JP2001305398A - プラスチック光ファイバ - Google Patents

プラスチック光ファイバ

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JP2001305398A
JP2001305398A JP2000120849A JP2000120849A JP2001305398A JP 2001305398 A JP2001305398 A JP 2001305398A JP 2000120849 A JP2000120849 A JP 2000120849A JP 2000120849 A JP2000120849 A JP 2000120849A JP 2001305398 A JP2001305398 A JP 2001305398A
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optical fiber
plastic optical
metal
dodecene
polymer
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JP2000120849A
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English (en)
Inventor
Hideaki Kumazawa
英明 熊沢
Yasuhiro Sakakura
康広 坂倉
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Original Assignee
JSR Corp
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温下、高湿下での耐久性に極めて優れたプ
ラスチック光ファイバを提供すること。 【解決手段】 環状ポリオレフィン系樹脂からなる芯部
と、鞘部からなるプラスチックファイバの外側に設けら
れる被覆層の一つとして、好ましくは金、銀、銅、アル
ミニウム、酸化アルミニウム、ケイ素酸化物、および酸
化マグネシウムの群から選ばれた少なくとも1種からな
り、物理蒸着法または化学蒸着法により得られ、厚みが
10〜200nmである金属または金属酸化物層を設け
ているプラスチック光ファイバ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属または金属酸
化物層を有し、芯部および鞘部からなるプラスチックフ
ァイバに関し、詳しくは、高温下、高湿下での耐久性に
極めて優れたプラスチック光ファイバに関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック光ファイバは、石英系ファ
イバに比べ、可撓性に富み、かつ大口径・高開口数であ
ること、端面処理や接続が容易であることなどから、短
距離通信やセンサといった分野への応用が始まってい
る。従来実用化されているプラスチック光ファイバに
は、芯部と鞘部からなるプラスチックファイバがあり、
芯材にメタクリル酸メチルを主体とした樹脂やポリカー
ボネート樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂を用い、鞘材
には芯材より屈折率の低いフッ化ビニリデン系共重合体
やフッ化メタクリレート系共重合体を用いたものがあ
る。これらのプラスチック光ファイバは、鞘部の外側に
低密度ポリエチレンやポリ塩化ビニルなどを被覆したプ
ラスチック光ファイバコードとしても使用されている。
上記プラスチック光ファイバの使用分野では、長期の耐
久性が求められており、吸湿による光伝送損失の増大お
よび強度の低下、熱による劣化を抑えることが必要不可
欠となっている。しかし、以上の条件をすべて満たすプ
ラスチック光ファイバの芯材は無く、それぞれの樹脂に
欠点が存在している。例えば、プラスチック光ファイバ
の芯材として通常使用される、アクリル樹脂は、吸水性
が大きく吸湿による屈折率などの変化が大きいことが欠
点であり、ポリカーボネート樹脂は吸湿による分子量の
低下などの問題があり、環状ポリオレフィン系樹脂を用
いた耐熱性光ファイバコードについてはその構造中に三
級炭素を含有するために、熱や酸素による劣化を受け易
く、耐久性の信頼性に欠けるというのが実用面での問題
点である。ただし、上記材料の中では、高ガラス転移温
度(高耐熱性)、低吸水性、小さい光弾性定数を兼ね備
えていることから、環状ポリオレフィン系樹脂を用いた
光ファイバが、特性上、最も適合している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題を背景になされたもので、高温下、高湿下での
耐久性に極めて優れたプラスチック光ファイバを目的と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、プラスチ
ック光ファイバの被覆材の種類や厚みについて鋭意検討
を重ねた結果、下記の構成を有するプラスチック光ファ
イバによって、工業的に有利に本発明は達成されること
を見いだした。本発明は、芯部と鞘部からなるプラスチ
ックファイバの外側に設けられる被覆層の一つとして、
金属または金属酸化物層を設けたことを特徴とするプラ
スチック光ファイバに関する。上記芯部は、環状ポリオ
レフィン系樹脂からなることが好ましい。また、上記金
属または金属酸化物層は、金、銀、銅、アルミニウム、
酸化アルミニウム、ケイ素酸化物、および酸化マグネシ
ウムの群から選ばれた少なくとも1種からなることが好
ましい。さらに上記金属または金属酸化物層は、物理蒸
着法または化学蒸着法により得られた層であることが好
ましい。さらに、上記金属または金属酸化物層の厚み
は、10〜200nmであることが好ましい。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において使用する芯部と鞘
部からなるプラスチック光ファイバとしては、コーティ
ング加工性または蒸着加工性を有していれば特に限定さ
れることは無く、各種プラスチック光ファイバが使用で
きる。芯部用樹脂(コア材)としては、鞘部用樹脂(ク
ラッド材)材よりも光屈折率が大きいものであればよ
く、環状ポリオレフィン系樹脂や、ポリメチルメタクリ
レート(PMMA)系の公知の樹脂、例えば、メチルメ
タクリレート単独重合体や、メチルメタクリレートを5
0重量%以上含んだ共重合体が挙げられる。上記メチル
メタクリレートと共重合可能な成分としては、アクリル
酸メチル、アクリル酸エチルなどのアクリル酸エステル
類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸プロピルなどのメタクリル酸エステル類、マレイ
ミド類、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、
スチレンなどが挙げられる。またその他の芯部用樹脂と
してスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、パーフ
ルオロ樹脂、シリコーン樹脂なども使用できる。中でも
好ましくは、環状ポリオレフィン系樹脂である。
