性誘導体が挙げられる。ジカルボン酸成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。例えば、ジカルボン酸成分として、ジカルボン酸及びその誘導体を使用することができる。
代表的なジカルボン酸としては、例えばアルカンジカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸等)、アルケンジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸等)の脂肪族ジカルボン酸;シクロアルカンジカルボン酸(シクロヘキサンジカルボン酸等)、ジ又はトリシクロアルカンジカルボン酸(デカリンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、アダマンタンジカルボン酸等)等の脂環族ジカルボン酸;アレーンジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸等)ビフェニルジカルボン酸(2,2’−ビフェニルジカルボン酸等)の芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。さらにこれらの反応性誘導体(ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸などの酸無水物、ジメチルエステル、ジエチルエステルなどの低級(C1-4)アルキルエステル、ジカルボン酸に対応する酸ハライドなどのエステル形成可能な誘導体)を使用することができる。
これらのジカルボン酸は、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でもシクロヘキサンジカルボン酸、及びテレフタル酸が安価で工業的に入手しやすいため好ましい。
本実施の形態のポリエステル樹脂は、前記熱可塑性樹脂中に含まれる、式(1)で表されるフルオレン誘導体の含有量が、該樹脂中に含まれる全構成単位に対して、30モル%以上とするのが好ましい。なお、「式(1)で表されるフルオレン誘導体由来の残基を含む構成単位」とは、式(1)の化合物の残基とジカルボン酸残基とからなるエステル結合−COO−を含む構成単位をいう。例えば、式(1)で表されるフルオレン誘導体以外に、ジヒドロキシ化合物を使用する場合は、「式(1)で表されるフルオレン誘導体由来の残基を含む構成単位」以外に、「他のジヒドロキシ成分の残基を含む構成単位」がポリエステル樹脂中に含まれるが、エステル結合を含む全構成単位中、「式(1)で表されるフルオレン誘導体由来の残基を含む構成単位」を、30モル%以上とするのが好ましい。式(1)の化合物の割合を前記範囲とすることで、屈折率などの光学特性の優れたポリエステル樹脂となる。強度の点では式(1)の化合物の含有率は高いほど弾性率が高く好ましいが、一方、高すぎると引っ張り伸びが低下するため、式(1)の化合物の含有量は90重量%程度以下であるのが好ましい。
本実施の形態では、ジカルボン酸成分(ジカルボン酸及び/又はエステル形成性ジカルボン酸誘導体)と、式(1)で表される化合物を含むジヒドロキシ成分とを、エステル交換法、直接重合法などの溶融重合法、溶液重合法、界面重合法等の種々の方法に従って反応させて、ポリエステル樹脂を得ることができる。中でも、反応溶媒を用いない溶融重合法が好ましい。
溶融重合法の一つであるエステル交換法は、触媒存在下、ジカルボン酸エステルとジヒドロキシ化合物とを反応させ、生成するアルコールを留去しながらエステル交換を行うことによりポリエステルを得る方法であり、一般にポリエステル樹脂の合成に用いられている。
また、直接重合法は、ジカルボン酸とジヒドロキシ化合物との脱水反応を行い、エステル化合物を形成したのち、減圧下にて過剰のジヒドロキシ化合物を留去しながらエステル交換反応を行うことによりポリエステル樹脂を得る方法である。直接重合法はエステル交換法のようにアルコールの留出がなく、原料に安価なジカルボン酸を用いることができることが利点である。これら溶融重合法を実施する際の重合触媒種、触媒量、温度等の重合条件、及び熱安定剤、エーテル化防止剤、触媒失活剤等の添加剤については、公知の方法を参照することができる。
<ポリエステルカーボネート樹脂>
本発明の一実施形態は、ポリエステルカーボネート樹脂である。本実施形態では、式(1)で表される化合物を少なくとも含むジヒドロキシ成分と、ジカルボン酸及び炭酸エステル成分と、塩基性化合物触媒、エステル交換触媒またはその双方からなる混合触媒とを含有する樹脂である。本実施形態において、利用するジヒドロキシ成分及びジカルボン酸成分及び炭酸ジエステル成分は、それぞれ単一成分であっても良く、又はジヒドロキシ成分及び/又は、ジカルボン酸成分及び/又は、炭酸ジエステル成分が2種類以上の化合物を含んでも良い。
