JP2000071249A - 廃材の再利用方法 - Google Patents

廃材の再利用方法

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JP2000071249A
JP2000071249A JP24713498A JP24713498A JP2000071249A JP 2000071249 A JP2000071249 A JP 2000071249A JP 24713498 A JP24713498 A JP 24713498A JP 24713498 A JP24713498 A JP 24713498A JP 2000071249 A JP2000071249 A JP 2000071249A
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waste material
ene
molded
alicyclic structure
molding
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Teiji Obara
禎二 小原
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Nippon Zeon Co Ltd
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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、脂環式構造含有重合体樹脂
成形体を再利用することのできる、成形体の製造方法を
提供すること。 【解決手段】 脂環式構造含有重合体樹脂成形体を溶融
混練した後、該溶融混練した樹脂を300℃以下の温度
で溶融成形することを特徴とする、成形体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は廃材の再利用方法に
関し、更に詳細には、脂環式構造含有重合体樹脂からな
る成形体の廃材を再利用する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】耐熱性
等に優れた材料として種々の脂環式構造含有重合体樹脂
が開示されている。例えば、特開平3−275052号
公報、特開平3−275067号公報、特開平3−27
5070号公報及び特開平5−317411号公報に
は、透明性及び耐熱性等に優れた熱可塑性飽和ノルボル
ネン系ポリマーからなる成形体が開示されており、特開
平5−293159号公報及び特開平5−300939
号公報には、衛生性に優れた、環状オレフィン系化合物
又は架橋多環式炭化水素系化合物を成分とする樹脂を含
有する成形体が開示されており、また、特開平7−23
1928号公報には、機械的強度に優れた、環状オレフ
ィンとエチレンとを付加重合してなる共重合体からなる
成形体が開示されている。一方、一般に、上記成形体を
得る際には、スプルー、ランナー、フィルム又はシート
両端に発生する耳と呼ばれる余剰部分、規格外品等の廃
材が発生する。
【0003】また、使用後等に不要となった上記成形体
は、やはり廃材となる。これらの廃材は焼却処理される
のが一般的である。しかしながら、上記の成形品廃材を
焼却処理することなく再利用することができれば、二酸
化炭素の発生を減らすことができ、また、コストの面で
も有利なものとなる。近年においては、プラスチックか
らなる成形体の廃材を回収して必要に応じて粉砕し、ペ
レット化して得られる再生プラスチックが一部の用途で
用いられている。しかしながら、脂環式構造含有重合体
樹脂からなる成形体の廃材を再利用すると強度や色調等
の物性が低下することがあり、本来の用途に用いること
ができないのが現状である。
【0004】従って、本発明の目的は、脂環式構造含有
重合体樹脂からなる成形体の廃材の再利用方法であっ
て、再利用の結果得られる成形品の強度や色調等の物性
が低下することのない、廃材の再利用方法を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、脂環式構造含有重合体樹脂からなる成形体の
廃材を特定の条件で溶融して再利用することにより上記
目的を達成し得るという知見を得た。すなわち、脂環式
構造含有重合体樹脂からなる成形体の廃材は、脂環式構
造含有重合体樹脂を少なくとも1回以上の加熱軟化状態
若しくは溶融状態を経由して成形されるため、成形前の
樹脂よりも熱安定性が低下しており、そのため、成形体
を再利用する際に元の成形体を得た時と同様な高温で溶
融して賦形すると着色により無色透明性が損なわれた
り、機械的強度の低いものとなりやすいことを見出し
た。更に、脂環式構造含有重合体樹脂からなる成形体の
廃材を、再度、溶融して賦形するに当たり特定の温度以
下の状態を保って成形することにより着色を抑え透明性
の良いものが得られ、機械的強度を十分な強度に維持で
きることを見出した。本発明は、上記知見に基づいてな
されたもので、脂環式構造含有重合体樹脂からなる成形
体の廃材を300℃以下の温度で溶融し、所望の形状に
賦形することを特徴とする、廃材の再利用方法を提供す
るものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の廃材の再利用方法
について詳述する。本発明の廃材の再利用方法は、脂環
式構造含有重合体樹脂からなる成形体の廃材を300℃
以下の温度で再度の溶融成形をすることからなる。ま
ず、本発明の廃材の再利用方法において用いられる、脂
環式構造含有重合体樹脂からなる成形体について説明す
る。上記脂環式構造含有重合体樹脂とは、主鎖及び/又
は側鎖に脂環式構造を有する重合体樹脂をいい、例え
ば、再利用により成形される成形品の機械的強度及び耐
熱性等の観点から、主鎖に脂環式構造を有するものを用
いるのが好ましい。そのような重合体としては、例え
ば、主鎖に飽和環状炭化水素(シクロアルカン)構造又
は不飽和環状炭化水素(シクロアルケン)構造を有する
重合体等が挙げられる。成形体の機械的強度及び耐熱性
等を考慮した場合、飽和環状炭化水素構造を有する重合
体が更に好ましい。上記脂環式構造含有重合体樹脂とし
ては特に制限はないが、脂環式構造を構成する炭素原子
数が4〜30個程度のものが好ましく、5〜20個程度
のものが更に好ましく、5〜15個程度のものが最も好
ましい。上記脂環式構造含有重合体樹脂は、その構造中
に脂環式構造を有する繰り返し単位を含有するものであ