【0006】本発明に用いられる環状ポリオレフィン樹
脂として、下記〜に示す重合体を挙げることができ
る。 下記一般式(I)で表される単量体(以下、「特定単
量体」という。)の開環重合体。 特定単量体と共重合性単量体との開環共重合体。 上記またはの開環(共)重合体の水素添加(共)
重合体。 上記またはの開環(共)重合体をフリーデルクラ
フト反応により環化したのち、水素添加した(共)重合
体。 特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和共重
合体およびその水素添加(共)重合体。 特定単量体、ビニル系環状炭化水素系単量体およびシ
クロペンタジエン系単量体から選ばれる1種以上の単量
体の付加型(共)重合体およびその水素添加共重合体。
【0007】
【化1】
【0008】(式中、R1 〜R4 は、それぞれ水素原
子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、また
はその他の1価の有機基であり、それぞれ同一であって
も異なっていてもよい。R1 とR2 またはR3 とR
4 は、一体化して2価の炭化水素基を形成してもよく、
1 またはR2 とR3 またはR4 とは互いに結合して、
単環または多環構造を形成してもよい。mは0または正
の整数であり、pは0または正の整数である。)
【0009】上記環状ポリオレフィン系樹脂には、特定
単量体の開環重合体が含まれる。 <特定単量体>好ましい特定単量体としては、上記一般
式(I)中、R1 およびR3 が水素原子または炭素数1
〜10、さらに好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜
2の炭化水素基であり、R2 およびR4 が水素原子また
は一価の有機基であって、R2およびR4 の少なくとも
一つは水素原子および炭化水素基以外の極性基を示し、
mが0〜3の整数、pが0〜3の整数であり、m+pが
0〜4、さらに好ましくは0〜2、特に好ましくは1で
あるものを挙げることができる。上記特定単量体の極性
基としては、ハロゲン、カルボキシル基、水酸基、アル
キルエステル基や、芳香族エステル基などのエステル
基、アミノ基、アミド基、シアノ基、エーテル基、アシ
ル基、シリルエーテル基、チオエーテル基などが挙げら
れる。これらの中では、カルボキシル基、エステル基が
好ましく、特にアルキルエステル基が好ましい。
【0010】また、特定単量体のうち、特に、R2 およ
びR4 の少なくとも一つの極性基が式−(CH2 )nC
OOR5 で表される単量体は、得られる環状ポリオレフ
ィン樹脂が高いガラス転移温度(高耐熱性)と低い吸湿
性を有するものとなる点で好ましい。上記式−(C
2 )nCOOR5 で表される極性基において、R5
炭素原子数1〜12、さらに好ましくは1〜4、特に好
ましくは1〜2の炭化水素基、好ましくはアルキル基で
ある。また、nは通常0〜5であるが、nの値が小さい
ものほど、得られる環状ポリオレフィン樹脂のガラス転
移温度が高くなるので好ましい。さらに、nが0である
特定単量体は、その合成が容易である点で好ましい。さ
らに、上記一般式(I)においてR1 またはR3 がアル
キル基であることが好ましく、当該アルキル基の炭素数
は1〜4であることが好ましく、さらに好ましくは1〜
2、特に好ましくは1のメチル基である。特に、このア
ルキル基が、上記の式−(CH2 )nCOOR5 で表さ
れる極性基が結合した炭素原子と同一の炭素原子に結合
されていることが好ましい。また、一般式(I)におい
てmが1である特定単量体は、ガラス転移温度の高い環
状ポリオレフィン系樹脂が得られる点で好ましい。
【0011】上記一般式(I)で表わされる特定単量体
の具体例としては、次のような化合物が挙げられる。ビ
シクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、トリシクロ
[5.2.1.02,6 ]−8−デセン、テトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、ペン
タシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]−4
−ペンタデセン、ペンタシクロ[7.4.0.12,5
9,12.08,13]−3−ペンタデセン、トリシクロ
[4.4.0.12,5 ]−3−ウンデセン、5−メチル
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチル
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキ
シカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン、5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−メトキシカルボ
ニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3
−ドデセン、8−エトキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−
n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.
2,5 .17,10]−3−ドデセン、8−イソプロポキシ
カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、8−n−ブトキシカルボニル
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ド
デセン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシ
クロ[4.4.0.12,5 .1 7,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.0.12,5 .1 7,10]−3−ドデセン、8−
メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.0.12, 5 .17,10]−3−ドデセン、8−
メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.0.12, 5 .17,10]−3−ドデセン、8−
メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.0.12,5.17 ,10 ]−3−ドデセン、ジ
メタノオクタヒドロナフタレン、エチルテトラシクロド
デセン、6−エチリデン−2−テトラシクロドデセン、
トリメタノオクタヒドロナフタレン、ペンタシクロ
[8.4.0.12,5 .19,12.08,13]−3−ヘキサ
デセン、ヘプタシクロ[8.7.0.13,6
10,17 .112,15 .02,7 .011,16]−4−エイコ
セン、ヘプタシクロ[8.8.0.14,7 .111,18
13,16 .03,8 .012,17]−5−ヘンエイコセン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.
