JP5214494B2 - メタクリル系樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
(1)100℃〜150℃の温度で単量体混合物(A)の重合転化率が15〜75質量%となるまで完全混合型の流通式重合反応装置で行い、
(2)次いで、100〜200℃の温度で単量体混合物(A)の重合転化率が70〜95質量%となるまでプラグフロー型の流通式重合反応装置で行うことを含む単量体混合物(A)の重合体からなる連続相中にブロック共重合体(B)が分散相として含有するメタクリル系樹脂組成物の製造方法である。
また、本発明は、前記製造方法で得られたメタクリル系樹脂組成物からなる成形品である。
本発明の製造方法は、単量体混合物(A)の重合体からなる連続相中にブロック共重合体(B)が分散相として含有するメタクリル系樹脂組成物を製造する方法である。
該製造方法は、メタクリル酸メチル50〜100質量%およびメタクリル酸メチルと共重合可能な他のビニル系単量体0〜50質量%からなる単量体混合物(A)100質量部、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する繰り返し単位からなる重合体ブロック(a)と共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位からなる重合体ブロック(b)とを有するブロック共重合体(B)1〜80質量部、および溶剤(C)0〜100質量部を含有してなる原料液の塊状重合または溶液重合を、
(1)100℃〜150℃の温度で単量体混合物(A)の重合転化率が15〜75質量%となるまで完全混合型の流通式重合反応装置で行い、
(2)次いで、100〜200℃の温度で単量体混合物(A)の重合転化率が70〜95質量%となるまでプラグフロー型の流通式重合反応装置で行うことを含む。
単量体混合物(A)は、メタクリル酸メチルおよびメタクリル酸メチルと共重合可能な他のビニル系単量体からなるものである。
本発明に用いられるメタクリル酸メチルと共重合可能な他のビニル単量体として、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどのアクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどのメタクリル酸メチルを除くメタクリル酸アルキルエステル;アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン等;の一分子中にアルケニル基を一個だけ有する非架橋性単量体が挙げられる。
メタクリル酸メチル/他のビニル系単量体の質量比は、50/50〜100/0、好ましくは80/20〜99/1、より好ましくは90/10〜98/2である。
以後、本明細書では、この単量体混合物(A)の重合体を「メタクリル系樹脂」と言うことがある。
ブロック共重合体(B)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する繰り返し単位からなる重合体ブロック(a)と共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位からなる重合体ブロック(b)とを有するものである。ブロック共重合体(B)はエラストマーであることが好ましい。
メタクリル酸アルキルエステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシルなどが挙げられ、アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。これらは1種単独で重合されていてもよいし、2種以上を組合せて共重合されていてもよい。これらの中でも、ガラス転移温度(Tg)が23℃以下の重合体ブロック(a)を与える単量体または単量体の組合せが好ましく、Tgが0℃以下の重合体ブロック(a)を与える単量体または単量体の組合せがより好ましく、Tgが−10℃以下の重合体ブロック(a)を与える単量体または単量体の組合せがさらに好ましい。このような単量体としては、アクリル酸n−ブチル及び/又はアクリル酸2−エチルヘキシルが好ましく、アクリル酸n−ブチルがより好ましい。
共役ジエン化合物としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン等が挙げられる。これらは1種単独で重合されていてもよいし、2種以上を組合せて共重合されていてもよい。これらの中でも、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下の重合体ブロック(b)を与える単量体または単量体の組合せが好ましく、Tgが−10℃以下の重合体ブロック(b)を与える単量体または単量体の組合せがより好ましい。また、汎用性、経済性および取り扱い性の点から1,3−ブタジエン及び/又はイソプレンが好ましく、1,3−ブタジエンがより好ましい。
