JPH107891A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH107891A
JPH107891A JP18398196A JP18398196A JPH107891A JP H107891 A JPH107891 A JP H107891A JP 18398196 A JP18398196 A JP 18398196A JP 18398196 A JP18398196 A JP 18398196A JP H107891 A JPH107891 A JP H107891A
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JP
Japan
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resin
thermoplastic
polymer
molding
resin composition
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JP18398196A
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English (en)
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Hironobu Shinohara
弘信 篠原
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Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 廃棄された熱可塑性ノルボルネン系樹脂の成
形加工製品および該樹脂の成形時に発生する樹脂廃棄物
を再利用してなる熱可塑性樹脂を得る。 【構成】 熱可塑性ノルボルネン系樹脂を溶融成形して
得られた製品または成形時に発生する樹脂廃棄物(a)
と他の熱可塑性重合体(b)からなる熱可塑性樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄された熱可塑
性ノルボルネン系樹脂の成形加工製品および該樹脂の成
形時に発生する樹脂廃棄物を再利用してなる熱可塑性樹
脂に関するものである。
【0002】
【従来技術】熱可塑性ノルボルネン系樹脂は、耐熱性、
低吸湿性、光学特性に優れたプラスチック材料として、
光学用途をはじめ種々の用途に用いられている。このよ
うな熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなる成形加工製品
の使用量は今後増加する傾向にあるが、それと同時に一
度使用した後に不要となった成形加工製品の量、あるい
は製品を成形加工する際に発生する樹脂廃棄物、例えば
スプルー、ランナー、フィルムまたはシート両端に発生
する耳と呼ばれる余剰部分、さらに規格外品などの未使
用品などの量も増加傾向にある。このような使用済み品
や樹脂廃棄物は多くの場合、焼却また土中に埋めること
により処分されていた。しかしながら、これら熱可塑性
ノルボルネン系樹脂を含むプラスチック材料の焼却には
特殊な焼却設備が必要である上に、多量のエネルギーを
要する。また、プラスチックを廃棄、焼却すること自
体、物質の大きな損失であった。近年、プラスチック製
品の廃棄物を回収して粉砕し、ペレット化して得られる
再生プラスチックが一部の用途で用いられている。しか
し、一部の場合を除き再生プラスチックは成形時に受け
る熱履歴などのために強度などの諸物性が新しいプラス
チックに比べ低下しており、本来の用途に用いることが
難しいのが現状である。熱可塑性ノルボルネン系樹脂は
主に光学用途に用いられているが、これらの再生品は新
品に比べ透明性など光学特性に劣るため、該用途に用い
ることは実質上困難がある場合が多い。従って、熱可塑
性ノルボルネン系樹脂の再利用は、実質上なされていな
いのが現状である。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題であ
る熱可塑性ノルボルネン系樹脂の再利用を、該樹脂と他
の重合体との組成物とすることにより可能としたもので
ある。すなわち本発明は、熱可塑性ノルボルネン系樹脂
を溶融成形して得られた製品または成形時に発生する樹
脂廃棄物と他の熱可塑性重合体からなる熱可塑性樹脂組
成物を提供するものである。本発明において、熱可塑性
ノルボルネン樹脂は、その繰り返し単位中にノルボルナ
ン骨格を有するものである。例えば、この熱可塑性樹脂
としては、一般式(I)〜(IV)で表されるノルボル
ナン骨格を含むものである。
【0004】
【化1】
【0005】
【化2】
【0006】
【化3】
【0007】
【化4】
【0008】(式中、A、B、CおよびDは、水素原子
または1価の有機基を示す。)
【0009】本発明において使用することのできるノル
ボルナン骨格を有する熱可塑性樹脂としては、例えば特
開昭60−168708号公報、特開昭62−2524