式(1)で表される化合物とともに本発明において使用可能なジヒドロキシ成分は、エチレングリコール等の脂肪族ジオール、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、デカリン−2, 6−ジメタノール、ノルボルナンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール、シクロペンタン−1,3−ジメタノール、スピログリコール等の脂環式ジオール、1,1’−ビフェニル−4,4’−ジオール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、α,ω−ビス[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス[3−(o−ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサン、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)ドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビスフェノールA等の芳香族ジオール等が挙げられる。これらは単独または二種以上組み合わせて用いてもよい。
本実施形態のポリエステルカーボネート樹脂におけるジカルボン酸化合物はテレフタル酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸等の脂肪族ジカルボン酸、イソフタル酸、tert−ブチルイソフタル酸等の単環式芳香族ジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸等の多環式芳香族ジカルボン酸、2,2’−ビフェニルジカルボン酸等のビフェニルジカルボン酸、1,4−シクロジカルボン酸、2,6−デカリンジカルボン酸等の脂還族ジカルボン酸が挙げられる。これらは単独または二種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも、テレフタル酸が好ましい。また、これらの誘導体としては酸クロライドやエステル類が用いられる。
本発明のポリエステルカーボネート樹脂の製造に用いるカーボネート前駆物質としては例えばホスゲン、ジフェニルカーボネート、上記二価フェノール類のビスクロロホーメート、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−p−トリルカーボネート、ジ−p−クロロフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート等が挙げられ、なかでもジフェニルカーボネートが好ましい。
本実施形態のポリエステルカーボネート樹脂を製造する方法としては、通常のポリエステルカーボネート樹脂の製造に用いる方法が任意に採用される。例えばジヒドロキシとジカルボン酸又はジカルボン酸クロライドとホスゲンとの反応、又はジヒドロキシとジカルボン酸とビスアリールカーボネートとのエステル交換反応が好ましく採用される。
ヒドロキシ、ジカルボン酸又はその酸クロライドとホスゲンとの反応では、非水系で酸結合剤及び溶媒の存在下に反応を行う。酸結合剤としては例えばピリジン、ジメチルアミノピリジン、第三級アミン等が用いられる。溶媒としては例えば塩化メチレンやクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。分子量調節剤として例えばフェノールやptert−ブチルフェノール等の末端停止剤を用いることが望ましい。反応温度は通常0〜40℃、反応時間は数分〜5時間が好ましい。
エステル交換反応では、不活性ガス存在下にジヒドロキシとジカルボン酸又はそのジエステルとビスアリールカーボネートを混合し、減圧下通常120〜350℃、好ましくは150〜300℃で反応させる。減圧度は段階的に変化させ、最終的には1mmHg以下にして生成したアルコール類を系外に留去させる。反応時間は通常1〜4時間程度である。また、エステル交換反応では反応促進のために重合触媒を用いることができる。このような重合触媒としてはアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物又は重金属化合物を主成分として用い、必要に応じて含窒素塩基性化合物を従成分として用いても良い。
