JPH11302440A - 脂環式構造含有重合体樹脂成形体の再利用方法 - Google Patents

脂環式構造含有重合体樹脂成形体の再利用方法

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JPH11302440A
JPH11302440A JP11198698A JP11198698A JPH11302440A JP H11302440 A JPH11302440 A JP H11302440A JP 11198698 A JP11198698 A JP 11198698A JP 11198698 A JP11198698 A JP 11198698A JP H11302440 A JPH11302440 A JP H11302440A
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alicyclic structure
molding
ene
polymer resin
polymer
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JP11198698A
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Teiji Obara
禎二 小原
Junko Maruyama
淳子 丸山
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Zeon Corp
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】脂環式構造含有重合体樹脂成形体を再利用する
際に、着色したりすることのない、脂環式構造含有重合
体樹脂成形体の再利用方法を提供すること。 【解決手段】 脂環式構造含有重合体樹脂成形体を再利
用する方法において、該成形体に青色の色素を添加する
工程を含むことを特徴とする、脂環式構造含有重合体樹
脂成形体の再利用方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は脂環式構造含有重合
体樹脂成形体の再利用方法に関し、更に詳細には、脂環
式構造含有重合体樹脂成形体を再利用した結果、得られ
る成形体が着色することのない、脂環式構造含有重合体
樹脂成形体の再利用方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】材料と
して種々の飽和炭化水素環を有する熱可塑性炭化水素重
合体が開示されている。例えば、特開平3−27505
2号公報、特開平3−275067号公報、特開平3−
275070号公報及び特開平5−317411号公報
には、透明性及び耐熱性等に優れた熱可塑性飽和ノルボ
ルネン系ポリマーからなる医療用具等が開示されてお
り、特開平5−293159号公報及び特開平5−30
0939号公報には、衛生性に優れた、環状オレフィン
系化合物又は架橋多環式炭化水素系化合物を成分とする
樹脂を含有する衛生品用容器及び医療用具が開示されて
おり、また、特開平7−231928号公報には、機械
的強度に優れた、環状オレフィンとエチレンとを付加重
合してなる共重合体からなる容器が開示されている。一
方、一般に、上記医療用具等を成形する際には、スプル
ー、ランナー、フィルム又はシート両端に発生する耳と
呼ばれる余剰部分等の廃材が発生する。
【0003】使用後の上記成形品及び成形の際に発生す
る廃材は焼却処理されるのが一般的である。しかしなが
ら、上記成形品を使用した後、及び上記成形の際に発生
する廃材を再利用することができれば、二酸化炭素の発
生を減らすことができ、また、コストの面でも有利なも
のとなる。近年においては、プラスチック製品の廃棄物
を回収して粉砕し、ペレット化して得られる再生プラス
チックが一部の用途で用いられている。しかしながら、
飽和炭化水素環を有する熱可塑性炭化水素重合体を再利
用しようとすると、再生プラスチックは成形時に受ける
熱履歴等のために黄色く着色してしまい、そのまま用い
たのでは見栄えが悪くなる問題があった。
【0004】従って、本発明の目的は、脂環式構造含有
重合体樹脂成形体を再利用する際に、着色したりするこ
とのない、脂環式構造含有重合体樹脂成形体の再利用方
法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、脂環式構造含有重合体樹脂成形体に特定の色
素を添加することにより上記目的を達成し得るという知
見を得た。本発明は、上記知見に基づいてなされたもの
で、脂環式構造含有重合体樹脂成形体を再利用する方法
において、該成形体に青色の色素を添加する工程を含む
ことを特徴とする、脂環式構造含有重合体樹脂成形体の
再利用方法を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の成形体の再利用方
法について詳述する。本発明の脂環式構造含有重合体樹
脂成形体の再利用方法は、脂環式構造含有重合体樹脂成
形体に青色の色素を添加することからなる。まず、本発
明の成形体の製造方法において用いられる、脂環式構造
含有重合体樹脂成形体について説明する。上記脂環式構
造含有重合体樹脂とは、主鎖及び/又は側鎖に脂環式構
造を有する重合体樹脂をいい、例えば、溶融混練後に溶
融成形される成形体の機械的強度及び耐熱性等の観点か
ら、主鎖に脂環式構造を有するものを用いるのが好まし
い。そのような重合体としては、例えば、主鎖に飽和環
状炭化水素(シクロアルカン)構造又は不飽和環状炭化
水素(シクロアルケン)構造を有する重合体等が挙げら
れる。成形される成形体の機械的強度及び耐熱性等を考
慮した場合、飽和環状炭化水素構造を有する重合体が更
に好ましい。上記脂環式構造含有重合体樹脂としは特に
制限はないが、脂環式構造を構成する炭素原子数が4〜
30個程度のものが好ましく、5〜20個程度のものが
更に好ましく、5〜15個程度のものが最も好ましい。
上記脂環式構造含有重合体樹脂は、その構造中に脂環式
構造単位を繰り返し有するものが好ましく、繰り返し単
位の割合は好ましくは30重量%以上であり、更に好ま
しくは50重量%以上であり、最も好ましくは70重量
%以上である。このような繰り返し単位の割合が過度に
少ないと、成形される成形体の耐熱性が劣る場合があ
る。
【0007】上記脂環式構造含有重合体樹脂としては、
例えば、(1)ノルボルネン系重合体、(2)繰返し単
位の一部又は全部が、1,4結合及び/ 又は1,2−結
合により連結される5〜8員環飽和環状分子構造を有す
る炭化水素重合体及び(3)ビニル基含有環状炭化水素
系単量体を重合してなる重合体及びその水素化物等が挙
げられる。 (1)ノルボルネン系重合体 上記ノルボルネン系重合体とは、例えば特開平3−14
882号公報や特開平3−122137号公報等に開示
されている重合体をいい、例えば、ノルボルネン系モノ
マーの開環重合体及びその水素添加物、ノルボルネン系
モノマーの付加重合体、及びノルボルネン系モノマーと
ビニル化合物との付加重合体等のことをいい、下記式I
で表されるものが挙げられる。
【0008】
【化1】
【0009】(式中、R1 〜R4 は、それぞれ独立に、
水素原子、炭化水素基、ハロゲン原子、水酸基、エステ
ル基、アルコキシ基、シアノ基、イミド基、シリル基、
又はハロゲン原子、水酸基、エステル基、アルコキシ
基、シアノ基、イミド基又はシリル基等の官能基で置換
された炭化水素基である。好ましくは、水素原子又は炭
化水素基である。上記炭化水素基の炭素原子数として
は、好ましくは1〜20個であり、更に好ましくは1〜
10個、最も好ましくは1〜6個である。上記炭化水素
基の具体例としては、例えば、アルキル基及びアルケニ
ル基等が挙げられ、好ましくはアルキル基であり、その
中でも炭素原子数が1〜6個のアルキル基が特に好まし
い。上記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、
塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。燃
焼炉の腐食が少ないことから、ハロゲン原子を含まない
ものが好ましい。上記官能基で置換された炭化水素基と
しては、例えば、炭素原子数が好ましくは1〜20個、
更に好ましくは1〜10個、最も好ましくは1〜6個の
エステル基含有アルキル基等が挙げられる。また、上記
式(I)において、R1 及びR3 、又はR2 及びR4
一緒になってシクロペンタン環、シクロペンテン環又は
シクロヘキサン環等の(飽和又は不飽和の)単環の脂環
構造、ノルボルナン環又はテトラシクロドデセン環等の
多環の脂環構造等を形成していてもよい。また、上記脂
環構造には、更にR1 〜R4等に相当する置換基が含ま
れていてもよい。また、R1 とR2 、又はR3 とR4
が一緒になってアルキリデン基を形成していてもよい。
アルキリデン基の炭素数としては、好ましくは1〜20
個であり、更に好ましくは1〜10個であり、最も好ま
しくは1〜6個である。また、上記式(I)において、
破線部分は、炭素−炭素の単結合又は二重結合を示す
が、通常は、単結合の割合が好ましくは95%以上、更
