JP2012017447A - 樹脂組成物及び灯具のリフレクタ - Google Patents

樹脂組成物及び灯具のリフレクタ Download PDF

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Abstract

【課題】表面平滑性に優れ、軽量で、耐熱性をさらに改善した灯具用リフレクタを与える成形性に優れた樹脂組成物及び該樹脂組成物からなる灯具のリフレクタを提供する。
【解決手段】非晶性脂環構造含有重合体及び芳香族ビニル−マレイミド系共重合体を含有する樹脂組成物であり、前記非晶性脂環構造含有重合体と芳香族ビニル−マレイミド系共重合体の重量比が30/70〜95/5であり、好ましくは50/50〜95/5である樹脂組成物。さらに前記芳香族ビニル−マレイミド系共重合体がそのガラス転移温度が160℃以上であり、スチレン由来の構造単位及びN−フェニルマレイミド由来の構造単位を含有するものである樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、たとえば四輪自動車、二輪自動車その他の車両に用いられる前照灯、尾灯その他の灯具に組み込まれるリフレクタ(エクステンションリフレクタも含む)に好適な樹脂組成物及びそれからなる耐熱性に優れたリフレクタに関する。
従来より、省エネルギー化、低燃費化の要請のもと、車両の軽量化のための検討が種々行われている。車両に搭載される前照灯、尾灯などの車両用灯具についても、その軽量化のため、従来のガラス製や金属製の部材を樹脂化する検討が行われている。
車両用灯具を構成するリフレクタを樹脂化しようとすると、複雑な形状であっても設計通りに成形できること、光反射面となる表面の平滑性に優れた成形体を与え、光源が発する熱に耐えうる(耐熱性に優れる)樹脂材料が求められる。
例えば、特許文献1には、脂環式構造含有重合体樹脂に、結晶性重合体を配合して成る樹脂組成物からなる車両用灯具のリフレクタが開示されている。そして、ガラス繊維などの無機繊維を配合した結晶性重合体を用いることが好ましいことが記載され、実施例においては、ガラス繊維を配合したポリブチレンテレフタレートやポリフェニレンサルファイドを結晶性重合体として使用されている。
しかし、ガラス繊維などの無機繊維は比重が高く、更なる車両の軽量化の要請に対応しきれるものではなく、またガラス繊維などを配合しない場合は耐熱性が低下する場合があった。
また、特許文献2には、無機充填剤が配合された結晶性オレフィン系重合体、脂環構造含有重合体、及び、相溶化剤からなる樹脂組成物であって、無機充填剤の配合量を特定範囲とする比較的低比重の樹脂組成物が開示され、該樹脂組成物は、成形性に優れており、表面平滑性及び耐熱性に優れ、かつ軽量な車両用灯具のリフレクタを与えることを開示している。
ところが、近年では、車両の軽量化のため車両用灯具を小型化することも求められており、車両用灯具の小型化に伴い、より高温での耐熱性が要求されるようになってきた。このような耐熱性向上の要求に対し、前記樹脂組成物は十分満足できるものではなかった。
このほか特許文献3では、車両用灯具のリフレクタの薄型化の要請に応えるため、非晶性脂環構造含有重合体に、融点の異なる2種類の結晶性重合体と相溶化剤とを配合することが提案されている。
特開平11−283423号公報 特開2009−197200号公報 特開2009−283283号公報
本発明の目的は、表面平滑性に優れ、軽量で、耐熱性をさらに改善した灯具用リフレクタを与えうる成形性に優れた樹脂組成物及び該樹脂組成物からなる灯具のリフレクタを提供することである。
本発明者らは、鋭意研究の結果、非晶性脂環構造含有重合体及び芳香族ビニル−マレイミド系共重合体を含有する樹脂組成物が、成形性に優れており、表面平滑性に優れ、軽量で、耐熱性をさらに改善した灯具用リフレクタを与えうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
かくして本発明によれば、非晶性脂環構造含有重合体及び芳香族ビニル−マレイミド系共重合体を含有する樹脂組成物が提供される。
非晶性脂環構造含有重合体と芳香族ビニル−マレイミド系共重合体の重量比が30/70〜95/5であるのが好ましい。
非晶性脂環構造含有重合体と芳香族ビニル−マレイミド系共重合体の重量比が50/50〜95/5であるのが好ましい。
前記芳香族ビニル−マレイミド系共重合体のガラス転移温度が160℃以上であるのが好ましい。
前記芳香族ビニル−マレイミド系共重合体が、スチレン由来の構造単位及びN−フェニルマレイミド由来の構造単位を含有するものであるのが好ましい。
前記樹脂組成物には、更に融点が200℃〜350℃の熱可塑性樹脂を含ませることができる。融点が200℃〜350℃の熱可塑性樹脂を配合することで、金型温度が低い条件での成形においてありがちな、成形体表面の荒れが抑制される。金型温度が低い条件での良好な成形品が得られることは、生産効率の上から大変好ましい。特に、非晶性脂環構造含有重合体と芳香族ビニル−マレイミド系共重合体の重量比が50/50〜95/5である樹脂組成物に、融点が200℃〜350℃の熱可塑性樹脂を含ませると、著効を示すので好ましい。
前記融点が200℃〜350℃の熱可塑性樹脂の配合量は、非晶性脂環構造含有重合体及び芳香族ビニル−マレイミド系共重合体の合計量100重量部に対して、1〜15重量部であるのが好ましい。
前記樹脂組成物には、更に、金属原子に結合する水酸基の数が2つである金属石鹸を含ませることができる。金属原子に結合する水酸基の数が2つである金属石鹸を配合することで、射出成形時の金型温度が100℃以下であっても、表面平滑性に優れた成形体が得られるので大変好ましい。特に、非晶性脂環構造含有重合体と芳香族ビニル−マレイミド系共重合体の重量比が30/70〜95/5である樹脂組成物に、前記金属石鹸をふくませることが好ましい。前記金属石鹸を配合すると、上述した低温での成形性の向上以外に、非晶性脂環構造含有重合体と芳香族ビニル−マレイミド系共重合体との分散性も向上するため、芳香族ビニル−マレイミド系共重合体の配合割合を増やすことができる。
前記金属石鹸の配合量は、非晶性脂環構造含有重合体及び芳香族ビニル−マレイミド系共重合体の合計量100重量部に対して、0.01〜1重量部であるのが好ましい。
また、本発明によれば、前記樹脂組成物からなる灯具のリフレクタが提供される。
本発明の樹脂組成物は、成形性に優れているので、ヒケ、反り、シルバー、ヤケなどの成形不良を引き起こすことなく容易に樹脂成形体を成形でき、表面平滑性に優れ、軽量で、耐熱性をさらに改善した灯具用リフレクタを与えうる。
本発明の樹脂組成物は、非晶性脂環構造含有重合体及び芳香族ビニル−マレイミド系共重合体を含有するものである。
・非晶性脂環構造含有重合体
本発明で使用される非晶性脂環構造含有重合体は、主鎖及び/又は側鎖に脂環式構造を有する、非晶性樹脂(融点を有しない樹脂)であり、機械的強度、耐熱性などの観点から、主鎖に脂環式構造を含有するものが好ましい。
重合体の脂環式構造としては、飽和環状炭化水素(シクロアルカン)構造、不飽和環状炭化水素(シクロアルケン)構造などが挙げられるが、機械的強度、耐熱性などの観点から、シクロアルカン構造やシクロアルケン構造が好ましく、中でもシクロアルカン構造を有するものが最も好ましい。
脂環式構造を構成する炭素原子数は、格別な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、機械的強度、耐熱性、及び成形性の特性が高度にバランスされ、好適である。
本発明に使用される非晶性脂環構造含有重合体中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、通常30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%である。非晶性脂環構造含有重合体中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合が過度に少ないと耐熱性に劣り好ましくない。非晶性脂環構造含有重合体中の脂環式構造を有する繰り返し単位以外の残部は、格別な限定はなく、使用目的に応じて適宜選択される。
