JP2006169542A - 光拡散用成形品 - Google Patents

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康夫 原
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Abstract

【課題】 優れた光拡散機能を有し、しかも高温高湿下での耐久性にも優れたものである光拡散用成形品を得る。
【解決手段】 熱可塑性ノルボルネン系樹脂(a)100重量部および平均粒子径が0.1〜50μmである光拡散剤(b)0.1〜100重量部を含有することを特徴とする、光拡散用成形品。
【選択図】 なし

Description

本発明は光拡散用成形品に関し、特に優れた光拡散機能を有し、しかも高温高湿下での耐久性にも優れたものである成形品に関するものである。
液晶ディスプレイのバックライトの導光板や光拡散板、照明カバーなどに用いられている光拡散機能を有する成形品は、高い光拡散性、耐熱性、寸法安定性および生産性が求められている。
従来、このような光拡散機能を有する成形品としては透明樹脂からなるシートなどの成形品表面にエンボス加工や光硬化性樹脂による所定の形状のパターン形成、または樹脂製ビーズを含むコート剤を塗布するなどの表面加工を施して光拡散機能を付与してなるものがあるが、製造工程が複雑であるため生産性に劣る問題があった。
一方、透明基材樹脂中に、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、石英、水酸化アルミニウムなどの無機系微粒子を配合してなる樹脂組成物を射出成形または押出成形により光拡散機能を有する成形品に成形する方法が、特開昭57−5742号公報、特開昭57−155245号公報、特開昭57−162743号公報、特開昭61−4762号公報、特公平4−11842号公報などにより開示されており、該樹脂と屈折率の異なる架橋ポリマー粒子を配合して樹脂組成物を射出成形または押出成形により光拡散機能を有する成形品に成形する方法が特公昭55−7471号公報、特公昭58−11463号公報、特開平1−236257号公報、特開平1−301745号公報、特開平4−328148号公報などにより開示されている。
これらの公報により開示されている技術は透明基材樹脂にポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)を用いたものが多いが、PMMAは熱変形温度が低く耐熱性に劣り、また吸水性が大きいため、該樹脂を用いてなる導光板や光拡散板は高温高湿下で変形する恐れがあった。
本発明は、上記従来技術の課題を背景になされたもので、光拡散性、耐熱性および生産性に優れた光拡散用成形品を提供することを目的とするものである。
本発明の光拡散用成形品は、熱可塑性ノルボルネン系樹脂(a)100重量部および平均粒子径が0.1〜50μmの光拡散剤(b)0.1〜100重量部を含有するものである。
本発明の光拡散用成形品は、熱可塑性ノルボルネン系樹脂(a)100重量部および平均粒子径が0.1〜50μmの光拡散剤(b)0.1〜100重量部を含有する熱可塑性樹脂組成物を成形することにより得られる。
本発明の光拡散用成形品は、高温高湿下での耐久性に優れ、しかも光拡散性に優れるので、光拡散を目的とする広範な用途に使用することができる。
本発明に用いられる熱可塑性ノルボルネン樹脂は、その繰り返し単位中にノルボルナン骨格を有するものである。例えば、この熱可塑性樹脂としては、一般式(I)〜(IV)で表されるノルボルナン骨格を含むものである。
Figure 2006169542
Figure 2006169542
Figure 2006169542
Figure 2006169542
(式中、A、B、CおよびDは、水素原子または1価の有機基を示す。)
本発明において使用することのできるノルボルナン骨格を有する熱可塑性樹脂としては、例えば特開昭60−168708号公報、特開昭62−252406号公報、特開昭62−252407号公報、特開平2−133413号公報、特開昭63−145324号公報、特開昭63−264626号公報、特開平1−240517号公報、特公昭57−8815号公報などに記載されている樹脂などを挙げることができる。
この熱可塑性樹脂の具体例としては、下記一般式(V)で表される少なくとも1種のテトラシクロドデセン誘導体または該テトラシクロドデセンと共重合可能な不飽和環状化合物とをメタセシス重合して得られる重合体を水素添加して得られる水添重合体を挙げることができる。
Figure 2006169542
(式中A〜Dは、前記に同じ。)
前記一般式(V)で表されるテトラシクロドデセン誘導体において、A、B、CおよびDのうちに極性基を含むことが、耐熱性や架橋ポリマー粒子の分散性、他成形品との密着性の点から好ましい。さらに、この極性基が−(CH2n COOR(ここで、Rは炭素数1〜20の炭化水素基、nは0〜10の整数を示す)で表される基であることが、得られる水添重合体が高いガラス転移温度を有するものとなるので好ましい。