2,5 .17,10]−3−ドデセン、5−フェニルビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−フェニルテト
ラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセ
ン、5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン、5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン、5−トリフルオロメチルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5−ペンタフルオロエチル
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5−ジ
フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2
−エン、5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ビス(トリ
フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン、5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5,6−トリフ
ルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,
5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5,5,6,6−テトラフルオ
ロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5,
6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5−ジフルオロ
−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジフルオロ−5,
6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5,5,6−トリフルオロ−5
−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−
2−エン、5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−
6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジフルオロ−5−
ヘプタフルオロ−iso−プロピル−6−トリフルオロ
メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−
クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5,6−ジクロロ−5,6−ビ
ス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン、5,5,6−トリフルオロ−6−トリフ
ルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン、5,5,6−トリフルオロ−6−ヘプタフルオロプ
ロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8
−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、8−フルオロメチルテトラシ
クロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]−3−ドデセン、8−トリフルオロメチ
ルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−
ドデセン、8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8,
8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−3−ドデセン、8,9−ジフルオロテトラシク
ロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ
[4.4.0.12,5 .1 7,10]−3−ドデセン、8,
9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.
4.0.12,5 .1 7,10]−3−ドデセン、8−メチル
−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.
2,5 .1 7,10]−3−ドデセン、8,8,9−トリフ
ルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−
3−ドデセン、8,8,9−トリス(トリフルオロメチ
ル)テトラシクロ[4.4.0.12, 5 .17,10]−3
−ドデセン、8,8,9,9−テトラフルオロテトラシ
クロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テ
トラシクロ[4.4.0.12 ,5 .17,10]−3−ド
デセン、8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフル
オロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−3−ドデセン、8,9−ジフルオロ−8,9−
ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8,8,9−ト
リフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ
[4.4.0.12 ,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシ
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ド
デセン、8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオ
ロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−3−ドデセン、8−フルオロ−8−ペンタフル
オロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テト
ラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセ
ン、8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロiso−
プロピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−クロロ
−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8,9−ジクロ
ロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−
(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テト
ラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセ
ン、8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエト
キシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセンなどを挙げることができる。こ
れらは、1種単独で、または2種以上を併用することが
できる。
【0012】これらの特定単量体のうち、8−メチル−
8−メトキシカルボニルテトラシクロ〔4.4.0.1
2,5 .17,10〕−3−ドデセン、8−エチリデンテトラ
シクロ〔4.4.0.12,5 .17,10〕−3−ドデセ
ン、8−エチルテトラシクロ〔4.4.0.12 ,5
7,10〕−3−ドデセン、ペンタシクロ〔7.4.0.
2,5 .19,12.08,13〕−3−ペンタデセンは、最終
的に得られる環状ポリオレフィン樹脂が耐熱性に優れた
ものとなる点で好ましく、特に、8−メチル−8−メト
キシカルボニルテトラシクロ〔4.4.0.12,5 .1
7,10〕−3−ドデセンは、クラッド材との密着性の面か
らも最も好ましい。
【0013】開環重合工程においては、上記の特定単量
体を単独で開環重合させてもよいが、上記特定単量体と
共重合性単量体とを開環共重合させてもよい。 <共重合性単量体>この場合に使用される共重合性単量
体の具体例としては、シクロブテン、シクロペンテン、
シクロヘプテン、シクロオクテン、トリシクロ[5.
