JP6442352B2 - モノマーの製造方法 - Google Patents
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Description
プラスチックをリサイクルする方法は、(1)プラスチックを熱エネルギーとして回収するサーマルリサイクル、(2)プラスチックを製品にある割合で混合し、加工して製品とするマテリアルリサイクル、(3)プラスチックを化学的に分解してプラスチックの原材料にまで戻して、プラスチック製造に再使用するケミカルリサイクルがある。しかし、サーマルリサイクルは、プラスチックを焼却して熱を取りだすので、二酸化炭素と水が生成し、本質的には地球環境を破壊し、資源を減少させていることになる。マテリアルリサイクルは、資源の消費に関しては、一番環境の負荷が少なく、環境的に望ましいが、混合できる製品が限定され、製品に混入できる割合が少なく、リサイクルできる量が限られる。ケミカルリサイクルは、プラスチックを原材料まで分解するので、そのまま製造に利用することが可能であり、産業上有用なリサイクル方法である。
特許文献2には、ポリカーボネートスクラップをバルクまたは溶液でケン化し、未ケン化の成分を分離し、ケン化混合物をホスゲン化し、まったく精製工程および処理工程なしでポリカーボネート重合工程に用いる方法が示されている。
特許文献3には、アルカリ触媒存在下、ポリカーボネートをフェノールで分解し、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジアリールを回収する方法が示されている。
また、特許文献4には、トルエン、キシレン、ベンゼンまたはジオキサン溶剤中で、少量のアルカリを触媒として、エステル交換反応を行い、炭酸ジアルキルと芳香族ジヒドロキシ化合物を得る方法が示されている。
特許文献5には、ポリカーボネートを塩化アルキル、エーテル類または芳香族炭化水素系溶媒等の溶媒と3級アミンの存在下、低級アルコールとエステル交換させて芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジアルキルを得る方法が提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載の方法は薄いアルカリ性水溶液を用いているので反応が高温になり、さらに後処理において非常に多くの水を使い、黄色の着色成分をメタノールと水の混合溶媒から再沈殿するので、廃液処理が非常に煩雑である。
特許文献3〜5に記載の方法は、分解生成物と溶媒の分離回収工程が煩雑になるだけでなく、必要としない副生成物が発生する。
特許文献6に記載の方法は、塩基性条件下での芳香族ヒドロキシ化合物の酸化を防ぐために酸化防止剤の添加が必要であり、また、高純度固体として取り出す為には、酸を加えて芳香族ヒドロキシ化合物を析出させる必要がある。
また特許文献1〜6に記載の方法は、何れもビスフェノールAを原料とするポリカーボネートであり、フェノール性の水酸基を有する点で、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン(以下、BPEFと略すことがある)のような、−CH2CH2OHで表されるアルキレン鎖に結合した水酸基を有するモノマーを原料とするポリマーについての知見はない。
1. 下記式(1)で表されるモノマー残基を含むポリマーを、金属水酸化物水溶液により分解し、下記式(I)で表されるモノマーを製造する方法であって、
(2)分解液からモノマーの粗生成物を回収する工程(回収工程)並びに
(3)モノマーの粗生成物を精製する工程(精製工程)、
を含む前記モノマーの製造方法。
2. ポリマーが、ポリカーボネート、ポリエステルまたはポリエステルカーボネートである前項1記載の製造方法。
3. モノマーが、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンである前項1記載の製造方法。
4. 金属水酸化物が、水酸化ナトリウムおよび/または水酸化カリウムである前項1記載の製造方法。
5. 有機溶媒が、混合溶媒を50重量%以上含む前項1記載の製造方法。
6. 有機溶媒が、トルエンとシクロヘキサノンからなる混合溶媒である前項1記載の製造方法。
7. 分解工程における分解温度が、25〜90℃である前項1記載の製造方法。
8. 分解工程における金属水酸化物水溶液の濃度が、15〜48重量%である前項1記載の製造方法。
9. 回収工程は、分解液を冷却し析出したモノマーの粗生成物を回収する工程を含む前項1記載の製造方法。
10. 回収工程は、分解液を水相と有機溶媒相とを分離した後、有機溶媒層からモノマーの粗生成物を回収する工程である前項1記載の製造方法。
11. 回収工程は、分離した有機溶媒層を水洗する工程を含む前項10記載の製造方法。
12. 精製工程は、モノマーの粗生成物を、エーテル溶媒、ケトン溶媒、炭化水素溶媒およびアルコール溶媒からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む再結晶溶媒に溶解した後、モノマーを析出させる再結晶工程を含む前項1記載の製造方法。
