JPH0959488A - ノルボルネン系重合体組成物の製造方法 - Google Patents

ノルボルネン系重合体組成物の製造方法

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JPH0959488A
JPH0959488A JP23340995A JP23340995A JPH0959488A JP H0959488 A JPH0959488 A JP H0959488A JP 23340995 A JP23340995 A JP 23340995A JP 23340995 A JP23340995 A JP 23340995A JP H0959488 A JPH0959488 A JP H0959488A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発光ダイオード、光ファイバー、光学フィル
ム等の光学材料の成形性、機械特性などの特性に優れた
ノルボルネン系重合体の組成物を製造する。 【解決手段】(A)特定構造のノルボルネン誘導体の開
環(共)重合体またはその水素添加物であって固有粘度
が0.58〜1.5dl/gである重合体少なくとも1
種と、(B)特定構造のノルボルネン誘導体の開環
(共)重合体またはその水素添加物であって固有粘度が
0.35〜0.55dl/gの範囲である重合体少なく
とも1種とを、(A)成分/(B)成分が重量比で95
/5〜5/95となる割合で混合することを特徴とする
ノルボルネン系重合体組成物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光ダイオード、
光ファイバー、光学フィルム等の光学材料の成形性、機
械特性などの特性に優れたノルボルネン系重合体の組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】ノルボルネン系樹脂は、高ガラス転移温
度(高耐熱性)、低吸水性、透明性などを兼ね備えた優
れた光学樹脂として、光学フィルム、各種レンズ、光フ
ァイバー、発光ダイオード等への応用が進められてい
る。しかしながら、ノルボルネン系樹脂はガラス転移温
度が高いために高い成形温度を必要とし、熱分解等の問
題から流動性の改良が求められている。また、ノルボル
ネン系樹脂は一般的にポリカーボネート樹脂等に比べて
脆く、特に成形品のウエルド部の強度が弱いという問題
点があった。これらの問題点に関して、ウエルド強度を
改良するためには分子量を上げることが有効であるが、
分子量を上げると流動性が悪化するという問題点があ
り、強度と流動性を共に改良することは困難であった。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】上記の問題点に鑑み、本発明者らは、強度
と流動性のバランスに優れた樹脂のを得るために、特定
の固有粘度を有するノルボルネン系樹脂を混合して得ら
れる組成物が両者のバランスに優れており、ノルボルネ
ン系樹脂単独の場合に比べて、ウエルド強度、流動性と
もに改良されることを見いだし本発明に到達した。すな
わち、本発明は(A)下記一般式1で表されるノルボル
ネン誘導体(以下、「特定単量体」という)の開環
(共)重合体またはその水素添加物であって固有粘度が
0.58〜1.5dl/gである重合体少なくとも1種
と、(B)下記一般式1で表されるノルボルネン誘導体
の開環(共)重合体またはその水素添加物であって固有
粘度が0.35〜0.55dl/gの範囲である重合体
少なくとも1種とを混合することを特徴とするノルボル
ネン系重合体組成物の製造方法。
【0004】
【化2】
【0005】(式中、AおよびBは水素原子または炭素
数1〜10の炭化水素基であり、XおよびYは水素原子
または1価の有機基であって、XおよびYの少なくとも
一つは水素原子または炭化水素基以外の極性基を有する
基を示し、mは0または1である)
【0006】本発明において特定単量体としては、前記
一般式1で表されるテトラシクロドデセン誘導体が極性
基を有する場合、その極性基が−(CH2 n COOR
3 (ここで、R3 は炭素数1〜20の炭化水素基、nは
0〜10の整数を示す)で表される基であることが、得
られる水添重合体が高いガラス転移温度を有するものと
なるので好ましい。特に、この−(CH2 n COOR
3 で表される極性置換基は、一般式1のテトラシクロド
デセン誘導体の1分子あたりに1個含有されることが好
ましい。前記一般式1において、R1 は炭素数1〜20
の炭化水素基であるが、炭素数が多くなるほど得られる
水添重合体の吸湿性が小さくなる点では好ましいが、得
られる水添重合体のガラス転移温度とのバランスの点か
ら、炭素数1〜4の鎖状アルキル基または炭素数5以上
の(多)環状アルキル基であることが好ましく、特にメ
チル基、エチル基、シクロヘキシル基であることが好ま
しい。さらに、−(CH2 n COOR3 で表される極
性置換基が結合した炭素原子に、同時に炭素数1〜10
の炭化水素基が置換基として結合されている一般式1の
テトラシクロドデセン誘導体は、吸湿性を低下させるの
で好ましい。特に、この置換基がメチル基またはエチル
基である一般式1のテトラシクロドデセン誘導体は、そ
の合成が容易な点で好ましい。
【0007】本発明において使用することのできる特定
単量体としては、5−メトキシカルボニルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−メ
トキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン、5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン、8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.
