JP6186189B2 - (メタ)アクリル樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリル樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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本発明は、(メタ)アクリル樹脂組成物の製造方法に関する。より詳細に、本発明は、靭性に優れ、且つゲルコロニーや樹脂異物がきわめて少ない(メタ)アクリル樹脂組成物の製造方法に関する。
偏光板は、通常、偏光フィルムと、それの両面に積層されてなる保護フィルムとを有するものである。該偏光板は液晶表示装置などの光学装置に組み込まれる。
偏光板用の保護フィルムとして、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムが用いられている。ところが、トリアセチルセルロースは吸湿性が高いため、トリアセチルセルロース製の保護フィルムを使用した偏光板は、高温条件下および高湿熱条件下に曝されると、偏光度や色相等が変化して、光学装置の性能を低下させることがあった。
トリアセチルセルロースの代替としてメタクリル樹脂を保護フィルムの材料に使用することが検討されている。
メタクリル樹脂は透明性および耐湿熱性に優れ、複屈折も小さく光学的均質性に優れた素材である。一方で、メタクリル樹脂は脆く、張力の変動により破断しやすいという性質もある。このようなメタクリル樹脂に靱性を付与するために、メタクリル樹脂に改質剤を配合する技術が知られている。
そのような改質剤としては以下のようなものが知られている。例えば、特許文献1には乳化重合法によって製造した多層構造アクリルゴムが開示されている。特許文献2にはブタジエン−アクリル酸ブチル共重合体からなるゴム状物質が開示されている。特許文献3には部分水添共役ジエン重合体が開示されている。特許文献4には(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位と芳香族ビニル単量体単位とからなる変性ブロック共重合体が開示されている。特許文献5にはビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとからなり且つ重合体ブロックBの一部をエポキシ化してなるブロック共重合体が開示されている。特許文献6には、エチレン−酢酸ビニル共重合体などが開示されている。特許文献7には、ビニル結合に富む共役ジエン重合体成分とアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル重合体成分とからなるブロック共重合体が開示されている。特許文献8には、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位からなる重合体ブロック(a)と共役ジエン化合物単位からなる重合体ブロック(b)とを有する星型ブロック共重合体が開示されている。
特公昭59−36645号公報 特公昭45−26111号公報 WO96/032440 特開2000−313786号公報 特開平7−207110号公報 特開平6−345933号公報 特開昭49−45148号公報 WO2008/032732
ところが、従来の(メタ)アクリル樹脂組成物には、高分子量で且つ熱溶融困難な樹脂が僅かに含まれている。熱溶融困難な樹脂を含む(メタ)アクリル樹脂組成物によってフィルムなどを成形するとクレーター状の光学欠点が生じ、光学部材の性能を低下させることがある。この光学欠点の多くは、ゲルコロニーや熱溶融困難な樹脂異物に起因するようである。
本発明の目的は、靭性に優れ、ゲルコロニーや樹脂異物がきわめて少ない(メタ)アクリル樹脂組成物の製造方法を提供することである。
本発明者らは、前述の熱溶融困難な樹脂が重合反応器の気相部における重合によって図らずも生成することを見出した。そして、上記目的を達成するためにさらに検討した結果、以下の態様を包含する発明を完成するに至った。
〔1〕 (メタ)アクリル酸アルキルエステル単位からなる重合体ブロック(a)と共役ジエン化合物単位からなる重合体ブロック(b)とを有するブロック共重合体(B)を、メタクリル酸メチル50質量%以上100質量%未満を含有する単量体混合物(A’)に溶解して反応液を得、
該反応液中の水分量を1000ppm以下にして単量体混合物(A’)をラジカル重合することを含む(メタ)アクリル樹脂組成物の製造方法。
〔2〕 メタクリル酸メチル単位80質量%以上を含有する重合体(C)を含有させることをさらに含む前記〔〕に記載の(メタ)アクリル樹脂組成物の製造方法
〕 前記〔〕または〔〕に記載の製造方法を行って(メタ)アクリル樹脂組成物を得、得られた(メタ)アクリル樹脂組成物をフィルム成形することを含む、光学フィルムの製造方法
〕 ブロック共重合体(B)は星型ブロック共重合体を含有するものであり、
該星型ブロック共重合体は、重合体ブロック(a)および/または重合体ブロック(b)を少なくとも有する腕重合体ブロックを含有してなるものであり、且つゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により算出したポリスチレン換算の数平均分子量が、〔星型ブロック共重合体の数平均分子量〕/〔腕重合体ブロックの数平均分子量〕>2を満たす前記〔〕に記載の光学フィルムの製造方法
〕 星型ブロック共重合体(B)が、化学構造式:
(重合体ブロック(b)−重合体ブロック(a)−)nX
(式中、Xはカップリング剤残基、nは2を超える数を表す。)で表されるものである前記〔〕に記載の光学フィルムの製造方法
〕 紫外線吸収剤を含有させることをさらに含前記〔〕〜〔〕のいずれかひとつに記載の光学フィルムの製造方法
〕 防眩処理および/または反射防止処理を施すことをさらに含む前記〔3〕〜〔6〕のいずれかひとつに記載の光学フィルムの製造方法
前記〔3〕〜〔7〕のいずれかひとつに記載の製造方法を行って光学フィルムを得、
得られた光学フィルムを、偏光フィルムの少なくとも一方の面に貼り合せることを含む偏光板の製造方法。
本発明に係る製造方法に従って、重合反応液中の水分量を1000ppm以下にしてメタクリル酸メチルを重合すると、靭性に優れ、耐熱性が高く且つゲルコロニーや樹脂異物がきわめて少ない(メタ)アクリル樹脂組成物を容易に得ることができる。本発明に係る製造方法によって得られる(メタ)アクリル樹脂組成物は、靭性に優れ、クレーター状の光学欠点をほとんど発生させない。本発明に係る製法によって得られるメタクリル樹脂組成物を成形することによって光学欠点がほとんどない偏光板用保護フィルムなどの光学部材を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る(メタ)アクリル樹脂組成物の製造方法は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位からなる重合体ブロック(a)と共役ジエン化合物単位からなる重合体ブロック(b)とを有するブロック共重合体(B)を、メタクリル酸メチル50質量%以上100質量%未満を含有する単量体混合物(A’)に溶解して反応液を得、該反応液中の水分量を1000ppm以下にして単量体混合物(A’)をラジカル重合することを含むものである。
(ブロック共重合体(B))
本発明に用いられるブロック共重合体(B)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位からなる重合体ブロック(a)と共役ジエン化合物単位からなる重合体ブロック(b)とを有するものである。なお、「(メタ)アクリル」は「メタクリルまたはアクリル」を省略記載したものである。ブロック共重合体(B)は、重合体ブロック(a)および/または重合体ブロック(b)のガラス転移温度が、好ましくは0℃以下、より好ましくは−10℃以下である。
重合体ブロック(a)を構成する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位に用いられる(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下の重合体ブロック(a)を与える(メタ)アクリル酸アルキルエステルまたはそれらの組み合わせが好ましく、Tgが−10℃以下の重合体ブロック(a)を与える(メタ)アクリル酸アルキルエステルまたはそれらの組合せがより好ましい。このような(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸n−ブチルおよび/またはアクリル酸2−エチルヘキシルが好ましく、アクリル酸n−ブチルがより好ましい。
重合体ブロック(b)を構成する共役ジエン化合物単位に用いられる共役ジエン化合物としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエンなどが挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下の重合体ブロック(b)を与える共役ジエンまたはそれらの組み合わせが好ましく、Tgが−10℃以下の重合体ブロック(b)を与える共役ジエンまたはそれらの組合せがより好ましい。このような共役ジエンとして、汎用性、経済性、取扱性の観点から、1,3−ブタジエンおよび/またはイソプレンが好ましく、1,3−ブタジエンがより好ましい。
