JP2015172147A - フルオレン骨格を有するポリエステル樹脂 - Google Patents

フルオレン骨格を有するポリエステル樹脂 Download PDF

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Abstract

【課題】高い耐熱性及び光学特性を有し、かつ有機溶媒に対する溶解性が改善されたポリエステル樹脂を提供する。
【解決手段】ポリエステル樹脂は、下記式(1a)又は(1b)で表されるフルオレンジカルボン酸成分(A1)を含むジカルボン酸成分(A)と、イソソルバイド及びそのアルキレンオキサイド付加体などのヘテロ原子として酸素原子を含む非芳香族5又は6員縮合複素環式ジオール成分(B1)を含むジオール成分(B)とを重合させて得られる。
Figure 2015172147

(式中、X1a,X1bは、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアルキレン基、Rは不活性な置換基、mは0〜4の整数、kは0〜4の整数を示す)
【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性が高く、光学的特性に優れ、有機溶媒に対する溶解性が改善されたポリエステル樹脂に関する。
高屈折率、高耐熱性などの優れた機能を有するフルオレン化合物として、9,9−ビス(2−カルボキシエチル)フルオレン、2,7−ジカルボキシ−9,9−ジメチルフルオレンなどが知られている。
特開2002−179611号公報(特許文献1)には、フルオレンとα,β−不飽和カルボン酸又はそのエステル(アクリル酸など)との反応により、フルオレン骨格を有するカルボン酸類[9,9−ビス(カルボキシエチル)フルオレンなど]を得ることが記載され、このようなカルボン酸類がポリエステル、ポリアミド、エポキシ樹脂の原料として有用であることが記載されている。
米国特許公開US 2012/0171118 A1(特許文献2)には、9,9−ビス(エトキシカルボニルエチル)フルオレンと、エチレングリコール、ブチレングリコール、又はフルオレンジプロパノール(9,9−ビス(3−ヒドロキシプロピル)フルオレン)とを反応させてポリエステルを調製することが記載されている。
特開2008−69224号公報(特許文献3)には、フルオレン骨格を有するジオール成分[9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンなど]を含むジオール成分と、フルオレン骨格を有するジカルボン酸成分[9,9−ビス(2−カルボキシエチル)フルオレンなど]を含むジカルボン酸成分(B)とを用いてポリエステル樹脂を調製することが記載され、このようなポリエステル樹脂が、耐熱性、光学的特性(屈折率)、溶媒溶解性に優れていることが記載されている。この文献の実施例では1質量%未満の濃度で溶解性の評価を行っている。
さらに、特開2011−190349号公報(特許文献4)には、ジカルボン酸成分(A)に対する芳香族ジカルボン酸の共重合割合が80モル%以上、グリコール成分(B)に対するトリシクロデカンジメタノールの共重合割合が20〜80モル%、イソソルビド及び/又はビスフェノキシエタノールフルオレンの共重合割合が30〜50モル%、グリコール成分(B)に対する分岐鎖グリコールの共重合割合が20モル%未満の共重合ポリエステル樹脂が記載され、数平均分子量8000以上、ガラス転移温度100℃以上を有し、シクロヘキサン、2−ブタノン、トルエンから選択された溶媒に25質量%以上の濃度で溶解することも記載されている。この文献の実施例には、10質量%の濃度で、イソソルビドの共重合割合が36〜50モル%のポリエステル樹脂が2−ブタノン/トルエン混合溶媒に溶解せず、ビスフェノキシエタノールフルオレンの共重合割合が多いポリエステル樹脂も2−ブタノン/トルエン混合溶媒に溶解しないことが記載されている。
特開2010−95696号公報(特許文献5)には、ジカルボン酸成分として芳香族ジカルボン酸を40モル%以上の割合で含み、グリコール成分としてイソソルビドを3〜80モル%の割合で含み、2−ブタノン/トルエン混合溶媒に10質量%以上の濃度で溶解する共重合ポリエステル樹脂が記載されている。この文献の実施例には、10質量%の濃度で、イソソルビドがグリコール成分の40〜80モル%のポリエステルは2−ブタノン/トルエン混合溶媒に溶解しないことが記載されている。
このように、これらの文献に記載のポリエステル樹脂は、高い耐熱性及び屈折率を維持しながら、有機溶媒に対する溶解性を向上させることが困難である。特に、イソソルビド及び/又はビスフェノキシエタノールフルオレンの共重合割合が多くなると、有機溶媒に対する溶解性が低下する。
特開2002−179611号公報(特許請求の範囲、段落[0002]) US 2012/0171118 A1(段落[0044]、実施例1a〜1d、実施例6,7,9) 特開2008−69224号公報(特許請求の範囲、実施例、[発明の効果]) 特開2011−190349号公報(特許請求の範囲) 特開2010−95696号公報(特許請求の範囲)
従って、本発明の目的は、高い耐熱性及び光学特性を有し、かつ有機溶媒に対する溶解性が改善されたポリエステル樹脂を提供することにある。
本発明の他の目的は、フルオレン単位の含有量が高くても、有機溶媒に対して高い溶解性を有するポリエステル樹脂を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、イソソルビド及びフルオレン単位の含有量が高く、高い屈折率及び耐熱性を有するポリエステル樹脂を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、9,9−ビス(カルボキシアルキル)フルオレンを含むジカルボン酸成分と、イソソルビドを含むジオール成分とを反応させると、耐熱性及び屈折率が高く、しかも有機溶媒に対する溶解性に優れたポリエステル樹脂が得られることを見出した。特に、特許文献3の実施例では濃度1質量%未満で溶解性試験を行っており、特許文献4及び5の実施例ではイソソルビドの共重合割合が大きくなると、濃度10質量%でも溶解しないことが記載されている。本発明者らは、イソソルビド及び/又はビスフェノキシエタノールフルオレンの共重合割合が大きくなっても、前記成分を反応させることにより、これらの先行文献からは予想もできない程度に溶解性が改善することを見出した。本発明はこれらの知見に基づき完成したものである。
すなわち、本発明のポリエステル樹脂は、少なくともフルオレンジカルボン酸成分(A1)を含むジカルボン酸成分(A)と、少なくともヘテロ原子として酸素原子を含む非芳香族5又は6員縮合複素環式ジオール成分(B1)を含むジオール成分(B)とを重合成分とするポリエステル樹脂である。
フルオレンジカルボン酸成分(A1)は、下記式(1a)又は(1b)で表される化合物およびそのエステル形成性誘導体から選択された少なくとも1種であってもよい。
Figure 2015172147
(式中、X1a,X1bは、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアルキレン基、Rは不活性な置換基、mは0〜4の整数、kは0〜4の整数を示す)