13. 再結晶溶媒が、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトン、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、2−プロパノールおよび2−ブタノールからなる群より選ばれる少なくとも一種の溶媒である前項12記載の製造方法。
14. 再結晶工程の前に、有機溶媒層を水洗する工程を含む前項12記載の製造方法。
15. モノマーが、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンであり、モノマー中の9−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−9−(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの含有量が0.2%以下である前項1記載の製造方法。
本発明の製造法は、分解工程、回収工程並びに精製工程を含む。
分解工程は、エーテル溶媒と炭化水素溶媒の混合溶媒またはケトン溶媒と炭化水素溶媒の混合溶媒を含む有機溶媒、ポリマーおよび金属水酸化物水溶液を混合してポリマーを分解し、モノマーを含有する分解液を得る工程である。
(ポリマー)
ポリマーは、下記式(I)で表されるモノマー残基を含むポリマーである。すなわち、式(I)で表されるモノマーを原料の一つとして得られたポリマーである。ポリマーとして、ポリカーボネート、ポリエステルまたはポリエステルカーボネートが挙げられる。
分岐していても良い炭素数2〜6のアルキレン基として、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられる。炭素数6〜10のシクロアルキレン基として、シクロヘキシレン基、シクロオクチレン基などが挙げられる。炭素数6〜10のアリーレン基としてフェニレン基、ナフタレンジイル基などが挙げられる。
nおよびmはそれぞれ独立に1〜5の整数である。nおよびmは、それぞれ独立に1〜2の整数が好ましい。
ポリマー中の、式(I)で表されるモノマー残基の含有量は、好ましくは30モル%以上、より好ましくは50モル%以上、さらに好ましくは70モル%以上、特に好ましくは80モル%以上である。
分解工程に用いられる有機溶媒は、エーテル溶媒と炭化水素溶媒の混合溶媒またはケトン溶媒と炭化水素溶媒の混合溶媒を含む有機溶媒である。有機溶媒は、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトン、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノンおよびシクロヘキサノンからなる群より選ばれる少なくとも一種の溶媒が好適である。
分解工程に用いる有機溶媒は、混合溶媒で用いることが好ましい。トルエンとシクロヘキサノンやトルエンと2−ブタノンの混合溶媒が好適であり、トルエンとシクロヘキサノンが、特に好適である。シクロヘキサノンを溶媒に用いると分解工程において、ポリマーが釜内壁もしくはポリマー同士で付着して塊になることなくポリマーの分解を円滑に進行させることができる。
有機溶媒の使用量は、ポリマー100重量部に対し100〜600重量部の範囲が好ましく、130〜300重量部がさらに好ましく、150〜170重量部が特に好ましい。溶媒量が100重量部より少ないと、初期の混合が不十分で、さらに充分膨潤または溶解せず、分解反応終了までの時間が長くなることがある。また600重量部より多いと、反応系内のカーボネート結合およびエステル結合の濃度が低くなり、分解反応速度が低下するため、分解反応時間が長くなり、また溶媒の回収コストが高くなる。
分解反応において、ポリマーをあらかじめエーテル溶媒、ケトン溶媒および炭化水素溶媒からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む有機溶媒に溶解しておいてもよいし、全てを溶解させずに分解反応を行なう反応器に投入してもよい。
金属水酸化物の濃度が、10重量%より低いと分解速度が遅くなり反応完結までに非常に長い時間がかかるため処理効率が著しく劣る。また、金属水酸化物の濃度が、48重量%を超えると金属水酸化物が析出しスラリーになりやすく、スラリーになった場合、反応が遅くなる。
本発明におけるポリマーの分解方法は、界面反応であり、エーテル溶媒、ケトン溶媒および炭化水素溶媒からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む有機溶媒に溶解、または膨潤しているポリマーが金属水酸化物水溶液と攪拌され、界面で接触して分解させる。この反応は不可逆であり、ポリカーボネートではカーボネート結合、ポリエステルではポリエステル結合、そしてポリエステルカーボネートではカーボネート結合とエステル結合が切れ、BPEF等の芳香族ジオールやエチレングリコール等の脂肪族ジオールとジヒドロキシ化合物金属塩、ジカルボン酸金属塩、炭酸金属塩などに分解する。