り、そのような繰り返し単位の割合は好ましくは30重
量%以上であり、更に好ましくは50重量%以上であ
り、最も好ましくは70重量%以上である。このような
繰り返し単位の割合がこのような範囲にある時に、再利
用により成形される成形品の耐熱性及び機械的強度が良
好である。
【0007】上記飽和炭化水素環を有する熱可塑性炭化
水素重合体とは、飽和炭化水素環を有する熱可塑性炭化
水素が重合して生成した重合体であり、例えば、(1)
ノルボルネン系重合体、(2)繰返し単位の一部又は全
部が、1,4−結合及び/ 又は1,2−結合により連結
される5〜8員環飽和環状分子構造を有する炭化水素重
合体及び(3)ビニル基含有環状炭化水素系単量体を重
合してなる重合体並びにその水素化物等が挙げられる。
上記重合体の中でも、再利用により成形される成形品の
機械的強度を維持しやすい観点から、(1)ノルボルネ
ン系重合体及びその水素添加物、及び(2)繰返し単位
の一部又は全部が、1,4結合及び/ 又は1,2−結合
により連結される5〜8員環飽和環状分子構造を有する
炭化水素重合体が好ましく、ノルボルネン系重合体及び
その水素添加物がより好ましい。 (1)ノルボルネン系重合体及びその水素添加物 上記ノルボルネン系重合体とは、例えば、特開平3−1
4882号公報及び特開平3−122137号公報等に
開示されている重合体であり、例えば、ノルボルネン系
モノマーの開環重合体及びその水素添加物、ノルボルネ
ン系モノマーの付加重合体、及びノルボルネン系モノマ
ーとビニル化合物との付加重合体等のことをいい、下記
式Iで表されるものが挙げられる。
【0008】
【化1】
【0009】(式中、R1 〜R4 は、それぞれ独立に、
水素原子、炭化水素基、ハロゲン原子、水酸基、エステ
ル基、アルコキシ基、シアノ基、イミド基、シリル基、
又は官能基(ハロゲン原子、水酸基、エステル基、アル
コキシ基、シアノ基、イミド基、シリル基)で置換され
た炭化水素基であり、好ましくは、水素原子又は炭化水
素基である。炭化水素基の炭素原子数としては、通常1
〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6の
範囲である。炭化水素基の具体例としては、アルキル基
やアルケニル基等が挙げられ、好ましくはアルキル基で
あり、その中でも炭素原子数1〜6のアルキル基が特に
好ましい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原
子、臭素原子、及びヨウ素原子を挙げることができる。
官能基が置換した炭化水素基としては、例えば、炭素原
子数1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1
〜6のエステル基含有アルキル基等を挙げることができ
る。また、式(I)中のR1 とR3 、又はR2 とR4
が一緒になってシクロペンタン環、シクロペンテン環若
しくはシクロヘキサン環等の(飽和又は不飽和の)単環
の脂環構造、ノルボルナン環若しくはテトラシクロドデ
セン環等の多環の脂環構造(これらの脂環構造には更に
1 〜R4 の相当する置換基を有していてもよい)等を
形成していてもよい。また、R1 とR2 、又はR3 とR
4 とでアルキリデン基を形成していてもよい。アルキリ
デン基の炭素数としては、通常1〜20、好ましくは1
〜10、より好ましくは1〜6の範囲である。また、上
記式(I)において、破線部分は、炭素−炭素の単結合
又は二重結合を示すが、通常は、単結合の割合が好まし
くは95%以上、更に好ましくは98%以上、最も好ま
しくは99%以上である。
【0010】また、上記式(I)において、R5 〜R8
は、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、ハロゲン
原子、水酸基、エステル基、アルコキシ基、シアノ基、
イミド基、シリル基、又はハロゲン原子、水酸基、エス
テル基、アルコキシ基、シアノ基、イミド基又はシリル
基等の官能基で置換された炭化水素基である。好ましく
は、水素原子又は炭化水素基である。上記炭化水素基の
炭素原子数としては、好ましくは1〜20個であり、更
に好ましくは1〜10個、最も好ましくは1〜6個であ
る。上記炭化水素基の具体例としては、例えば、アルキ
ル基及びアルケニル基等が挙げられ、好ましくはアルキ
ル基であり、その中でも炭素原子数が1〜6個のアルキ
ル基が特に好ましい。上記ハロゲン原子としては、例え
ば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等
が挙げられる。燃焼炉の腐食が少ないことから、ハロゲ
ン原子を含まないものが好ましい。上記官能基で置換さ
れた炭化水素基としては、例えば、炭素原子数が好まし
くは1〜20個、更に好ましくは1〜10個、最も好ま
しくは1〜6個のエステル基含有アルキル基等が挙げら
れる。)
【0011】上記ノルボルネン系モノマーとしては、例
えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(慣用
名ノルボルネン)、5−メチル−ビシクロ[2.2.
1]ヘプタ−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ
[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチル−ビシク
ロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ブチル−ビシ
クロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチリデン
−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタ−2−エン、5−ヘ
キシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5
−オクチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エ
ン、5−オクタデシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ
−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]
ヘプタ−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2.
