JP2000109743A - プラスチック光ファイバー被覆材およびプラスチック光ファイバー - Google Patents

プラスチック光ファイバー被覆材およびプラスチック光ファイバー

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JP2000109743A
JP2000109743A JP10279508A JP27950898A JP2000109743A JP 2000109743 A JP2000109743 A JP 2000109743A JP 10279508 A JP10279508 A JP 10279508A JP 27950898 A JP27950898 A JP 27950898A JP 2000109743 A JP2000109743 A JP 2000109743A
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optical fiber
plastic optical
polymer
unsaturated
polar group
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JP10279508A
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English (en)
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Kiyonobu Kubota
清信 窪田
Toshitaka Otsuki
敏敬 大月
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Original Assignee
JSR Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピストニングや高温高湿条件下でのべたつき
の発生がなく、取り扱い上また保存安定性の点からも極
めて優れたプラスチック光ファイバーを提供する。 【解決手段】 極性基含有ポリオレフィン系重合体から
なるプラスチック光ファイバーの被覆材、およびそれを
被覆してなるプラスチック光ファイバー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐ピストニング性
が改良されたプラスチック光ファイバー被覆材およびそ
れを被覆したプラスチック光ファイバーに関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバー、特にプラスチック光ファ
イバーを保護する被覆材としては、一般的にPE、PP
等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステルエラストマー
等が用いられている。しかし、前者で被覆した光ファイ
バーを熱処理すると、被覆材と内部のコア/クラッドと
の熱収縮率の違いにより、光ファイバーの末端部でコア
/クラッド部が飛び出してくる、いわゆるピストニング
がおきたり、あるいは内側に凹む等の問題が発生し、コ
ネクター装着時の大きな問題点となっていた。また、後
者のポリエステルエラストマー系重合体を被覆材として
用いた場合には、高温高湿条件下において、ポリエステ
ルの加水分解による被覆材のべたつきの問題点が指摘さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、光ファイバ
ーの被覆材として、ピストニングや高温高湿条件下での
ベタツキの問題がない被覆材を鋭意検討の結果、本発明
に到達した。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、極性基含有ポ
リオレフィン系重合体からなるプラスチック光ファイバ
ーの被覆材、およびそれを被覆してなるプラスチック光
ファイバーを提供するものである。本発明により得られ
た光ファイバーは、ピストニングや高温高湿条件下での
べたつきの発生がなく、取り扱い上また保存安定性の点
からも極めて優れたプラスチック光ファイバーが得られ
る。
【0005】以下、本発明について具体的に説明する。
本発明に用いられる光ファイバーのコア/クラッド部分
の材料としては、特に限定されるものでは無いが、特に
プラスチック光ファイバーに有用である。かかる光ファ
イバーのコア材としては、各種の透明性樹脂が使用でき
る。かかる透明性樹脂としては、例えばノルボルネン系
樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリメタクリル酸メチ
ル系樹脂等のプラスチックを用いることができる。これ
らの中では、特にノルボルネン系樹脂が好ましい。クラ
ッド材としては、通常コア材に用いられる材料よりも屈
折率の低い材料が好ましく、たとえば、α―フルオロア
クリレート系共重合体、ポリメタクリル酸メチル/ポリ
