JP2000048608A - 車両灯具用レンズ - Google Patents

車両灯具用レンズ

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JP2000048608A JP10230169A JP23016998A JP2000048608A JP 2000048608 A JP2000048608 A JP 2000048608A JP 10230169 A JP10230169 A JP 10230169A JP 23016998 A JP23016998 A JP 23016998A JP 2000048608 A JP2000048608 A JP 2000048608A
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ene
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resin
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淳子 丸山
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    • F21S41/00Illuminating devices specially adapted for vehicle exteriors, e.g. headlamps
    • F21S41/30Illuminating devices specially adapted for vehicle exteriors, e.g. headlamps characterised by reflectors
    • F21S41/37Illuminating devices specially adapted for vehicle exteriors, e.g. headlamps characterised by reflectors characterised by their material, surface treatment or coatings

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、低吸湿性、耐熱性、機械的強度など
に優れ、薄肉化や微細な表面構造の形成が可能で、しか
も高温高湿度環境下における白濁防止性に優れた車両灯
具用レンズを提供すること。 【解決手段】 脂環式構造含有熱可塑性樹脂に、白濁防
止剤として、(1)少なくとも1個のアルコール性水酸
基と少なくとも1個のエーテル結合またはエステル結合
とを有するアルコール性化合物、(2)エラストマー、
(3)脂環式構造含有熱可塑性樹脂と非相溶な前記以外
の化合物、及び(4)有機または無機のフィラーからな
る群より選ばれる少なくとも1種の物質を含有せしめて
なる樹脂組成物から形成された車両灯具用レンズ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脂環式構造含有熱
可塑性樹脂製の車両灯具用レンズに関し、さらに詳しく
は、透明性、低吸湿性、耐熱性、機械的強度などに優
れ、薄肉化や微細な表面構造の形成が可能で、しかも高
温高湿度環境下における白濁防止性に優れた車両灯具用
レンズに関する。本発明の車両灯具用レンズは、自動
車、二輪車、トラック、バス、電車等の各種車両の灯具
用レンズとして使用される。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車などの各種車両に対する低
燃費化、車体の低空気抵抗化、高性能化、高品質化、低
コスト化などの要求が高まるに伴って、車両の各種部品
に対する軽量化、デザインの複雑化、精密加工化、ガラ
スや金属部品からのプラスチック部品への代替化などが
急速に進められている。車両灯具に関しても、灯具用レ
ンズのプラスチック化とともに、レンズの薄肉化や微細
な表面構造の形成などが図られている。ところが、以下
に詳述するように、従来の樹脂材料では、近年の高度化
する諸要求に対応し得る車両灯具用レンズを作製するこ
とが困難になっている。
【0003】車両灯具としては、照明灯及び表示灯があ
り、より具体的には、前照灯、補助前照灯、車幅灯、番
号灯、尾灯、駐車灯、制動灯、後退灯、方向指示器灯、
補助方向指示器灯、非常点滅表示灯などがある。これら
の車両灯具では、光源または反射鏡から照射された光を
所望の方向に収束もしくは拡散させて、所望の方向への
輝度を上げるために、灯具ひとつ当たり通常1〜3枚程
度のレンズが使用されている。車両灯具には、アウター
レンズ及びインナーレンズからなる二重レンズ構造のも
のや、一重レンズ構造のものが多い。これらの車両灯具
に使用されるレンズには、凸レンズ、魚眼レンズ、曲面
状レンズ、平板状レンズなど様々の種類があるが、多く
の場合、その表面に複数のプリズムパターンなどのレン
ズカットが形成されており、それによって、光の到達距
離や広がりを、用途や目的によって調整している。
【0004】微細な表面構造が形成された車両灯具用レ
ンズとしては、例えば、出射光束を収束または拡散させ
るためにプリズムカット状の多数の凹凸が形成されたも
の、同心円状に屈折型または反射型のフレネルカットが
形成されたもの、微小間隔で干渉縞を形成したホログラ
ム部を有するものなどがある。プリズムの形状には、波
状のものやパルス状のもの、これらを組み合わせたもの
など多種類がある。また、一枚のレンズに、フレネル部
とホログラム部を形成したものなどもある。車両灯具で
は、ランプ(光源)性能の向上により、照度が上がると