0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エトキシカ
ルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
−3−ドデセン、8−n−プロピルオキシカルボニルテ
トラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデ
セン、8−イソプロピルオキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−
n−ブチルオキシカルボニルテトラシクロ[4.4.
0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8
−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5.17,1 0]−3−ドデセン、8−メチル−8−エト
キシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,1 0]−3−ドデセン、8−メチル−8−n−プロピル
オキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−イソプロピ
ルオキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.
2,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−n
−ブチルオキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.
2, 5.17,10]−3−ドデセン ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13
−3−ペンタデセンなどを挙げることができる。これら
のうち得られる重合体の耐熱性と光学特性の面から、8
−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンが最も好まし
い。上記の特定単量体は必ずしも単独で用いる必要はな
く、2種以上を用いて開環共重合反応を行うこともでき
る。また、上記一般式1のノルボルネン誘導体に一般式
1以外のノルボルネン誘導体を共重合することもでき
る。一般式1以外のノルボルネン誘導体の具体例として
は、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.
0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチルテト
ラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]−3−ドデセン、ペンタシクロ[6.5.1.1
3,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、ヘキサシク
ロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.
09,14]−4−ヘプタデセン、ヘプタシクロ[8.
7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.012,16]−
5−エイコセン、オクタシクロ[8.8.0.12,9
4,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ド
コセン、ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12
8,13]−3−ペンタデセン 5−フェニルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、
5−メチル−5−フェニルビシクロ[2.2.1]−2
−ヘプテン、5−(2,4,6−トリメチルフェニル)
ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−(エチル
フェニル)ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5
−(イソプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.1]−
2−ヘプテン、5−(ビフェニル)ビシクロ[2.2.
1]−2−ヘプテン、5−(β−ナフチル)ビシクロ
[2.2.1]−2−ヘプテン、5−(α−ナフチル)
ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−(アント
ラセニル)ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、
5,6−ジフェニルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプ
テン、シクロペンタジエン−アセナフチレン付加体、2
分子のシクロペンタジエンと1分子のアセナフチレン付
加体、1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10
a−ヘキサヒドロアントラセン、8−フェニル−テトラ
シクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、8−メチル−8−フェニル−テトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(2,
4,6−トリメチルフェニル)−テトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(エチ
ルフェニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]−3−ドデセン、8−(イソプロピルフェニル)
−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−
ドデセン、8,9−ジフェニル−テトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(ビフ
ェニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、8−(β−ナフチル)−テト
ラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、8−(α−ナフチル)−テトラシクロ[4.4.
0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(アントラ
セニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、11,12−ベンゾ−ペンタ
シクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペ
ンタデセン、11,12−ベンゾ−ペンタシクロ[6.
6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン、
11−フェニル−ヘキサシクロ[6.6.1.13,6
10,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、14、
15−ベンゾ−ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.1
4,7.111,17.03 ,8.012,16]−5−エイコセンなど
を挙げることができる。
【0008】本発明において重合体の製造において、開
環重合反応はメタセシス触媒の存在下に行われる。この
メタセシス触媒は、(a)W、MoおよびReの化合物
から選ばれた少なくとも1種と、(b)デミングの周期
律表IA族元素(例えばLi、Na、Kなど)、IIA
族元素(例えばMg、Caなど)、IIB族元素(例え
ばZn、Cd、Hgなど)、III A族元素(例えば
B、Alなど)、IVA族元素(例えばSi、Sn、P
bなど)あるいはIVB族元素(例えばTi、Zrなど)
の化合物であって、少なくとも1つの当該元素−炭素結
合あるいは当該元素−水素結合を有するものから選ばれ
た少なくとも1種との組合せからなる触媒である。また
この場合に触媒の活性を高めるために、後述の添加剤
(c)が添加されたものであってもよい。(a)成分と
して適当なW、MoあるいはReの化合物の代表例とし
ては、WCl6 、MoCl5 、ReOCl3 など特開平
1−240517号公報に記載の化合物を挙げることが
できる。(b)成分の具体例としては、n−C49
i、(C253 Al 、(C252 AlCl 、
(C251.5 AlCl1.5 、(C25 )AlC
2、メチルアルモキサン、LiHなど特開平1−24
0517号公報に記載の化合物を挙げることができる。
添加剤である(c)成分の代表例としては、アルコール
類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類などが好適に用
いることができるが、さらに特開平1−240517号
公報に示される化合物を使用することができる。
【0009】メタセシス触媒の使用量としては、上記
(a)成分と特定単量体とのモル比で「(a)成分:特
定単量体」が、通常1:500〜1:50000となる
範囲、好ましくは1:1000〜1:10000となる
範囲とされる。(a)成分と(b)成分との割合は、金
属原子比で(a):(b)が1:1〜1:50、好まし
くは1:2〜1:30の範囲とされる。(a)成分と
(c)成分との割合は、モル比で(c):(a)が0.