06号公報、特開昭62−252407号公報、特開平
2−133413号公報、特開昭63−145324号
公報、特開昭63−264626号公報、特開平1−2
40517号公報、特公昭57−8815号公報などに
記載されている樹脂などを挙げることができる。この熱
可塑性樹脂の具体例としては、下記一般式(V)で表さ
れる少なくとも1種のテトラシクロドデセン誘導体また
は該テトラシクロドデセンと共重合可能な不飽和環状化
合物とをメタセシス重合して得られる重合体を水素添加
して得られる水添重合体を挙げることができる。
【0009】
【化5】
【0010】(式中A〜Dは、前記に同じ。)
【0011】前記一般式(V)で表されるテトラシクロ
ドデセン誘導体において、A、B、CおよびDのうちに
極性基を含むことが、他の熱可塑性重合体や各種添加剤
との相溶性、および耐熱性の点から好ましい。さらに、
この極性基が−(CH2 nCOOR1 (ここで、R1
は炭素数1〜20の炭化水素基、nは0〜10の整数を
示す)で表される基であることが、得られる水添重合体
が高いガラス転移温度を有するものとなるので好まし
い。特に、この−(CH2 n COOR1 で表される極
性置換基は、一般式(V)のテトラシクロドデセン誘導
体の1分子あたりに1個含有されることが好ましい。前
記一般式において、R1 は炭素数1〜20の炭化水素基
であるが、炭素数が多くなるほど得られる水添重合体の
吸湿性が小さくなる点では好ましいが、得られる水添重
合体のガラス転移温度とのバランスの点から、炭素数1
〜4の鎖状アルキル基または炭素数5以上の(多)環状
アルキル基であることが好ましく、特にメチル基、エチ
ル基、シクロヘキシル基であることが好ましい 。
【0012】さらに、カルボン酸エステル基が結合した
炭素原子に、同時に炭素数1〜10の炭化水素基が置換
基として結合されている一般式(V)のテトラシクロド
デセン誘導体は、吸湿性を低下させるので好ましい。特
に、この置換基がメチル基またはエチル基である一般式
(V)のテトラシクロドデセン誘導体は、その合成が容
易な点で好ましい。具体的には、8−メチル−8−メト
キシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]ドデカ−8−エンが好ましい。これらのテトラシ
クロドデセン誘導体、あるいはこれと共重合可能な不飽
和環状化合物の混合物は、例えば特開平4−77520
号公報第4頁右上欄第12行〜第6頁右下欄第6行に記
載された方法によって、メタセシス重合、水素添加さ
れ、本発明に使用される熱可塑性樹脂とすることができ
る。また、前記水添重合体のガラス転移温度(Tg)は
100℃〜250℃の範囲であることが好ましく、特に
120〜200℃の範囲であることが好ましい。100
℃未満では該樹脂組成物からなる成形品の耐熱性が劣
る。また、Tgが250℃を超えるものは、成形温度が
高くなり樹脂が焼けて着色するなど良質な成形品を得る
ことが難しくなる。
【0013】また、水添重合体の水素添加率は、60M
Hz、 1H−NMRで測定した値が50%以上、好まし
くは90%以上、さらに好ましくは98%以上である。
水素添加率が高いほど、熱や光に対する安定性が優れ、
再生品の強度など諸物性の低下が押さえられたものとな
る。本発明において、熱可塑性ノルボルネン系樹脂を溶
融成形して得られた製品または成形時に発生する樹脂廃
棄物としては、例えば射出成形物、押出成形物、圧縮成
形物、ブロー成形物、回転成形物など任意の成形法で得
られた成形品、これらをユーザーで一度使用した後に廃
棄された使用済み品、またこれらの成形法を用いて成形
物を製造する工程で発生するスプルー、ランナー、バ
リ、耳端部、規格外品など未使用の成形物が挙げられ
る。また上記製品や樹脂廃棄物には、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、安定剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、染料、
顔料、充填材などの添加剤が添加されたものであっても
よい。また、上記製品や樹脂廃棄物には、他の樹脂が配
合されていたものであってもよい。
【0014】熱可塑性ノルボルネン系からなる製品また
は樹脂廃棄物を粉砕する方法や粉砕物の大きさ、形状は
特に限定されるものではない。例えば押出機で溶融混練
する際に、押出機にフィード可能な大きさ、形状であれ
ばよい。熱可塑性ノルボルネン系からなる製品または樹
脂廃棄物の粉砕物の大きさとしては通常0.1〜20m
mである。また、粉砕物の形状としては、球状、フレー
ク状、ブロック状、粉状及びペレット状などであればよ
い。粉砕の方法については、製品や樹脂廃棄物をもとの
大きさよりも細かく砕くものであれば、特に限定される
ものではなく、通常用いられているロールなどの粉砕機
でよい。また、これらの粉砕物を押出機などを用いてペ
レット状にした場合も、もとの樹脂片と全く同様に本発
明に適用することができる。
【0015】本発明において、他の熱可塑性重合体