ともに、ランプ自体の発熱量が大きくなってきている。
同時に、車両灯具自体の小型化や薄型化、部品の小型化
や軽量化が進められている。また、車両灯具には、透明
感などの外観上の高級感も要求されている。
【0005】このような状況下において、車両灯具用レ
ンズに使用されるプラスチック材料には、透明性や機械
的強度などに優れると共に、薄肉化や微細な表面構造の
形成が可能で、かつ、高度の耐熱性を有することが求め
られている。すなわち、レンズ使用枚数を減らしたり、
レンズ自体を軽量化するため、薄肉かつ微細な表面構造
を持つレンズの開発が進められており、例えば、フレネ
ルレンズの場合、レンズ表面に数十μm幅の多数の細い
溝を形成する必要がある。したがって、プラスチック材
料には、溶融加工時の流動性に優れ、かつ、精密加工性
を有することが求められる。また、車両灯具には、ラン
プ性能の向上と車両灯具の小型化や薄型化に伴って、従
来以上にレンズのごく近くにランプを設置し、点灯時の
低温から連続使用中の高温まで、一定方向に光を安定し
て収束または拡散することができる性能が要求されるた
め、レンズ用のプラスチック材料に対して、ますます高
い耐熱性が求められている。
【0006】従来より、車両灯具用レンズ用のプラスチ
ック材料としては、例えば、ポリスチレン樹脂、アクリ
ル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂な
どが使用されている(例えば、特開平9−45112号
公報、特開平9−45113号公報、特開平9−396
53号公報)。これらのうち、ポリスチレン樹脂及びア
クリル樹脂は、溶融流動性が高く成形加工性に優れてい
るが、耐熱性が低い。したがって、これらの樹脂製のレ
ンズは、ランプの発熱で変形しやすい。そのため、これ
らの樹脂製のレンズを用いた車両灯具では、レンズとラ
ンプとの間に充分な距離を取る必要があり、ランプ性能
の向上と車両灯具の小型化や薄型化に対応することが困
難である。しかも、これらの樹脂は、耐衝撃性に劣るた
め、車両の衝突や飛来した小石により、レンズが割れ易
いという問題があった。また、アクリル樹脂は、吸水率
が高く、吸水による変形を生じることがあるため、ラン
プカバー等の外部環境に直接触れるレンズの材料には適
さない。ポリカーボネート樹脂及びポリアリレート樹脂
は、荷重たわみ温度が130℃以上と高い耐熱性を有し
ているが、溶融流動性に劣り、薄肉成形や精密加工が困
難である。これらの樹脂は、溶融流動性を高めるために
成形温度を上げると、成形機内で加水分解し易く、外観
が良好なレンズを安定的に得ることが難しい。
【0007】近年、耐熱性及び耐水性(低吸湿性)に優
れたプラスチック材料として、熱可塑性ノルボルネン系
樹脂が開発されており、レンズなどの光学材料としての
用途展開も図られている。具体的に、特開昭61−29
2601号公報には、エチレンとノルボルネン系モノマ
ーを付加重合して得た熱可塑性ノルボルネン系樹脂を光
学材料として使用することが提案されており、光学材料
のひとつとして、自動車や自転車のライトまたはランプ
に使用するフレネルレンズが挙げられている。しかし、
この熱可塑性ノルボルネン系樹脂製のレンズは、車両や
車両用灯具がしばしば曝される高温高湿度環境下におい
て、白濁が生じて透明性が消失しまうという問題点があ
った。レンズの透明性が消失すると、照明や表示の機能
が阻害されるだけではなく、車両灯具の透明感や奥行感
などの外観上の高級感も損なわれる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、透明
性、低吸湿性、耐熱性、機械的強度などに優れ、薄肉化
や微細な表面構造の形成が可能で、しかも高温高湿度環
境下における白濁防止性に優れた車両灯具用レンズを提
供することにある。本発明者らは、上記従来技術の問題
点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、熱可塑性ノルボ
ルネン系樹脂などの脂環式構造含有熱可塑性樹脂に、多
価アルコールの部分エーテル化物や部分エステル化物な
どの特定のアルコール性化合物、エラストマー、該脂環
式構造含有熱可塑性樹脂と非相溶な化合物、有機または
無機のフィラーなどの一種以上を配合した樹脂組成物を
用いて、プレス成形や射出成形などによりレンズを作製
したところ、薄肉や微細な表面構造の成形が可能で、し
かも、透明性、低吸湿性、耐熱性、機械的強度に優れ、
さらには、高温高湿度環境下における白濁防止性が顕著
に優れ、特に車両灯具用レンズに適したレンズの得られ
ることを見いだした。熱可塑性ノルボルネン系樹脂など
の脂環式構造含有熱可塑性樹脂を光学材料の用途に使用
する場合、一般に、このような物質は配合されていな
い。ましてや、脂環式構造含有熱可塑性樹脂にこれらの
物質を配合した樹脂組成物によりレンズを形成した場
合、高温高湿度条件下で、白濁が防止されることは、予
期し得ないことであった。本発明は、これらの知見に基
づいて完成するに至ったものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、脂環式
構造含有熱可塑性樹脂に、白濁防止剤として、(1)少
なくとも1個のアルコール性水酸基と少なくとも1個の
エーテル結合またはエステル結合とを有するアルコール
性化合物、(2)エラストマー、(3)脂環式構造含有
熱可塑性樹脂と非相溶な前記以外の化合物、及び(4)
有機または無機のフィラーからなる群より選ばれる少な
くとも1種の物質を含有せしめてなる樹脂組成物から形