特に、この−(CH2n COORで表される極性置換基は、一般式(V)のテトラシクロドデセン誘導体の1分子あたりに1個含有されることが好ましい。
前記一般式(V)において、Rは炭素数1〜20の炭化水素基であるが、炭素数が多くなるほど得られる水添重合体の吸湿性が小さくなる点では好ましいが、得られる水添重合体のガラス転移温度とのバランスの点から、炭素数1〜4の鎖状アルキル基または炭素数5以上の(多)環状アルキル基であることが好ましく、特にメチル基、エチル基、シクロヘキシル基であることが好ましい。さらに、カルボン酸エステル基が結合した炭素原子に、同時に炭素数1〜10の炭化水素基が置換基として結合されている一般式(V)のテトラシクロドデセン誘導体は、吸湿性を低下させるので好ましい。特に、この置換基がメチル基またはエチル基である一般式(V)のテトラシクロドデセン誘導体は、その合成が容易な点で好ましい。具体的には、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,57,10]ドデカ−8−エンが好ましい。
これらのテトラシクロドデセン誘導体、あるいはこれと共重合可能な不飽和環状化合物の混合物は、例えば特開平4−77520号公報第4頁右上欄第12行〜第6頁右下欄第6行に記載された方法によって、メタセシス重合、水素添加され、本発明に使用される熱可塑性樹脂とすることができる。
また、前記水添重合体のガラス転移温度(Tg)は100℃〜200℃の範囲であることが好ましい。100℃未満では該樹脂組成物からなる成形品の耐熱性が劣る。また、Tgが200℃を超えるものは、成形温度が高くなり、良質な成形品を得ることが難しくなる。
また、水添重合体の水素添加率は、60MHz、 1H−NMRで測定した値が50%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは98%以上である。水素添加率が高いほど、熱や光に対する安定性が優れる。
なお、本発明のノルボルナン骨格を有する熱可塑性樹脂として使用される水添重合体は、該水添重合体中に含まれるゲル含有量が5重量%以下であることが好ましく、さらに1重量%であることが好ましい。
(b)成分(光拡散剤)
本発明において、上記熱可塑性ノルボルネン系樹脂(a)に配合される光拡散剤(b)は、無機物あるいは有機物からなる球形または真球形の微粒子である。
光拡散剤として無機微粒子を配合した樹脂組成物は特に耐熱性に優れた成形品を得ることができる。また、有機微粒子を配合した樹脂組成物からは軽量な成形品を得ることができる。またこれら無機微粒子と有機微粒子を混合したものを用いてもよい。
光拡散剤(b)として好適に用いられる無機物からなる微粒子の例としては、ガラスビーズ、シリカ、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、石英などが挙げられる。
また、有機物からなる微粒子としては架橋ポリマー粒子が好適に用いられる。架橋ポリマー粒子の製造方法としては、例えば特開昭63−189413号公報、特開平1−315454号公報などに記載されている方法を用いることが可能であり、具体的には重量平均分子量が500〜10,000の範囲にあるシードポリマー粒子1重量%を含む水性分散体100重量部に、架橋性モノマーを3重量%以上含む重合性モノマーを2〜500重量部を添加し、シードポリマー粒子に重合性モノマーを吸収させて重合する方法を用いることができる。
シードポリマー粒子の組成は、重合に用いるモノマーに溶解または膨潤するものであれば制限されないが、重合に用いるモノマーと同系統のものであることが好ましい。具体的には、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリn−ブチルアクリレート、スチレン・ブタジエン共重合体、その他のポリマー粒子が好ましく用いられる。
架橋性モノマーとしては、ジビニルベンゼンに代表される非共役ジビニル化合物あるいはトリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートなどに代表される多価アクリレート化合物などの2個以上、好ましくは2個の共重合性二重結合を有する化合物を好ましく用いることができる。
本発明に使用することができる多価アクリレート化合物の例としては、次の化合物を挙げることができる。
ジアクリレート化合物
ポリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2−ビス(4−アクリロキシプロピロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン
トリアクリレート化合物
トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート
ジメタクリレート化合物
エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン
トリメタクリレート化合物
トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート以上のうち、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレートまたはトリメチロールプロパントリメタクリレートを用いることが好ましく、特にジビニルベンゼンが好ましい。またこれらの架橋性モノマーは、単独あるいは2種以上を混合して用いることもできる。
また、架橋性モノマーとともに用いられる重合性モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、フルオロスチレン、ビニルピリジンなどの芳香族ビニル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物;ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などの不飽和脂肪酸;アクリルアミド、メタクリルアミドなどのアミド系モノマーなどを挙げることができる。
上記架橋ポリマー粒子のガラス転移温度(Tg)は100℃以上であることが、本発明の成形品の耐熱性を大きく損ねない上で望ましい。特に熱可塑性樹脂組成物が、射出成形や押出成形など、(a)環状ポリオレフィン樹脂が加熱溶融される温度で成形される場合は、該架橋ポリマー粒子が該加熱温度で溶融しないことが望ましい。
本発明で使用される光拡散剤(b)の粒径は、通常、0.1〜50μm、好ましくは0.5〜30μm、さらに好ましくは1.0〜20μmである。この粒径が0.1μm未満では光拡散性が強くなりすぎ、成形して得たシートあるいは樹脂板の全光線透過率が低下するとともに架橋微粒子の製造が困難になる。
また、50μmを超えると成形して得たシートあるいは樹脂板の光拡散の均一性が低下する。
本発明では、光拡散剤(b)の屈折率は環状ポリオレフィン系樹脂(a)の屈折率と異なっていることが必要である。(b)の屈折率が(a)の屈折率と同じである場合は全く光拡散性は得られないが、該両成分の屈折率の差が大きいほど入射光は広い範囲に拡散される。しかし、拡散光の増加にともない拡散剤界面での反射光も増えるため光透過率が低下する。したがって、透明性と光拡散性のバランスに優れた成形品を得るには(b)の配合量を特定の範囲とすることが望ましく、(a)成分100重量部に対して、0.1〜100重量部、好ましくは0.5〜30重量部、さらに好ましくは1〜10重量部である。架橋ポリマー粒子の使用量が0.1重量部未満の場合、光拡散性が不充分であり、一方、100重量部を超えると全光線透過率が低下する。
光拡散剤(b)が架橋ポリマー粒子である場合、該粒子の屈折率は使用するモノマーの種類、量を適宜調整することで、目的の屈折率を得ることができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、必要に応じ、本発明の効果を損ねない範囲で公知の酸化防止剤、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2'−ジオキシ−3,3'−ジ−t−ブチル−5,5'−ジメチルフェニルメタン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5ートリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−ベンゼン、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2'−ジオキシ−3,3'−ジ−t−ブチル−5,5'−ジエチルフェニルメタン、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]、2,4,8,10−テトラオキスピロ[5,5]ウンデカン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイトを添加することができる。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂組成物には上記のような酸化防止剤の他に、必要に応じて紫外線吸収剤、例えばp−t−ブチルフェニルサリシレ−ト、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−(2'−ジヒドロキシ−4'−m−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール;安定剤、帯電防止剤、染料、着色顔料、難燃剤、耐衝撃性改良用エラストマーなどを添加することが出来る。また、加工性を向上させる目的で滑剤などの添加剤を添加することもできる。
本発明に用いられる樹脂組成物の製造方法の例としては、(a)成分と(b)成分、あるいはさらに必要に応じて上記各種添加剤を、二軸押出機、ブラベンダー、ロール混練機などで混合するか、該(a)成分を溶液として、これに(b)成分あるいはさらに各種添加剤を混合するなどにより混合ペレット化する方法が挙げられる。
上記樹脂組成物は、公知の成形方法、例えば射出成形、押出成形、圧縮成形などの方法により所望の成形品とすることができる。また、該(a)成分を溶液とした場合には、キャスト成形法によってもフィルムを製造することができる。