(b)とは、熱可塑性ノルボルネン系樹脂を溶融成形し
て得られた製品または成形時に発生する樹脂廃棄物
(a)以外の熱可塑性樹脂および/またはゴム質重合体
である。これには溶融成形される前の新品の熱可塑性ノ
ルボルネン系樹脂も含まれる。その他、(a)以外の熱
可塑性樹脂はガラス転移温度が25℃以上のポリマーで
あり、非晶質ポリマー、結晶性ポリマー、液晶ポリマー
などが含まれる。他の熱可塑性重合体の具体例として
は、ポリオレフィン系樹脂、ゴム強化スチレン系樹脂、
スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、
ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアリーレンスルフィ
ド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
リアミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホ
ン樹脂、ポリイミド樹脂などを挙げることができる。こ
のうち、本発明に有用なポリオレフィン系樹脂として
は、ポリプロピレンなどを挙げることができ、ゴム強化
スチレン系樹脂としてはABS樹脂、MBS樹脂、さら
にはAES樹脂、AAS樹脂、MBS樹脂、さらには該
ABS樹脂とMBS樹脂においてブタジエン系ゴムに代
えて芳香族ビニル−共役ジエンのブロック共重合体の水
添物を用いた樹脂などを挙げることができ、さらにスチ
レン系樹脂としてはポリスチレン、ポリクロルスチレ
ン、ポリα−メチルスチレン、スチレン−アクリロニト
リル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−α
−メチルスチレン共重合体、スチレン−α−メチルスチ
レン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−α−メ
チルスチレン−アクリロニトリル−メタクリル酸メチル
共重合体などを挙げることができ、これらは1種単独で
あるいは2種以上を併用することができる。
【0016】また、上記ゴム質重合体には、ガラス転移
温度が0℃以下の重合体であって、通常のゴム重合体お
よび熱可塑性エラストマーが含まれる。このゴム状重合
体としては、例えばエチレン−α−オレフィン系ゴム質
重合体;エチレン−α−オレフィン−ポリエン共重合ゴ
ム;エチレン−メチルメタクリレート、エチレン−ブチ
ルアクリレートなどのエチレンと不飽和カルボン酸エス
テルとの共重合体;エチレン−酢酸ビニルなどのエチレ
ンと脂肪酸ビニルとの共重合体;アクリル酸エチル、ア
クリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−
エチルヘキシル、アクリル酸ラウリルなどのアクリル酸
アルキルエステルの重合体;ポリブタジエン、ポリイソ
プレン、スチレン−ブタジエンまたはスチレン−イソプ
レンのランダム共重合体、アクリロニトリル−ブタジエ
ン共重合体、ブタジエン−イソプレン共重合体、ブタジ
エン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、
ブタジエン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル−ア
クリロニトリル共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル−アクリロニトリル−スチレン共
重合体などのジエン系ゴム;ブチレン−イソプレン共重
合体などが挙げられ、これらは単独あるいは併用するこ
とができる。また、ゴム質重合体は、前記のゴム状重合
体をジビニルベンゼンなどの公知の架橋剤を使用して架
橋させたものであってもよい。
【0017】前記ゴム状重合体よりなるゴム状重合体に
は、そのムーニー粘度(ML1+4 、100℃)が5〜2
00であることが好ましい。また、ゴム質重合体として
用いられる熱可塑性エラストマーとしては、例えばスチ
レン−ブタジエンブロック共重合体、水添スチレン−ブ
タジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレン共重
合体、水添スチレン−イソプレンブロック共重合体など
の芳香族ビニル−共役ジエン系ブロック共重合体、低結
晶性ポリブタジエン樹脂、エチレン−プロピレンエラス
トマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー、エチレン
系アイオノマー樹脂などを挙げることができる。本発明
において、熱可塑性ノルボルネン系樹脂を溶融成形して
得られた製品または成形時に発生する樹脂廃棄物(a)
と他の熱可塑性重合体(b)からなる熱可塑性樹脂組成
物の組成は、(a)成分が0.1〜99.9重量%、
(b)成分が99.9〜0.1重量%である。
【0018】本発明の熱可塑性樹脂組成物には、必要に
応じ、本発明の効果を損ねない範囲で公知の酸化防止