共役ジエン化合物は、1,4−付加重合する場合と、1,2−または3,4−付加重合する場合とがある。共役ジエン化合物が1,4−付加重合すると分子主鎖中に炭素−炭素二重結合を有するようになる。共役ジエン化合物が1,2−または3,4−付加重合すると分子主鎖に側鎖として結合するビニル基(側鎖ビニル結合)を有するようになる。この分子主鎖中の炭素−炭素二重結合および/または分子主鎖に側鎖として結合するビニル基は、グラフト反応や架橋反応の起点となる。側鎖ビニル結合量は重合反応系にエーテル類などの極性化合物を加えることにより増加させることができる。重合体ブロック(b)中の側鎖ビニル結合量は10mol%〜60mol%であるのが好ましく、10mol%〜50mol%であるのがより好ましく、10mol%〜35mol%であるのがさらに好ましい。なお、側鎖ビニル結合の量は、1H−NMRを用いて分析し、化学シフト4.7〜5.2ppmの1,2−ビニルによるプロトン(=CH2)シグナルの積分強度C0と、化学シフト5.2〜5.8ppmのビニルプロトン(=CH−)シグナルの積分強度D0をそれぞれ求め、次式によって計算して、側鎖ビニル結合量V0[%]を求めることができる。
V0=〔(C0/2)/{(C0/2)+(D0−(C0/2))/2}〕×100
重合体ブロック(b)は、分子主鎖中の炭素−炭素二重結合および/または分子主鎖に側鎖として結合するビニル基が部分的に水素添加されたものであってもよい。本発明の効果を維持する観点から、重合体ブロック(b)の水素添加率は70mol%未満であることが好ましく、50mol%未満であることがさらに好ましい。水素添加の方法は、特に限定されず、例えば、特公平5−20442号公報に開示された方法によって達成される。
重合体ブロック(a)と重合体ブロック(b)との質量比は、特に制限されないが、重合体ブロック(a)と重合体ブロック(b)との合計を100質量%としたときに、重合体ブロック(a)は、通常45〜75質量%、好ましくは50〜70質量%である。重合体ブロック(b)は、通常25〜55質量%、好ましくは30〜50質量%である。
ブロック共重合体(B)は、その屈折率によって特に制限されないが、本発明の(メタ)アクリル樹脂組成物に透明性が要求される場合は、ブロック共重合体(B)の屈折率は後述の(メタ)アクリル樹脂(A)の屈折率と一致していることが好ましい。具体的には、ブロック共重合体(B)の屈折率は、好ましくは1.48〜1.50、より好ましくは1.485〜1.495である。
ブロック共重合体(B)は、星型ブロック共重合体を含有するものであることが好ましい。星型ブロック共重合体は、複数の腕重合体ブロックが連結されて放射状に広がった構造を有するものである。腕重合体ブロックの連結部は、通常、多官能性単量体や多官能性カップリング剤等に由来する基(カップリング剤残基)によって構成される。
該星型ブロック共重合体は、例えば、化学構造式:
(腕重合体ブロック−)n
(式中、Xはカップリング剤残基、nは2を超える数を表す。)で表すことができる。
腕重合体ブロックは、重合体ブロック(a)(以下、単に(a)と表記することがある。)と重合体ブロック(b)(以下、単に(b)と表記することがある。)とを少なくとも有することが好ましい。腕重合体ブロックの構造は特に制限されない。例えば、(a)−(b)型でブロック共重合した構造、(a)−(b)−(a)型でブロック共重合した構造、(b)−(a)−(b)型でブロック共重合した構造、(a)−(b)−(a)−(b)型でブロック共重合した構造、(a)と(b)とが合計で5以上ブロック共重合した構造などが挙げられる。星型ブロック共重合体(B)を構成する複数の腕重合体ブロックは、すべて同じブロック共重合した構造であってもよいし、相互に異なるブロック共重合した構造であってもよい。これらのうち腕重合体ブロックは(a)−(b)型でブロック共重合した構造のものが好ましい。すなわち、本発明に用いられるブロック共重合体(B)は、化学構造式:
(重合体ブロック(b)−重合体ブロック(a)−)nX、または
(重合体ブロック(a)−重合体ブロック(b)−)n
(式中、Xはカップリング剤残基、nは2を超える数を表す。)で表される星型ブロック共重合体を含有するものが好ましく、
化学構造式:
(重合体ブロック(b)−重合体ブロック(a)−)n
(式中、Xはカップリング剤残基、nは2を超える数を表す。)で表される星型ブロック共重合体を含有するものがより好ましい。
ブロック共重合体(B)として好適な星型ブロック共重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により算出したポリスチレン換算の数平均分子量が、
〔星型ブロック共重合体の数平均分子量〕/〔腕重合体ブロックの数平均分子量〕>2を満たすものである。
なお、〔星型ブロック共重合体の数平均分子量〕/〔腕重合体ブロックの数平均分子量〕の比は腕数と呼ばれることがある。
星型ブロック共重合体の数平均分子量が、腕重合体ブロックの数平均分子量の2倍を超える範囲にすることで、メタクリル樹脂中に分散した星型ブロック共重合体(B)の粒子のせん断に対する機械的強度が高くなり、所望の耐衝撃性能を得ることができるようになる。なお、星型ブロック共重合体の数平均分子量が、腕重合体ブロックの数平均分子量の100倍より大きいものは合成が難しいので、工業的に好ましい星型ブロック共重合体(B)の数平均分子量は、腕重合体ブロックの数平均分子量の2倍より大きく且つ100倍以下であり、より好ましくは2.5〜50倍であり、さらに好ましくは3〜10倍である。
なお、本発明に用いるブロック共重合体(B)は、上記のような星型ブロック共重合体以外に、当該星型ブロック共重合体の構成原料である腕重合体ブロックがカップリング剤残基で連結されずにそのままの状態で残っていてもよい。
本発明に使用するブロック共重合体(B)の製造方法は、特に限定されず、公知の手法に準じた方法を採用することができる。一般に、ブロック共重合体を得る方法としては、構成単位である単量体をリビング重合する方法が採用される。このようなリビング重合の手法としては、例えば、有機希土類金属錯体を重合開始剤として用いて重合する方法、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤として用い、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の鉱酸塩等の存在下でアニオン重合する方法、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤として用い、有機アルミニウム化合物の存在下でアニオン重合する方法、原子移動ラジカル重合(ATRP)法等が挙げられる。
上記の製造方法のうち、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤として用い、有機アルミニウム化合物の存在下でアニオン重合する方法は、より分子量分布の狭いブロック共重合体を製造でき、残存単量体が少なく、比較的緩和な温度条件下で実施可能であり、工業的生産における環境負荷(主に重合温度を制御するために必要な冷凍機の消費電力)が少ないという点で好ましい。
上記のアニオン重合用の重合開始剤としては有機アルカリ金属化合物が通常用いられる。有機アルカリ金属化合物としては、メチルリチウム、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、イソブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ペンチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、テトラメチレンジリチウム、ペンタメチレンジリチウム、ヘキサメチレンジリチウム等のアルキルリチウムおよびアルキルジリチウム;フェニルリチウム、m−トリルリチウム、p−トリルリチウム、キシリルリチウム、リチウムナフタレン等のアリールリチウムおよびアリールジリチウム;ベンジルリチウム、ジフェニルメチルリチウム、トリチルリチウム、1,1−ジフェニル−3−メチルペンチルリチウム、α−メチルスチリルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムの反応により生成するジリチウム等のアラルキルリチウムおよびアラルキルジリチウム;リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジイソプロピルアミド等のリチウムアミド;メトキシリチウム、エトキシリチウム、n−プロポキシリチウム、イソプロポキシリチウム、n−ブトキシリチウム、sec−ブトキシリチウム、tert−ブトキシリチウム、ペンチルオキシリチウム、ヘキシルオキシリチウム、ヘプチルオキシリチウム、オクチルオキシリチウム、フェノキシリチウム、4−メチルフェノキシリチウム、ベンジルオキシリチウム、4−メチルベンジルオキシリチウム等のリチウムアルコキシドといった有機リチウム化合物が挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記のアニオン重合において用いられる有機アルミニウム化合物としては、例えば、
一般式:AlR123
