JP6415519B2 - フルオレン誘導体からなる熱可塑性樹脂 - Google Patents
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Description
、ポリカーボネート樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂など)において、耐熱性、透明
性、耐衝撃性等及び、高屈折率を備えた材料が強く要求されている。9,9−ビス(4−
(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンなどのフルオレン誘導体からなる樹脂
は、耐熱性に優れ、高透明で高屈折率な材料として有望であり、自動車用ヘッドランプレ
ンズ、CD、CD−ROMピックアップレンズ、フレネルレンズ、レーザープリンター用
fθレンズ、カメラレンズ、リアプロジェクションテレビ用投影レンズなどの光学レンズ
などとして期待されている。
ジオール類と炭酸ジエステルおよび/もしくは芳香族ジカルボン酸ジエステル類を溶融状
態で重合する溶融重縮合法がある。また、ホスゲンを水不混合性有機溶媒中に溶解し、二
価のフェノール性化合物類のアルカリ水溶液と接触させる界面重合法がある。特に、溶融
重縮合法は溶媒を使用せず、基本的にハロゲン系の原料を使用しないという特徴を有し、
設備が簡便で製造可能であり産業上有効である。
しかしながら、該フルオレン誘導体中の硫黄量が少なくとも、原料モノマーであるジオ
ール中に芳香族性水酸基を有するジオールが少なからず存在し、溶融重合時に酸化もしく
は芳香族性水酸基が重合触媒と作用し、上記の着色問題を完全に解決できていない。
よって、光学材料として広く用いるために、これらの問題を解決する必要性がある。
て特定構造の副生物の含有量を制御した9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)
フェニル)フルオレンを用いることにより、上記目的を達成できる事を見出し本発明に至
った。
1.下記式(1)で表される、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンを、全ジヒドロキシ成分の30モル%以上の割合で用いる熱可塑性樹脂からなる光学レンズにおいて、用いる9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンは、含有する下記式(2)で表される芳香族水酸基体の化合物の含有量が、50ppm以下及び下記式(3)で表される芳香族水酸基体の含有量が、200ppm以下であって、熱可塑性樹脂がポリカーボネートまたはポリエステルカーボネート樹脂であり、そのペレットb値が−7.0〜5.5であることを特徴とする光学レンズ。
5.ポリカーボネートまたはポリエステルカーボネート樹脂0.7gを100mlの塩化メチレンに溶解し、20℃で測定した比粘度が0.12〜0.55、ガラス転移温度が110℃〜160℃、温度280℃−せん断速度1000/secにおける溶融粘度が30〜200Pa・sである前記1〜4のいずれかに記載の光学レンズ。
いフルオレン誘導体からなる熱可塑性樹脂を製造することができる。さらに、成形流動性
が良好であり、それを用いることで、色相に優れる光学部品を射出成形などで得ることが
でき、光学レンズやプリズム、光ディスク、光ファイバー、光学フィルム等の各種光学材
料に用いることができ極めて有用である。
本発明における前記式(1)で表される9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ
)フェニル)フルオレン中における、式(2)で表される化合物の含有量は、5500p
pm以下であり、より好ましくは、500ppm以下であり、さらに好ましくは、50p
pm以下である。上記範囲外であると、式(2)、(3)で表される芳香族水酸基が酸化
反応を受けやすく、また、触媒と作用し色相の良いポリマーが得られず、さらには、成形
流動性が低下する。
)フルオレン中における、式(4)で表される末端停止剤として作用する脂肪族水酸基体
の含有量が500ppm以下であることが好ましい。式(1)で表される9,9−ビス(
4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン中に含まれる式(4)で表される
化合物の含有量が、500ppm以下であると色相の良好な樹脂に加えてさらに分子量の
調節が容易となる。式(1)で表される9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)
フェニル)フルオレン中に含まれる式(4)で表される化合物の含有量は、より好ましく
は、100ppm以下であり、特に好ましくは、50ppm以下である。上記範囲外であ
ると、末端低止剤となり所望のポリマーが得られにくくなる。
フルオレン中における、式(5)で表される、耐熱性の低い化合物の含有量が200pp
m以下であることが好ましい。式(1)で表される9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシ
エトキシ)フェニル)フルオレン中に含まれる式(5)で表される化合物の含有量が20
0ppm以下であると色相の良好な樹脂に加えてさらに耐熱性の良好な熱可塑性樹脂が得
られる。式(1)で表される9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)