この非晶性脂環構造含有重合体の具体例としては、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環の環状オレフィン系重合体、(3)環状共役ジエン系重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素系重合体、及び(1)〜(4)の水素化物などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性、機械的強度等の観点から、ノルボルネン系重合体及びその水素化物が好ましい。
(1)ノルボルネン系重合体
ノルボルネン系重合体は、ノルボルネン骨格を有する単量体であるノルボルネン系単量体を重合してなるものであり、開環重合によって得られるものと、付加重合によって得られるものに大別される。
開環重合によって得られるものとして、ノルボルネン系単量体の開環重合体及びノルボルネン系単量体とこれと開環共重合可能なその他の単量体との開環重合体、ならびにこれらの水素化物などが挙げられる。付加重合によって得られるものとしてノルボルネン系単量体の付加重合体及びノルボルネン系単量体とこれと共重合可能なその他の単量体との付加重合体などが挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系単量体の開環重合体水素化物が、耐熱性、機械的強度等の観点から好ましい。
ノルボルネン系単量体としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)及びその誘導体(環に置換基を有するもの)、トリシクロ[4.3.01,6.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)及びその誘導体、7,8−ベンゾトリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン(慣用名:メタノテトラヒドロフルオレン:1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)及びその誘導体、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)及びその誘導体、などが挙げられる。
置換基としては、アルキル基、アルキレン基、ビニル基、アルコキシカルボニル基、アルキリデン基などが例示でき、上記ノルボルネン系単量体は、これらを2種以上有していてもよい。具体的には、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンなどが挙げられる。
これらのノルボルネン系単量体は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
ノルボルネン系単量体の開環重合体、又はノルボルネン系単量体とこれと開環共重合可能なその他の単量体との開環重合体は、単量体成分を、公知の開環重合触媒の存在下で重合して得ることができる。開環重合触媒としては、例えば、ルテニウム、オスミウムなどの金属のハロゲン化物と、硝酸塩又はアセチルアセトン化合物、及び還元剤とからなる触媒、あるいは、チタン、ジルコニウム、タングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン化物又はアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒を用いることができる。
ノルボルネン系単量体と開環共重合可能なその他の単量体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環状オレフィン系単量体などを挙げることができる。
ノルボルネン系単量体の開環重合体水素化物は、通常、上記開環重合体の重合溶液に、ニッケル、パラジウムなどの遷移金属を含む公知の水素化触媒を添加し、炭素−炭素不飽和結合を水素化することにより得ることができる。
ノルボルネン系単量体の付加重合体、又はノルボルネン系単量体とこれと共重合可能なその他の単量体との付加重合体は、これらの単量体を、公知の付加重合触媒、例えば、チタン、ジルコニウム又はバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒を用いて重合させて得ることができる。
ノルボルネン系単量体と付加共重合可能なその他の単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセンなどの炭素数2〜20のα−オレフィン、及びこれらの誘導体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、テトラシクロ[9.2.1.02,10.03,8]テトラデカ−3,5,7,12−テトラエン(3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンとも言う)などのシクロオレフィン、及びこれらの誘導体;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエン;などが挙げられる。これらの中でも、α−オレフィンが好ましく、エチレンが特に好ましい。
これらの、ノルボルネン系単量体と付加共重合可能なその他の単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。ノルボルネン系単量体とこれと付加共重合可能なその他の単量体とを付加共重合する場合は、付加重合体中のノルボルネン系単量体由来の構造単位と付加共重合可能なその他の単量体由来の構造単位との割合が、重量比で通常30:70〜99:1、好ましくは50:50〜97:3、より好ましくは70:30〜95:5の範囲となるように適宜選択される。
(2)単環の環状オレフィン系重合体
単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの、単環の環状オレフィン系単量体の付加重合体を用いることができる。
(3)環状共役ジエン系重合体
環状共役ジエン系重合体としては、例えば、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの環状共役ジエン系単量体を1,2−又は1,4−付加重合した重合体及びその水素化物などを用いることができる。
(4)ビニル脂環式炭化水素重合体
ビニル脂環式炭化水素重合体としては、例えば、ビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘキサンなどのビニル脂環式炭化水素系単量体の重合体及びその水素化物;スチレン、α−メチルスチレンなどのビニル芳香族系単量体の重合体の芳香環部分の水素化物;などが挙げられ、ビニル脂環式炭化水素重合体やビニル芳香族系単量体と、これらの単量体と共重合可能な他の単量体とのランダム共重合体、ブロック共重合体などの共重合体及びその水素化物など、いずれでもよい。ブロック共重合体としては、ジブロック、トリブロック、又はそれ以上のマルチブロックや傾斜ブロック共重合体などが挙げられ、特に制限はない。
本発明で使用される非晶性脂環構造含有重合体の分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、シクロヘキサン溶液(重合体樹脂が溶解しない場合はトルエン溶液)のゲル・パーミエーション・クロマトグラフで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量で、通常5,000以上であり、好ましくは5,000〜500,000、より好ましくは8,000〜200,000、特に好ましくは10,000〜100,000の範囲であるときに、機械的強度と成形加工性とが高度にバランスし、好適である。
本発明で使用される非晶性脂環構造含有重合体のガラス転移温度は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、通常50〜300℃、好ましくは100〜280℃、特に好ましくは135〜250℃、さらに好ましくは150〜200℃の範囲であるときに、耐熱性と成形加工性とが高度にバランスし、好適である。
本発明でいうガラス転移温度とは、JIS K 7121に基づいて測定されたものである。
ちなみに、これらの非晶性脂環構造含有重合体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