(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基またはN,N−二置換アミノ基を表すか、またはR1が前記したいずれかの基を表し、R2およびR3は一緒になって置換基を有してもよいアリーレンジオキシ基を表す。)で表されるものが挙げられる。
上記一般式で表される有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリn−ブチルアルミニウム、トリs−ブチルアルミニウム、トリt−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリn−ヘキシルアルミニウム、トリn−オクチルアルミニウム、トリ2−エチルヘキシルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジメチル(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、ジメチル(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ)アルミニウム、ジエチル(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、ジエチル(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ)アルミニウム、ジイソブチル(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、ジイソブチル(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ)アルミニウム、ジ−n−オクチル(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、ジ−n−オクチル(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ)アルミニウム等のジアルキルフェノキシアルミニウム、メチルビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、メチルビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ)アルミニウム、エチル〔2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)〕アルミニウム、エチルビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、エチルビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ)アルミニウム、エチル〔2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)〕アルミニウム、
イソブチルビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、イソブチルビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ)アルミニウム、イソブチル〔2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)〕アルミニウム、n−オクチルビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、n−オクチルビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ)アルミニウム、n−オクチル〔2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)〕アルミニウム等のアルキルジフェノキシアルミニウム、メトキシビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、メトキシビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ)アルミニウム、メトキシ〔2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)〕アルミニウム、エトキシビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、エトキシビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ)アルミニウム、エトキシ〔2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)〕アルミニウム、イソプロポキシビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、イソプロポキシビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ)アルミニウム、イソプロポキシ〔2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)〕アルミニウム、tert−ブトキシビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、tert−ブトキシビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ)アルミニウム、tert−ブトキシ〔2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)〕アルミニウム等のアルコキシジフェノキシアルミニウム、トリス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、トリス(2,6−ジフェニルフェノキシ)アルミニウム等のトリフェノキシアルミニウム等を挙げることができる。
これらは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの有機アルミニウム化合物の中でも、イソブチルビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、イソブチルビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ)アルミニウム、イソブチル〔2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)〕アルミニウムは、取り扱いが容易であり、比較的緩和な温度条件下で失活することなくアニオン重合反応を進行させることができる点で好ましい。
上記アニオン重合の反応系内には、必要に応じて、ジメチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、12−クラウン−4等のエーテル類;トリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、ピリジン、2,2’−ジピリジル等の含窒素化合物を、重合反応の安定のために、共存させることができる。
本発明に使用するブロック共重合体を得る方法としては、アニオン重合反応系内に多官能性単量体や多官能性カップリング剤などを少量添加して重合する方法が挙げられる。多官能性単量体は、エチレン性不飽和基を2以上有する化合物であり、具体的には、メタクリル酸アリル、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸1,3−ブチレングリコール、ジビニルベンゼン、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートなどが挙げられる。
多官能性カップリング剤は、反応性基を3以上有する化合物であり、具体的には、トリクロロメチルシラン、テトラクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、ビス(トリクロロシリル)エタン、テトラクロロスズ、ブチルトリクロロスズ、テトラクロロゲルマニウムなどが挙げられる。
本発明に用いるブロック共重合体(B)全体の数平均分子量(Mn)は、得られる(メタ)アクリル樹脂組成物の耐衝撃性を向上させる観点から、5,000〜1,000,000であることが好ましく、10,000〜800,000であることがより好ましく、10,000〜500,000であることがさらに好ましい。
(単量体混合物(A’))
本発明に用いられる単量体混合物(A’)は、メタクリル酸メチルを50質量%以上100質量%未満、好ましくは80質量%以上100質量%未満、より好ましくは80質量%以上96質量%以下を含むものである。この単量体混合物(A’)のラジカル重合で得られる重合体を(メタ)アクリル樹脂(A)と呼ぶことがある。