フルオレン中に含まれる式(5)で表される化合物の含有量は、より好ましくは、100
ppm以下であり、特に好ましくは、50ppm以下である。上記範囲外であると、耐熱
性の指標となるガラス転移温度が低下し、成形品が得られない場合がある。
ここで、式(1)で表されるフルオレン誘導体に不純物として含まれる式(2)〜(5
)で表される化合物は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により定量できる。
ジカルボン酸成分の純度>
本発明に使用される一般式(1)で表わされるジオール成分及びジカルボン酸成分の純
度は、HPLCによって測定することができる。純度は、好ましくは99.0%以上、よ
り好ましくは99.5%以上、さらに好ましくは99.9%以上である。純度が上記範囲
外であると色相の良い樹脂が得られにくく好ましくない。
式(1)で表されるフルオレン誘導体の精製方法の一例としては、脂肪族アルコールを
用いた再精製が有効である。式(1)で示されるフルオレン誘導体の脂肪族アルコールへ
の溶解性が低いのに対し、式(2)、(3)で表される芳香族水酸基体は溶解性を示す。
式(1)の、85℃、16wt%トルエン溶液を脂肪族アルコールに再沈殿させ、濾過回
収、乾燥し精製粗結晶を得る。具体的な脂肪族アルコールには炭素数1〜2の、メタノー
ル、エタノール等を挙げることができる。この精製粗結晶を85℃、16wt%トルエン
溶液に調製し、撹拌しながら室温、もしくは、冷水で容器の回りを冷却しながら固体を析
出させ,次いで、得られた結晶を濾過し、乾燥させ回収する。その後、再度85℃、16
wt%トルエン溶液とし、再結晶化を行い、精製結晶を回収する。上記精製方法により、
所望の芳香族水酸基体含有量の式(1)で表されるフルオレン誘導体を得ることが出来る
。また、上記精製方法を繰り返すことにより式(4)、(5)で表される不純物量も所定
の量に低減できる。
わされる不純物を上記の含有量以下にした式(1)で表されるジオール成分を原料として
使用する。式(1)で表わされるジオール成分を使用する場合、酸化されにくく、触媒と
結合しても着色要因物質となることがなく、好ましい。また、成形流動性が良くなり好ま
しい。さらに重合不良が生じにくい。
本発明の一実施形態は、ポリカーボネート樹脂がある。本実施形態は、式(1)で表さ
れる化合物を少なくとも含有するジヒドロキシ成分を炭酸エステル成分と、塩基性化合物
触媒の存在下反応させた樹脂である。本実施形態において、利用するジヒドロキシ成分及
び炭酸ジエステル成分は、それぞれ単一成分であっても良く、又はジヒドロキシ成分及び
/又は、炭酸ジエステル成分が2種類以上の化合物を含む、即ち、共重合成分を含んでも
良い。
1’−ビフェニル−4,4’−ジオール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル
、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スル
ファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
ケトン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチル
フェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、1
,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、9,9−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フ
ルオレン、α,ω−ビス[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]ポリジメチルシロキ
サン、α,ω−ビス[3−(o−ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサ
ン、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンなど芳香族ジオールが含
まれる。また、エチレングリコール等の脂肪族ジオール、トリシクロ[5.2.1.02
,6]デカンジメタノール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、デカリン−2,
6−ジメタノール、ノルボルナンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール
、シクロペンタン−1,3−ジメタノール、スピログリコール等の脂環式ジオールを含ん
でもよい。これらは、1種を単独で使用しても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい
。また、これらの中でも特に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビス
フェノールA:BPA)が好ましい。
ェニル−p−トリルカーボネート、ジナフチルカーボネート等が挙げられ、なかでもジフ
ェニルカーボネートが好ましい。これらの芳香族炭酸ジエステルは単独で用いても、二種
以上併用してもよい。
樹脂の製造に用いる方法が任意に採用される。例えばジオールとホスゲンとの反応、又は
ジオールとビスアリールカーボネートとのエステル交換反応が好ましく採用される。
