JP2013006916A - 樹脂組成物及び成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】脂環構造含有重合体と、ヒンダードフェノール系酸化防止剤と、シロキサン化合物とを含有する樹脂組成物であって、前記フェノール系酸化防止剤が、両ヒンダードフェノール系酸化防止剤であり、前記シロキサン化合物が、置換基として炭化水素基を有し、1分子中のケイ素原子と酸素原子の合計重量割合が20〜60重量%であることを特徴とする樹脂組成物からなる光学成形体を得る。
【選択図】なし
Description
また、特許文献2によると、かご形シルセスキオキサン化合物が、ポリフェニレンエーテル系樹脂とポリフェニレンサルファイド樹脂との相溶性を向上させ、両樹脂の特性を併せ持つ、線膨張係数の低いフィルムを提供することができることが報告されている。
そして本発明者らは、特許文献1で提案されているのとは異なるシロキサン化合物である、置換基として炭化水素基を有し、1分子中のケイ素原子と酸素原子の合計重量割合が20〜60重量%であるシロキサン化合物(以下、特定シロキサン化合物ということがある)を用いると、高い耐熱性と低い複屈折とを有する光学成形体を得ることができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
脂環構造含有重合体と、ヒンダードフェノール系酸化防止剤と、シロキサン化合物とを含有する樹脂組成物であって、
前記フェノール系酸化防止剤が、両ヒンダードフェノール系酸化防止剤であり、
前記シロキサン化合物が、置換基として炭化水素基を有し、1分子中のケイ素原子と酸素原子の合計重量割合が20〜60重量%である
ことを特徴とする樹脂組成物が提供される。
前記シロキサン化合物は、かご形シルセスキオキサン化合物であるのが好ましい。
このかご形シルセスキオキサンは、一般式(1)[RSiO3/2]8で表されるものであるのが好ましい。
また、前記シロキサン化合物は、1,3−ビス(4−メトキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、又は、一般式(1)[RSiO3/2]8で表される次の(a)〜(c)のかご形シルセスキオキサンのいずれかであるのが好ましい。
(a)一般式(1)中、7つのRがエチル基であり、1つのRが2−ノルボルネニルエチル基である、C23H48O12Si8で表されるかご形シルセスキオキサン
(b)一般式(1)中、7つのRがイソブチル基であり、1つのRがアリル基である、C31H68O12Si8で表されるかご形シルセスキオキサン
(c)一般式(1)中、8つのRがすべてフェニル基である、C48H40O12Si8で表されるかご形シルセスキオキサン
前記脂環構造含有重合体は、7,8−ベンゾトリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エンを含む単量体の開環重合体水素添加物であるのが好ましい。
さらに、本発明によれば、上述した樹脂組成物からなる光学成形体が提供される。
本発明で使用される脂環構造含有重合体は、主鎖及び/又は側鎖に脂環式構造を有する、非晶性樹脂(融点を有しない樹脂)であり、機械的強度、耐熱性などの観点から、主鎖に脂環式構造を含有するものが好ましい。
ノルボルネン系重合体は、ノルボルネン骨格を有する単量体であるノルボルネン系単量体を重合してなるものであり、開環重合によって得られるものと、付加重合によって得られるものに大別される。
置換基としては、アルキル基、アルキレン基、ビニル基、アルコキシカルボニル基、アルキリデン基などが例示でき、上記ノルボルネン系単量体は、これらを2種以上有していてもよい。具体的には、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンなどが挙げられる。
これらのノルボルネン系単量体は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
ノルボルネン系単量体と開環共重合可能なその他の単量体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環状オレフィン系単量体などを挙げることができる。
ノルボルネン系単量体の開環重合体水素化物は、通常、上記開環重合体の重合溶液に、ニッケル、パラジウムなどの遷移金属を含む公知の水素化触媒を添加し、炭素−炭素不飽和結合を水素化することにより得ることができる。
これらの、ノルボルネン系単量体と付加共重合可能なその他の単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。ノルボルネン系単量体とこれと付加共重合可能なその他の単量体とを付加共重合する場合は、付加重合体中のノルボルネン系単量体由来の構造単位と付加共重合可能なその他の単量体由来の構造単位との割合が、重量比で通常30:70〜99:1、好ましくは50:50〜97:3、より好ましくは70:30〜95:5の範囲となるように適宜選択される。
単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの、単環の環状オレフィン系単量体の付加重合体を用いることができる。
(3)環状共役ジエン系重合体
環状共役ジエン系重合体としては、例えば、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの環状共役ジエン系単量体を1,2−又は1,4−付加重合した重合体及びその水素化物などを用いることができる。