重合体ブロック(b)中の側鎖ビニル結合量は、下限が、好ましくは10mol%、より好ましくは15mol%、特に好ましくは20mol%であり、上限が、好ましくは60mol%、より好ましくは50mol%、特に好ましくは35mol%である。側鎖ビニル結合量が少なすぎると連続相となるメタクリル系樹脂とのグラフト結合が不足し耐衝撃性が低下傾向になる。一方、側鎖ビニル結合量が多すぎると、重合中の凝集によって分散相の径が大きくなりすぎることでメタクリル系樹脂組成物の透明性や剛性が低下傾向になる。なお、側鎖ビニル結合量は、共役ジエン化合物1モルの内、1,2−付加重合または3,4−付加重合した共役ジエン化合物の割合[mol%]で表される。
該ブロック共重合体の結合様式としては、a―b型ジブロック共重合体、a―b―a型トリブロック共重合体、b―a―b型トリブロック共重合体、a―b―a―b型テトラブロック共重合体やb―a―b―a型テトラブロック共重合体に代表される線状マルチブロック共重合体、(b―a―)n、(a―b―)n等で表される星型(ラジアルスター型)ブロック共重合体、a―g―bで表されるグラフト共重合体などが挙げられる。なお、gはグラフト結合を表す結合記号であり、nは2より大きい値である。ブロック共重合体(B)は、重合体ブロック(a)と重合体ブロック(b)との間に傾斜連結部を有するものであってもよい。傾斜連結部は、重合体ブロック(a)の繰り返し単位の組成から、重合体ブロック(b)の繰り返し単位の組成に、漸次変化していく繰り返し単位組成を有する部分である。これらブロック共重合体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
星型ブロック共重合体は、複数の腕重合体ブロックが多官能性単量体や多官能性カップリング剤等に由来する基(カップリング剤残基)によって連結した共重合体を含むものである。
(重合体ブロック(b)―重合体ブロック(a)―)nX
(式中、Xはカップリング剤残基、nは2を超える数を表す。)で表される星型ブロック共重合体が、特に好ましく用いられる。
式:
〔星型ブロック共重合体の数平均分子量〕>2×〔腕重合体ブロックの数平均分子量〕
を満たすことが好ましい。
なお、〔星型ブロック共重合体の数平均分子量〕/〔腕重合体ブロックの数平均分子量〕の比は腕数と呼ばれることがある。
なお、本発明に用いる星型ブロック共重合体は、カップリング剤残基によって腕重合体ブロックが連結されたものを主成分とするものであるが、カップリング剤残基によって連結していない腕重合体ブロックが含まれていてもよい。
有機リチウム化合物の具体例としては、メチルリチウム、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、イソブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ペンチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、テトラメチレンジリチウム、ペンタメチレンジリチウム、ヘキサメチレンジリチウム等のアルキルリチウムおよびアルキルジリチウム;フェニルリチウム、m−トリルリチウム、p−トリルリチウム、キシリルリチウム、リチウムナフタレン等のアリールリチウムおよびアリールジリチウム;ベンジルリチウム、ジフェニルメチルリチウム、トリチルリチウム、1,1−ジフェニル−3−メチルペンチルリチウム、α−メチルスチリルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムとの反応により生成するジリチウム等のアラルキルリチウムおよびアラルキルジリチウム;リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジイソプロピルアミド等のリチウムアミド;メトキシリチウム、エトキシリチウム、n−プロポキシリチウム、イソプロポキシリチウム、n−ブトキシリチウム、sec−ブトキシリチウム、tert−ブトキシリチウム、ペンチルオキシリチウム、ヘキシルオキシリチウム、ヘプチルオキシリチウム、オクチルオキシリチウム、フェノキシリチウム、4−メチルフェノキシリチウム、ベンジルオキシリチウム、4−メチルベンジルオキシリチウム等のリチウムアルコキシドが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
AlR1R2R3
(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基またはN,N−二置換アミノ基を表すか、またはR1が前記したいずれかの基を表し、R2およびR3は一緒になって置換基を有していてもよいアリーレンジオキシ基を表す。)で表される有機アルミニウム化合物が挙げられる。
多官能性単量体は、エチレン性不飽和基を2以上有する化合物であり、具体的には、メタクリル酸アリル、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸1,3−ブチレングリコール、ジビニルベンゼン、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートなどが挙げられる。
多官能性カップリング剤は、反応性基を3以上有する化合物であり、具体的には、トリクロロメチルシラン、テトラクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、ビス(トリクロロシリル)エタン、テトラクロロスズ、ブチルトリクロロスズ、テトラクロロゲルマニウムなどが挙げられる。