ジオールとホスゲンとの反応では、非水系で酸結合剤及び溶媒の存在下に反応を行う。
酸結合剤としては例えばピリジン、ジメチルアミノピリジン、第三級アミン等が用いられ
る。溶媒としては例えば塩化メチレンやクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いら
れる。分子量調節剤として例えばフェノールやp−tert−ブチルフェノール等の末端
停止剤を用いることが望ましい。反応温度は通常0〜40℃、反応時間は数分〜5時間が
好ましい。
合し、アルカリ金属化合物触媒もしくはアルカリ土類金属化合物もしくはその双方からな
る混合触媒の存在下にて、減圧下通常120〜350℃、好ましくは150〜300℃で
反応させる。減圧度は段階的に変化させ、最終的には1mmHg以下にして生成したアル
コール類を系外に留去させる。反応時間は通常1〜4時間程度である。重合触媒としては
アルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物を主成分として用い、必要に応じて含窒
素塩基性化合物を従成分として用いても良い。
水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、
ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ビスフェノー
ルAのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム
、安息香酸リチウム等が挙げられる。アルカリ土類金属化合物としては水酸化カルシウム
、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、
炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、
炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム
、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリ
ウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウム等が挙げられる。
これらの触媒は単独で用いても、二種以上併用してもよく、これらの重合触媒の使用量
はジオール成分の合計1モルに対して、10−9〜10−3モルの比率で用いられる。ま
た、色相改善のために酸化防止剤や熱安定剤等を加えてもよい。
性を保持するために、触媒を除去もしくは失活させてもよい。アルカリ金属化合物又はア
ルカリ土類金属化合物については、一般的に、公知の酸性物質の添加による触媒の失活を
行う方法が好適に実施される。これらの失活を行うとしては、具体的には、安息香酸ブチ
ル等のエステル類、p−トルエンスルホン酸等の芳香族スルホン酸類、p−トルエンスル
ホン酸ブチル、p−トルエンスルホン酸ヘキシル等の芳香族スルホン酸エステル類、亜リ
ン酸、リン酸、ホスホン酸等のリン酸類、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸モノフェニル
、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジn−プロピル、亜リン酸ジn−ブ
チル、亜リン酸ジn−ヘキシル、亜リン酸ジオクチル、亜リン酸モノオクチル等の亜リン
酸エステル類、リン酸トリフェニル、リン酸ジフェニル、リン酸モノフェニル、リン酸ジ
ブチル、リン酸ジオクチル、リン酸モノオクチル等のリン酸エステル類、ジフェニルホス
ホン酸、ジオクチルホスホン酸、ジブチルホスホン酸等のホスホン酸類、フェニルホスホ
ン酸ジエチル等のホスホン酸エステル類、トリフェニルホスフィン、ビス(ジフェニルホ
スフィノ)エタン等のホスフィン類、ホウ酸、フェニルホウ酸等のホウ酸類、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩等の芳香族スルホン酸塩類、ステアリン酸
クロライド、塩化ベンゾイル、p−トルエンスルホン酸クロライド等の有機ハロゲン化物
、ジメチル硫酸等のアルキル硫酸、塩化ベンジル等の有機ハロゲン化物等が好適に用いら
れる。これらの失活剤は、触媒量に対して0.01〜50倍モル、好ましくは0.3〜2
0倍モル使用される。触媒量に対して0.01倍モルより少ないと、失活効果が不充分と
なり好ましくない。また、触媒量に対して50倍モルより多いと、耐熱性が低下し、成形
体が着色しやすくなるため好ましくない。
触媒失活後、樹脂中の低沸点化合物を0.1〜1mmHgの圧力、200〜320℃の
温度で脱揮除去する工程を設けても良い。
本発明の一実施形態は、ポリエステル樹脂がある。本実施形態では、式(1)で表され
る化合物を少なくとも含むジオール成分と、ジカルボン酸及び/又はこれらの反応性誘導
体を含むジカルボン酸成分とを、反応させたポリエステル樹脂である。
本実施形態で利用するジオール成分及びジカルボン酸成分は、それぞれ単一の成分であ
ってもよく、又はジオール成分及び/又はジカルボン酸成分が2種以上の化合物を含む、
即ち、共重合成分を含んでいてもよい。
ングリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリ
コール、1,3−ブタンジオール、テトラメチレングリコール(1,4−ブタンジオール
