JPWO2018074550A1 - メタクリル樹脂組成物 - Google Patents
メタクリル樹脂組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2018074550A1 JPWO2018074550A1 JP2018545745A JP2018545745A JPWO2018074550A1 JP WO2018074550 A1 JPWO2018074550 A1 JP WO2018074550A1 JP 2018545745 A JP2018545745 A JP 2018545745A JP 2018545745 A JP2018545745 A JP 2018545745A JP WO2018074550 A1 JPWO2018074550 A1 JP WO2018074550A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mass
- methacrylic resin
- polymer
- resin composition
- structural unit
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08K—Use of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
- C08K5/00—Use of organic ingredients
- C08K5/54—Silicon-containing compounds
- C08K5/544—Silicon-containing compounds containing nitrogen
- C08K5/5475—Silicon-containing compounds containing nitrogen containing at least one C≡N bond
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L33/00—Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical, or of salts, anhydrides, esters, amides, imides or nitriles thereof; Compositions of derivatives of such polymers
- C08L33/04—Homopolymers or copolymers of esters
- C08L33/06—Homopolymers or copolymers of esters of esters containing only carbon, hydrogen and oxygen, which oxygen atoms are present only as part of the carboxyl radical
- C08L33/10—Homopolymers or copolymers of methacrylic acid esters
- C08L33/12—Homopolymers or copolymers of methyl methacrylate
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L51/00—Compositions of graft polymers in which the grafted component is obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers
- C08L51/06—Compositions of graft polymers in which the grafted component is obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers grafted on to homopolymers or copolymers of aliphatic hydrocarbons containing only one carbon-to-carbon double bond
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L51/00—Compositions of graft polymers in which the grafted component is obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers
- C08L51/08—Compositions of graft polymers in which the grafted component is obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers grafted on to macromolecular compounds obtained otherwise than by reactions only involving unsaturated carbon-to-carbon bonds
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L53/00—Compositions of block copolymers containing at least one sequence of a polymer obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
Abstract
Description
特許文献2は、ポリメチルメタクリレート樹脂と、主鎖がポリエチレンで側鎖がポリスチレンであるグラフト共重合体とを含有する組成物を開示している。
特許文献3は、ポリカーボネート系樹脂セグメントおよびビニル系樹脂セグメントからなり、一方のセグメントにより形成される連続相中に他方のセグメントにより形成される分散相が微細に分散している多層構造を示すグラフト共重合体と、熱可塑性樹脂とからなる熱可塑性樹脂組成物を開示している。
メタクリル樹脂〔A〕は架橋ゴム成分を含み、且つ
化合物〔C〕は重量平均分子量3.2万〜30万のブロック共重合体または重量平均分子量3.2万〜30万のグラフト共重合体からなる、
メタクリル樹脂組成物。
[3] アセトン可溶成分が、メタクリル酸メチルに由来する構造単位を90質量%以上含有して成る重合体である、[2]に記載のメタクリル樹脂組成物;
[4] アセトン可溶成分が、重量平均分子量5万〜20万の重合体である、[2]または[3]に記載のメタクリル樹脂組成物。
[5] 紫外線吸収剤〔B〕が、ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物またはトリアジン骨格を有する化合物である、[1]〜[4]のいずれか1つに記載のメタクリル樹脂組成物。