・芳香族ビニル−マレイミド系共重合体
本発明で用いられる芳香族ビニル−マレイミド系共重合体を得る方法としては、芳香族ビニル化合物、不飽和ジカルボン酸イミド系化合物及び必要に応じてその他共重合可能なビニル化合物からなる混合物を公知の方法で共重合させる方法(1)、芳香族ビニル化合物、不飽和ジカルボン酸無水物及び必要に応じてその他共重合可能なビニル化合物からなる混合物を公知の方法で共重合させた後、アンモニア及び/又は第一級アミンを反応させて酸無水物基をイミド基に変換させる方法(2)が挙げられる。
方法(1)及び方法(2)で用いられる芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等のうちから1種又は2種以上を選択でき、中でもスチレンが好ましい。
方法(1)で用いられる不飽和ジカルボン酸イミド系化合物としては、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のうちから1種又は2種以上を選択でき、中でもN−フェニルマレイミドが好ましい。
方法(2)で用いられる、酸水物基をイミド基に変換させる際に用いる第一級アミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、アニリン、トルイジン等のうちから1種又は2種を選択でき、中でもアニリンが好ましい。
方法(1)で用いられる、その他必要に応じて共重合可能なビニル化合物としては、エチレン、無水マレイン酸などの不飽和ジカルボン酸無水物、アクリロニトリル、メタクリル酸エステル等の内から、1種又は2種を選択でき、中でも無水マレイン酸、アクリロニトリルが好ましい。
方法(2)で用いられる不飽和ジカルボン酸無水物としては、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、無水シトラコン酸等のうちから1種又は2種を選択でき、中でもマレイン酸無水物が好ましい。
方法(2)で用いられる、その他必要に応じて共重合可能なビニル化合物としては、エチレン、アクリロニトリル、メタクリル酸エステル等の内から、1種又は2種を選択でき、中でもアクリロニトリルが好ましい。
これら芳香族ビニル−マレイミド系共重合体としては、スチレン及びN−フェニルマレイミド由来の構造単位を含有することが好ましく、スチレン/N−フェニルマレイミド共重合体、スチレン/N−フェニルマレイミド/無水マレイン酸共重合体、スチレン/N−フェニルマレイミド/アクリロニトリル共重合体などが好適に使用できる。
芳香族ビニル−マレイミド系共重合体におけるマレイミド由来の構造単位の含有量は、30〜50重量%、好ましくは40〜50重量%の範囲であるときに、リフレクタの耐熱性、表面平滑性、成形性が高度にバランスされ、好適である。マレイミド由来の構造単位の含有量が少ないと、リフレクタの耐熱性が低下するおそれがある。
芳香族ビニル−マレイミド系共重合体のガラス転移温度は、通常160〜250℃、好ましくは200〜230℃であるときに、リフレクタの耐熱性、表面平滑性、成形性が高度にバランスされ、好適である。
本発明で使用される芳香族ビニル−マレイミド系共重合体は、18.6kg荷重の時の荷重たわみ温度が140〜200℃、好ましくは160〜180℃の範囲であるときに、リフレクタの耐熱性、表面平滑性、成形性が高度にバランスされ、好適である。
本発明で使用される芳香族ビニル−マレイミド系重合体の分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、トルエン溶液のゲル・パーミエーション・クロマトグラフで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量で、100,000〜190,000、好ましくは130,000〜170,000の範囲であるときに、リフレクタの耐熱性と成形性とが高度にバランスし、好適である。
・樹脂組成物
本発明の樹脂組成物は、非晶性脂環構造含有重合体と芳香族ビニル−マレイミド系共重合体の重量比は30/70〜95/5、好ましくは50/50〜95/5、より好ましくは75/25〜92/8である。非晶性脂環構造含有重合体が多いとリフレクタの耐熱性が低下するおそれがあり、少ないと、リフレクタの表面平滑性が低下するおそれがある。
本発明に用いる融点が200℃〜350℃の熱可塑性樹脂は、結晶性のプラスチックであり、その融点が200℃〜300℃であるのが好ましく、210℃〜270℃であるのが特に好ましい。その具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートといったポリエステル、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィドなどが挙げられる。
これらの中でも、成形時の金型温度が低い条件においても成形体の表面平滑性が良いことから、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートといったポリエステルが好ましい。
融点が200℃〜350℃の熱可塑性樹脂は、1種類を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。融点が200℃〜350℃の熱可塑性樹脂の配合量は、非晶性脂環構造含有重合体及び芳香族ビニル−マレイミド系共重合体の合計量100重量部に対して、好ましくは1〜15重量部、より好ましくは1〜10重量部、さらに好ましくは1〜5重量部の範囲である。この範囲で添加すると、樹脂組成物の流動性が高くなるばかりでなく、金型温度が100℃を下回るような低い金型温度条件においても表面平滑性により優れる成形体が得られる。但し、融点が200℃〜350℃の熱可塑性樹脂の配合量が多すぎると金型温度に関わらず、表面平滑性が悪化する恐れがある。
本発明に用いる金属石鹸は、金属原子に結合している水酸基の数が2つであるものが好適である。金属原子に結合している水酸基の数が0又は1つである金属石鹸を配合すると、リフレクタの表面平滑性が低下するおそれがある。
本発明に用いる金属石鹸を構成する金属原子は3価以上の金属であり、好ましくは3価の金属であり、より好ましくはアルミニウム及び鉄である。金属石鹸を構成する長鎖脂肪酸に格別な制限はなく、一般的なものを用いることができる。
金属原子に水酸基が2つ結合している金属石鹸の具体例としては、モノステアリン酸アルミニウム、モノ12−ヒドロキシステアリン酸アルミニウム、モノベヘン酸アルミニウム、モノモンタン酸アルミニウム、モノラウリン酸アルミニウム、モノリシノール酸アルミニウム、モノミリスチン酸アルミニウム、モノパルミチン酸アルミニウム、モノナフテン酸アルミニウム、モノオクチル酸アルミニウム、モノセバシン酸アルミニウム、モノウンデシレン酸アルミニウム、モノステアリン酸鉄、モノ12−ヒドロキシステアリン酸鉄、モノベヘン酸鉄、モノモンタン酸鉄、モノラウリン酸鉄、モノリシノール酸鉄、モノミリスチン酸鉄、モノパルミチン酸鉄、モノナフテン酸鉄、モノオクチル酸鉄、モノセバシン酸鉄、モノウンデシレン酸鉄などが挙げられる。これらの中でも、金属石鹸の熱分解温度の高さから、モノステアリン酸アルミニウム、モノ12−ヒドロキシステアリン酸アルミニウム、モノベヘン酸アルミニウム、モノモンタン酸アルミニウムが好ましい。
金属原子に水酸基が2つ結合している金属石鹸は、1種類を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。金属原子に水酸基が2つ結合している金属石鹸の配合量は、非晶性脂環構造含有重合体及び芳香族ビニル−マレイミド系共重合体の合計量100重量部に対して、0.01〜1重量部、好ましくは0.02〜0.8重量部、より好ましくは0.05〜0.6重量部の範囲である。この範囲で添加すると、芳香族ビニル−マレイミド系共重合体の含有量が非晶性脂環構造含有重合体量より多い組成物においても、金型温度が100℃を下回るような低い金型温度条件において表面平滑性に優れる成形体が得られる。この範囲よりも少ない添加量では表面平滑性に優れる成形体が得られ難く、この範囲よりも多い添加量では、金属石鹸が表面へ析出し、金型汚れが発生するおそれがある。