)、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、オクタンジオール、デカンジオールな
どの直鎖状又は分岐鎖状のC2−12のアルキレングリコールなど);(ポリ)オキシアルキレングリコール(例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール);などが挙げられる。これらのジオールは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
分岐鎖状C2−10のアルキレングリコールであり、より好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C2−6のアルキレングリコール、さらに好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C2−4アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール(1,4−ブタンジオール)である。
特に好ましい作用をするジオール成分としては、エチレングリコールが挙げられる。
応性を高めるとともに樹脂に柔軟性を付与させるための共重合成分として有用である。な
お、共重合成分の導入により、屈折率、耐熱性、吸水性が低下する場合があるため、それ
らの点では、一般的には共重合比率は小さいほうがよい。
ジカルボン酸成分としては、ジカルボン酸、もしくはそのエステル形成性誘導体が挙げ
られる。ジカルボン酸成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい
。例えば、ジカルボン酸成分として、ジカルボン酸及びその誘導体を使用することができ
る。
コハク酸、グルタル酸、アジピン酸等)、アルケンジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸
等)の脂肪族ジカルボン酸;シクロアルカンジカルボン酸(シクロヘキサンジカルボン酸
等)、ジ又はトリシクロアルカンジカルボン酸(デカリンジカルボン酸、ノルボルナンジ
カルボン酸、アダマンタンジカルボン酸等)等の脂環族ジカルボン酸;アレーンジカルボ
ン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,
8−ナフタレンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸等)ビフェニルジカルボン酸(
2,2’−ビフェニルジカルボン酸等)の芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。さらにこ
れらの反応性誘導体(ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸などの酸無
水物、ジメチルエステル、ジエチルエステルなどの低級(C1−4)アルキルエステル、ジカルボン酸に対応する酸ハライドなどのエステル形成可能な誘導体)を使用することができる。
これらのジカルボン酸は、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用
いてもよい。中でもシクロヘキサンジカルボン酸、及びテレフタル酸が安価で工業的に入
手しやすいため好ましい。
れるフルオレン誘導体の含有量が、該樹脂中に含まれる全構成単位に対して、30モル%
以上とするのが好ましい。なお、「式(1)で表されるフルオレン誘導体由来の残基を含
む構成単位」とは、式(1)の化合物の残基とジカルボン酸残基とからなるエステル結合
−COO−を含む構成単位をいう。例えば、式(1)で表されるフルオレン誘導体以外に
、ジオール化合物を使用する場合は、「式(1)で表されるフルオレン誘導体由来の残基
を含む構成単位」以外に、「他のジオール成分の残基を含む構成単位」がポリエステル樹
脂中に含まれるが、エステル結合を含む全構成単位中、「式(1)で表されるフルオレン
誘導体由来の残基を含む構成単位」を、30モル%以上とするのが好ましい。式(1)の
化合物の割合を前記範囲とすることで、屈折率などの光学特性の優れたポリエステル樹脂
となる。強度の点では式(1)の化合物の含有率は高いほど弾性率が高く好ましいが、一
方、高すぎると引っ張り伸びが低下するため、式(1)の化合物の含有量は90重量%程
度以下であるのが好ましい。
ボン酸誘導体)と、式(1)で表される化合物を含むジオール成分とを、エステル交換法
、直接重合法などの溶融重合法、溶液重合法、界面重合法等の種々の方法に従って反応さ
せて、ポリエステル樹脂を得ることができる。中でも、反応溶媒を用いない溶融重合法が
好ましい。
溶融重合法の一つであるエステル交換法は、触媒存在下、ジカルボン酸エステルとジオ
ール化合物とを反応させ、生成するアルコールを留去しながらエステル交換を行うことに
よりポリエステルを得る方法であり、一般にポリエステル樹脂の合成に用いられている。
合物を形成したのち、減圧下にて過剰のジオール化合物を留去しながらエステル交換反応
を行うことによりポリエステル樹脂を得る方法である。直接重合法はエステル交換法のよ
うにアルコールの留出がなく、原料に安価なジカルボン酸を用いることができることが利
点である。これら溶融重合法を実施する際の重合触媒種、触媒量、温度等の重合条件、及
び熱安定剤、エーテル化防止剤、触媒失活剤等の添加剤については、公知の方法を参照す
ることができる。