に好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上で
ある。また、上記式(I)において、R5 〜R8 は、そ
れぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、ハロゲン原子、
水酸基、エステル基、アルコキシ基、シアノ基、イミド
基、シリル基、又はハロゲン原子、水酸基、エステル
基、アルコキシ基、シアノ基、イミド基又はシリル基等
の官能基で置換された炭化水素基である。好ましくは、
水素原子又は炭化水素基である。上記炭化水素基の炭素
原子数としては、好ましくは1〜20個であり、更に好
ましくは1〜10個、最も好ましくは1〜6個である。
上記炭化水素基の具体例としては、例えば、アルキル基
及びアルケニル基等が挙げられ、好ましくはアルキル基
であり、その中でも炭素原子数が1〜6個のアルキル基
が特に好ましい。上記ハロゲン原子としては、例えば、
フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙
げられる。燃焼炉の腐食が少ないことから、ハロゲン原
子を含まないものが好ましい。上記官能基で置換された
炭化水素基としては、例えば、炭素原子数が好ましくは
1〜20個、更に好ましくは1〜10個、最も好ましく
は1〜6個のエステル基含有アルキル基等が挙げられ
る。
【0010】上記ノルボルネン系モノマーとしては、例
えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(慣用
名ノルボルネン)、5−メチル−ビシクロ[2.2.
1]ヘプタ−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ
[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチル−ビシク
ロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ブチル−ビシ
クロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチリデン
−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタ−2−エン、5−ヘ
キシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5
−オクチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エ
ン、5−オクタデシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ
−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]
ヘプタ−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2.
2.1]ヘプタ−2−エン、5−ビニル−ビシクロ
[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−プロペニル−ビ
シクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メトキシ
−カルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エ
ン、5−シアノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−
エン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ
[2.2.1]ヘプタ−2−エン;5−メトキシカルボ
ニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エ
トキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン、5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−エ
トキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル−2
−メチルプロピオネイト、ビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−5−エニル−2−メチルオクタネイト、ビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン
酸無水物、5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチ
ル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒ
ドロキシ−i−プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5−シアノビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン−5,6−ジカルボン酸イミド、トリシクロ
[4.3.0.12,5 ]デカ−3,7−ジエン(慣用名
ジシクロペンタジエン)、トリシクロ[4.3.0.1
2,5 ]デカ−3−エン、トリシクロ[4.3.0.1
2,5 ]ウンデカ−3,7−ジエン若しくはトリシクロ
[4.3.0.12,5 ]ウンデカ−3,8−ジエンまた
はこれらの部分水素添加物(またはシクロペンタジエン
とシクロヘキセンの付加物)であるトリシクロ[4.
4.0.12,5 ]ウンデカ−3−エン、5−シクロペン
チル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−
シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン、5−シクロヘキセニルビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−2−エン、5−フェニル−ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、テトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]−ドデカ−3−エン(単にテトラシクロ
ドデセンともいう)、8−メチルテトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−ドデカ−3−エン、8−エ
チルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−ド
デカ−3−エン、8−メチリデンテトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−ドデカ−3−エン、8−エ
チリデンテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17,10
−ドデカ−3−エン、8−ビニルテトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−ドデカ−3−エン、8−プ
ロペニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−ドデカ−3−エン、8−メトキシカルボニル
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデカ
−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテト
ラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデカ−3
−エン、8−ヒドロキシメチルテトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]−ドデカ−3−エン、8−カルボ
キシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−ド
デカ−3−エン; 8−シクロペンチル−テトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデカ−3−エン、
8−シクロヘキシル−テトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .1 7,10]−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキセ
ニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−
ドデカ−3−エン、8−フェニル−シクロペンチル−テ
トラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデカ−
3−エン; テトラシクロ[7.4.0.110,13 .0
2,7 ]トリデカ−2,4,6,11−テトラエン(1,
4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオ
レンともいう)、テトラシクロ[8.4.0.