アルカリ金属化合物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ビスフェノールAのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム等が挙げられる。アルカリ土類金属化合物としては水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウム等が挙げられる。
含窒素塩基性化合物としてはテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリフェニルアミン、ジメチルアミノピリジン等が挙げられる。
その他のエステル交換触媒としては亜鉛、スズ、ジルコニウム、鉛、チタン、ゲルマニウム、アンチモン、オスミウム、アルミニウムの塩が挙げられ、例えば、酢酸亜鉛、安息香酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛、塩化スズ(II)、塩化スズ(IV)、酢酸スズ(II)、酢酸スズ(IV)、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズオキサイド、ジブチルスズジメトキシド、ジルコニウムアセチルアセトナート、オキシ酢酸ジルコニウム、ジルコニウムテトラブトキシド、酢酸鉛(II)、酢酸鉛(IV)チタンテトラブトキシド(IV)等が用いられる。
これらの触媒は単独で用いても、二種以上併用してもよく、これらの重合触媒の使用量はジオールとジカルボン酸の合計1モルに対して、10−9〜10−3モルの比率で用いられる。これらは単独で用いても、二種以上併用してもよい。また、エステル交換反応ではヒドロキシ末端基を減少するために重縮合反応の後期又は終了後に電子吸引性の置換基を持ったジアリールカーボネートを加えも良い。更に、色相改善のために酸化防止剤や熱安定剤等を加えてもよい。
本実施形態のポリエステルカーボネート樹脂は、重合反応終了後、熱安定性および加水分解安定性を保持するために、触媒を除去もしくは失活させてもよい。アルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物については、一般的に、公知の酸性物質の添加による触媒の失活を行う方法が好適に実施される。これらの物質としては、具体的には、安息香酸ブチル等のエステル類、p−トルエンスルホン酸等の芳香族スルホン酸類、p−トルエンスルホン酸ブチル、p−トルエンスルホン酸ヘキシル等の芳香族スルホン酸エステル類、亜リン酸、リン酸、ホスホン酸等のリン酸類、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸モノフェニル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジn−プロピル、亜リン酸ジn−ブチル、亜リン酸ジn−ヘキシル、亜リン酸ジオクチル、亜リン酸モノオクチル等の亜リン酸エステル類、リン酸トリフェニル、リン酸ジフェニル、リン酸モノフェニル、リン酸ジブチル、リン酸ジオクチル、リン酸モノオクチル等のリン酸エステル類、ジフェニルホスホン酸、ジオクチルホスホン酸、ジブチルホスホン酸等のホスホン酸類、フェニルホスホン酸ジエチル等のホスホン酸エステル類、トリフェニルホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン等のホスフィン類、ホウ酸、フェニルホウ酸等のホウ酸類、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩等の芳香族スルホン酸塩類、ステアリン酸クロライド、塩化ベンゾイル、p−トルエンスルホン酸クロライド等の有機ハロゲン化物、ジメチル硫酸等のアルキル硫酸、塩化ベンジル等の有機ハロゲン化物等が好適に用いられる。これらの失活剤は、触媒量に対して0.01〜50倍モル、好ましくは0.3〜20倍モル使用される。触媒量に対して0.01倍モルより少ないと、失活効果が不充分となり好ましくない。また、触媒量に対して50倍モルより多いと、耐熱性が低下し、成形体が着色しやすくなるため好ましくない。
触媒失活後、ポリマー中の低沸点化合物を0.1〜1mmHgの圧力、200〜320℃の温度で脱揮除去する工程を設けても良い。
<ペレットb値>
本発明の熱可塑性樹脂は、重合後に得られるペレットのb値が−10.0〜10.0、好ましくは−7.0〜7.0、より好ましくは−5.0〜5.0の範囲であることが好ましい。
ペレットb値が上記範囲外であると色相の良い光学部品が得られないので好ましくない。