成された車両灯具用レンズが提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】脂環式構造含有熱可塑性樹脂 本発明に使用される脂環式構造含有熱可塑性樹脂は、主
鎖及び/または側鎖に脂環式の環構造を有するものであ
り、機械的強度や耐熱性などの観点から、主鎖に脂環構
造を含有するものが好ましい。脂環式構造としては、飽
和環状炭化水素(シクロアルカン構造)や不飽和環状炭
化水素(シクロアルケン)構造などが挙げられるが、機
械的強度や耐熱性などの観点から、シクロアルカン構造
が好適である。脂環構造を構成する炭素原子数には、格
別な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜2
0個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、
機械的強度、耐熱性、及び成形加工性が高度にバランス
され好適である。
【0011】本発明に使用される脂環式構造含有熱可塑
性樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、
使用目的に応じて適宜選択されるが、通常50重量%以
上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重
量%である。脂環式構造含有熱可塑性樹脂中の脂環構造
を有する繰り返し単位の割合が過度に少ないと、耐熱性
に劣り好ましくない。脂環式構造含有熱可塑性樹脂中の
環構造を有する繰り返し単位以外の残部は、格別な限定
はなく、使用目的に応じて適宜選択される。かかる脂環
式構造を有する熱可塑性樹脂の具体例としては、例え
ば、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環の環状オ
レフィン系重合体、(3)環状共役ジエン系重合体、
(4)ビニル脂環式炭化水素重合体、及びこれらの水素
添加物などが挙げられる。これらの中でも、ノルボルネ
ン系重合体及びその水素添加物などの熱可塑性ノルボル
ネン系樹脂、環状共役ジエン系重合体及びその水素添加
物などが好ましく、ノルボルネン系重合体及びその水素
添加物がより好ましい。
【0012】(1)ノルボルネン系重合体及びその水素
添加物 ノルボルネン系重合体としては、格別な制限はなく、例
えば、特開平3−14882号公報や特開平3−122
137号公報などで開示される方法によって、ノルボル
ネン系モノマーを重合したものが用いられる。具体的に
は、ノルボルネン系モノマーの開環重合体及びその水素
添加物、ノルボルネン系モノマーの付加型重合体、ノル
ボルネン系モノマーとビニル化合物の付加型重合体など
が挙げられる。これらの中でも、耐熱性や耐候性を高度
にバランスさせる上で、ノルボルネン系モノマーの開環
重合体水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加型重
合体、ノルボルネン系モノマーと共重合可能なビニル化
合物の付加型重合体などが好ましく、ノルボルネン系モ
ノマーの開環重合体水素添加物が特に好ましい。
【0013】ノルボルネン系モノマーは、上記各公報や
特開平2−227424号公報、特開平2−27684
2号公報などに開示されている公知のモノマーであっ
て、例えば、ノルボルネン構造を有する多環炭化水素;
そのアルキル、アルケニル、アルキリデン、芳香族等の
置換誘導体;ハロゲン、水酸基、エステル基、アルコキ
シ基、シアノ基、アミド基、イミド基、シリル基等の極
性基置換誘導体;これら極性基を有するアルキル、アル
ケニル、アルキリデン、芳香族等の置換誘導体;などが
挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン構造を有す
る多環炭化水素、及びそのアルキル、アルケニル、アル
キリデン、芳香族等の置換誘導体などが、高温高湿度環
境下における白濁防止性などに優れ好適である。
【0014】ノルボルネン系モノマーとしては、例え
ば、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用
名:ノルボルネン)、5−メチル−ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチル−ビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ブチル−ビシ
クロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヘキシル−
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−オクチ
ル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−オ
クタデシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−
2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]
ヘプト−2−エン、5−プロペニル−ビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノ−ビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシカルボ
ニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−
エトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−
2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシ
クロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチル−5
−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン、5−メチル−5−エトキシカルボニル−ビ
シクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチル−
5−エトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エ
ニル−2−メチルプロピオネイト、ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−5−エニル−2−メチルオクタネイト、ビ
シクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカ
ルボン酸無水物、5−ヒドロキシメチル−ビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジヒドロキ
シメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ヒドロキシ−i−プロピル−ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシ−ビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸イミ
ド、5−シクロペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキセニル−ビ
シクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェニル
−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン;トリシク
ロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用
名:ジシクロペンタジエン)、トリシクロ[4.3.1
2,5.01,6]デカ−3−エン;トリシクロ[4.4.1
2,5.01,6]ウンデカ−3,7−ジエン、トリシクロ
[4.4.12,5.01,6]ウンデカ−3,8−ジエン、
トリシクロ[4.4.12,5.01,6]ウンデカ−3−エ
ン;テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ド
デカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)、8
−メチルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]
−ドデカ−3−エン、8−エチルテトラシクロ[4.
4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−メ
チリデンテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]
−ドデカ−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ
[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、
8−ビニルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10
0]−ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テトラシク
ロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エ
ン、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.
2,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−メチル
−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.1
2,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−ヒドロキ
シメチル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10
0]−ドデカ−3−エン、8−カルボキシ−テトラシク
ロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エ
ン;8−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.1
2,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−シクロヘ
キシル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]
−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキセニル−テトラシ
クロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エ
ン、8−フェニル−シクロペンチル−テトラシクロ
[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン;
テトラシクロ[7.4.110,13.01,9.02,7]トリ
デカ−2,4,6,11−テトラエン(1,4−メタノ