11,14 .03,8 ]テトラデカ−3,5,7,12−テ
トラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,
10a−ヘキサヒドロアントラセンともいう)、ペンタ
シクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]ペンタ
デカ−3,10−ジエン、ペンタシクロ[7.4.0.
3,6 .110,1 3 .02,7 ]ペンタデカ−4,11−ジ
エン及びシクロペンタジエンの4量体等が挙げられる。
上記ノルボルネン系重合体としては、上記ノルボルネン
系モノマーの1種からなるものでもよく、2種以上から
なるものでもよい。上記ノルボルネン系モノマーと付加
共重合可能なビニル化合物としては、例えば、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、3−メチル−1ブテン、3−メチル−1−ペンテ
ン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペン
テン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−
1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−
エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1
−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−ヘキサデ
セン、1−オクタデセン及び1−エイコセン等の炭素数
2〜20個のα−オレフィン;シクロブテン、シクロペ
ンテン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペン
テン、3−メチルシクロヘキセン、2−(2−メチルブ
チル)−1−シクロヘキセン、シクロオクテン及び3
a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1
H−インデン等のシクロオレフィン;1,4−ヘキサジ
エン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル
−1,4−ヘキサジエン及び1,7−オクタジエン等の
非共役ジエン;等が挙げられる。上記共重合可能なビニ
ル化合物は、単独で用いてもよく、又は2種以上を組み
合わせて用いてもよい。更に、付加共重合可能なビニル
化合物として、環状オレフィンを挙げることができる。
上記環状オレフィンとしては、例えば、シクロブテン、
1−メチルシクロペンテン、3−メチルシクロブテン、
3,4−ジイソプロペニルシクロブテン、シクロペンテ
ン、3−メチルシクロペンテン、シクロヘキセン、シク
ロオクテン、1−メチルシクロオクテン、5−メチルシ
クロオクテン、シクロオクタテトラエン及びシクロドデ
セン等の単環シクロオレフィンや前記ノルボルネン環を
有するモノマーのうち不飽和結合が1つのものが挙げら
れる。
【0011】(2)繰返し単位の一部又は全部が、1,
4結合及び/ 又は1,2−結合により連結される5〜8
員環飽和環状分子構造を有する炭化水素重合体 上記繰返し単位の一部又は全部が、1,4結合及び/ 又
は1,2−結合により連結される5〜8員環飽和環状分
子構造を有する炭化水素重合体としては、例えば、環状
オレフィン系単量体単位、環状共役ジエン系単量体単
位、鎖状共役ジエン系単量体単位、ビニル芳香族系単量
体単位、極性単量体単位、エチレン、及びα−オレフィ
ン系単量体単位からなる群から選択される単量体単位か
らなる重合体が挙げられる。そのような重合体の例とし
ては、1,3−シクロペンタジエン、1,3−シクロヘ
プタジエン及び1,3−シクロオクタジエン等の5〜8
員炭素環を有する環状共役ジエンの重合体及び共重合体
の水素化物等が挙げられる。
【0012】(3)ビニル基含有環状炭化水素系単量体
を重合してなる重合体及びその水素化物 上記ビニル基含有環状炭化水素系単量体を重合してなる
重合体を構成するビニル基含有環状炭化水素系単量体と
しては、例えば、ビニルシクロペンタン及びイソプロペ
ニルシクロペンタン等のビニルシクロペンタン系単量
体;4−ビニルシクロペンテン及び2−メチル−4−イ
ソプロペニルシクロペンテン等のビニルシクロペンテン
系単量体等のビニル化化五員環炭化水素系単量体;スチ
レン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−
メチルスチレン及び4−フェニルスチレン等のスチレン
系単量体;ビニルシクロヘキサン及び3−メチルイソプ
ロペニルシクロヘキサン等のビニルシクロヘキサン系単
量体;4−ビニルシクロヘキセン、4−イソプロペニル
シクロヘキセン、1−メチル−4−ビニルシクロヘキセ
ン、1−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセン、
2−メチル−4−ビニルシクロヘキセン及び2−メチル
−4−イソプロペニルシクロヘキセン等のビニルシクロ
ヘキセン系単量体;d−テルペン、1−テルペン及びジ
テルペン等のテルペン系単量体等のビニル化六員環炭化
水素系単量体;ビニルシクロヘプタン及びイソプロペニ
ルシクロヘプタン等のビニルシクロヘプタン系単量体;
4−ビニルシクロヘプテン及び4−イソプロペニルシク
ロヘプテン等のビニルシクロヘプテン系単量体等のビニ
ル化炭化水素系単量体等が挙げられる。
【0013】(4)脂環式構造含有重合体樹脂の物性 本発明において用いられる成形体の材料である脂環式構
造含有重合体樹脂は、シクロヘキサン溶液(重合体樹脂
が溶解しない場合にはトルエン溶液)のゲル・パーミエ
ーション・クロマトグラフ法で測定したポリスチレン換
算の数平均分量が5,000以上のものを用いるのが好
ましく、5,000〜500,000のものを用いるの
が更に好ましく、8,000〜200,000のものを
用いるのがより好ましく、10,000〜100,00
0のものを用いるのが最も好ましい。分子量が上記範囲
の脂環式構造含有重合体樹脂成形体を用いた場合に、得
られる成形体の機械的強度が良好なものとなる。また、
本発明において用いられる成形体の材料である脂環式構
造含有重合体樹脂としては、そのガラス転移温度(T
g)が高いものの方が得られる成形体の耐熱性が良好と
なることから、高いものが好ましく、50〜400℃の
ものを用いるのが好ましく、70〜300℃のものを用
いるのが更に好ましく、100〜250℃のものを用い
るのが最も好ましい。また、上記脂環式構造含有重合体
樹脂のTgが上記範囲内であると、成形体の成形性が良
好となる。
【0014】また、本発明において用いられる成形体の
材料である脂環式構造含有重合体樹脂としては、5%加