本発明の光拡散用成形品は、そのまま光拡散性を有する成形品として各種用途に用いることができるが、必要に応じて成形品表面にエンボス加工や光硬化性樹脂による任意のパターン形成を施したり、ガラス製または樹脂製のビーズを含むコート剤を塗布するなどの表面加工を施して光拡散性能を補うこともできるほか、レンチキュラーなどのレンズ形状を付与させてもよい。
また金型を用いる場合はあらかじめ金型表面に所望のパターンを形成しておき、成形と同時にパターン転写されることによりパターン付き成形品とすることもできる。さらにパターン付き成形品のパターン形成面と反対側の面に、白色顔料などによる光反射層を形成することができるが、光反射層の形成方法は特に限定されず、成形品の全面にわたって塗布または印刷されたものであってもよく、また、成形品の輝度を光源の場所によらず一定のものとするために例えば点状、線状やくしの歯状など任意の形状、面積、分布を有するパターンで印刷されたものであってもよい。さらに必要により公知の光反射シートを積層することもできる。
本発明の光拡散用成形品は、導光板、光拡散シート・フィルム、光反射シート・フィルムなどの液晶ディスプレイ用途の他、照明カバー、看板など光拡散を目的とする用途に用いることができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明がこれによって限定されるものではない。なお、実施例中、部および%は、特に断らないかぎり重量基準である。
参考例
(a)熱可塑性ノルボルネン系樹脂の製造
(a)−1
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン100g、1,2−ジメトキシエタン60g、シクロヘキサン240g、1−ヘキセン9g、およびジエチルアルミニウムクロライド0.96モル/lのトルエン溶液3.4mlを、内容積1リットルのオートクレーブに加えた。
一方、別のフラスコに、六塩化タングステンの0.05モル/lの1,2−ジメトキシエタン溶液20mlとパラアルデヒドの0.1モル/lの1,2−ジメトキシエタン溶液10mlを混合した。
この混合溶液4.9mlを、前記オートクレーブ中の混合物に添加した。密栓後、混合物を80℃に加熱して4時間攪拌を行った。
得られた重合体溶液に、1,2−ジメトキシエタンとシクロヘキサンの2/8(重量比)の混合溶媒を加えて重合体/溶媒が1/10(重量比)にしたのち、トリエタノールアミン20gを加えて10分間攪拌した。
この重合溶液に、メタノール500gを加えて30分間攪拌して静置した。2層に分離した上層を除き、再びメタノールを加えて攪拌、静置後、上層を除いた。同様の操作をさらに2回行い、得られた下層をシクロヘキサン、1,2−ジメトキシエタンで適宜希釈し、重合体濃度が10%のシクロヘキサン−1,2−ジメトキシエタン溶液を得た。
この溶液に20gのパラジウム/シリカマグネシア[日揮化学(株)製、パラジウム量=5%]を加えて、オートクレーブ中で水素圧40kg/cm2 として165℃で4時間反応させたのち、水添触媒をろ過によって取り除き、水添重合体溶液を得た。
また、この水添重合体溶液に、酸化防止剤であるペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を、水添重合体に対して0.1%加えてから、360℃で減圧下に脱溶媒を行なった。次いで溶融した樹脂を窒素下雰囲気で押出機によりペレット化し、重量平均分子量7.0×104 、水添率99.5%、ガラス転移温度168℃の熱可塑性樹脂(a)−1を得た。
(a)−2
6−エチリデン−2−テトラシクロドデセンを、(a)−1の時と同様にメタセシス開環重合した後、水添し、ペレット化して重量平均分子量5.5×104、水添率99.5%、ガラス転移温度140℃の熱可塑性ノルボルネン系樹脂(a)−2を得た。
(b)光拡散剤
(b)−1(架橋ポリマー粒子の製造):
スチレン18重量部、メチルメタクリレート80重量部、メタクリル酸2重量部、t−ドデシルメルカプタン12重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.05重量部、過硫酸カリウム0.4重量部、および水200重量部を容量2リットルのフラスコに入れ、攪拌しながら窒素ガス中にて70℃に昇温して6時間重合を行った。これにより、重合収率98%、平均粒子径0.45μm、粒子径の標準偏差値が0.015μmのシードポリマー粒子Aを得た。ここで粒子径は、透過型電子顕微鏡写真により100個のポリマー粒子について計測した値の平均値である。このシードポリマー粒子Aは、トルエン溶解分98%、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した分子量が、重量平均分子量(Mw)=4,500、数平均分子量(Mn)=2,900であった。
次に、シードポリマー粒子A(固形分換算)8重量部、ラウリル硫酸ナトリウム0.2重量部、過硫酸ナトリウム0.5重量部、水500重量部、メチルメタクリレート82重量部、およびジビニルベンゼン18重量部を混合して、30℃で10分間攪拌してシードポリマー粒子にモノマーを吸収させた。次に、これを70℃に昇温して3時間重合を行ったところ、重合収率は99%であった。また、反応生成物において、200メッシュのフィルター上に残る重合凝固物は0.02%(対重合固形分)であり、高い重合安定性で平均粒子径1.10μm、nD 25=1.58である球形の架橋ポリマー粒子(b)−1を得た。