−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともい
う)、テトラシクロ[8.4.111,14.01,10.0
3,8]テトラデカ−3,5,7,12−テトラエン
(1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−
ヘキサヒドロアントラセンともいう)、ペンタシクロ
[6.5.11,8.13,6.0 2,7.09,13]ペンタデカ
−3,10−ジエン、ペンタシクロ[7.4.13,6.1
10,13.01,9.02,7]ペンタデカ−4,11−ジエ
ン;などを挙げることができる。
【0015】これらのノルボルネン系モノマーは、それ
ぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いるこ
とができる。ノルボルネン系重合体中のノルボルネン系
モノマー単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択され
るが、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以
上、より好ましくは90重量%以上であるものが耐熱性
に優れ好適である。ノルボルネン系モノマーと共重合可
能なビニル化合物としては、例えば、エチレン、プロピ
レン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−
メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−
エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4
−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキ
セン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−
1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテ
ン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1
−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンな
どの炭素数2〜20のエチレンまたはα−オレフィン;
シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,
4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセ
ン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、
シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−
4,7−メタノ−1H−インデンなどのシクロオレフィ
ン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキ
サジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7
−オクタジエンなどの非共役ジエン;などが挙げられ
る。これらのビニル化合物は、それぞれ単独で、あるい
は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0016】ノルボルネン系モノマーまたはノルボルネ
ン系モノマーと共重合可能なビニル化合物との(共)重
合方法及び水素添加方法は、格別な制限はなく、公知の
方法に従って行うことができる。ノルボルネン系モノマ
ーの開環(共)重合体は、ノルボルネン系モノマーを、
開環重合触媒として、ルテニウム、ロジウム、パラジウ
ム、オスミウム、イリジウム、白金などの金属のハロゲ
ン化物、硝酸塩、またはアセチルアセトン化合物と、還
元剤とからなる触媒系、あるいは、チタン、バナジウ
ム、ジルコニウム、タングステン、モリブデンなどの金
属のハロゲン化物またはアセチルアセトン化物と、有機
アルミニウム化合物とからなる触媒系を用いて、溶媒中
または無溶媒で、通常、−50℃〜100℃の重合温
度、0〜50kg/cm2の重合圧力で開環(共)重合
させることにより得ることができる。触媒系に、分子状
酸素、アルコール、エーテル、過酸化物、カルボン酸、
酸無水物、酸クロリド、エステル、ケトン、含窒素化合
物、含硫黄化合物、含ハロゲン化合物、分子状ヨウ素、
その他のルイス酸などの第三成分を加えて、重合活性や
開環重合の選択性を高めることができる。
【0017】ノルボルネン系モノマーとビニル化合物と
の付加共重合体は、例えば、モノマー成分を、溶媒中ま
たは無溶媒で、バナジウム化合物と有機アルミニウム化
合物とからなる触媒系の存在下で、通常、−50℃〜1
00℃の重合温度、0〜50kg/cm2の重合圧力で
共重合させる方法により得ることができる。水素添加ノ
ルボルネン系重合体は、常法に従って、開環(共)重合
体などの不飽和結合を有するノルボルネン系重合体を、
水素添加触媒の存在下に水素により水素化する方法によ
り得ることができる。
【0018】(2)単環の環状オレフィン系重合体 単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、特開
昭64−66216号公報に開示されているシクロヘキ
セン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環
状オレフィン系モノマーの付加重合体を用いることがで