熱減量温度(窒素雰囲気中で、5℃/分の昇温速度で測
定)が280℃以上のものを用いるのが好ましく、35
0℃以上のものを用いるのが更に好ましい。5%加熱減
量温度が280℃未満の脂環式構造含有重合体樹脂成形
体を用いた場合、成形体の成形時において流動性を向上
させる目的で、樹脂温度を高温にすると樹脂の分解が起
き、得られる成形体内に分解による気泡の包含等の成形
不良が発生しやすいという問題がある。5%加熱減量温
度が上記範囲の重合体樹脂からなる成形体を用いた場合
には、成形時において流動性を向上させる目的で、樹脂
温度を高温にしても気泡の含有等の成形不良が発生しに
くく好適である。また、本発明において用いられる成形
体の材料である上記脂環式構造含有重合体樹脂として
は、その260℃の温度における溶融粘度が1×101
〜1×10 5 ポイズのものを用いるのが好ましく、1×
102 〜1×104 ポイズのものを用いるのが更に好ま
しい。溶融粘度が上記範囲内の重合体樹脂からなる成形
体を用いた場合に、成形時の樹脂の成形性が良好とな
り、得られる成形体の機械強度が良好となる。
【0015】上記脂環式構造含有重合体樹脂からなる成
形体としては、例えば、自動車用のインナーレンズ、ラ
ンプリフレクタ、エクステンションリフレクタ、ライト
ガイド、ルームミラー、ドアミラー及びテールランプ;
レンズ、プリズム、導光板、光ディスク基板、偏光フィ
ルム、光拡散シート及び位相差シート等の光学用途の成
形体;ディスポーザブルシリンジ、薬液バイアル、プレ
フィルドシリンジ、輸液バッグ、PTPシート及び検査
セル等の医療用の成形体;電線被覆、ウェハーシッパ
ー、ハードディスク基板、高周波コネクタ用インシュレ
ーター及びアンテナ基板等の電気又は電子用途の成形
体;カーポート、グレージング、インキケース、広告用
パネル、温室用窓材及びルーフ材等の建材及び文具等が
挙げられる。また、上記脂環式構造含有重合体樹脂成形
体を成形する際に発生する廃材、例えば、スプルー及び
ランナー等も本発明において使用することができる。本
発明においては、上記成形体を単独で用いてもよく、2
種以上を混合して用いてもよい。また、上記成形体は上
記脂環式構造含有重合体樹脂のほかに、後述するような
他のポリマー、各種配合剤及び充填剤等が添加されたも
のであってもよい。
【0016】本発明の脂環式構造含有重合体樹脂成形体
の再利用方法においては、上記脂環式構造含有重合体樹
脂成形体に青色の色素を添加することが特徴である。上
記青色の色素としては、青色の顔料及び青色の染料等を
挙げることができ、得られる成形体の透明感に優れるこ
とから、青色染料を用いることが好ましい。上記青色の
染料としては、上記脂環式構造含有重合体樹脂に均一に
分散・溶解するものであれば特に限定されないが、相溶
性に優れる点で油溶性染料(各種C.I.ソルベント染
料)が広く用いられている。油溶性染料の具体例として
はThe Society of Diyes and
Colourists社刊Color Index
vol.3に記載される各種のC.I.ソルベントブル
ー染料に分類される染料が挙げられる。その他にも、発
色団として−N=N−(アゾ)基又は−C=N−基等を
有する、単環若しくは多環の芳香環化合物(例えば、ベ
ンゼン誘導体、ナフタレン誘導体、及びアントラセン誘
導体等、多くは発色の深色化効果を発揮させるために、
1つ又は複数の置換基を有しているものが多い)の中か
ら青色(目視で青色のもの)で脂環式構造含有重合体樹
脂に相溶性の良いものを選択して用いることができる。
上記青色染料の具体例としては、例えば、ソルベントブ
ルー25、ソルベントブルー14、ソルベントブルー9
4及びベーシックブルー7等を挙げることができる。ま
た、青色顔料は無機の青色顔料及び有機の青色顔料に分
けることができ、無機の青色顔料としては、例えば、群
青、紺青、コバルト青及びセルリアン青等を挙げること
ができる。また、上記有機の青色顔料としては、塩基性
染料系レーキや、フタロシアニン・ ブルーB及びファス
ト・スカイブルー等のフタロシアニン顔料等を挙げるこ
とができる。
【0017】上記青色の色素の添加量は、上記成形体中
に含まれる脂環式構造含有重合体樹脂の種類、又はその
成形時の条件等によっても異なるが、得られる再利用に
係る成形体の無色感(YI値)が所望の範囲になるよう
な量が添加される。得られる再利用に係る成形体のYI
値は好ましくは0.6〜1.5であり、更に好ましくは
0.7〜1.3であり、最も好ましくは0.8〜1.2
である。YI値を上記範囲にするための青色色素の添加
量は、脂環式構造含有重合体樹脂に対して重量換算で好
ましくは0.01〜1,000ppmであり、更に好ま
しくは0.1〜500ppmであり、最も好ましくは1
〜100ppmである。また、青色顔料を用いる場合
は、その添加量は好ましくは0.1〜10,000pp
mであり、更に好ましくは1〜5,000ppmであ
る。青色の色素を添加する方法としては、例えば、射出
成形機に上記成形体を青色の色素を直接投入して成形す
る方法、ミキサー、二軸混練機等を用いて上記重合体樹
脂を溶融状態で混練する方法、適当な溶剤に上記成形体
を溶解して分散させ、凝固法、キャスト法又は直接乾燥
法により溶剤を除去する方法等が挙げられる。均質な材
料を得られるという観点から、溶融状態で混練する方法
が好ましい。溶融混練する場合の温度は、上記脂環式構
造含有重合体樹脂のガラス転移温度より70℃高い温度
以上の温度で330℃以下の温度であるのが好ましく、
更に好ましくは300℃以下であり、最も好ましくは2
80℃以下である。上記温度が低すぎると粘度が高くな
り混練が困難となり、高すぎると上記脂環式構造含有重
合体樹脂が劣化し、粘度や融点の差によって混練が良好
にいかなくなる場合がある。上記溶解方法としては、溶
融混練の方法や、溶融混練に用いる機械の種類等により
それぞれ適切な条件を選択することができる。また、上
記溶融混練は、不活性ガス雰囲気中で行うこともでき
る。不活性ガスとは、窒素ガス及びアルゴンガス等の希
ガスをいう。また、上記脂環式構造含有重合体樹脂成形
体を混練する時又は溶液とする時には、上記成形体をそ
のままの形状で用いることもできるが、必要に応じて上
記成形体を粉砕して用いてもよい。成形体が塊状である
場合には、加熱溶融に際して、溶融しやすさの観点か
ら、大きさ(粒子の大きさの中で最も長い辺の長さ)が
好ましくは20mm以下、更に好ましくは10mm以
下、最も好ましくは8mm以下となるように粉砕するこ
とが好ましい。また、粉砕する場合には、厚み(粒子の
大きさの中でもっとも短い辺の長さ)が好ましくは50
mm以下、更に好ましくは20mm以下、最も好ましく
は10mm以下となるように粉砕することが好ましい。
溶融混練後は、溶融状態の重合体樹脂を棒状に押し出
し、ストランドカッターで適当な長さに切断し、ペレッ