前記フルオレンジカルボン酸成分(A1)は、9,9−ビス(カルボキシアルキル)フルオレン類およびそのエステル形成性誘導体から選択された少なくとも1種であってもよい。さらに、縮合複素環式ジオール成分(B1)は、イソソルバイド及びそのアルキレンオキサイド付加体から選択された少なくとも一種を含んでいてもよい。さらには、ジオール成分(B)は、脂肪族ジオール、脂環族ジオール及び芳香族ジオールから選択された少なくとも一種、例えば、アルカンジオール、9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシアリール)フルオレン、9,9−ビス(ヒドロキシ(ポリ)アルコキシアリール)フルオレンから選択された少なくとも一種を含んでいてもよい。
ポリエステル樹脂において、ジカルボン酸成分(A)は、フルオレンジカルボン酸成分(A1)を少なくとも20モル%の割合で含んでいてもよく、ジオール成分(B)は、縮合複素環式ジオール成分(B1)を少なくとも20モル%の割合で含んでもよい。
さらに、ポリエステル樹脂は、下記(a)〜(c)から選択された少なくとも1つの特性を有していてもよい。
(a)ガラス転移温度が80℃以上である
(b)25℃、589nmにおける屈折率が1.56以上である
(c)メチルエチルケトン、シクロヘキサノン及びトルエンから選択された溶媒に、温度25℃において10質量%以上の濃度で溶解する
本発明のポリエステル樹脂は、フルオレンジカルボン酸成分(A1)と縮合複素環式ジオール成分(B1)とを重合成分とするため、高い耐熱性及び光学特性(屈折率など)を有している。しかも、有機溶媒に対して高い濃度で溶解できる。特に、フルオレン単位の含有量が高くても、有機溶媒に対する溶解性が高い。さらに、イソソルビド及びフルオレン単位の含有量を高めて、耐熱性及び屈折率を高くしても、溶媒に対する溶解性が高い。
本発明のポリエステル樹脂は、フルオレンジカルボン酸成分(A1)を含む特定のジカルボン酸成分(A)と、ヘテロ原子として酸素原子を含む非芳香族5又は6員縮合複素環式ジオール成分(B1)を含むジオール成分(B)とを重合成分とする。
[ジカルボン酸成分(A)]
ジカルボン成分(A)は、第1のカルボン酸成分としてのフルオレンジカルボン酸成分(A1)を含んでいればよく、第2のジカルボン酸成分(A2)を含んでいてもよい。
(フルオレンジカルボン酸成分又は第1のカルボン酸成分(A1))
フルオレンジカルボン酸(A1)は、フルオレンを構成する2つのベンゼン環に2つのカルボキシル基が置換したフルオレンジカルボン酸[例えば、2,7−ジカルボキシフルオレンなど]であってもよいが、通常、フルオレンの9−位に2つのカルボキシル基含有基が置換した化合物であってもよい。このような化合物としては、下記式(1a)又は(1b)で表される化合物が例示できる。
Figure 2015172147
(式中、X1a,X1bは、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアルキレン基、Rは不活性な置換基、mは0〜4の整数、kは0〜4の整数を示す。)
上記式(1a)(1b)において、基X1a,X1bで表されるアルキレン基としては、直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、2−エチルエチレン基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基などのC1−8アルキレン基が例示できる。好ましいアルキレン基は直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基などのC1−4アルキレン基)である。
アルキレン基の置換基としては、例えば、アリール基(フェニル基など)、シクロアルキル基(シクロヘキシル基など)などが例示できる。
1aは直鎖状又は分岐鎖状C2−4アルキレン基(例えば、エチレン基、プロピレン基)である場合が多く、X1bは直鎖状又は分岐鎖状C1−3アルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基)である場合が多い。置換基を有するアルキレン基X1aは、例えば、1−フェニルエチレン基、1−フェニルプロパン−1,2−ジイル基などであってもよい。
係数mは0〜4の整数から選択でき、通常、0〜2、好ましくは0又は1であってもよい。
前記式(1a)(1b)において、基Rとしては、不活性な置換基、例えば、シアノ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子など)、炭化水素基[例えば、アルキル基、アリール基(フェニル基などのC6−10アリール基)など]、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基などのC1−4アルキル−カルボニル基など)などが挙げられる。置換基Rは、アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基などのC1−6アルキル基(例えば、C1−4アルキル基)である場合が多い。なお、異なるベンゼン環に置換した基Rの種類は、同一又は異なっていてもよく、kが複数(2〜4)である場合、複数の基Rの種類は互いに同一又は異なっていてもよい。また、基Rの置換位置は、例えば、フルオレン環の2位、7位、2および7位などであってもよい。好ましい置換数kは、0又は1、特に0である。
式(1a)で表される代表的な化合物は、X1aがC2−6アルキレン基である化合物、例えば、9,9−ビス(2−カルボキシエチル)フルオレン、9,9−ビス(2−カルボキシプロピル)フルオレンなどの9,9−ビス(カルボキシC2−6アルキル)フルオレン、及びこれらのエステル形成性誘導体などを含む。前記式(1b)で表される代表的な化合物は、m=0であり、かつX1bがC1−6アルキレン基である化合物、例えば、9−(1−カルボキシ−2−カルボキシエチル)フルオレン、m=1であり、かつX1bがC1−6アルキレン基である化合物、例えば、9−(2−カルボキシ−3−カルボキシプロピル)フルオレンなどの9−(カルボキシ−カルボキシC2−6アルキル)フルオレン、及びこれらのエステル形成性誘導体などを含む。フルオレンジカルボン酸成分(A1)は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
好ましいフルオレンジカルボン酸成分には、式(1a)で表される化合物、例えば、9,9−ビス(カルボキシアルキル)フルオレン類[例えば、9,9−ビス(カルボキシC1−4アルキル)フルオレン]などが含まれる。
ジカルボン酸成分(A)全体に対するフルオレンジカルボン酸成分(A1)の割合は、5モル%以上(例えば、10モル%以上)の範囲から選択でき、例えば、少なくとも20モル%(20〜100モル%)、好ましくは30〜100モル%(例えば、35〜100モル%)、さらに好ましくは40〜100モル%(例えば、45〜100モル%)であってもよい。なお、フルオレンジカルボン酸成分(A1)の割合を大きくすると、ポリエステル樹脂の溶解性を向上できるとともに、耐熱性及び光学的特性も向上しやすい。
(第2のジカルボン酸成分(A2))
フルオレンジカルボン酸成分(A1)は、必要により、脂肪族ジカルボン酸成分、脂環族ジカルボン酸成分及び芳香族ジカルボン酸成分(又は非フルオレン系芳香族ジカルボン酸成分から選択された少なくとも一種の第2のジカルボン酸成分(A2)と併用してもよい。
脂肪族ジカルボン酸成分