(4)ビニル脂環式炭化水素重合体
ビニル脂環式炭化水素重合体としては、例えば、ビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘキサンなどのビニル脂環式炭化水素系単量体の重合体及びその水素化物;スチレン、α−メチルスチレンなどのビニル芳香族系単量体の重合体の芳香環部分の水素化物;などが挙げられ、ビニル脂環式炭化水素重合体やビニル芳香族系単量体と、これらの単量体と共重合可能な他の単量体とのランダム共重合体、ブロック共重合体などの共重合体及びその水素化物など、いずれでもよい。ブロック共重合体としては、ジブロック、トリブロック、又はそれ以上のマルチブロックや傾斜ブロック共重合体などが挙げられ、特に制限はない。
本発明でいうガラス転移温度とは、JIS K 7121に基づいて測定されたものである。
本発明に係るフェノール系酸化防止剤は、両ヒンダードフェノール系酸化防止剤である。両ヒンダードフェノール系酸化防止剤とは、ヒドロキシル基の2位と6位にヒンダード基を有するものである。ここでヒンダード基とは、立体障害性置換基を言い、好適にはt−ブチル基などの三級炭化水素基が挙げられる。一方、ヒンダード基とならない基としては、水素原子の他、メチル基やエチル基など直鎖炭化水素基などが挙げられる。
本発明で好適に用いられるフェノール系酸化防止剤として好ましくは、ペンタエリスリトールテトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートやオクタデシル−3−(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド、ベンゼンプロパン酸,3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ,C7−C9側鎖アルキルエステル、3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、ヘキサメチレンビス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5,−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、2,6−ジ−t−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノールなど水酸基に隣接する置換基にt−ブチル基を有する両ヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられる。
これらのフェノール系酸化防止剤は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
両ヒンダードフェノール系酸化防止剤の配合量は、脂環構造含有重合体100重量部に対して、通常0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部である。
また、本発明において、両ヒンダードフェノール系酸化防止剤以外の酸化防止剤を併用することも可能であるが、その量は、両ヒンダードフェノール系酸化防止剤の量と同量以下で用いるのが好ましい。
本発明に係る特定シロキサン化合物は、置換基として炭化水素基を有し、1分子中のケイ素原子と酸素原子の合計重量割合が20〜60重量%、好ましくは30〜55重量%、より好ましくは35〜55重量%、特に好ましくは40〜50重量%のものである。
このようなシロキサン化合物としては、1,3−ビス(4−メトキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンなどのR2R’4Si2O(Rはメトキシフェニル基であり、R’は、水素原子又はメチル基)や、一般式(1)[RSiO3/2]8で表されるかご形シルセスキオキサンが挙げられる。
一般式(1)で表されるかご形シルセスキオキサンとしては、一般式(1)中、7つのRがエチル基であり、1つのRが2−ノルボルネニルエチル基である、C23H48O12Si8で表されるかご形シルセスキオキサン(NorbornenylethylEthyl POSS(登録商標)、Hybrid Plastics社製);一般式(1)中、7つのRがイソブチル基であり、1つのRがアリル基である、C31H68O12Si8で表されるかご形シルセスキオキサン(AllylIsobutyl POSS(登録商標)、Hybrid Plastics社製);一般式(1)中、8つのRがすべてフェニル基である、C48H40O12Si8で表されるかご形シルセスキオキサンOctaPhenyl POSS(登録商標)、Hybrid Plastics社製);一般式(1)中、7つのRがt−ブチル基であり、1つのRが2−ノルボルネニルエチル基である、C37H76O12Si8で表されるかご形シルセスキオキサン(NorbornenylethylIsobutyl POSS(登録商標)、Hybrid Plastics社製)などが挙げられる。