該ブロック共重合体が、メタクリル酸エステルに由来する構造単位を主に有する重合体ブロック〔c1〕10〜80質量%とアクリル酸エステルに由来する構造単位を主に有する重合体ブロック〔c2〕20〜90質量%(ただし重合体ブロック〔c1〕と重合体ブロック〔c2〕の合計を100質量%とする)とを含有して成るものである、[1]〜[5]のいずれか1つに記載のメタクリル樹脂組成物。
該ブロック共重合体が、スチレン系重合体ブロック〔c3〕10〜80質量%と水素添加共役ジエン重合体ブロック〔c4〕20〜90質量%(ただし重合体ブロック〔c3〕と重合体ブロック〔c4〕の合計を100質量%とする)とを含有して成るものである、[1]〜[5]のいずれか1つに記載のメタクリル樹脂組成物。
該グラフト共重合体は、主鎖または少なくとも1つのグラフト側鎖が、メタクリル酸メチルに由来する構造単位を90質量%以上含有する重合体、スチレンに由来する構造単位とアクリロニトリルに由来する構造単位とを含有する重合体、スチレンに由来する構造単位と無水マレイン酸に由来する構造単位とを含有する重合体、スチレンに由来する構造単位と無水マレイン酸に由来する構造単位とメタクリル酸メチルに由来する構造単位とを含有する重合体、スチレン、α−メチルスチレンまたはパラメチルスチレンに由来する構造単位のいずれかを含有する重合体、またはポリビニルブチラールからなるものである、[1]〜[5]のいずれか1つに記載のメタクリル樹脂組成物。
該グラフト共重合体は、主鎖がポリカーボネートからなるものであり、
グラフト側鎖が、芳香族ビニルに由来する構造単位を主に含有する重合体、芳香族ビニルに由来する構造単位とアクリロニトリルに由来する構造単位とを含有する重合体、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位を主に含有する重合体、または芳香族ビニルに由来する構造単位とアクリロニトリルに由来する構造単位と(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位とを含有する重合体からなるものである、[1]〜[5]のいずれか1つに記載のメタクリル樹脂組成物。
該グラフト共重合体は、主鎖がポリオレフィンからなるものであり、
グラフト側鎖が、芳香族ビニルに由来する構造単位を主に含有する重合体、芳香族ビニルに由来する構造単位とアクリロニトリルに由来する構造単位とを含有する重合体、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位を主に含有する重合体、または芳香族ビニルに由来する構造単位とアクリロニトリルに由来する構造単位と(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位とを含有する重合体からなるものである、[1]〜[5]のいずれか1つに記載のメタクリル樹脂組成物。
[12] [1]〜[10]のいずれか1つに記載のメタクリル樹脂組成物からなるフィルム。
[13] 厚さが10〜50μmである、[12]に記載のフィルム。
[14] [12]または[13]に記載のフィルムからなる光学フィルム。
メタクリル樹脂〔A〕が架橋ゴム成分を含み、且つ
化合物〔C〕が重量平均分子量3.2万〜30万のブロック共重合体または重量平均分子量3.2万〜30万のグラフト共重合体からなる、
成形体の製造方法。
また、立体規則性の高いメタクリル樹脂や、環構造を主鎖に有する構造単位を有するメタクリル樹脂を含有してなる場合の本発明のメタクリル樹脂組成物は、上記特長に加えて、高い耐熱性を有する。
本発明のメタクリル樹脂組成物からなる成形体は、例えば、偏光子保護フィルム、位相差板、光拡散板、導光板などのような光学部材に好適である。
本発明のメタクリル樹脂組成物は、メタクリル樹脂〔A〕と、紫外線吸収剤〔B〕と、化合物〔C〕とを含有してなるものである。
本発明のメタクリル樹脂〔A〕は、架橋ゴム成分を含む。
本発明のメタクリル樹脂〔A〕は、アセトン不溶成分〔AX〕とアセトン可溶成分〔AY〕から構成される。アセトン不溶成分〔AX〕が前記の架橋ゴム成分であることが好ましい。アセトン不溶成分〔AX〕とアセトン可溶成分〔AY〕は、例えば、メタクリル樹脂〔A〕にアセトンを加え、室温で1日放置し、得られた液を掻き混ぜて、次いで20000rpmで200分間遠心分離を行い、上澄み(アセトン可溶成分〔AY〕のアセトン溶液)と沈降物(架橋ゴム成分〔AX〕のアセトン膨潤物)とに分離することによって得られるものである。架橋ゴム成分に特に制約は無いが、好ましい例を以下に挙げる。
アクリル酸アルキルとしては、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル等を挙げることができる。そのうち、アルキル基の炭素数が4〜8のものが好ましく用いられる。
アクリル酸アルキル以外の単量体としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルのようなメタクリル酸アルキル、スチレン、アルキルスチレンのようなスチレン系単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリルのような不飽和ニトリル等の単官能単量体;(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸メタリルのような不飽和カルボン酸アルケニルエステル、マレイン酸ジアリルのような二塩基酸のジアルケニルエステル、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートのようなグリコール類の不飽和カルボン酸ジエステル等のグラフト結合性多官能単量体を挙げることができる。
本発明の架橋ゴム重合体(I)は、単層であってもよいし、その内層にメタクリル酸アルキルを主体とする重合体の層を有する構造のものであってもよい。
アニオン界面活性剤としては、ステアリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、N−ラウロイルサルコシン酸ナトリウム等のカルボン酸塩、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の硫酸エステル塩、モノ−n−ブチルフェニルペンタオキシエチレンリン酸ナトリウム等のリン酸エステル塩、ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレンジデシルエーテル酢酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩等を挙げることができる。中でもポリオキシエチレンアルキルエーテル基やポリオキシエチレンフェニルエーテル基を有するカルボン酸塩もしくはリン酸塩が好ましく、その具体的な例としては、ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸ナトリウムを挙げることができる。
分子量200000以上の成分の含有量は、GPCで測定されたクロマトグラムとベースラインとで囲まれる部分の面積のうちの、分子量200000の標準ポリスチレンの保持時間より前に検出されるクロマトグラムとベースラインとで囲まれる部分の面積の割合として算出する。分子量15000未満の成分の含有量は、GPCで得られるクロマトグラムとベースラインとで囲まれる部分の面積のうちの、分子量15000の標準ポリスチレンの保持時間より後に検出されるクロマトグラムとベースラインとで囲まれる部分の面積の割合として算出する。
