JP5803304B2 - 樹脂組成物及び光反射体 - Google Patents
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Description
車両用灯具を構成するリフレクタを樹脂化しようとすると、複雑な形状であっても設計通りに成形できること、光反射面となる表面の平滑性に優れた成形体を与え、光源が発する熱に耐えうる(耐熱性に優れる)樹脂材料が求められる。
例えば、特許文献1には、脂環式構造含有重合体樹脂に、結晶性重合体を配合して成る樹脂組成物からなる車両用灯具のリフレクタが開示されている。そして、ガラス繊維などの無機繊維を配合した結晶性重合体を用いることが好ましいことが記載され、実施例においては、ガラス繊維を配合したポリブチレンテレフタレートやポリフェニレンサルファイドを結晶性重合体として使用されている。
しかし、ガラス繊維などの無機繊維は比重が高く、更なる車両の軽量化の要請に対応しきれるものではなく、またガラス繊維などを配合しない場合は耐熱性が低下する場合があった。
ところが、近年では、車両の軽量化のため車両用灯具を小型化することも求められており、車両用灯具の小型化に伴い、より高温での耐熱性が要求されるようになってきた。このような耐熱性向上の要求に対し、前記樹脂組成物は十分満足できるものではなかった。
本発明で使用される非晶性脂環構造含有重合体は、主鎖及び/又は側鎖に脂環式構造を有する、非晶性樹脂(融点を有しない樹脂)であり、機械的強度、耐熱性などの観点から、主鎖に脂環式構造を含有するものが好ましい。
ノルボルネン系重合体は、ノルボルネン骨格を有する単量体であるノルボルネン系単量体を重合してなるものであり、開環重合によって得られるものと、付加重合によって得られるものに大別される。
置換基としては、アルキル基、アルキレン基、ビニル基、アルコキシカルボニル基、アルキリデン基などが例示でき、上記ノルボルネン系単量体は、これらを2種以上有していてもよい。具体的には、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンなどが挙げられる。
これらのノルボルネン系単量体は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
ノルボルネン系単量体と開環共重合可能なその他の単量体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環状オレフィン系単量体などを挙げることができる。
ノルボルネン系単量体の開環重合体水素化物は、通常、上記開環重合体の重合溶液に、ニッケル、パラジウムなどの遷移金属を含む公知の水素化触媒を添加し、炭素−炭素不飽和結合を水素化することにより得ることができる。
これらの、ノルボルネン系単量体と付加共重合可能なその他の単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。ノルボルネン系単量体とこれと付加共重合可能なその他の単量体とを付加共重合する場合は、付加重合体中のノルボルネン系単量体由来の構造単位と付加共重合可能なその他の単量体由来の構造単位との割合が、重量比で通常30:70〜99:1、好ましくは50:50〜97:3、より好ましくは70:30〜95:5の範囲となるように適宜選択される。
単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの、単環の環状オレフィン系単量体の付加重合体を用いることができる。
(3)環状共役ジエン系重合体
環状共役ジエン系重合体としては、例えば、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの環状共役ジエン系単量体を1,2−又は1,4−付加重合した重合体及びその水素化物などを用いることができる。
(4)ビニル脂環式炭化水素重合体
ビニル脂環式炭化水素重合体としては、例えば、ビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘキサンなどのビニル脂環式炭化水素系単量体の重合体及びその水素化物;スチレン、α−メチルスチレンなどのビニル芳香族系単量体の重合体の芳香環部分の水素化物;などが挙げられ、ビニル脂環式炭化水素重合体やビニル芳香族系単量体と、これらの単量体と共重合可能な他の単量体とのランダム共重合体、ブロック共重合体などの共重合体及びその水素化物など、いずれでもよい。ブロック共重合体としては、ジブロック、トリブロック、又はそれ以上のマルチブロックや傾斜ブロック共重合体などが挙げられ、特に制限はない。