2.1.02, 6 ]−3−デセン、5−エチリデン−2−
ノルボルネン、ジシクロペンタジエンなどのシクロオレ
フィンを挙げることができる。シクロオレフィンの炭素
数としては、4〜20が好ましく、さらに好ましくは5
〜12である。これらは、1種単独で、または2種以上
を併用することができる。
【0014】<開環重合触媒>本発明において、開環重
合反応はメタセシス触媒の存在下に行われる。このメタ
セシス触媒は、(a)W、MoおよびReの化合物から
選ばれた少なくとも1種と、(b)デミングの周期律表
IA族元素(例えばLi、Na、Kなど)、IIA族元素
(例えばMg、Caなど)、IIB族元素(例えばZn、
Cd、Hgなど)、III A族元素(例えばB、Alな
ど)、IVA族元素(例えばSi、Sn、Pbなど)ある
いはIVB族元素(例えばTi、Zrなど)の化合物であ
って、少なくとも1つの当該元素−炭素結合あるいは当
該元素−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも
1種との組合せからなる触媒である。またこの場合に触
媒の活性を高めるために、後述の添加剤(c)が添加さ
れたものであってもよい。
【0015】(a)成分として適当なW、Moあるいは
Reの化合物の代表例としては、WCl6 、MoC
5 、ReOCl3 など特開平1−240517号公報
に記載の化合物を挙げることができる。(b)成分の具
体例としては、n−C49 Li、(C253
l、(C 252 AlCl、(C2 51.5 AlC
1.5 、(C25 )AlCl2、メチルアルモキサ
ン、LiHなど特開平1−240517号公報に記載の
化合物を挙げることができる。
【0016】添加剤である(c)成分の代表例として
は、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類
などが好適に用いることができるが、更に特開平1−2
40517号公報に示される化合物を使用することがで
きる。
【0017】メタセシス触媒の使用量としては、上記
(a)成分と特定単量体とのモル比で「(a)成分:特
定単量体」が、通常、1:500〜1:50,000と
なる範囲、好ましくは1:1,000〜1:10,00
0となる範囲とされる。(a)成分と(b)成分との割
合は、金属原子比で「(a):(b)」が1:1〜1:
50、好ましくは1:2〜1:30の範囲とされる。
(a)成分と(c)成分との割合は、モル比で
「(c):(a)」が0.005:1〜15:1、好ま
しくは0.05:1〜7:1の範囲とされる。
【0018】<分子量調節剤>得られる開環(共)重合
体の分子量の調節は、重合温度、触媒の種類、溶媒の種
類によっても行うことができるが、本発明においては、
分子量調節剤を反応系に共存させることにより調節する
ことが好ましい。ここに、好適な分子量調節剤として
は、例えばエチレン、プロペン、1−ブテン、1−ペン
テン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1
−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィン類およびス
チレンを挙げることができ、これらのうち、1−ブテ
ン、1−ヘキセンが特に好ましい。これらの分子量調節
剤は、単独であるいは2種以上を混合して用いることが
できる。分子量調節剤の使用量としては、開環重合反応
に供される特定単量体1モルに対して0.005〜0.
6モル、好ましくは0.02〜0.5モルとされる。
【0019】<開環重合反応用溶媒>開環重合反応にお
いて用いられる溶媒(特定単量体、メタセシス触媒およ
び分子量調節剤を溶解する溶媒)としては、例えばペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン
などのアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、
シクロオクタン、メチルシクロヘキサン、デカリン、ノ
ルボルナンなどのシクロアルカン類;ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭
化水素;クロロブタン、ブロモヘキサン、塩化メチレ
ン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロ
ロベンゼン、クロロホルム、テトラクロロエチレンなど
のハロゲン化アルカン、ハロゲン化アリールなどの化合
物;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチ
ル、プロピオン酸メチル、ジメトキシエタンなどの飽和
カルボン酸エステル類;ジブチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類を挙げる
ことができ、これらは単独であるいは混合して用いるこ
とができる。これらのうち、芳香族炭化水素が好まし
い。溶媒の使用量としては、「溶媒:特定単量体(重量
比)」が、通常1:1〜10:1となる量とされ、好ま
しくは1:1〜5:1となる量とされる。
【0020】上記のようにして得られた開環(共)重合
体には、公知の酸化防止剤、例えば2,6−ジ−t−ブ
チル−4−メチルフェノール、2,2′−ジオキシ−
3,3′−ジ−t−ブチル−5,5′−ジメチルジフェ
ニルメタン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]メタン;紫外線吸収剤、例えば2,4−ジヒドロキ
シベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノンなどを添加することによって安定化すること
ができる。また、加工性を向上させる目的で、滑剤など
の添加剤を添加することもできる。
【0021】以上のようにして得られる開環(共)重合
体は、そのまま芯部用樹脂として使用することもできる
が、さらに水素添加を行い、開環(共)重合体の水素添
加物を使用することが好ましい。 <水素添加触媒>水素添加反応は、通常の方法、すなわ