環構造を主鎖に有する構造単位としては、>CH−O−C(=O)−基を環構造に含む構造単位、−C(=O)−O−C(=O)−基を環構造に含む構造単位、−C(=O)−N−C(=O)−基を環構造に含む構造単位、または>CH−O−CH<基を環構造に含む構造単位が好ましい。
環構造を主鎖に有する構造単位は、無水マレイン酸、N−置換マレイミドなどのような重合性不飽和炭素−炭素二重結合を有する環状単量体をメタクリル酸メチルなどと共重合させることによって、または重合によって得られたメタクリル樹脂の分子鎖の一部を分子内縮合環化させることによって、メタクリル樹脂に含有させることができる。
本発明に用いられる紫外線吸収剤〔B〕としては、一般の熱可塑性樹脂に配合されることがある公知の紫外線吸収剤を挙げることができる。紫外線吸収剤〔B〕の分子量が200以下であると、メタクリル樹脂組成物を成形する際に発泡するなどの現象が生じることがあるため、紫外線吸収剤〔B〕の分子量は、好ましくは200超え、より好ましくは300以上、さらに好ましくは500以上、よりさらに好ましくは600以上である。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類、トリアジン類、ベンゾエート類、サリシレート類、シアノアクリレート類、蓚酸アニリド類、マロン酸エステル類、ホルムアミジン類などを挙げることができる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、ベンゾトリアゾール類(ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物)、トリアジン類(トリアジン骨格を有する化合物)が好ましい。ベンゾトリアゾール類またはトリアジン類は、紫外線による樹脂の劣化(例えば、黄変など)を抑制する効果が高い。
Y1、Y2、Y3およびY4はそれぞれ独立に炭素原子以外の二価基(酸素原子、硫黄原子、NH、NR5など)である。R5はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヘテロアラルキル基、アラルキル基などの置換基である。該置換基は、該置換基にさらに置換基を有してもよい。
Z1およびZ2はそれぞれ独立に三価基(窒素原子、CH、CR6など)である。R6はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヘテロアラルキル基、アラルキル基などの置換基である。該置換基は、該置換基にさらに置換基を有してもよい。
R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシル基、ハロゲノ基、アルキルスルホニル基、モルホリノスルホニル基、ピペリジノスルホニル基、チオモルホリノスルホニル基、ピペラジノスルホニル基などの置換基である。該置換基は、該置換基にさらに置換基を有してもよい。a、b、cおよびdはそれぞれR1、R2、R3およびR4の数を示し且つ1〜4のいずれかの整数である。〕
εmax = 〔Amax/(10×10-3)〕 × MUV
本発明に用いられる化合物〔C〕は、ブロック共重合体またはグラフト共重合体からなるもの、好ましくはブロック共重合体またはグラフト共重合体である。
ブロック共重合体は、例えば、重合体Aの分子鎖(重合体ブロックAということがある。)の末端に重合体Bの分子鎖(重合体ブロックBということがある。)の末端が繋がって全体として鎖状または放射状に結合したものである。
ブロック共重合体を構成する重合体ブロックは特に限定されない。例えば、ポリメタクリル酸メチルなどの重合体ブロックと、ポリアクリル酸エステルなどの重合体ブロックとを有してなるブロック共重合体は、メタクリル樹脂と芳香族低分子化合物との相溶性などが良好となることがある。
ブロック共重合体は、例えば、リビング重合を利用して重合体ブロックAの末端に重合開始点をつくり、この開始点からモノマーを重合させて重合体ブロックBを生成する方法〔i〕、重合体ブロックAと重合体ブロックBとをそれぞれ準備し、それらを付加や縮合反応させる方法〔ii〕などによって製造することができる。
グラフト共重合体を構成する主鎖およびグラフト側鎖は特に限定されない。例えば、ポリオレフィン、ポリカーボネート、アクリル系共重合体などからなる主鎖と、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリル系共重合体などからなるグラフト側鎖とを有してなるグラフト共重合体は、メタクリル樹脂と芳香族低分子化合物との相溶性などが良好となることがある。
グラフト共重合体は、例えば、重合体Aの存在下に重合体Bとなるモノマーを重合させる連鎖移動法〔i〕、グラフト側鎖となる重合体Bの末端に重合性基が導入された高分子化合物と、重合体Aとなるモノマーとを共重合させる方法〔ii〕、主鎖となる重合体Aとグラフト側鎖となる重合体Bをそれぞれ準備し、それらを付加や縮合反応させる方法〔iii〕などによって製造することができる。
重合体ブロック〔c1〕は一分子中に1つのみであってもよいし、2つ以上あってもよい。重合体ブロック〔c1〕が2つ以上であるとき、それぞれの重合体ブロック〔c1〕を構成する構造単位の比率や分子量は相互に同じであっても異なってもよい。
重合体ブロック〔c2〕は一分子中に1つのみであってもよいし、2つ以上あってもよい。重合体ブロック〔c2〕が2つ以上あるとき、それぞれの重合体ブロック〔c1〕を構成する構造単位の比率や分子量は相互に同じであっても異なってもよい。
ブロック共重合体〔C-B2〕における、重合体ブロック〔c1〕の総質量/重合体ブロック〔c2〕の総質量の比は、好ましくは10/90〜80/20、より好ましくは20/80〜70/30である。
ブロック共重合体〔C-B1〕または〔C-B2〕は、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)が、好ましくは1.0以上2.0以下、より好ましくは1.0以上1.6以下である。上記のような範囲内にMw/Mnがあることにより、本発明のメタクリル樹脂組成物からなる成形体におけるブツの発生原因となる未溶融物の含有量を極めて少量とすることができる。なお、MwおよびMnは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)で測定した標準ポリスチレン換算の分子量である。
主鎖を構成するポリカーボネートの粘度平均分子量は4000〜100000が好ましく、5000〜50000がさらに好ましく、6000〜30000が特に好ましい。ポリカーボネートの粘度平均分子量Mvは、ウベローデ型粘度管にて、20℃における塩化メチレン溶液の極限粘度[η]を測定し、下記のSchnellの式より計算した。
[η] = 1.23 × 10-4Mv0.83
非極性α−オレフィン単量体に由来する構造単位を主に含有するポリオレフィンとしては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体などを挙げることができる。