本発明でいうガラス転移温度とは、JIS K 7121に基づいて測定されたものである。
本発明で用いられる特定の脂肪酸金属塩としては、1つの脂肪酸基を構成する炭素原子数及び酸素原子数の合計が少なくとも21以上であり、その金属成分がカルシウムのものである。1つの脂肪酸基を構成する炭素原子数及び酸素原子数の合計が21未満の脂肪酸基を含有する脂肪酸金属塩を用いた場合、熱分解温度の低さから、光反射体の光反射率が低下するおそれがある。
これらの脂肪酸金属塩は、単独であるいは、2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の樹脂組成物は、非晶性脂環構造含有重合体100重量部に対し、上述した特定の脂肪酸金属塩を0.05〜1重量部、好ましくは0.08〜1重量部、より好ましくは0.1〜0.8重量部、配合したものである。特定の脂肪酸金属塩の配合量が少ないと、光反射体の耐熱性が低下するおそれがあり、特定の脂肪酸金属塩の配合量が多いと、光反射体の光反射率が低下するおそれがある。
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、その他のポリマー又はゴム質重合体、樹脂工業において通常用いられる各種配合剤、充填剤などを単独で、あるいは2種以上混合して用いることができる。
これらの中でも、成形体の表面平滑性が良いことから、スチレン・ブタジエン・ゴム、ハイスチレンゴムなどのランダム又はブロック・スチレン・ブタジエン系共重合体の水素添加物、及び、これらの無水マレイン酸やグリシジルメタクリレートやエポキシ等の変性体が好ましい。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;ベンゾエート系紫外線吸収剤;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;アクリレート系紫外線吸収剤;金属錯体系紫外線吸収剤などが挙げられる。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤を挙げることができる。
近赤外線吸収剤は、例えば、シアニン系近赤外線吸収剤;ピリリウム系赤外線吸収剤;スクワリリウム系近赤外線吸収剤;クロコニウム系赤外線吸収剤;アズレニウム系近赤外線吸収剤;フタロシアニン系近赤外線吸収剤;ジチオール金属錯体系近赤外線吸収剤;ナフトキノン系近赤外線吸収剤;アントラキノン系近赤外線吸収剤;インドフェノール系近赤外線吸収剤;アジ系近赤外線吸収剤;等が挙げられる。また、市販品の近赤外線吸収剤も用いることできる。
顔料としては、ジアリリド系顔料;アゾレーキ系顔料;縮合アゾ系顔料;ペンズイミダゾロン系顔料;キナクリドン系顔料;アントラキノン系顔料が挙げられる。
本発明の成形品の着色を必要とするときは、染料と顔料の何れでも、本発明の目的の範囲で使用でき、限定されるものではない。
さらに、柔軟化剤ないし可塑剤として、主骨格が主にC−C又はC=C構造である常温で液状の炭化水素ポリマーが好ましく用いられる。液状炭化水素ポリマーの中でも、主鎖の中に炭化水素環を持たない直鎖状又は分岐鎖状の液状炭化水素ポリマーが好ましい。また、得られる成形品の耐候性に優れることから、C=C構造を実質的に持たないものが好ましい。この液状炭化水素ポリマーの重量平均分子量は、好ましくは10,000以下、より好ましくは200〜8,000、特に好ましくは300〜4,000の範囲である。液状炭化水素ポリマーの具体例としては、スクアラン(C30H62、Mw=422.8)、流動パラフィン(ホワイトオイル、JIS K 2231に規定されるISO VG10、ISO VG15、ISO VG32、ISO VG68、ISO VG100、VG8及びVG21など)、ポリイソブテン、水添ポリブタジエン、水添ポリイソプレン等が挙げられる。これらの中でもスクアラン、流動パラフィン及びポリイソブテンが好ましい。
二軸混練機を用いる場合、混練後は、通常は溶融状態で棒状に押出し、ストランドカッターで適当な長さに切り、ペレット化して用いられることが多い。