回収工程は、分解液から式(I)で表されるモノマーの粗生成物を回収する工程である。
式(I)で表されるモノマーとテレフタル酸から誘導されるポリエステルカーボネートの場合には、先ず、分解反応後の分解液に水を加えジカルボン酸(テレフタル酸)金属塩、炭酸金属塩を溶解させる。加える水の量は、完全に固体が溶解する量以上を投入するが、多く投入しすぎると、排出する廃液が多くなりコスト増となるので、完全に金属塩が溶解する量の最小量が好ましい。具体的には、加える水の量は、ジカルボン酸金属塩に対して、好ましくは、1800〜3000重量%であり、より好ましくは、2200〜2700重量%である。
ここで水層と有機溶媒層とを含む分解液を冷却して固体の式(I)で表されるモノマーの粗生成物を析出させることができる。固体として得られた式(I)で表されるモノマーの粗生成物のろ過の方法は、ろ過器、遠心分離機、遠心沈降装置等を挙げることができる。遠心分離機がろ過後の含液率が25重量%以下となり、好ましい。
有機溶媒相中には式(I)で表されるモノマー以外の不純物、例えば、ポリマー由来のジカルボン酸塩、炭酸塩、金属触媒等が含まれている。これらの不純物は、純水と接触、水相の導電率が、50μS/cm以下になるまで、洗浄を数回繰り返すことにより、除去が可能である。
得られた有機溶媒相を冷却することで固体の式(I)で表されるモノマーを析出させることができる。式(I)で表されるモノマーを析出させる好適な方法は、有機溶媒の存在下、40〜90℃に加熱することにより式(I)で表されるモノマーを溶解させ、その後30℃以下まで冷却し、式(I)で表されるモノマーを析出させる方法である。該方法によれば、有機溶媒相に溶解しきらない式(I)で表されるモノマーがスラリーとして得られ、このスラリーをろ過することにより、式(I)で表されるモノマーを得ることができる。
固体として得られた式(I)で表されるモノマーのろ過の方法は、ろ過器、遠心分離機、遠心沈降装置等を挙げることができる。遠心分離機がろ過後の含液率が低く、好ましい。
精製工程は、式(I)で表されるモノマーの粗生成物を精製する工程である。
先ず、固体の式(I)で表されるモノマーの粗生成物を攪拌槽に移し、エーテル溶媒、ケトン溶媒、炭化水素溶媒およびアルコール溶媒からなる群より選ばれる少なくとも一種を投入し、攪拌しながら加熱し、式(I)で表されるモノマーを完全に溶解させる。具体的には、加える有機溶剤の量は、式(I)で表されるモノマーに対して好ましくは、250〜1000重量%であり、より好ましくは、260〜350重量%である。
次いで有機相に純水を仕込み、撹拌洗浄を行うことが好ましい。具体的には、加える純水の量は、式(I)で表されるモノマーに対して好ましくは、20重量部〜100重量部であり、より好ましくは、40重量部〜60重量部である。
得られた式(I)で表されるモノマーの精製結晶は、更に精製処理してもよい。
より極性の高い溶媒を用いると、式(Ia)で表されるモノマー、式(Ib)で表されるモノマーのような着色の原因となる不純物が除去しやすく、トルエン、キシレンのような炭化水素溶媒を用いる場合には、高極性溶媒と混合して用いるのが好ましい。
有機相の不純物の吸着を目的として、吸着剤を用いてもよい。吸着剤は、活性炭、活性白土および酸性白土が挙げられ、特に活性炭が好ましい。吸着剤の使用量は、式(I)で表されるモノマー100重量部に対して、0.5〜5.0重量部が好ましい。使用量が0.5重量部より少ないと不純物除去効果が得られず、5.0重量部より多いとコストが高くなり、経済的に好ましくない。
具体的には、加えるアルコール系有機溶剤の量は、式(I)で表されるモノマーに対して好ましくは、400〜4000重量%である。
分解工程においては、特定の有機溶媒(エーテル溶媒、ケトン溶媒および炭化水素溶媒からなる群より選ばれる少なくとも一種)と金属水酸化物(アルカリ)を用い、アルカリ濃度を特定の範囲は、10〜48重量%、分解温度は、25〜95℃で分解時間は、3〜12時間で行うのが好ましく、その条件では、着色原因となる不純物の副生を抑えることが可能である。
また、精製工程においては、粗生成物の特定の溶媒(エーテル溶媒、ケトン溶媒、炭化水素溶媒およびアルコール溶媒からなる群より選ばれる少なくとも一種)を用い、再結晶することで、着色原因となる不純物を除去することができ、目的の純度、溶融ハーゼン色数のモノマーを得ることができる。
本発明の方法で回収した式(I)で表されるモノマーは、式(Ia)で表されるモノマーの含有量が、0.2%以下であることが好ましく、0.15%以下であることがより好ましい。かかるモノマーを使用して得られる樹脂は、色相に優れ好ましい。
また、回収した式(I)で表されるモノマーと市販の式(I)で表されるモノマーとを一緒にポリマーの製造に使用しても構わない。回収した式(I)で表されるモノマーと市販の式(I)で表されるモノマーを混合する方法は、固体同士、固体と液体、液体同士を混合する方法のどの方法であってもよい。