ビニリデンフルオライド系組成物、ポリビニリデンフル
オライド系重合体、ポリテトラフルオロエチレン系重合
体等が用いられる。
【0006】また、コア材としてプラスチックを用いた
場合、その耐熱性を改良する目的で、ガスバリア性に優
れたエチレンービニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビ
ニリデン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアミド系樹脂、
ポリエステル系樹脂、ポリアクリロニトリル、液晶ポリ
エステル等により、コア/クラッド層を一次被覆するこ
とも可能である。本発明の被覆材は、コア/クラッド材
の上、あるいはコア/クラッド/一次被覆材の上に被覆
することにより、本発明の効果を効率的に得ることがで
きる。特にコア/クラッド材料がプラスチックである場
合に有用である。
【0007】本発明のコア材に用いられるプラスチック
のうち、ノルボルネン系樹脂としては、下記一般式
(1)で示される特定単量体から誘導される重合体が好
ましい。具体的には下記〜の重合体が挙げられる。 特定単量体の開環重合体 特定単量体と共重合性単量体との開環共重合体 前記開環(共)重合体の水素添加重合体 特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和共重
合体
【0008】
【化1】
【0009】(式中、R1〜R4は、それぞれ水素原
子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、また
はその他の一価の有機基であり、それぞれ同一または異
なっていてもよい。R1とR2またはR3とR4は、一
体化して二価の炭化水素基を」形成してもよく、R1ま
たはR2とR3またはR4とは互いに結合して、単環ま
たは多環構造を形成してもよい。mは0または正の整数
であり、pは0または正の整数である。)
【0010】上記一般式(1)で表される特定単量体の
具体例としては、次のような化合物が挙げられる。 テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ー3ード
デセン、8ーエチリデン テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ー3ード
デセン、8ーエチルテト ラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ー3ードデセ
ン、8ーメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]ー3ードデセン、ペンタシクロ[7.4.0.1
2,5.19,12.03,13]ー3ーペンタデセン、ペンタシ
クロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ー4ーペン
タデセン、ヘキサシクロ[6.6.1.1 3,6
10,13.02,7.09,14]ー4ーヘプタデセン、ヘプタ
シクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,8
12,16]ー5ーエイコセン、オクタシクロ[8.8.
0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8
12,17]ー5ードコセン、5ーメトキシカルボニルビ
シクロ[2.2.1]ヘプトー2ーエン、5ーメチルー
5ーメトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト
ー2ーエン、5ーシアノビシクロ[2.2.1]ヘプト
ー2ーエン、8ーメトキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]ー3ードデセン、 8
ーエトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5.17,10]ー3ードデセン、8ーn−プロポキシカ
ルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
ー3ードデセン、8ーイソプロピキシカルボニルテトラ
シクロ[4.4.0.12,5.17,10]ー3ードデセ
ン、8ーnーブトキシカルボニルテトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,10]ー3ードデセン、8ーメチル
ー8ーメトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.
2,5.17,10]ー3ードデセン、8ーメチルー8ーn
ープロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5.17,10]ー3ードデセン、8ーメチルー8ーイソ
プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5.17,10]ー3ードデセン、8ーメチルー8ーn−
ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.
2,5.17,10]ー3ードデセン、ペンタシクロ[7.
4.0.12,5.19,12.08,13]ー3ーペンタデセ
ン。これらのうち耐熱性、光学特性、およびクラッド材
との密着性の面から、8ーメチルー8ーメトキシカルボ
ニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ー3
ードデセンが最も好ましい。上記の特定単量体は必ずし
も単独で用いる必要はなく、2種以上を用いて開環共重
合反応を行うこともできる。
【0011】〈共重合性単量体〉ノルボルネン系重合体
は、上記の特定単量体を単独で開環重合させたものであ
っても良いが、当該特定単量体と共重合性単量体とを開
環共重合させた物であっても良い。この場合に使用され
る共重合性単量体の具体例としては、シクロブテン、シ
クロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ビシ
クロ[2.2.1]ヘプトー2ーエン、トリシクロ
[5.2.1.02,6]ー3ーデセン、5ーエチリデン
ー2ーノルボルネン、ジシクロペンタジエンなどのシク
ロオレフィンを挙げることができる。更に、ポリブタジ
エン、ポリイソプレン、スチレンーブタジエン共重合
体、エチレンー非共役ジエン重合体、ポリノルボルネン
などの主鎖に炭素ー炭素間二重結合を含む不飽和炭化水
素系ポリマーなどの存在下に特定単量体を開環重合させ
てもよい。そして、この場合に得られる開環共重合体の
水素添加物は、耐衝撃性の大きい樹脂の原料として有用
である。
【0012】<不飽和二重結合含有化合物>さらに、飽
和共重合体よりなるノルボルネン系重合体を得るために
前記特定単量体と共に使用される不飽和二重結合含有化
合物としては、例えばエチレン、プロピレン、ブテンな
どを挙げることができる。
【0013】<開環重合触媒>本発明において、上記
特定単量体の開環重合体、特定単量体と共重合性単量
体との開環共重合体及び、開環(共)重合体の水素添
加重合体を得るための開環重合反応はメタセシス触媒の
存在下に行われるのが好ましい。このメタセシス触媒と
しては、例えば(a)W、MoおよびReの化合物から
選ばれた少なくとも1種と、(b)デミングの周期律表
IA族元素(例えばLi、Na、Kなど)、IIA族元
素(例えばMg、Caなど)、IIB族元素(例えばZ
n、Cd、Hgなど)、III A族元素(例えばB、
Alなど)、IVA族元素(例えばSi、Sn、Pbな
ど)あるいはIVB族元素(例えばTi、Zrなど)の化
合物であって、少なくとも1つの当該元素−炭素結合あ
るいは当該元素−水素結合を有するものから選ばれた少
なくとも1種との組合せからなる触媒が使用できる。ま
たこの場合に触媒の活性を高めるために、後述の添加剤
(c)が添加されたものであってもよい。
【0014】(a)成分として適当なW、Moあるいは
Reの化合物の代表例としては、WCl6 、MoCl
5 、ReOCl3 など特開平1−240517号公報に
記載の化合物を挙げることができる。(b)成分の具体
例としては、n−C49 Li、(C253 Al 、
(C 252 AlCl 、(C251.5 AlCl
1.5 、(C25 )AlCl2、メチルアルモキサン、
LiHなど特開平1−240517号公報に記載の化合
物を挙げることができる。添加剤である(c)成分の代
表例としては、アルコール類、アルデヒド類、ケトン
類、アミン類などが好適に用いることができるが、更に
特開平1−240517号公報に示される化合物を使用
することができる。
【0015】メタセシス触媒の使用量としては、上記
(a)成分と特定単量体とのモル比で「(a)成分:特
定単量体」が、通常1:500〜1:50000となる
範囲、好ましくは1:1000〜1:10000となる
範囲とされる。(a)成分と(b)成分との割合は、金
属原子比で(a):(b)が1:1〜1:50、好まし
くは1:2〜1:30の範囲とされる。(a)成分と
(c)成分との割合は、モル比で(c):(a)が0.
005:1〜15:1、好ましくは0.05:1〜7:
1の範囲とされる。
【0016】また、上記特定単量体と不飽和二重結合
含有化合物との飽和共重合体を合成するための触媒とし
ては、たとえばチタン化合物、ジルコニウム化合物、お
よびバナジウム化合物から選ばれた少なくとも一種と、
助触媒としての有機アルミニウム化合物とが用いること
ができる。バナジウム化合物としては、一般式 VO(OR)ab、またはV(OR)cd (ただし、Rは炭化水素基、Xはハロゲン原子であっ
て、0≦a≦3、0≦b≦3、2≦a+b≦3、0≦c
≦4、0≦d≦4、3≦c+d≦4である。)で表され
るバナジウム化合物、あるいはこれらの電子供与付加物
が用いられる。
【0017】電子供与体としてはアルコール、フェノー