本発明の樹脂組成物の用途としては、配管、チューブ、樹脂成形加工用の樹脂型や離型フィルム、半導体製造用キャリアなどの工業資材分野;民生用又は工業用の照明灯具のカバーやリフレクタ(光反射体)、電線の被覆材、絶縁フィルム、コンデンサーフィルム、電子素子の封止材、電子回路基板、車載用電子機器部品などの電気電子分野;光ディスクなどのレーザー装置用のミラーや内装部品、リアプロジェクションテレビ用のミラーなどの光学分野;バンパー、車両用灯具のカバーやリフレクタ、ボンネット、ドアトリムなどの車両用部材分野;などが挙げられ、特に灯具のリフレクタに好適である。
本発明の光反射体は、上記の樹脂組成物を成形して得られるものである。成形方法は、従来公知の成形方法に従えば良く、射出成形、プレス成形、押出ブロー成形、射出ブロー成形、多層ブロー成形、コネクションブロー成形、二重壁ブロー成形、延伸ブロー成形、真空成形、回転成形などが挙げられる。成形精度からは、射出成形、プレス成形が好ましい。成形時の樹脂の溶融温度は脂環構造含有重合体の種類によっても異なるが、通常200〜400℃、好ましくは250〜350℃である。光反射体の形状は特に限定されず、例えば、車両用灯具のリフレクタに用いる場合、適用する車両に併せて適宜設計することができる。通常、上記の樹脂組成物を成形して得られたリフレクタ形状の成形物の一面に反射膜層を形成してリフレクタとして使用される。
上記のリフレクタ形状の成形体の一面に、アルミニウム、ニッケル、金等の反射率の高い金属を用いて反射膜層を形成する場合、その方法は特に限定されず公知の方法に従えば良く、例えば、通常の蒸着法、すなわち真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等が挙げられる。
本発明において、「車両」とは、二輪自動車、三輪自動車、四輪自動車その他の自動車、鉄道車両、フォークリフトその他の産業用車両等々、広義の車両を意味する。車両用に限らず、外灯、室内照明、携帯電灯、レーザー照明などの一般に使われる灯具中に使用されるリフレクタとしても使用することが可能である。中でも、より耐熱性が要求される車両用灯具に特に好ましく用いられる。
以下の実施例及び比較例において、部又は%は、特に断りがない限り、重量基準である。
(1)水素添加率は、1H−NMRにより測定した。
(2)ガラス転移温度は、JIS K 7121に基づき、示差走査熱量分析計(DSC6220S11、ナノテクロノジー社製)を用い、ガラス転移温度より30℃以上に加熱した後、冷却速度−10℃/分で室温まで冷却し、その後、昇温速度10℃/分で昇温する過程で測定した。
(3)外観観察は、アルミニウム蒸着を実施していない成形板の、ひけ、反り、シルバー、ヤケ及び着色の有無を目視で観察し、これらの不良の無い物を「○」、不良の発生したものを「×」と判断した。
(4)初期光反射率は、アルミニウム蒸着を実施した試験片の、色差計:SE−2000(日本電色工業社製)を用いて、拡散反射率Y値を測定した。拡散反射率Y値が0.5%未満であることが望ましい。
(5)耐熱試験後光反射率は、アルミニウム蒸着を実施した試験片を、水平な板上に置き、155℃のギヤーオーブン中で72時間加熱保持し、その後における試験片の、色差計:SE−2000(日本電色工業社製)を用いて拡散反射率Y値を測定した。耐熱試験後の拡散反射率Y値が1.5%未満であることが望ましく、1%未満であることが特に望ましい。
<開環重合>
窒素で置換した反応器に、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン(以下、「MTF」という)とトリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン(以下、「DCP」という)とテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(以下、「TCD」という)(重量比50/10/40)の混合物7部(重合に使用するモノマー全量に対して1%)とシクロヘキサン1600部を加え、トリ−i−ブチルアルミニウム0.57部とイソブチルアルコール0.21部、反応調整剤としてジイソプロピルエーテル0.85部、及び分子量調節剤として1−ヘキセン4.86部を添加した。ここに、シクロヘキサンに溶解させた0.65%の六塩化タングステン溶液24.3部を添加して、55℃で10分間攪拌した。次いで、反応系を55℃に保持しながら、MTFとDCPとTCD(重量比50/10/40)の混合物を693部とシクロヘキサンに溶解させた0.65%の六塩化タングステン溶液48.9部とをそれぞれ系内に150分かけて連続的に滴下した。その後、30分間反応を継続し重合を終了した。