脂肪族ジカルボン酸成分としては、アルカンジカルボン酸[例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、プラリシン酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、オクタデカン二酸などの直鎖状又は分岐鎖状C2−30アルカンジカルボン酸(好ましくはC6−12アルカンジカルボン酸)などが挙げられる。脂肪族ジカルボン酸成分は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
脂環族ジカルボン酸成分
脂環族ジカルボン酸成分としては、例えば、シクロアルカンジカルボン酸(例えば、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などのC5−10シクロアルカン−ジカルボン酸)、ビ又はトリシクロアルカンジカルボン酸又は橋架け環式シクロアルカンジカルボン酸(例えば、デカリンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、アダマンタンジカルボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸など)などが挙げられる。脂環族ジカルボン酸成分は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
芳香族ジカルボン酸成分
芳香族ジカルボン酸成分は、単環式芳香族ジカルボン酸成分、多環式芳香族ジカルボン酸成分(非フルオレン系多環式芳香族ジカルボン酸成分)であってもよい。単環式芳香族ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、アルキルイソフタル酸(例えば、4−メチルイソフタル酸などのC1−4アルキルテレフタル酸)、フタル酸などのC6−10アレーンジカルボン酸などが挙げられる。
多環式芳香族ジカルボン酸成分としては、多環式芳香族ジカルボン酸が挙げられる。多環式芳香族ジカルボン酸としては、例えば、縮合多環式芳香族ジカルボン酸[例えば、ナフタレンジカルボン酸(例えば、1,6−ナフタレンジカルボン酸、1,7−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸など)、アントラセンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸などの縮合多環式C10−24アレーン−ジカルボン酸、好ましくは縮合多環式C10−16アレーン−ジカルボン酸、さらに好ましくは縮合多環式C10−14アレーン−ジカルボン酸];アリールアレーンジカルボン酸[例えば、ビフェニルジカルボン酸(2,2’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸など)などのC6−10アリールC6−10アレーンジカルボン酸];ジアリールアルカンジカルボン酸[例えば、ジフェニルアルカンジカルボン酸(例えば、4,4’−ジフェニルメタンジカルボン酸などのジフェニルC1−4アルカン−ジカルボン酸など)などのジC6−10アリールC1−6アルカン−ジカルボン酸];ジアリールケトンジカルボン酸[例えば、ジフェニルケトンジカルボン酸(4,4’−ジフェニルケトンジカルボン酸など)などのジC6−10アリールケトン−ジカルボン酸];9,9−ビス(4−カルボキシフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(カルボキシC6−10アリール)フルオレンなどが挙げられる。
単環式芳香族ジカルボン酸成分及び多環式芳香族ジカルボン酸成分は、それぞれ、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。また、単環式芳香族ジカルボン酸成分と多環式芳香族ジカルボン酸成分とを組み合わせてもよい。
これらの芳香族ジカルボン酸成分のうち、高耐熱性と高透明性とをバランスよくポリエステル樹脂の耐熱性及び光学特性(透明性、複屈折など)を向上させるためには、単環式芳香族ジカルボン酸成分、特に、ベンゼン環に対してカルボキシル基が非対称の位置に結合した非対称の単環式芳香族ジカルボン酸成分(イソフタル酸成分など)が使用できる。又、ポリエステル樹脂の耐熱性及び屈折率を向上させるためには、多環式芳香族ジカルボン酸成分(縮合多環式芳香族ジカルボン酸)が好ましい。
なお、前記ジカルボン酸成分(A)は、遊離のカルボン酸に限らず、反応性誘導体(エステル形成性誘導体)も含む。反応性誘導体としては、例えば、エステル[アルキルエステル(例えば、メチルエステル、エチルエステルなどのC1−4アルキルエステル、特にC1−2アルキルエステル)など]、酸ハライド(酸クロライドなど)、酸無水物などが挙げられる。反応性誘導体は、ポリエステル樹脂の製造方法などに応じて選択してもよい。
フルオレンジカルボン酸成分(A1)と第2のジカルボン酸成分(A2)とを併用する場合、両者の割合は、前者/後者(モル比)=99/1〜10/90程度の範囲から選択でき、例えば、95/5〜20/80(例えば、95/5〜25/75)、好ましくは90/10〜30/70(例えば、90/10〜35/65)、さらに好ましくは80/20〜40/60(例えば、70/30〜50/50)程度であってもよく、通常、90/10〜40/60程度であってもよい。ジカルボン酸成分(A)に対するフルオレンジカルボン酸成分(A1)の割合は、少なくとも20モル%(例えば、25モル%以上)、好ましくは30モル%以上、さらに好ましくは40モル%以上(例えば、50モル%以上)であってもよい。
[ジオール成分(B)]
ジオール成分(B)は、少なくともヘテロ原子として酸素原子を含む非芳香族5又は6員縮合複素環式ジオール成分(B1)を第1のジオール成分として含んでいればよく、縮合複素環式ジオール成分(B1)に加えて、さらに、脂肪族ジオール、脂環族ジオール及び芳香族ジオールから選択された少なくとも一種の第2のジオール成分(B2)を含んでいてもよい。
(縮合複素環式ジオール成分又は第1のジオール成分(B1))
縮合複素環式ジオール成分(B1)は、非芳香族性の5又は6員の複素環(オキソラン環又はオキサン環)が縮合した縮合複素環(すなわち、縮合オキサシクロアルカン環)を有しており、通常、ヘテロ原子として酸素原子を含む5員複素環(オキソラン環)の二環式縮合環を有している。好ましい縮合複素環式ジオール成分(B1)は、下記式(2)で表されるイソソルバイド(イソソルビド)及びそのアルキレンオキサイド付加体から選択された少なくとも一種である。
Figure 2015172147
(式中、Rはアルキレン基、nは0又は1以上の整数を示す)
で表されるアルキレン基としては、直鎖状又は分岐鎖状C1−10アルキレン基、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、ブタン−1,2−ジイル基、テトラメチレン基、ヘキシレン基などのC2−6アルキレン基などが例示できる。好ましいアルキレン基は、C2−4アルキレン基、特にC2−3アルキレン基(エチレン基、プロピレン基など)である。
係数nは、各オキソラン環について、0又は1以上の整数であり、通常、0〜15(例えば、0〜10)程度の範囲から選択でき、例えば、0〜8(例えば、1〜8)、好ましくは0〜6(例えば、1〜6)、さらに好ましくは0〜4(例えば、1〜4)程度であってもよい。係数nは、1〜3、好ましくは1又は2であってもよい。