ち、開環(共)重合体の溶液に水素添加触媒を添加し、
これに常圧〜300気圧、好ましくは3〜200気圧の
水素ガスを0〜200℃、好ましくは20〜180℃で
作用させることによって行われる。水素添加触媒として
は、通常のオレフィン性化合物の水素添加反応に用いら
れるものを使用することができる。この水素添加触媒と
しては、不均一系触媒および均一系触媒が公知である。
【0022】不均一系触媒としては、パラジウム、白
金、ニッケル、ロジウム、ルテニウムなどの貴金属触媒
物質を、カーボン、シリカ、アルミナ、チタニアなどの
担体に担持させた固体触媒を挙げることができる。ま
た、均一系触媒としては、ナフテン酸ニッケル/トリエ
チルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/ト
リエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n−ブチ
ルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニ
ウムモノクロリド、酢酸ロジウム、クロロトリス(トリ
フェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス(トリ
フェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドロカルボ
ニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジ
クロロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ル
テニウムなどを挙げることができる。触媒の形態は粉末
でも粒状でもよい。これらの水素添加触媒は、「開環
(共)重合体:水素添加触媒(重量比)」が、1:1×
10-6〜1:2となる割合で使用される。このように、
水素添加することにより得られる水素添加(共)重合体
は、優れた熱安定性を有するものとなり、成形加工時や
製品としての使用時の加熱によってはその特性が劣化す
ることはない。ここで、水素添加率は、60MHz、 1
H−NMRで測定した値が通常50%以上、好ましくは
70%以上、さらに好ましくは90%以上である。水素
添加率が高いほど、熱や光に対する安定性が優れたもの
となる。なお、本発明の環状ポリオレフィン系樹脂とし
て使用される水素添加(共)重合体は、該水素添加
(共)重合体中に含まれるゲル含有量が5重量%以下で
あることが好ましく、さらに1重量%以下であることが
特に好ましい。なお、上記ゲル含有量とは、25℃の温
度で、水素添加(共)重合体50gを1%濃度になるよ
うにクロロホルムに溶解し、この溶液をあらかじめ重量
を測定してある孔径0.5μmのメンブランフィルター
を用いてろ過し、ろ過後のフィルターを乾燥後、その重
量の増加量から算出したものをいう。
【0023】また、本発明の環状ポリオレフィン系樹脂
として、上記開環(共)重合体をフリーデルクラフト反
応により環化したのち、水素添加した(共)重合体も使
用できる。 <フリーデルクラフト反応による環化>上記開環(共)
重合体をフリーデルクラフト反応により環化する方法は
特に限定されるものではないが、特開昭50−1543
99号公報に記載の酸性化合物を用いた公知の方法が採
用できる。酸性化合物としては、具体的には、AlCl
3 、BF3 、FeCl3 、Al2 3 、HCl、CH3
ClCOOH、ゼオライト、活性白土、などのルイス
酸、ブレンステッド酸が用いられる。環化された開環
(共)重合体は、上記開環(共)重合体と同様に水素添
加できる。
【0024】さらに、上記環状ポリオレフィン樹脂とし
て、特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和共
重合体が挙げられる。 <飽和共重合体を構成する不飽和二重結合含有化合物>
特定単量体との共重合に供される不飽和二重結合含有化
合物としては、例えばエチレン、プロピレン、ブテンな
ど炭素数2〜12、好ましくは2〜8のオレフィン系化
合物を挙げることができる。特定単量体/不飽和二重結
合含有化合物の好ましい使用範囲は、重量比で90/1
0〜40/60であり、さらに好ましくは85/15〜
50/50である。
【0025】<飽和共重合体を得る際に使用する触媒>
特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との共重合反応
に使用される触媒としては、バナジウム化合物と有機ア
ルミニウム化合物とからなる触媒が用いられる。バナジ
ウム化合物としては、一般式VO(OR)a b または
V(OR)c d 〔ただし、Rは炭化水素基、Xはハロ
ゲン原子であって、0≦a≦3、0≦b≦3、2≦a+
b≦3、0≦c≦4、0≦d≦4、3≦(c+d)≦
4〕で表されるバナジウム化合物、あるいはこれらの電
子供与体付加物が用いられる。電子供与体としてはアル
コール、フェノール類、ケトン、アルデヒド、カルボン
酸、有機酸または無機酸のエステル、エーテル、酸アミ
ド、酸無水物、アルコキシシランなどの含酸素電子供与
体、アンモニア、アミン、ニトリル、イソシアナートな
どの含窒素電子供与体などが挙げられる。有機アルミニ
ウム化合物触媒成分としては、少なくとも1つのアルミ
ニウム−炭素結合あるいはアルミニウム−水素結合を有
するものから選ばれた少なくとも1種が用いられる。触
媒成分の比率はバナジウム原子に対するアルミニウム原
子の比(Al/V)で2以上、好ましくは2〜50、特
に好ましくは3〜20の範囲である。
【0026】<飽和共重合体を得る際に使用する溶媒>
特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との共重合反応
に使用される溶媒としては、上記開環重合反応に用いら
れる溶媒と同じものを使用することができ、例えばペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン
などのアルカン類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキ
サンなどのシクロアルカン類、ベンゼン、トルエン、キ
シレンなどの芳香族炭化水素およびそのハロゲン誘導体
を挙げることができ、これらのうち、シクロヘキサンが
好ましい。また、得られる飽和共重合体の分子量の調節
は、通常、水素を用いて行われる。
【0027】さらに、上記環状ポリオレフィン系樹脂と
して、上記特定単量体、ビニル系環状炭化水素系単量体
およびシクロペンタジエン系単量体から選ばれる1種以
上の単量体の付加型(共)重合体およびその水素添加
(共)重合体も使用できる。 <ビニル系環状炭化水素系単量体>ビニル系環状炭化水
素系単量体としては、例えば、4−ビニルシクロペンテ
ン、2−メチルー4−イソプロペニルシクロペンテンな
どのビニルシクロペンテン系単量体、4−ビニルシクロ
ペンタン、4−イソプロペニルシクロペンタンなどのビ
ニルシクロペンタン系単量体などのビニル化5員環炭化
水素系単量体、4−ビニルシクロヘキセン、4−イソプ
ロペニルシクロヘキセン、1−メチル−4−イソプロペ
ニルシクロヘキセン、2−メチル−4−ビニルシクロヘ
キセン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセ
ンなどのビニルシクロヘキセン系単量体、4−ビニルシ
クロヘキサン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロ
ヘキサンなどのビニルシクロヘキサン系単量体、スチレ
ン、α―メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メ
チルスチレン、4−メチルスチレン、1−ビニルナフタ
レン、2−ビニルナフタレン、4−フェニルスチレン、
p−メトキシスチレンなどのスチレン系単量体、d−テ
ルペン、1−テルペン、ジテルペン、d−リモネン、1
−リモネン、ジペンテンなどのテルペン系単量体、4−
ビニルシクロヘプテン、4−イソプロペニルシクロヘプ
テンなどのビニルシクロヘプテン系単量体、4−ビニル
シクロヘプタン、4−イソプロペニルシクロヘプタンな
どのビニルシクロヘプタン系単量体などが挙げられる。
好ましくは、スチレン、α−メチルスチレンである。こ
れらは、1種単独で、または2種以上を併用することが
できる。
【0028】<シクロペンタジエン系単量体>本発明の
付加型(共)重合体の単量体に使用されるシクロペンタ
ジエン系単量体としては、例えばシクロペンタジエン、
1−メチルシクロペンタジエン、2−メチルシクロペン
タジエン、2−エチルシクロペンタジエン、5−メチル
シクロペンタジエン、5,5−メチルシクロペンタジエ
ンなどが挙げられる。好ましくはシクロペンタジエンで
ある。これらは、1種単独で、または2種以上を併用す
ることができる。
【0029】上記特定単量体、ビニル系環状炭化水素系
単量体およびシクロペンタジエン系単量体から選ばれる
1種以上の単量体の付加型(共)重合体は、上記特定単
量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和共重合体と同
様の付加重合法で得ることができる。また、上記付加型
(共)重合体の水素添加(共)重合体は、上記開環
(共)重合体の水素添加(共)重合体と同様の水添法で
得ることができる。本発明の芯部用樹脂としては、環状
ポリオレフィン系樹脂の中でも、好ましくはノルボルネ
ン系樹脂であり、具体的には、JSR(株)社製商品名
アートンが挙げられる。
【0030】本発明で用いられる環状ポリオレフィン系
樹脂の好ましい分子量は、ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の
重量平均分子量(Mw)が、通常7,000〜2,00
0,000、好ましくは10,000〜1,000,0
00、さらに好ましくは20,000〜500,00
0、特に好ましくは30,000〜100,000の範
囲のものである。重量平均分子量が上記範囲にあること
によって、環状ポリオレフィン系樹脂の成形加工性、耐
熱性、耐水性、耐薬品性、機械的特性などが良好とな
る。
【0031】本発明に使用される環状ポリオレフィン系
樹脂は、上記のような開環(共)重合体、水素添加
(共)重合体、飽和共重合体、または付加型(共)重合
体およびその水素添加(共)重合体より構成されるが、
これに公知の酸化防止剤、紫外線吸収剤などを添加して
さらに安定化することができる。また、加工性を向上さ
せるために、滑剤などの従来の樹脂加工において用いら
れる添加剤を添加することもできる。
【0032】鞘部用樹脂(クラッド材)としては、通
常、芯部に用いられる材料よりも屈折率の低い材料が好
ましく、例えば、α−フルオロアクリレート系共重合
体、ポリメタクリル酸メチル/ポリビニリデンフルオロ
ライド系組成物、ポリビニリデンフルオロライド系重合
体、ポリテトラフルオロエチレン系重合体(PTF
E)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)などが
挙げられる。コア材とクラッド材の屈折率の差が大きけ
れば、開口数(N.A.)が大きくなり、受光角度が大
きくなるために透過する光量は大きくなり、明るくな
る。平行光が必要な場合は、屈折率の差は小さくても良
く、視野角が広く必要な場合は、屈折率の差は大きい必
要がある。
【0033】本発明において、芯部および鞘部からプラ
スチック光ファイバを形成する方法としては、通常用い
られている方法が採用でき、例えば、押出し機を使用し
て、コア材およびクラッド材を溶融して2重構造のノズ
ルに導入する溶融紡糸法が挙げられる。上記溶融紡糸法
でコア材として環状ポリオレフィン系樹脂を使用する場
合、環状ポリオレフィン系樹脂の溶融温度としては、好
ましくは200〜350℃、さらに好ましくは250〜
330℃、特に好ましくは280〜320℃である。得
られる芯部および鞘部からなるプラスチック光ファイバ
の直径は、光ファイバとして必要な範囲内であれば特に
制限はないが、通常、0.05〜10mm、好ましくは