回収した式(I)で表されるモノマーを用いてポリカーボネートを製造することができる。ポリカーボネートは、下記式(II)で表される単位を含むことが好ましい。
ポリカーボネートは、式(II)で表される単位の含有量が、好ましくは、全ジヒドロキシ成分の30モル%以上、より好ましくは40〜100モル%、さらに好ましくは50〜90モル%である。式(II)で表される単位の含有量を前記範囲とすることで、光学特性、成形性、および機械特性に優れたポリカーボネートとなる。
ポリカーボネートの分子量は、好ましくは7,000〜100,000、より好ましくは8,000〜30,000、さらに好ましくは、8,000〜14,000である。分子量は溶液粘度法で測定する。
ポリカーボネートは、通常のポリカーボネートの製造方法により製造することができる。例えばジオールとホスゲンとの反応、またはジオールとビスアリールカーボネートとのエステル交換反応が好ましく採用される。
エステル交換反応では、不活性ガス存在下にジオールとビスアリールカーボネートを混合し、アルカリ金属化合物触媒もしくはアルカリ土類金属化合物もしくはその双方からなる混合触媒の存在下にて、減圧下、通常120〜350℃、好ましくは150〜300℃で反応させる。減圧度は段階的に変化させ、最終的には133Pa以下にして生成したアルコール類を系外に留去させる。反応時間は通常1〜4時間程度である。しかしながら、重合温度が、350℃超ではフェニルビニルエーテルやアセトアルデヒドが副生し易くなり、120℃未満では、反応が進行せず好ましくない。
重合触媒としてはアルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物を主成分として用い、必要に応じて含窒素塩基性化合物を従成分として用いても良い。
これらの触媒は単独で用いても、二種以上併用してもよく、これらの重合触媒の使用量はジオール成分の合計1モルに対して、10−9〜10−3モルの比率で用いられる。しかしながら触媒量が上記以上では、フェニルビニルエーテルやアセトアルデヒドが副生しやすくなり、色相が悪化し好ましくない。また、色相改善のために酸化防止剤や熱安定剤等を加えてもよい。
触媒失活後、樹脂中の低沸点化合物を133〜13.3Paの圧力、200〜320℃の温度で脱揮除去する工程を設けても良い。
回収した式(I)で表されるモノマーを用いてポリエステルを製造することができる。ポリエステルは、好ましくは下記式(III)で表される単位を含む。
ジオール成分およびジカルボン酸成分は、それぞれ単一の成分であってもよく、またはそれぞれ2種以上の化合物を含んでいてもよい。
BPEF以外のエチレングリコール等のジオールは、重合反応性を高めるとともに樹脂に柔軟性を付与させるための共重合成分として有用である。なお、共重合成分の導入により、屈折率、耐熱性、吸水性が低下する場合があるため、それらの点では、一般的には共重合比率は小さいほうがよい。
これらのジカルボン酸は、一種を単独で用いてもよく、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でもシクロヘキサンジカルボン酸、およびテレフタル酸が安価で工業的に入手しやすいため好ましい。
ポリエステルは、BPEF由来の繰り返し単位の含有量が、全単位に対して30モル%以上、好ましくは30〜50モル%、より好ましくは30〜45モル%である。BPEF由来の繰り返し単位の割合を前記範囲とすることで、光学特性の優れたポリエステルとなる。強度の点ではBPEFの含有率は高いほど弾性率が高く好ましいが、ポリエステルはジオール成分とジカルボン酸成分および/またはこれらの反応性誘導体を含むジカルボン酸成分の組成比が、50:50でなければ、十分な分子量にならない為、下記式で表されるBPEF由来の構成単位の含有量は、30〜50モル%であることがより好ましい。
ポリエステルは、ジカルボン酸成分(ジカルボン酸および/またはエステル形成性ジカルボン酸誘導体)と、BPEFを含むジオール成分とを、エステル交換法、直接重合法等の溶融重合法、溶液重合法、界面重合法等の種々の方法に従って反応させて得ることができる。中でも、反応溶媒を用いない溶融重合法が好ましい。
エステル交換反応の触媒としては、少なくとも一種類以上の金属化合物を使用することが望ましい。好ましい金属化合物中に含まれる金属元素としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、チタン、リチウム、マグネシウム、マンガン、亜鉛、スズ、コバルト等が挙げられる。これらの中でも、カルシウムおよびマンガン化合物は反応性が高く、得られる樹脂の色調が良好なことから好ましい。エステル交換触媒の使用量は、ジオール化合物1モルに対して、10−9〜10−3モルの比率で用いられる。