このほか、C39H84O12Si8で表されるシルセスキオキサン(Norbornenylethyl DiSilanolIsobtyl POSS(登録商標)やC61H129O12Si8で表されるシルセスキオキサン(TrisNorbornenylethylDiSilanolIsobtylPOSS(登録商標)などのかご形構造が変形した一般式(1)[RSiO3/2]8で表されるかご形シルセスキオキサンも、ノルボルネン構造を有することから、本願発明に係る脂環構造含有重合体との相溶性に優れ、本発明の目的に好適な特定シロキサン化合物であると推定される。
特定シロキサン化合物の配合量は、脂環構造含有重合体100重量部に対して、通常0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜3重量部である。
本発明の樹脂組成物は、脂環構造含有重合体とフェノール系酸化防止剤と特定シロキサン化合物とを混合して得られる。混合方法としては、重合体中に配合剤が十分に分散する方法であれば、特に限定されない。例えば、ミキサー、一軸混練機、二軸混練機、ロール、ブラベンダー、押出機などで樹脂を溶融状態で混練する方法、適当な溶剤に溶解して分散させて凝固法、キャスト法、又は直接乾燥法により溶剤を除去する方法などがある。
二軸混練機を用いる場合、混練後は、通常は溶融状態で棒状に押出し、ストランドカッターで適当な長さに切り、ペレット化して用いられることが多い。
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、その他のポリマー、光学成形体に対して通常用いられる各種配合剤を単独で、あるいは2種以上混合して用いることができる。
これらの中でも、成形体の表面平滑性が良いことから、スチレン・ブタジエン・ゴム、ハイスチレンゴムなどのランダム又はブロック・スチレン・ブタジエン系共重合体の水素添加物、及び、これらの無水マレイン酸やグリシジルメタクリレートやエポキシ等の変性体が好ましい。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベゾエート系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、アクリレート系紫外線吸収剤、金属錯体系紫外線吸収剤などが挙げられる。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤を挙げることができる。
可塑剤としては、燐酸トリエステル系可塑剤、脂肪酸一塩基酸エステル系可塑剤、二価アルコールエステル系可塑剤、オキシ酸エステル系可塑剤などが挙げられる。
帯電防止剤としては、多価アルコールの脂肪酸エステルなどが挙げられる。
シリンダーから金型への射出速度は、通常1〜1000cm3/秒であるときに、外観形状に優れ、しかも大型の成形体の成形が可能となり好適である。
シリンダーから金型への射出圧は、通常500〜15000kgf/cm2の範囲で行われる。このときの射出圧は、金型の設計や使用される成形材料の流動性等の条件を考慮して適宜選択し、設定すればよい。
上述した本発明の樹脂組成物を用いて射出成形される成形体は、高い透明性と低い線膨張率を有するため、光学レンズ、プリズム、導光体などの光学部品として好適である。成形体は、球状、棒状、板状、ファイバー状、筒状などの各種の形状に成形して使用することができるが、中でも、棒状や板状で、導光体用として使用するのが最も好適である。導光体としては、上記の形状に限らず、その他複雑な形状を有するものまでいずれにも使用でき、その具体例としては、光ファイバー、車両灯具用導光体、各種計器用ライトガイド、導光板、光導波路などが挙げられる。
(1)分子量
数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(MWD)はシクロヘキサンを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による、標準ポリイソプレン換算値として測定した。標準ポリイソプレンとしては、東ソー社製標準ポリイソプレン、Mw=602、1,390、3,920、8,050、13,800、22,700、58,800、71,300、109,000、280,000の計10点を用いた。
測定には、東ソー社製HLC8120GPCを用い、カラムとして東ソー社製TSKgel G5000HXL、TSKgel G4000HXL及びTSKgel G2000HXLを3本直列に繋いで用い、流速1.0ml/分、サンプル注入量100μml、カラム温度40℃の条件で行った。
(2)水素添加率は、1H−NMRにより測定した。
(3)ガラス転移温度は、JIS K 7121に基づき、示差走査熱量分析計(製品名「DSC6220S11」、ナノテクロノジー社製)を用い、ガラス転移温度より30℃以上に加熱した後、冷却速度−10℃/分で室温まで冷却し、その後、昇温速度10℃/分で昇温する過程で測定した。
(5)光線透過率は、分光光度計(日本分光社製「V−570」)を用いて、波長400nm、光路長3mmで測定した。
(6)耐熱黄変抑制評価は、色差計(製品名「SE−2000」、日本電色工業社製)を用いて、透過モードにて光路長3mmで測定した。
(7)複屈折低減効果の評価は、微小面積複屈折計(製品名「KOBRA−CCD」、王子計測器社製)を用い、測定波長650nmにて、ゲートから15mmの位置の位相差で評価した。効果の確認は、シロキサン化合物を含まない脂環式構造含有重合体の成形体(比較例5)を基準とし、位相差の低減割合が、2割以上である時を○、1割以上2割未満である時を△、1割未満である時を×と評価した。
