JP2014028944A - (メタ)アクリル樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位からなる重合体ブロック(a)と共役ジエン化合物単位からなる重合体ブロック(b)とを有するブロック共重合体(B)を、メタクリル酸メチル50質量%以上100質量%未満を含有する単量体混合物(A’)に溶解して反応液を得、該反応液中の水分量を1000ppm以下にして単量体混合物(A’)をラジカル重合することを含む方法によって、(メタ)アクリル樹脂組成物を得る。
【選択図】なし
Description
偏光板用の保護フィルムとして、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムが用いられている。ところが、トリアセチルセルロースは吸湿性が高いため、トリアセチルセルロース製の保護フィルムを使用した偏光板は、高温条件下および高湿熱条件下に曝されると、偏光度や色相等が変化して、光学装置の性能を低下させることがあった。
メタクリル樹脂は透明性および耐湿熱性に優れ、複屈折も小さく光学的均質性に優れた素材である。一方で、メタクリル樹脂は脆く、張力の変動により破断しやすいという性質もある。このようなメタクリル樹脂に靱性を付与するために、メタクリル樹脂に改質剤を配合する技術が知られている。
そのような改質剤としては以下のようなものが知られている。例えば、特許文献1には乳化重合法によって製造した多層構造アクリルゴムが開示されている。特許文献2にはブタジエン−アクリル酸ブチル共重合体からなるゴム状物質が開示されている。特許文献3には部分水添共役ジエン重合体が開示されている。特許文献4には(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位と芳香族ビニル単量体単位とからなる変性ブロック共重合体が開示されている。特許文献5にはビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとからなり且つ重合体ブロックBの一部をエポキシ化してなるブロック共重合体が開示されている。特許文献6には、エチレン−酢酸ビニル共重合体などが開示されている。特許文献7には、ビニル結合に富む共役ジエン重合体成分とアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル重合体成分とからなるブロック共重合体が開示されている。特許文献8には、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位からなる重合体ブロック(a)と共役ジエン化合物単位からなる重合体ブロック(b)とを有する星型ブロック共重合体が開示されている。
本発明の目的は、靭性に優れ、ゲルコロニーや樹脂異物がきわめて少ない(メタ)アクリル樹脂組成物の製造方法を提供することである。
該反応液中の水分量を1000ppm以下にして単量体混合物(A’)をラジカル重合することを含む(メタ)アクリル樹脂組成物の製造方法。
〔2〕 前記〔1〕に記載の製造方法によって得られる(メタ)アクリル樹脂組成物。
〔3〕 メタクリル酸メチル単位80質量%以上を含有する重合体(C)をさらに含む前記〔2〕に記載の(メタ)アクリル樹脂組成物。
〔4〕 前記〔2〕または〔3〕に記載の(メタ)アクリル樹脂組成物からなる光学フィルム。
該星型ブロック共重合体は、重合体ブロック(a)および/または重合体ブロック(b)を少なくとも有する腕重合体ブロックを含有してなるものであり、且つゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により算出したポリスチレン換算の数平均分子量が、〔星型ブロック共重合体の数平均分子量〕/〔腕重合体ブロックの数平均分子量〕>2を満たす前記〔4〕に記載の光学フィルム。
〔6〕 星型ブロック共重合体(B)が、化学構造式:
(重合体ブロック(b)−重合体ブロック(a)−)nX
(式中、Xはカップリング剤残基、nは2を超える数を表す。)で表されるものである前記〔5〕に記載の光学フィルム。
〔7〕 紫外線吸収剤をさらに含有する前記〔4〕〜〔6〕のいずれかひとつに記載の光学フィルム。
〔8〕 防眩処理および/または反射防止処理を施してなる前記〔4〕〜〔7〕のいずれかひとつに記載のフィルム。
〔9〕 偏光フィルムと、それの少なくとも一方の面に貼り合せられた前記〔4〕〜〔8〕のいずれかひとつに記載のフィルムとを有する偏光板。
本発明に用いられるブロック共重合体(B)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位からなる重合体ブロック(a)と共役ジエン化合物単位からなる重合体ブロック(b)とを有するものである。なお、「(メタ)アクリル」は「メタクリルまたはアクリル」を省略記載したものである。ブロック共重合体(B)は、重合体ブロック(a)および/または重合体ブロック(b)のガラス転移温度が、好ましくは0℃以下、より好ましくは−10℃以下である。
V0=〔(C0/2)/{(C0/2)+(D0−(C0/2))/2}〕×100
該星型ブロック共重合体は、例えば、化学構造式:
(腕重合体ブロック−)nX
(式中、Xはカップリング剤残基、nは2を超える数を表す。)で表すことができる。
(重合体ブロック(b)−重合体ブロック(a)−)nX、または
(重合体ブロック(a)−重合体ブロック(b)−)nX
(式中、Xはカップリング剤残基、nは2を超える数を表す。)で表される星型ブロック共重合体を含有するものが好ましく、
化学構造式:
(重合体ブロック(b)−重合体ブロック(a)−)nX
(式中、Xはカップリング剤残基、nは2を超える数を表す。)で表される星型ブロック共重合体を含有するものがより好ましい。
〔星型ブロック共重合体の数平均分子量〕/〔腕重合体ブロックの数平均分子量〕>2を満たすものである。
なお、〔星型ブロック共重合体の数平均分子量〕/〔腕重合体ブロックの数平均分子量〕の比は腕数と呼ばれることがある。
星型ブロック共重合体の数平均分子量が、腕重合体ブロックの数平均分子量の2倍を超える範囲にすることで、メタクリル樹脂中に分散した星型ブロック共重合体(B)の粒子のせん断に対する機械的強度が高くなり、所望の耐衝撃性能を得ることができるようになる。なお、星型ブロック共重合体の数平均分子量が、腕重合体ブロックの数平均分子量の100倍より大きいものは合成が難しいので、工業的に好ましい星型ブロック共重合体(B)の数平均分子量は、腕重合体ブロックの数平均分子量の2倍より大きく且つ100倍以下であり、より好ましくは2.5〜50倍であり、さらに好ましくは3〜10倍である。
なお、本発明に用いるブロック共重合体(B)は、上記のような星型ブロック共重合体以外に、当該星型ブロック共重合体の構成原料である腕重合体ブロックがカップリング剤残基で連結されずにそのままの状態で残っていてもよい。
一般式:AlR1R2R3
(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基またはN,N−二置換アミノ基を表すか、またはR1が前記したいずれかの基を表し、R2およびR3は一緒になって置換基を有してもよいアリーレンジオキシ基を表す。)で表されるものが挙げられる。
本発明に用いられる単量体混合物(A’)は、メタクリル酸メチルを50質量%以上100質量%未満、好ましくは80質量%以上100質量%未満、より好ましくは80質量%以上96質量%以下を含むものである。この単量体混合物(A’)のラジカル重合で得られる重合体を(メタ)アクリル樹脂(A)と呼ぶことがある。
本発明の製造方法に用いられる単量体混合物(A’)は、イエロインデックスが2以下であることが好ましく、1以下であることがより好ましい。単量体のイエロインデックスが小さいと、得られる(メタ)アクリル樹脂組成物を成形した場合に、着色が殆んどない成形品が高い生産効率で得られやすい。後述するように単量体混合物(A’)の重合において重合転化率をあまり高くしない場合、未反応の単量体が重合反応液中に残る。未反応単量体は重合反応液から回収して再び重合反応に使用することができる。回収された単量体のイエロインデックスは回収時などに加えられる熱によって高くなることがある。回収された単量体は、適切な方法で精製して、イエロインデックスを小さくすることが好ましい。なお、イエロインデックスは、日本電色工業株式会社製の測色色差計ZE−2000を用い、JIS Z−8722に準拠して測定した値である。
塊状重合または溶液重合を行うための装置としては、攪拌機付きの槽型反応器、攪拌機付きの管型反応器、静的攪拌能力を有する管型反応器等が挙げられる。これら装置は、1基以上であっても良く、また、同種のまたは異種の反応器2基以上を並列または直列に繋いでなるものでもよい。また、重合は回分式または連続式のどちらであっても良い。連続式塊状重合または連続式溶液重合においては、重合反応器における重合転化率が好ましくは85質量%以上、より好ましくは90質量%以上になるように反応原料液の供給量、反応生成液の抜出量、平均滞留時間を設定することが好ましい。槽型反応器には、通常、反応槽内の液を撹拌するための撹拌手段、単量体混合物(A’)や重合副資材などを反応槽に供給するための供給部、反応槽から反応生成物を抜き出すための抜出部とを有する。連続流通式の反応では、反応槽に供給する量と反応槽から抜き出す量とをバランスさせて、反応槽内の液量がほぼ一定になるようにする。反応槽内の液量は、反応槽の容積に対して、好ましくは1/4以上、より好ましくは1/4〜3/4、さらに好ましくは1/3〜2/3である。
さらに、(メタ)アクリル樹脂(A)は、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が、好ましくは1.9〜3.0、より好ましくは2.1〜2.8、特に好ましくは2.2〜2.7である。分子量分布が小さすぎると(メタ)アクリル樹脂組成物の成形加工性が低下傾向になる。逆に分子量分布が大きすぎると(メタ)アクリル樹脂組成物から得られる成形品の耐衝撃性が低下傾向になる。
なお、重量平均分子量および数平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)で測定した標準ポリスチレン換算の分子量である。メタクリル系樹脂の分子量や分子量分布は、重合開始剤および連鎖移動剤の種類や量などを調整することによって制御できる。
ドメインの大きさ(ドメインの平均径)は特に限定されないが、好ましくは0.05〜2.0μm、より好ましくは0.1〜1.0μmである。ドメインの平均径が小さいと耐衝撃性が低下傾向になり、ドメインの平均径が大きいと剛性が低下傾向になり、又透明性が低下傾向になる。なお、ドメインの構造および平均径は、超薄切片法により切り出した切片の透過型電子顕微鏡写真によって確認することができる。
添加剤としては、酸化防止剤、熱劣化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、離型剤、高分子加工助剤、帯電防止剤、難燃剤、染顔料、光拡散剤、有機色素、艶消し剤、耐衝撃性改質剤、蛍光体などが挙げられる。
リン系酸化防止剤とヒンダードフェノール系酸化防止剤とを併用する場合、その割合は特に制限されないが、リン系酸化防止剤/ヒンダードフェノール系酸化防止剤の質量比で、好ましくは1/5〜2/1、より好ましくは1/2〜1/1である。
該熱劣化防止剤としては、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(住友化学社製;商品名スミライザーGM)、2,4−ジ−t−アミル−6−(3’,5’−ジ−t−アミル−2’−ヒドロキシ−α−メチルベンジル)フェニルアクリレート(住友化学社製;商品名スミライザーGS)などが好ましい。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類、トリアジン類、ベンゾエート類、サリシレート類、シアノアクリレート類、蓚酸アニリド類、マロン酸エステル類、ホルムアミジン類、アクリロニトリル類などが挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、ベンゾトリアゾール類、または波長380〜450nmにおけるモル吸光係数の最大値εmaxが1200dm3・mol-1cm-1以下である紫外線吸収剤が好ましい。
これら紫外線吸収剤は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
該重合体粒子は、単一組成比および単一極限粘度の重合体からなる単層粒子であってもよいし、また組成比または極限粘度の異なる2種以上の重合体からなる多層粒子であってもよい。この中でも、内層に低い極限粘度を有する重合体層を有し、外層に5dl/g以上の高い極限粘度を有する重合体層を有する2層構造の粒子が好ましいものとして挙げられる。
光拡散剤や艶消し剤としては、ガラス微粒子、ポリシロキサン系架橋微粒子、架橋ポリマー微粒子、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどが挙げられる。
蛍光体として、蛍光顔料、蛍光染料、蛍光白色染料、蛍光増白剤、蛍光漂白剤などが挙げられる。
さらに、本発明の(メタ)アクリル樹脂組成物は、ハイインパクトポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂等の他の樹脂と混合して使用することができる。
本発明の一実施形態の光学部材またはフィルムは、(メタ)アクリル樹脂組成物を含有してなるものである。光学部材またはフィルムは、公知の成形法、例えば、押出成形法、射出成形法などによって得ることができる。具体的には、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ブラベンダー、各種ニーダー等の溶融混練機を用いて(メタ)アクリル樹脂組成物を溶融混練し、次いでTダイ、円形ダイ等の型が装着された押出成形機等を用いて成形することによってフィルムなどを得ることができる。また、本発明のフィルムは、ブロー成形、インジェクションブロー成形、インフレーション成形、発泡成形、キャスト成形等で得ることもでき、さらに圧空成形、真空成形等の二次加工成形法を用いることもできる。得られたフィルムは用途に応じて延伸処理したり、表面処理したりすることができる。
本発明の一実施形態のフィルムは、23℃環境下の光弾性係数の絶対値が、好ましくは8.0×10-12Pa-1以下、より好ましくは6.0×10-12Pa-1以下、さらに好ましくは5.0×10-12Pa-1以下である。光弾性係数が上記範囲内であると、応力による複屈折の変化が少ないため、液晶表示装置等に使用した場合にコントラストや画面の均一性に優れる傾向がある。
CR=Δn/σR
ここで、σRは伸張応力[Pa]、Δnは応力付加時の複屈折であり、Δnは下式により定義される。
Δn=n1−n2
(式中、n1は伸張方向と平行な方向の屈折率、n2は伸張方向と垂直な方向の屈折率である。)
ここで、光弾性係数の値がゼロに近いほど、外力による複屈折の変化が小さいことを示す。光学フィルムの光弾性係数は、単量体混合物の単量体組成比を変化させること等により制御することができる。
ここで、面内方向レターデーション(Re)と厚さ方向レターデーション(Rth)およびNz係数は下式により定義される。
Re =(nx−ny)×d
Rth=((nx+ny)/2)−nz)×d
Nz =(nx−nz)/|(nx−ny)|
(式中、nx:フィルム面内において屈折率が最大となる方向をxとした場合のx方向の屈折率、ny:フィルム面内においてx方向に垂直な方向をyとした場合のy方向の屈折率、nz:フィルム厚さ方向の屈折率、d:フィルムの厚さ(nm)である。)
本発明の一実施形態のフィルムを偏光板用保護フィルムとして用いる場合は、帯電防止機能を表面処理によって付与することができる。また、光学フィルムに必要に応じて組み込まれる粘着剤層などの他の部材に帯電防止機能を付与してもよい。
本発明に係る偏光板は、偏光フィルムと、それの少なくとも一方の面に貼り合せられた本発明に係るフィルムとを有するものである。
本発明に用いられる偏光フィルムは、特に制限されない。偏光フィルムは、例えば、ポリビニルアルコールにヨウ素や染料などを添加し、それを成形してフィルムにし、該フィルムを延伸して分子配向させることによって得ることができる。
偏光板に求められる特性などに応じて、偏光フィルムの両面に本発明のフィルムを貼り合わせてもよいし、偏光フィルムの一方の面に本発明のフィルムを貼り合わせ且つ偏光フィルムの他方の面に他の樹脂からなるフィルムを貼り合わせてもよい。
実施例および比較例における物性値の測定等は以下の方法によって実施した。
京都電子工業株式会社製カールフィッシャー(KMA−210)を使用して水分測定を行った。
島津製作所社製ガスクロマトグラフ GC−14Aに、カラムとしてGL Sciences Inc.製 INERT CAP 1(df=0.4μm、0.25mmI.D.×60m)を繋ぎ、injection温度を180℃に、detector温度を180℃に、カラム温度を60℃(5分間保持)→昇温速度10℃/分→200℃(10分間保持)に設定して、分析を行い、それに基づいて算出した。
JIS−K7191に準じて測定した。
樹脂組成物をOptical Control System社製ブツカウンター(型式FS−5)にて、シリンダおよびTダイ温度260℃、リップ間隙0.5mmで押出し、フィルム厚さ75μmに調整し、欠点を検出した。検出された核有り欠点の内、核となる異物であって四酸化オスミウムで染色されない無色透明な異物を重合中で生成した未溶融樹脂異物とした。比較例1(重合系内の水分量が1500ppm)の樹脂組成物を用いて上記未溶融樹脂異物由来の欠点総数を100として、実施例、比較例における相対的な欠点数を以下の基準で評価した。
○:未溶融樹脂異物を有する核有り欠点数が、比較例1の核有り欠点数の50%未満
△:未溶融樹脂異物を有する核有り欠点数が、比較例1の核有り欠点数の50%以上100%未満
×:未溶融樹脂異物を有する核有り欠点数が、比較例1の核有り欠点数の100%以上
各フィルムの中央部の厚さをマイクロメーター(ミツトヨ株式会社製)を用いて測定した。
各フィルムのヘイズ値をJIS−K7136に準じて測定した。
JIS−K7128に準じて測定した。
(1)攪拌機付1.5リットルのオートクレーブ容器に、トルエン640mlおよび1,2−ジメトキシエタン0.009mlを投入し、20分間窒素パージを行った。そこに濃度1.3mol/lのsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液2.86mlを加え、次いで1,3−ブタジエン71.1mlを加えて、30℃で1.5時間反応させ、1,3−ブタジエン重合体を含む反応混合物を得た。得られた反応混合物の一部をサンプリング分析した結果、該反応混合物中の1,3−ブタジエン重合体は、数平均分子量(Mn)が23,000、分子量分布(Mw/Mn)が1.06、側鎖ビニル結合量が30mol%であった。
(7)前記抽出により不純物が除去されたブロック共重合体(B−1)のトルエン溶液を、80℃に加熱し、減圧下でトルエンの一部を留去し、トルエン溶液中のブロック共重合体の濃度が30質量%となる様に調整し、ブロック共重合体(B−1)のトルエン溶液を得た。
(1)1,6−ヘキサンジオールジアクリレートを加えなかったこと以外は合成例1と同じ操作を行った。1,3−ブタジエン重合体は、数平均分子量(Mn)が23,000、分子量分布(Mw/Mn)が1.06、側鎖ビニル結合量が30mol%であった。また、ブタジエン−アクリル酸n−ブチルジブロック共重合体は数平均分子量が41,000であり、その重量平均分子量/数平均分子量の比(Mw/Mn)が1.02であった。
攪拌機および採取管付オートクレーブに、メタクリル酸メチル55.5質量部、アクリル酸メチル5.0質量部、合成例1で得られた星型ブロック共重合体(B−1)のトルエン溶液33質量部、およびトルエン7質量部を仕込み攪拌混合した。その後、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.03質量部、およびn−ドデシルメルカプタン0.2質量部を加え、均一に溶解させた。窒素により反応系内の酸素を追い出した。この反応液に吸着剤(水澤化学工業社製:ミズカシーブス)を加え水分を吸着させた。その後2μmのフィルターで吸着剤を取り除いた。この反応液はカールフィッシャー測定による水分量が250ppmであった。
この反応液を115℃に昇温し、2.5時間溶液重合させた。重合転化率は60質量%であった。
これを真空乾燥して未反応単量体およびトルエンを除去し、(メタ)アクリル樹脂組成物を得た。乾燥させた(メタ)アクリル樹脂組成物を株式会社テクノベル社製2軸押出機KZW20TW−45MG−NH−600を用いてペレット化した。
該ペレットを用いてフィルム成形を行った。評価結果を表2に示す。
実施例1で得られたペレット100質量部と(メタ)アクリル樹脂(C)(クラレ社製パラペットEH−S)200質量部を株式会社テクノベル社製2軸押出機KZW20TW−45MG−NH−600を用いて混練しペレット化した。
該ペレットを用いてフィルム成形を行った。評価結果を表2に示す。
攪拌機および採取管付オートクレーブに、メタクリル酸メチル61.7質量部、アクリル酸メチル5.0質量部、合成例1で得られた星型ブロック共重合体(B−1)のトルエン溶液11.1質量部、およびトルエン22.2質量部を仕込み攪拌混合した。その後、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.03質量部、およびn−ドデシルメルカプタン0.2質量部を加え、均一に溶解させた。窒素により反応系内の酸素を追い出した。反応液はカールフィッシャー測定による水分量が500ppmであった。115℃で2.5時間溶液重合させた。重合転化率は60質量%であった。
次いで、反応液に1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.08質量部を加え、120℃で2時間溶液重合させた。重合転化率は95質量%であった。
これを真空乾燥して未反応単量体およびトルエンを除去し、(メタ)アクリル樹脂組成物を得た。乾燥させた(メタ)アクリル樹脂組成物を株式会社テクノベル社製2軸押出機KZW20TW−45MG−NH−600を用いてペレット化した。
該ペレットを用いてフィルム成形を行った。評価結果を表2に示す。
合成例1で得られた星型ブロック共重合体(B−1)のトルエン溶液を合成例2で得られた星型ブロック共重合体(B−2)のトルエン溶液に変更した以外は実施例1と同じ手法で(メタ)アクリル樹脂組成物のペレットを得た。反応液はカールフィッシャー測定による水分量が690ppmであった。
該ペレットを用いてフィルム成形を行った。評価結果を表2に示す。
反応液に吸着剤を加えなかったこと以外は実施例1と同じ手法で(メタ)アクリル樹脂組成物のペレットを得た。反応液はカールフィッシャー測定による水分量が1500ppmであった。
該ペレットを用いてフィルム成形を行った。評価結果を表2に示す。
比較例1で得られたペレット100質量部とクラレ社製パラペットEH−S200質量部を株式会社テクノベル社製2軸押出機KZW20TW−45MG−NH−600を用いてペレット化した。
該ペレットを用いてフィルム成形を行った。評価結果を表2に示す。
反応液に吸着剤を加えなかったこと以外は実施例4と同じ手法で(メタ)アクリル樹脂組成物のペレットを得た。反応液はカールフィッシャー測定による水分量が2100ppmであった。
該ペレットを用いてフィルム成形を行った。評価結果を表2に示す。
Claims (9)
- (メタ)アクリル酸アルキルエステル単位からなる重合体ブロック(a)と共役ジエン化合物単位からなる重合体ブロック(b)とを有するブロック共重合体(B)を、メタクリル酸メチル50質量%以上100質量%未満を含有する単量体混合物(A’)に溶解して反応液を得、
該反応液中の水分量を1000ppm以下にして単量体混合物(A’)をラジカル重合することを含む(メタ)アクリル樹脂組成物の製造方法。 - 請求項1に記載の製造方法によって得られる(メタ)アクリル樹脂組成物。
- メタクリル酸メチル単位80質量%以上を含有する重合体(C)をさらに含む請求項2に記載の(メタ)アクリル樹脂組成物。
- 請求項2または3に記載の(メタ)アクリル樹脂組成物からなる光学フィルム。
- ブロック共重合体(B)は星型ブロック共重合体を含有するものであり、
該星型ブロック共重合体は、重合体ブロック(a)および/または重合体ブロック(b)を少なくとも有する腕重合体ブロックを含有してなるものであり、且つゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により算出したポリスチレン換算の数平均分子量が、〔星型ブロック共重合体の数平均分子量〕/〔腕重合体ブロックの数平均分子量〕>2を満たす請求項4に記載の光学フィルム。 - 星型ブロック共重合体(B)が、化学構造式:
(重合体ブロック(b)−重合体ブロック(a)−)nX
(式中、Xはカップリング剤残基、nは2を超える数を表す。)で表されるものである請求項5に記載の光学フィルム。 - 紫外線吸収剤をさらに含有する請求項4〜6のいずれかひとつに記載の光学フィルム。
- 防眩処理および/または反射防止処理を施してなる請求項4〜7のいずれかひとつに記載のフィルム。
- 偏光フィルムと、それの少なくとも一方の面に貼り合せられた請求項4〜8のいずれかひとつに記載のフィルムとを有する偏光板。
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JP2016210926A (ja) * | 2015-05-12 | 2016-12-15 | 株式会社クラレ | ブロック共重合体ならびにその製造方法および用途 |
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WO2014002506A1 (ja) * | 2012-06-29 | 2014-01-03 | 株式会社クラレ | (メタ)アクリル樹脂組成物、その製造方法および光学部材 |
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WO2014002506A1 (ja) * | 2012-06-29 | 2014-01-03 | 株式会社クラレ | (メタ)アクリル樹脂組成物、その製造方法および光学部材 |
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JP2016210926A (ja) * | 2015-05-12 | 2016-12-15 | 株式会社クラレ | ブロック共重合体ならびにその製造方法および用途 |
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