以上のようなポリオレフィンは、1種を単独で、または2種以上を混ぜ合わせて用いることができる。これらポリオレフィンのうち、流動性の観点からポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンが好ましい。
本発明のメタクリル樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じてフィラーを含んでいてもよい。フィラーとしては、炭酸カルシウム、タルク、カーボンブラック、酸化チタン、シリカ、クレー、硫酸バリウム、炭酸マグネシウムなどを挙げることができる。本発明のメタクリル樹脂組成物に含有し得るフィラーの量は、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下である。
リン系酸化防止剤とヒンダードフェノール系酸化防止剤とを併用する場合、リン系酸化防止剤/ヒンダードフェノール系酸化防止剤を質量比で0.2/1〜2/1で使用するのが好ましく、0.5/1〜1/1で使用するのがより好ましい。
該熱劣化防止剤としては、2−t−ブチル−6−(3’−tert−ブチル−5’−メチル−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(住友化学社製;商品名スミライザーGM)、2,4−ジt−アミル−6−(3’,5’−ジ−tert−アミル−2’−ヒドロキシ−α−メチルベンジル)フェニルアクリレート(住友化学社製;商品名スミライザーGS)などが好ましい。
光拡散剤や艶消し剤としては、ガラス微粒子、ポリシロキサン系架橋微粒子、架橋ポリマー微粒子、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどを挙げることができる。
蛍光体として、蛍光顔料、蛍光染料、蛍光白色染料、蛍光増白剤、蛍光漂白剤などを挙げることができる。
本発明のメタクリル樹脂組成物は、紫外線吸収剤〔B〕を、0.1〜15質量%、好ましくは0.2〜10質量%、より好ましくは0.3〜5質量%含む。この範囲で紫外線吸収剤〔B〕を含むと波長380nmの光透過率を薄肉成形体において5%以下に調整しやすい。本発明のメタクリル樹脂組成物は、紫外線吸収剤〔B〕と他の添加剤との合計含有量が、好ましくは1質量%超、より好ましくは1.5質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上、よりさらに好ましくは2.5質量%以上である。なお、他の添加剤は、酸化防止剤、熱劣化防止剤、光安定剤、滑剤、離型剤、高分子加工助剤、帯電防止剤、難燃剤、染顔料、光拡散剤、有機色素、艶消し剤、耐衝撃性改質剤、および蛍光体であり、化合物〔C〕はこれらに含まれないものとする。
本発明のメタクリル樹脂組成物は、化合物〔C〕を、0.1〜10質量%、好ましくは0.3〜8質量%、より好ましくは0.5〜6質量%、さらに好ましくは0.6〜1.2質量%を含む。この範囲で化合物〔C〕を含むと、ブリードアウト、紫外線吸収剤〔B〕の蒸散などが抑制され、メタクリル樹脂組成物の耐熱性を維持しつつ、耐光性および耐候性を発揮できる。
これらの成形方法では、一般に樹脂組成物を成形するために金型が用いられる。例えば、シート成形用ロール、フィルム成形用ロール、圧縮成形用金型、ブロー成形用金型、カレンダーロール、真空成形用金型、射出成形用金型、キャスト重合用鋳型などの金型を挙げることができる。金型は必ずしも金属製である必要はなく、例えばゴムロール、強化ガラスなども金型に含まれる。本発明のメタクリル樹脂組成物は、金型汚れを生じにくいため、長時間の連続生産や成形工程を多数繰返す生産に好適に使用できる。
具体的には、例えば、携帯電話、デジタル情報端末、ポケットベル、ナビゲーション、車載用液晶ディスプレイ、液晶モニター、調光パネル、OA機器用ディスプレイ、AV機器用ディスプレイ等の各種液晶表示素子やエレクトロルミネッセンス表示素子あるいはタッチパネルなどに用いることができる。また、耐候性に優れている点から、例えば、建築用内・外装用部材、カーテンウォール、屋根用部材、屋根材、窓用部材、雨どい、エクステリア類、壁材、床材、造作材、道路建設用部材、再帰反射フィルム・シート、農業用フィルム・シート、照明カバー、看板、透光性遮音壁など、公知の建材用途へも特に好適に適用可能である。
本発明のフィルムは、透明性、耐熱性が高く、紫外線吸収剤を多量に添加してもブリードアウトを発生させにくいので、光学用途以外の用途として、IRカットフィルムや、防犯フィルム、飛散防止フィルム、加飾フィルム、金属加飾フィルム、太陽電池のバックシート、フレキシブル太陽電池用フロントシート、シュリンクフィルム、インモールドラベル用フィルム、ガスバリアフィルム用基材フィルムに使用することができる。
多層構造重合体を含むエマルジョンを、イオン交換水にて固形分濃度0.05質量%となるよう希釈し、ガラスプレートに展開して、乾燥することにより、個々の粒子が凝集することなくガラスプレートに存在させた。この表面に白金・パラジウムを蒸着させて、反射型電子顕微鏡にて電子顕微鏡写真を得、無作為に100個の粒子の粒子径を測定し平均化して平均粒子径とした。一方で、多層構造重合体を含むエマルジョンを固形分濃度0.05質量%に希釈し測定長さ10mmクウォーツセルにとり、500nmでの吸光度を測定した。粒子径の異なる粒子にて、上記の操作を行い、電子顕微鏡観察による平均粒子径と500nm吸光度との検量線を作成した。この検量線を用い、吸光度を測定することにより多層構造重合体の平均粒子径を求めた。
島津製作所社製ガスクロマトグラフ GC−14Aに、カラムとしてGL Sciences Inc.製 Inert CAP 1(df=0.4μm、0.25mmI.D.×60m)を繋ぎ、インジェクション温度を180℃に、検出器温度を180℃に、カラム温度を60℃(5分間保持)から昇温速度10℃/分で200℃まで昇温して、10分間保持する条件に設定して、測定を行い、この結果に基づいて重合転化率を算出した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)にて下記の条件でクロマトグラムを測定し、標準ポリスチレンの分子量に換算した値を算出した。ベースラインはGPCチャートの高分子量側のピークの傾きが保持時間の早い方から見てゼロからプラスに変化する点と、低分子量側のピークの傾きが保持時間の早い方から見てマイナスからゼロに変化する点を結んだ線とした。
GPC装置 :東ソー株式会社製、HLC−8320
検出器 :示差屈折率検出器
カラム :東ソー株式会社製のTSKgel SuperMultipore HZM−Mの2本とSuperHZ4000を直列に繋いだものを用いた。
溶離剤 :テトラヒドロフラン
溶離剤流量 :0.35ml/分
カラム温度 :40℃
検量線 :標準ポリスチレン10点のデータを用いて作成
メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂およびメタクリル樹脂組成物を、JIS K7121に準拠して、示差走査熱量測定装置(島津製作所製、DSC−50(品番))を用いて、230℃まで1回目の昇温をし、次いで室温まで冷却し、その後、室温から230℃までを10℃/分で2回目の昇温をさせる条件にてDSC曲線を測定した。2回目の昇温時に測定されるDSC曲線から求められる中間点ガラス転移温度を本発明におけるガラス転移温度とした。