本発明の一実施形態は、ポリエステルカーボネート樹脂である。本実施形態では、式(
1)で表される化合物を少なくとも含むジオール成分と、ジカルボン酸及び炭酸エステル
成分と、塩基性化合物触媒、エステル交換触媒またはその双方からなる混合触媒とを含有
する樹脂である。本実施形態において、利用するジヒドロキシ成分及びジカルボン酸成分
及び炭酸ジエステル成分は、それぞれ単一成分であっても良く、又はジヒドロキシ成分及
び/又は、ジカルボン酸成分及び/又は、炭酸ジエステル成分が2種類以上の化合物を含
んでも良い。
ングリコール等の脂肪族ジオール、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノ
ール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、デカリン−2, 6−ジメタノール、ノ
ルボルナンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール、シクロペンタン−1
,3−ジメタノール、スピログリコール等の脂環式ジオール、1,1’−ビフェニル−4
,4’−ジオール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルファイド、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチル
フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロ
プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−1−フェニルエタン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フル
オレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、α,ω−ビ
ス[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス[
3−(o−ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサン、4,4’−[1,
3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)ドロキシフェニル)−1−フェニルエタン
、ビスフェノールA等の芳香族ジオール等が挙げられる。これらは単独または二種以上組
み合わせて用いてもよい。
酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライ
ン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸等の脂肪族ジカルボン酸、イソフタル酸、ter
t−ブチルイソフタル酸等の単環式芳香族ジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、アン
トラセンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸等の多環式芳香族ジカルボン酸、2
,2’−ビフェニルジカルボン酸等のビフェニルジカルボン酸、1,4−シクロジカルボ
ン酸、2,6−デカリンジカルボン酸等の脂還族ジカルボン酸が挙げられる。これらは単
独または二種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも、テレフタル酸が好ましい。また
、これらの誘導体としては酸クロライドやエステル類が用いられる。
例えばホスゲン、ジフェニルカーボネート、上記二価フェノール類のビスクロロホーメー
ト、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−p−トリルカーボネート、ジ−p−クロロ
フェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート等が挙げられ、なかでもジフェニルカー
ボネートが好ましい。
テルカーボネート樹脂の製造に用いる方法が任意に採用される。例えばジオールとジカル
ボン酸又はジカルボン酸クロライドとホスゲンとの反応、又はジオールとジカルボン酸と
ビスアリールカーボネートとのエステル交換反応が好ましく採用される。
ジオール、ジカルボン酸又はその酸クロライドとホスゲンとの反応では、非水系で酸結
合剤及び溶媒の存在下に反応を行う。酸結合剤としては例えばピリジン、ジメチルアミノ
ピリジン、第三級アミン等が用いられる。溶媒としては例えば塩化メチレンやクロロベン
ゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。分子量調節剤として例えばフェノールやptert−ブチルフェノール等の末端停止剤を用いることが望ましい。反応温度は通常0〜40℃、反応時間は数分〜5時間が好ましい。
ルとビスアリールカーボネートを混合し、減圧下通常120〜350℃、好ましくは15
0〜300℃で反応させる。減圧度は段階的に変化させ、最終的には1mmHg以下にし
て生成したアルコール類を系外に留去させる。反応時間は通常1〜4時間程度である。ま
た、エステル交換反応では反応促進のために重合触媒を用いることができる。このような
重合触媒としてはアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物又は重金属化合物を主