きる。
【0019】(3)環状共役ジエン系重合体及びその水
素添加物 環状共役ジエン系重合体としては、例えば、特開平6−
136057号公報や特開平7−258318号公報に
開示されているシクロペンタジエン、シクロヘキサジエ
ンなどの環状共役ジエン系モノマーを1,2−または
1,4−付加重合した重合体、及びその水素添加物など
を用いることができる。
【0020】(4)ビニル脂環式炭化水素重合体 ビニル脂環式炭化水素重合体としては、例えば、特開昭
51−59989号公報に開示されているビニルシクロ
ヘキセンやビニルシクロヘキサンなどの脂環式構造含有
ビニル系モノマーを重合した重合体及びその水素添加
物、特開昭63−43910号公報や特開昭64−17
06号公報などに開示されているスチレン、α−メチル
スチレンなどの芳香族ビニル系モノマーを重合した重合
体の芳香環部分の水素添加物などを用いることができ
る。本発明に使用される脂環式構造含有熱可塑性樹脂の
分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、シクロ
ヘキサンを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー(GPC)で測定されるポリイソプレン換算の
重量平均分子量(Mw)で、通常1,000〜200,
000、好ましくは2,000〜150,000、より
好ましくは5,000〜100,000、最も好ましく
は10,000〜80,000の範囲である。脂環式構
造含有熱可塑性樹脂の重量平均分子量(Mw)がこの範
囲にあるときに、機械的強度と成形加工性のバランスが
保たれ好適である。本発明に使用される脂環式構造含有
熱可塑性樹脂の分子量分布は、使用目的に応じて適宜選
択されるが、シクロヘキサンを溶媒とするGPCで測定
される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)
との比(Mw/Mn)で表すと、通常5.0以下、好ま
しくは4.0以下、より好ましくは3.0以下である。
【0021】本発明で使用する脂環式構造含有熱可塑性
樹脂のガラス転移温度(Tg)は、使用目的に応じて適
宜選択すればよいが、通常50〜350℃、好ましくは
70〜320℃、より好ましくは90〜300℃の範囲
である。樹脂のTgが高いほど、レンズ使用時のランプ
の発熱による変形に耐えられる耐熱性が高くなり、当該
樹脂製のレンズをランプに近接して使用しても変形しな
いため好ましい。樹脂のTgが高すぎると、成形時に成
形材料を加温する温度が高温となるため加工しにくい場
合が生じることがある。したがって、樹脂のTgは、前
記範囲にある時に、耐熱性と成形加工性が高度にバラン
スして好適である。本発明に使用される脂環式構造含有
熱可塑性樹脂の温度280℃、荷重2.16kgfにお
けるJIS K6719により測定したメルトフローレ
ートは、使用目的に応じて適宜選択すればよいが、通常
1〜100g/10min、好ましくは2〜70g/m
in、より好ましくは3〜50g/10minの範囲で
ある時に、薄肉や微細構造の成形性が最適となり好まし
い。これらの脂環式構造含有熱可塑性樹脂は、それぞれ
単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることが
できる。
【0022】白濁防止剤 本発明の車両灯具用レンズは、レンズ材料の脂環式構造
含有熱可塑性樹脂に、白濁防止剤として、(1)少なく
とも1個のアルコール性水酸基と少なくとも1個のエー
テル結合またはエステル結合とを有するアルコール性化
合物、(2)エラストマー、(3)脂環式構造含有熱可
塑性樹脂と非相溶な前記以外の化合物、及び(4)有機
または無機のフィラーからなる群より選ばれる少なくと
も1種の物質を配合することにより、透明性、低吸湿
性、耐熱性、機械的強度などの諸特性を低下させること
なく、高温高湿度環境下における白濁防止性を改善した
点に特徴を有する。白濁防止剤は、これらの中でも、
(1)少なくとも1個のアルコール性水酸基と少なくと
も1個のエーテル結合またはエステル結合とを有するア
ルコール性化合物及び(2)エラストマーが、透明性、
耐熱性、成形加工性、及び高温高湿度環境下における白
濁防止性を高度にバランスさせ好適である。
【0023】(1)アルコール性化合物 本発明に使用されるアルコール性化合物は、少なくとも
1個のアルコール性水酸基と少なくとも1個のエーテル
結合とを有する化合物、あるいは、少なくとも1個のア
ルコール性水酸基と少なくとも1個のエステル結合とを
有する化合物である。少なくとも1個のアルコール性水
酸基と少なくとも1個のエーテル結合を有する化合物と
は、フェノール性の水酸基ではないアルコール性の水酸
基を少なくとも1個と、分子中にエーテル結合単位を少
なくとも1個とを有する有機化合物であれば特に限定は
されない。例えば、好ましくは2価以上の多価アルコー
ル、より好ましくは3価以上の多価アルコール、さらに
好ましくは3〜8個の水酸基を有する多価アルコールな
どの水酸基の一部がエーテル化された部分エーテル化合
物が挙げられる。また、少なくとも1個のアルコール性
水酸基と少なくとも1個のエステル結合とを有する化合
物とは、フェノール性の水酸基ではないアルコール性の
水酸基を少なくとも1個と、分子中にエステル結合単位
を少なくとも1個とを有する有機化合物であれば特に限
定はされない。例えば、好ましくは2価以上の多価アル
コール、より好ましくは3価以上の多価アルコール、さ
らに好ましくは3〜8個の水酸基を有する多価アルコー
ルなどの水酸基の一部がエステル化された部分エステル
化合物が挙げられる。