未延伸フィルムの両端を手で持って、軽く張力をかけた際の状態を評価した。
A:未延伸フィルムの外観に変化はなく、得られたままの状態を保持できた。
B:未延伸フィルムがもろく、ひび割れてしまった。
未延伸フィルムの表面を目視により観察し、以下の基準で表面平滑性を評価した。
A:表面が平滑である。
B:表面に凹凸がある。
メタクリル樹脂組成物を熱プレスして、3.2mm厚の成形体を形成し、その全光線透過率をJIS K7361−1に準じて、ヘーズメータ(村上色彩研究所製、HM−150)を用いて測定した。
メタクリル樹脂組成物を熱プレスして、3.2mm厚の成形体を成形し、そのヘーズをJISK7136に準拠して、ヘーズメータ(村上色彩研究所製、HM−150)を用いて測定した。
メタクリル樹脂組成物をOptical Control System社製の製膜機(型式FS−5)にて、シリンダおよびTダイの温度290℃、リップ間隙0.5mm、吐出量2.7kg/hr、ロール温度85℃、フィルム引取り速度2.2m/分で押出し、フィルム厚さ100μmに調整し、製膜時のロール汚れを観察した。ロール汚れはフィルムが通過する金属ロール表面を目視で観察し、製膜開始からブリードアウト物質が転写してロール全面に白もやが発生するまでの時間で評価した。
また、製膜開始から3時間経過したときに得られた未延伸フィルムから100mm×60mmの試験片を切出し、その外観を、以下の基準で目視評価した。
A:欠点が100個未満
B:欠点が100個以上
アクリル系多層構造重合体(A-1)の製造
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、単量体導入管および還流冷却器を備えた反応器内に、イオン交換水1050質量部、ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム0.3質量部および炭酸ナトリウム0.7質量部を仕込み、反応器内を窒素ガスで十分に置換した。次いで内温を80℃にした。そこに、過硫酸カリウム0.25質量部を投入し、5分間撹拌した。これに、メタクリル酸メチル95.4質量%、アクリル酸メチル4.4質量%およびメタクリル酸アリル0.2質量%からなる単量体混合物245質量部を60分間かけて連続的に滴下した。滴下終了後、重合転化率が98%以上になるようにさらに30分間重合反応を行った。
次いで、同反応器内に、過硫酸カリウム0.32質量部を投入して5分間撹拌した。その後、アクリル酸ブチル80.5質量%、スチレン17.5質量%およびメタクリル酸アリル2質量%からなる単量体混合物315質量部を60分間かけて連続的に滴下した。滴下終了後、重合転化率が98%以上になるようにさらに30分間重合反応を行った。
次に、同反応器内に、過硫酸カリウム0.14質量部を投入して5分間撹拌した。その後、メタクリル酸メチル95.2質量%、アクリル酸メチル4.4質量%およびn−オクチルメルカプタン0.4質量%からなる単量体混合物140質量部を30分間かけて連続的に滴下した。滴下終了後、重合転化率が98%以上になるようにさらに60分間重合反応を行った。以上の操作によって、平均粒子径が0.23μmであるアクリル系多層構造重合体(A-1)を含むエマルジョンを得た。このエマルジョンを凍結させた後、凍結エマルジョンの2倍量の80℃温水に加えて融解してスラリーとした。その後、20分間80℃に保持した後、脱水し、80℃で乾燥してアクリル系多層構造重合体(A-1)凝固物のパウダーを得た。
アクリル系多層構造重合体(A-2)の製造
撹拌機、温度計、窒素ガス導入部、単量体導入管および還流冷却器を備えた反応器内に、脱イオン水1050質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1質量部および炭酸ナトリウム0.05質量部を仕込み、容器内を窒素ガスで十分に置換して実質的に酸素がない状態にした後、内温を80℃に設定した。そこに、過硫酸カリウム0.01質量部を投入し、5分間撹拌した後、メタクリル酸メチル49.9質量%、アクリル酸n−ブチル49.9質量%およびメタクリル酸アリル0.2質量%からなる単量体混合物26.3質量部を20分かけて連続的に滴下供給し、添加終了後、重合率が98%以上になるようにさらに30分間重合反応を行った。
次いで、同反応器内に、過硫酸カリウム3%水溶液を0.05質量部を投入して5分間撹拌した後、メタクリル酸メチル4.99質量%、アクリル酸n−ブチル93.53質量%およびメタクリル酸アリル1.47質量%からなる単量体混合物157.4質量部を40分間かけて連続的に滴下供給した。添加終了後、重合率が98%以上になるようにさらに30分間重合反応を行った。
次に、同反応器内に、過硫酸カリウム3%水溶液を0.5質量部を投入して5分間撹拌した後、メタクリル酸メチル87.34質量%、アクリル酸n−ブチル12.48質量%およびn−オクチルメルカプタン(連鎖移動剤)0.18質量%を含む単量体混合物341質量部を100分間かけて連続的に滴下供給し、添加終了後、重合率が98%以上になるようにさらに60分間重合反応を行って、平均粒子径が0.09μmであるアクリル系多層構造重合体(A-2)を含むエマルジョンを得た。
続いて、アクリル系多層構造重合体(A-2)を含むエマルジョンを−30℃で4時間かけて凍結させた。凍結したエマルジョンの2倍量の80℃温水に凍結エマルジョンを投入、溶解してスラリーとした後、20分間80℃に保持した後、脱水し、70℃で乾燥してアクリル系多層構造重合体(A-2)凝固物のパウダーを得た。
メタクリル樹脂〔AY-1〕の製造
撹拌機および採取管が取り付けられたオートクレーブ内を窒素で置換した。これに、精製されたメタクリル酸メチル100質量部、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル(水素引抜能:1%、1時間半減期温度:83℃)0.0054質量部、およびn−オクチルメルカプタン0.203質量部を入れ、撹拌して、原料液を得た。かかる原料液中に窒素を送り込み、原料液中の溶存酸素を除去した。
オートクレーブと配管で接続された槽型反応器に容量の2/3まで原料液を入れた。温度を140℃に維持して先ずバッチ方式で重合反応を開始させた。重合転化率が55質量%になったところで、平均滞留時間150分となる流量で、原料液をオートクレーブから槽型反応器に供給し、且つ原料液の供給流量に相当する流量で、反応液を槽型反応器から抜き出して、温度140℃に維持し、連続流通方式の重合反応に切り替えた。切り替え後、定常状態における重合転化率は48質量%であった。
定常状態になった槽型反応器から抜き出される反応液を、平均滞留時間2分間となる流量で内温230℃の多管式熱交換器に供給して加温した。次いで加温された反応液をフラッシュ蒸発器に導入し、未反応単量体を主成分とする揮発分を除去して、溶融樹脂を得た。揮発分が除去された溶融樹脂を内温260℃の二軸押出機に供給してストランド状に吐出し、ペレタイザーでカットして、ペレット状の、重量平均分子量Mwが101000で、分子量分布Mw/Mnが1.87で、シンジオタクティシティ(rr)が52%で、ガラス転移温度が120℃で、且つメタクリル酸メチルに由来する構造単位の含有量が100質量%であるメタクリル樹脂〔AY-1〕を得た。メタクリル樹脂〔AY-1〕はアセトンに可溶であった。