005:1〜15:1、好ましくは0.05:1〜7:
1の範囲とされる。
【0010】開環重合反応において用いられる溶媒(分
子量調節剤溶液を構成する溶媒、特定単量体および/ま
たはメタセシス触媒の溶媒)としては、例えばペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンな
どのアルカン類、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シ
クロオクタン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロア
ルカン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベン
ゼン、クメンなどの芳香族炭化水素、クロロブタン、ブ
ロムヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサ
メチレンジブロミド、クロロベンゼン、クロロホルム、
テトラクロロエチレンなどのハロゲン化アルカン、アリ
ールなどの化合物、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸
iso−ブチル、プロピオン酸メチル、ジメトキシエタ
ンなどの飽和カルボン酸エステル類、ジブチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエー
テル類などを挙げることができ、これらは単独であるい
は混合して用いることができる。これらのうち、芳香族
炭化水素が好ましい。溶媒の使用量としては、「溶媒:
特定単量体(重量比)」が、通常1:1〜10:1とな
る量とされ、好ましくは1:1〜5:1となる量とされ
る。
【0011】ノルボルネン系重合体の分子量の調節は重
合温度、触媒の種類、溶媒の種類によっても行うことが
できるが、本発明の組成物を構成する重合体の製造にお
いて、分子量の調整は分子量調節剤を反応系に共存させ
ることにより調節する。ここに、好適な分子量調節剤と
しては、例えばエチレン、プロペン、1−ブテン、1−
ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテ
ン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィン類お
よびスチレンを挙げることができ、これらのうち、1−
ブテン、1−ヘキセンが特に好ましい。これらの分子量
調節剤は、単独であるいは2種以上を混合して用いるこ
とができる。分子量調節剤の使用量としては、開環重合
反応に供される特定単量体1モルに対して0.005〜
0.6モル、好ましくは0.02〜0.5モルとされ
る。
【0014】以上のようにして得られる開環重合体は、
水素添加触媒を用いて水素添加できる。水素添加反応
は、通常の方法、すなわち、開環重合体の溶液に水素添
加触媒を添加し、これに常圧〜300気圧、好ましくは
3〜200気圧の水素ガスを0〜200℃、好ましくは
20〜180℃で作用させることによって行われる。水
素添加触媒としては、通常のオレフィン性化合物の水素
添加反応に用いられるものを使用することができる。こ
の水素添加触媒としては、不均一系触媒および均一系触
媒が公知である。不均一系触媒としては、パラジウム、
白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウムなどの貴金属触
媒物質を、カーボン、シリカ、アルミナ、チタニアなど
の担体に担持させた固体触媒を挙げることができる。ま
た、均一系触媒としては、ナフテン酸ニッケル/トリエ
チルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/ト
リエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n−ブチ
ルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニ
ウムモノクロリド、酢酸ロジウム、クロロトリス(トリ
フェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス(トリ
フェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドロカルボ
ニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジ
クロロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ル
テニウムなどを挙げることができる。触媒の形態は粉末
でも粒状でもよい。ただし、本発明の共重合体の水素添
加においては芳香族環が核水添される水素添加触媒や条
件は使用できない。これらの水素添加触媒は、開環重合
体:水素添加触媒(重量比)が、1:1×10−6〜
1:2となる割合で使用される。このように、水素添加
することにより得られる水素添加重合体は優れた熱安定
性を有するものとなり、成形加工時や製品としての使用
時の加熱によってはその特性が劣化することはない。こ
こに、水素添加率は、通常50%以上、好ましく70%
以上、さらに好ましくは90%以上である。さらに、本
発明においてはポリブタジエン、ポリイソプレン、スチ