ト状の成形体とすることが好ましい。ペレット状の成形
体は、後述する成形における材料として取り扱いやす
い。
【0018】青色の色素を添加する他の方法としては、
粉砕した、若しくはそのままの成形体に直接まぶしてか
ら溶融成形することも可能である。溶融成形時(例え
ば、射出成形機や押出成形機のスクリューによって)に
弱いながらも混練効果があるからである。マスターバッ
チ法による方法も好ましい。本発明の青色の色素の添加
量は、好ましくは少量であるため、予め所定の濃度より
も濃い量の色素(好ましくは2〜1,000倍、更に好
ましくは5〜500倍)を含む脂環式構造含有重合体樹
脂組成物(マスターバッチ)を作っておき、これにより
所定の濃度とすることが好ましい。この方法により、青
色色素の添加量を正確に、且つ随時コントロールするこ
とができる。マスターバッチの好ましい製造方法は、溶
融混練法であり、また、好ましい形状はペレット状であ
る。マスターバッチに用いられる脂環式構造含有重合体
樹脂は、再利用しようとする成形体に用いられている脂
環式構造含有重合体樹脂とTgや分子量が近いものが好
ましく、同一であるものが特に好ましい。マスターバッ
チに用いられる脂環式構造含有重合体樹脂は新品であっ
ても、再生品であってもよい。
【0019】また、本発明の脂環式構造含有重合体樹脂
成形体の再利用方法においては、上記脂環式構造含有重
合体樹脂以外のポリマー又は各種配合剤を更に添加して
もよい。上記その他のポリマーとしては、例えば、ポリ
ブタジエン、ポリイソプレン、スチレン/ブタジエン/
スチレン・ブロック共重合体(SBS)、スチレン/イ
ソプレン/スチレン・ブロック共重合体(SIS)、水
素添化SBS(SEBS)及び水素化SIS(SEP
S)等のゴム;ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリレー
ト、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテル、
ポリアミド、ポリイミド及びポリスルホン等の樹脂;等
が挙げられる。上記ポリマーは、単独で用いてもよく、
2種以上を混合して用いてもよい。また、上記脂環式構
造含有重合体樹脂に、上記その他のポリマーを配合させ
る割合は、製造される成形体の使用目的に応じて適宜選
択され、特に限定されるものではない。
【0020】また、上記配合剤としては、熱可塑性樹脂
材料に通常に配合されるものを制限なく用いることがで
き、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑
剤、可塑剤、柔軟化剤、帯電防止剤及び蛍光増白剤等が
挙げられる。上記酸化防止剤としては、例えば、フェノ
ール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤及びイオウ系酸化
防止剤等が挙げられる。上記酸化防止剤の中でも、フェ
ノール系酸化防止剤が好ましく用いられ、アルキル置換
フェノール系酸化防止剤が特に好ましい。上記フェノー
ル系酸化防止剤としては、従来公知のものを用いること
ができ、例えば、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチ
ル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチ
ルフェニルアクリレート及び2,4−ジ−t−アミル−
6−(1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシ
フェニル)エチル)フェニルアクリレート等の特開昭6
3−179953号公報や特開平1−168643号公
報に記載されているアクリレート系化合物;オクタデシ
ル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート、2,2' −メチレン−ビス
(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,
3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブ
チルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,
4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)ベンゼン、テトラキス(メチレン−3−
(3' ,5' −ジ−t−ブチル−4' −ヒドロキシフェ
ニルプロピオネート)メタン[すなわち、ペンタエリス
リメチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート)]及びトリ
エチレングリコール ビス(3−(3−t−ブチル−4
−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート)
等のアルキル置換フェノール系化合物;6−(4−ヒド
ロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−
ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、4−ビス
オクチルチオ−1,3,5−トリアジン及び2−オクチ
ルチオ−4,6−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−オキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン等のトリ
アジン基含有フェノール系化合物;等が挙げられる。
【0021】また、上記リン系酸化防止剤としては、一
般の樹脂工業の分野で通常に用いられる各種リン系酸化
防止剤を用いることができ、例えば、トリフェニルホス
ファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニ
ルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニ
ル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスフ
ァイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホ
スファイト及び10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキ
サ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド
等のモノホスファイト系化合物;4,4' −ブチリデン
−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−ト
リデシルホスファイト)及び4,4' イソプロピリデン