剤、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノ
ール、2,2’−ジオキシ−3,3’−ジ−t−ブチル
−5,5’−ジメチルフェニルメタン、テトラキス[メ
チレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3−ト
リス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフ
ェニル)ブタン、1,3,5ートリメチル−2,4,6
−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジル−ベンゼン、ステアリル−β−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、
2,2’−ジオキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,
5’−ジエチルフェニルメタン、3,9−ビス[1,1
−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロ
キシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチ
ル]、2,4,8,10−テトラオキスピロ[5,5]
ウンデカン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライ
ルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイ
ト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6
−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイ
ト、2,2−メチレンビス (4,6−ジ−t−ブチル
フェニル)オクチルホスファイトを添加することができ
る。
【0019】また、上記の熱可塑性樹脂組成物には、上
記のような酸化防止剤の他に、必要に応じて紫外線吸収
剤、例えばp−t−ブチルフェニルサリシレート、2,
2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノン、2−(2’−ジヒドロ
キシ−4’−m−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾ
ール;安定剤、帯電防止剤、難燃剤、耐衝撃性改良用エ
ラストマー、染料、顔料などの添加剤を添加することが
できる。また、成形性、加工性を向上させる目的で滑
剤、例えばパラフィンワックス、ステアリン酸、硬化
油、ステアロアミド、メチレンビスステアロアミド、m
−ブチルステアレート、ケトンワックス、オクチルアル
コール、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリドなどを
添加することもできる。また樹脂組成物の強度を向上さ
せるために酸化カルシウム、クレー、シリカ、ガラス繊
維、ガラス球、カーボン繊維などの充填材を添加するこ
ともできる。
【0020】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、単軸押出
機、多軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ミキ
シングロールなどの混合機を用い、(a)〜(b)成
分、必要に応じてその他上記の各種添加剤を混合するこ
とによって得られる。本発明の熱可塑性樹脂組成物の製
造方法の例を示すと、ミキサーで各成分を混合した後、
押出機を用い、220〜360℃で溶融混練して造粒物
を得る方法、さらに簡便な方法としては、各成分を直
接、成形機で溶融混練してペレットを得る方法などが挙
げられる。また、二軸押出機を用いて樹脂成分を混練り
した後、上記添加剤を後添加してペレットを作成する方
法がある。本発明の熱可塑性樹脂組成物は、射出成形
法、押出成形法、ブロー成形法、圧縮成形法、カレンダ
ー成形法などの公知の方法によってシート、フィルム、
容器、包装材、建材、工業部品(電子電機部品、自動車
部品)など所望の成形品に成形することができる。また
適当な溶剤に溶解してワニスの形で使用することも可能
である。
【0021】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもの
ではない。なお、実施例中、部および%は、特に断らな
い限り重量基準である。また、実施例中の各種の測定
は、次のとおりである。固有粘度(ηinh) 溶媒にクロロホルムを使用し、0.5g/dlの重合体
濃度で30℃の条件下、ウベローデ粘度計にて測定し
た。水素添加率 水素添加単独重合体の場合には、60MHz、 1H−N
MRで測定した。 合成例(熱可塑性ノルボルネン系樹脂の製造) 8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.0.12,5.17 ,10]−3−ドデセン250