B-a:2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ−3−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン(ADEKA社製;LA−F70)
B-b:2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−t−オクチルフェノール](ADEKA社製;LA−31)
ジブロック共重合体〔C-B2-a〕の製造
内部を脱気し、窒素で置換した三口フラスコに、室温にて乾燥トルエン735kgと、1,2−ジメトキシエタン36.75kgと、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム20molを含有するトルエン溶液39.4kgとを入れた。これにsec−ブチルリチウム1.17molを加えた。さらにこれにメタクリル酸メチル39.0kgを加え、室温で1時間反応させてメタクリル酸メチル重合体を含む反応液を得た。第1重合体ブロックであるメタクリル酸メチル重合体の重量平均分子量Mwは45800であった。
トリブロック共重合体〔C-B2-b〕の製造
内部を脱気し、窒素で置換した三口フラスコに、室温にて乾燥トルエン2003kgと、1,2−ジメトキシエタン100.15kgと、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム20molを含有するトルエン溶液51.5kgとを入れた。これにsec−ブチルリチウム1.13molを加えた。さらにこれにメタクリル酸メチル34.3kgを加え、室温で1時間重合反応させてメタクリル酸メチル重合体を含む反応液を得た。第1重合体ブロックであるメタクリル酸メチル重合体の重量平均分子量Mwは6000であった。
トリブロック共重合体〔C-B2-c〕の製造
メタクリル酸メチルの量を124.7kgに変えた以外は、製造例5と同じ方法で、第1重合体ブロックであるメタクリル酸メチル重合体を含む反応液を得た。第1重合体ブロックは重量平均分子量Mwが22000であった。
ジブロック共重合体〔C-B2-d〕の製造
メタクリル酸メチルの量を変えた以外は、製造例4と同じ方法で、第1重合体ブロックであるメタクリル酸メチル重合体を含む反応液を得た。第1重合体ブロックは重量平均分子量Mwが28000であった。
トリブロック共重合体〔C-B1-e〕の製造)
窒素置換した攪拌装置付き耐圧容器に、α−メチルスチレン90.9kg、シクロヘキサン138kg、メチルシクロヘキサン15.2kgおよびテトラヒドロフラン3.1kgを仕込んだ。この混合液にsec−ブチルリチウム(1.3Mシクロヘキサン溶液)9.4Lを添加し、−10℃で3時間重合させて、第1重合体ブロックであるα−メチルスチレン重合体を含む反応液を得た。第1重合体ブロックは重量平均分子量が13100であった。
C-G2-a:ポリカーボネート(主鎖)とスチレン−アクリロニトリル−メタクリル酸グリシジル共重合体(側鎖)とのグラフト共重合体(日油(株)製「モディパーCL430G」、重量平均分子量Mw=93000、分子量分布Mw/Mn=4.9)
C-G3-a:エチレン−メタクリル酸グリシジル共重合体(主鎖)とアクリル酸ブチル−メタクリル酸メチル共重合体(側鎖)とのグラフト共重合体(日油(株)製「モディパーA4300」、重量平均分子量Mw=35000、分子量分布Mw/Mn=2.1)
C-G3-b:エチレン−メタクリル酸グリシジル共重合体(主鎖)とスチレン−アクリロニトリル共重合体(側鎖)とのグラフト共重合体(日油(株)製「モディパーA4400」、重量平均分子量Mw=47000、分子量分布Mw/Mn=2.9)
F-1:株式会社三菱レイヨン社製メタブレンP550A(平均重合度:7734、MMA88質量%/BA12質量%)
F-2:株式会社クレハ社製パラロイドK125P(平均重合度:19874、MMA79質量%/BA21質量%)
多層構造重合体(A-1)20質量部、メタクリル樹脂(AY-1)80質量部、紫外線吸収剤〔B-b〕2質量部、ブロック共重合体〔C-B2-a〕1質量部、及び加工助剤〔F-2〕2質量部を混ぜ合わせ、二軸押出機((株)テクノベル製、商品名:KZW20TW−45MG−NH−600)で250℃にて混練押出してメタクリル樹脂組成物〔1〕を得た。
多層構造重合体(A-1)20質量部およびメタクリル樹脂(AY-1)80質量部を混ぜ合わせ混練して得たメタクリル樹脂(A)をアセトンに溶解したところ、アセトン不溶成分〔AX〕/アセトン可溶成分〔AY〕=19質量%/81質量%であった。メタクリル樹脂(A)の重量平均分子量Mwは、10.5万であった。
メタクリル樹脂組成物〔1〕を熱プレス成形して50mm×50mm×3.2mmの板状成形体を形成し、全光線透過率、およびヘーズを測定した。メタクリル樹脂組成物〔1〕の物性を表3に示す。
メタクリル樹脂組成物〔1〕を、80℃で12時間乾燥させた。20mmφ単軸押出機(OCS社製)を用いて、樹脂温度260℃にて、メタクリル樹脂組成物〔1〕を150mm幅のTダイから押し出し、それを表面温度85℃のロールにて引き取り、幅110mm、厚さ60μmの未延伸フィルムを得た。製造されたフィルムについての表面平滑性と強度の評価結果を表3に示す。また、別途(ロール汚れ)の項で述べた方法で製膜をし、評価を行った。評価結果を表3に示す。
多層構造重合体(A-1)の量を16質量部、メタクリル樹脂(AY-1)の量を84質量部に変えた以外は、実施例1と同じ方法でメタクリル樹脂組成物〔2〕を得た。実施例1と同じ方法でメタクリル樹脂組成物〔2〕を評価した。評価結果を表3に示す。
多層構造重合体(A-1)16質量部およびメタクリル樹脂(AY-1)84質量部を混ぜ合わせ混練して得たメタクリル樹脂(A)をアセトンに浸漬したところ、アセトン不溶成分〔AX〕/アセトン可溶成分〔AY〕=15質量%/85質量%であった。
多層構造重合体(A-2)80質量部、メタクリル樹脂(AY-1)20質量部、紫外線吸収剤〔B-b〕2質量部、およびブロック共重合体〔C-B2-a〕1質量部を混ぜ合わせ、二軸押出機((株)テクノベル製、商品名:KZW20TW−45MG−NH−600)で250℃にて混練押出してメタクリル樹脂組成物〔3〕を得た。実施例1と同じ方法でメタクリル樹脂組成物〔3〕を評価した。評価結果を表3に示す。
多層構造重合体(A-2)80質量部およびメタクリル樹脂(AY-1)20質量部を混ぜ合わせ混練して得たメタクリル樹脂(A)をアセトンに浸漬したところ、アセトン不溶成分〔AX〕/アセトン可溶成分〔AY〕=55質量%/45質量%であった。
多層構造重合体(A-2)100質量部、紫外線吸収剤〔B-b〕2質量部、およびブロック共重合体〔C-B2-a〕1質量部を混ぜ合わせ、二軸押出機((株)テクノベル製、商品名:KZW20TW−45MG−NH−600)で250℃にて混練押出してメタクリル樹脂組成物〔4〕を得た。実施例1と同じ方法でメタクリル樹脂組成物〔4〕を評価した。評価結果を表3に示す。