これら溶融重合法を実施する際の重合反応の触媒としては、少なくとも一種類以上の金属化合物を使用することが望ましい。好ましい金属元素としては、チタン、ゲルマニウム、アンチモン、アルミニウム等が挙げられる。これらの中でも、チタンおよびゲルマニウム化合物は反応性が高く、得られる樹脂の透明性および色調に優れていることから、光学用樹脂においては特に好ましい。重合触媒の使用量は、生成するポリエステルに対して、10−9〜10−3モルの比率で用いられる。
重合反応は、例えば、上記のエステル交換反応終了後の生成物を用いて、加熱装置、攪拌機、留出管および減圧付加装置を備えた反応槽により実施される。なお、これらの条件が満たされるならば、上記エステル交換反応において使用した同一の反応槽により、引き続き重合反応を実施することもできる。
重合反応終了後、樹脂中の低沸点化合物を133〜13.3Paの圧力、200〜320℃の温度で脱揮除去する工程を設けても良い。
回収した式(I)で表されるモノマーを用いてポリエステルカーボネートを製造することができる。ポリエステルカーボネートは、下記式(II)および(III)で表される単位を含むことが好ましい。式(III)中Yは、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アルキレン基等のジカルボン酸成分由来の単位である。
ポリエステルカーボネートは、式(II)および(III)で表される単位の合計が、全単位中30モル%以上、好ましくは40〜100モル%、より好ましくは50〜90モル%の割合で含まれる。式(II)および(III)で表される単位の合計を前記範囲とすることで、屈折率等の光学特性の優れたポリエステルカーボネートとなる。
上記より式(II)および(III)で表される単位の合計の含有量が、該樹脂中に含まれる全単位に対して、50〜90モル%であることがより好ましい。
ポリエステルカーボネートは、下記式で表されるBPEF由来の繰り返し単位の含有量が、全単位に対して30モル%以上、好ましくは40〜100モル%、より好ましくは50〜90モル%である。光学特性の点では、BPEFの含有率は高いほど屈折率が高く好ましいが、一方、高すぎると引っ張り伸びが低下するため、BPEFの含有量は90モル%以下であるのが好ましい。
ジオール、ジカルボン酸またはその酸クロライドとホスゲンとの反応では、非水系で酸結合剤および溶媒の存在下に反応を行う。酸結合剤としては例えばピリジン、ジメチルアミノピリジン、第三級アミン等が用いられる。溶媒としては例えば塩化メチレンやクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。分子量調節剤として例えばフェノールやp−tert−ブチルフェノール等の末端停止剤を用いることが望ましい。反応温度は通常0〜40℃、反応時間は数分〜5時間が好ましい。
また、エステル交換反応では反応促進のために重合触媒を用いることができる。このような重合触媒としてはアルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物または重金属化合物を主成分として用い、必要に応じて含窒素塩基性化合物を従成分として用いても良い。
その他のエステル交換触媒としては亜鉛、スズ、ジルコニウム、鉛、チタン、ゲルマニウム、アンチモン、オスミウム、アルミニウムの塩が挙げられ、例えば、酢酸亜鉛、安息香酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛、塩化スズ(II)、塩化スズ(IV)、酢酸スズ(II)、酢酸スズ(IV)、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズオキサイド、ジブチルスズジメトキシド、ジルコニウムアセチルアセトナート、オキシ酢酸ジルコニウム、ジルコニウムテトラブトキシド、酢酸鉛(II)、酢酸鉛(IV)、チタンテトラブトキシド(IV)等が用いられる。
これらの触媒は単独で用いても、二種以上併用してもよく、これらの重合触媒の使用量はジオールとジカルボン酸の合計1モルに対して、10−9〜10−3モルの比率で用いられる。これらは単独で用いても、二種以上併用してもよい。また、エステル交換反応ではヒドロキシ末端基を減少するために重縮合反応の後期または終了後に電子吸引性の置換基を持ったジアリールカーボネートを加えてもよい。更に、色相改善のために酸化防止剤や熱安定剤等を加えてもよい。
リン酸エステル類、リン酸トリフェニル、リン酸ジフェニル、リン酸モノフェニル、リン酸ジブチル、リン酸ジオクチル、リン酸モノオクチル等のリン酸エステル類、ジフェニルホスホン酸、ジオクチルホスホン酸、ジブチルホスホン酸等のホスホン酸類、フェニルホスホン酸ジエチル等のホスホン酸エステル類、トリフェニルホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン等のホスフィン類、ホウ酸、フェニルホウ酸等のホウ酸類、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩等の芳香族スルホン酸塩類、ステアリン酸クロライド、塩化ベンゾイル、p−トルエンスルホン酸クロライド等の有機ハロゲン化物、ジメチル硫酸等のアルキル硫酸、塩化ベンジル等の有機ハロゲン化物等が好適に用いられる。これらの失活剤は、触媒量に対して0.01〜50倍モル、好ましくは0.3〜20倍モル使用される。触媒量に対して0.01倍モルより少ないと、失活効果が不充分となり好ましくない。また、触媒量に対して50倍モルより多いと、耐熱性が低下し、成形体が着色しやすくなるため好ましくない。