2.1]ヘプタ−2−エン、5−ビニル−ビシクロ
[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−プロペニル−ビ
シクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メトキシ
−カルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エ
ン、5−シアノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−
エン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ
[2.2.1]ヘプタ−2−エン;5−メトキシカルボ
ニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エ
トキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン、5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−エ
トキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル−2
−メチルプロピオネイト、ビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−5−エニル−2−メチルオクタネイト、ビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン
酸無水物、5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチ
ル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒ
ドロキシ−i−プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5−シアノビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン−5,6−ジカルボン酸イミド、トリシクロ
[4.3.0.12,5 ]デカ−3,7−ジエン(慣用名
ジシクロペンタジエン)、トリシクロ[4.3.0.1
2,5 ]デカ−3−エン、トリシクロ[4.3.0.1
2,5 ]ウンデカ−3,7−ジエン若しくはトリシクロ
[4.3.0.12,5 ]ウンデカ−3,8−ジエンまた
はこれらの部分水素添加物(またはシクロペンタジエン
とシクロヘキセンの付加物)であるトリシクロ[4.
4.0.12,5 ]ウンデカ−3−エン、5−シクロペン
チル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−
シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン、5−シクロヘキセニルビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−2−エン、5−フェニル−ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、テトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]−ドデカ−3−エン(単にテトラシクロ
ドデセンともいう)、8−メチルテトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−ドデカ−3−エン、8−エ
チルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−ド
デカ−3−エン、8−メチリデンテトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−ドデカ−3−エン、8−エ
チリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10
−ドデカ−3−エン、8−ビニルテトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−ドデカ−3−エン、8−プ
ロペニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−ドデカ−3−エン、8−メトキシカルボニル
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデカ
−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテト
ラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデカ−3
−エン、8−ヒドロキシメチルテトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]−ドデカ−3−エン、8−カルボ
キシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−ド
デカ−3−エン; 8−シクロペンチル−テトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデカ−3−エン、
8−シクロヘキシル−テトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .1 7,10]−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキセ
ニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−
ドデカ−3−エン、8−フェニル−シクロペンチル−テ
トラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデカ−
3−エン; テトラシクロ[7.4.0.110,13 .0
2,7 ]トリデカ−2,4,6,11−テトラエン(1,
4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオ
レンともいう)、テトラシクロ[8.4.0.
11,14 .03,8 ]テトラデカ−3,5,7,12−テ
トラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,
10a−ヘキサヒドロアントラセンともいう)、ペンタ
シクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]ペンタ
デカ−3,10−ジエン、ペンタシクロ[7.4.0.
3,6 .110,1 3 .02,7 ]ペンタデカ−4,11−ジ
エン及びシクロペンタジエンの4量体等が挙げられる。
上記ノルボルネン系重合体としては、上記ノルボルネン
系モノマーの1種からなるものでもよく、2種以上から
なるものでもよい。
【0012】これらのノルボルネン系モノマーと共重合
可能なビニル化合物としては、例えば、エチレン、プロ
ピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3
−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3
−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、