各成分を表3に示す種類と使用量に変えた以外は、実施例1と同じ方法でメタクリル樹脂組成物〔5〕〜〔24〕を得た。実施例1と同じ方法でメタクリル樹脂組成物〔5〕〜〔24〕を評価した。評価結果を表3に示す。
Claims (15)
- メタクリル樹脂〔A〕75〜99.8質量%と、紫外線吸収剤〔B〕0.1〜15質量%と、化合物〔C〕0.1〜10質量%とを含有してなり、
メタクリル樹脂〔A〕は架橋ゴム成分を含み、且つ
化合物〔C〕は重量平均分子量3.2万〜30万のブロック共重合体または重量平均分子量3.2万〜30万のグラフト共重合体からなる、
メタクリル樹脂組成物。 - メタクリル樹脂〔A〕はアセトン不溶成分とアセトン可溶成分を含み、前記の架橋ゴム成分がアセトン不溶成分を含むものである、請求項1に記載のメタクリル樹脂組成物。
- アセトン可溶成分が、メタクリル酸メチルに由来する構造単位を90質量%以上含有する重合体である、請求項2に記載のメタクリル樹脂組成物。
- アセトン可溶成分が、重量平均分子量5万〜20万の重合体である、請求項2または3に記載のメタクリル樹脂組成物。
- 紫外線吸収剤〔B〕が、ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物またはトリアジン骨格を有する化合物である、請求項1〜4のいずれか1つに記載のメタクリル樹脂組成物。
- 化合物〔C〕がブロック共重合体であり、
該ブロック共重合体が、メタクリル酸エステルに由来する構造単位を主に有する重合体ブロック〔c1〕10〜80質量%とアクリル酸エステルに由来する構造単位を主に有する重合体ブロック〔c2〕20〜90質量%(ただし重合体ブロック〔c1〕と重合体ブロック〔c2〕の合計を100質量%とする)とを含有して成るものである、請求項1〜5のいずれか1つに記載のメタクリル樹脂組成物。 - 化合物〔C〕がブロック共重合体であり、
該ブロック共重合体が、スチレン系重合体ブロック〔c3〕10〜80質量%と水素添加共役ジエン重合体ブロック〔c4〕20〜90質量%(ただし重合体ブロック〔c3〕と重合体ブロック〔c4〕の合計を100質量%とする)とを含有して成るものである、請求項1〜5のいずれか1つに記載のメタクリル樹脂組成物。 - 化合物〔C〕がグラフト共重合体であり、
該グラフト共重合体は、主鎖または少なくとも1つのグラフト側鎖が、メタクリル酸メチルに由来する構造単位を90質量%以上含有する重合体、スチレンに由来する構造単位とアクリロニトリルに由来する構造単位とを含有する重合体、スチレンに由来する構造単位と無水マレイン酸に由来する構造単位とを含有する重合体、スチレンに由来する構造単位と無水マレイン酸に由来する構造単位とメタクリル酸メチルに由来する構造単位とを含有する重合体、スチレン、α−メチルスチレンまたはパラメチルスチレンに由来する構造単位のいずれかを含有する重合体、またはポリビニルブチラールからなるものである、請求項1〜5のいずれか1つに記載のメタクリル樹脂組成物。 - 化合物〔C〕がグラフト共重合体であり、
該グラフト共重合体は、主鎖がポリカーボネートからなるものであり、
グラフト側鎖が、芳香族ビニルに由来する構造単位を主に含有する重合体、芳香族ビニルに由来する構造単位とアクリロニトリルに由来する構造単位とを含有する重合体、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位を主に含有する重合体、または芳香族ビニルに由来する構造単位とアクリロニトリルに由来する構造単位と(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位とを含有する重合体からなるものである、請求項1〜5のいずれか1つに記載のメタクリル樹脂組成物。 - 化合物〔C〕がグラフト共重合体であり、
該グラフト共重合体は、主鎖がポリオレフィンからなるものであり、
グラフト側鎖が、芳香族ビニルに由来する構造単位を主に含有する重合体、芳香族ビニルに由来する構造単位とアクリロニトリルに由来する構造単位とを含有する重合体、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位を主に含有する重合体、または芳香族ビニルに由来する構造単位とアクリロニトリルに由来する構造単位と(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位とを含有する重合体からなるものである、請求項1〜5のいずれか1つに記載のメタクリル樹脂組成物。 - 請求項1〜10のいずれか1つに記載のメタクリル樹脂組成物からなる成形体。
- 請求項1〜10のいずれか1つに記載のメタクリル樹脂組成物からなるフィルム。
- 厚さが10〜50μmである、請求項12に記載のフィルム。
- 請求項12または13に記載のフィルムからなる光学フィルム。
- メタクリル樹脂〔A〕75〜99.8質量%と、紫外線吸収剤〔B〕0.1〜15質量%と、化合物〔C〕0.1〜10質量%とを、溶融混練して、メタクリル樹脂組成物を得(各質量%はメタクリル樹脂組成物に対する値)、次いで該メタクリル樹脂組成物を溶融成形することを有し、
メタクリル樹脂〔A〕が架橋ゴム成分を含み、且つ
化合物〔C〕が重量平均分子量3.2万〜30万のブロック共重合体または重量平均分子量3.2万〜30万のグラフト共重合体からなる、
成形体の製造方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016205520 | 2016-10-19 | ||
JP2016205520 | 2016-10-19 | ||
PCT/JP2017/037849 WO2018074550A1 (ja) | 2016-10-19 | 2017-10-19 | メタクリル樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2018074550A1 true JPWO2018074550A1 (ja) | 2019-08-08 |
JP7009377B2 JP7009377B2 (ja) | 2022-01-25 |
Family
ID=62018588
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018545745A Active JP7009377B2 (ja) | 2016-10-19 | 2017-10-19 | メタクリル樹脂組成物 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7009377B2 (ja) |
WO (1) | WO2018074550A1 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7225258B2 (ja) * | 2018-10-04 | 2023-02-20 | 株式会社クラレ | アクリル系樹脂フィルム |
JP2020071449A (ja) * | 2018-11-02 | 2020-05-07 | コニカミノルタ株式会社 | 光学フィルムおよびそれを用いた偏光板の製造方法 |