本発明の樹脂組成物は、非晶性脂環構造含有重合体及び芳香族ビニル−マレイミド系共重合体を含有するものであるが、融点が200℃〜350℃の熱可塑性樹脂及び/又は金属原子に水酸基が2つ結合している金属石鹸を併用することで、低温での成形において、表面平滑性をより向上させることができる。
・その他の成分
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、その他のポリマー、樹脂工業において通常用いられる各種配合剤、充填剤などを単独で、あるいは2種以上混合して用いることができる。
その他のポリマーとしては、ゴム質重合体;ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、石油樹脂、フェノール樹脂などの樹脂;などのその他のポリマーを例示することができる。
ゴム質重合体としては、ガラス転移温度が40℃以下の熱可塑性エラストマーが挙げられ、その具体例としては、乳化重合又は溶液重合したスチレン・ブタジエン・ゴム、ハイスチレンゴムなどのランダム又はブロック・スチレン・ブタジエン系共重合体、これらの水素添加物;イソプレン・ゴム、その水素添加物;クロロプレンゴム、その水素添加物;エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体などの飽和ポリオレフィンゴム;エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、α−オレフィン・ジエン共重合体、ジエン共重合体、イソブチレン・イソプレン共重合体、イソブチレン・ジエン共重合体などのジエン系重合体、これらのハロゲン化物、ジエン系重合体又はそのハロゲン化物の水素添加物、又は、これらを無水マレイン酸やグリシジルメタクリレートやエポキシ等で変性したものなどが挙げられる。
これらの中でも、成形体の表面平滑性が良いことから、スチレン・ブタジエン・ゴム、ハイスチレンゴムなどのランダム又はブロック・スチレン・ブタジエン系共重合体の水素添加物、及び、これらの無水マレイン酸やグリシジルメタクリレートやエポキシ等の変性体が好ましい。
これらのゴム質重合体は単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができ、配合量は、非晶性脂環構造含有重合体及び芳香族ビニル−マレイミド系共重合体の合計量100重量部に対して、好ましくは1〜20重量部、より好ましくは1〜10重量部、さらに好ましくは1〜5重量部の範囲である。この範囲でゴム質重合体を添加すると、非晶性脂環構造含有重合体に対する芳香族ビニル−マレイミド系共重合体の均一分散が促進されて表面平滑性により優れる成形体が得られるが、ゴム質重合体が多すぎると耐熱性が低下する恐れがある。
樹脂工業において通常用いられる各種配合剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、近赤外線吸収剤、染料や顔料などの着色剤、可塑剤、帯電防止剤、蛍光増白剤などが挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などが挙げられるが、これらの中でも、フェノール系酸化防止剤が好ましく、アルキル置換フェノール系酸化防止剤が特に好ましい。
フェノール系酸化防止剤としては、従来公知のものが使用でき、例えば、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−(1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニルアクリレートなどの特開昭63−179953号公報や特開平1−168643号公報に記載されるアクリレート系化合物;オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニルプロピオネート)メタン[すなわち、ペンタエリスリメチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート)]、トリエチレングリコール ビス(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート)などのアルキル置換フェノール系化合物;6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、2−オクチルチオ−4,6−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−オキシアニリノ)−1,3,5−トリアジンなどのトリアジン基含有フェノール系化合物;などが挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、一般の樹脂工業で通常使用される物であれば格別な限定はなく、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイドなどのモノホスファイト系化合物;4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,4’イソプロピリデン−ビス(フェニル−ジ−アルキルホスファイト)(アルキル部分の炭素数12〜15)などのジホスファイト系化合物などが挙げられる。これらの中でも、モノホスファイト系化合物が好ましく、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどが特に好ましい。
イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル3,3−チオジプロピオネート、ジミリスチル 3,3’−チオジプロピピオネート、ジステアリル 3,3−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル3,3−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオ−プロピオネート)、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;4−t−ブチルフェニル−2−ヒドロキシベンゾエート、フェニル−2−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタリミジルメチル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールなどのベゾエート系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸3水和物、2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノン、4−ドデカロキシ−2−ホドロキシベンゾフェノン、4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤;エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2’−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートなどのアクリレート系紫外線吸収剤;[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミンニッケルなどの金属錯体系紫外線吸収剤などが挙げられる。
光安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル) セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−N−ブチルマロネート、4−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)−1−(2−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどのヒンダードアミン系光安定剤を挙げることができる。