<比粘度>
本発明の熱可塑性樹脂は、そのポリマー0.7gを100mlの塩化メチレンに溶解し、20℃で測定した比粘度が0.12〜0.55の範囲のものが好ましく、0.15〜0.45の範囲のものがより好ましい。比粘度が0.12未満では成形品が脆くなり、0.55より高くなると溶融粘度および溶液粘度が高くなり、取扱いが困難になるので好ましくない。
<透明度>
本発明の熱可塑性樹脂は、厚さ0.1mmの成形板としたときの波長380〜800nmにおける透過率が80%以上であることが好ましい。透過率が80%以下になると透明性が損なわれ、良い光学部品が得られないので好ましくない。
<溶融粘度>
本発明の熱可塑性樹脂は、280℃、せん断速度1000/secにおける溶融粘度が30〜200Pa・sであることが好ましく、30〜160Pa・sであることがより好ましい。200Pa・s以上であると成形品を形成する上で、取り扱いが困難になるので、好ましくない。
以下に実施例によって本発明の具体例を説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り以下の実施例によって限定されるものではない。
実施例等に用いた、式(1)で表されるジヒドロキシ成分の純度、副生成物含有量、ペレットの色相は、下記の方法で測定した。
(1)式(1)で表されるジヒドロキシ成分の純度、不純物量:chemco製KROMASIL 5C18のカラムにて溶離液メタノール/0.2%酢酸水とメタノールとの混合液を用いて、カラム温度40℃、検出器254nmで0min:メタノール60%、0→20min:メタノール60→95%、20→40min:アセトニトリル100%、40→47min:アセメタノール100→60%のグラジエントプログラムにてHPLC分析した。測定は、モノマー4mgをメタノール25mlに溶解させた後、孔径0.2μmのPTFEフィルターでろ過し、測定を行った。不純物量は、検量線より重量パーセントにて定量した。
(2)イオウ量の定量:ヤナコ製SQ−1型/HSU−35型とダイオネクス製ICS−2000型自動燃焼ハロゲン・硫黄分析システムを用いて定量を行った。
(3)ペレットb値:重合終了後に得られた重合体ペレットをガラスセルに入れ、日本電色色差計SE−2000を用いてペレット色相を測定した。
(4)ガラス転移点(Tg):重合終了後に得られた樹脂ペレットをデュポン社製910型DSCにより20℃/minにて測定した。
(5)溶融粘度:東洋精機製作所製CAPIROGRAH1Dにより直径1mm、長さ10mmのノズルを用い、280℃、せん断速度1000/secにおける溶融粘度を測定した。
[参考例1]
攪拌機、冷却管及びビュレットを備えたガラス製反応器に純度99.5重量%のフルオレノン350重量部(1.94モル)とフェノキシエタノール1070重量部(7.78モル)を仕込み、β−メルカプトプロピオン酸2.3重量部を加えて撹拌した混合液に、反応温度を50℃に保持しつつ、98重量%の硫酸570重量部を60分かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を50℃に保ち、さらに5時間撹拌することにより反応を完結させた。
反応終了後、メタノール2.5kgを加えて、10℃まで冷却したところ、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンと硫酸ナトリウムの混合結晶が析出した。ろ過により混合結晶を取り出したのち、トルエン3.5kg、水1.0kgを加えて85℃に加熱して硫酸ナトリウムを溶解させた。水相を除去したのち、有機相をさらに85℃の水で2回洗浄した。その後、トルエン相を100倍量のメタノールに再沈殿し、粗結晶を濾過により回収した。この粗結晶を4.0kgのトルエンに85℃で溶解させ、同様の精製を行った。この作業を二回繰り返した後、85℃トルエン相を10℃に冷却することにより、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン(以下“BPEF”と省略することがある)(1)700重量部が得た。
[参考例2]
攪拌機、冷却管及びビュレットを備えたガラス製反応器に純度99.5重量%のフルオレノン350重量部(1.94モル)とフェノキシエタノール1070重量部(7.78モル)を仕込み、β−メルカプトプロピオン酸2.3重量部とし、メタノールへの再沈殿、再結晶化を一回行う以外は、実施例1と同様にしてBPEF(2)700重量部を得た。
[参考例3]