本発明に使用する溶剤(C)は、単量体混合物(A)、単量体混合物(A)の重合体、およびブロック共重合体(B)に対して溶解能を有するものであれば特に制限されない。例えば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素等が望ましいものとして挙げられる。また、必要に応じて、2種類以上の溶剤を混合して用いて良い。混合溶剤を用いる場合には、単量体混合物(A)、単量体混合物(A)の重合体およびブロック共重合体(B)を溶解できる混合溶剤であれば、単量体混合物(A)、単量体混合物(A)の重合体およびブロック共重合体(B)を溶解できない溶剤が混合溶剤に含まれていても良い。例えば、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ヘキサン等の炭化水素;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素等が混合溶剤に含まれていてもよい。
原料液中のブロック共重合体(B)の量は、単量体混合物(A)100質量部に対して、1〜80質量部、好ましくは2〜30質量部、より好ましくは4〜20質量部である。ブロック共重合体(B)の量が1質量部未満になるとメタクリル系樹脂組成物の耐衝撃性向上の効果が小さい。ブロック共重合体(B)の量が80質量部よりも多くなると、ブロック共重合体(B)を含んでなる分散相が形成され難くなる。また、メタクリル系樹脂組成物の弾性率が低下し、メタクリル系樹脂が本来有している優れた剛性を失うことになる。
本発明の製造方法では、単量体混合物(A)の重合転化率に応じて少なくとも2種の重合方式で原料液の塊状重合または溶液重合を段階的に行う。
第一の重合段階では、100℃〜150℃の温度で単量体混合物(A)の重合転化率が15〜75質量%となるまで完全混合型の流通式重合反応装置で塊状重合または溶液重合を行う。
完全混合型の流通式重合反応装置は、攪拌機を備えた槽(以下、「槽型反応器」という。)に一定流量で反応物質を供給し、同じ流量で該槽型反応器から排出し、槽型反応器内の温度や濃度をほぼ一定に保って重合反応させる装置である。槽型反応器では、原料液は、理論上完全混合されている。なお、本発明においては、理論上の完全混合ではないが、ほぼ均一な混合が成される槽型反応器も完全混合型の流通式重合反応装置に含む。
槽型反応器は一つであってもよいが、二つ以上を直列に連結したものであってもよい。
第一重合段階は、単量体混合物(A)の重合転化率が15〜75質量%となるまで重合を行う。重合転化率が75質量%を超えると、粘度上昇のため大きな攪拌動力が必要となる。
第一重合段階の平均滞留時間は0.5時間〜4時間が好ましく、1時間〜3時間がより好ましい。平均滞留時間が短くなるほど、重合開始剤の必要量が増える。また重合開始剤の増量により重合反応の制御が難しくなるとともに、分子量の調整が容易でなくなる。一方、平均滞留時間が長くなるほど、定常状態になるまでに時間を要し、生産性が低下するとともに、低分子量体の生成が多くなる。
重合開始剤の水素引抜能が小さくなるほど、連続相であるメタクリル系樹脂とのグラフト結合が不足しメタクリル系樹脂組成物の耐衝撃性が低下傾向になる。
第一の重合段階を経た原料液を、第二の重合段階に導入する。第二の重合段階では、100〜200℃の温度で単量体混合物(A)の重合転化率が70〜95質量%となるまでプラグフロー型の流通式重合反応装置で塊状重合または溶液重合を行う。 プラグフロー型の流通式重合反応装置は、塔型または管型反応器に一定流量で反応物質を供給し、同じ流量で該塔型または管型反応器から排出し、塔型または管型反応器内の温度の分布や濃度の分布を一定に保って重合反応させる装置である。塔型または管型反応器では、塔径または管径が塔高または管長に比して非常に小さい場合、原料液は理論上、完全プラグフローになる。なお、本発明においては、塔型または管型反応器内に邪魔板や充填物を設けたものもプラグフロー型の流通式重合反応装置に含む。
また、例えば、管型反応器としては、内部に除熱と混合を目的とした伝熱管を内蔵したL/Dが5以上の反応器、具体的には住友重機工業社製のSMR型反応器、ノリタケカンパニー社製のスタティックミキサー内蔵型反応器、東レ社製のハイミキサー内蔵型反応器を用いることができる。中でも、スタティックミキサー内蔵型管型反応器が好ましい。塔型または管型反応器は一つであってもよいが、二つ以上を直列に連結したものであってもよい。
第二重合段階は、単量体混合物(A)の重合転化率が70〜95質量%となるまで行う。重合転化率がこれよりも低いと、相反転により形成したブロック共重合体(B)を含んでなる分散相内の架橋反応およびグラフト反応が十分に進行しにくい。架橋反応およびグラフト反応が十分に進行していない場合、メタクリル系樹脂組成物中の分散相は、押出機や、混練機などの機械的なせん断により容易に破壊され、衝撃強度が十分とは言えなくなると同時に、成形加工法によって機械的強度が変化する恐れがあり、工業的に有用と言えない。架橋反応及びグラフト反応をより進め、衝撃強度を高めるためには、重合開始剤により重合転化率を高めることが好ましく、好ましい重合転化率は70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上である。一方、重合転化率が95質量%を超えると単量体混合物(A)の重合体からなる連続相の分子量分布が広くなり、耐衝撃性が低下する場合がある。