近赤外線吸収剤は、例えば、シアニン系近赤外線吸収剤;ピリリウム系赤外線吸収剤;スクワリリウム系近赤外線吸収剤;クロコニウム系赤外線吸収剤;アズレニウム系近赤外線吸収剤;フタロシアニン系近赤外線吸収剤;ジチオール金属錯体系近赤外線吸収剤;ナフトキノン系近赤外線吸収剤;アントラキノン系近赤外線吸収剤;インドフェノール系近赤外線吸収剤;アジ系近赤外線吸収剤;等が挙げられる。また、市販品の近赤外線吸収剤SIR−103、SIR−114、SIR−128、SIR−130、SIR−132、SIR−152、SIR−159、SIR−162(以上、三井東圧染料社製)、Kayasorb IR−750,Kayasorb IRG−002、Kayasorb IRG−003、IR−820B,Kayasorb IRG−022、KayasorbIRG−023、Kayasorb CY−2、Kayasorb CY−4、Kayasorb CY−9(以上、日本化薬社製)等を挙げることできる。
染料としては、非晶性脂環構造含有重合体に均一に分散・溶解するものであれば特に限定されないが、本発明で用いられる熱可塑性炭化水素系重合体との相溶性が優るので油溶性染料(各種C.I.ソルベント染料)が広く用いられる。油溶性染料の具体例としてはThe Society of Diyesand Colourists社刊Color Index vol.3に記載される各種のC.I.ソルベント染料が挙げられる。
顔料としては、例えば、ピグメントレッド38等のジアリリド系顔料;ピグメントレッド48:2、ピグメントレッド53、ピグメントレッド57:1等のアゾレーキ系顔料;ピグメントレッド144、ピグメントレッド166、ピグメントレッド220、ピグメントレッド221、ピグメントレッド248等の縮合アゾ系顔料;ピグメントレッド171、ピグメントレッド175、ピグメントレッド176、ピグメントレッド185、ピグメントレッド208等のペンズイミダゾロン系顔料;ピグメントレッド122等のキナクリドン系顔料;ピグメントレッド149、ピグメントレッド178、ピグメントレッド179等のペリレン系顔料;ピグメントレッド177等のアントラキノン系顔料が挙げられる。
滑剤としては、脂肪族アルコールのエステル、多価アルコールのエステルあるいは部分エステル等の有機化合物や無機微粒子等を用いることができる。有機化合物としては、例えば、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンジステアレート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等が挙げられる。無機微粒子としては、周期律表の1族、2族、4族、6〜14族元素の酸化物、硫化物、水酸化物、窒素化物、ハロゲン化物、炭酸塩、硫酸塩、酢酸塩、燐酸塩、亜燐酸塩、有機カルボン酸塩、珪酸塩、チタン酸塩、硼酸塩及びそれらの含水化物、それらを中心とする複合化合物、天然化合物などの粒子が挙げられる。
本発明の成形品の着色を必要とするときは、染料と顔料の何れでも、本発明の目的の範囲で使用でき、限定されるものではない。
可塑剤としては、例えば、トリクレジルフォスフェート、トリキシリルフォスフェート、トリフェニルフォスフェート、トリエチルフェニルフォスフェート、ジフェニルクレジルフォスフェート、モノフェニルジクレジルフォスフェート、ジフェニルモノキシレニルフォスフェート、モノフェニルジキシレニルフォスフェート、トリブチルフォスフェート、トリエチルフォスフェートなどの燐酸トリエステル系可塑剤;フタル酸ジメチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−N−オクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸オクチルデシル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル系可塑剤;オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステルなどの脂肪酸一塩基酸エステル系可塑剤;二価アルコールエステル系可塑剤;オキシ酸エステル系可塑剤;などが使用できるが、これらの中でも燐酸トリエステル系可塑剤が好ましく、トリクレジルフォスフェート、トリキシリルフォスフェートが特に好ましい。
さらに、柔軟化剤ないし可塑剤として、主骨格が主にC−C又はC=C構造である常温で液状の炭化水素ポリマーが好ましく用いられる。液状炭化水素ポリマーの中でも、主鎖の中に炭化水素環を持たない直鎖状又は分岐鎖状の液状炭化水素ポリマーが好ましい。また、得られる成形品の耐候性に優れることから、C=C構造を実質的に持たないものが好ましい。この液状炭化水素ポリマーの重量平均分子量は、好ましくは10,000以下、より好ましくは200〜8,000、特に好ましくは300〜4,000の範囲である。液状炭化水素ポリマーの具体例としては、スクアラン(C3062、Mw=422.8)、流動パラフィン(ホワイトオイル、JIS K 2231に規定されるISO VG10、ISO VG15、ISO VG32、ISO VG68、ISO VG100、VG8及びVG21など)、ポリイソブテン、水添ポリブタジエン、水添ポリイソプレン等が挙げられる。これらの中でもスクアラン、流動パラフィン及びポリイソブテンが好ましい。
帯電防止剤としては、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールなどの長鎖アルキルアルコール、グリセリンモノステアレート、ペンタエリスリトールモノステアレートなどの多価アルコールの脂肪酸エステルなどが挙げられるが、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールが特に好ましい。
これらの樹脂工業において通常用いられる各種配合剤は、本発明の目的を損なわれない範囲で用いることができ、単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いて良く、その配合量は、非晶性脂環構造含有重合体及び芳香族ビニル−マレイミド系共重合体の合計量100重量部に対して通常0.001〜5重量部、好ましくは0.01〜1重量部の範囲である。
充填剤としては、有機又は無機の充填剤が挙げられ、例えば、シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、軽石粉、軽石バルーン、塩基性炭酸マグネシウム、ドワマイト、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、アスベストなどの鉱物;ガラス繊維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの繊維;ガラスフレーク、ガラスビーズ、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト、グラファイト、アルミニウム粉、硫化モリブデン、などを例示できる。
これらの充填剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて添加することができる。充填剤の配合割合は、本発明の目的を損ねない範囲で、それぞれの機能及び使用目的に応じて適宜定めることができるが、軽量化の観点からは、無機の充填剤を用いないのが好ましい。
樹脂組成物の混合方法としては、重合体中に配合剤が十分に分散する方法であれば、特に限定されない。例えば、ミキサー、一軸混練機、二軸混練機、ロール、ブラベンダー、押出機などで樹脂を溶融状態で混練する方法、適当な溶剤に溶解して分散させて凝固法、キャスト法、又は直接乾燥法により溶剤を除去する方法などがある。
二軸混練機を用いる場合、混練後は、通常は溶融状態で棒状に押出し、ストランドカッターで適当な長さに切り、ペレット化して用いられることが多い。
本発明の樹脂組成物は、成形性に優れ、表面平滑性、軽量性及び耐熱性に優れる成形体を与えうる。
本発明の樹脂組成物の用途としては、配管、チューブ、樹脂成形加工用の樹脂型や離型フィルム、半導体製造用キャリアなどの工業資材分野;民生用又は工業用の照明灯具のカバーやリフレクタ、電線の被覆材、絶縁フィルム、コンデンサーフィルム、電子素子の封止材、電子回路基板、車載用電子機器部品などの電気電子分野;光ディスクなどのレーザー装置用のミラーや内装部品、リアプロジェクションテレビ用のミラーなどの光学分野;バンパー、車両用灯具のカバーやリフレクタ、ボンネット、ドアトリムなどの車両用部材分野;などが挙げられ、特に灯具のリフレクタに好適である。
・灯具のリフレクタ