攪拌機、冷却管及びビュレットを備えたガラス製反応器に純度99.5重量%のフルオレノン350重量部(1.94モル)とフェノキシエタノール1070重量部(7.78モル)を仕込み、β−メルカプトプロピオン酸2.3重量部とし、メタノールへの再沈殿、再結晶を行わない以外は、実施例1と同様にしてBPEF(3)700重量部を得た。
[参考例4]
攪拌機、冷却管及びビュレットを備えたガラス製反応器に純度99.5重量%のフルオレノン350重量部(1.94モル)とフェノキシエタノール1070重量部(7.78モル)を仕込み、β−メルカプトプロピオン酸2.3重量部を加えて撹拌した混合液に、反応温度を50℃に保持しつつ、98重量%の硫酸570重量部を60分かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を50℃に保ち、さらに5時間撹拌することにより反応を完結させた。
反応終了後、メタノール2.5kgを加えて、10℃まで冷却したところ、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンと硫酸ナトリウムの混合結晶が析出した。ろ過により混合結晶を取り出したのち、3000mlのn-へキサンに加熱溶解させ、3重量部となる量のアルカリを加えた後、加熱しながら撹拌する。回収は、反応液を水で中性になるまで洗浄した後、反応液を撹拌しながら室温で容器の回りを冷却しながら固体を析出させ,次いで、得られた固形物を濾過し、乾燥して回収した。BPEF(4)700重量部が得た。
Figure 0006087490
[実施例1]
表1におけるBPEF(1)140.32重量部、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下“Bis−A”と省略することがある)18.27重量部、ジフェニルカーボネート(以下“DPC”と省略することがある)87.80重量部、炭酸水素ナトリウム5.0×10−4重量部を攪拌機および留出装置付きの反応釜に入れ、窒素置換を3度行った後、窒素雰囲気760Torrの下、215℃に加熱し、20分間撹拌した。完全溶解後、15分かけて150Torrに調整し、215℃、150Torrの条件下で20分保持し、エステル交換反応を行った。さらに37.5℃/hrの速度で240℃まで、昇温し、240℃、150Torrで10分保持した。その後、10分かけて120Torrに調整し、240℃、120Torrで70分保持した。その後、10分かけて100Torrに調整し、240℃、100Torrで10分保持した。さらに40分かけて1Torr以下とし、240℃、1Torr以下の条件下で10分攪拌下重合反応を行った。反応終了後、反応器内に窒素を吹き込み加圧にし、生成した樹脂をペレタイズしながら抜き出した。該ペレットは無色透明であった。
[実施例2]
表1におけるBPEF(1)119.81重量部、テレフタル酸ジメチル(以下“DMT”と省略することがある)78.03重量部、エチレングリコール15.96重量部、チタンテトラブトキシド1.37×10−4重量部を攪拌機および留出装置付きの反応釜に入れ、窒素置換を3度行った後、窒素雰囲気760Torrの下、220℃に加熱し、20分間撹拌した。完全溶解後、220℃で脱メタノールを行った。ほとんど留出が終了した後、リン酸トリメチル11.4μl及び、0.5%酸化ゲルマニウム水溶液1.23ml加え、280℃まで、60分かけて昇温と同時に、150分かけて真空度を上げて0.1Torr以下の条件下で10分攪拌下重合反応を行った。反応終了後、反応器内に窒素を吹き込み加圧にし、生成した樹脂をペレタイズしながら抜き出した。該ペレットは無色透明であった。
[実施例3]
表1におけるBPEF(1)140.32重量部、DMT15.54重量部、DPC54.84重量部、チタンテトラブトキシド13.6×10−3重量部を攪拌機および留出装置付きの反応釜に入れ、窒素雰囲気760Torrの下、180℃に加熱し、20分間撹拌した。その後、20分かけて減圧度を20kPaに調整し、60℃/hrの速度で250℃まで昇温し、エステル交換反応を行った。その後、250℃に保持したまま、120分かけて1Torr以下まで減圧し、250℃、1Torr以下の条件下で1時間攪拌下重合反応を行った。その後、生成した樹脂をペレタイズしながら抜き出した。該ペレットは無色透明であった。
比較例3
表1におけるBPEF(2)140.32重量部、DMT15.54重量部、DPC54.84重量部、チタンテトラブトキシド13.6×10−3重量部とする以外は、実施例3と同様にして樹脂を合成した。該ペレットは無色透明であった。
[比較例1]