JP7266474B2 (ja) * | 2019-06-27 | 2023-04-28 | 株式会社クラレ | メタクリル系樹脂組成物およびその成形品、フィルムの製造方法 |
CN114096608B (zh) * | 2019-06-27 | 2023-10-10 | 株式会社可乐丽 | 甲基丙烯酸类树脂组合物及其成型品、膜的制造方法 |
JP7301626B2 (ja) * | 2019-06-27 | 2023-07-03 | 株式会社クラレ | メタクリル系樹脂組成物およびその成形品、フィルムの製造方法 |
JP7301627B2 (ja) * | 2019-06-27 | 2023-07-03 | 株式会社クラレ | メタクリル系樹脂組成物およびその成形品、フィルムの製造方法 |
JPWO2021015226A1 (ja) * | 2019-07-25 | 2021-01-28 | ||
EP4082745A4 (en) * | 2019-12-27 | 2024-01-10 | Kuraray Co | METHACRYLIC RESIN COMPOSITION |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010065109A (ja) * | 2008-09-10 | 2010-03-25 | Nippon Shokubai Co Ltd | 熱可塑性樹脂組成物とそれを用いたフィルム |
JP2010111729A (ja) * | 2008-11-05 | 2010-05-20 | Nippon Shokubai Co Ltd | 熱可塑性樹脂組成物の製造方法 |
JP2013213087A (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-17 | Kaneka Corp | 熱可塑性樹脂組成物 |
WO2016080124A1 (ja) * | 2014-11-19 | 2016-05-26 | 株式会社クラレ | アクリル系フィルム |
WO2016167292A1 (ja) * | 2015-04-17 | 2016-10-20 | 株式会社クラレ | メタクリル樹脂組成物 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2514582B1 (en) * | 2009-12-15 | 2014-03-12 | Mitsubishi Rayon Co., Ltd. | Method for imparting embossed shapes to acrylic resin film |
JP6049059B2 (ja) * | 2012-10-22 | 2016-12-21 | 旭化成株式会社 | メタクリル系樹脂を含むバイザー |
JP6328499B2 (ja) * | 2014-06-23 | 2018-05-23 | 株式会社クラレ | メタクリル系樹脂組成物、成形体、樹脂フィルム、偏光子保護フィルム、および位相差フィルム |
WO2016080758A1 (ko) * | 2014-11-21 | 2016-05-26 | (주) 엘지화학 | 폴리메틸메타크릴레이트 아크릴계 공중합체 얼로이 고광택 조성물 및 성형품 |
-
2017
- 2017-10-19 JP JP2018545745A patent/JP7009377B2/ja active Active
- 2017-10-19 WO PCT/JP2017/037849 patent/WO2018074550A1/ja active Application Filing
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010065109A (ja) * | 2008-09-10 | 2010-03-25 | Nippon Shokubai Co Ltd | 熱可塑性樹脂組成物とそれを用いたフィルム |
JP2010111729A (ja) * | 2008-11-05 | 2010-05-20 | Nippon Shokubai Co Ltd | 熱可塑性樹脂組成物の製造方法 |
JP2013213087A (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-17 | Kaneka Corp | 熱可塑性樹脂組成物 |
WO2016080124A1 (ja) * | 2014-11-19 | 2016-05-26 | 株式会社クラレ | アクリル系フィルム |
WO2016167292A1 (ja) * | 2015-04-17 | 2016-10-20 | 株式会社クラレ | メタクリル樹脂組成物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP7009377B2 (ja) | 2022-01-25 |
WO2018074550A1 (ja) | 2018-04-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10619043B2 (en) | Methacrylic resin composition | |
JP7009377B2 (ja) | メタクリル樹脂組成物 | |
JP6808613B2 (ja) | メタクリル樹脂組成物 | |
JP6328499B2 (ja) | メタクリル系樹脂組成物、成形体、樹脂フィルム、偏光子保護フィルム、および位相差フィルム | |
JP6345086B2 (ja) | 樹脂組成物および成形体 | |
JP6909209B2 (ja) | メタクリル樹脂組成物および成形体 | |
WO2021193922A1 (ja) | アクリル系組成物及び成形体 | |
JPWO2018021449A1 (ja) | メタクリル樹脂組成物とその製造方法、成形体、フィルム、積層フィルム、積層成形体 | |
JP6317131B2 (ja) | メタクリル樹脂組成物からなる板状成形体 | |
JP7187482B2 (ja) | メタクリル樹脂組成物、成形体およびフィルム | |
JP7184793B2 (ja) | メタクリル樹脂、メタクリル樹脂組成物及び成形体 | |
WO2020241822A1 (ja) | メタクリル共重合体および成形品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200706 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210511 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210705 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20211228 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220112 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7009377 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |