JPH05148413A - キヤストフイルム - Google Patents

キヤストフイルム

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JPH05148413A
JPH05148413A JP5980492A JP5980492A JPH05148413A JP H05148413 A JPH05148413 A JP H05148413A JP 5980492 A JP5980492 A JP 5980492A JP 5980492 A JP5980492 A JP 5980492A JP H05148413 A JPH05148413 A JP H05148413A
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Kazuhiko Yamamoto
山本  和彦
Yoshiki Tamaizumi
美喜 玉泉
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Abstract

(57)【要約】 本発明は優れた耐熱性、耐光性、電気特性、力学物性を
もつ水添ノルボルネン系樹脂を主成分とするキャストフ
ィルムを提供することにある。 【構成】 (a)成分50〜100重量%および(b)
成分を含有する重合体を溶媒に溶解あるいは分散させた
液をキャスト成形法により成形したフィルム。 (a)成分:特定の構造を有するノルボルネン誘導体よ
りなる単量体またはこの単量体およびこれと共重合可能
な共重合性単量体を開環重合させて得られる開環重合体
を、さらに水素添加して得られる水素添加重合体。 (b)成分:ゴム質重合体および/または(a)以外の
熱可塑性樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水添ノルボルネン系樹脂
を主成分とし、優れた耐熱性、電気特性、耐光性を有
し、自由に着色が可能なキャストフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】水添ノルボルネン系樹脂は耐熱性、耐光
性、透明性、電気特性などにおいて優れた性能を持って
おり、これらを活かして自動車部品、電気・電子部品、
光学部品および建材などにフィルムとして応用が検討さ
れている。水添ノルボルネン系樹脂を押出成形、ブロー
イングによりフィルムを製造しているが、樹脂の軟化温
度が高いため成形温度が高くなる。そのためフィルムが
熱劣化により着色し、物性が低下することがあり、良好
なフィルムを得るのが困難である。また、水添ノルボル
ネン系樹脂のようにガラス転移点の高い組成物をフィル
ム化する場合、溶媒の蒸発を充分に行ためうには高温で
キャストすることが必要であるが、高温でキャストする
と、樹脂の熱劣化がおこりやすいという問題があった。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のよ
うな問題点である着色および物性低下がなく、均一厚み
のフィルムを得ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、請求
項1の下記(a)成分50〜100重量%および(b)
成分を含有する重合体を溶媒に溶解あるいは分散させた
液をキャスト成形法により成形したフィルム。 (a)成分:下記一般式(I)で表わされる少なくとも
1種のノルボルネン誘導体よりなる単量体またはこの単
量体およびこれと共重合可能な共重合性単量体を開環重
合させて得られる開環重合体を、さらに水素添加して得
られる水素添加重合体。一般式(I)
【0005】
【化2】 〔式中、AおよびBは水素原子または単素数1〜10の
炭化水素基であり、XおよびYは水素原子、ハロゲン原
子または一価の有機基であって、mは0または1であ
る。〕を提供するものである。 (b)成分:ゴム質重合体および/または上記(a)成
分以外の熱可塑性樹脂。 以下、本発明について具体的に説明する。 <(a)成分>本発明のフィルムにおける樹脂成分を形
成する(a)成分は、上記の一般式(I)で表わされる
ノルボルネン誘導体よりなる単量体(以下「特定単量
体」という)を単独で、または特定単量体をこれと共重
合可能な共重合性単量体とともにメタセシス重合触媒を
用いて開環共重合させることによって得られる開環重合
体を、さらに水素添加して得られる水素添加重合体であ
り、以下において「水素添加重合体(a)」ともいう。
【0006】この水素添加重合体(a)の分子量は、ポ
リスチレン換算による重量平均分子量で、通常20,0
00から700,000、特に30,000から50
0,000であることが好ましい。本発明において、水
素添加重合体(a)としては、例えば特開平1−132
626号公報に記載されたノルボルネン環を有する化合
物の開環(共)重合体を水素添加して得られる重合体を
挙げることができる。これらの特定単量体のうち、上記
一般式(I)におけるXまたはYが式−(CH2 )nC
OOR1 で表わされる基である特定単量体は、得られる
重合体が高いガラス転移温度と低い吸湿性を有するもの
となる点で好ましい。特にこの式−(CH2 )nCOO
1 で表わされる基よりなる極性置換基は、特定単量体
の1分子当たりに1個含有されることが、得られる重合
体の吸湿性が低くなる点で好ましい。また、式−(CH
2 )nCOOR1 で示される基のうち、nの値が小さい
ものほど得られる重合体のガラス転移温度が高くなるの
で好ましく、さらにnが0である特定単量体は、その合
成が容易である点で、また得られる重合体に良好な特性
が得られる点で好ましい。
【0007】上記の式において、R1 は単素数1〜20
の炭化水素基であるが、単素数が多くなるほど得られる
重合体の吸湿性が小さくなる点では好ましい。しかし、
得られる重合体のガラス転移温度とのバランスの点か
ら、炭素数が1〜4の鎖状アルキル基または単素数が5
以上の(多)環状アルキル基であることが好ましく、特
にメチル基であることが好ましい。さらに、式−(CH
2 )nCOOR1 で表わされる基が結合した炭素原子
に、同時に単素数1〜10の炭化水素基が置換基として
結合されている特定単量体は、得られる重合体のガラス
転移温度を低下させずに吸湿性を低下させるので好まし
い。そして、特にこの置換基がメチル基である特定単量
体は、その合成が容易な点で好ましい。本発明に用いる
水素添加重合体(a)に係る開環重合体は、特定単量体
を単独で開環重合させたものであってもよいが、当該特
定単量体と共重合性単量体とを開環共重合させたもので
あってもよい。このように共重合性単量体が使用される
場合において、開環重合体における特定単量体の割合は
5モル%以上、好ましくは20モル%以上とされる。使
用される共重合性単量体としては、メタセシス重合触媒
によって開環重合し得る単量体、および重合体の主鎖に
炭素一炭素二重結合を有する一部重合された低重合度体
を挙げることができる。
【0008】上記特定単量体のうちでは、上記一般式
(I)においてmが1であるテトラシクロドデセン誘導
体が、ガラス転移点の高い重合体が得られる点で好まし
い。一般式(I)において、mが1であるテトラシクロ
ドデセン誘導体のうち、好ましい化合物としては、8−
カルボキシメチルテトラシクロ〔4.4.0.12,5
7,10〕−3−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシ
メチルテトラシクロ〔4.4.0.12,5 .17,10〕−
3−ドデセン、5−カルボキシメチル−ビシクロ〔2.
2.1〕−2−ヘプテンなどを挙げることができる。特
定単量体は環状オレフィン化合物と共重合することもで
きる。かかる環状オレフィン化合物の具体例としては、
シクロペンテン、シクロオクテン、1,5−シクロオク
タジエン、1,5,9−シクロドデカトリエンなどのシ
クロオレフィン類;ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプ
テン、トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕−8−デセ
ン、トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕−3−デセン、
トリシクロ〔6.2.1.01,8 〕−9−ウンデセン、
トリシクロ〔6.2.1.01,8 〕−4−ウンデセン、
テトラシクロ〔4.4.0.12,5 .17, 10〕−3−ド
デセン、ペンタシクロ〔6.5.1.13,6 .02,7
9,13〕−4−ペンタデセン、ペンタシクロ〔6.6.
1.13,6 .02,7 .09,14〕−4−ヘキサデセン、ペ
ンタシクロ〔6.5.1.13,6 .02,7 .09,13〕−
11−ペンタデセン、ジシクロペンタジエン、ペンタシ
クロ〔6.5.1.13,6 .02,7 .09,13〕−ペンタ
デカ−4,11−ジエンなどのポリシクロアルケンを挙
げることができる。
【0009】さらに特定単量体は、ポリブタジエン、ポ
リイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレ
ン−プロピレン非共役ジエン共重合ゴム、ポリノルボル
ネン、ポリペンテナマーなどの重合体の主鎖に炭素−炭
素二重結合を含んだ不飽和炭化水素系重合体の存在下で
開環重合することもできる。特定単量体とこれと共重合
可能な共重合性単量体との開環重合の方法および水素添
加の方法は、特開平1−132626号公報に記載され
る方法と同様の方法を挙げることができる。得られる水
素添加重合体(a)の水素添加率は、通常50%以上、
好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上と
される。水素添加率が50%未満の重合体は、水素添加
率が低いことにより得られるフィルムの耐光性が低下す
る。
【0010】<(b)成分>本発明では、水素添加重合
体溶液中に、さらにゴム質重合体および/または上記
(a)成分以外の熱可塑性樹脂(以下、総称して
「(b)成分」という)を添加してもよい。(b)成分
として用いられるゴム質重合体は、ガラス転移温度が0
℃以下の重合体であって、通常のゴム状重合体および熱
可塑性エラストマーが含まれる。ゴム状重合体として
は、例えばエチレン−α−オレフィン系ゴム質重合体;
エチレン−α−オレフィン−ポリエン共重合ゴム;エチ
レン−メチルメタクリレート、エテレン−ブチルアクリ
レートなどのエチレンと不飽和カルボン酸エステルとの
共重合体;エチレン−酢酸ビニルなどのエチレンと脂肪
酸ビニルとの共重合体;アクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘ
キシル、アクリル酸ラウリルなどのアクリル酸アルキル
エステルの重合体;ポリブタジエン、ポリイソプレン、
スチレン−ブタジエンまたはスチレン−イソプレンのラ
ンダム共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体、ブタジエン−イソプレン共重合体、ブタジエン−
(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、ブタジ
エン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル−アクリロ
ニトリル共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル−アクリロニトリル−スチレン共重合体
などのジエン系ゴム;ブチレン−イソプレン共重合体な
どがあり、これらは、その1種のみでなく2種以上を用
いることもできる。
【0011】上記のゴム状重合体よりなるゴム質重合体
は、そのムーニー粘度(ML1+4 、100℃)が5〜2
00であることが好ましい。ゴム質重合体として用いら
れる熱可塑性エラストマーとしては、例えばスチレン−
ブタジエンブロック共重合体、水素化スチレン−ブタジ
エンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック
共重合体、水素化スチレン−イソプレンブロック共重合
体などの芳香族ビニル−共役ジエン系ブロック共重合
体、低結晶性ポリブタジエン樹脂、エチレン−プロピレ
ンエラストマー、スチレングラフトエチレン−プロピレ
ンエラストマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー、
エチレン系アイオノマー樹脂などを挙げることができ
る。これらの熱可塑性エラストマーのうち、好ましく
は、水素化スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水
素化スチレン−イソプレンブロック共重合体などであ
り、具体的には、特開平2−133406号公報、特開
平2−305814号公報、特開平3−72512号公
報、特開平3−74409号公報などに記載されている
ものを挙げることができる。ゴム質重合体は、水素添加
重合体(a)との相溶性を向上させる目的で、エポキシ
基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、酸無
水物基、オキサゾリン基などの特定の官能基によって変
性されたものであってもよい。ゴム質重合体を(b)成
分として含有させることにより、最終的に得られるフィ
ルムは一段と優れた耐衝撃性および延性を有することが
できる。
【0012】(b)成分として用いられる熱可塑性樹脂
は、ガラス転移温度が25℃以上の重合体である。具体
的には、スチレン系樹脂(ポリスチレン、スチレン−ア
クリロニトリル共重合体、スチレン−無水マイレン酸共
重合体)、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂など
である。上記の熱可塑性樹脂を(b)成分として含有さ
せることにより、最終的に得られるフィルムは優れた電
気特性、耐光性を有するものとなる。(b)成分の使用
できる量は、水素添加重合体(a)の通常50重量%以
下、好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは30
重量%以下である。また、(a)、(b)成分以外に酸
化防止剤、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチル
フェノ−ル、2−(1−メチルシクロヘキシル)−4,
6,ジメチルフェノ−ル、2,2−メチレン−ビス−
(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、トリス
(ジ−ノニルフェニルホスファイト)、紫外線吸収剤、
例えばp−t−ブチルフェニルサリシレート、2,2′
−ジヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−
(2′−ジヒドロキシ−4′−m−オクトキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、滑剤(パラフィンフェノス、
硬化油)、帯電防止剤、例えばステアロアジトプロピル
ジメチル−β−ヒドロキシエチルアンモニウムトレート
を必要に応じて添加することができる。
【0013】本発明では、必要に応じて(b)成分や添
加剤を混合した上記水素添加重合体(a)を溶媒に溶解
または分散させて適度の濃度の液にし、適当なキャリヤ
ー上に注ぐかまたは塗布し、これを乾燥した後、キャリ
ヤーから剥離させるキャスト成形法によりフィルムを製
造する。ここで、フィルムの厚みによるが、溶液中での
水素添加重合体(a)の割合は通常0.01〜30重量
%、好ましくは0.1〜20重量%である。溶媒として
は、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族化合
物、酢酸ブチル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタ
ン、クロロホルム、二塩化メチレン、メチルエチルケト
ンなどの一般に溶媒として用いられているものが挙げら
れる。またこれらの混合溶媒でもよい。また、水素添加
重合体(a)を溶解する溶媒と溶解しない溶媒との混合
であってもよい。なお、水素添加重合体(a)を溶解し
ないものとして水、油脂を使用してもよい。水素添加重
合体(a)を溶媒で溶解する場合、室温でも高温でもよ
い。十分に撹拌することにより均一な溶液が得られる。
なお、着色する場合には溶液にカラーを添加すればよ
い。
【0014】均一厚みのフィルムを製造する方法として
は、上記溶液を一定幅のダイスより金属ドラム、スチー
ルベント、ポリエステルフィルム、テフロンベルトなど
の上に押出し、温度、時間をかけて乾燥する。また、ス
プレー、ハケ、ロール、スピンコート、デッピングなど
で溶液を塗布し、温度、時間を任意にかけることにより
均一厚みのフィルムを製造する。なお、1回の塗布で所
望の膜厚が得られない場合は、繰返し塗布することが必
要である。本発明のフィルムの厚みは、通常0.5μm
〜5mm、好ましくは1μm〜2mm、さらに好ましく
は5μm〜0.5mmである。
【0015】本発明においては、上記のようにして得ら
れたキャストフィルムを以下の処理に供することによ
り、さらに良好なキャストフィルムを成形することがで
きる。すなわち、キャストフィルムを 水素添加重合体
(a)に対する良溶媒25〜100重量%および水素添
加重合体(a)に対する貧溶媒0〜75重量%からなる
混合溶媒に接触させた後、 水素添加重合体(a)に対
する貧溶媒からなる溶媒に接触させる工程である。ここ
で、水素添加重合体(a)に対する良溶媒としては、沸
点100℃以下の溶媒が好ましく、例えば、クロロホル
ム、テトラヒドロフランなどが挙げられ、水素添加重合
体(a)に対する貧溶媒としては、メタノール、エタノ
ールなどが挙げられる。
【0016】また、キャストフィルムを良溶媒と貧溶媒
との混合物または貧溶接触させる時の温度は、通常、2
5〜80℃、好ましくは25〜60℃であり、浸漬時間
は通常1〜60秒程度である。本発明においては、良溶
媒と貧溶媒とからなる混合溶液にキャストフィルムを接
触させることによりキャストフィルムを膨潤させ、キャ
ストフィルムを形成するポリマーの分子間に広がりを持
たせることができる。その結果、ポリマー分子間から低
分子量の化合物を貧溶媒と良溶媒の混合物に移行させる
ことができる。低分子量の化合物を貧溶媒と良溶媒の混
合物に移行させた後は、キャストフィルムを貧溶媒に接
触させることにより、ポリマー分子間の広がりを元に戻
すことができる。この操作を行うことにより、より耐熱
性の高いキャストフィルムを形成することができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明がこれらによって限定されるものではない。な
お、各特性の測定、評価は下記の条件に従って行なっ
た。 引張強度および伸び(TS、TE):ASTM D63
8 全光線透過率(Tt):ASTM D1003 黄色度(YI) 耐熱性:DSe法(Differntial Scaning Calorymeter