縮合複素環式ジオール成分(B1)は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの縮合複素環式ジオール成分(B1)のうち、ポリエステル樹脂の耐熱性及び屈折率を高めつつ、溶解性を向上させるためには、イソソルバイド、又はn=1〜3(特に1又は2)程度のイソソルバイドC2−3アルキレンオキサイド付加体が好ましい。
なお、本発明では、イソソルバイドの共重合割合を多くしてポリエステル樹脂の耐熱性を向上させても、有機溶媒に対する溶解性を向上できる。イソソルバイドは、光学活性体[(+)−D−イソソルバイド]であってもよく、アルキレンオキサイド付加体においても光学活性を維持していてもよい。
(第2のジオール成分(B2))
第2のジオール成分(B2)としての脂肪族ジオールは、アルカンジオール[例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオールなどのC2−10アルカンジオール、好ましくはC2−6アルカンジオール、さらに好ましくはC2−4アルカンジオール]、ポリアルカンジオール(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコールなどのジ又はトリC2−4アルカンジオールなど)などの直鎖状又は分岐鎖状ジオールを含む。なお、本発明では、前記特許文献4と異なり、分岐鎖状アルカンジオールを共重合させなくても、有機溶媒に対する溶解性を向上できる。
脂環族ジオールとしては、例えば、シクロアルカンジオール(例えば、1,4−シクロヘキサンジオールなどのC4−10シクロアルカンジオール、好ましくはC5−8シクロアルカンジオール)、橋架け環式シクロアルカンジオール(例えば、ノルボルナンジオール、アダマンタンジオールなどのビ又はトリシクアルカンジオール)、ジ(ヒドロキシアルキル)シクロアルカン[例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのジ(ヒドロキシC1−4アルキル)C4−10シクロアルカンなど]、橋架け環式(ヒドロキシアルキル)シクロアルカン[例えば、トリシクロデカンジメタノール(トリシクロ[5.2.1.0(2,6)]デカンジメタノール)、アダマンタンジメタノール、ノルボルナンジメタノールなどのジ(ヒドロキシC1−4アルキル)ビ又はトリC6−12シクロアルカンなど]、下記ビスフェノール類の水添物のアルキレンオキサイド付加体[2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンなどのジ(ヒドロキシC5−10シクロアルキル)C1−10アルカンなどのアルキレンオキサイド付加体など]、スピロ環式ジオール[例えば、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどのジ(ヒドロキシC1−10アルキル)テトラオキサスピロアルカン)などのオキサスピロ環式ジオール]などが挙げられる。
ジ(ヒドロキシアルキル)シクロアルカンなどの脂環族ジオールは、ポリエステル樹脂の耐熱性、光学的特性(屈折率及び複屈折)を改善する上で有用である。なお、本発明では、前記特許文献4と異なり、トリシクロデカンジメタノールを共重合させなくても、耐熱性を改善できるとともに、有機溶媒に対する溶解性を向上できる。
芳香族ジオールとしては、例えば、ジヒドロキシアレーン(ハイドロキノン、レゾルシノールなど)、ビスフェノール類、芳香脂肪族ジオール{例えば、ジ(ヒドロキシアルキル)アレーン[例えば、ベンゼンジメタノール(1,4−ベンゼンジメタノール、1,3−ベンゼンジメタノールなど)などのジ(ヒドロキシC1−4アルキル)C6−10アレーンなど]、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加体などが挙げられる。
ビスフェノール類は、下記式(3)で表される化合物を含む。
Figure 2015172147
(式中、環Zはアレーン環、Rはアルキレン基、pは0以上の整数、Xは連結基を示し、qは0又は1を示し、Rは不活性置換基、rは0〜4の整数を示す)
環Zで表されるアレーン環は、単環式アレーン環(ベンゼン環など)、縮合多環式アレーン環(ナフタレン環、アントラセン環などの縮合多環式C6−16アレーン環など)、環集合アレーン環(ビフェニル環、ターフェニル環などの環集合C12−18アレーン環)などを含む。好ましいアレーン環は、ベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環などである。
で表されるアルキレン基としては、直鎖状又は分岐鎖状C1−10アルキレン基、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、ブタン−1,2−ジイル基、テトラメチレン基、ヘキシレン基などのC2−6アルキレン基などが例示できる。好ましいアルキレン基は、C2−4アルキレン基、特にC2−3アルキレン基(エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基など)である。
係数pは0以上の整数であり、通常、0〜15(例えば、0〜10)程度の範囲から選択でき、例えば、0〜8(例えば、1〜8)、好ましくは0〜6(例えば、1〜6)、さらに好ましくは0〜4(例えば、1〜4)程度であってもよい。係数pは、1〜3、好ましくは1又は2であってもよい。
置換基Rとしては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのC1−6アルキル基、好ましくはC1−4アルキル基など)、シクロアルキル基(シクロへキシル基などのC5−8シクロアルキル基など)、アリール基(例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などのC6−10アリール基など)、アラルキル基(ベンジル基、フェネチル基などのC6−10アリール−C1−4アルキル基など)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基などのC1−6アルコキシ基など)、シクロアルコキシ基(シクロへキシルオキシ基などのC5−10シクロアルキルオキシ基など)、アリールオキシ基(フェノキシ基などのC6−10アリールオキシ基)、アラルキルオキシ基(ベンジルオキシ基などのC6−10アリール−C1−4アルキルオキシ基)、アルキルチオ基(メチルチオ基などのC1−6アルキルチオ基など)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基などのC6−10アリールチオ基)、アシル基(アセチル基などのC1−6アルキル−カルボニル基など)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子など)、ニトロ基、シアノ基、ジアルキルアミノ基(例えば、ジメチルアミノ基など)などが挙げられる。
代表的な基Rは、例えば、C1−6アルキル基、C5−8シクロアルキル基、C6−10アリール基、C6−8アリール−C1−2アルキル基、C1−4アルコキシ基、ハロゲン原子などである。中でも、C1−4アルキル基(特にメチル基)、C6−10アリール基(特にフェニル基)、C1−4アルコキシ基又はハロゲン原子などが好ましく、特にアルキル基であるのが好ましい。