本発明の灯具のリフレクタは、上記の樹脂組成物を成形して得られるものである。成形方法は、従来公知の成形方法に従えば良く、射出成形、プレス成形、押出ブロー成形、射出ブロー成形、多層ブロー成形、コネクションブロー成形、二重壁ブロー成形、延伸ブロー成形、真空成形、回転成形などが挙げられる。成形精度からは、射出成形、プレス成形が好ましい。成形時の樹脂の溶融温度は脂環構造含有重合体の種類によっても異なるが、通常200〜400℃、好ましくは250〜350℃である。リフレクタの形状は特に限定されず、例えば、車両用灯具のリフレクタに用いる場合、適用する車両に併せて適宜設計することができる。通常、上記の樹脂組成物を成形して得られたリフレクタ形状の成形物の一面に反射膜層を形成してリフレクタとして使用される。
・反射膜層の形成
上記のリフレクタ形状の成形体の一面に、アルミニウム、ニッケル、金等の反射率の高い金属を用いて反射膜層を形成する場合、その方法は特に限定されず公知の方法に従えば良く、例えば、通常の蒸着法、すなわち真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等が挙げられる。
反射膜を成膜する時の条件は特に限定されないが、例えば、アルミニウムを真空蒸着し反射膜を形成する場合は、以下の条件が好ましい。すなわち、真空度は通常0.1〜1,000Pa、好ましくは1〜100Paの範囲であり、この範囲にある時、キメが細かく接着力に優れたアルミニウム膜を蒸着することができる。成形品を加熱しながら製膜しても良く、成形品の表面温度を常温〜100℃の範囲で成膜すると接着力が高まり好ましい。反射膜の厚みは、通常5〜10,000nm、好ましくは10〜2,000nmであり、膜厚が過度に薄すぎると反射率が低過ぎ、リフレクタとして十分な反射率が得られず、また過度に厚すぎても反射率が上がらず、成膜時間が長くなり生産性が低下する。膜厚が上記の範囲にある時、高い生産性で高反射率の反射膜が得られ、好ましい。
上記の樹脂組成物を成形して得られたリフレクタ形状の成形物と上述した反射膜との密着性を向上させるために、リフレクタ表面を改質処理及び/又はプライマー処理を施しても良い。表面改質処理の例としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、電子線照射処理、紫外線照射処理などのエネルギー線照射処理や重クロム酸カリウム溶液等の酸化剤水溶液と接触させる薬品処理が挙げられる。
必要に応じて、上記の樹脂組成物を成形して得られたリフレクタ形状の成形物及び反射膜にキズ、汚れが付かないように保護層を設けても良い。保護層形成の方法は特に限定されない。例えば、紫外線硬化型樹脂、又は熱硬化型樹脂を、スピンコート、スプレー塗装、ディッピング、フローコーティング等の方法で成形品表面に塗布後、硬化する方法が挙げられる。
また、本発明の灯具のリフレクタは、表面平滑性、軽量性及び耐熱性に優れると同時に、成形性が良く薄肉で複雑な形状も可能であることから、民生用又は工業用の照明灯具や車両用灯具などに好適である。
本発明において、「車両」とは、二輪自動車、三輪自動車、四輪自動車その他の自動車、鉄道車両、フォークリフトその他の産業用車両等々、広義の車両を意味する。車両用に限らず、外灯、室内照明、携帯電灯、レーザー照明などの一般に使われる灯具中に使用されるリフレクタとしても使用することが可能である。中でも、より耐熱性が要求される車両用灯具に特に好ましく用いられる。
また、「車両用灯具」とは、こうした各種車両に装着された照明用もしくは識別用、標識用の灯具を意味し、特に限定はされないが、前照灯(ヘッドランプ)、尾灯(テールランプ)、制動灯(ストップランプ)、方向指示灯(いわゆるウインカー)、車幅灯、後退灯などが該当する。
本発明において、リフレクタとは、ランプユニットの光源からの光を集光又は拡散して所望の配光特性を得るための主リフレクタに限らず、エクステンションリフレクタ、及びこれらに接続又は連結される部材(たとえばスリーブやレンズホルダなど)をも含む概念で用いる。
本発明において、「エクステンションリフレクタ」とは、車両用灯具のボディとカバー(又はアウタレンズ)とで形成される灯室内の、ランプの周囲に設けられ、少なくとも一主面に鏡面処理が施される、灯具の一構成部品であって、灯具を外部から観察したときに灯室内全体を鏡面色に見せて見栄えを向上させる目的、及び/又は、一のランプから隣接するランプ側へ漏洩する光を遮断して各ランプによる表示の視認性を高める目的で使用されるものである。自動車用灯具のエクステンションリフレクタとしては、前照灯や尾灯に多用することができる。
以下、本発明について、実施例及び比較例を挙げて、より具体的に説明する。ただし本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例において、部又は%は、特に断りがない限り、重量基準である。
各種物性の測定法は次のとおりである。
(1)水素添加率は、H−NMRにより測定した。
(2)ガラス転移温度は、JIS K 7121に基づき、示差走査熱量分析計(DSC6220S11、ナノテクロノジー社製)を用い、ガラス転移温度より30℃以上に加熱した後、冷却速度−10℃/分で室温まで冷却し、その後、昇温速度10℃/分で昇温する過程で測定した。
(3)比重は、アルミニウム蒸着を実施していない成形板を、ASTM D 792に基づいて測定した。
(4)外観観察は、アルミニウム蒸着を実施していない成形板の、ひけ、反り、シルバー、ヤケ及び着色の有無を目視で観察し、これらの不良の無い物を「○」、不良の発生したものを「×」と判断した。
(5)表面平滑性は、アルミニウム蒸着を実施した試験片の、超深度形状測定顕微鏡:VK−8500(キーエンス社製)を用いて測定された最大高さRmax値が5μm未満のものを「○」、5μm以上のものを「×」と判断した。
(6)耐熱外観変化は、アルミニウム蒸着を実施した試験片を、水平な板上に置き、150℃及び155℃のギヤーオーブン中で72時間加熱保持した後、試験片の外観変化について試験し耐熱性を評価した。外観変化は、試験温度150℃及び155℃において、耐熱性試験前に比べて蒸着膜の外観に変化の無かったものを「◎」、150℃においては外観変化がなく、155℃において鏡面に曇りがみられたものを「○」、150℃において鏡面の曇り、形状の変化、反射不良、膜フクレ、変色などの生じたものを「×」とした。
[参考例1]
シクロヘキサン258リットルを装入した反応容器に、常温、窒素気流下でビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(以下、「NB」という)(120kg)を加え、5分間撹拌を行った。さらにトリイソブチルアルミニウムを系内の濃度が1.0ml/リットルとなるように添加した。続いて、撹拌しながら常圧でエチレンを流通させ系内をエチレン雰囲気とした。オートクレーブの内温を70℃に保ち、エチレンにて内圧がゲージ圧で6kg/cmとなるように加圧した。10分間撹拌した後、予め用意したイソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド及びメチルアルモキサンを含むトルエン溶液0.4リットルを系内に添加することによって、エチレン、NBの共重合反応を開始させた。このときの触媒濃度は、全系に対してイソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリドが0.018mmol/リットルであり、メチルアルモキサンが8.0mmol/リットルである。
重合中、系内にエチレンを連続的に供給することにより、温度を70℃、内圧をゲージ圧で6kg/cmに保持した。60分後、イソプロピルアルコールを添加することにより、重合反応を停止した。脱圧後、ポリマー溶液を取り出し、その後、水1mに対し濃塩酸5リットルを添加した水溶液と1:1の割合で強撹拌下に接触させ、触媒残渣を水相へ移行させた。この接触混合液を静置したのち、水相を分離除去し、さらに水洗を2回行い、重合液相を精製分離した。
次いで精製分離された重合液を3倍量のアセトンと強撹拌下で接触させ、共重合体を析出させた後、固体部(共重合体)を濾過により採取し、アセトンで十分洗浄した。さらに、ポリマー中に存在する未反応のモノマーを抽出するため、この固体部を40kg/mとなるようにアセトン中に投入した後、60℃で2時間の条件で抽出操作を行った。抽出処理後、固体部を濾過により採取し、窒素流通下、130℃、350mmHgで12時間乾燥し、エチレン・NB共重合体(非晶性脂環構造含有重合体A)を得た。