本発明の製造方法で得られるポリマーには、熱安定剤、酸化防止剤、離型剤(脂肪酸エステル等)、滑剤、可塑剤、帯電防止剤、増白剤、紫外線吸収剤、耐候剤、抗菌剤、顔料、染料、充填剤、強化剤、他樹脂やゴム等の重合体、難燃剤等の改質改良剤を適宜添加して用いることができる。
Kromasil 100−5−C18 4.6×150mmのカラムにて溶離液メタノール/水の混合液を用いて、カラム温度40℃、検出器254nmで
60%メタノール水/メタノール(100/0)→(グラジエント)→60%メタノール水/メタノール(20分後 12/88)→60%メタノール水/メタノール(30分後 13/87)のグラジエントプログラムにてHPLC分析した。測定は、モノマー10mgをメタノール10mlに溶解させた後、孔径0.2μmのPTFEフィルターでろ過し、測定を行った。不純物は、検出されるLCピーク面積を含有率とした。
(2)BPEFの色相(溶融ハーゼン色数)
内径25mmの試験管に15gの精製結晶を量り取り、大気下ブロックヒーターで30分間、270℃で加熱溶解した後、JISK0071−1に従い、和光純薬製色度標準液(1000)を希釈して調製した標準比色液と肉眼で比色し、ハーゼン色数を得た。
(3)ペレットb値
ポリマーペレット(ペレット形状は長さ4mm且つ直径1〜3mm程度)をガラスセルに入れ、日本電色色差計SE−2000を用いてペレット色相を測定した。
(分解工程)
攪拌機、温度計および冷却管を付けたガラス製反応器に水酸化ナトリウム221部、イオン交換水410部および9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシフェニル)フルオレンから誘導されるカーボネートユニット(BPEF誘導体)(I)とテレフタル酸ジメチルから誘導されるエステルユニット(DMT誘導体)(II)(モル比で(I):(II)=82:18)のポリエステルカーボネート(PEC)が主成分のポリマー450部を仕込み、そこへトルエン576部、シクロヘキサノン144部を加え、40℃まで昇温し、4時間撹拌した。
得られたスラリー状の分解液にイオン交換水1238部を追加し固体を溶解させ、下層の水層を分離した。残った有機層を洗浄水の導電率20μS/cm以下になるまで、イオン交換水で、65℃以上で水洗を行った。得られた溶液を撹拌しながら20℃以下まで冷却して結晶を析出させた。析出した結晶をろ過により取り出しBPEFの粗生成物である白色の湿結晶478部(純度98.8%)を得た。
得られた粗生成物478部、トルエン1080部および2−ブタノン120部を攪拌機、温度計および冷却管を付けたガラス製反応器に仕込み、撹拌しながら75℃まで加熱し固体を完溶させた。その溶液を、洗浄水の導電率が10μS/cm以下になるまで、イオン交換水で、65℃以上で水洗を行った。有機層を75℃でアドバンテック製No.5Cの濾紙を用いて不溶分を除去した後、得られた溶液を撹拌しながら20℃まで冷却して結晶を析出させた。析出した結晶をろ過により取り出した後に減圧乾燥することにより、BPEFの精製結晶である白色結晶325部(収率78.4%、純度99.5%、溶融ハーゼン色数50)を得た。
また、式(Ia)で表される9−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−9−(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(表1中 片末端フェノール)の含有率は、0.12%であった。
分解工程において、分解反応用イオン交換水の仕込量を664部、トルエンの仕込み量を360部、シクロヘキサノンの仕込み量を90部、反応温度を50℃、反応時間を11時間とし、また回収工程において、溶解用イオン交換水の仕込み量を984部にした以外は実施例1と全く同様の操作を行い、白色結晶322部(収率77.7%、純度99.5%、溶融ハーゼン色数60)を得た。
分解工程において、分解反応用イオン交換水の仕込量を664部、反応温度を50℃、反応時間を11時間、溶解用イオン交換水の仕込み量を984部にした以外は実施例2と全く同様の操作を行い、白色結晶322部(収率75.9%、純度99.6%、溶融ハーゼン色数60)を得た。
精製工程において、2−ブタノンの代わりにシクロヘキサノンを使用した以外は実施例3と全く同様の操作を行い、白色結晶303部(収率73.1%、純度99.4%、溶融ハーゼン色数70)を得た。
(精製工程)