成分として用い、必要に応じて含窒素塩基性化合物を従成分として用いても良い。
酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリ
ウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ビスフェノールAのナトリウム塩
、カリウム塩、リチウム塩、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム
等が挙げられる。アルカリ土類金属化合物としては水酸化カルシウム、水酸化バリウム、
水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム、
炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸
マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム
、酢酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸
マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウム等が挙げられる。
ンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジル
アンモニウムヒドロキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルベンジルア
ミン、トリフェニルアミン、ジメチルアミノピリジン等が挙げられる。
その他のエステル交換触媒としては亜鉛、スズ、ジルコニウム、鉛、チタン、ゲルマニ
ウム、アンチモン、オスミウム、アルミニウムの塩が挙げられ、例えば、酢酸亜鉛、安息
香酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛、塩化スズ(II)、塩化スズ(IV)、酢酸スズ(II)、酢酸スズ(IV)、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズオキサイド、ジブチルスズジメトキシド、ジルコニウムアセチルアセトナート、オキシ酢酸ジルコニウム、ジルコニウムテトラブトキシド、酢酸鉛(II)、酢酸鉛(IV)チタンテトラブトキシド(IV)等が用いられる。
はジオールとジカルボン酸の合計1モルに対して、10−9〜10−3モルの比率で用い
られる。これらは単独で用いても、二種以上併用してもよい。また、エステル交換反応で
はヒドロキシ末端基を減少するために重縮合反応の後期又は終了後に電子吸引性の置換基
を持ったジアリールカーボネートを加えも良い。更に、色相改善のために酸化防止剤や熱
安定剤等を加えてもよい。
分解安定性を保持するために、触媒を除去もしくは失活させてもよい。アルカリ金属化合
物又はアルカリ土類金属化合物については、一般的に、公知の酸性物質の添加による触媒
の失活を行う方法が好適に実施される。これらの物質としては、具体的には、安息香酸ブ
チル等のエステル類、p−トルエンスルホン酸等の芳香族スルホン酸類、p−トルエンス
ルホン酸ブチル、p−トルエンスルホン酸ヘキシル等の芳香族スルホン酸エステル類、亜
リン酸、リン酸、ホスホン酸等のリン酸類、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸モノフェニ
ル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジn−プロピル、亜リン酸ジn−
ブチル、亜リン酸ジn−ヘキシル、亜リン酸ジオクチル、亜リン酸モノオクチル等の亜リ
ン酸エステル類、リン酸トリフェニル、リン酸ジフェニル、リン酸モノフェニル、リン酸
ジブチル、リン酸ジオクチル、リン酸モノオクチル等のリン酸エステル類、ジフェニルホ
スホン酸、ジオクチルホスホン酸、ジブチルホスホン酸等のホスホン酸類、フェニルホス
ホン酸ジエチル等のホスホン酸エステル類、トリフェニルホスフィン、ビス(ジフェニル
ホスフィノ)エタン等のホスフィン類、ホウ酸、フェニルホウ酸等のホウ酸類、ドデシル
ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩等の芳香族スルホン酸塩類、ステアリン
酸クロライド、塩化ベンゾイル、p−トルエンスルホン酸クロライド等の有機ハロゲン化
物、ジメチル硫酸等のアルキル硫酸、塩化ベンジル等の有機ハロゲン化物等が好適に用い
られる。これらの失活剤は、触媒量に対して0.01〜50倍モル、好ましくは0.3〜
20倍モル使用される。触媒量に対して0.01倍モルより少ないと、失活効果が不充分
となり好ましくない。また、触媒量に対して50倍モルより多いと、耐熱性が低下し、成
形体が着色しやすくなるため好ましくない。
触媒失活後、ポリマー中の低沸点化合物を0.1〜1mmHgの圧力、200〜320
℃の温度で脱揮除去する工程を設けても良い。
本発明の熱可塑性樹脂は、重合後に得られるペレットのb値が−10.0〜10.0、好ましくは−7.0〜7.0、より好ましくは−5.0〜5.0の範囲であることが好ましい。
ペレットb値が上記範囲外であると色相の良い光学部品が得られないので好ましくない。
本発明の熱可塑性樹脂は、そのポリマー0.7gを100mlの塩化メチレンに溶解し
、20℃で測定した比粘度が0.12〜0.55の範囲のものが好ましく、0.15〜0