メタクリル酸メチル以外の単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルへキシルなどのアクリル酸アルキル;アクリル酸フェニルなどのアクリル酸アリール;アクリル酸シクロへキシル、アクリル酸ノルボルネニルなどのアクリル酸シクロアルキル;メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどのメタクリル酸メチル以外のメタクリル酸アルキル;メタクリル酸フェニルなどのメタクリル酸アリール;メタクリル酸シクロへキシル、メタクリル酸ノルボルネニルなどのメタクリル酸シクロアルキル;アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレンなどその他のビニル系単量体;などの一分子中に重合性アルケニル基を一つだけ有する非架橋性ビニル系単量体が挙げられる。メタクリル酸メチル以外の単量体の量は、全単量体単位のうちに、好ましくは0質量%超50質量%以下、好ましくは0質量%超20質量%以下、より好ましくは4質量%以上20質量%以下である。メタクリル酸メチル以外の単量体のうちアクリル酸アルキルが好ましく、アクリル酸メチルがより好ましい。
本発明の製造方法に用いられる単量体混合物(A’)は、溶存酸素量が、好ましくは10ppm以下、より好ましくは5ppm以下、さらに好ましくは4ppm以下、最も好ましくは3ppm以下である。このような範囲の溶存酸素量にすると重合反応がスムーズに進行し、シルバーや着色の無い成形品が得られやすくなる。
本発明の製造方法に用いられる単量体混合物(A’)は、イエロインデックスが2以下であることが好ましく、1以下であることがより好ましい。単量体のイエロインデックスが小さいと、得られる(メタ)アクリル樹脂組成物を成形した場合に、着色が殆んどない成形品が高い生産効率で得られやすい。後述するように単量体混合物(A’)の重合において重合転化率をあまり高くしない場合、未反応の単量体が重合反応液中に残る。未反応単量体は重合反応液から回収して再び重合反応に使用することができる。回収された単量体のイエロインデックスは回収時などに加えられる熱によって高くなることがある。回収された単量体は、適切な方法で精製して、イエロインデックスを小さくすることが好ましい。なお、イエロインデックスは、日本電色工業株式会社製の測色色差計ZE−2000を用い、JIS Z−8722に準拠して測定した値である。
ブロック共重合体(B)の単量体混合物(A’)への溶解方法は特に制限されない。例えば、30〜60℃程度に加熱し、攪拌することによってブロック共重合体(B)を単量体混合物(A’)に溶解させることができる。溶解させた後、フィルター等で重合反応液から未溶融樹脂を取り除くことが好ましい。
単量体混合物(A’)に対するブロック共重合体(B)の質量比は、好ましくは1/99〜35/65、より好ましくは1/99〜23/77、さらに好ましくは2/98〜20/80、もっとも好ましくは3/97〜17/83である。ブロック共重合体(B)が少ないと(メタ)アクリル樹脂組成物の耐衝撃性が低下傾向になり、逆に多いと弾性率、剛性が低下傾向になるばかりでなく、相反転が生じにくくなりブロック共重合体(B)が(メタ)アクリル樹脂(A)に均一に分散し難くなる。
本発明においては、ブロック重合体を単量体混合物(A’)に溶解させた後、単量体混合物(A’)の重合を行う。該重合においては、重合反応液中の水分量を、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは700ppm以下、さらに好ましくは280ppm以下にする。重合系内の水分量を減らすことにより、重合反応中に生成する数μm〜数十μmの溶融しにくい樹脂異物(未溶融樹脂異物)の生成を抑制でき、これにより、フィルム、シートなどに成形したときに、この未溶融樹脂異物を核とする0.03mm2以上の欠点の発生を大幅に低減することができ、高い光学的均質性をもった光学部材を得ることができる。重合反応液中の水分量を調節する方法は、特に制限されない。例えば、原材料として使用するブロック共重合体(B)、単量体混合物(A’)およびその他の重合副資材を吸着などによって脱水する方法、槽型反応器の気相部に不活性ガスを導入し、モノマー蒸気の一部を不活性ガスに同伴させてブライン冷却の凝縮器によって凝縮させて系外に抜き出す方法等が挙げられる。
重合は重合反応液にせん断を加えながら行うことが好ましい。重合反応初期においては(メタ)アクリル樹脂(A)がブロック共重合体(B)を含む連続相(重合反応液)に分散した状態であるが、せん断を加えながら重合反応を進行させていくとブロック共重合体(B)を含む相と(メタ)アクリル樹脂(A)を含む相とが反転し、(メタ)アクリル樹脂(A)を含む相にブロック共重合体(B)を含む相が分散した状態になる。なお、この相反転が生じるときの単量体の重合転化率は、ブロック共重合体(B)と単量体混合物(A’)との体積比、ブロック共重合体(B)の分子量、ブロック共重合体(B)へのグラフト率、更に、溶剤を加えた場合には、溶剤量や溶剤種によって調整することができる。
重合初期から相反転が生じるまでの期間では、塊状重合法または溶液重合法で重合を行うのが好ましい。該期間における重合を塊状重合法または溶液重合法で行うと、撹拌によるせん断がブロック共重合体(B)を含有する相により多く加わり、相反転が起きやい。
塊状重合または溶液重合を行うための装置としては、攪拌機付きの槽型反応器、攪拌機付きの管型反応器、静的攪拌能力を有する管型反応器等が挙げられる。これら装置は、1基以上であっても良く、また、同種のまたは異種の反応器2基以上を並列または直列に繋いでなるものでもよい。また、重合は回分式または連続式のどちらであっても良い。連続式塊状重合または連続式溶液重合においては、重合反応器における重合転化率が好ましくは85質量%以上、より好ましくは90質量%以上になるように反応原料液の供給量、反応生成液の抜出量、平均滞留時間を設定することが好ましい。槽型反応器には、通常、反応槽内の液を撹拌するための撹拌手段、単量体混合物(A’)や重合副資材などを反応槽に供給するための供給部、反応槽から反応生成物を抜き出すための抜出部とを有する。連続流通式の反応では、反応槽に供給する量と反応槽から抜き出す量とをバランスさせて、反応槽内の液量がほぼ一定になるようにする。反応槽内の液量は、反応槽の容積に対して、好ましくは1/4以上、より好ましくは1/4〜3/4、さらに好ましくは1/3〜2/3である。
分散相の大きさは、攪拌機付反応器であれば攪拌回転数などの因子によって;塔型反応器に代表される静的攪拌反応器であれば反応液の線速度、重合反応液の粘度、相反転前までのブロック共重合体(B)へのグラフト率など種々の因子によって制御可能である。なお、相反転が生じた後は、塊状重合法または溶液重合法が適用できるが、これら以外に懸濁重合法も適用できる。
溶液重合に用いる溶剤は、単量体混合物(A’)、(メタ)アクリル樹脂(A)、およびブロック共重合体(B)に対して溶解能を有する溶剤であれば特に制限されない。例えば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素等を挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。単量体混合物(A’)、(メタ)アクリル樹脂(A)、およびブロック共重合体(B)に対して溶解能を有する限りにおいて該溶剤には、単量体混合物(A’)、(メタ)アクリル樹脂(A)、およびブロック共重合体(B)に対して溶解能を有しない溶剤が含まれていてもよい。溶解能を有しない溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ヘキサン等の炭化水素;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素等が挙げられる。本発明で用いることができる好ましい溶剤の量は、単量体混合物(A’)および溶剤の混合物を100質量%とした場合、0〜90質量%の範囲である。
本発明の製造方法に用いられる重合開始剤は、反応ラジカルを発生するものであれば特に限定されず、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキシルカルボニトリル等のアゾ化合物;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化物などを挙げることができる。これらは1種単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。また、重合開始剤の添加量や添加方法等は、目的に応じて適宜設定すればよく特に限定されるものでない。
単量体混合物(A’)を重合する際には、必要に応じて重合反応液にアルキルメルカプタン等に代表される連鎖移動剤を添加してもよい。アルキルメルカプタンとしては、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、エチレングリコールビスチオプロピオネート、ブタンジオールビスチオグリコレート、ブタンジオールビスチオプロピオネート、ヘキサンジオールビスチオグリコレート、ヘキサンジオールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス−(β−チオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート等を挙げることができる。
単量体混合物(A’)の重合における温度は、好ましくは100〜150℃、より好ましくは110〜140℃である。重合反応の時間は、0.5〜4時間が好ましく、1〜3時間がより好ましい。なお、連続流通式反応器の場合、重合反応時間は反応器における平均滞留時間である。重合反応時間が短すぎると重合開始剤の必要量が増える。また重合開始剤の増量により重合反応の制御が難しくなるとともに、分子量の制御が困難になる傾向がある。一方、重合反応時間が長すぎると反応が定常状態になるまでに時間を要し、生産性が低下する傾向がある。また、重合は窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。