実施例1と全く同様の操作で得られた粗生成物478部と、メタノール4050部を攪拌機、温度計および冷却管を付けたガラス製反応器に仕込み、撹拌しながら65℃まで加熱し固体を完溶させた。その溶液を60℃でアドバンテック製No.5Cの濾紙を用いて不溶分を除去した後、得られた溶液を撹拌しながら20℃まで冷却して結晶を析出させた。析出した結晶をろ過により取り出した後に減圧乾燥することにより、BPEFの精製結晶である白色結晶234部(収率56.6%、純度99.5%、溶融ハーゼン色数60)を得た。
分解工程において、シクロヘキサノンの代わりに2−ブタノンを使用した以外は実施例2と同じ操作を行い、白色結晶320部(収率77.2%、純度99.5%、溶融ハーゼン色数70)を得た。
分解工程において、トルエンの仕込み量を2579部にし、シクロヘキサノンを使用しない以外は実施例2と全く同様の操作を行い、白色結晶256部(収率61.9%、純度99.2%、溶融ハーゼン色数70)を得た。
分解工程において、分解反応用イオン交換水の仕込み量を239部、回収工程において、溶解用イオン交換水の仕込み量を1409部にした以外は実施例1の同様の操作を行い、白色結晶289部(収率69.9%、純度99.3%、溶融ハーゼン色数70)を得た。
分解工程において、水酸化ナトリウム221重量部を水酸化カリウム365重量部に、分解反応用イオン交換水の仕込み量を664部、反応時間を6時間、また回収工程において、溶解用イオン交換水の仕込み量を450部にした以外は全く実施例1と同様の操作を行い、白色結晶325部(収率78.4%、純度99.5%、溶融ハーゼン色数50)を得た。
(精製工程)
実施例1と全く同様の操作で得られた再結晶の白色結晶325部とメタノール1350部および2−ブタノン150部を攪拌機、温度計および冷却管を付けたガラス製反応器に仕込み、撹拌しながら65℃まで昇温して固体を完溶させた。その溶液に60℃で活性炭処理を行い、活性炭ろ過後に撹拌しながら20℃以下まで冷却して結晶を析出させた。析出した結晶をろ過により取り出した後に減圧乾燥することで、BPEFの再精製結晶である白色結晶229部(収率55.3%、純度99.6%、溶融ハーゼン色数25)を得た。
分解工程において、BPEFから誘導されるカーボネートユニット(BPEF誘導体)(I)とテレフタル酸ジメチルから誘導されるエステルユニット成分(DMT誘導体)(II)((I):(II)=82:18)のポリエステルカーボネートが主成分のポリマーの代わりに、BPEFから誘導されるカーボネートユニット(BPEF誘導体)(I)と下記式(IV)で表される2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導されるカーボネートユニット(BPA誘導体)((I):(III)=80:20)のポリカーボネートを用いた以外は実施例3と全く同様の操作を行い、BPEFの精製結晶である白色結晶273部(収率75.0%、純度99.5%、溶融ハーゼン色数70)を得た。
分解工程において、トルエン、シクロヘキサノンの代わりにジクロロメタン1400部を用い、反応時間を40時間にした以外は実施例2と全く同様の操作を行い、白色結晶289部(収率69.8%、純度98.8%、溶融ハーゼン色数80)を得た。
実施例2の分解工程および回収工程と全く同様の操作を行い得られた粗結晶を、減圧乾燥することにより白色結晶349部(収率84.3%、純度98.3%、溶融ハーゼン色数80)を得た。
表1における実施例1の再結晶品のBPEF140.32重量部、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(BPA)18.27重量部、ジフェニルカーボネート(以下‘’DPC‘’と省略することがある)87.80重量部、炭酸水素ナトリウム5.0×10−4重量部を撹拌機および留出装置付きの反応釜に入れ、窒素置換を3度行った後、窒素雰囲気101KPaの下、215℃に加熱し、20分間撹拌した。完全溶解後、15分かけて20KPaに調製し、215℃、20KPaの条件下で20分保持し、エステル交換反応を行った。さらに、37.5℃/hrの速度で240℃まで昇温、240℃、16KPaで10分保持した。その後、10分かけて1.3KPaに調製し、240℃、1.3KPaで10分保持した。さらに40分かけて130Pa以下とし、240℃、130Pa以下の条件下で1時間撹拌下重合反応を行った。反応終了後、反応器内に窒素を吹き込み加圧にし、生成した樹脂をペレタイズしながら抜き出した。該ペレットのb値は、3.2であった。
表1における実施例1の再結晶品のBPEF140.32重量部、DMT15.54重量部、DPC54.84重量部、チタンテトラブトキシド13.6×10−3重量部を撹拌機および留出装置付きの反応釜に入れ、窒素雰囲気の下、180℃に加熱し、20分間撹拌した。その後、20分かけて減圧度を20KPaに調製し、60℃/hrの速度で250℃まで昇温、エステル交換反応を行った。その後、250℃に保持したまま、120分かけて130Pa以下まで減圧し、250℃、130Pa以下の条件下で1時間撹拌下重合反応を行った。その後、生成した樹脂をペレタイズしながら抜き出した。該ペレットのb値は、4.5であつた。