.45の範囲のものがより好ましい。比粘度が0.12未満では成形品が脆くなり、0.
55より高くなると溶融粘度および溶液粘度が高くなり、取扱いが困難になるので好まし
くない。
本発明の熱可塑性樹脂は、厚さ0.1mmの成形板としたときの波長380〜800n
mにおける透過率が80%以上であることが好ましい。透過率が80%以下になると透明
性が損なわれ、良い光学部品が得られないので好ましくない。
本発明の熱可塑性樹脂は、280℃、せん断速度1000/secにおける溶融粘度が
30〜200Pa・sであることが好ましく、30〜160Pa・sであることがより好
ましい。200Pa・s以上であると成形品を形成する上で、取り扱いが困難になるので
、好ましくない。
り以下の実施例によって限定されるものではない。
実施例等に用いた、式(1)で表されるジオール成分の純度、副生成物含有量、ペレッ
トの色相は、下記の方法で測定した。
IL 5C18のカラムにて溶離液メタノール/0.2%酢酸水とメタノールとの混合液
を用いて、カラム温度40℃、検出器254nmで0min:メタノール60%、0→2
0min:メタノール60→95%、20→40min:アセトニトリル100%、40
→47min:アセメタノール100→60%のグラジエントプログラムにてHPLC分
析した。測定は、モノマー4mgをメタノール25mlに溶解させた後、孔径0.2μm
のPTFEフィルターでろ過し、測定を行った。不純物量は、検量線より重量パーセント
にて定量した。
(2)イオウ量の定量:ヤナコ製SQ−1型/HSU−35型とダイオネクス製ICS−
2000型自動燃焼ハロゲン・硫黄分析システムを用いて定量を行った。
(3)ペレットb値:重合終了後に得られた重合体ペレットをガラスセルに入れ、日本電
色色差計SE−2000を用いてペレット色相を測定した。
(4)ガラス転移点(Tg):重合終了後に得られた樹脂ペレットをデュポン社製910
型DSCにより20℃/minにて測定した。
(5)溶融粘度:東洋精機製作所製CAPIROGRAH1Dにより直径1mm、長さ1
0mmのノズルを用い、280℃、せん断速度1000/secにおける溶融粘度を測定
した。
攪拌機、冷却管及びビュレットを備えたガラス製反応器に純度99.5重量%のフルオ
レノン350重量部(1.94モル)とフェノキシエタノール1070重量部(7.78
モル)を仕込み、β−メルカプトプロピオン酸2.3重量部を加えて撹拌した混合液に、
反応温度を50℃に保持しつつ、98重量%の硫酸570重量部を60分かけて滴下した
。滴下終了後、反応温度を50℃に保ち、さらに5時間撹拌することにより反応を完結さ
せた。
ス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンと硫酸ナトリウムの混合結晶
が析出した。ろ過により混合結晶を取り出したのち、トルエン3.5kg、水1.0kg
を加えて85℃に加熱して硫酸ナトリウムを溶解させた。水相を除去したのち、有機相を
さらに85℃の水で2回洗浄した。その後、トルエン相を100倍量のメタノールに再沈
殿し、粗結晶を濾過により回収した。この粗結晶を4.0kgのトルエンに85℃で溶解
させ、同様の精製を行った。この作業を二回繰り返した後、85℃トルエン相を10℃に
冷却することにより、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオ
レン(以下“BPEF”と省略することがある)(1)700重量部が得た。
攪拌機、冷却管及びビュレットを備えたガラス製反応器に純度99.5重量%のフルオ
レノン350重量部(1.94モル)とフェノキシエタノール1070重量部(7.78
モル)を仕込み、β−メルカプトプロピオン酸2.3重量部とし、メタノールへの再沈殿
、再結晶化を一回行う以外は、実施例1と同様にしてBPEF(2)700重量部を得た
。
攪拌機、冷却管及びビュレットを備えたガラス製反応器に純度99.5重量%のフルオ
レノン350重量部(1.94モル)とフェノキシエタノール1070重量部(7.78
モル)を仕込み、β−メルカプトプロピオン酸2.3重量部とし、メタノールへの再沈殿
、再結晶を行わない以外は、実施例1と同様にしてBPEF(3)700重量部を得た。
攪拌機、冷却管及びビュレットを備えたガラス製反応器に純度99.5重量%のフルオ
レノン350重量部(1.94モル)とフェノキシエタノール1070重量部(7.78
モル)を仕込み、β−メルカプトプロピオン酸2.3重量部を加えて撹拌した混合液に、
反応温度を50℃に保持しつつ、98重量%の硫酸570重量部を60分かけて滴下した
。滴下終了後、反応温度を50℃に保ち、さらに5時間撹拌することにより反応を完結さ
せた。
ス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンと硫酸ナトリウムの混合結晶
が析出した。ろ過により混合結晶を取り出したのち、3000mlのn−へキサンに加熱
溶解させ、3重量部となる量のアルカリを加えた後、加熱しながら撹拌する。回収は、反
応液を水で中性になるまで洗浄した後、反応液を撹拌しながら室温で容器の回りを冷却し
ながら固体を析出させ,次いで、得られた固形物を濾過し、乾燥して回収した。BPEF
(4)700重量部が得た。
表1におけるBPEF(1)140.32重量部、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン(以下“Bis−A”と省略することがある)18.27重量部、ジフェ