4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘ
キセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル
−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オク
テン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、
1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン
等の炭素数2〜20のエチレン又はα−オレフィン;シ
クロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4
−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセ
ン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、
シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−
4,7−メタノ−1H−インデン等のシクロオレフィ
ン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキ
サジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7
−オクタジエン等の非共役ジエン;等が挙げられる。こ
れらの共重合可能なビニル化合物は、それぞれ単独で、
あるいは2種以上を組み合わせて使用することができ
る。更に、共重合可能なビニル化合物として、環状オレ
フィンを挙げることができる。そのような環状オレフィ
ンとしては、シクロブテン、1−メチルシクロペンテ
ン、3−メチルシクロブテン、3,4−ジイソプロペニ
ルシクロブテン、シクロペンテン、3−メチルシクロペ
ンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、1−メチル
シクロオクテン、5−メチルシクロオクテン、シクロオ
クタテトラエン、シクロドデセン等の単環シクロオレフ
ィンや前記のノルボルネン環を有するモノマーのうち不
飽和結合が一つのものを挙げることができる。
【0013】(2)繰返し単位の一部又は全部が、1,
4結合及び/ 又は1,2−結合により連結される5〜8
員環飽和環状分子構造を有する炭化水素重合体 上記繰返し単位の一部又は全部が、1,4結合及び/ 又
は1,2−結合により連結される5〜8員環飽和環状分
子構造を有する炭化水素重合体としては、例えば、環状
オレフィン系単量体単位、環状共役ジエン系単量体単
位、鎖状共役ジエン系単量体単位、ビニル芳香族系単量
体単位、極性単量体単位、エチレン、及びα−オレフィ
ン系単量体単位からなる群から選択される単量体単位か
らなる重合体が挙げられる。そのような重合体の例とし
ては、1,3−シクロペンタジエン、1,3−シクロヘ
プタジエン及び1,3−シクロオクタジエン等の5〜8
員炭素環を有する環状共役ジエンの重合体及び共重合体
の水素化物等が挙げられる。
【0014】(3)ビニル基含有環状炭化水素系単量体
を重合してなる重合体及びその水素化物 上記ビニル基含有環状炭化水素系単量体を重合してなる
重合体を構成するビニル基含有環状炭化水素系単量体と
しては、例えば、ビニルシクロペンタン及びイソプロペ
ニルシクロペンタン等のビニルシクロペンタン系単量
体;4−ビニルシクロペンテン及び2−メチル−4−イ
ソプロペニルシクロペンテン等のビニルシクロペンテン
系単量体等のビニル化化五員環炭化水素系単量体;スチ
レン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−
メチルスチレン及び4−フェニルスチレン等のスチレン
系単量体;ビニルシクロヘキサン及び3−メチルイソプ
ロペニルシクロヘキサン等のビニルシクロヘキサン系単
量体;4−ビニルシクロヘキセン、4−イソプロペニル
シクロヘキセン、1−メチル−4−ビニルシクロヘキセ
ン、1−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセン、
2−メチル−4−ビニルシクロヘキセン及び2−メチル
−4−イソプロペニルシクロヘキセン等のビニルシクロ
ヘキセン系単量体;d−テルペン、1−テルペン及びジ
テルペン等のテルペン系単量体等のビニル化六員環炭化
水素系単量体;ビニルシクロヘプタン及びイソプロペニ
ルシクロヘプタン等のビニルシクロヘプタン系単量体;
4−ビニルシクロヘプテン及び4−イソプロペニルシク
ロヘプテン等のビニルシクロヘプテン系単量体等のビニ
ル化炭化水素系単量体等が挙げられる。
【0015】(4)脂環式構造含有重合体樹脂の物性 本発明において用いられる成形体の原材料である脂環式
構造含有重合体樹脂は、シクロヘキサン溶液(重合体樹
脂が溶解しない場合にはトルエン溶液)のゲル・パーミ
エーション・クロマトグラフ法で測定したポリスチレン
換算の数平均分量が5,000以上のものを用いるのが
好ましく、5,000〜500,000のものを用いる
のが更に好ましく、8,000〜200,000のもの
を用いるのがより好ましく、10,000〜100,0
00のものを用いるのが最も好ましい。分子量が上記範
囲の脂環式構造含有重合体樹脂からなる成形体を用いた
場合に、再利用により成形される成形品の機械的強度が
良好なものとなる。また、本発明において用いられる成
形体の材料である脂環式構造含有重合体樹脂(全体)と
しては、そのガラス転移温度(Tg)が高いものの方が
得られる成形体の耐熱性が良好となることから、高いも
のが好ましく、50〜300℃のものを用いるのが好ま
しく、70〜250℃のものを用いるのが更に好まし
く、100〜200℃のものを用いるのが最も好まし
い。上記脂環式構造含有重合体樹脂のTgが上記範囲内
であると、再利用時の成形性が良好となる。
【0016】また、本発明において用いられる成形体の
原材料である脂環式構造含有重合体樹脂としては、5%
加熱減量温度(窒素雰囲気中で、5℃/分の昇温速度で
測定)が280℃以上のものを用いるのが好ましく、3
50℃以上のものを用いるのが更に好ましい。5%加熱
減量温度が280℃未満の脂環式構造含有重合体樹脂か
らなる成形体を用いた場合、再利用時の成形において流
動性を向上させる目的で、樹脂温度を高温にすると樹脂
の分解が起き、得られる成形品内に分解による気泡の包
含等の成形不良が発生しやすいという問題がある。5%
加熱減量温度が上記範囲の重合体樹脂成形体樹脂を用い
た場合には、再利用時の成形において流動性を向上させ
る目的で、樹脂温度を高温にしても気泡の含有等の成形
不良が発生しにくく好適である。また、本発明において
用いられる成形体の原材料である上記脂環式構造含有重
合体樹脂としては、その260℃の温度における溶融粘
度が1×101 〜1×105 ポイズのものを用いるのが
好ましく、1×102 〜1×104 ポイズのものを用い
るのが更に好ましい。溶融粘度が上記範囲内の重合体樹
脂成形体樹脂を用いた場合に、再利用の成形時の樹脂の
成形性が良好となり、得られる成形品の機械強度が良好
となる。
【0017】本発明においては脂環式構造含有重合体か
らなる成形体の廃材を再利用する。上記脂環式構造含有
重合体樹脂からなる成形体を得る方法は特に限定されな
い。また、成形体も特に限定されず、その具体例として
は、例えば、レンズ、プリズム、光ディスク、導光板、