窒素置換した撹拌器付きオートクレーブに、7,8−ベンゾトリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン(以下1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン「MTF」と略すことがある)400重量部、シクロヘキサン600重量部、トルエン300部、1−ヘキセン1.55重量部を入れた。溶液を45℃に加温した後、さらに開環重合触媒としてトリイソブチルアルミニウムの15%トルエン溶液3.7重量部、イソブチルアルコール0.20重量部、ジイソプロピルエーテル0.86重量部、及び六塩化タングステンの0.65重量%シクロヘキサン溶液56.3重量部を添加し、45℃で1時間反応させた。その後イソプロピルアルコール0.7重量部添加して反応を停止した。
この反応溶液にニッケル−シリカ担持触媒(E22U、日揮化学社製)20重量部を添加し、水素圧4.5MPa、温度180℃において、6時間水素添加反応を行った。
反応終了後、この溶液をポアサイズ2μmのフィルターで濾過して水素添加触媒を除去した。濾液を撹拌したイソプロピルアルコール5000重量部中に注いで水素添加物を沈殿させ、濾別して回収した。
得られた水素添加物を1mmHg以下、100℃で24時間乾燥させ、300重量部の開環重合体水素添加物(A)を得た。開環重合体水素添加物(A)の重量平均分子量(Mw)は32,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.1であり、ガラス転移温度は156℃、また、主鎖の水素添加率は、99%以上、芳香環の水素添加率は、99%以上であった。
<実施例1>
製造例で作成した脂環式構造含有重合体100重量部を用い、酸化防止剤としてペンタエリスリトールテトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを0.4重量部、シロキサン化合物として一般式(1)中、7つのRがエチル基であり、1つのRが2−ノルボルネニルエチル基である、C23H48O12Si8で表されるかご形シルセスキオキサン(NorbornenylethylEthyl POSS(登録商標)1.0重量部をそれぞれドライブレンドにより混合した。その後、真空乾燥機により、100℃で4時間乾燥させ、二軸押し出し機を用い、ペレットを造粒した。得られたペレットを100℃で4時間真空乾燥させ、射出成形により平板状成形品(縦×横×厚み:70mm×30mm×3mm)を得た。
得られた成形品について、光線透過率測定により透明性を評価し、複屈折低減効果を確認した。その後、成形品を耐熱試験(130℃、200時間)にかけ、試験後の黄変を評価した。黄変の評価は、耐熱試験後の黄色度(△YI)から、耐熱試験前の黄色度を差し引いた値(△△YI)にて評価した。これらの結果を表1に示す。
酸化防止剤種、シロキサン化合物種を表に記載された通りに変更したこと以外は、上記の実施例と同様の手法で成形品を得た。得られた成形品の評価結果を表1に示す。
シロキサン化合物の、1分子中のケイ素原子と酸素原子の合計重量割合が小さすぎると、複屈折低減効果が不十分であることが判り(比較例1)、逆に、同割合が大きすぎると、初期の透明性に劣ることが判る(比較例3、4)
フェノール系酸化防止剤が、片ヒンダードフェノール系酸化防止剤であると、熱による黄変を抑止する効果が下がることが判る(比較例2)。
また、シロキサン化合物を用いない場合は、初期透明性には優れるものの、熱による黄変が生じることが判る(比較例5)。
Claims (6)
- 脂環構造含有重合体と、ヒンダードフェノール系酸化防止剤と、シロキサン化合物とを含有する樹脂組成物であって、
前記フェノール系酸化防止剤が、両ヒンダードフェノール系酸化防止剤であり、
前記シロキサン化合物が、置換基として炭化水素基を有し、1分子中のケイ素原子と酸素原子の合計重量割合が20〜60重量%である
ことを特徴とする樹脂組成物。 - シロキサン化合物が、かご形シルセスキオキサン化合物である請求項1記載の樹脂組成物。
- かご形シルセスキオキサンが、一般式(1)[RSiO3/2]8で表されるものである請求項2記載の樹脂組成物。
- シロキサン化合物が、1,3−ビス(4−メトキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、又は、一般式(1)[RSiO3/2]8で表される次の(a)〜(c)のかご形シルセスキオキサンのいずれかである、請求項1記載の樹脂組成物。
(a)一般式(1)中、7つのRがエチル基であり、1つのRが2−ノルボルネニルエチル基である、C23H48O12Si8で表されるかご形シルセスキオキサン
(b)一般式(1)中、7つのRがイソブチル基であり、1つのRがアリル基である、C31H68O12Si8で表されるかご形シルセスキオキサン
(c)一般式(1)中、8つのRがすべてフェニル基である、C48H40O12Si8で表されるかご形シルセスキオキサン - 脂環構造含有重合体が、7,8−ベンゾトリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エンを含む単量体の開環重合体水素添加物である請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物からなる、光学成形体。
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