ル類、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、有機酸または
無機酸のエステル、エーテル、酸アミド、酸無水物、ア
ルコキシシラン等の含酸素電子供与体、アンモニア、ア
ミン、ニトリル、イソシアナート等の含窒素電子供与体
などが挙げられる。また、チタン化合物としては、四塩
化チタン、三塩化チタンなどを、ジルコニウム化合物と
してはビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムクロ
リド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリドなどを挙げることができる。有機アルミニウム化
合物としては、少なくとも1つのアルミニウムー炭素結
合あるいはアルミニウムー水素結合を有するものから選
ばれた少なくとも一種が用いられる。上記において、例
えばバナジウム化合物を用いる場合におけるバナジウム
化合物と有機アルミニウム化合物の比率は、バナジウム
原子に対するアルミニウム原子の比(Al/V)が2以
上であり、好ましくは2〜50、特に好ましくは3〜2
0の範囲である。
【0018】<重合反応用溶媒>上記特定単量体の開環
重合反応において用いられる溶媒(分子量調節剤溶液を
構成する溶媒、特定単量体および/またはメタセシス触
媒の溶媒)としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン、ノナン、デカンなどのアルカン類、シ
クロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカ
リン、ノルボルナンなどのシクロアルカン類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなど
の芳香族炭化水素、クロロブタン、ブロムヘキサン、塩
化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミ
ド、クロロベンゼン、クロロホルム、テトラクロロエチ
レンなどのハロゲン化アルカン、アリールなどの化合
物、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチ
ル、プロピオン酸メチル、ジメトキシエタンなどの飽和
カルボン酸エステル類、ジブチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類などを挙
げることができ、これらは単独であるいは混合して用い
ることができる。これらのうち、芳香族炭化水素が好ま
しい。溶媒の使用量としては、「溶媒:特定単量体(重
量比)」が、通常1:1〜10:1となる量が好まし
く、さらに好ましくは1:1〜5:1である。
【0019】<分子量調節剤>上記ノルボルネン系重合
体の分子量の調節は重合温度、触媒の種類、溶媒の種類
によっても行うことができるが、分子量調節剤を反応系
に共存させることにより調節することができる。ここ
に、好適な分子量調節剤としては、例えばエチレン、プ
ロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1
−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンな
どのα−オレフィン類およびスチレンを挙げることがで
き、これらのうち、1−ブテン、1−ヘキセンが特に好
ましい。これらの分子量調節剤は、単独であるいは2種
以上を混合して用いることができる。分子量調節剤の使
用量としては、開環重合反応に供される特定単量体1モ
ルに対して0.005〜0.6モルが好ましく、さらに
好ましくは0.02〜0.5モルである。本発明で用い
られるノルボルネン系重合体の分子量は、固有粘度(η
inh)で0.2〜5.0の範囲のものが好適である
【0020】<水素添加触媒>以上のようにして得られ
る開環重合体は、水素添加触媒を用いて水素添加でき
る。水素添加反応は、通常の方法、例えば、開環重合体
の溶液に水素添加触媒を添加し、これに常圧〜300気
圧、好ましくは3〜200気圧の水素ガスを0〜200
℃、好ましくは20〜180℃で作用させることによっ
て行うことができる。水素添加触媒としては、通常のオ
レフィン性化合物の水素添加反応に用いられるものを使
用することができる。この水素添加触媒としては、不均
一系触媒および均一系触媒が公知である。
【0021】不均一系触媒としては、パラジウム、白
金、ニッケル、ロジウム、ルテニウムなどの貴金属触媒
物質を、カーボン、シリカ、アルミナ、チタニアなどの
担体に担持させた固体触媒を挙げることができる。ま
た、均一系触媒としては、ナフテン酸ニッケル/トリエ
チルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/ト
リエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n−ブチ
ルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニ
ウムモノクロリド、酢酸ロジウム、クロロトリス(トリ
フェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス(トリ
フェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドロカルボ
ニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジ
クロロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ル
テニウムなどを挙げることができる。触媒の形態は粉末
でも粒状でもよい。これらの水素添加触媒は、開環重合
体:水素添加触媒(重量比)が、1:1×10-6〜1:
2となる割合で使用される。このように、水素添加する
ことにより得られる水素添加重合体は優れた熱安定性を
有するものとなり、成形加工時や製品としての使用時の
加熱によってはその特性が劣化することを防止できる。
ここに、水素添加率は、通常不飽和二重結合の50%以
上、好ましく70%以上、更に好ましくは90%以上で
ある。
【0022】上記の様にして得られた重合体には、公知
の酸化防止剤、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メ
チルフェノール、2,2’−ジオキシ−3,3’−ジ−
t−ブチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、テ
トラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン;紫
外線吸収剤、例えば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなど
を添加することによって安定化することができる。ま
た、加工性を向上させる目的で滑剤などの添加剤を添加
することもできる。
【0023】本発明の被覆材として用いられる極性基含
有ポリオレフィン系重合体としては、ポリオレフィン
系重合体に極性基含有重合体を配合したもの、ポリオ
レフィン系重合体を極性基含有化合物で変性した重合
体、オレフィンに極性基含有不飽和単量体を共重合し
たものなどが挙げられる。
【0024】ポリオレフィン系重合体としては、ポリエ
チレン、エチレンと他のα―オレフィンまたは酢酸ビニ
ル、アクリル酸エチル等のビニルモノマーとの共重合
体、ポリプロピレン、プロピレンと他の不飽和単量体
(オレフィン)とのランダムもしくはブロック共重合
体、ポリ(1−ブテン)、1−ブテンと他のα―オレフ
ィンとの共重合体、4−メチル−1−ペンテン系重合
体、エチレン−α―オレフィン共重合体系エラストマ
ー、プロピレン−α―オレフィン共重合体系エラストマ
ー、ブテン―α−オレフィン共重合体系エラストマー等
が挙げられる。これらは、1種でもよくまた2種以上を
併用してもよい。
【0025】極性基含有重合体としては、無水マレイン
酸変性低分子ポリプロピレン、ポリオレフィン系重合体
に、ペルオキシドなどの触媒の存在下あるいは不存在下
に、不飽和カルボン酸またはその誘導体、不飽和エポキ
シ化合物、不飽和ヒドロキシ化合物などの極性基含有不
飽和単量体を付加もしくはグラフト共重合させたものが
好ましく用いられる。
【0026】不飽和カルボン酸またはその誘導体として
は、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒド
ロフタル酸等のα,β―不飽和カルボン酸、ビシクロ
[2.2.1]ヘプト―2−エン―5,6―ジカルボン
酸等の不飽和カルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコ
ン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸等
のα,β―不飽和カルボン酸水物、ビシクロ[2.2.
1]ヘプト―2−エン―5,6―ジカルボン酸無水物等
の不飽和カルボン酸無水物、アクリル酸メチル、メタク
リル酸メチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメ
チル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジメチル、シトラ
コン酸ジエチル、テトラヒドロ無水フタル酸ジメチル、
ビシクロ[2.2.1]ヘプト―2−エン―5,6―カ
ルボン酸ジメチル等のエステル類が挙げられる。
【0027】不飽和エポキシ化合物としては、グリシジ
ルアルリレート、グリシジルメタクリレート、P−スチ
リルカルボン酸グリシジル等の不飽和モノカルボン酸の
グリシジルエステル、マレイン酸、イタコン酸、シトラ
コン酸、ブテントリカルボン酸、ビシクロ[2.2.