表1におけるBPEF(3)140.00重量部、DMT15.54重量部、DPC54.84重量部、チタンテトラブトキシド13.6×10を10−3重量部を攪拌機および留出装置付きの反応釜に入れ、窒素雰囲気760Torrの下、180℃に加熱し、20分間撹拌した。その後、20分かけて減圧度を20kPaに調整し、60℃/hrの速度で250℃まで昇温し、エステル交換反応を行った。その後、250℃に保持したまま、120分かけて1Torr以下まで減圧し、250℃、1Torr以下の条件下で1時間攪拌下重合反応を行った。重合反応が進行せず、そのまま抜き出した。
[比較例2]
表1におけるBPEF(4)140.00重量部、DMT15.54重量部、DPC54.84重量部、チタンテトラブトキシド13.6×10を10−3重量部を攪拌機および留出装置付きの反応釜に入れ、窒素雰囲気760Torrの下、180℃に加熱し、20分間撹拌した。その後、20分かけて減圧度を20kPaに調整し、60℃/hrの速度で250℃まで昇温し、エステル交換反応を行った。その後、250℃に保持したまま、120分かけて1Torr以下まで減圧し、250℃、1Torr以下の条件下で1時間攪拌下重合反応を行った。その後、生成した樹脂をペレタイズしながら抜き出した。該ペレットは黄褐色に着色した。
Figure 0006087490
実施例1〜の樹脂は、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシフェニル)フルオレン中の化合物(2)(3)が少なく、更にジオールの純度も高く、重合後の色相が極めて良い。また、成形流動性も十分である。これに対して、比較例1、原料モノマーである化合物(2)(3)が多く、ジオールの純度が低く、十分な重合度を得ることができなかった。比較例2は、重合後の色相に劣り、流動性ともに不十分である。
本発明の樹脂は色相、成形流動性、強度に優れるため、カメラレンズ、プロジェクターレンズ、ピックアップレンズなどの各種光学レンズやプリズム、光ディスク、光ファイバー、光学フィルム等の各種光学材料に好適に利用できる。

Claims (5)

  1. フルオレノン、フェノキシエタノール、β−メルカプトプロピオン酸を少なくとも用いて得られた、下記式(1)で表される、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンを、全ジヒドロキシ成分の30モル%以上の割合で用いるジヒドロキシ成分と炭酸エステル成分および/又はジカルボン酸成分を反応させた熱可塑性樹脂の溶融重合方法において、
    用いる9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンは、純度が99%以上で、含有する下記式(2)で表される芳香族水酸基体の含有量が、50ppm以下、下記式(3)で表される芳香族水酸基体の含有量が、200ppm以下、
    下記式(4)の化合物の含有量が、500ppm以下、
    下記式(5)の化合物の含有量が、200ppm以下、
    およびS化合物の含有量が80ppm以下であることを特徴とする熱可塑性樹脂の溶融重合方法。
    Figure 0006087490
    Figure 0006087490
    Figure 0006087490
    Figure 0006087490
    Figure 0006087490
  2. 熱可塑性樹脂が、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂およびポリエステルカーボネート樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載の熱可塑性樹脂の溶融重合方法。
  3. 請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂の溶融重合方法で得られた熱可塑性樹脂であって、ペレットのb値が、−10.0〜10.0以下であることを特徴とする熱可塑性樹脂の溶融重合方法
  4. 熱可塑性樹脂0.7gを100mlの塩化メチレンに溶解し、20℃で測定した比粘度が0.12〜0.55、ガラス転移温度が110℃〜160℃、温度280℃―せん断速度1000/secにおける溶融粘度が30〜200Pa・sである請求項3記載の熱可塑性樹脂の溶融重合方法
  5. 光学フィルム、光学ディスク、光学プリズムおよび光学レンズからなる群より選ばれる少なくとも一種に用いられる請求項3または4に記載の熱可塑性樹脂の溶融重合方法。
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