重合終了後、ガスクロマトグラフィーにより測定したモノマーの重合転化率は重合終了時で100%であった。
<水素添加>
得られた開環重合反応液を耐圧性の水素化反応器に移送し、ケイソウ土担持ニッケル触媒(日揮化学社製、製品名「T8400RL」、ニッケル担持率57%)1.4部及びシクロヘキサン167部を加え、180℃、水素圧4.6MPaで6時間反応させた。この反応溶液を、ラジオライト(登録商標)#500を濾過床として、圧力0.25MPaで加圧濾過(石川島播磨重工社製、製品名「フンダフィルター」)して水素化触媒を除去し、無色透明な溶液を得た。次いで、ゼータープラスフィルター30H(キュノーフィルター社製、孔径0.5〜1μm)にて順次濾過しさらに別の金属ファイバー製フィルター(孔径0.4μm、ニチダイ社製)にて濾過して微小な固形分を除去した。開環重合体水素添加物の水素転化率は99.9%であった。
次いで、上記溶液を、円筒型濃縮乾燥器(日立製作所社製)を用いて、温度270℃、圧力1kPa以下で、溶液から、溶媒であるシクロヘキサン及びその他の揮発成分を除去し、濃縮機に直結したダイから溶融状態でストランド状に押出し、冷却後、開環重合体水素添加物(非晶性脂環構造含有重合体D)を得た。Tgは154℃であった。
尚、開環重合体合成時の重合転化率が100%であり、水素転化率も99.9%と高水準であることから、開環重合体水素添加物中の、MTF由来の構造単位(MTF単位)、DCP由来の構造単位(DCP単位)、及びTCD由来の構造単位(TCD単位)は、開環重合体の製造に用いたモノマーの使用量に等しいと推定される。
参考例1で作製した非晶性脂環構造含有重合体A100重量部に対し、脂肪酸金属塩B(ジ−12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム;日東化成工業社製、製品名「CS−6」)0.5重量部、酸化防止剤(チバガイギー社製、製品名「イルガノックス(登録商標)1010」;テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン)0.1重量部を2軸混練機で混練して、ペレット化した。このペレットを、片面を鏡面加工した厚さ0.5mm×長さ200mm×幅100mmの金型を用いて、樹脂温度280℃、型温度110℃で射出成形した。
射出成形品の外観観察を行った結果を表1に示す。
さらに、射出成形品の鏡面側に真空蒸着法で厚さ400nmのアルミ反射膜を形成し、試験片を作成した。
試験片の初期光反射率と耐熱試験後光反射率を測定した。結果を表1に示す。
脂肪族金属塩Bの量を、0.1部にする以外は実施例1と同様にして、試験片を作成した。
射出成形品の外観観察を行った結果を表1に示す。
さらに、射出成形品の鏡面側に真空蒸着法で厚さ400nmのアルミ反射膜を形成し、射出成形品を作成した。
試験片の初期光反射率と耐熱試験後光反射率を測定した。結果を表1に示す。
脂肪族金属塩Eの量を、0.8部にする以外は実施例1と同様にして、試験片を作成した。
射出成形品の外観観察を行った結果を表1に示す。
さらに、射出成形品の鏡面側に真空蒸着法で厚さ400nmのアルミ反射膜を形成し、射出成形品を作成した。
試験片の初期光反射率と耐熱試験後光反射率を測定した。結果を表1に示す。
脂肪酸金属塩を脂肪酸金属塩C(日東化成工業社製、製品名「CS−7」;ジ−ベヘン酸カルシウム)0.5重量部とした以外は実施例1と同様にして、試験片を作製した。
射出成形品の外観観察を行った結果を表1に示す。
さらに、射出成形品の鏡面側に真空蒸着法で厚さ400nmのアルミ反射膜を形成し、射出成形品を作成した。
試験片の初期光反射率と耐熱試験後光反射率を測定した。結果を表1に示す。
脂肪酸金属塩を脂肪酸金属塩D(日東化成工業社製、製品名「CS−8」;ジ−モンタン酸カルシウム)0.5重量部とした以外は実施例1と同様にして、試験片を作製した。
射出成形品の外観観察を行った結果を表1に示す。
さらに、射出成形品の鏡面側に真空蒸着法で厚さ400nmのアルミ反射膜を形成し、射出成形品を作成した。
試験片の初期光反射率と耐熱試験後光反射率を測定した。結果を表1に示す。
脂肪酸金属塩を加えなかった点以外は実施例1と同様にして、試験片を作製した。
射出成形品の外観観察を行った結果を表1に示す。
