JP6486808B2 - フルオレン骨格を有するポリエステル樹脂及びその製造方法 - Google Patents
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で表される繰り返し単位を含むポリエステル。
本発明は、フルオレン−9,9−ジアルコール成分を含むジオール成分と、9,9−ジアルキルフルオレン−2,7−ジカルボン酸成分を含むジカルボン酸成分とを重合成分とするポリエステルに関する。本発明のポリエステルにおいて、好ましくは、ジオール成分はフルオレン−9,9−ジアルコール成分からなり、ジカルボン酸成分は9,9−ジアルキルフルオレン−2,7−ジカルボン酸成分からなる。
で表されるジアルコールであり、前記9,9−ジアルキルフルオレン−2,7−ジカルボン酸成分は、下記一般式(2):
で表されるジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体(メチルエステル、エチルエステル等の低級アルキルエステル;酸無水物;酸クロライド等の酸ハライド等)である。即ち、本発明のポリエステルは、下記一般式(3):
で表される繰り返し単位を含む(好ましくは、当該繰り返し単位のみからなる)。
本発明のポリエステルは、前記ジオール成分と前記ジカルボン酸成分とを重合成分とする(又はジオール成分とジカルボン酸成分とが重合した)ポリエステルであり、前記ジオール成分と前記ジカルボン酸成分とを反応(重合又は縮合)させることにより製造できる。重合反応又は縮合反応の方法(製造方法)としては、使用するジカルボン酸成分の種類等に応じて適宜選択でき、慣用の方法、例えば、溶融重合法(ジオール成分とジカルボン酸成分とを溶融混合下で重合させる方法)、溶液重合法、界面重合法等を例示することができる。
本発明のポリエステルでは、適宜、長さを調整したアルキル基を有するポリエステルを用いることで、その耐熱性及び/又は屈折率を調整することができる。これらのポリエステルで構成された成形体(特に、光学フィルム、光学レンズ等の光学用成形体)も、同様に本発明のポリエステルに含まれる。成形体の形状は、特に限定されず、例えば、二次元的構造(フィルム状、シート状、板状等)、三次元的構造(管状、棒状、チューブ状、中空状等)等が挙げられる。
ゲル浸透クロマトグラフィー(HLC−8120GPC、東ソー株式会社製)を用い、試料をクロロホルムに溶解させ、ポリスチレン換算で数平均分子量及び重量平均分子量を測定し、分子量分布を算出した。
示差走査熱量計(DSC 6220、セイコーインスツル株式会社製)を用い、アルミパンに試料を入れ、30℃から220℃の範囲でTgを測定した。
「TG/DTA−6200」(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製)を用いて、30℃から520℃の範囲で重量減少を測定し、5%熱重量減少温度を求めた。
実施例1〜3では、多波長アッベ屈折計(DR−M2/1550、株式会社アタゴ製)を用い、光源波長589nm、測定温度20℃で屈折率を測定した。実施例4では、反射分光膜厚計(FE−3000、大塚電子株式会社製)を用い、波長589nm、測定温度20℃で屈折率を測定した。
ガラス基材上に、各試料を溶液キャストにて塗布し、乾燥させて、厚み約1μmの薄膜を作成した。分光光度計(U3010、日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、得られた薄膜被覆ガラス基材の各波長における透過率を測定した。なお、ガラス基材のみの各波長における透過率は、400nmで91%、550nmで91.8%、700nmで90.4%であった。
テトラヒドロフラン(THF)に樹脂を溶かして10重量%のTHF溶液を作成した。25℃において、TV−22形粘度計(TVE−22L コーンプレートタイプ、東機産業株式会社製)を用い、オプションロータ(01:1° 34×R24)にて、1〜100rpm(粘度によって選択)で溶液粘度を測定した。
フルオレン−9,9−ジメタノールの製造
フルオレン(6.00g、 32.0mmol)、パラホルムアルデヒド(8.66g、 288mmol)をMeOH(2.0mL)、DMSO(7.2mL)混合溶媒に溶解させた。凍結脱気後、Ar置換し、0℃下で5MのMeONaメタノール溶液(29.0mL、 144mmol)をゆっくり滴下した。60分撹拌した後に濃硫酸をゆっくり加えて反応を停止した。酢酸エチルで抽出した後、Brineで洗浄した。溶媒を留去した後、トルエンで再結晶し、フルオレン−9,9−ジメタノール(2.75g、 12.2mmol、 38%)を白色固体として得た。
フルオレン−9,9−ジプロパノールの製造
水素化リチウムアルミニウム(LiAlH4、 14.7g、 387mmol)を乾燥THF(200mL)に懸濁させ、0℃に冷却した。別途フルオレン−9,9−ジプロピオン酸メチル(20.0g、 59.1mmol)を乾燥THF(100mL)に溶解させた溶液を懸濁液に少しずつ加え、室温で1時間攪拌し、さらに還流条件下12時間攪拌した。得られた反応溶液を飽和硫酸ナトリウム水溶液及び水でクエンチした後、濾過した。濾液からTHFを減圧留去し、粗生成物を得た。粗生成物を酢酸エチルに溶解させ、食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した。濾液から溶媒を減圧留去し、フルオレン−9,9−ジプロパノール(15.7g、 55.6mmol、 94%)を白色固体として得た。
9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジカルボニルクロライドの製造