)により、20℃/min の温度上昇でガラス転移温度
を測定した。 電気特性:体積抵抗率(Ωcm)ASTM D257 耐光性:フェードメータ(63℃、雨なし)500時間
後の変色(ΔE)を測定した。
【0018】実施例1〜2 (a)成分の製造 重合体a−1 窒素ガスで置換した反応容器内に、下記構造式(1)で
示される特定単量体8−メチル−8−カルボキシメチル
テトラシクロ〔4.4.0.12,5 .17,10〕−3−ド
デセン500gと、1,2−ジクロロエタン200ml
と、分子量調節剤である1−ヘキセン3.8gと、触媒
として、六塩化タングステンの濃度0.05M/リット
ルのクロロベンゼン溶液91.6mlと、パラアルデヒ
ドの濃度0.1M/リットルの1,2−ジクロロエタン
溶液68.7mlと、トリイソブチルアルミニウムの濃
度0.5M/リットルのトルエン溶液37mlとを加
え、60℃で10時間反応させることにより、固有粘度
(ηinh )0.56dl/g(クロロホルム中、30
℃、濃度0.5g/dl)の開環重合体450gを得
た。この開環重合体を9000mlのテトラヒドロフラ
ンに溶解し、パラジウム濃度が5重合%のパラジウム−
アルミナ触媒45gを加え、水素ガスを圧力が100k
g/cm2 となるよう仕込んで、150℃で5時間水素
添加反応させた。水素添加反応後、触媒を濾別し、濾液
を塩酸酸性の大過剰量のメタノール中に注いで、水素添
加された重合体a−1を製造した。この重合体a−1の
水素添加率は実質上100%であった。構造式(1)
【0019】
【化3】 重合体(a−1)のシクロヘキサン溶液(濃度4重量
%)をダイスに通し、均一厚みの液にし、これを60℃
で乾燥して厚み25μmのフィルムを製造した。また、
ダイスの幅を変えて厚み260μmのフィルムを製造し
た。これらのフィルムからテストピースを切離し、物性
測定を行なった(表1)。 比較例1〜2 50m/m押出機を用いて、成形温度310℃で重合体
(a−1)の厚み25μm、260μmのフィルムを成
形し、物性測定を行なった。 実施例3 重合体(a−1)/熱可塑性エラストマー=90/10
(重量%)のシクロヘキサン溶液(濃度5%)から、厚
み30μmのフィルムを製造した。 熱可塑性エラストマー:セプトン2002(クラレ製)
【0020】比較例3 比較例1と同様な方法で、実施例3の材料からフィルム
を製造した。 実施例4 重合体(a−1)/ポリプロピレン(三菱油化製、J5
010B)=80/20(重量%)をキシレンに110
℃で5重量%溶液にし、スピンコートにより15μmの
フィルムを作成し、物性測定を行なった。 比較例4 重合体(a−1)/ポリプロピレン=40/60(重量
%)を、実施例4と同じ方法でフィルムを作成した。
【0021】
【表1】
【0022】実施例5および6 重合体(a−1)の6重量%トルエン溶液をダイスに通
し、均一の厚みの液にし、これを200℃で乾燥して厚
み30μm(実施例5)および150μm(実施例6)
のキャストフィルムを形成した。次いで、キャストフィ
ルムをテトラヒドロフラン50重量%およびメタノール
50重量%からなる混合溶媒に60℃で5分間浸漬した
後、メタノールに60℃で5分間浸漬し、乾燥した。得
られたキャストフィルムの引張強度、全光線透過率、黄
色度、および耐熱性を測定した。結果を表2に示す。
【0023】実施例7 重合体(a−1)90重量%およびスチレン−イソプレ
ンブロック共重合体の水素添加物10重量%からなる重
合体成分の5重量%トルエン溶液をダイスに通し、均一
の厚みの液にし、これを200℃で乾燥して厚み35μ
mのキャストフィルムを形成した。次いで、キャストフ
ィルムを実施例5と同様にして良溶媒と貧溶媒とからな
る混合溶媒および貧溶媒に浸漬し、乾燥した。得られた
キャストフィルムの引張強度、全光線透過率、黄色度、
および耐熱性を測定した。結果を表2に示す。
【0024】
【0025】
【発明の効果】本発明の水添ノルボルネン系樹脂を主成
分とするフィルムは耐熱性、電気特性、耐光性、力学的
性質に優れており、光学用部品用、電気・電子関係の絶
縁材料として有効である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(a)成分50〜100重量%およ
    び(b)成分0〜50重量%を含有する重合体を溶媒に
    溶解あるいは分散させた液をキャスト成形法により成形
    したフィルム。 (a)成分:下記一般式(I)で表わされる少なくとも
    1種のノルボルネン誘導体よりなる単量体またはこの単
    量体およびこれと共重合可能な共重合性単量体を開環重
    合させて得られる開環重合体を、さらに水素添加して得
    られる水素添加重合体。一般式(I) 【化1】 〔式中、AおよびBは水素原子または単素数1〜10の
    炭化水素基であり、XおよびYは水素原子、ハロゲン原
    子または一価の有機基であって、mは0または1であ
    る。〕 (b)成分:ゴム質重合体および/または上記(a)成
    分以外の熱可塑性樹脂。
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