但し、上記の半減期温度範囲内の重合開始剤のみを用いるとは、上記の半減期温度範囲内の重合開始剤のみを当該工程で添加して用いるの意である。これは、前段工程である完全混合型流通式重合反応装置内で添加され、開裂せずにそのまま、後段工程であるプラグフロー型流通式重合反応装置へ流下してきた重合開始剤が、当該後段工程において含まれていてもよいことを含意する。
重合開始剤の水素引抜能が小さくなるほど、ブロック共重合体(B)の内部架橋が不十分となりメタクリル系樹脂組成物の耐衝撃性が低下傾向になる。
連鎖移動剤としては、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、エチレングリコールビスチオプロピオネート、ブタンジオールビスチオグリコレート、ブタンジオールビスチオプロピオネート、ヘキサンジオールビスチオグリコレート、ヘキサンジオールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス−(β−チオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート等のアルキルメルカプタン類;α−メチルスチレンダイマー;テルピノレン等を挙げることができる。これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
重合中期では、単量体混合物(A)の重合反応と同時に、ブロック共重合体(B)中の炭素−炭素不飽和結合などを起点にする、グラフト反応および架橋反応が進行するようになる。重合転化率の上昇に伴って、相全体を安定化させる為の作用が働き、撹拌によるせん断力によって、メタクリル系樹脂の溶液相とブロック共重合体(B)の溶液相とが相反転し、メタクリル系樹脂の溶液相が連続相になりブロック共重合体(B)の溶液相が分散相になる。このとき粘度が低下する。この相反転が起こる際の単量体混合物(A)の重合転化率は、メタクリル系樹脂の溶液相とブロック共重合体(B)の溶液相の体積比、ブロック共重合体(B)の分子量、相反転前までのブロック共重合体(B)へのグラフト率、溶剤を用いた場合には溶剤量や溶剤種によって変化する。
重合後期では架橋反応が主に進行するようになる。この架橋反応の進行によって、メタクリル系樹脂組成物によって得られる成形品の衝撃強度、外観性を向上させているものと考えられる。
εmax=[Amax/(10×10-3)]×Mw
波長380〜450nmにおけるモル吸光係数の最大値εmaxが1200dm3・mol-1cm-1以下である紫外線吸収剤としては、2−エチル−2’−エトキシ−オキサルアニリド(クラリアントジャパン社;商品名サンデユボアVSU)などが挙げられる。
ヒンダードアミン類としては、例えば、コハク酸ジメチル/1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ((6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペジル)イミノ))、2−(2,3−ジ−t−ブチル−4−ヒドキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン/2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラ−メチル−4−ピペジル)セバケート、コハク酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)などが挙げられる。
光安定化剤の量は、メタクリル系樹脂組成物100質量部に対して、メタクリル系樹脂組成物100質量部に対して、好ましくは0.001〜0.5質量部である。
これらの中でも、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−(3’,5’−ジ−t−アミル−2’−ヒドロキシ−α−メチルベンジル)フェニルアクリレートが好ましく、2,4−ジ−t−アミル−6−(3’,5’−ジ−t−アミル−2’−ヒドロキシ−α−メチルベンジル)フェニルアクリレートがより好ましい。
光拡散剤としては、ガラス微粒子、ポリシロキサン系架橋微粒子、架橋ポリマー微粒子などが挙げられる。
蛍光体としては、蛍光顔料、蛍光染料、蛍光白色染料、蛍光増白剤、蛍光漂白剤などが挙げられる。
α−メチルスチレンダイマー(1.0mol)、シクロヘキサン(6.9mol)及び重合開始剤(0.05mol)を、上記のモル比でガラスアンプルに入れ、窒素置換を行い実質上酸素のない状態にして密封した。重合開始剤の10時間半減期温度に応じた下記温度にまで昇温し、60時間放置した。
10時間半減期温度80℃を超える重合開始剤の場合 :140℃
10時間半減期温度60℃〜80℃の重合開始剤の場合 :100℃
10時間半減期温度60℃未満の重合開始剤の場合 :80℃
放置後の反応液中のシクロヘキサンのモル比(H[mol])をガスクロマトグラフにて測定し、下式にて水素引抜き能を求めた。
水素引抜き能(%)=[(6.9−H)/(0.05×2)]×100