9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジカルボン酸(26.3g、 55.0mmol)に塩化チオニル(50.0mL)及びジメチルホルムアミド(DMF)を数滴加え、70℃で6時間攪拌した。反応混合物から溶媒を減圧留去した後、トルエン/ヘキサンを用いた再結晶を行い、白色の9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジカルボニルクロライドを得た。
9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジカルボニルクロライドの製造
9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジカルボン酸に代えて、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジカルボン酸を用いた以外は、参考例2と同様にして、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジカルボニルクロライドを得た。
9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジカルボニルクロライドの製造
9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジカルボン酸に代えて、9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジカルボン酸を用いた以外は、参考例2と同様にして、9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジカルボニルクロライドを得た。
ポリエステル1(PE1)の製造
参考例3で得た9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジカルボニルクロライド(2.0mmol)、フルオレン−9,9−ジメタノール(452mg、 2.0mmol)及びジフェニルエーテル(1.5mL)をシュレンク管に加えて、アルゴンガスを吹き込みながら、混合物を210℃で2.5時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却した後、クロロホルム(10mL)を加えて混合物を希釈し、希釈した混合物をメタノール:クロロホルム(容量比で5:1)の混合溶媒に加えることで、白色固体を得た。白色固体を濾過し、メタノール、エタノール及びアセトンでそれぞれ洗浄した後、50℃で一日減圧乾燥し、ポリエステル1を得た(収率87%)。
ポリエステル2(PE2)の製造
参考例4で得た9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジカルボニルクロライド(2.0mmol)、フルオレン−9,9−ジメタノール(452mg、 2.0mmol)及びジフェニルエーテル(1.5mL)をシュレンク管に加えて、アルゴンガスを吹き込みながら、混合物を210℃で2.5時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却した後、クロロホルム(10mL)を加えて混合物を希釈し、希釈した混合物をメタノール:クロロホルム(容量比で5:1)の混合溶媒に加えることで、白色固体を得た。白色固体を濾過し、メタノール、エタノール及びアセトンでそれぞれ洗浄した後、50℃で一日減圧乾燥し、ポリエステル2を得た(収率88%)。
ポリエステル3(PE3)の製造
参考例2で得た9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジカルボニルクロライド(2.0mmol)、フルオレン−9,9−ジメタノール(452mg、 2.0mmol)及びジフェニルエーテル(1.5mL)をシュレンク管に加えて、アルゴンガスを吹き込みながら、混合物を210℃で2.5時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却した後、クロロホルム(10mL)を加えて混合物を希釈し、希釈した混合物をメタノール:クロロホルム(容量比で5:1)の混合溶媒に加えることで、白色固体を得た。白色固体を濾過し、メタノール、エタノール及びアセトンでそれぞれ洗浄した後、50℃で一日減圧乾燥し、ポリエステル3を得た(収率92%)。
ポリエステル4(PE4)の製造
参考例2で得た9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジカルボニルクロライド(6.18g、 12.0mmol)、フルオレン−9,9−ジプロパノール(3.38g、 12.0mmol)、ジフェニルエーテル(15mL)をシュレンク管に加えて、アルゴンガスを吹き込みながら、混合物を200℃で2時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却した後、クロロホルムを加えて希釈し、希釈した混合物をメタノールに加えることで、白色固体を得た。白色固体を濾過し、メタノール、エタノール及びアセトンでそれぞれ洗浄した後、50℃で一日減圧乾燥し、ポリエステル4を得た(7.74g、収率89%)。
Claims (4)
- フルオレン−9,9−ジアルコール成分を含むジオール成分と、9,9−ジアルキルフルオレン−2,7−ジカルボン酸成分を含むジカルボン酸成分とを重合成分とするポリエステル。
- 前記ジオール成分がフルオレン−9,9−ジアルコール成分からなり、かつ前記ジカルボン酸成分が9,9−ジアルキルフルオレン−2,7−ジカルボン酸成分からなる、請求項1に記載のポリエステル。
- 前記ジオール成分がフルオレン−9,9−ジメタノール成分からなり、かつ前記ジカルボン酸成分が9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジカルボン酸成分からなる、請求項2に記載のポリエステル。
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