さらに、射出成形品の鏡面側に真空蒸着法で厚さ400nmのアルミ反射膜を形成し、射出成形品を作成した。
試験片の初期光反射率と耐熱試験後光反射率を測定した。結果を表1に示す。耐熱試験後に、光反射率の悪化が見られた。
脂肪酸金属塩を脂肪酸金属塩D(日東化成工業社製、製品名「CS−8」;ジ−モンタン酸カルシウム)0.01重量部とした以外は実施例1と同様にして、試験片を作製した。
射出成形品の外観観察を行った結果を表1に示す。
さらに、射出成形品の鏡面側に真空蒸着法で厚さ400nmのアルミ反射膜を形成し、射出成形品を作成した。
試験片の初期光反射率と耐熱試験後光反射率を測定した。結果を表1に示す。耐熱試験後に、光反射率の悪化が見られた。
脂肪酸金属塩を脂肪酸金属塩D(日東化成工業社製、製品名「CS−8」;ジ−モンタン酸カルシウム)1.2重量部とした以外は実施例1と同様にして、試験片を作製した。
射出成形品の外観観察を行った結果を表1に示す。
さらに、射出成形品の鏡面側に真空蒸着法で厚さ400nmのアルミ反射膜を形成し、射出成形品を作成した。
試験片の初期光反射率と耐熱試験後光反射率を測定した。結果を表1に示す。外観観察においてはシルバーが観察され、耐熱試験後には、光反射率の悪化が見られた。
脂肪酸金属塩を脂肪酸金属塩E(日東化成工業社製、製品名「Ca−St」;ジ−ステアリン酸カルシウム)0.5重量部とした以外は実施例1と同様にして、試験片を作製した。
射出成形品の外観観察を行った結果を表1に示す。
さらに、射出成形品の鏡面側に真空蒸着法で厚さ400nmのアルミ反射膜を形成し、射出成形品を作成した。
試験片の初期光反射率と耐熱試験後光反射率を測定した。結果を表1に示す。耐熱試験後に、光反射率の悪化が見られた。
脂肪酸金属塩を脂肪酸金属塩F(日東化成工業社製、製品名「MS−6」;ジ−12ヒドロキシステアリン酸マグネシウム)0.5重量部とした以外は実施例1と同様にして、試験片を作製した。
射出成形品の外観観察を行った結果を表1に示す。
さらに、射出成形品の鏡面側に真空蒸着法で厚さ400nmのアルミ反射膜を形成し、射出成形品を作成した。
試験片の初期光反射率と耐熱試験後光反射率を測定した。結果を表1に示す。耐熱試験後に、光反射率の悪化が見られた。
脂肪酸金属塩を脂肪酸金属塩G(日東化成工業社製、製品名「Al−St(103)」;モノ−ステアリン酸アルミニウム)0.5重量部とした以外は実施例1と同様にして、試験片を作製した。
射出成形品の外観観察を行った結果を表1に示す。
さらに、射出成形品の鏡面側に真空蒸着法で厚さ400nmのアルミ反射膜を形成し、射出成形品を作成した。
試験片の初期光反射率と耐熱試験後光反射率を測定した。結果を表1に示す。耐熱試験後に、光反射率の悪化が見られた。
脂肪酸金属塩を脂肪酸金属塩H(日東化成工業社製、製品名「NS−8」;モンタン酸ナトリウム)0.5重量部とした以外は実施例1と同様にして、試験片を作製した。
射出成形品の外観観察を行った結果を表1に示す。
さらに、射出成形品の鏡面側に真空蒸着法で厚さ400nmのアルミ反射膜を形成し、射出成形品を作成した。
試験片の初期光反射率と耐熱試験後光反射率を測定した。結果を表1に示す。耐熱試験後に、光反射率の悪化が見られた。
脂肪酸金属塩が無配合の場合には、耐熱性に劣る(比較例1)。
特定の脂肪酸金属塩の配合量が低い場合には、耐熱性に劣る。(比較例2)。
特定の脂肪酸金属塩の配合量が多い場合には、外観観察及び耐熱性に劣る(比較例3)。
脂肪酸金属塩の金属成分及び脂肪酸成分が特定のものでない場合、耐熱性に劣る(比較例4〜7)。
本発明の樹脂組成物を用いた成形体は、外観に優れる上、耐熱性が高い(実施例1〜5)。
Claims (2)
- 重合体主鎖に脂環式構造を有し、前記脂環式構造を有する繰り返し単位の割合が30重量%以上であり、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環の環状オレフィン系重合体、(3)環状共役ジエン系重合体、および(1)〜(3)の水素化物から選ばれる少なくとも一種である非晶性脂環構造含有重合体100重量部に対し、1つの脂肪酸基を構成する炭素原子数及び酸素原子数の合計が少なくとも21以上であり、かつ、金属成分がカルシウムである脂肪酸金属塩を0.05〜1重量部配合してなる樹脂組成物。
- 請求項1に記載の樹脂組成物からなる光反射体。
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