カラム:東ソー社製TSKgel G2000HHR(1本)およびGMHHR−M(2本)を直列に連結
溶離液:テトラヒドロフラン
溶離液流量:1.0ml/分
カラム温度:40℃
検出方法:示差屈折率(RI)計
検量線:標準ポリスチレンを用いて作成
装置:島津製作所製ガスクロマトグラフ GC−14A
カラム:GL Sciences Inc.製 INERT CAP 1(df=0.4μm、0.25mmI.D.×60m)
分析条件:injection温度180℃、detector温度180℃、60℃(5分間保持)→昇温速度10℃/分→200℃(10分間保持)
成形品をダイヤモンドナイフを用いて切り出し超薄切片を得、この切片を四酸化オスミウムで染色し、透過型電子顕微鏡を用いて観察像を写真撮影した。無作為に30個のブロック共重合体(B)を含んでなる分散相を選択し、それら分散相の径を測定し、それらの平均値で表した。
なお、上記の染色によってブロック共重合体(B)中の重合体ブロック(b)が染色され、メタクリル系樹脂組成物のモルフォロジーを観察できるようになる。本発明のメタクリル系樹脂組成物は、染色されていない単量体混合物(A)の重合体(メタクリル系樹脂)からなる連続相と染色されたブロック共重合体(B)を含んでなる分散相とを含有し、分散相には染色された部分(ブロック共重合体(B)からなる海相)と染色されていない部分(メタクリル系樹脂からなる島相)との海島構造をなしたものが含まれている。
ブロック共重合体を重クロロホルムに溶解し試験液を得、1H−NMR(日本電子社製核磁気共鳴装置(JNM−LA400)を用いて該試験液を分析し、化学シフト4.7〜5.2ppm(以後、シグナルC0という。)の1,2−ビニルによるプロトン(=CH2)と、化学シフト5.2〜5.8ppm(以後、シグナルD0という。)のビニルプロトン(=CH−)の積分強度を求め、次式によって、側鎖ビニル結合量V0[mol%]を計算して求めた。
V0=〔(C0/2)/{C0/2+(D0−C0/2)/2}〕×100
機器:日本電子社製核磁気共鳴装置(JNM−LA400)
溶媒:重クロロホルム
重合体ブロック(a)として用いたポリアクリル酸n−ブチル(以下、「PBA」とする。)のガラス転移温度(Tg)は、「POLYMER HANDBOOK FOURTH Edition, VI/199頁, Wiley Interscience, New York, 1998」に記載の値(−49℃)を用いた。
また、重合体ブロック(b)として用いたポリ1,3−ブタジエン(以下、「PBD」とする。)のガラス転移温度(Tg)は、「ANIONIC POLYMERIZATION, 434頁, MARCEL DEKKER,Inc. 1996」に記載の1,2−ビニル結合量とTgの関係より導かれる値を用いた。
ブロック共重合体(B)が30質量%となるようトルエンに均一に溶解した。室温にて当該溶液およびトルエンの密度、屈折率を測定し、下記(式1)〜(式3)の式を用いブロック共重合体(B)の屈折率を求めた。さらに、屈折率既知のポリメタクリル酸メチル(nd=1.492)を同じ方法で測定し、この方法による屈折率測定の較正係数を求めて、ブロック共重合体(B)の屈折率を較正した。
(nd2−1)/(nd2+2)×V=r=一定・・・(式1)
r3=w1r1+w2r2・・・(式2)
V2=1/ρ1−1/w2(1/ρ1−1/ρ3)・・・(式3)
nd:屈折率、V:比容、r:分子屈折、w:質量分率 ρ:密度
下付き1:トルエン 下付き2:ブロック共重合体(B) 下付き3:溶液
実測:V3、nd3、V1、nd1
式(1)および式(2)出典:高分子実験学 第12巻 熱力学的・電気的および光学的性質 昭和59年 共立出版
式(3)出典:高分子実験学 第11巻 高分子溶液 昭和57年 共立出版
ISO179−1eAに準拠して、ノッチ付きのシャルピー衝撃強度を測定した。
ISO178に準拠して、曲げ弾性率を測定した。
ISO14782に準拠して、厚さ1mmの成形品のヘイズを測定した。
厚さ1mmの成形品の表面平滑性を下記の評価基準に従って成形品の表面平滑性を評価した。
[成形品の表面平滑性の評価基準]
○:表面が平滑で良好である。
×:表面に凹凸がありすりガラス状となり不良である。
ISO1133に準拠して、温度230℃、荷重37.3Nで測定した。
(1)攪拌機付1.5リットルのオートクレーブ容器に、トルエン801ml及び1,2−ジメトキシエタン0.006mlを投入し、20分間窒素パージを行った。そこに濃度1.3mol/lのsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液0.8mlを加え、次いで1,3−ブタジエン87mlを加えて、30℃で3時間反応させて、1,3−ブタジエン重合体を含む反応混合物を得た。
得られた反応混合物の一部をサンプリング分析した結果、該反応混合物中の1,3−ブタジエン重合体は、数平均分子量(Mn)が100,000、分子量分布(Mw/Mn)が1.07、側鎖ビニル結合量が49mol%であり、1,3−ブタジエン重合体(重合体ブロック(b))のガラス転移温度は−60℃であった。