1]ヘプト―2−エン―5,6―ジカルボン酸等の不飽
和ジカルボン酸のグリシジルエステル、アリルグリシジ
ルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、ア
リルフェノールのグリシジルエーテル、イソプロペニル
フェノールのグリシジルエーテル、ビニルフェノールの
グリシジルエーテル等の不飽和グリシジルエーテル、2
−(ビニルフェニル)エチレンオキシド、2−(ビニル
フェニル)プロピレンオキシド、2−(アリルフェニ
ル)エチレンオキシド、2−(アリルフェニル)プロピ
レンオキシド、P-グリシジルスチレン、3,4―エポキ
シ―1−ブテン、3,4−エポキシ―3−メチル―1―
ブテン、3,4―エポキシ―1−ペンテン、3,4―エ
ポキシー3−メチルー1−ペンテン、5,6−エポキシ
ー1−ヘキセン、ビニルシクロヘキセンモノオキシド、
アリルー2,3−エポキシシクロペンチルエーテル等が
挙げられる。また、不飽和ヒドロキシ化合物としては、
ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルア
クリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロ
キシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコール
モノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメ
タクリレート等が挙げられる。
【0028】また、本発明の極性基含有ポリオレフィン
系重合体には、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系等
の鉱物油系軟化剤を添加することもできる。
【0029】実施の形態としては、特に制限は無いが本
発明の被覆材はコア/クラッド層の上、あるいはコア/
クラッド/一次被覆材(ガスバリア層等)の上に被覆す
ることができる。本発明の被覆材の被覆方法としては、
特に限定するものではないが、押出機で溶融した本発明
の被覆材をガスバリア性樹脂を被覆装置に供給して、被
覆ノズルで予め製造したファイバー(コア/クラッド、
コア/クラッド/一次被覆)に被覆する方法により被覆
することが一般的である。
【0030】本光ファイバーの用途としては、センサー
用光ファイバー、医療用光ファイバー、自動車用光ファ
イバー、データ通信用光ファイバー等である。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明がこれらによって制限されるものではない。
【0032】〔合成例1〕特定単量体として下記一般式
(2)で表される8ーメチルー8ーメトキシカルボニル
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ー3ード
デセン 250部と分子量調節剤である1ーヘキセン
27部とトルエン500部を、窒素置換した反応容器に
仕込み、80℃に加熱した。これに、重合触媒であるト
リエチルアルミニウム(1.5モル/l)のトルエン溶
液 0.58部と、tーブタノールおよびメタノールで
WCl6を変性し、t−ブタノールとメタノールおよび
タングステンのモル比が0.35:0.3:1とされた
WCl6溶液(濃度0.05モル/l)2.5部を加
え、80℃で3時間加熱撹拌して、重合体溶液Aを得
た。この重合反応における重合転化率は97%であっ
た。
【0033】
【化2】
【0034】得られた重合体溶液Aの4000部をオー
トクレーブに入れ、これにRuHCl(CO)[P(C
6533の0.48部を加え、水素ガス圧を100K
g/cm2、反応温度165℃の条件で3時間加熱撹拌
して水素添加反応を行った。得られた反応溶液を冷却し
た後、水素ガスを放圧し、水素添加重合体溶液Bを得
た。このポリマー溶液を大量のメタノール中で凝固、乾
燥させて水素化ノルボルネン樹脂を単離した。この水素
化ノルボルネン樹脂のTgは170℃、水素添加率は実
質上100%であり、GPC(ゲルパーミエイションク
ロマトグラフィー)で測定したポリスチレン換算の重量
平均分子量Mw=55,000であった。
【0035】〔参考例1〕ポリオレフィン系重合体とし
て、ポリプロピレンとエチレン・プロピレン共重合体と
の組成物からなるサントプレン(エーイーエス・ジャパ
ン(株)製、グレード251−92)100重量部に対
して、無水マレイン酸変性低分子量ポリプロピレン(三
洋化成(株)製、ユーメックス1001)8重量部を配
合し、2軸押し出し機を用いて、210℃で混練りし