ニルカーボネート(以下“DPC”と省略することがある)87.80重量部、炭酸水素
ナトリウム5.0×10−4重量部を攪拌機および留出装置付きの反応釜に入れ、窒素置
換を3度行った後、窒素雰囲気760Torrの下、215℃に加熱し、20分間撹拌し
た。完全溶解後、15分かけて150Torrに調整し、215℃、150Torrの条
件下で20分保持し、エステル交換反応を行った。さらに37.5℃/hrの速度で24
0℃まで、昇温し、240℃、150Torrで10分保持した。その後、10分かけて
120Torrに調整し、240℃、120Torrで70分保持した。その後、10分
かけて100Torrに調整し、240℃、100Torrで10分保持した。さらに4
0分かけて1Torr以下とし、240℃、1Torr以下の条件下で10分攪拌下重合
反応を行った。反応終了後、反応器内に窒素を吹き込み加圧にし、生成した樹脂をペレタ
イズしながら抜き出した。該ペレットは無色透明であった。
表1におけるBPEF(1)119.81重量部、テレフタル酸ジメチル(以下“DM
T”と省略することがある)78.03重量部、エチレングリコール15.96重量部、
チタンテトラブトキシド1.37×10−4重量部を攪拌機および留出装置付きの反応釜
に入れ、窒素置換を3度行った後、窒素雰囲気760Torrの下、220℃に加熱し、
20分間撹拌した。完全溶解後、220℃で脱メタノールを行った。ほとんど留出が終了
した後、リン酸トリメチル11.4μl及び、0.5%酸化ゲルマニウム水溶液1.23
ml加え、280℃まで、60分かけて昇温と同時に、150分かけて真空度を上げて0
.1Torr以下の条件下で10分攪拌下重合反応を行った。反応終了後、反応器内に窒
素を吹き込み加圧にし、生成した樹脂をペレタイズしながら抜き出した。該ペレットは無
色透明であった。
表1におけるBPEF(1)140.32重量部、DMT15.54重量部、DPC5
4.84重量部、チタンテトラブトキシド13.6×10−3重量部を攪拌機および留出
装置付きの反応釜に入れ、窒素雰囲気760Torrの下、180℃に加熱し、20分間
撹拌した。その後、20分かけて減圧度を20kPaに調整し、60℃/hrの速度で2
50℃まで昇温し、エステル交換反応を行った。その後、250℃に保持したまま、12
0分かけて1Torr以下まで減圧し、250℃、1Torr以下の条件下で1時間攪拌
下重合反応を行った。その後、生成した樹脂をペレタイズしながら抜き出した。該ペレッ
トは無色透明であった。
表1におけるBPEF(2)140.32重量部、DMT15.54重量部、DPC5
4.84重量部、チタンテトラブトキシド13.6×10−3重量部とする以外は、実施
例3と同様にして樹脂を合成した。該ペレットは無色透明であった。
表1におけるBPEF(3)140.00重量部、DMT15.54重量部、DPC5
4.84重量部、チタンテトラブトキシド13.6×10を10−3重量部を攪拌機およ
び留出装置付きの反応釜に入れ、窒素雰囲気760Torrの下、180℃に加熱し、2
0分間撹拌した。その後、20分かけて減圧度を20kPaに調整し、60℃/hrの速
度で250℃まで昇温し、エステル交換反応を行った。その後、250℃に保持したまま
、120分かけて1Torr以下まで減圧し、250℃、1Torr以下の条件下で1時
間攪拌下重合反応を行った。重合反応が進行せず、そのまま抜き出した。
表1におけるBPEF(4)140.00重量部、DMT15.54重量部、DPC5
4.84重量部、チタンテトラブトキシド13.6×10を10−3重量部を攪拌機およ
び留出装置付きの反応釜に入れ、窒素雰囲気760Torrの下、180℃に加熱し、2
0分間撹拌した。その後、20分かけて減圧度を20kPaに調整し、60℃/hrの速
度で250℃まで昇温し、エステル交換反応を行った。その後、250℃に保持したまま
、120分かけて1Torr以下まで減圧し、250℃、1Torr以下の条件下で1時
間攪拌下重合反応を行った。その後、生成した樹脂をペレタイズしながら抜き出した。該
ペレットは黄褐色に着色した。
オレン中の化合物(2)(3)が少なく、更にジオールの純度も高く、重合後の色相が極
めて良い。また、成形流動性も十分である。これに対して、比較例1、原料モノマーであ
る化合物(2)(3)が多く、ジオールの純度が低く、十分な重合度を得ることができな
かった。比較例2は、重合後の色相に劣り、流動性ともに不十分である。
レンズ、ピックアップレンズなどの各種光学レンズやプリズム、光ディスク、光ファイバ
ー、光学フィルム等の各種光学材料に好適に利用できる。
Claims (5)
- 9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの純度が99%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の光学レンズ。
- ポリカーボネートまたはポリエステルカーボネート樹脂0.7gを100mlの塩化メチレンに溶解し、20℃で測定した比粘度が0.12〜0.55、ガラス転移温度が110℃〜160℃、温度280℃−せん断速度1000/secにおける溶融粘度が30〜200Pa・sである請求項1〜4のいずれかに記載の光学レンズ。
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