(1)攪拌機付1.5リットルのオートクレーブ容器に、トルエン801ml及びテトラヒドロフラン0.18mlを投入し、20分間窒素パージを行った。そこに濃度1.3mol/lのsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液1.9mlを加え、次いで1,3−ブタジエン97mlを加えて、30℃で3時間反応させて1,3−ブタジエン重合体を含む反応混合物を得た。得られた反応混合物の一部をサンプリング分析した結果、該反応混合物中の1,3−ブタジエン重合体は、数平均分子量(Mn)が48,700、分子量分布(Mw/Mn)が1.06、側鎖ビニル結合量が30mol%であり、1,3−ブタジエン重合体(重合体ブロック(b))のガラス転移温度は−77℃であった。
得られたブロック共重合体(B−2)は、星型ブロック共重合体とジブロック共重合体との混合物であった。ブロック共重合体(B−2)は、GPCの面積比より算出した星型ブロック共重合体の割合が92質量%であった。
星型ブロック共重合体の数平均分子量(Mn)は310,000(腕数=3.88)、そのMw/Mnは1.16であった。
また、ジブロック共重合体は、1,3−ブタジエンに由来する繰り返し単位からなる重合体ブロック(b)49質量%と、アクリル酸n−ブチルに由来する繰り返し単位からなる重合体ブロック(a)51質量%とからなるもの、すなわち腕重合体ブロックであった。ブロック共重合体(B−2)の屈折率は1.492であった。表1にブロック共重合体(B−2)の特性を示す。
本実施例で使用した製造装置は、攪拌機及び採取管付オートクレーブ、3Lの槽型反応器Aと5Lの槽型反応器Bとが直列に連結された完全混合型の流通式重合反応装置、ノリタケエンジニアリング社製スタティックミキサーを内装した管型反応器Cと、ノリタケエンジニアリング社製スタティックミキサーを内装した管型反応器Dとが直列に連結されたプラグフロー型の流通式重合反応装置、および二軸押出機を備えている。
そして、前記オートクレーブにおいて原料液が調製され、該原料液は管経由で3Lの槽型反応器Aに供給され、3L槽型反応器Aから排出された液は管経由で5L槽型反応器Bに供給され、5L槽型反応器Bから排出された液はノリタケエンジニアリング社製スタティックミキサーを内装した配管を経て管型反応器Cに供給され、管型反応器Cから排出された液は管経由で管型反応器Dに供給され、管型反応器Dから排出された液は配管で二軸押出機に供給されるようになっている。なお、管型反応器CおよびDは滞留時間を変更するために管の長さが異なるもので置き換えることができる。
攪拌機及び採取管付オートクレーブに、精製されたメタクリル酸メチル58質量部、アクリル酸メチル3質量部およびトルエン30質量部を仕込み、そしてブロック共重合体(B−1)9質量部を添加し、30℃で8時間攪拌し、ブロック共重合体(B−1)を均一に溶解させた。次いで、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(「パーヘキサC」 日本油脂社製、水素引抜能:35%、1時間半減期温度:111.1℃)0.015質量部およびn−ドデシルメルカプタン0.18質量部を加え均一に溶解させて原料液を得た。窒素により製造装置内の酸素を追出した。
前記原料液を、オートクレーブから一定量で排出し、温度115℃に制御された3Lの槽型反応器Aに一定流量で供給した。槽型反応器Aでの平均滞留時間60分間で重合を実施した。反応器Aの採取管より反応液を分取した。ガスクロマトグラフィーによって測定された重合転化率は26質量%であった。
該メタクリル系樹脂組成物は、メタアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位95質量%およびアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位5質量%からなるメタクリル系樹脂からなる連続相85質量部に、アクリル酸n−ブチルに由来する繰り返し単位からなる重合体ブロック(a)とブタジエンに由来する繰り返し単位からなる重合体ブロック(b)とを有するブロック共重合体(B−1)15質量部が分散相として分散してなるものであった。
電子顕微鏡で観察された分散相には、染色された海相(ブロック共重合体(B−1))と染色されていない島相(メタクリル系樹脂)とからなる海島構造を成しているものが含まれていた。分散相の面積に対して島相の面積が20%以上占めている海島構造の分散相が全分散相の20質量%以上であった。その他の評価結果を表2に示す。
攪拌機及び採取管付オートクレーブに、精製されたメタクリル酸メチル57質量部、アクリル酸メチル3質量部およびトルエン30.5質量部を仕込み、そしてブロック共重合体(B−2)9.5質量部を添加し、30℃で8時間攪拌し、ブロック共重合体(B−2)を均一に溶解させた。次いで、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(「パーブチルO」 日本油脂社製、水素引抜能:26%、1時間半減期温度:92.1℃)0.025質量部およびn−オクチルメルカプタン0.11質量部を加え均一に溶解させて原料液を得た。窒素により製造装置内の酸素を追出した。
前記原料液を、オートクレーブから一定流量で排出し、温度110℃に制御された3Lの槽型反応器Aに一定流量で供給した。槽型反応器Aでの平均滞留時間85分間で重合を実施した。反応器Aの採取管より反応液を分取した。ガスクロマトグラフィーによって測定された重合転化率は35質量%であった。