この架橋ポリマー粒子(b)−1を、窒素ガス雰囲気下において示差熱分析により耐熱性を評価した結果、昇温速度10℃/分で加熱したときに、常温から400℃までに溶融または軟化することがなかった。
(b)−2:シリカ粉末「クリスターライト5X」(平均粒径7μm、(株)タツモリ製)を用いた。
実施例1
参考例で得られた熱可塑性ノルボルネン系樹脂((a)−1)100重量部に架橋ポリマー粒子(b)−1を5重量部添加し、温度280℃で40m/m押出機を用いて混合し、ペレット状の熱可塑性樹脂組成物を製造した。
この熱可塑性樹脂組成物を用いて樹脂温度320℃、金型温度130℃で射出成形し、厚み1mmの平板を得た。この平板について、全光線透過率、光拡散性、正面輝度、熱変形性および耐湿性を評価した。評価結果を表1に示す。なお、各測定は以下のように行った。
全光線透過率(%)
JIS K 7105に準じて測定を行った。
光拡散性(cm)
成形品背面に配した蛍光灯のランプ形状が見えなくなる最短距離で表した。
正面輝度(cd/m 2
JIS C 7614に準じ、受光器をフィルムの正面に設置し、光源に冷陰極管:TDK製 CXA−1301を用いて測定した。
熱変形性
120℃のエアーオーブンに24時間入れた後の成形品の外観変化を目視で観察し、以下の評価基準に従って熱変形性を評価した。
○:ソリなどの変形が全く見られないもの
×:ソリなどの変形が顕著であるもの
耐湿性
80℃、90%相対湿度の条件で1000時間保持した後の成形品の外観により、以下の評価基準に従って耐湿性を評価した。
○:ソリなどの変形がなく発光が均一であるもの
×:ソリなどの変形が顕著であり使用に耐えないもの
実施例2
熱可塑性ノルボルネン系樹脂(a)−1のかわりに熱可塑性ノルボルネン系樹脂(a)−2を用いたほかは実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物を製造し、実施例1と同様に平板を成形して評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例3
架橋ポリマー粒子(b)−1のかわりに架橋ポリマー粒子(b)−2を用いたほかは実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物を製造し、実施例1と同様に平板を成形して評価を行った。評価結果を表1に示す。
比較例1
架橋ポリマー粒子(b)−1の配合量を0.05重量部としたほかは実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物を製造し、実施例1と同様に平板を成形して評価を行った。評価結果を表1に示す。
比較例2
架橋ポリマー粒子(b)−1の配合量を200重量部としたほかは実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物を製造し、実施例1と同様に平板を成形して評価を行った。評価結果を表1に示す。
比較例3
熱可塑性ノルボルネン系樹脂(a)−1のかわりにポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)(商品名「アクリペットVH」、三菱レイヨン(株)製)を用い、樹脂温度230℃、金型温度100℃としたほかは実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物を製造し、実施例1と同様に平板を成形して評価を行った。評価結果を表1に示す。
Figure 2006169542
表1から明らかなように、本発明の光拡散用成形品(実施例1〜3)は透明性と光拡散性のバランスに優れ、しかも耐熱性や耐湿性に優れる。
これらに対し、架橋ポリマー粒子(b)の配合量が少なすぎるもの(比較例1)は光拡散性が充分ではなく、光拡散を目的とする用途に用いることのできないものである。
また、架橋ポリマー粒子(b)の配合量が過剰であるもの(比較例2)は透明性に劣るものである。
透明基材樹脂にPMMAを用いたもの(比較例3)は、熱や湿度による変形が大きく用途範囲や使用条件が限られるものである。
実施例4
実施例1で製造した熱可塑性樹脂組成物を用い、押出機で270℃、330℃で押出成形して厚さ1mmの板を得た。この板について実施例1と同様の評価を行ったところ、全光線透過率86%、光拡散性1.9cm、正面輝度147cd/m2であり光拡散性に優れたものであった。また、熱変形性や耐湿性を評価したところ、高温高湿下での変形のない耐久性に優れたものであった。

Claims (2)

  1. 熱可塑性ノルボルネン系樹脂(a)100重量部および平均粒子径が0.1〜50μmである光拡散剤(b)0.1〜100重量部を含有することを特徴とする、光拡散用成形品。
  2. 光拡散剤が架橋ポリマー粒子であることを特徴とする請求項1記載の光拡散用成形品。
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