置換基Rの係数rは、環Zの種類に応じて0以上の整数、例えば、0〜4、好ましくは0〜3、さらに好ましくは0〜2程度であってもよい。なお、同一の環Zにおいて、係数rが2以上である場合、複数のRの種類は同一又は異なる基であってもよく、異なる環Zにおいて、Rの種類は同一又は異なっていてもよい。
連結基Xとしては、例えば、アルキレン基(又はアルキリデン基)(例えば、メチレン基、エチレン基、エチリデン基、プロピレン基、2−プロピリデン基、ブチレン基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−10アルキレン基、好ましくはC1−6アルキレン基、さらに好ましくはC1−4アルキレン基など)、シクロアルキレン基又はシクロアルキリデン基(1,4−シクロヘキシレン基、シクロヘキシリデン基などのC4−10シクロアルキレン基又はC4−10シクロアルキリデン基、好ましくはC5−8シクロアルキレン基又はC5−8シクロアルキリデン基)、アリーレン基(例えば、フェニレン基などのC6−10アリーレン基)、アリールアレーンジイル基(例えば、ビフェニル−4,4’−ジイル基などのC6−10アリール−C6−10アレーンジイル基)、酸素原子又はエーテル基(−O−)、カルボニル基(−CO−)、硫黄原子又はチオ基(−S−)、スルフィニル基(−SO−)、スルホニル基(−SO−)、下記式(4-1)〜(4-3)で表される二価の基(フルオレン−9,9−ジイル基など)が挙げられる。
Figure 2015172147
(式中、Xは酸素原子、カルボニル基、硫黄原子、スルフィニル基、スルホニル基を示し、Rはアルキレン基、アリーレン基、Rはアルキレン基、ジアリールアルキレン基を示し、R及びkは前記に同じ)
前記式(4-1)において、Rで表されるアルキレン基としては、エチレン基、プロピリデン基、テトラメチレン基、オクタメチレン基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−10アルキレン基が例示でき、アリーレン基としては、フェニレン基などのC6−10アリーレン基が例示できる。Rで表されるアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、2−プロピリデン基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキレン基が例示でき、ジアリールアルキレン基としては、ジフェニルメチレン基、1,1−ジフェニルエチレン基などのジC6−10アリール−C1−6アルキレン基などが例示できる。
代表的な連結基Xは、アルキレン基若しくはアルキリデン基、シクロアルキレン基若しくはシクロアルキリデン基、アリーレン基、酸素原子又はエーテル基(−O−)、カルボニル基(−CO−)、硫黄原子又はチオ基(−S−)、スルフィニル基(−SO−)、スルホニル基(−SO−)、前記式(4-3)で表されるフルオレン−9,9−ジイル基などである。
なお、連結基Xが炭化水素基であるとき、連結基Xは、Rと同様の置換基、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子などを有していてもよい。例えば、連結基Xとしてのアルキレン基は、シクロヘキシルメチレン基などのC5−10シクロアルキルC1−6アルキレン基、フェニルメチレン基、2,4−ジクロロフェニルメチレン基、4−フルオロフェニルメチレン基、ナフチルメチレン基などのC6−10アリールC1−6アルキレン基、ジフェニルメチレン基、ジトリフルオロメチルメチレン基などのジC6−10アリールC1−6アルキレン基などの置換基を有するアルキレン基であってもよい。
ビスフェノール類としては、前記式(3)において、q=0の化合物(ビフェノールなど);前記式(3)において、Xがアルキレン基、q=1の化合物(ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン類、例えば、ビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタンなどのビス(ヒドロキシフェニル)C1−10アルカンなど;前記式(3)において、Xがシクロアルキレン基又はシクロアルキリデン基であり、q=1の化合物(ビス(ヒドロキシフェニル)シクロアルカン類)、例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどのビス(ヒドロキシフェニル)C4−10シクロアルカンなど;前記式(3)において、Xが酸素原子、カルボニル基、硫黄原子又はチオ基、スルフィニル基又はスルホニル基であり、q=1の化合物(例えば、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエ−テルなどのビス(ヒドロキシフェニル)エーテル類、例えば、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホンなどのビス(ヒドロキシフェニル)スルホン類、例えば、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシドなどのビス(ヒドロキシフェニル)スルホキシド類、例えば、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィドなどのビス(ヒドロキシフェニル)スルフィド類など;前記式(3)において、Xが式(4-1)で表される基であり、q=1の化合物(例えば、4,4’−(o,m又はp−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノールなどのビス(ヒドロキシフェニル−C1−4アルキル)C6−10アレーンなど)などが挙げられる。
さらに、前記式(3)において、Xが式(4-3)で表される基であり、q=1の化合物としては、9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン、例えば、9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン[例えば、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(クレゾール)フルオレン]、9,9−ビス(ヒドロキシナフチル)フルオレン[例えば、9,9−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)フルオレン、9,9−ビス(5−ヒドロキシ1−ナフチル)フルオレンなど]、9−ビス(ヒドロキシビフェニル)フルオレン[例えば、9,9−ビス((3−ヒドロキシ−4−フェニル)フェニル)フルオレンなど]などが例示できる。
ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加体において、アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどのC2−4アルキレンオキサイド(好ましくはC2−3アルキレンオキサイド)などが挙げられる。アルキレンオキサイドの付加モル数は、例えば、ビスフェノール類のヒドロキシル基1モルに対して、例えば、1モル以上(例えば、1〜10モル)、好ましくは1〜5モル、さらに好ましくは1〜3モル(例えば、1〜2モル)程度であってもよい。