該メタクリル系樹脂組成物は、メタアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位95質量%およびアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位5質量%からなるメタクリル系樹脂からなる連続相85質量部に、アクリル酸n−ブチルに由来する繰り返し単位からなる重合体ブロック(a)とブタジエンに由来する繰り返し単位からなる重合体ブロック(b)とを有するブロック共重合体(B−2)15質量部が分散相として分散してなるものであった。
電子顕微鏡で観察された分散相には、染色された海相(ブロック共重合体(B−2))と染色されていない島相(メタクリル系樹脂)とからなる海島構造を成しているものが含まれていた。分散相の面積に対して島相の面積が20%以上占めている海島構造の分散相が全分散相の20質量%以上であった。その他の評価結果を表2に示す。
攪拌機及び採取管付オートクレーブに、精製されたメタクリル酸メチル57質量部、アクリル酸メチル3質量部およびトルエン30.5質量部を仕込み、そしてブロック共重合体(B−2)9.5質量部を添加し、30℃で8時間攪拌し、ブロック共重合体(B−2)を均一に溶解させた。次いで、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(「パーブチルO」 日本油脂社製、水素引抜能:26%、1時間半減期温度:92.1℃)0.025質量部およびn−オクチルメルカプタン0.11質量部を加え均一に溶解させて原料液を得た。窒素により製造装置内の酸素を追出した。
前記原料液を、オートクレーブから一定量で排出し、温度110℃に制御された3Lの槽型反応器Aに一定流量で供給した。槽型反応器Aでの平均滞留時間85分間で重合を実施した。反応器Aの採取管より反応液を分取した。ガスクロマトグラフィーによって測定された重合転化率は35質量%であった。
該メタクリル系樹脂組成物は、メタアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位95質量%およびアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位5質量%からなるメタクリル系樹脂からなる連続相85質量部に、アクリル酸n−ブチルに由来する繰り返し単位からなる重合体ブロック(a)とブタジエンに由来する繰り返し単位からなる重合体ブロック(b)とを有するブロック共重合体(B−2)15質量部が分散相として分散してなるものであった。
電子顕微鏡で観察された分散相には、染色された海相(ブロック共重合体(B−2))と染色されていない島相(メタクリル系樹脂)とからなる海島構造を成しているものが含まれていた。分散相の面積に対して島相の面積が20%以上占めている海島構造の分散相が全分散相の20質量%以上であった。その他の評価結果を表2に示す。
攪拌機及び採取管付オートクレーブに、精製されたメタクリル酸メチル57.8質量部、アクリル酸メチル3質量部およびトルエン35質量部を仕込み、そしてブロック共重合体(B−2)4.2質量部を添加し、30℃で8時間攪拌し、ブロック共重合体(B−2)を均一に溶解させた。次いで、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(「パーヘキサC」 日本油脂社製、水素引抜能:35%、1時間半減期温度:111.1℃)0.0375質量部およびn−オクチルメルカプタン0.1質量部を加え均一に溶解させて原料液を得た。窒素により製造装置内の酸素を追出した。
前記原料液を、オートクレーブから一定量で排出し、温度125℃に制御された3Lの槽型反応器Aに一定流量で供給した。槽型反応器Aでの平均滞留時間45分間で重合を実施した。反応器Aの採取管より反応液を分取した。ガスクロマトグラフィーによって測定された重合転化率は44質量%であった。
該メタクリル系樹脂組成物は、メタアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位95質量%およびアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位5質量%からなるメタクリル系樹脂からなる連続相93質量部に、アクリル酸n−ブチルに由来する繰り返し単位からなる重合体ブロック(a)とブタジエンに由来する繰り返し単位からなる重合体ブロック(b)とを有するブロック共重合体(B−2)7質量部が分散相として分散してなるものであった。
電子顕微鏡で観察された分散相には、染色された海相(ブロック共重合体(B−2))と染色されていない島相(メタクリル系樹脂)とからなる海島構造を成しているものが含まれていた。分散相の面積に対して島相の面積が20%以上占めている海島構造の分散相が全分散相の20質量%以上であった。その他の評価結果を表2に示す。