0.05〜5mm、さらに好ましくは0.25〜2mm
である。鞘部の厚さは、通常1〜100μm、好ましく
は3〜50μm、さらに好ましくは5〜30μmであ
る。
【0034】本発明において、芯部と鞘部からなるプラ
スチック光ファイバの外側に複数の被覆層が設けられる
場合、金属または金属酸化物層の形成位置は特別の制限
は無く、任意の位置の被覆層として設けられる。また、
プラスチック光ファイバの被覆層は、光ファイバ素線を
被覆するものでもよく、複数の光ファイバ素線(マルチ
ファイバ)を束ねたものを被覆するものでもよい。金属
または金属酸化物層の材料としては特別の制限はなく、
酸素、水蒸気などのガスバリア性を有するものであれば
よい。酸素、水蒸気などのガスバリア性を有するものと
して具体的には、金属として金、銀、銅、アルミニウ
ム、ケイ素、スズ、マグネシウム、亜鉛、鉛、クロム、
インジウム、チタン、およびこれらの合金など、金属酸
化物として酸化アルミニウム、ケイ素酸化物、酸化マグ
ネシウム、酸化スズなどが挙げられる。本発明によるガ
スバリア性を考慮した場合、金、銀、銅、アルミニウ
ム、酸化アルミニウム、ケイ素酸化物または酸化マグネ
シウムが望ましい。
【0035】また、金属または金属酸化物層の形成方法
としては、特別の制限は無く、電気メッキ、無電解メッ
キ、衝撃メッキ、スプレー法、物理蒸着法(PVD)、
化学蒸着法(CVD)などで形成することができる。中
でも、物理蒸着法(PVD)または化学蒸着法(CV
D)により形成するの好ましい。物理蒸着法(PVD)
としては、真空蒸着法、スパッタリング、イオンプレー
ティング法などの公知の手法がいずれも可能である。真
空蒸着法としては、加熱蒸発法、電子ビーム蒸発法、誘
導加熱蒸発法などが使用できる。真空蒸着法は、工業的
には連続巻き取り式が通常採用されるが、枚様式でも良
いことは勿論である。化学蒸着法とは、反応室中に導入
した気体原料に、熱、光などのエネルギーを加え、種々
の化学反応を誘起させて、基板上に物質を堆積被覆する
方法である。金属酸化物層を形成する場合、上記物理蒸
着法などで金属単体層を形成した後に、必要に応じてそ
の後、加熱酸化、陽極酸化、液相酸化などの酸化処理を
施して、酸化物とすることもできる。また、金属または
金属酸化物層を形成する前に、あらかじめアンカーコー
ト剤のコーティングや、ケミカルエッチング処理、コロ
ナ処理、プラズマ処理などの前処理を行ってもよい。
【0036】本発明において、金属または金属酸化物層
の厚みは、本発明の目的の範囲内であれば、用いられる
金属または金属酸化物の種類により任意に設定可能であ
るが、酸素および水蒸気バリアー性などの一般的必要特
性や生産性を考慮すると、好ましくは10〜350n
m、さらに好ましくは20〜300nm、特に好ましく
は40〜200nmの範囲が望ましい。層の厚みが10
nm未満であると、金属または金属酸化物層がプラスチ
ック光ファイバの全面を覆わないことや層厚が充分でな
いことがあり、ガスバリア材としての機能を十分に果た
せない可能性がある。一方、350nmを超える場合
は、層にフレキシビリティを保持させることができず、
層形成後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、
金属または金属酸化物層に亀裂を生じる恐れがあるため
である。本発明の金属または金属酸化物層は、酸素およ
び水蒸気を遮断し、プラスチック光ファイバのコア材
が、酸素による酸化劣化および水蒸気により白濁を起こ
すことを防止する。また、ファイバ内を通過する光の迷
光を防止する効果もある。
【0037】また、本発明のプラスチック光ファイバ
は、被覆されていても良い。被覆層として用いられる材
料としては、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポ
リ塩化ビニリデン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアミド
系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリロニトリル、
ポリプロピレンエラストマー、ポリエステルエラストマ
ー、ビニリデンフロライド共重合体、液晶ポリエステル
などが挙げられる。
【0038】
【実施例】以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は、これらの実施例により何ら限
定されるものではない。なお、実施例中の部および%
は、特に断らない限り重量部および重量%である。ま
た、実施例中の各種の測定は、次のとおりである。
【0039】ガラス転移温度(Tg) セイコウインスツルメント(株)製走査熱量計(DS
C)DSC−6200により、チッ素雰囲気下におい
て、10℃/分の昇温速度で測定した。水素化率 水素添加単独重合体の場合には、60MHz、 1H−N
MRを測定し、エステル基のメチル水素とオレフィン系
水素のそれぞれの吸収強度の比、またはパラフィン系水
素とオレフィン系水素のそれぞれの吸収強度の比から水
素化率を測定した。また、水素添加共重合体の場合に
は、重合後の共重合体の 1H−NMR吸収と水素化後の
水素添加共重合体のそれを比較して算出した。重量平均分子量(Mw) 東ソー(株)製、HLC−8020型、ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー(GPC)装置で、東ソー
(株)製、Hタイプカラムを用い、テトラヒドロフラン
(THF)を溶媒として、40℃で測定した。得られた
分子量は、標準ポリスチレン換算値である。
【0040】金属層の厚み ULVAC製、CRTM−6000を用い、水晶振動子
法で、測定した。光伝送損失 アンリツ(株)製、パワーメータ本体MS−9020
D、センサーMA−9423A、光源MS−0905A
を用いて、23℃、50%RH条件下で、測定した。
【0041】参考例1 特定単量体として下記化学式(II)で表される8−メチ
ル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ〔4.4.