重合終了後、通常、未反応の単量体および溶剤を除去する。除去方法は特に制限されないが、加熱脱揮が好ましい。脱揮法としては、平衡フラッシュ方式や断熱フラッシュ方式が挙げられる。これらのうち断熱フラッシュ方式が好ましい。断熱フラッシュ方式の脱揮は、好ましくは200〜300℃、より好ましくは220〜270℃の温度で行う。200℃未満では脱揮に時間を要し、脱揮不十分なときには成形体にシルバー等の外観不良を起こすことがある。逆に300℃を超えると酸化、やけなどによって(メタ)アクリル樹脂組成物に色が着くことがある。
単量体混合物(A’)の重合によって得られる(メタ)アクリル樹脂(A)は、重量平均分子量が、好ましくは40,000〜200,000、より好ましくは50,000〜180,000、さらに好ましくは60,000〜160,000である。重量平均分子量が小さすぎると(メタ)アクリル樹脂組成物から得られる成形品の耐衝撃性や靭性が低下傾向になる。逆に、重量平均分子量が大きすぎると(メタ)アクリル樹脂組成物の流動性が低下し成形加工性が低下傾向になる。
さらに、(メタ)アクリル樹脂(A)は、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が、好ましくは1.9〜3.0、より好ましくは2.1〜2.8、特に好ましくは2.2〜2.7である。分子量分布が小さすぎると(メタ)アクリル樹脂組成物の成形加工性が低下傾向になる。逆に分子量分布が大きすぎると(メタ)アクリル樹脂組成物から得られる成形品の耐衝撃性が低下傾向になる。
なお、重量平均分子量および数平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)で測定した標準ポリスチレン換算の分子量である。メタクリル系樹脂の分子量や分子量分布は、重合開始剤および連鎖移動剤の種類や量などを調整することによって制御できる。
本発明の製造方法によって得られる(メタ)アクリル樹脂組成物は、ブロック共重合体(B)が(メタ)アクリル樹脂(A)中にドメインを形成して分散しているものであることが好ましい。
ドメインの大きさ(ドメインの平均径)は特に限定されないが、好ましくは0.05〜2.0μm、より好ましくは0.1〜1.0μmである。ドメインの平均径が小さいと耐衝撃性が低下傾向になり、ドメインの平均径が大きいと剛性が低下傾向になり、又透明性が低下傾向になる。なお、ドメインの構造および平均径は、超薄切片法により切り出した切片の透過型電子顕微鏡写真によって確認することができる。
本発明に係る(メタ)アクリル樹脂組成物は、荷重撓み温度が、好ましくは90℃以上、より好ましくは92℃以上、さらに好ましくは94℃以上である。該温度が低すぎる場合は、成形品の通常使用温度下で熱変形が生じやすくなる。なお、荷重撓み温度は、厚さ4mmの試験片に1.82MPaの荷重を掛けた条件において測定した値である。
本発明に係る(メタ)アクリル樹脂組成物からなるフィルムにおいて、未溶融樹脂異物を核とする欠点は、光学顕微鏡またはレーザー顕微鏡にて、識別する。未溶融樹脂異物は四酸化オスミウム酸に染色されず無色透明であるので、顕微鏡観察で未染色となっている欠点を樹脂未溶融物に起因する欠点と判断した。樹脂組成物を成形してなるフィルムにおいて検出される光学欠点には、樹脂組成物そのものに起因する欠点と、成形工程の諸条件に起因する欠点とがある。樹脂組成物そのものに起因する欠点は主に樹脂組成物に含まれていたゲルコロニーや熱溶融困難な樹脂未溶融物に起因する欠点であると推測される。
本発明に係る(メタ)アクリル樹脂組成物は、その他必要に応じて各種の添加剤を含有してもよい。添加剤の含有量が多すぎると、成形品にシルバーなどの外観不良を起こすことがある。
添加剤としては、酸化防止剤、熱劣化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、離型剤、高分子加工助剤、帯電防止剤、難燃剤、染顔料、光拡散剤、有機色素、艶消し剤、耐衝撃性改質剤、蛍光体などが挙げられる。
酸化防止剤は、酸素存在下においてそれ単体で樹脂の酸化劣化防止に効果を有するものである。例えば、リン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤などが挙げられる。これらの酸化防止剤は1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中、着色による光学特性の劣化防止効果の観点から、リン系酸化防止剤やヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましく、リン系酸化防止剤とヒンダードフェノール系酸化防止剤との併用がより好ましい。
リン系酸化防止剤とヒンダードフェノール系酸化防止剤とを併用する場合、その割合は特に制限されないが、リン系酸化防止剤/ヒンダードフェノール系酸化防止剤の質量比で、好ましくは1/5〜2/1、より好ましくは1/2〜1/1である。
リン系酸化防止剤としては、2,2−メチレンビス(4,6−ジt−ブチルフェニル)オクチルホスファイト(旭電化社製;商品名:アデカスタブHP−10)、トリス(2,4−ジt−ブチルフェニル)ホスファイト(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;商品名:IRUGAFOS168)などが好ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;商品名IRGANOX1010)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;商品名IRGANOX1076)などが好ましい。
熱劣化防止剤は、実質上無酸素の状態下で高熱にさらされたときに生じるポリマーラジカルを捕捉することによって樹脂の熱劣化を防止できるものである。
該熱劣化防止剤としては、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(住友化学社製;商品名スミライザーGM)、2,4−ジ−t−アミル−6−(3’,5’−ジ−t−アミル−2’−ヒドロキシ−α−メチルベンジル)フェニルアクリレート(住友化学社製;商品名スミライザーGS)などが好ましい。
紫外線吸収剤は、紫外線を吸収する能力を有する化合物である。紫外線吸収剤は、主に光エネルギーを熱エネルギーに変換する機能を有すると言われる化合物である。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類、トリアジン類、ベンゾエート類、サリシレート類、シアノアクリレート類、蓚酸アニリド類、マロン酸エステル類、ホルムアミジン類、アクリロニトリル類などが挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、ベンゾトリアゾール類、または波長380〜450nmにおけるモル吸光係数の最大値εmaxが1200dm3・mol-1cm-1以下である紫外線吸収剤が好ましい。
ベンゾトリアゾール類としては、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;商品名TINUVIN329)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;商品名TINUVIN234)、2,2’−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕、6,6’−ビス(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,4’−ビス(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)−2,2’−メチレンジフェノール(ADEKA社製;商品名アデカスタブLA31)が挙げられるがこれらに限ったものではない。
トリアジン類としては、2−[4,6−ジ(2,4−キシリル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−オクチルオキシフェノール(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;商品名TINUVIN411L)、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン/2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;商品名TINUVIN400)、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシルオキシ)フェノール(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;商品名TINUVIN1577)などが挙げられるがこれらに限ったものではない。
これら紫外線吸収剤は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