位相差フィルム、光拡散シート、プリズムシート等の光
学用途の成形体;ディスポーザブルシリンジ、薬液バイ
アル、プレフィルドシリンジ、検査セル、コネクター、
培養器、PTPシート等の医療用の成形体;電線被覆、
ウェハーシッパー、コネクター用絶縁体、ウェハーキャ
リアー、洗浄槽、薬液ボトル、等の電気又は電子用途の
成形体;窓材、ルーフ材、自動販売機パネル、インキケ
ース、建材及び文具等が挙げられる。これらの成形体の
成形時に発生するスプルー、ランナー、耳、成形不良や
色調不良等の格外品;並びにこれらの成形体が使用後等
に不要となったものを廃材として再利用する。これらの
廃材の中でも、スプルー及びランナー等を本発明におい
て好適に使用することができる。本発明においては、上
記成形体の廃材を単独で用いてもよく、2種以上を混合
して用いてもよい。
【0018】また、上記成形体は上記脂環式構造含有重
合体樹脂のほかに、後述のような他のポリマー、各種配
合剤及び充填剤等が添加されたものであってもよい。し
かし、光学用途など無色透明性を要求される用途に再利
用する場合は、他のポリマーと充填材を含まないことが
好ましい。本発明で用いる廃材は、成形機に由来する機
械油、グリース、離型剤等の廃材表面に付着する不純物
が少なく、実質的に含まないものが好ましい。このよう
な廃材表面に付着する不純物は、廃材を脂環式構造含有
重合体樹脂の貧溶剤(メチルアルコールやイソプロピル
アルコール等のアルコール類、アセトン等のケトン類
等、水等)で洗浄し、洗浄液を乾燥することにより不揮
発成分として定量される。上記の効果を得るためには、
廃材表面に付着する不純物は、好ましくは1,000p
pm、更に好ましくは100ppm以下である。このよ
うな範囲にあるときに、再利用によって得られる成形品
の品質に優れ、各種の用途に使用可能であり、特に、光
学用途等の無色透明性、低不純物性を要求される用途に
も使用可能だからである。廃材表面に付着する不純物を
少なくする方法としては、機械油等が付着しないように
工程を管理したり、クリーンルーム等で成形する等の方
法がある。また、このような不純物が多く付着し、上記
の好ましい範囲を越えた場合には廃材を脂環式構造含有
重合体樹脂の貧溶剤で洗浄して低減することが好まし
い。
【0019】また、上記脂環式構造含有重合体樹脂成形
体からなる廃材を再利用する時には、上記廃材をそのま
まの形状で用いることもできるが、必要に応じて上記廃
材を粉砕して用いてもよい。成形体が塊状である場合に
は、加熱溶融に際して、溶融しやすさの観点から、大き
さ(粒子の大きさの中で最も長い辺の長さ)が好ましく
は20mm以下、更に好ましくは10mm以下、最も好
ましくは8mm以下となるように粉砕することが好まし
い。また、粉砕する場合には、厚み(粒子の大きさの中
で最も短い辺の長さ)が好ましくは50mm以下、更に
好ましくは20mm以下、最も好ましくは10mm以下
となるように粉砕することが好ましい。
【0020】また、本発明の廃材の再利用方法において
は、上記溶融して賦形する際に、上記脂環式構造含有重
合体樹脂からなる成形体の廃材に、上記脂環式構造含有
重合体樹脂以外のポリマー、各種配合剤又は充填剤を含
有させてもよい。上記その他のポリマーとしては、例え
ば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、SBS、SIS
及びSEBS等のゴム;ポリスチレン、ポリ(メタ)ア
クリレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエ
ーテル、ポリアミド、ポリイミド及びポリスルホン等の
樹脂;等が挙げられる。上記ポリマーは、単独で用いて
もよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、上記
脂環式構造含有重合体樹脂からなる成形体の廃材に、上
記その他のポリマーを配合させる割合は、製造される成
形体の使用目的に応じて適宜選択され、特に限定される
ものではない。
【0021】また、上記配合剤としては、熱可塑性樹脂
材料に通常に配合されるものを制限なく用いることがで
き、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、近
赤外線吸収剤、充填材、染料及び顔料等の着色剤、滑
剤、可塑剤、柔軟化剤、帯電防止剤及び蛍光増白剤等が
挙げられる。中でも酸化防止剤の配合は有利である。上
記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止
剤、リン系酸化防止剤及びイオウ系酸化防止剤等が挙げ
られる。上記酸化防止剤の中でも、フェノール系酸化防
止剤が好ましく用いられ、アルキル置換フェノール系酸
化防止剤が特に好ましい。上記フェノール系酸化防止剤
としては、従来公知のものを用いることができ、例え
ば、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒド
ロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルア
クリレート及び2,4−ジ−t−アミル−6−(1−
(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)
エチル)フェニルアクリレート等の特開昭63−179
953号公報や特開平1−168643号公報に記載さ
れているアクリレート系化合物;オクタデシル−3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート、2,2' −メチレン−ビス(4−メチ
ル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス
(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニ
ル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−ト
リス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン、テトラキス(メチレン−3−(3' ,
5' −ジ−t−ブチル−4' −ヒドロキシフェニルプロ
ピオネート)メタン[すなわち、ペンタエリスリメチル
−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニルプロピオネート)]及びトリエチレン
グリコール ビス(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロ
キシ−5−メチルフェニル)プロピオネート)等のアル
キル置換フェノール系化合物;6−(4−ヒドロキシ−
3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビスオク
チルチオ−1,3,5−トリアジン、4−ビスオクチル
チオ−1,3,5−トリアジン及び2−オクチルチオ−
4,6−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−オキシ
アニリノ)−1,3,5−トリアジン等のトリアジン基
含有フェノール系化合物;等が挙げられる。
【0022】また、上記リン系酸化防止剤としては、一
般の樹脂工業の分野で通常に用いられる各種リン系酸化
防止剤を用いることができ、例えば、トリフェニルホス
ファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニ
ルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニ
ル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスフ
ァイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホ
スファイト及び10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキ
サ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド
等のモノホスファイト系化合物;4,4' −ブチリデン
−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−ト
リデシルホスファイト)及び4,4' イソプロピリデン
−ビス(フェニル−ジ−アルキル(C12〜C15)ホ
スファイト)等のジホスファイト系化合物等が挙げられ
る。これらの中でも、モノホスファイト系化合物が好ま
しく、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス
(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−
ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等が特に好まし
く用いられている。上記イオウ系酸化防止剤等として
は、例えば、ジラウリル3,3−チオジプロピオネー
ト、ジミリスチル3,3' −チオジプロピピオネート、
ジステアリル3,3−チオジプロピオネート、ラウリル
ステアリル3,3−チオジプロピオネート、ペンタエリ
スリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオ−プロ
ピオネート及び3,9−ビス(2−ドデシルチオエチ
ル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ [5,
5] ウンデカン等が挙げられる。
【0023】上記充填剤としては、有機又は無機の充填
剤が挙げられ、例えば、シリカ、ケイ藻土、アルミナ、
酸化チタン、酸化マグネシウム、軽石粉、軽石バルー
ン、塩基性炭酸マグネシウム、ドワマイト、酸化カルシ
ウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、チタン酸カリ
ウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレ
ー、マイカ及びアスベスト等の鉱物;ガラス繊維、ボロ
ン繊維、炭化ケイ素繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロ
ピレン繊維、ポリエステル繊維及びポリアミド繊維等の
繊維;ガラスフレーク、ガラスビーズ、ケイ酸カルシウ
ム、モンモリロナイト、ベントナイト、グラファイト、
アルミニウム粉及び硫化モリブデン等が挙げられる。上
記充填剤は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して
用いてもよい。上記充填剤の配合量は、製造される成形
体の用途によって適宜選択され、特に限定されるもので
はない。また、新品の脂環式構造含有重合体樹脂と混ぜ
て使用してもよい。
【0024】上記廃材に必要に応じて配合剤等を混ぜて
(まぶして)300℃以下の温度で溶融して賦形して再
利用する。 (1)賦形により、直接に各種の成形品を得てもよい
し、(2)賦形により、一旦ペレット状の成形材料とし
た後、更に溶融成形して各種の成形品を得てもよい。こ
こで、賦形とは、溶融して所望の形状に加工することを
言い、単軸押出機又は混練押出機を用いてペレット状の
成形材料を得ることを言う。上記の(1)及び(2)の
再利用方法のうち、(2)の方法が好ましい。形状の揃
った成形材料を用いて溶融成形することにより、溶融成
形による成形品の寸法安定性、成形品内の組成安定性等
の成形品の品質が安定、向上するからである。上記溶融
成形する方法としては、従来公知の方法を特に制限なく
用いることができ、例えば、射出成形、押出成形、押出
ブロー成形、射出ブロー成形、多層ブロー成形、コネク
ションブロー成形、二重壁ブロー成形、延伸ブロー成
形、真空成形及び回転成形等が挙げられる。上記成形方
法の中でも、樹脂の加熱時に空気との接触による劣化が
少ない点から、射出成形法及び押出成形法が特に好適で
ある。上記賦形時の溶融温度は、廃材を構成する脂環式
構造含有重合体樹脂の種類によっても異なるが、通常3
00℃以下の温度で行う。また、上記溶融温度は、上記
脂環式構造含有重合体樹脂のガラス転移温度より70℃
以上高い温度であることが好ましい。上記溶融温度は、
好ましくは290℃以下であり、更に好ましくは280
℃以下である。また、上記溶融温度は、上記脂環式構造
含有重合体樹脂のガラス転移温度より90℃以上高い温
度であることが更に好ましい。溶融温度が上記範囲内で
あると、再利用により着色が少なく、十分な機械的強度
を有する成形品が得られやすい点で好適である。
【0025】上記(2)の方法でペレット化後に溶融成
形する場合の溶融温度も上記のような範囲が好ましい。
また、上記賦形時の溶融滞留時間は10分以内であるこ
とが好ましい。上記溶融滞留時間は8分以内であること
が更に好ましく、6分以内であることが最も好ましい。
また、上記溶融滞留時間は0.5分以上であることが好
ましい。上記範囲に溶融滞留時間があるときに、成形機
に負担がかからず、かつ機械的強度の低下が少ない等の
特性の優れたものを得ることができる。上記(2)の方
法でペレット化後に溶融成形する場合の溶融滞留時間も
上記のような範囲が好ましく、ペレット化時の溶融滞留
時間と溶融成形時の溶融滞留時間の合計が上記のような
範囲となることが特に好ましい。上記賦形は、上記脂環
式構造含有重合体樹脂が、できるだけ空気(又は酸素)
に触れない状態、即ち酸素濃度の低い状態で行うことが
好ましい。該樹脂溶融する部分(例えば溶融成形機のス
クリュー部)における酸素濃度は、10容量%以下であ
ることが好ましく、5容量%以下であることが更に好ま
しく、2容量%以下であることが最も好ましい。酸素濃
度が上記の範囲にあると、得られるものの着色が少な
く、機械的強度が良好なものとなる。酸素濃度を上記範
囲にする方法としては、例えば、溶融成形機の樹脂投入
部(ホッパーと呼ぶことが多い)に、窒素等の不活性ガ
スを流したり、又はホッパー部を密閉構造としてポンプ
等で真空にすることによって実施することができる。上
記(2)の方法でペレット化後に溶融成形する場合にも
上記のような酸素濃度とすることが好ましい。
【0026】上記再利用によって得られる成形品の例と
しては、配合剤等の選択により透明な成形体の成形も可
能であることから、レンズ、プリズム及び偏向フィルム
等の光学用成形体;プレススルーパッケージ、ディスポ
ーザブルシリンジ、薬液バイアル及び輸液バッグ等の医
療用成形品;電線被覆及びウェハーシッパー等の電気又
は電子材料用成形品;カーポート及びグレージング等の
建材;ランプリフレクター、エクステンションリフレク
ター、インナーレンズ等の自動車部品;ラップフィル
ム、ストレッチフィルム、シュリンクフィルム及びブリ
スターバック等のフィルム;ボールペンの芯等の文具等
が挙げられる。再利用により得られる成形品の品質が劣
化することがあるが、黄色度については好ましくは0.