BPEF(本州化学工業製、市販品、純度99.5%、溶融ハーゼン色数40))140.00重量部、DMT15.54重量部、DPC54.84重量部、チタンテトラブトキシド13.6×10−3重量部を撹拌機および留出装置付きの反応釜に入れ、窒素雰囲気の下、180℃に加熱し、20分間撹拌した。その後、20分かけて減圧度を20KPaに調製し、60℃/hrの速度で250℃まで昇温、エステル交換反応を行った。その後、250℃に保持したまま、120分かけて130Pa以下まで減圧し、250℃、130Pa以下の条件下で1時間撹拌下重合反応を行った。その後、生成した樹脂をペレタイズしながら抜き出した。該ペレットのb値は、4.3であった。
表1における比較例1の再結晶品のBPEF140.00重量部、DMT15.54重量部、DPC54.84重量部、チタンテトラブトキシド13.6×10−3重量部を撹拌機および留出装置付きの反応釜に入れ、窒素雰囲気の下、180℃に加熱し、20分間撹拌した。その後、20分かけて減圧度を20KPaに調製し、60℃/hrの速度で250℃まで昇温、エステル交換反応を行った。その後、250℃に保持したまま、120分かけて130Pa以下まで減圧し、250℃、130Pa以下の条件下で1時間撹拌下重合反応を行った。その後、生成した樹脂をペレタイズしながら抜き出した。該ペレットのb値は、14.5で黄褐色に着色した。
実施例12および13の樹脂は、樹脂中にBPEFの不純物が少なく、重合後の色相が極めて良く、市販品のBPEFを使用した参考例と同等のb値をもつ樹脂が得られている。これに対して、比較例3は、樹脂中に9−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−9−(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの不純物が多く重合後の色相に劣る。
Claims (15)
- 下記式(1)で表されるモノマー残基を含むポリマーを、金属水酸化物水溶液により分解し、下記式(I)で表されるモノマーを製造する方法であって、
(1)エーテル溶媒と炭化水素溶媒の混合溶媒、または、ケトン溶媒と炭化水素溶媒の混合溶媒を含む有機溶媒、ポリマーおよび金属水酸化物水溶液を混合してポリマーを分解し、モノマーを含有する分解液を得る工程(分解工程)、
(2)分解液からモノマーの粗生成物を回収する工程(回収工程)並びに
(3)モノマーの粗生成物を精製する工程(精製工程)、
を含む前記モノマーの製造方法。 - ポリマーが、ポリカーボネート、ポリエステルまたはポリエステルカーボネートである請求項1記載の製造方法。
- モノマーが、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンである請求項1記載の製造方法。
- 金属水酸化物が、水酸化ナトリウムおよび/または水酸化カリウムである請求項1記載の製造方法。
- 有機溶媒が、混合溶媒を50重量%以上含む請求項1記載の製造方法。
- 有機溶媒が、トルエンとシクロヘキサノンからなる混合溶媒である請求項1記載の製造方法。
- 分解工程における分解温度が、25〜90℃である請求項1記載の製造方法。
- 分解工程における金属水酸化物水溶液の濃度が、15〜48重量%である請求項1記載の製造方法。
- 回収工程は、分解液を冷却し析出したモノマーの粗生成物を回収する工程を含む請求項1記載の製造方法。
- 回収工程は、分解液を水相と有機溶媒相とを分離した後、有機溶媒層からモノマーの粗生成物を回収する工程である請求項1記載の製造方法。
- 回収工程は、分離した有機溶媒層を水洗する工程を含む請求項10記載の製造方法。
- 精製工程は、モノマーの粗生成物を、エーテル溶媒、ケトン溶媒、炭化水素溶媒およびアルコール溶媒からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む再結晶溶媒に溶解した後、モノマーを析出させる再結晶工程を含む請求項1記載の製造方法。
- 再結晶溶媒が、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトン、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、2−プロパノールおよび2−ブタノールからなる群より選ばれる少なくとも一種の溶媒である請求項12記載の製造方法。
- 再結晶工程の前に、有機溶媒層を水洗する工程を含む請求項12記載の製造方法。
- モノマーが、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンであり、モノマー中の9−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−9−(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの含有量が0.2%以下である請求項1記載の製造方法。
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