−ビス(フェニル−ジ−アルキル(C12〜C15)ホ
スファイト)等のジホスファイト系化合物等が挙げられ
る。これらの中でも、モノホスファイト系化合物が好ま
しく、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス
(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−
ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等が特に好まし
く用いられている。上記イオウ系酸化防止剤等として
は、例えば、ジラウリル3,3−チオジプロピオネー
ト、ジミリスチル3,3' −チオジプロピピオネート、
ジステアリル3,3−チオジプロピオネート、ラウリル
ステアリル3,3−チオジプロピオネート、ペンタエリ
スリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオ−プロ
ピオネート及び3,9−ビス(2−ドデシルチオエチ
ル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ [5,
5] ウンデカン等が挙げられる。
【0022】上記紫外線吸収剤としては、例えば、2−
(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)2H−ベンゾ
トリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ
−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾト
リアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒド
ロキシフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾ
ール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシ
フェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−
2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニ
ル)−2H−ベンゾトリアゾール及び2−(3,5−ジ
−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベン
ゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤;4−t−ブチルフェニル−2−ヒドロキシベンゾエ
ート、フェニル−2−ヒドロキシベンゾエート、2,4
−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−
(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル
−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタリミジルメ
チル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オ
クチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール及び2−
(2−ヒドロキシ−4−オクチルフェニル)−2H−ベ
ンゾトリアゾール等のベンゾエート系紫外線吸収剤;
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−
メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸3水和物、2
−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノン、4−
ドデカロキシ−2−ホドロキシベンゾフェノン、4−ベ
ンジルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,
2' ,4,4' −テトラヒドロキシベンゾフェノン及び
2,2' −ジヒドロキシ−4,4' −ジメトキシベンゾ
フェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;エチル−
2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート及び2'
−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルア
クリレート等のアクリレート系紫外線吸収剤;[2,
2' −チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−
2−エチルヘキシルアミンニッケル等の金属錯体系紫外
線吸収剤等が挙げられる。
【0023】上記光安定剤としては、例えば、2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル ベンゾエー
ト、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタ
メチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロ
ネート及び4−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)−1−(2
−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオニルオキシ)エチル)−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン等のヒンダードアミン系光
安定剤等が挙げられる。上記滑剤としては、例えば、脂
肪族アルコールのエステル、多価アルコールのエステル
又は部分エステル等の有機化合物や無機微粒子等が挙げ
られる。上記有機化合物としては、例えば、グリセリン
モノステアレート、グリセリンモノラウレート、グリセ
リンジステアレート、ペンタエリスリトールモノステア
レート、ペンタエリスリトールジステアレート及びペン
タエリスリトールトリステアレート等が挙げられる。上
記無機微粒子としては、例えば、周期律表の1族、2
族、4族、6〜14族元素の酸化物、硫化物、水酸化
物、窒素化物、ハロゲン化物、炭酸塩、硫酸塩、酢酸
塩、燐酸塩、亜燐酸塩、有機カルボン酸塩、珪酸塩、チ
タン酸塩、硼酸塩及びそれらの含水化物、それらを中心
とする複合化合物、並びに天然化合物等の粒子が挙げら
れる。
【0024】上記可塑剤としては、例えば、トリクレジ
ルフォスフェート、トリキシリルフォスフェート、トリ
フェニルフォスフェート、トリエチルフェニルフォスフ