0.12,5 .17,10〕−3−ドデセン250部、分子量
調節剤である1−ヘキセン27部、およびトルエン50
0部を窒素置換した反応容器に仕込み、80℃に加熱し
た。これに重合触媒であるトリエチルアルミニウム
(1.5モル/1)のトルエン溶液0.58部、ならび
にt−ブタノールおよびメタノールでWCl6 を変性し
て、t−ブタノール:メタノール:タングステン(モル
比)が0.35:0.3:1としたWCl6 溶液(濃度
0.05モル/1)2.5部を加え、80℃で3時間加
熱攪拌して、重合体溶液Aを得た。この重合反応におけ
る重合転化率は97%であった。
【0042】
【化2】
【0043】得られた重合体溶液Aの4,000部をオ
ートクレーブに仕込み、これにRuHCl(CO)[P
(C6 5 3 3 0.48部を加え、水素ガス圧を1
00kg/cm2 、反応温度165℃の条件で3時間加
熱攪拌して水素添加を行った。得られた反応溶液を冷却
した後、水素ガスを放圧し、水素添加重合体溶液Bを得
た。このポリマー溶液を大量のメタノール溶液中で凝
固、乾燥させて水素化ノルボルネン系樹脂を単離した。
この水素化ノルボルネン系樹脂のTgは170℃、水素
添加率は実質上100%であり、重量平均分子量(M
w)は77,000であった。
【0044】実施例1 合成例1で製造した水素化ノルボルネン系樹脂を芯部用
樹脂(コア材)とし、ポリメタクリル酸メチルとポリビ
ニリデンフロライドを鞘部用樹脂(クラッド材)として
用い、押出し機で溶融した樹脂を2重構造のノズルに導
入する溶融紡糸法により、シリンダー温度280℃、ダ
イス温度260℃で、コア/クラッドからなる直径1m
mのプラスチック光ファイバを作成した。この2層構造
のプラスチック光ファイバを真空蒸着装置中に2.5m
投入しアルミニウムの薄膜を形成した。膜厚は、100
nmであった。
【0045】上記金属層(アルミニウム膜)を形成した
プラスチック光ファイバの両末端にコネクターを接着
し、2.5mのプラスチック光ファイバケーブルを得
た。得られたプラスチックファイバケーブルの中央部2
mを130℃のオーブンに入れ、ケーブル両端をオーブ
ンから0.25m出した状態で、光伝送損失の経時変化
を測定した。結果を表1および図1に示す。216時間
後の光伝送損失は、わずか0.0101dB/m増加し
ただけであった。上記プラスチック光ファイバケーブル
を、130℃、500時間条件下で保管したものと、室
内保管していたものの重量平均分子量を比較したとこ
ろ、それぞれMw=75,000、Mw=74,000
であり、ほとんど分子量の低下はなかった。また、上記
と同様に作成したプラスチック光ファイバケーブルの中
央部2mを85℃で95%湿度下に保った容器に入れ、
ケーブル両端を容器から0.25m出した状態で光伝送
損失の経時変化を測定した。結果を表2および図2に示
す。976時間後の光伝送損失は、わずか0.013d
B/m増加しただけであった。
【0046】比較例1 金属層を形成しない以外は実施例1と同様に、プラスチ
ック光ファイバケーブルを作成し、実施例1と同様に、
130℃での光伝送損失の経時変化を測定した。結果を
表1および図1に示す。216時間後の光伝送損失は、
2.6729dB/m増加した。また、実施例1と同様
に、プラスチック光ファイバケーブルの85℃で95%
湿度下での光伝送損失の経時変化を測定した。結果を表
2および図2に示す。976時間後の光伝送損失は、
0.06dB/m増加した。
【0047】
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】本発明により、高温下、高湿下での耐久
性に極めて優れたプラスチック光ファイバが得られる。
得られたプラスチック光ファイバは、光通信媒体とし
て、パソコン通信、工場の機械装置の制御、航空機や船
舶、自動車など移動体の中で信号伝送、さらには物体の
有無や大きさなどを検出する光ファイバ式の光電スイッ
チなどに特に好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および比較例の130℃下での光伝送損
失の経時変化グラフである。
【図2】実施例および比較例の、85℃、95%湿度下
における光伝送損失の経時変化グラフである。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H050 AB42X AB43Y AB44Y AB47Y AB50X AB50Y AC03 BA04 BA34 BB01Q BB26Q BC02 BD03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯部と鞘部からなるプラスチックファイ
    バの外側に設けられる被覆層の一つとして、金属または
    金属酸化物層を設けたことを特徴とするプラスチック光
    ファイバ。
  2. 【請求項2】 上記芯部は環状ポリオレフィン系樹脂か
    らなる請求項1記載のプラスチック光ファイバ。
  3. 【請求項3】 上記金属または金属酸化物層は、金、
    銀、銅、アルミニウム、酸化アルミニウム、ケイ素酸化
    物、および酸化マグネシウムの群から選ばれた少なくと
    も1種からなる請求項1または2の記載のプラスチック
    光ファイバ。
  4. 【請求項4】 上記金属または金属酸化物層は、物理蒸
    着法または化学蒸着法により得られた層である請求項1
    〜3いずれか1項記載のプラスチック光ファイバ。
  5. 【請求項5】 上記金属または金属酸化物層の厚みは1
    0〜200nmである請求項1〜4いずれか1項記載の
    プラスチック光ファイバ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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