レン−ブタジエン共重合体、エチレン−非共役ジエン重
合体、ポリノルボルネンなどの主鎖に炭素−炭素間二重
結合を含む不飽和炭化水素系ポリマーなどの存在下に特
定単量体を開環重合させてもよい。そして、この場合に
得られる開環共重合体の水素添加物は、耐衝撃性の大き
い樹脂の原料として有用である。
【0015】本発明の方法においては(A)上記一般式
1で表される特定単量体の開環(共)重合体またはその
水素添加物であって固有粘度が0.58〜1.5dl/
gである重合体(以下、「A成分」という)少なくとも
1種と、(B)上記一般式1で表される特定単量体の開
環(共)重合体またはその水素添加物であって固有粘度
が0.35〜0.55dl/gの範囲である重合体(以
下、「B成分」という)少なくとも1種とを混合する。
本発明において、固有粘度はクロロホルム中、30℃で
測定するものである。本発明において好ましい(A)成
分の固有粘度は0.6〜1.2dl/g、好ましい
(B)成分の固有粘度は0.4〜0.52dl/gであ
る。(A)成分の固有粘度が1.5dl/gを超えると
得られる組成物の流動性が小さく、(B)成分の固有粘
度が0.35dl/g未満であると得られる組成物の強
度が充分ではなくなる。本発明において(A)成分と
(B)成分はそれぞれ2種以上用いることもできる。本
発明において、(B)成分の固有粘度は(A)成分の固
有粘度はよりも0.1以上小さいことが好ましい。
(A)成分と(B)成分の固有粘度の差が0.1dl/
g未満であると得られる組成物のウエルド強度、フィル
ムインパクト強度および流動性の改良効果が得にくくな
る。(A)成分と(B)成分との配合割合は重量比で9
5/5〜5/95、好ましくは90/10〜10/90
で用いられる。(A)成分および(B)成分の使用割合
が5重量%未満であると、ウェルド強度、フィルムイン
パクト強度および流動性の改良効果が乏しい。本発明に
おいては(A)成分と(B)成分を水素添加前に混合
し、その後に水素添加することもできるし、(A)成分
と(B)成分それぞれ水素添加した後に混合することも
できる。本発明の方法で得られる組成物のゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリ
スチレン換算数平均分子量(Mn)は10,000〜5
0,000、重量平均分子量(Mw)は30,000〜
200,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は3
以上、好ましくは3〜5である。
【0016】本発明の方法で得られた組成物には、公知
の酸化防止剤、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メ
チルフェノール、2,2’−ジオキシ−3,3’−ジ−
t−ブチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、テ
トラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]メタン;紫
外線吸収剤、例えば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなど
を添加することによって安定化することができる。ま
た、加工性を向上させる目的で滑剤などの添加剤を添加
することもできる。本発明の方法で得られた組成物は、
光ディスク、光磁気ディスク、ピックアップレンズ、レ
ーザービームプリンター用レンズ、カメラ用レンズ等の
光学レンズ、メガネレンズ、液晶ディスプレイ用等の光
学フィルム(キャスト、押出フィルム)、光ファイバ
ー、発光ダイオード、フォトカプラー、医薬品等の容
器、医療用器具、封止材用途などに使用することができ
る。
【0018】以下、本発明の実施例について説明する
が、本発明がこれらによって制限されるものではない。
なお、本発明におけるサンプルの作成方法、および各種
物性値の測定方法を以下に示す。 (1)固有粘度(ηinh) 5g/lの濃度のクロロホルム溶液を調製し、30℃で
ウベロード粘度計を用いて測定した。 (2)分子量(Mn、Mw)および分子量分布(Mw/
Mn) 東ソー社製 HLC−8020を用い、ポリスチレン換
算の分子量で測定し た。 (3)MFR JIS K−6719の方法に準じ、260℃、荷重1
0kgの条件でで測定した。 (4)ウエルド強度およびウエルド強度保持率 アーブルグ社製射出成形機350ー90−270Hを用
い、ASTM1号ダンベル金型を用い、ウエルド有り
(両端サイドゲート)、ウエルド無し(1点サイドゲー
ト)の試験片を作製した。 成形条件:シリンダー温度 330℃、金型温度 13
0℃ 評価は試験片を23℃、湿度60%の条件で状態調整を
行った後、ASTM D638の方法により引っ張り強
度を測定した。ウエルド強度保持率は(引張強度(ウエルト゛
有り)/引張強度(ウエルト゛無し))×100%で評価した。 (5)フィルムインパクト強度 キャスト溶媒としてテトラヒドロフランを用い、約10
0μmの厚さのキャストフィルムを作成した。このキャ
ストフィルムを用いてYASUDAフィルムインパクト
テスターを使用し、荷重なしの条件でフィルムインパク
トを測定した。
【0019】〔参考例1〕特定単量体として8−メチル
−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.