部と、分子量調節剤である1−ヘキセン27部と、トル
エン500部とを、窒素置換した反応容器に仕込み、8
0℃に加熱した。これに、重合触媒であるトリエチルア
ルミニウム(1.5モル/L)のトルエン溶液0.58
部と、t−ブタノールおよびメタノールでWCl6 を変
性し、t−ブタノールとメタノールおよびタングステン
のモル比が0.35:0.3:1とされたWCl6 溶液
(濃度0.05モル/L)2.5部とを加え、80℃で
3時間、加熱・撹拌して、重合体溶液を得た。この重合
反応における重合添加率は98%であった。得られた重
合体溶液4000部をオートクレーブに入れ、これにR
uHCl(CO)[P(C6533 を0.48部 加
え、水素ガス圧を100kg/cm2、反応温度165
℃の条件で3時間、加熱・撹拌して水素添加反応を行っ
た。得られた反応溶液を冷却した後、水素ガスを放圧
し、水素添加重合体溶液を得た。ポリマー溶液を大量の
メタノールで凝固、乾燥させてポリマーを単離した。こ
のポリマーのガラス転移温度(Tg)は168℃、水素
添加率は実質上100%であり、ゲルパーミエーション
クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン
換算の重量平均分子量(Mw)=50,000であっ
た。 参考例 合成例で得られたポリマーのペレット30部と直鎖型ポ
リフェニレンスルフィド(PPS)樹脂((株)トープ
レン製、LN−1)70部、相溶化剤としてエチレン−
グリシジルメタクリレート共重合体(日本石油化学
(株)製、レクスパールRA3150)5部を40mm
φ2軸押出機を用いて310℃で溶融混練してペレット
化した。得られたペレットを、射出成形機を用いてシリ
ンダー温度315℃、金型温度150℃で射出成形して
試験片を得た。この試験片の曲げ弾性率は12.4×1
4kgf/cm2であった。またアイゾット衝撃強度は
20kgf・cm/cmであった。
【0022】実施例1 合成例で得られたポリマーのペレットを原料として、シ
リンダー温度340℃、金型温度120℃で射出成形し
て厚み1.2mmの120mmφ光ディスク基板を得
た。この光ディスク基板にアルミニウム膜を蒸着し、つ
いでアルミニウム面上に紫外線硬化型のアクリレート樹
脂を塗布、硬化させることによりコンパクトディスクを
製造した。このディスクを粉砕して大きさ1〜5mmの
フレーク状粉砕品を得た。この粉砕品30部と参考例で
用いたPPS樹脂70部、相溶化剤5部を参考例と同様
の方法でペレット化し、射出成形して試験片を得た。こ
の試験片の曲げ弾性率は10.8×104kgf/cm
2、アイゾット衝撃強度は16kgf・cm/cmであ
り、新品を用いた参考例と比較しても各物性の強度低下
は小さいものであり、実用に耐える強度を有するもので
あった。
【0023】実施例2 実施例1で光ディスクを成形した際に発生したスプルー
およびランナーを粉砕して得られた粉砕品30部と 参
考例で用いたPPS樹脂70部、相溶化剤5部を参考例
と同様の方法でペレット化し、射出成形して試験片を得
た。この試験片の曲げ弾性率は11.0×104kgf
/cm2、アイゾット衝撃強度は17kgf・cm/c
mであり、新品を用いた参考例と比較しても各物性の強
度低下は小さいものであり、実用に耐える強度を有する
ものであった。
【0024】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、従来ま
で実質上再利用されていなかった熱可塑性ノルボルネン
系樹脂の使用済み品や廃棄物を、他の熱可塑性樹脂と混
合することにより再利用可能としたものであり、省資源
や環境保護の観点からも極めて有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ノルボルネン系樹脂を溶融成形
    して得られた製品または成形時に発生する樹脂廃棄物
    (a)と他の熱可塑性重合体(b)からなる熱可塑性樹
    脂組成物。
JP18398196A 1996-06-25 1996-06-25 熱可塑性樹脂組成物 Pending JPH107891A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1990013980A1 (en) * 1989-04-28 1990-11-15 Scientific-Atlanta, Inc. Scan converter for a high definition television system

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1990013980A1 (en) * 1989-04-28 1990-11-15 Scientific-Atlanta, Inc. Scan converter for a high definition television system

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