紫外線吸収剤の配合量は、(メタ)アクリル樹脂組成物100質量部に対して、好ましくは0.1〜5質量部、より好ましくは0.5〜3質量部である。紫外線吸収剤を含有させる方法としては、紫外線吸収剤を予め(メタ)アクリル樹脂組成物に配合してペレット化しておき、これを溶融押出などによってフィルムに成形する方法、溶融押出成形時に直接、紫外線吸収剤を添加する方法などが挙げられ、いずれの方法も使用できる。
光安定剤は、主に光による酸化で生成するラジカルを捕捉する機能を有すると言われる化合物である。好適な光安定剤としては、2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン骨格を持つ化合物などのヒンダードアミン類が挙げられる。
離型剤は、成形品の金型からの離型を容易にする機能を有する化合物である。離型剤としては、セチルアルコール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール類;ステアリン酸モノグリセライド、ステアリン酸ジグリセライドなどのグリセリン高級脂肪酸エステルなどが挙げられる。本発明においては、離型剤として、高級アルコール類とグリセリン脂肪酸モノエステルとを併用することが好ましい。高級アルコール類とグリセリン脂肪酸モノエステルとを併用する場合、その割合は特に制限されないが、高級アルコール類/グリセリン脂肪酸モノエステルの質量比が、好ましくは2.5/1〜3.5/1、より好ましくは2.8/1〜3.2/1である。
高分子加工助剤は、(メタ)アクリル樹脂組成物を成形する際、厚さ精度および薄膜化に効果を発揮する化合物である。高分子加工助剤は、通常、乳化重合法によって製造することができる、0.05〜0.5μmの粒子径を有する重合体粒子である。
該重合体粒子は、単一組成比および単一極限粘度の重合体からなる単層粒子であってもよいし、また組成比または極限粘度の異なる2種以上の重合体からなる多層粒子であってもよい。この中でも、内層に低い極限粘度を有する重合体層を有し、外層に5dl/g以上の高い極限粘度を有する重合体層を有する2層構造の粒子が好ましいものとして挙げられる。
高分子加工助剤は、極限粘度が3〜6dl/gであることが好ましい。極限粘度が小さすぎると成形性の改善効果が低い傾向がある。極限粘度が大きすぎると(メタ)アクリル樹脂組成物の溶融流動性の低下を招く傾向がある。
本発明の(メタ)アクリル樹脂組成物には、耐衝撃性改質剤を用いてもよい。耐衝撃性改質剤としては、アクリル系ゴムもしくはジエン系ゴムをコア層成分として含むコアシェル型改質剤;ゴム粒子を複数包含した改質剤などが挙げられる。
有機色素としては、樹脂に対しては有害とされている紫外線を可視光線に変換する機能を有する化合物が好ましく用いられる。
光拡散剤や艶消し剤としては、ガラス微粒子、ポリシロキサン系架橋微粒子、架橋ポリマー微粒子、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどが挙げられる。
蛍光体として、蛍光顔料、蛍光染料、蛍光白色染料、蛍光増白剤、蛍光漂白剤などが挙げられる。
滑剤の例として、ステアリン酸、ベヘニン酸、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸モノグリセライドのようなステアリン酸エステル;ステアリン酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等の金属塩、エチレンビスステアロアミド等が挙げられる。滑剤の配合量は、上記したアクリル樹脂およびゴム弾性体粒子の合計100質量部に対して通常0.01質量部以上0.1質量部以下であり、より好ましくは樹脂組成物100質量部に対して0.03質量部以上0.07質量部以下である。
その他、二酸化珪素等の無機充填剤、酸化鉄等の顔料離型剤、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル、パラフィン、有機ポリシロキサン、ミネラルオイル等の軟化剤・可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、有機繊維、ガラス繊維、炭素繊維、金属ウィスカ等の補強剤、着色剤、蛍光増白剤、分散剤、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤その他添加剤或いはこれらの混合物等を配合してもよい。
さらに、本発明の(メタ)アクリル樹脂組成物は、ハイインパクトポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂等の他の樹脂と混合して使用することができる。
これらの添加剤は、単量体混合物(A’)を重合する際の重合反応液に添加してもよいし、製造された(メタ)アクリル樹脂組成物に添加してもよい。
このような本発明の製造方法によって得られる(メタ)アクリル樹脂組成物を、射出成形、圧縮成形、押出成形、真空成形、キャスト成形などの従来より知られる成形方法で成形することによって各種成形品を得ることができる。特に本発明の(メタ)アクリル樹脂組成物は、低いシリンダ温度において高い射出圧力で射出成形した場合でも、残留歪みが少なく且つ着色が殆んどない薄肉且つ広面積の成形品を高い生産効率で提供することができる。
本発明の製造方法によって得られる(メタ)アクリル樹脂組成物は、さらにメタクリル酸メチル単位80質量%以上を含有する重合体(C)をさらに含むことが好ましい。メタクリル酸メチル単位80質量%以上を含有する重合体(C)は、メタクリル酸メチル80質量%以上100質量%以下とその他の単量体0質量%以上20質量%以下を含有する単量体混合物(c)を重合することによって得られる。その他の単量体としては、前述の単量体混合物(A’)に用いることができるものとして説明した単量体と同じものを用いることができる。
本発明の製造方法によって得られる(メタ)アクリル樹脂組成物は公知の成形方法によって各種成形品にすることができる。成形品としては、例えば、広告塔、スタンド看板、袖看板、欄間看板、屋上看板などの看板部品;ショーケース、仕切板、店舗ディスプレイなどのディスプレイ部品;蛍光灯カバー、ムード照明カバー、ランプシェード、光天井、光壁、シャンデリアなどの照明部品;ペンダント、ミラーなどのインテリア部品;ドア、ドーム、安全窓ガラス、間仕切り、階段腰板、バルコニー腰板、レジャー用建築物の屋根などの建築用部品;航空機風防、パイロット用バイザー、オートバイ、モーターボート風防、バス用遮光板、自動車用サイドバイザー、リアバイザー、ヘッドウィング、ヘッドライトカバーなどの輸送機関係部品;音響映像用銘板、ステレオカバー、テレビ保護マスク、自動販売機などの電子機器部品;保育器、レントゲン部品などの医療機器部品;機械カバー、計器カバー、実験装置、定規、文字盤、観察窓などの機器関係部品;液晶保護板、導光板、導光フィルム、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、各種ディスプレイの前面板、拡散板、偏光子保護フィルム、偏光板保護フィルム、位相差フィルム、反射防止フィルムなどの光学関係部品;道路標識、案内板、カーブミラー、防音壁などの交通関係部品;自動車内装・外装や家電、建材の加飾部材に用いられるインサート成形またはインモールド成形用フィルム、ハードコートフィルム、マーキングフィルムなどのフィルム部材;洗濯機の天蓋材やコントロールパネル、炊飯ジャーの天面パネルなどの家電製品用部材;その他、温室、大型水槽、箱水槽、時計パネル、バスタブ、サニタリー、デスクマット、遊技部品、玩具、熔接時の顔面保護用マスクなどが挙げられる。これらのうち、本発明の(メタ)アクリル樹脂組成物は光学部材に好適であり、光学部材のなかでも、フィルム、特に偏光板用の保護フィルムに好適である。
[光学部材、フィルム]
本発明の一実施形態の光学部材またはフィルムは、(メタ)アクリル樹脂組成物を含有してなるものである。光学部材またはフィルムは、公知の成形法、例えば、押出成形法、射出成形法などによって得ることができる。具体的には、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ブラベンダー、各種ニーダー等の溶融混練機を用いて(メタ)アクリル樹脂組成物を溶融混練し、次いでTダイ、円形ダイ等の型が装着された押出成形機等を用いて成形することによってフィルムなどを得ることができる。また、本発明のフィルムは、ブロー成形、インジェクションブロー成形、インフレーション成形、発泡成形、キャスト成形等で得ることもでき、さらに圧空成形、真空成形等の二次加工成形法を用いることもできる。得られたフィルムは用途に応じて延伸処理したり、表面処理したりすることができる。
本発明の一実施形態のフィルムは、23℃環境下のヘイズ値が、好ましくは2%以下、より好ましくは1.2%以下、さらに好ましくは1.0%以下である。23℃環境下のヘイズ値が小さいとフィルムに高度な透明性が付与され光学用に好適である。
本発明の一実施形態のフィルムは、23℃環境下の光弾性係数の絶対値が、好ましくは8.0×10-12Pa-1以下、より好ましくは6.0×10-12Pa-1以下、さらに好ましくは5.0×10-12Pa-1以下である。光弾性係数が上記範囲内であると、応力による複屈折の変化が少ないため、液晶表示装置等に使用した場合にコントラストや画面の均一性に優れる傾向がある。
なお、「光弾性係数」とは、外力による複屈折の変化の生じやすさを表す係数CR[Pa-1]であり、下式により定義される。