なお、アルキレンオキサイド付加体は、ビスフェノール類と、アルキレンカーボネート(エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなど)又はハロアルカノールとの反応により得られるヒドロキシアルコキシ体の一部又は全部も包含する。
アルキレンオキサイド付加体としては、例えば、2,2−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)フェニル)プロパンなどのビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加体の他、前記式(3)において、Xが式(4-3)で表される基であり、q=1の化合物のアルキレンオキサイド付加体も含む。このような化合物(フルオレン化合物)としては、9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシアリール)フルオレン、例えば、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(4−ヒドロキシブトキシ)フェニル]フルオレンなどの9,9−ビス(ヒドロキシC1−6アルコキシフェニル)フルオレン;9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシプロポキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(4−ヒドロキシブトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレンなどの9,9−ビス(アルキル−ヒドロキシC1−6アルコキシフェニル)フルオレン;9,9−ビス[4−フェニル−3−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−フェニル−3−(2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−フェニル−3−(4−ヒドロキシブトキシ)フェニル]フルオレンなどの9,9−ビス(フェニル−ヒドロキシC1−6アルコキシフェニル)フルオレン;9,9−ビス[6−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−1−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[6−(3−ヒドロキシプロポキシ)−2−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[6−(2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[6−(4−ヒドロキシブトキシ)−2−ナフチル]フルオレンなどの9,9−ビス[(ヒドロキシC1−6アルコキシ)ナフチル]フルオレン;これらの化合物においてp=2〜10(例えば、2〜5、好ましくは2又は3)程度の化合物などが例示できる。
なお、ビスフェノール類と、アルキレンカーボネート又はハロアルカノール(ブロモC1−10アルカノールなど)との反応では、アルキレンオキサイドの付加体よりも炭素数の長いヒドロキシアルコキシ体(例えば、ヒドロキシC1−10アルコキシ体)を得ることもできる。
芳香族ジオールのうち、芳香脂肪族ジオール[例えば、ジ(ヒドロキシアルキル)アレーンなど]、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加体などが好ましい。
第2のジオール成分(B2)としての脂肪族ジオール、脂環族ジオール及び芳香族ジオールは、それぞれ単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。脂環族ジオール及び芳香族ジオールから選択された少なくとも一種(特に、少なくとも芳香族ジオール)と、脂肪族ジオール(エチレングリコールなどのアルカンジオール)とを併用すると、アルカンジオールを反応溶媒としても利用でき、エステル化反応を円滑に進行させることができる。芳香族ジオールは、前記のように、9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシアリール)フルオレン、9,9−ビス(ヒドロキシ(ポリ)アルコキシアリール)フルオレンなどから選択された少なくとも一種であってもよい。
脂環族ジオール及び/又は芳香族ジオール(特に、少なくとも芳香族ジオール)と脂肪族ジオールとの割合は、前者/後者(モル比)=100/0〜5/95(例えば、98/2〜10/90)程度の範囲から選択でき、例えば、95/5〜30/70(例えば、90/10〜50/50)、さらに好ましくは85/15〜55/45(例えば、80/20〜60/40)程度であってもよい。
第1のジオール成分(B1)と第2のジオール成分(B2)とを併用する場合、両者の割合は、前者/後者(モル比)=99/1〜10/90程度の範囲から選択でき、例えば、95/5〜20/80(例えば、95/5〜25/75)、好ましくは90/10〜30/70(例えば、90/10〜35/65)、さらに好ましくは80/20〜40/60(例えば、70/30〜50/50)程度であってもよい。ジオール成分(B)に対する縮合複素環式ジオール成分(B1)の割合は、少なくとも20モル%(例えば、25モル%以上)、好ましくは30モル%以上、さらに好ましくは40モル%以上(例えば、50モル%以上)であってもよい。
なお、本発明では、前記特許文献4及び5と異なり、前記フルオレン系ジオール(ビスフェノキシエタノールフルオレン)を比較的高い濃度で共重合させ耐熱性を高めても、有機溶媒に対する溶解性を向上できる。なお、芳香族ジオールを共重合させることにより、炭化水素系溶媒(シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素、トルエンなどの芳香族炭化水素など)に対する溶解性を向上できる。
ポリエステル樹脂は、慣用の方法、例えば、溶融重合法、溶液重合法、界面重合法などを利用して調製できる。工業的に好ましい方法は、溶融重合法である。
反応において、ジカルボン酸成分及びジオール成分の一方の成分を他方の成分よりも過剰に用いてもよい。例えば、反応系で揮発する反応成分(エチレングリコールなどのアルカンジオールなど)を過剰に用いてもよい。
反応は、金属触媒、例えば、アルカリ金属(ナトリウムなど)、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム、バリウムなど)、遷移金属(マンガン、亜鉛、カドミウム、鉛、コバルトなど)、周期表第13族金属(アルミニウムなど)、周期表第14族金属(ゲルマニウムなど)、周期表第15族金属(アンチモンなど)などを含む化合物の存在下で行ってもよい。金属化合物としては、アルコキシド、有機酸塩(酢酸塩など)、無機酸塩(ホウ酸塩、炭酸塩など)、金属酸化物などが例示できる。これらの触媒は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。触媒の使用量は、例えば、ジカルボン酸成分1モルに対して、0.01×10−4〜100×10−4モル程度であってもよい。
反応は、必要に応じて、安定剤(酸化防止剤、熱安定剤など)などの添加剤の存在下で行ってもよい。反応は、通常、不活性ガス(窒素、ヘリウムなど)雰囲気中で行うことができる。また、反応は、減圧下(例えば、1×10〜1×10Pa程度)で行うこともできる。反応温度は、重合法に応じて選択でき、溶融重合法での反応温度は、例えば、200〜300℃、好ましくは230〜290℃程度であってもよい。
ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、0.1×10〜50×10程度の範囲から選択でき、例えば、1×10〜15×10、好ましくは1.5×10〜10×10、さらに好ましくは2×10〜8×10程度であってもよい。
本発明のポリエステル樹脂は、各種の有機溶媒に対して高い溶解性を示す。例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン及びトルエンから選択された溶媒に対して、温度25℃において10質量%以上(好ましくは25質量%以上)の濃度で溶解できる。特に、濃度が20質量%以上(好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上、特に50質量%以上)であっても前記溶媒に溶解する。また、シクロアルカノン(シクロヘキサノンなど)に対しては高い溶解性を示すとともに、共重合成分の種類及び共重合割合によって、可溶な溶媒を選択することもできる。そのため、本発明のポリエステル樹脂は、有機溶媒の溶液として、コーティング剤、塗料、インキなどに利用できるとともに、流延法などを利用してフィルムなどを形成することもできる。
なお、本発明のポリエステル樹脂が可溶な有機溶媒としては、炭化水素(例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素など)、ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタン、トリクロロメタンなど)、ケトン類(メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのアルキルケトン、シクロヘキサノンなどのシクロアルカノンなど)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどの鎖状エーテル、テトラヒドロフランなどの環状エーテル)、アミド類、スルホキシド類及びこれらの混合溶媒などが例示できる。なお、エーテル類には、アルキレングリコールモノアルキルエーテル(セロソルブ類、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルキレングリコールモノC1−4アルキルエーテルなど)及びこれらのアセテート類(セロソルブアセテート類など)、ジアルキレングリコールモノアルキルエーテル(カルビトール類、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのジアルキレングリコールモノC1−4アルキルエーテルなど)及びこれらのアセテート類(カルビトールアセテート類など)なども含まれる。
本発明のポリエステル樹脂は、比較的耐熱性が高く、例えば、ガラス転移温度(Tg)は、80℃以上(例えば、85〜180℃)の範囲から選択でき、例えば、85〜150℃、好ましくは90〜130℃(例えば、95〜120℃)程度であってもよい。
本発明のポリエステル樹脂は、比較的高い屈折率を有している場合が多い。そのため、光学用の樹脂として、単独で又は他の樹脂と組み合わせて使用できる。ポリエステル樹脂の屈折率は、20℃、波長589nmにおいて、1.56以上(例えば、1.56〜1.75)、さらに好ましくは1.57以上(例えば、1.57〜1.7)、さらに好ましくは1.58以上(例えば、1.58〜1.65)程度であってもよい。なお、ポリエステル樹脂は、低複屈折(複屈折の絶対値が小さい)又は負の複屈折を有していてもよい。
[用途]
本発明のポリエステル樹脂は、有機溶媒に対する溶解性が高い。そのため、本発明のポリエステル樹脂は、有機溶媒を含む組成物、例えば、コーティング剤、塗料、インキなどとして利用できる。さらに、本発明のポリエステル樹脂は、耐熱性が高くても、成形性(溶融成形性など)に優れており、必要により添加剤とともに、樹脂組成物(又は樹脂成形体)を構成し、成形体を形成できる。そのため、本発明は、前記ポリエステル樹脂又はその組成物で形成された成形体も含む。
なお、添加剤としては、種々の添加剤、例えば、充填剤又は補強剤、着色剤(染顔料)、導電剤、難燃剤、可塑剤、滑剤、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤など)、離型剤、帯電防止剤、分散剤、流動調整剤、レベリング剤、表面改質剤、消泡剤、低応力化剤、耐熱性改良剤などが例示できる。これらの添加剤は単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
前記成形体の形状は、特に限定されず、用途に応じて選択でき、例えば、二次元的構造(フィルム状、シート状、板状など)、三次元的構造(管状、棒状、チューブ状、中空状など)などであってもよい。
本発明のポリエステル樹脂又は樹脂組成物は、光学的特性に優れているため、光学材料又は光学用成形体(特に、光学フィルム、光学レンズなどの光学部品)を形成してもよい。フィルムの厚みは、1〜1000μm程度の範囲から用途に応じて選択でき、例えば、1〜200μm、好ましくは5〜150μm、さらに好ましくは10〜120μm程度であってもよい。フィルム(光学フィルム)は、慣用の成膜方法、キャスティング法(溶剤キャスト法)、溶融押出法、カレンダー法などを用いて成膜(又は成形)することにより製造できる。
フィルムは、無延伸フィルムであってもよく、一軸又は二軸延伸フィルムのいずれであってもよい。延伸倍率は、一軸又は二軸の各方向にそれぞれ1.1〜10倍(好ましくは1.2〜8倍、さらに好ましくは1.5〜6倍)程度であってもよく、1.1〜2.5倍程度であってもよい。
成形体は、例えば、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、トランスファー成形法、ブロー成形法、加圧成形法、キャスティング成形法などを利用して製造することができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、樹脂の特性は以下の方法により測定した。
[分子量]
試料をクロロホルムに溶解し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(東ソー(株)製、HLC‐8320GPC)を用いて、ポリスチレン換算の数平均分子量、重量平均分子量を求めた。
[ガラス転移温度(Tg)]
示差走査熱量計(エスアイアイナノテクノロジー(株)製、EXSTAR6000 DSC6220)を用いて、窒素雰囲気下、10℃/分の昇温速度で、20℃から220℃まで測定した。
[屈折率]
多波長アッベ屈折計((株)アタゴ製、DR−M2(循環式恒温水層60−C3))を用いて、20℃、589nm(d線)の条件で測定した。
[ポリエステル樹脂の組成分析]
試料(ポリエステル樹脂)を重クロロホルムに溶解し、核磁気共鳴装置(NMR)[BRUKER社製、AVANCE III HD 300MHz]を用いて測定した。
[溶剤溶解性試験]