以上のようにして、得られたエチレン・NB共重合体(非晶性脂環構造含有重合体A)のTgは137℃であり、NB単位含量は51モル%であった。
[参考例2]
参考例1のNBをテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(TCD)に変えた以外は、参考例1と同様に重合反応を行なった。得られたエチレン・TCD共重合体(非晶性脂環構造含有重合体B)のTgは144℃であり、TCD単位含量は32モル%であった。
[参考例3]
参考例1のNBをテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(TCD)に変え、エチレンにて内圧がゲージ圧で5kg/cmとなる以外は、参考例1と同様に重合反応を行なった。得られたエチレン・TCD共重合体(非晶性脂環構造含有重合体C)のTgは151℃であり、TCD単位含量は35モル%であった。
[参考例4]
<開環重合>
窒素で置換した反応器に、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン(以下、「MTF」という)とトリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン(以下、「DCP」という)とテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(以下、「TCD」という)(重量比50/10/40)の混合物7部(重合に使用するモノマー全量に対して1%)とシクロヘキサン1600部を加え、トリ−i−ブチルアルミニウム0.57部とイソブチルアルコール0.21部、反応調整剤としてジイソプロピルエーテル0.85部、及び分子量調節剤として1−ヘキセン4.86部を添加した。ここに、シクロヘキサンに溶解させた0.65%の六塩化タングステン溶液24.3部を添加して、55℃で10分間攪拌した。次いで、反応系を55℃に保持しながら、MTFとDCPとTCD(重量比50/10/40)の混合物を693部とシクロヘキサンに溶解させた0.65%の六塩化タングステン溶液48.9部とをそれぞれ系内に150分かけて連続的に滴下した。その後、30分間反応を継続し重合を終了した。
重合終了後、ガスクロマトグラフィーにより測定したモノマーの重合転化率は重合終了時で100%であった。
<水素添加>
得られた開環重合反応液を耐圧性の水素化反応器に移送し、ケイソウ土担持ニッケル触媒(日揮化学社製、製品名「T8400RL」、ニッケル担持率57%)1.4部及びシクロヘキサン167部を加え、180℃、水素圧4.6MPaで6時間反応させた。この反応溶液を、ラジオライト#500を濾過床として、圧力0.25MPaで加圧濾過(石川島播磨重工社製、製品名「フンダフィルター」)して水素化触媒を除去し、無色透明な溶液を得た。次いで、ゼータープラス(登録商標)フィルター(キュノ社製、グレード「30H」、孔径0.5〜1μm)にて順次濾過しさらに別の金属ファイバー製フィルター(孔径0.4μm、ニチダイ社製)にて濾過して微小な固形分を除去した。開環重合体水素添加物の水素転化率は99.9%であった。
次いで、上記溶液を、円筒型濃縮乾燥器(日立製作所社製)を用いて、温度270℃、圧力1kPa以下で、溶液から、溶媒であるシクロヘキサン及びその他の揮発成分を除去し、濃縮機に直結したダイから溶融状態でストランド状に押出し、冷却後、開環重合体水素添加物(非晶性脂環構造含有重合体D)を得た。Tgは154℃であった。
尚、開環重合体合成時の重合転化率が100%であり、水素転化率も99.9%と高水準であることから、開環重合体水素添加物中の、MTF由来の構造単位(MTF単位)、DCP由来の構造単位(DCP単位)、及びTCD由来の構造単位(TCD単位)は、開環重合体の製造に用いたモノマーの使用量に等しいと推定される。
[実施例1]
参考例1で作製した非晶性脂環構造含有重合体A55重量部、芳香族ビニル−マレイミド系共重合体E(日本触媒社製「ポリイミレックス(登録商標)−PSX0371」;スチレン/無水マレイン酸/N−フェニルマレイミド=50.1/1.8/48.1(モル比))45重量部、酸化防止剤(チバガイギー社製;イルガノックス(登録商標)1010、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン)0.1重量部を2軸混練機で混練して、ペレット化した。このペレットを、片面を鏡面加工した厚さ0.5mm×長さ200mm×幅100mmの金型を用いて、樹脂温度280℃、型温度110℃で射出成形した。
射出成形品の比重の測定、外観観察を行った、結果を表1に示す。
さらに、射出成形品の鏡面側に真空蒸着法で厚さ400nmのアルミ反射膜を形成し、射出成形品を作成した。
試験片の表面平滑性、耐熱外観変化の試験を行った、結果を表1に示す。
[実施例2]
非晶性脂環構造含有重合体Aの代わりに非晶性脂環構造含有重合体Bを70部とし、芳香族ビニル−マレイミド系共重合体Eを30部とした以外は実施例1と同様にして、試験片を作製した。
射出成形品の比重の測定、外観観察を行った、結果を表1に示す。
さらに、射出成形品の鏡面側に真空蒸着法で厚さ400nmのアルミ反射膜を形成し、射出成形品を作成した。
試験片の表面平滑性、耐熱外観変化の試験を行った、結果を表1に示す。
[実施例3]
非晶性脂環構造含有重合体Aの代わりに非晶性脂環構造含有重合体Cを75部とし、芳香族ビニル−マレイミド系共重合体Eを25部とした以外は実施例1と同様にして、試験片を作製した。
射出成形品の比重の測定、外観観察を行った、結果を表1に示す。
さらに、射出成形品の鏡面側に真空蒸着法で厚さ400nmのアルミ反射膜を形成し、射出成形品を作成した。
試験片の表面平滑性、耐熱外観変化の試験を行った、結果を表1に示す。
[実施例4]
非晶性脂環構造含有重合体Aの代わりに非晶性脂環構造含有重合体Dを91部とし、芳香族ビニル−マレイミド系共重合体Eを9部とした以外は実施例1と同様にして、試験片を作製した。
射出成形品の比重の測定、外観観察を行った、結果を表1に示す。
さらに、射出成形品の鏡面側に真空蒸着法で厚さ400nmのアルミ反射膜を形成し、射出成形品を作成した。
試験片の表面平滑性、耐熱外観変化の試験を行った、結果を表1に示す。
[実施例5]
非晶性脂環構造含有重合体Aの代わりに非晶性脂環構造含有重合体Dを94部とし、芳香族ビニル−マレイミド系共重合体Eを6部とした以外は実施例1と同様にして、試験片を作製した。
射出成形品の比重の測定、外観観察を行った、結果を表1に示す。
さらに、射出成形品の鏡面側に真空蒸着法で厚さ400nmのアルミ反射膜を形成し、射出成形品を作成した。
試験片の表面平滑性、耐熱外観変化の試験を行った、結果を表1に示す。
[実施例6]
非晶性脂環構造含有重合体Aの代わりに非晶性脂環構造含有重合体Dを70部とし、芳香族ビニル−マレイミド系共重合体Eの代わりに芳香族ビニル−マレイミド系共重合体F(日本触媒社製「ポリイミレックス(登録商標)−PAS1460」;スチレン/N−フェニルマレイミド/アクリロニトリル=51/40/9(重量比))を30部とした以外は実施例1と同様にして、試験片を作製した。
射出成形品の比重の測定、外観観察を行った、結果を表1に示す。
さらに、射出成形品の鏡面側に真空蒸着法で厚さ400nmのアルミ反射膜を形成し、射出成形品を作成した。
試験片の表面平滑性、耐熱外観変化の試験を行った、結果を表1に示す。
[実施例7]
非晶性脂環構造含有重合体Aの代わりに非晶性脂環構造含有重合体Dを70部とし、芳香族ビニル−マレイミド系共重合体Eの代わりに芳香族ビニル−マレイミド系共重合体G(電気化学工業社製「DENKA IP(登録商標)−MS−L2A」;スチレン/無水マレイン酸/N−フェニルマレイミド=49.7/6.2/44.1(モル比))を30部とした以外は実施例1と同様にして、試験片を作製した。
射出成形品の比重の測定、外観観察を行った、結果を表1に示す。
さらに、射出成形品の鏡面側に真空蒸着法で厚さ400nmのアルミ反射膜を形成し、射出成形品を作成した。
試験片の表面平滑性、耐熱外観変化の試験を行った、結果を表1に示す。
[実施例8]