R=Δn/σR
ここで、σRは伸張応力[Pa]、Δnは応力付加時の複屈折であり、Δnは下式により定義される。
Δn=n1−n2
(式中、n1は伸張方向と平行な方向の屈折率、n2は伸張方向と垂直な方向の屈折率である。)
ここで、光弾性係数の値がゼロに近いほど、外力による複屈折の変化が小さいことを示す。光学フィルムの光弾性係数は、単量体混合物の単量体組成比を変化させること等により制御することができる。
本発明の一実施形態の光学フィルムは、厚さが、好ましくは100μm以下、より好ましくは10μm以上90μm以下、さらに好ましくは20μm以上80μm以下、特に好ましくは30μm以上60μm以下である。特に、液晶ディスプレイ周辺に用いられる光学フィルムとする場合には、耐折強度の観点から100μm以下の厚さであることが好ましい。
本発明の一実施形態の光学フィルムは、面内方向レターデーション(Re)と厚さ方向レターデーション(Rth)およびNz係数の値によって特に制限されない。面内方向レターデーション(Re)と厚さ方向レターデーション(Rth)およびNz係数は、(メタ)アクリル樹脂組成物を構成する材料の組成比、フィルムの厚さ、延伸温度、延伸倍率、延伸速度などを適宜設定することにより制御することができる。
ここで、面内方向レターデーション(Re)と厚さ方向レターデーション(Rth)およびNz係数は下式により定義される。
Re =(nx−ny)×d
Rth=((nx+ny)/2)−nz)×d
Nz =(nx−nz)/|(nx−ny)|
(式中、nx:フィルム面内において屈折率が最大となる方向をxとした場合のx方向の屈折率、ny:フィルム面内においてx方向に垂直な方向をyとした場合のy方向の屈折率、nz:フィルム厚さ方向の屈折率、d:フィルムの厚さ(nm)である。)
本発明の一実施形態のフィルムを偏光板用保護フィルムとして用いる場合は、厚さ方向レターデーション(Rth)の絶対値は、20nm以下であることが好ましく、15nm以下であることがより好ましく、5nm以下であることがさらに好ましい。Rthの絶対値が20nmを超えると、レターデーションの入射角度による変位が大きくなり、液晶表示装置においてコントラスト低下などの問題を生じる場合がある。
本発明の一実施形態に係るフィルムは、1m2の範囲において検出される未溶融樹脂異物を核とする欠点であって大きさ0.03mm2以上の欠点の数が、好ましくは20個以下、より好ましくは10個以下である。該欠点は、大きさ数μm〜数十μmの樹脂異物を核としたものである。本発明の(メタ)アクリル樹脂組成物を用いて成形すると該樹脂異物が大幅に低減されるので、光学欠点の少ないフィルムを得ることができる。
本発明の一実施形態のフィルムには、例えば、防眩処理、反射防止処理、透明導電処理、電磁波遮蔽処理、ガスバリア処理、ハードコート処理、帯電防止処理、防汚処理等の表面機能化処理を適宜施してもよい。
本発明の一実施形態のフィルムを偏光板用保護フィルムとして用いる場合は、帯電防止機能を表面処理によって付与することができる。また、光学フィルムに必要に応じて組み込まれる粘着剤層などの他の部材に帯電防止機能を付与してもよい。
フィルムに防眩処理を行うと、視認性向上、外光の映り込み防止、光干渉によるモアレの低減などの効果を奏する。防眩処理によってフィルム表面に微細な凹凸形状を有する層、すなわち、防眩層が形成される。防眩層の形成にはハードコート材料を用いることが好ましい。防眩層の厚さは特に限定されないが、好ましくは2μm以上30μm以下、より好ましくは3μm以上20μm以下である。防眩層の厚さが薄すぎると、十分な硬度が得られず、表面が傷付きやすくなる傾向がある。また、防眩層の厚さが厚すぎると、割れやすくなったり、防眩層の硬化収縮によりフィルムがカールして生産性が低下したりする傾向がある。
反射防止処理は、フィルム表面にフィルムの屈折率よりも低い屈折率の層を設けることによって、または高屈折率の層と低屈折率の層とを積層させることによって行われる。低屈折率層や高屈折率層は、塗工によって、または物理的または化学的蒸着によって形成することができる。
[偏光板]
本発明に係る偏光板は、偏光フィルムと、それの少なくとも一方の面に貼り合せられた本発明に係るフィルムとを有するものである。
本発明に用いられる偏光フィルムは、特に制限されない。偏光フィルムは、例えば、ポリビニルアルコールにヨウ素や染料などを添加し、それを成形してフィルムにし、該フィルムを延伸して分子配向させることによって得ることができる。
偏光フィルムに貼り合わせられるフィルムが表面に反射防止層や防眩層などの機能層を有する場合には、機能層などが偏光フィルムから離れた側の面になるように当該フィルムを貼り合わせるのが好ましい。
偏光板に求められる特性などに応じて、偏光フィルムの両面に本発明のフィルムを貼り合わせてもよいし、偏光フィルムの一方の面に本発明のフィルムを貼り合わせ且つ偏光フィルムの他方の面に他の樹脂からなるフィルムを貼り合わせてもよい。
偏光フィルムと本発明のフィルムとの貼合方法は、特に制限されない。例えば、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、シアノアクリレート系樹脂、アクリルアミド系樹脂などを含有する接着剤を用いて貼り合わせることができる。
偏光フィルムと本発明のフィルムとを貼り合せる前に、当該貼り合わせ面の一方または両方をコロナ放電処理などしてもよい。コロナ放電処理を施すことにより、本発明のフィルムと偏光フィルムとの間の接着力を高めることができる。コロナ放電処理とは、電極間に高電圧をかけて放電し、電極間に配置された樹脂フィルムを活性化する処理である。コロナ放電処理の効果は、電極の種類、電極間隔、電圧、湿度、使用する樹脂フィルムの種類などによっても異なるが、例えば、電極間隔を1〜5mm、移動速度を3〜20m/分程度に設定するのが好ましい。次いで、コロナ放電処理面に上記のような接着剤を塗布して両フィルムを貼り合わせる。
以下に実施例および比較例を示して本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例によって制限されるものではない。また、本発明は、以上までに述べた、特性値、形態、製法、用途などの技術的特徴を表す事項を、任意に組み合わせて成るすべての態様を包含している。
実施例および比較例における物性値の測定等は以下の方法によって実施した。
<水分測定>
京都電子工業株式会社製カールフィッシャー(KMA−210)を使用して水分測定を行った。
<重合転化率>
島津製作所社製ガスクロマトグラフ GC−14Aに、カラムとしてGL Sciences Inc.製 INERT CAP 1(df=0.4μm、0.25mmI.D.×60m)を繋ぎ、injection温度を180℃に、detector温度を180℃に、カラム温度を60℃(5分間保持)→昇温速度10℃/分→200℃(10分間保持)に設定して、分析を行い、それに基づいて算出した。
<荷重撓み温度の測定>
JIS−K7191に準じて測定した。
<フィルム成形および外観>
樹脂組成物をOptical Control System社製ブツカウンター(型式FS−5)にて、シリンダおよびTダイ温度260℃、リップ間隙0.5mmで押出し、フィルム厚さ75μmに調整し、欠点を検出した。検出された核有り欠点の内、核となる異物であって四酸化オスミウムで染色されない無色透明な異物を重合中で生成した未溶融樹脂異物とした。比較例1(重合系内の水分量が1500ppm)の樹脂組成物を用いて上記未溶融樹脂異物由来の欠点総数を100として、実施例、比較例における相対的な欠点数を以下の基準で評価した。
○:未溶融樹脂異物を有する核有り欠点数が、比較例1の核有り欠点数の50%未満
△:未溶融樹脂異物を有する核有り欠点数が、比較例1の核有り欠点数の50%以上100%未満
×:未溶融樹脂異物を有する核有り欠点数が、比較例1の核有り欠点数の100%以上
<フィルム膜厚の測定>
各フィルムの中央部の厚さをマイクロメーター(ミツトヨ株式会社製)を用いて測定した。
<ヘイズの測定>
各フィルムのヘイズ値をJIS−K7136に準じて測定した。
<トラウザー引き裂き試験>
JIS−K7128に準じて測定した。
《合成例1》 ブロック共重合体(B−1)の製造
(1)攪拌機付1.5リットルのオートクレーブ容器に、トルエン640mlおよび1,2−ジメトキシエタン0.009mlを投入し、20分間窒素パージを行った。そこに濃度1.3mol/lのsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液2.86mlを加え、次いで1,3−ブタジエン71.1mlを加えて、30℃で1.5時間反応させ、1,3−ブタジエン重合体を含む反応混合物を得た。得られた反応混合物の一部をサンプリング分析した結果、該反応混合物中の1,3−ブタジエン重合体は、数平均分子量(Mn)が23,000、分子量分布(Mw/Mn)が1.06、側鎖ビニル結合量が30mol%であった。
(2)上記(1)で得られた反応混合物を−30℃に冷却し、0.45mol/lのイソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウムを含有するトルエン溶液27.5mlおよび1,2−ジメトキシエタン6.5mlを添加し、10分間撹拌して均一な溶液とした。