試料と溶剤とを所定の濃度でスクリュー管へ加え、20℃の条件下で振とう機で2時間に亘り撹拌した。その後、一晩静置して不溶部の有無を目視で確認した。溶媒として、メチルエチルケトン(2−ブタノン,MEK)、シクロヘキサノン、トルエン、及びMEK/トルエン混合溶媒(質量比=1/1)を用いた。50質量%の濃度で溶解したものを「◎」、30質量%の濃度で溶解したものを「○」、10質量%の濃度で溶解したものを「△」、10質量%の濃度で溶解しなかったものを「×」として溶解性を評価した。
(実施例1)
反応器に、9,9−ジ(メトキシカルボニルエチル)フルオレン(フルオレン−9,9−ジプロピオン酸のジメチルエステル(以下、FDP−mという)101.5g(300mmol)、イソソルバイド(以下、ISBという)21.9g(150mmol)、エチレングリコール(以下、EGという)22.3g(360mmol)、触媒としてチタニウムテトラn−ブトキシド136mg(400μmol)加え、240℃まで徐々に加熱、撹拌し、エステル交換反応を行った。エステル交換反応により生成するメタノールを除去した後、酸化ゲルマニウム31mg(300μmol)、リン酸トリメチル112mg(800μmol)を加え、徐々に280℃、400Paまで昇温、減圧し、所定の撹拌トルクに達するまで、重縮合を行った。
(実施例2)
FDP−m 101.5g(300mmol)、ISB 30.8g(211mmol)、EG 18.6g(300mmol)を用いる以外、実施例1と同様にして、ポリエステル樹脂を得た。
(実施例3)
反応器に、FDP−m 101.5g(300mmol)、ISB 35.5g(243mmol)、EG 26.0g(420mmol)、触媒としてチタニウムテトラn−ブトキシド102mg(300μmol)、ジブチルすずオキシド74mg(300μmol)加え、徐々に加熱、撹拌しエステル交換反応を行った。エステル交換反応により生成するメタノールを除去した後、リン酸トリメチル84mg(600μmol)を加え、徐々に280℃、400Paまで昇温、減圧し、所定の撹拌トルクに達するまで重縮合を行った。
(実施例4)
FDP−m 101.5g(300mmol)、ISB 21.9g(150mmol)、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン(BPEF) 35.9g(90mmol)、EG 16.8g(270mmol)を用いる以外、実施例3と同様にして、ポリエステル樹脂を得た。
結果を表1及び表2に示す。
Figure 2015172147
Figure 2015172147
本発明では、イソソルバイド及び/又はBPEFの共重合割合が大きくても、耐熱性及び屈折率を維持しながら、溶媒に対する溶解性を向上できるとともに、可溶な溶媒を選択することもできる。特に、特許文献4及び特許文献5の実施例にはイソソルビド及び/又はBPEFの共重合割合が多くなると、MEK(2−ブタノン)/トルエン混合溶媒(質量比1/1)に溶解しないことが記載されている。これに対して、表2の溶解性試験結果に示したように、本願発明では、30質量%の濃度でもMEK(2−ブタノン)/トルエン混合溶媒に可溶である。
本発明のポリエステル樹脂は、有機溶媒に対する溶解性に優れるとともに、耐熱性も高い。そのため、本発明のポリエステル樹脂又は樹脂組成物は、例えば、コーティング剤、塗料、インキなどとして利用できる。また、ポリエステル樹脂又は樹脂組成物は、帯電防止剤、接着剤、粘着剤、樹脂充填材、帯電トレイ、導電シート、保護膜(電子機器、液晶部材などの保護膜など)、電気・電子材料(キャリア輸送剤、発光体、有機感光体、感熱記録材料、ホログラム記録材料)、電気・電子部品又は機器(光ディスク、インクジェットプリンタ、デジタルペーパ、有機半導体レーザ、色素増感型太陽電池、EMIシールドフィルム、フォトクロミック材料、有機EL素子、カラーフィルタなど)用樹脂、機械部品又は機器(自動車、航空・宇宙材料、センサ、摺動部材など)用の樹脂などとして好適に利用できる。
本発明のポリエステル樹脂又は樹脂組成物は、光学的特性(屈折率、透明性)に優れているため、光学用途の成形体(光学用成形体)、例えば、光学フィルム又はシート、光学レンズ、ピックアップレンズ、ホログラム、液晶用フィルム、有機EL用フィルムなどに利用できる。光学フィルムとしては、偏光フィルム(又は偏光板保護フィルム)、位相差フィルム、配向膜(配向フィルム)、視野角拡大(補償)フィルム、拡散板(フィルム)、プリズムシート、導光板、輝度向上フィルム、近赤外吸収フィルム、反射フィルム、反射防止(AR)フィルム、反射低減(LR)フィルム、アンチグレア(AG)フィルム、透明導電(ITO)フィルム、異方導電性フィルム(ACF)、電磁波遮蔽(EMI)フィルム、電極基板用フィルム、カラーフィルタ基板用フィルム、バリアフィルム、カラーフィルタ層、ブラックマトリクス層、光学フィルム同士の接着層もしくは離型層などが例示できる。また、光学フィルムは、機器のディスプレイ、例えば、パーソナル・コンピュータのモニタ、テレビジョン、携帯電話、カー・ナビゲーションシステム、タッチパネルなどのFPD装置(例えば、LCD、PDPなど)などに用いることができる。

Claims (7)

  1. 少なくともフルオレンジカルボン酸成分(A1)を含むジカルボン酸成分(A)と、少なくともヘテロ原子として酸素原子を含む非芳香族5又は6員縮合複素環式ジオール成分(B1)を含むジオール成分(B)とを重合成分とするポリエステル樹脂。
  2. フルオレンジカルボン酸成分(A1)が、下記式(1a)又は(1b)
    Figure 2015172147
    (式中、X1a,X1bは、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアルキレン基、Rは不活性な置換基、mは0〜4の整数、kは0〜4の整数を示す)
    で表される化合物およびそのエステル形成性誘導体から選択された少なくとも1種である請求項1記載のポリエステル樹脂。
  3. フルオレンジカルボン酸成分(A1)が、9,9−ビス(カルボキシアルキル)フルオレン類およびそのエステル形成性誘導体から選択された少なくとも1種である請求項1又は2記載のポリエステル樹脂。
  4. 縮合複素環式ジオール成分(B1)が、イソソルバイド及びそのアルキレンオキサイド付加体から選択された少なくとも一種を含む請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル樹脂。
  5. ジオール成分(B)が、さらに、脂肪族ジオール、脂環族ジオール及び芳香族ジオールから選択された少なくとも一種を含む請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル樹脂。
  6. ジカルボン酸成分(A)が、フルオレンジカルボン酸成分(A1)を少なくとも20モル%の割合で含み、ジオール成分(B)が、縮合複素環式ジオール成分(B1)を少なくとも20モル%の割合で含む請求項1〜5のいずれかに記載のポリエステル樹脂。
  7. 下記(a)〜(c)から選択された少なくとも1つの特性を有する請求項1〜6のいずれかに記載のポリエステル樹脂。
    (a)ガラス転移温度が、80℃以上である
    (b)25℃、589nmにおける屈折率が1.56以上である
    (c)メチルエチルケトン、シクロヘキサノン及びトルエンから選択された溶媒に、温度25℃において10質量%以上の濃度で溶解する
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