ェート、ジフェニルクレジルフォスフェート、モノフェ
ニルジクレジルフォスフェート、ジフェニルモノキシレ
ニルフォスフェート、モノフェニルジキシレニルフォス
フェート、トリブチルフォスフェート及びトリエチルフ
ォスフェート等の燐酸トリエステル系可塑剤;フタル酸
ジメチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フ
タル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキ
シル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸オクチルデシル
及びフタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル系可
塑剤;オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エ
ステル等の脂肪酸一塩基酸エステル系可塑剤;二価アル
コールエステル系可塑剤;オキシ酸エステル系可塑剤;
等が挙げられる。上記可塑剤の中でも燐酸トリエステル
系可塑剤を用いることが好ましく、トリクレジルフォス
フェート及びトリキシリルフォスフェートが特に好まし
く用いられる。更に、他の若しくは併用する柔軟化剤な
いし可塑剤としては、主骨格が主にC−CまたはC=C
構造である常温で液状の炭化水素ポリマーが挙げられ
る。上記液状炭化水素ポリマーの中でも、主鎖の中に炭
化水素環を持たない直鎖状または分岐鎖状の液状炭化水
素ポリマーが好ましい例として挙げられる。また、得ら
れる成形体の耐候性に優れることから、C=C構造を実
質的に持たないものが好ましい。この液状炭化水素ポリ
マーの重量平均分子量は、好ましくは10,000以下
であり、更に好ましくは200〜8,000であり、最
も好ましくは300〜4,000の範囲である。上記液
状炭化水素ポリマーの具体例としては、スクアラン(C
3062、Mw=422.8)、流動パラフィン(ホワイ
トオイル、JIS K2231に規定されるISO V
G10、ISO VG15、ISOVG32、ISO
VG68、ISO VG100、VG8およびVG21
等)、ポリイソブテン、水添ポリブタジエン及び水添ポ
リイソプレン等が挙げられる。これらの中でもスクアラ
ン、流動パラフィン及びポリイソブテンが好ましい。
【0025】上記帯電防止剤としては、ステアリルアル
コール及びベヘニルアルコール等の長鎖アルキルアルコ
ール;グリセリンモノステアレート及びペンタエリスリ
トールモノステアレート等の多価アルコールの脂肪酸エ
ステル等が挙げられる。上記の中でも、ステアリルアル
コール及びベヘニルアルコールが特に好ましい。上記配
合剤は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用い
てもよい。上記酸化防止剤の配合量は、通常は、ポリマ
ー成分100重量部に対し、0.001〜5重量部であ
ることが好ましく、0.01〜1重量部であることが更
に好ましい。本発明の脂環式構造含有重合体樹脂成形体
を再利用する方法においては、利用された成形体だけで
なく、新品の脂環式構造含有重合体樹脂を混合して用い
ることもできる。再利用する方法には特に限定されな
い。成形品を溶液として青色の色素を添加した場合、又
は青色の色素を添加した後溶液とし、それをそのまま溶
液状態のまま用いてもよく、又は溶液をキャストフィル
ム等にしてから溶剤を乾燥させて用いてもよい。溶融成
形法は、溶剤の発生がなく、作業環境の衛生上の観点、
及び成形品を効率よく得ることができる点で好ましい。
【0026】溶融成形する方法としては、従来公知の方
法を特に制限なく用いることができ、例えば、射出成
形、押出成形、押出ブロー成形、射出ブロー成形、多層
ブロー成形、コネクションブロー成形、二重壁ブロー成
形、延伸ブロー成形、真空成形及び回転成形等が挙げら
れる。上記成形方法の中でも、フィルム又はシート状成
形体を生産性良く得られる点から、押出成形法が特に好
適である。上記成形時の溶融温度は、成形体を構成する
脂環式構造含有重合体樹脂の種類によっても異なるが、
通常300℃以下の温度で行うことが好ましい。また、
上記成形温度は、上記脂環式構造含有重合体樹脂のガラ
ス転移温度より70℃以上高い温度であることが好まし
い。成形温度が上記範囲内であると、得られる再成形体
の着色がなく、更に物性の低下が少ないので好適であ
る。上記成形温度は、好ましくは290℃以下であり、
更に好ましくは280℃以下である。また、上記成形温
度は、上記脂環式構造含有重合体樹脂のガラス転移温度
より90℃以上高い温度であることが更に好ましい。ま
た、上記溶融成形時の溶融滞留時間は60分以内である
ことが好ましい。上記溶融滞留時間が60分以内である
と、再成形品の着色が少なく、かつ機械的強度の低下が
少ない等の特性の優れた成形体を得ることができる。上
記溶融滞留時間は30分以内であることが更に好まし
く、20分以内であることが最も好ましい。
【0027】上記溶融成形は、上記脂環式構造含有重合
体樹脂が、できるだけ空気(又は酸素)に触れない状
態、即ち酸素濃度の低い状態で行うことが好ましい。該
樹脂溶融する部分(例えば溶融成形機のスクリュー部)
における酸素濃度は、10容量%以下であることが好ま
しく、5容量%以下であることが更に好ましく、2容量
%以下であることが最も好ましい。上記酸素濃度が10
容量%以下であると、得られる成形体の着色が少なく、
機械的強度等が良好なものとなる。酸素濃度を上記範囲
にする方法としては、例えば、溶融成形機の樹脂投入部
(ホッパーと呼ぶことが多い)に、窒素等の不活性ガス
を流したり、又はホッパー部を密閉構造としてポンプ等
で真空にすることによって実施することができる。
【0028】上記溶融成形によって成形される成形体と
しては、例えば、ペレット状の成形体等が挙げられる。
その他の成形体の例としては、配合剤等の選択により透
明な成形体の成形も可能であることから、レンズ、プリ
ズム及び偏向フィルム等の光学用成形体;プレススルー
パッケージ、ディスポーザブルシリンジ、薬液バイアル
及び輸液バッグ等の医療用成形体;動物飼育容器;電線
被覆及びウェハーシッパー等の電気又は電子材料用成形
体;カーポート及びグレージング等の建材;ランプカバ
ー及び導光板等の自動車部品;ラップフィルム、ストレ
ッチフィルム、シュリンクフィルム及びブリスターバッ
ク等のフィルム;ボールペンの芯等の文具等が挙げられ
る。
【0029】
【実施例】本発明を、以下の実施例を用いて更に具体的
に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもの
ではない。以下の記載において、特に断らない限り部は
重量部を表す。また、以下の実施例においてポリマー1