(3)次いで、上記(2)で得られた溶液を激しく撹拌しながら、アクリル酸n−ブチル61.1mlを添加し、−30℃で1時間重合させた。得られた反応混合物の一部をサンプリングし、GPC(ポリスチレン換算)により分子量を分析した結果、反応混合物中のブタジエン−アクリル酸n−ブチルジブロック共重合体(腕重合体ブロック)は数平均分子量が41,000であり、その重量平均分子量/数平均分子量の比(Mw/Mn)が1.02であった。
(4)上記(3)で得られた反応混合物を−30℃で保持し、激しく攪拌したまま、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート3.2mlを加え0.5時間重合した。次いでメタノール約1mlを添加して重合を停止させた。
(5)上記(4)で得られた反応混合物の一部を抜き取り、メタノールで沈殿させた。得られた星型ブロック共重合体(B−1)は、1,3−ブタジエン単位からなる重合体ブロック(b)45質量%とアクリル酸n−ブチル単位からなる重合体ブロック(a)55質量%とからなるジブロック共重合体を腕重合体ブロックとして含む、数平均分子量(Mn)210,000(腕数=5.1)で且つMw/Mn1.16である星型ブロック共重合体を56質量%(GPCの面積比より算出される割合)含むものであった。表1に星型ブロック共重合体(B−1)の特性を示した。なお、表中のBAはアクリル酸n−ブチル、BDは1,3−ブタジエンを意味する。
(6)上記(4)で得られた反応混合物に水1000gを加え、振とうすることにより、反応混合物中に含まれる不純物を水で抽出した。振とう後、静置し、ブロック共重合体(B−1)のトルエン溶液と水相とに分離し、水相を除去した。この操作を4回繰り返した。
(7)前記抽出により不純物が除去されたブロック共重合体(B−1)のトルエン溶液を、80℃に加熱し、減圧下でトルエンの一部を留去し、トルエン溶液中のブロック共重合体の濃度が30質量%となる様に調整し、ブロック共重合体(B−1)のトルエン溶液を得た。
《合成例2》 ブロック共重合体(B−2)の製造
(1)1,6−ヘキサンジオールジアクリレートを加えなかったこと以外は合成例1と同じ操作を行った。1,3−ブタジエン重合体は、数平均分子量(Mn)が23,000、分子量分布(Mw/Mn)が1.06、側鎖ビニル結合量が30mol%であった。また、ブタジエン−アクリル酸n−ブチルジブロック共重合体は数平均分子量が41,000であり、その重量平均分子量/数平均分子量の比(Mw/Mn)が1.02であった。
Figure 0006186189
《実施例1》 (メタ)アクリル樹脂組成物の製造(溶液重合→溶液重合)
攪拌機および採取管付オートクレーブに、メタクリル酸メチル55.5質量部、アクリル酸メチル5.0質量部、合成例1で得られた星型ブロック共重合体(B−1)のトルエン溶液33質量部、およびトルエン7質量部を仕込み攪拌混合した。その後、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.03質量部、およびn−ドデシルメルカプタン0.2質量部を加え、均一に溶解させた。窒素により反応系内の酸素を追い出した。この反応液に吸着剤(水澤化学工業社製:ミズカシーブス)を加え水分を吸着させた。その後2μmのフィルターで吸着剤を取り除いた。この反応液はカールフィッシャー測定による水分量が250ppmであった。
この反応液を115℃に昇温し、2.5時間溶液重合させた。重合転化率は60質量%であった。
次いで、反応液に1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.08質量部を加え、120℃で2時間溶液重合させた。重合転化率は95質量%であった。
これを真空乾燥して未反応単量体およびトルエンを除去し、(メタ)アクリル樹脂組成物を得た。乾燥させた(メタ)アクリル樹脂組成物を株式会社テクノベル社製2軸押出機KZW20TW−45MG−NH−600を用いてペレット化した。
該ペレットを用いてフィルム成形を行った。評価結果を表2に示す。
《実施例2》
実施例1で得られたペレット100質量部と(メタ)アクリル樹脂(C)(クラレ社製パラペットEH−S)200質量部を株式会社テクノベル社製2軸押出機KZW20TW−45MG−NH−600を用いて混練しペレット化した。
該ペレットを用いてフィルム成形を行った。評価結果を表2に示す。
《実施例3》
攪拌機および採取管付オートクレーブに、メタクリル酸メチル61.7質量部、アクリル酸メチル5.0質量部、合成例1で得られた星型ブロック共重合体(B−1)のトルエン溶液11.1質量部、およびトルエン22.2質量部を仕込み攪拌混合した。その後、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.03質量部、およびn−ドデシルメルカプタン0.2質量部を加え、均一に溶解させた。窒素により反応系内の酸素を追い出した。反応液はカールフィッシャー測定による水分量が500ppmであった。115℃で2.5時間溶液重合させた。重合転化率は60質量%であった。
次いで、反応液に1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.08質量部を加え、120℃で2時間溶液重合させた。重合転化率は95質量%であった。
これを真空乾燥して未反応単量体およびトルエンを除去し、(メタ)アクリル樹脂組成物を得た。乾燥させた(メタ)アクリル樹脂組成物を株式会社テクノベル社製2軸押出機KZW20TW−45MG−NH−600を用いてペレット化した。
該ペレットを用いてフィルム成形を行った。評価結果を表2に示す。
《実施例4》
合成例1で得られた星型ブロック共重合体(B−1)のトルエン溶液を合成例2で得られた星型ブロック共重合体(B−2)のトルエン溶液に変更した以外は実施例1と同じ手法で(メタ)アクリル樹脂組成物のペレットを得た。反応液はカールフィッシャー測定による水分量が690ppmであった。
該ペレットを用いてフィルム成形を行った。評価結果を表2に示す。
《比較例1》
反応液に吸着剤を加えなかったこと以外は実施例1と同じ手法で(メタ)アクリル樹脂組成物のペレットを得た。反応液はカールフィッシャー測定による水分量が1500ppmであった。
該ペレットを用いてフィルム成形を行った。評価結果を表2に示す。
《比較例2》
比較例1で得られたペレット100質量部とクラレ社製パラペットEH−S200質量部を株式会社テクノベル社製2軸押出機KZW20TW−45MG−NH−600を用いてペレット化した。
該ペレットを用いてフィルム成形を行った。評価結果を表2に示す。
《比較例3》
反応液に吸着剤を加えなかったこと以外は実施例4と同じ手法で(メタ)アクリル樹脂組成物のペレットを得た。反応液はカールフィッシャー測定による水分量が2100ppmであった。
該ペレットを用いてフィルム成形を行った。評価結果を表2に示す。
Figure 0006186189
表2のフィルム外観評価の結果より、(メタ)アクリル樹脂を重合する際の水分量を本発明の範囲内とすることで、未溶融樹脂異物による欠陥が減少していることがわかる。

Claims (8)

  1. (メタ)アクリル酸アルキルエステル単位からなる重合体ブロック(a)と共役ジエン化合物単位からなる重合体ブロック(b)とを有するブロック共重合体(B)を、メタクリル酸メチル50質量%以上100質量%未満を含有する単量体混合物(A’)に溶解して反応液を得、
    該反応液中の水分量を1000ppm以下にして単量体混合物(A’)をラジカル重合することを含む(メタ)アクリル樹脂組成物の製造方法。
  2. メタクリル酸メチル単位80質量%以上を含有する重合体(C)を含有させることをさらに含む請求項に記載の(メタ)アクリル樹脂組成物の製造方法
  3. 請求項またはに記載の製造方法を行って(メタ)アクリル樹脂組成物を得、
    得られた(メタ)アクリル樹脂組成物をフィルム成形することを含む、光学フィルムの製造方法
  4. ブロック共重合体(B)は星型ブロック共重合体を含有するものであり、
    該星型ブロック共重合体は、重合体ブロック(a)および/または重合体ブロック(b)を少なくとも有する腕重合体ブロックを含有してなるものであり、且つゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により算出したポリスチレン換算の数平均分子量が、〔星型ブロック共重合体の数平均分子量〕/〔腕重合体ブロックの数平均分子量〕>2を満たす請求項に記載の光学フィルムの製造方法
  5. 星型ブロック共重合体(B)が、化学構造式:
    (重合体ブロック(b)−重合体ブロック(a)−)n
    (式中、Xはカップリング剤残基、nは2を超える数を表す。)で表されるものである請求項に記載の光学フィルムの製造方法
  6. 紫外線吸収剤を含有させることをさらに含請求項のいずれかひとつに記載の光学フィルムの製造方法
  7. 防眩処理および/または反射防止処理を施すことをさらに含む請求項のいずれかひとつに記載の光学フィルムの製造方法
  8. 請求項3〜7のいずれかひとつに記載の製造方法を行って光学フィルムを得、
    得られた光学フィルムを、偏光フィルムの少なくとも一方の面に貼り合せることを含む偏光板の製造方法
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