非晶性脂環構造含有重合体Aの代わりに非晶性脂環構造含有重合体Dを40部とし、芳香族ビニル−マレイミド系共重合体Eを60部とし、さらに、モノステアリン酸アルミニウムを0.5部添加し、成形時の型温度を80℃とした以外は実施例1と同様にして、試験片を作製した。
射出成形品の比重の測定、外観観察を行った、結果を表1に示す。
さらに、射出成形品の鏡面側に真空蒸着法で厚さ400nmのアルミ反射膜を形成し、射出成形品を作成した。
試験片の表面平滑性、耐熱外観変化の試験を行った、結果を表1に示す。
[実施例9]
非晶性脂環構造含有重合体Aの代わりに非晶性脂環構造含有重合体Dを91部とし、芳香族ビニル−マレイミド系共重合体Eを9部とし、さらに、ポリエチレンテレフタレート(融点255℃、比重1.4)を5部添加し、成形時の型温度を80℃とした以外は実施例1と同様にして、試験片を作製した。
射出成形品の比重の測定、外観観察を行った、結果を表1に示す。
さらに、射出成形品の鏡面側に真空蒸着法で厚さ400nmのアルミ反射膜を形成し、射出成形品を作成した。
試験片の表面平滑性、耐熱外観変化の試験を行った、結果を表1に示す。
[実施例10]
非晶性脂環構造含有重合体Aの代わりに非晶性脂環構造含有重合体Dを91部とし、芳香族ビニル−マレイミド系共重合体Eを9部とし、さらに、ポリブチレンテレフタレート(融点223℃、比重1.3)を5部添加し、成形時の型温度を80℃とした以外は実施例1と同様にして、試験片を作製した。
射出成形品の比重の測定、外観観察を行った、結果を表1に示す。
さらに、射出成形品の鏡面側に真空蒸着法で厚さ400nmのアルミ反射膜を形成し、射出成形品を作成した。
試験片の表面平滑性、耐熱外観変化の試験を行った、結果を表1に示す。
[実施例11]
非晶性脂環構造含有重合体Aの代わりに非晶性脂環構造含有重合体Dを75部とし、芳香族ビニル−マレイミド系共重合体Eを25部とし、さらに、ポリエチレンテレフタレート(融点255℃、比重1.4)を2部添加し、成形時の型温度を80℃とした以外は実施例1と同様にして、試験片を作製した。
射出成形品の比重の測定、外観観察を行った、結果を表1に示す。
さらに、射出成形品の鏡面側に真空蒸着法で厚さ400nmのアルミ反射膜を形成し、射出成形品を作成した。
試験片の表面平滑性、耐熱外観変化の試験を行った、結果を表1に示す。
[実施例12]
非晶性脂環構造含有重合体Aの代わりに非晶性脂環構造含有重合体Bを70部とし、芳香族ビニル−マレイミド系共重合体Eを30部とし、さらに、ポリブチレンテレフタレート(融点223℃、比重1.3)を7部添加し、成形時の型温度を80℃とした以外は実施例1と同様にして、試験片を作製した。
射出成形品の比重の測定、外観観察を行った、結果を表1に示す。
さらに、射出成形品の鏡面側に真空蒸着法で厚さ400nmのアルミ反射膜を形成し、射出成形品を作成した。
試験片の表面平滑性、耐熱外観変化の試験を行った、結果を表1に示す。
[実施例13]
非晶性脂環構造含有重合体Aの代わりに非晶性脂環構造含有重合体Dを40部とし、芳香族ビニル−マレイミド系共重合体Eを60部とし、さらに、ポリエチレンテレフタレート(融点255℃、比重1.4)を5部、モノステアリン酸アルミニウムを0.5部添加し、成形時の型温度を80℃とした以外は実施例1と同様にして、試験片を作製した。
射出成形品の比重の測定、外観観察を行った、結果を表1に示す。
さらに、射出成形品の鏡面側に真空蒸着法で厚さ400nmのアルミ反射膜を形成し、射出成形品を作成した。
試験片の表面平滑性、耐熱外観変化の試験を行った、結果を表1に示す。
[比較例1]
非晶性脂環構造含有重合体Aの代わりに非晶性脂環構造含有重合体Dを97部とし、芳香族ビニル−マレイミド系共重合体Eを3部とした以外は実施例1と同様にして、試験片を作製した。
射出成形品の比重の測定、外観観察を行った、結果を表1に示す。
さらに、射出成形品の鏡面側に真空蒸着法で厚さ400nmのアルミ反射膜を形成し、射出成形品を作成した。
試験片の表面平滑性、耐熱外観変化の試験を行った、結果を表1に示す。
[比較例2]
非晶性脂環構造含有重合体Aの代わりに非晶性脂環構造含有重合体Dを25部とし、芳香族ビニル−マレイミド系共重合体Eを75部とした以外は実施例1と同様にして、試験片を作製した。
射出成形品の比重の測定、外観観察を行った、結果を表1に示す。
さらに、射出成形品の鏡面側に真空蒸着法で厚さ400nmのアルミ反射膜を形成し、射出成形品を作成した。
試験片の表面平滑性、耐熱外観変化の試験を行った、結果を表1に示す。
外観観察においては、成形体にひけが見られた。
[比較例3]
非晶性脂環構造含有重合体Aの代わりに非晶性脂環構造含有重合体Dを25部とし、芳香族ビニル−マレイミド系共重合体Eを75部とし、さらに、ポリエチレンテレフタレート(融点255℃、比重1.4)を5部添加し、成形時の型温度を80℃とした以外は実施例1と同様にして、試験片を作製した。
射出成形品の比重の測定、外観観察を行った、結果を表1に示す。
さらに、射出成形品の鏡面側に真空蒸着法で厚さ400nmのアルミ反射膜を形成し、射出成形品を作成した。
試験片の表面平滑性、耐熱外観変化の試験を行った、結果を表1に示す。
[比較例4]
非晶性脂環構造含有重合体Aの代わりに非晶性脂環構造含有重合体Dを25部とし、芳香族ビニル−マレイミド系共重合体Eを75部とし、さらに、ジステアリン酸アルミニウムを0.5部添加し、成形時の型温度を80℃とした以外は実施例1と同様にして、試験片を作製した。
射出成形品の比重の測定、外観観察を行った、結果を表1に示す。
さらに、射出成形品の鏡面側に真空蒸着法で厚さ400nmのアルミ反射膜を形成し、射出成形品を作成した。
試験片の表面平滑性、耐熱外観変化の試験を行った、結果を表1に示す。
Figure 2012017447
この結果から、以下のことがわかる。
芳香族ビニル−マレイミド系共重合体の配合比率が低い場合には、耐熱性が低い(比較例1)。
芳香族ビニル−マレイミド系共重合体の配合比率が高い場合には、表面平滑性及び外観に劣り、比重も大きい(比較例2)。
本発明の樹脂組成物を用いた成形体は、耐熱性が高く、表面平滑性が優れる上に、比重も小さく軽量である(実施例1〜13)。
特に、融点が特定の範囲にある熱可塑性樹脂を配合した樹脂組成物では、低温での成形性にも優れることがわかる(実施例9〜13)。

Claims (9)

  1. 非晶性脂環構造含有重合体と芳香族ビニル−マレイミド系共重合体の重量比が30/70〜95/5である請求項1記載の樹脂組成物。
  2. 非晶性脂環構造含有重合体と芳香族ビニル−マレイミド系共重合体の重量比が50/50〜95/5である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 芳香族ビニル−マレイミド系共重合体のガラス転移温度が160℃以上である請求項1及び2のいずれかに記載の樹脂組成物。
  4. 芳香族ビニル−マレイミド系共重合体が、スチレン由来の構造単位及びN−フェニルマレイミド由来の構造単位を含有するものである請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 更に融点が200℃〜350℃の熱可塑性樹脂を含むものである請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
  6. 融点が200℃〜350℃の熱可塑性樹脂が、非晶性脂環構造含有重合体及び芳香族ビニル−マレイミド系共重合体の合計量100重量部に対して、1〜15重量部含むものである請求項5記載の樹脂組成物。
  7. 更に、金属原子に結合する水酸基の数が2つである金属石鹸を含むものである請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物。
  8. 金属原子に結合する水酸基の数が2つである金属石鹸が、非晶性脂環構造含有重合体及び芳香族ビニル−マレイミド系共重合体の合計量100重量部に対して、0.01〜1重量部含むものである請求項7記載の樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂組成物からなる灯具のリフレクタ。
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