5以下、分子量の低下(再利用により得た成形品の分子
量と元の廃材の分子量の差)についてはMwで好ましく
は10%以下、更に好ましくは5%以下である。このよ
うな範囲にある時に、再利用により得られる成形品の色
調に優れ、機械的強度が優れるからである。
【0027】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を
具体的に説明する。なお、以下の実施例及び比較例にお
いて、各種物性の測定は以下の通り行った。 (1)重量平均分子量 トルエンを溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマ
トグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算値、
又はシクロヘキサンを溶媒とするGPCにより、ポリイ
ソプレン換算値として測定した。 (2)ガラス転移温度 JIS K7121(DSC法)に基づいて測定した。 (3)黄色度(ΔYI) 成形品をデカリンに溶解して15重量%溶液とし、光路
長10mmの石英セルに入れ、色差計により測定した。
黄色度について下記評価基準に従って評価を行った。 ○:ΔYIが0.5以下である。 ×:ΔYIが0.5を越える。 (4)機械的強度 長さ127mm、幅12.7mm、厚み3mmの射出成
形試験片を用いて、ASTM D790に基づいて曲げ
試験を行い、下記評価基準に従って評価を行った。 ○:降伏点がある。 ×:降伏点に到達する前に割れた。
【0028】実施例1 8−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]ドデカ−3−エン(以下MTDと略す)、及びト
リシクロ[4.3.0.12,5 ]デカ−3,7−ジエン
(以下DCPと略す)の、80:20の重量比の混合物
から製造された開環重合体水素化物100重量部に対し
て、酸化防止剤としてテトラキス(メチレン−3−
(3' ,5' −ジ−t−ブチル−4' −ヒドロキシフェ
ニルプロピオネート)メタン0.1重量部が配合された
成形材料を用いて成形された光ディスク基板(直径:1
30mm、厚み:1.2mm、ポリマーのMw:55,
000、ΔYI:0.30、Tg:140℃)のスプル
ーを廃材として用い、クラッシャーにて約4mm角の大
きさに破砕した。該破砕物を乾燥機を用いて100℃の
温度で4時間保持した後、破砕物100重量部にテトラ
キス(メチレン−3−(3' ,5' −ジ−t−ブチル−
4' −ヒドロキシフェニルプロピオネート)メタン0.
1重量部を追加配合した。スクリュー径40mmの単軸
押出機(田辺プラスチック機械社製、VS−40)によ
り、ホッパー下部に窒素を流量1000cc/minで
供給してシリンダー部およびホッパー部を窒素で置換し
ながら、シリンダー温度250℃で溶融混練し、シリン
ダー内の滞留時間約1.3分で、ダイスからストランド
状に押出し、ペレタイザーでカッティングしてペレット
95重量部を得た。ペレットの着色は少なく、ΔYIは
0.32、Mwは55,000であった。このペレット
を射出成形機(ファナック社製、ロボショットα100
B)を用いて、ホッパー下部に窒素を流量500cc/
minで供給してシリンダー部およびホッパー部を窒素
で置換しながら、樹脂温度:290℃、金型温度:11
0℃、成形サイクルタイム:30秒で射出成形試験片を
成形した。成形した試験片を上記方法に従って評価を行
った。評価結果を表1に示す。
【0029】実施例2 ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(以下NBと
略す)及びエチレン(以下Eと略す)の75:25の重
量比の付加型共重合体100重量部に対して酸化防止剤
としてテトラキス(メチレン−3−(3' ,5' −ジ−
t−ブチル−4' −ヒドロキシフェニルプロピオネー
ト)メタン0.3重量部が配合された成形材料を用いて
成形された光ディスク基板(直径:130mm、厚み:
1.2mm、ポリマーのMw:126,000、ΔY
I:0.37、Tg:140℃)を廃材として用い、実
施例1と同様に、クラッシャーにて破砕した。該破砕物
を実施例1と同様の条件で処理してペレット94重量部
を得た。ペレットの着色は少なく、ΔYIは0.39、
Mwは127,000であった。このペレットを用い、
実施例1と同様に操作を行い射出成形し、試験片を成形
した。成形した試験片を上記方法に従って評価を行っ
た。評価結果を表1に示す。比較例1 実施例1で用いた光ディスク基板のスプルーを廃材とし
て用い、その破砕物を乾燥機を用い、100℃の温度で
4時間保持した。次いで、該破砕物100重量部に対し
て、テトラキス(メチレン−3−(3' ,5' −ジ−t
−ブチル−4'−ヒドロキシフェニルプロピオネート)
メタンを0.1重量部追加配合した。次いで、該破砕物
を実施例1で用いた単軸押出機を用い、ホッパー下部に
窒素の供給による置換をせずに、シリンダー温度310
℃で溶融混練し、シリンダー内の滞留時間を約1.0分
とし、ダイスからストランド状に押出し、ペレタイザー
でカッティングしてペレット91重量部を得た。このペ