攪拌機及び採取管付オートクレーブに、精製されたメタクリル酸メチル59.5質量部、アクリル酸メチル3.1質量部およびトルエン35質量部を仕込み、そしてブロック共重合体(B−2)2.4質量部を添加し、30℃で8時間攪拌し、ブロック共重合体(B−2)を均一に溶解させた。次いで、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(「パーヘキサC」 日本油脂社製、水素引抜能:35%、1時間半減期温度:111.1℃)0.035質量部およびn−オクチルメルカプタン0.1質量部を加え均一に溶解させて原料液を得た。窒素により製造装置内の酸素を追出した。
前記原料液を、オートクレーブから一定量で排出し、温度125℃に制御された3Lの槽型反応器Aに一定流量で供給した。槽型反応器Aでの平均滞留時間45分間で重合を実施した。反応器Aの採取管より反応液を分取した。ガスクロマトグラフィーによって測定された重合転化率は42質量%であった。
該メタクリル系樹脂組成物は、メタアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位95質量%およびアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位5質量%からなるメタクリル系樹脂からなる連続相96質量部に、アクリル酸n−ブチルに由来する繰り返し単位からなる重合体ブロック(a)とブタジエンに由来する繰り返し単位からなる重合体ブロック(b)とを有するブロック共重合体(B−2)4質量部が分散相として分散してなるものであった。
電子顕微鏡で観察された分散相には、染色された海相(ブロック共重合体(B−2))と染色されていない島相(メタクリル系樹脂)とからなる海島構造を成しているものが含まれていた。分散相の面積に対して島相の面積が20%以上占めている海島構造の分散相が全分散相の20質量%以上であった。その他の評価結果を表2に示す。
表3に示した開始剤種、開始剤量、重合温度および滞留時間に変更した以外は実施例3と同じ方法によってペレット状メタクリル系樹脂組成物を得た。得られたペレット状メタクリル系樹脂組成物を射出成形にて厚さ3mmの成形品と厚さ1mmの成形品を作製した。評価結果を表3に示す。
ジ−t−ブチルパーオキシ−2−メチルシクロヘキサン(「パーヘキサMC」、水素引抜能33%、1時間半減期温度102.4℃)
Claims (7)
- メタクリル酸メチル50〜100質量%およびメタクリル酸メチルと共重合可能な他のビニル系単量体0〜50質量%からなる単量体混合物(A)100質量部、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する繰り返し単位からなる重合体ブロック(a)と共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位からなる重合体ブロック(b)とを有するブロック共重合体(B)1〜80質量部、および溶剤(C)0〜100質量部を含有してなる原料液の塊状重合または溶液重合を、
(1)100℃〜150℃の温度で単量体混合物(A)の重合転化率が15〜75質量%となるまで完全混合型の流通式重合反応装置で行い、
(2)次いで、100〜200℃の温度で単量体混合物(A)の重合転化率が70〜95質量%となるまでプラグフロー型の流通式重合反応装置で行うことを含む
単量体混合物(A)の重合体からなる連続相中にブロック共重合体(B)が分散相として含有するメタクリル系樹脂組成物の製造方法。 - 完全混合型の流通式重合反応装置は、二つの槽型反応器を直列に連結させたものであり、1つ目の槽型反応器では100〜140℃で重合転化率が15質量%以上となるまで重合を行い、二つ目の槽型反応器では100〜150℃の温度で75質量%以下となるまで重合を行うことを含む、請求項1に記載のメタクリル系樹脂組成物の製造方法。
- プラグフロー型の流通式重合反応装置は、その内壁温度が原料液導入口側から反応液排出口側に向かって順次高くなるように、2つ以上の領域に分かれている、請求項1または2に記載のメタクリル系樹脂組成物の製造方法。
- 完全混合型の流通式重合反応装置で行う重合反応では、重合開始剤として、α−スチレンダイマートラッピング法で測定された水素引抜能が10%以上で且つ1時間半減期温度が80〜130℃の重合開始剤のみを用いる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のメタクリル系樹脂組成物の製造方法。
- プラグフロー型の流通式重合反応装置で行う重合反応では、重合開始剤として、α−スチレンダイマートラッピング法で測定された水素引抜能が30%以上で且つ1時間半減期温度が100〜160℃の重合開始剤のみを用いる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のメタクリル系樹脂組成物の製造方法。
- 単量体混合物(A)の重合体のGPCで測定された重量平均分子量が7万〜20万になり、且つ分子量分布(=重量平均分子量/数平均分子量)が2.7以下になるようにする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のメタクリル系樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法で得られたメタクリル系樹脂組成物からなる成形品。
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