て、極性基含有ポリオレフィン系重合体を作成した。
【0036】〔参考例2〕ポリオレフィン系重合体とし
て、ポリプロピレンとエチレン・プロピレン共重合体と
の組成物からなるサントプレン(エーイーエス・ジャパ
ン(株)製、グレード251−92)100重量部に対
して、ポリメチルペンテン(三井化学(株)製,MX0
02)50重量部、無水マレイン酸変性低分子量ポリプ
ロピレン(三洋化成(株)製、ユーメックス1001)
8重量部を配合し、2軸押し出し機を用いて、210℃
で混練りして、極性基含有ポリオレフィン系重合体を作
成した。
【0037】〔実施例1〕合成例1で製造した水素化ノ
ルボルネン樹脂をコア材とし、ポリメタクリル酸メチル
とポリビニリデンフルオライドアロイをクラッド材とし
て用い、押し出し機で溶融した樹脂を2重構造のノズル
に導入する溶融紡糸法によりコア/クラッドからなる直
径1mmのプラスチック光ファイバーを作製した。この
2層構造のプラスチック光ファイバーを被覆装置に導入
し、押し出し機で溶融させたエチレンービニルアルコー
ル共重合体(クラレ社製、エバールEP−E105)を
0.2mmの厚みで被覆した。さらにその上に、参考例1
で作成した極性基含有ポリオレフィン樹脂を同様の方法
により0.4mmの厚みで被覆した。こうして、被覆を行
ったファイバーのうち2mを、130℃のギヤオーブン
中に24時間投入した後に、そのピストニング量を測定
したところ、エチレンービニルアルコール以下の層の凹
みが0.01mm認められただけであった。また、同被覆
ファイバーを85℃、85%湿度の条件で100時間処
理を行い、外皮の極性基含有ポリオレフィン層のべたつ
きを観察したが、べたつきは全く認められなかった。
【0038】〔実施例2〕実施例1において、外皮材と
して参考例1で作成したものに代えて、参考例2で作成
した極性基含有ポリオレフィン系重合体を用いて被覆し
た他は、実施例1と同様の方法により被覆したファイバ
ーを作成した。この被覆ファイバーを用いて実施例1と
同様の方法により、ピストニング量を測定したところ、
0.01mm以下の凹みが認められただけであった。ま
た、85℃、85%湿度の条件で100時間処理した後
でも、外皮のベタツキは全く認められなかった。
【0039】〔比較例1〕実施例1において、外皮材と
して参考例1で作成した極性基含有ポリオレフィン樹脂
に代えて、サントプレン(エーイーエス・ジャパン
(株)製、グレード251−92)を用いて被覆した他
は、実施例1と同様の方法により被覆したファイバーを
作成した。この被覆ファイバーを用いて実施例1と同様
の方法により、ピストニング量を測定したところ、4.
7mmと大量のピストニング(凸量)が認められた。いっ
ぽう、高温・高湿下での外皮のべたつきは観察されなか
った。
【0040】〔比較例2〕実施例1において、外皮材と
して極性基含有ポリオレフィンに代えてポリエステルエ
ラストマー(帝人(株)製ポリエステルエラストマー、
グレードQA4140BABL)を用いた他は、実施例1と同
様にして被覆したファイバーを作成し、実施例1と同様
の方法によりピストニング量を測定したところ、0.0
7mmであった。また、高温・高湿条件下で処理したあと
の外皮にかなりのベタツキが観察された。
【0041】
【発明の効果】本発明により得られた光ファイバーは、
ピストニングや高温高湿条件下でのべたつきの発生がな
く、取り扱い上また保存安定性の点からも極めて優れた
プラスチック光ファイバーが得られる。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H050 AB42X AB43X AB44Y AB47Y AB50Y BB03Q BB07Q BB07S BB09Q BB09S BB10Q BB10S BB17Q BB17S BD00 BD03 BD05 4J038 CB021 CB031 CB051 CB061 CB081 CB091 CB101 CB111 GA03 GA06 GA07 NA14 PB11 PC08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極性基含有オレフィン系重合体からなる
    プラスチック光ファイバー被覆材。
  2. 【請求項2】 極性基含有オレフィン系重合体を被覆し
    てなるプラスチック光ファイバー。
  3. 【請求項3】 プラスチック光ファイバーのコアがノル
    ボルネン系樹脂である請求項3記載のプラスチック光フ
    ァイバー。
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