レットのMwは51,000であり、大きな分子量低下
は見られなかったが、ペレットは黄色く変色し、ΔYI
は0.87と大きくなり、光学用途等には再利用するこ
とのできないものであった。
【0030】比較例2 実施例2で用いた光ディスク基板を廃材として用い、そ
の破砕物を乾燥機を用い、100℃の温度で4時間保持
した。次いで、該破砕物100重量部に対して、テトラ
キス(メチレン−3−(3' ,5' −ジ−t−ブチル−
4' −ヒドロキシフェニルプロピオネート)メタンを
0.1重量部追加配合した。次いで、該破砕物を実施例
2で用いた単軸押出機を用い、ホッパー下部に窒素の供
給による置換をせずに、シリンダー温度310℃で溶融
混練し、シリンダー内の滞留時間を約1.1分とし、ダ
イスからストランド状に押出し、ペレタイザーでカッテ
ィングしてペレット92重量部を得た。このペレットの
Mwは118,000であり、大きな分子量低下は見ら
れなかったが、ペレットは著しく黄色く変色し、ΔYI
は1.1と大きくなり、光学用途等には再利用すること
のできないものであった。比較例3 実施例1で得られたペレットを用い、実施例1で用いた
射出成形機により、樹脂温度を340℃とした以外は実
施例1と同様に操作を行い、試験片を成形した。成形し
た試験片を上記方法に従って評価を行った。評価結果を
表1に示す。比較例4 実施例2で得られたペレットを用い、実施例1で用いた
射出成形機により、樹脂温度を340℃とした以外は実
施例1と同様に操作を行い、試験片を成形した。成形し
た試験片を上記方法に従って評価を行った。評価結果を
表1に示す。
【0031】
【表1】 廃 材 種類 使用樹脂 Mw ΔYI (モノマー重量比) 実施例1 光ディスク MTD/DCP 55,000 0.30 基板のスプルー 80/20 実施例2 光ディスク NB/E 126,000 0.37 基板 75/25 比較例1 光ディスク MTD/DCP 55,000 0.30 基板のスプルー 80/20 比較例2 光ディスク NB/E 126,000 0.37 基板 75/25 比較例3 光ディスク MTD/DCP 55,000 0.30 基板のスプルー 80/20 比較例4 光ディスク NB/E 126,000 0.37 基板 75/25 再生ペレットの物性 再生ペレットでの成形品物性 Mw ΔYI Mw ΔYI 機械的強度 実施例1 55,000 0.32 52,800 0.36 ○ ○ ○ 実施例2 127,000 0.39 127,000 0.41 ○ ○ ○ 比較例1 51,000 0.87 − − − × 比較例2 118,000 1.1 − − − × 比較例3 55,000 0.32 49,000 0.40 × ○ ○ 比較例4 127.000 0.39 110,500 0.59 × ○ ○
【0032】
【発明の効果】以上、詳述した通り、本発明の成形体の
再利用方法によれば、脂環式構造含有重合体樹脂成形
体、スプルー及びランナー等の廃材を再利用することに
より、外観及び機械的強度に優れた成形体を得ることが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F070 AA12 AB26 DA11 4F074 AA26 EA07 EA34 EA72 4F201 AA03 AC01 AR06 AR11 BA05 BC01 BC12 BC19 BC25 BC27 BL06 BP15 BP31 4J032 CA23 CA24 CA27 CA28 CA34 CA35 CA36 CA38 CA43 CA45 CA46 CA62 CB11 CB12 CB13 CF03 CF05 CG07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂環式構造含有重合体樹脂からなる成形
    体の廃材を300℃以下の温度で溶融し、所望に形状の
    賦形することを特徴とする、廃材の再利用方法。
  2. 【請求項2】 上記廃材を300℃以下の温度で溶解
    し、ペレットとする、請求項1記載の廃材の再利用方
    法。
  3. 【請求項3】 上記廃材を300℃以下の温度で溶融成
    形し、成形品とする、請求項1記載の廃材の再利用方
    法。
  4. 【請求項4】 上記廃材を300℃以下の温度で溶融し
    ペレットとした後、該ペレットを溶融成形し、成形品と
    する、請求項1記載の廃材の再利用方法。
  5. 【請求項5】 上記溶融時及び溶融成形時の溶融滞留時
    間が10分以内である、請求項1〜4の何れかに記載の
    廃材の再利用方法。
  6. 【請求項6】 上記廃材が、スプルー及び/又はランナ
    ーである請求項1〜5の何れかに記載の廃材の再利用方
    法。
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JP2008222826A (ja) * 2007-03-12 2008-09-25 Jsr Corp 環状オレフィン系樹脂の再利用方法
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