2,5.17,10]−3−ドデセン100部、分子量調節
剤である1−ヘキセン 3.6部とトルエン200部
を、窒素置換した反応容器に仕込み、80℃に加熱し
た。これに、重合触媒であるトリエチルアルミニウム
(1.5モル/l)のトルエン溶液 0.17部と、t
−ブタノ−ルおよびメタノールでWCl6を変性し、t
−ブタノールとメタノールおよびタングステンのモル比
が0.35:0.3:1とされたWCl6溶液(濃度
0.05モル/l)1.0部を加え、80℃で3時間加
熱攪拌して、重合体溶液Aを得た。この重合反における
重合転化率は97%であった。得られた重合体溶液Aの
4000部をオートクレーブに入れ、これにRuHCl
(CO)[P(C6533の0.48部を加え、水素
ガス圧を100Kg/cm2、反応温度165℃の条件
で3時間加熱攪拌して水素添加反応を行った。得られた
反応溶液を冷却した後、水素ガスを放圧し、水素添加重
合体溶液Bを得た。この水素添加重合体溶液Bを大量の
メタノール中で凝固、乾燥させて水素添加重合体を単離
した。この水素添加重合体のガラス転移温度は170
℃、水素添加率は実質上100%であった。得られた水
素添加重合体はポリマー(a)と称する。次にポリマー
(a)100部に対して酸化防止剤としてオクタデシル
−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)−プロピオネートを0.3部加え、押出機を用い
て300℃でペレット化した。得られたペレットのηin
hは0.85、GPCで測定したポリスチレン換算の分
子量はMn=54500、Mw=158000であっ
た。
【0020】〔参考例2〜7〕参考例1に対して、分子
量調節剤の1−ヘキセン量を各々変量させた他は参考例
1と同様の方法により表1に示す(b)〜(g)のポリ
マーを作成した。作成したポリマーのηinhとGPCで
測定したポリスチレン換算の分子量を表1に示す。
【0021】〔実施例1〕参考例1で作成したポリマー
(a)10重量部に対して、ポリマー(d)90重量部
を混合し、ニ軸押出機を用いて300℃で溶融ブレンド
後、ペレット化した。得られたペレットのηinhは0.
54dl/gであり、GPCで測定したポリスチレン換算の
分子量はMn=27300、Mw=84500であっ
た。また、得られたペレットを用いて、MFRとウエル
ド強度を測定した。結果を表1に示す。 〔実施例2〜5および比較例1〜7〕ポリマーの混合比
率を変えた他は実施例1と同様の操作を行い組成物を作
成し、得られた組成物をペレットとした。得られたペレ
ットを用いて試験片を作成し、物性を評価した。結果を
表1および表2に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】本発明で得られる組成物は、ノルボルネ
ン(共)重合体単独に比べて、ウエルド強度、フィルム
インパクト強度および流動性に優れた成形用材料が得ら
れる。さらに、本発明で得られる組成物は発光ダイオー
ドなどのウエルドが発生する成型品でウエルド部の強度
が重要な用途、光ファイバー、フィルム等の強度を保持
しつつ、押出し成形時の劣化を抑制するために流動性の
向上が要求される用途に適している。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記一般式1で表されるノルボル
    ネン誘導体の開環(共)重合体またはその水素添加物で
    あって固有粘度が0.58〜1.5dl/gである重合
    体少なくとも1種と、(B)下記一般式1で表されるノ
    ルボルネン誘導体の開環(共)重合体またはその水素添
    加物であって固有粘度が0.35〜0.55dl/gの
    範囲である重合体少なくとも1種とを、(A)成分/
    (B)成分が重量比で95/5〜5/95となる割合で
    混合することを特徴とするノルボルネン系重合体組成物
    の製造方法。 【化1】 (式中、AおよびBは水素原子または炭素数1〜10の
    炭化水素基であり、XおよびYは水素原子または1価の
    有機基であって、XおよびYの少なくとも一つは水素原
    子または炭化水素基以外の極性基を有する基を示し、m
    は0または1である)
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