及びポリマー2は、以下のものを意味するものとする。 ポリマー1: 8−メチル〔4.4.0.12,5 .17,10〕ドデカ−3
−エン(慣用名:メチルテトラシクロドデセン(MT
D))80部、及びトリシクロ〔4.3.0.1 2,5
ドデカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエ
ン(DCP))20部の開環重合体水素化物 Mw:53,000(GPC分析によるポリイソプレン
換算値;溶媒:シクロヘキサン) Tg:140℃ 水素添加率:99.8%以上( 1H−NMRで、水素添
加反応前後で比較して測定) ポリマー2: 8−エチル〔4.4.0.12,5 .17,10〕ドデカ−3
−エン(慣用名:エチルテトラシクロドデセン(ET
D))の開環重合体水素化物 Mw:49,000(GPC分析によるポリイソプレン
換算値;溶媒:シクロヘキサン) Tg:140℃
【0030】成形例1 ポリマー1を材料とし、成形機としてDISC−5(住
友重機械工業(株)製)を用い、樹脂温度:320℃、
金型温度:110℃、成形サイクルタイム:150秒の
成形条件で、直径130mm、厚み1.2mmの光ディ
スク基板を成形した。成形例2 材料としてポリマー2を用いた以外は、成形例1と同様
に操作を行い、光ディスク基板を成形した。参考例1 ポリマー1を材料とし、成形機としてDISC−5(住
友重機械工業(株)製)を用い、樹脂温度:280℃、
金型温度:110℃、成形サイクルタイム:20秒の成
形条件で、厚み3mm、幅50mm、長さ90mmのカ
ラープレートを成形した。参考例2 材料としてポリマー2を用いた以外は、参考例1と同様
に操作を行い、カラープレートを成形した。
【0031】実施例1 成形例1で得られた光ディスク基板をクラッシャーで約
5mm角に破砕した。次いで、破砕した光ディスク基板
100部に対して青色色素(三井BASF染料(株)
製、PS Blue BN)を0.0015部添加し
た。次いで、青色色素を添加した上記光ディスク基板を
材料とし、成形機としてDISC−5(住友重機械工業
(株)製)を用い、樹脂温度:280℃、金型温度:1
10℃、成形サイクルタイム:20秒の成形条件で、厚
み3mm、幅50mm、長さ90mmのカラープレート
を成形した。得られた成形体(カラープレート)の分子
量(Mw)、Tg及び無色感(YI値)について、下記
方法に従って評価を行った。その結果を表1に示す。な
お、表1には、ポリマー1、ポリマー2、参考例1及び
参考例2の成形体の評価結果も示した。
【0032】〔分子量〕GPC分析により、シクロヘキ
サンを溶媒として用い、ポリイソプレン換算値として求
めた。 〔Tg〕DSC分析により求めた。 〔YI値〕カラープレートで測定した。実施例2 成形例2の光ディスク基板を用いた以外は、実施例1と
同様に操作を行い、カラープレートを成形した。得られ
た成形体の分子量、Tg及びYI値について、実施例1
と同様の評価を行った。実施例3 成形例1で得られた光ディスク基板をクラッシャーで約
5mm角に破砕した。次いで、破砕した光ディスク基板
100部に青色色素(三井BASF染料(株)製、PS
Blue BN)を0.0015部添加した。次い
で、青色色素を添加した上記光ディスク基板を二軸押出
し機(東芝機械(株)製、TEM−35)にて、シリン
ダー温度:250℃で混合物をダイからストランド状に
押出し、ペレタイザーでカッティングして再生ペレット
を得た。次いで、該再生ペレットを材料とし、成形機と
してDISC−5(住友重機械工業(株)製)を用い、
樹脂温度:280℃、金型温度:110℃、成形サイク
ルタイム:20秒の成形条件で、厚み3mm、幅50m
m、長さ90mmのカラープレートを成形した。得られ
た成形体の分子量、Tg及びYI値について、実施例1
と同様の評価を行った。実施例4 成形例2の光ディスク基板を用いた以外は、実施例3と
同様に操作を行い、カラープレートを成形した。得られ
た成形体の分子量、Tg及びYI値について、実施例1
と同様の評価を行った。
【0033】比較例1 成形例1の光ディスク基板をクラッシャーで破砕した。
次いで、該破砕した光ディスク基板を、二軸押出し機
(東芝機械(株)製、TEM−35)にて、シリンダー
温度:250℃で混合物をダイからストランド状に押出
し、ペレタイザーでカッティングして再生ペレットを得
た。次いで、該再生ペレットを材料とし、成形機として
DISC−5(住友重機械工業(株)製)を用い、樹脂
温度:280℃、金型温度:110℃、成形サイクルタ
イム:20秒の成形条件で、厚み3mm、幅50mm、
長さ90mmのカラープレートを成形した。得られた成
形体の分子量、Tg及びYI値について、実施例1と同
様の評価を行った。比較例2 成形例2の光ディスクを用いた以外は、比較例1と同様
に操作を行い、カラープレートを成形した。得られた成
形体の分子量、Tg及びYI値について、実施例1と同
様の評価を行った。
【0034】
【表1】 分子量(Mw) Tg(℃) YI値 ポリマー1 53,000 140 1.01 ポリマー2 49,000 140 0.98 参考例1 51,900 140 1.01 参考例2 48,200 140 1.02 実施例1 51,300 140 0.90 実施例2 47,400 140 0.93 実施例3 51,000 140 1.04 実施例4 47,200 140 1.08 比較例1 51,400 140 2.01 比較例2 47,700 140 1.97
【0035】
【発明の効果】以上、詳述した通り、本発明の脂環式構
造含有重合体樹脂成形体の再利用方法によれば、脂環式
構造含有重合体樹脂成形体を再利用する際に、着色する
ことがない。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂環式構造含有重合体樹脂成形体を再利
    用する方法において、該成形体に青色の色素を添加する
    工程を含むことを特徴とする、脂環式構造含有重合体樹
    脂成形体の再利用方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001081957A1 (fr) * 2000-04-25 2001-11-01 Teijin Limited Film optique

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001081957A1 (fr) * 2000-04-25 2001-11-01 Teijin Limited Film optique
US6881453B2 (en) 2000-04-25 2005-04-19 Teijin Limited Optical film

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