【0024】2価以上の多価アルコールとしては、例え
ば、ポリエチレングリコール、グリセロール、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセロー
ル、トリグリセロール、ジペンタエリスリトール、1,
6,7−トリヒドロキシ−2,2−ジ(ヒドロキシメチ
ル)−4−オキソヘプタン、ソルビトール、2−メチル
−1,6,7−トリヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル
−4−オキソヘプタン、1,5,6−トリヒドロキシ−
3−オキソヘキサンペンタエリスリトール、トリス(2
−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートなどが挙げられ
るが、これらのうち、特に3価以上の多価アルコール、
さらには3〜8個の水酸基を有する多価アルコールが好
ましい。また、部分エステル化物を得るには、α、β−
ジオールを含む部分エステル化物が合成可能なグリセロ
ール、ジグリセロール、トリグリセロールなどが好まし
い。
【0025】このような部分エーテル化物及び部分エス
テル化物として、具体的には、例えば、グリセリンモノ
ステアレート、グリセリンモノラウレート、グリセリン
モノベヘネート、ジグリセリンモノステアレート、グリ
セリンジステアレート、グリセリンジラウレート、ペン
タエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリト
ールモノラウレート、ペンタエリスリトールモノベヘレ
ート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエ
リスリトールジラウレート、ペンタエリスリトールトリ
ステアレート、ジペンタエリスリトールジステアレート
などの多価アルコールのエステル化物、及び対応するエ
ーテル化物;3−(オクチルオキシ)−1,2−プロパ
ンジオール、3−(デシルオキシ)−1,2−プロパン
ジオール、3−(ラウリルオキシ)−1,2−プロパン
ジオール、3−(4−ノニルフェニルオキシ)−1,2
−プロパンジオール、1,6−ジヒドロオキシ−2,2
−ジ(ヒドロキシメチル)−7−(4−ノニルフェニル
オキシ)−4−オキソヘプタン、p−ノニルフェニルエ
ーテルとホルムアルデヒドの縮合体とグリシドールの反
応により得られるエーテル化物、p−オクチルフェニル
エーテルとホルムアルデヒドの縮合体とグリシドールの
反応により得られるエーテル化物、p−オクチルフェニ
ルエーテルとジシクロペンタジエンの縮合体とグリシド
ールの反応により得られるエーテル化物などが挙げられ
る。これらの多価アルコールのエーテル化合物またはエ
ステル化合物の分子量は、特に限定されないが、通常1
00〜3000、好ましくは200〜2000、より好
ましくは300〜1500の範囲であるときに、透明性
と白濁防止効果が高度にバランスされ好適である。
【0026】(2)エラストマー エラストマーは、ガラス転移温度が40℃以下の重合体
であって、通常のゴム質重合体及び熱可塑性エラストマ
ーが含まれる。なお、ブロック共重合したゴム質重合体
などで、ガラス転移温度が2点以上ある場合は、最も低
いガラス転移温度が40℃以下であれば、本発明のガラ
ス転移温度が40℃以下のエラストマーとして用いるこ
とができる。エラストマーの例としては、イソプレンゴ
ム、その水素添加物;クロロプレンゴム、その水素添加
物;エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・α−オ
レフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合
体などの飽和ポリオレフィンゴム;エチレン・プロピレ
ン・ジエン共重合体、α−オレフィン・ジエン共重合
体、ジエン共重合体、イソブチレン・イソプレン共重合
体、イソブチレン・ジエン共重合体などのジエン系共重
合体、これらのハロゲン化物、ジエン系重合体またはそ
のハロゲン化物の水素添加物;アクリロニトリル・ブタ
ジエン共重合体、その水素添加物;フッ化ビニリデン・
三フッ化エチレン共重合体、フッ化ビニリデン・六フッ
化プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン・六フッ化プ
ロピレン・四フッ化エチレン共重合体、プロピレン・四
フッ化エチレン共重合体などのフッ素ゴム;ウレタンゴ
ム、シリコーンゴム、ポリエーテル系ゴム、アクリルゴ
ム、クロルスルホン化ポリエチレンゴム、エピクロルヒ
ドリンゴム、プロピレンオキサイドゴム、エチレンアク
リルゴムなどの特殊ゴム;ノルボルネン系モノマーとエ
チレンまたはα−オレフィンとの共重合体、ノルボルネ
ン系モノマーとエチレンとα−オレフィンの三元共重合
体、ノルボルネン系モノマーの開環重合体、ノルボルネ
ン系モノマーの開環重合体水素添加物などのノルボルネ
ン系ゴム質重合体;乳化重合または溶液重合したスチレ
ン・ブタジエンゴム、ハイスチレンゴムなどのランダム
またはブロックのスチレン・ブタジエン系共重合体、こ
れらの水素添加物;スチレン・ブタジエン・スチレンゴ
ム、スチレン・イソプレン・スチレンゴム、スチレン・
エチレン・ブタジエン・スチレンゴムなどの芳香族ビニ
ル系モノマーと共役ジエンのランダム共重合体、これら
の水素添加物;スチレン・ブタジエン・スチレンゴム、
スチレン・イソプレン・スチレンゴム、スチレン・エチ
レン・ブタジエン・スチレンゴムなどの芳香族ビニル系
モノマーと共役ジエンとの直鎖状または放射状ブロック
共重合体、これらの水素添加物などのスチレン系熱可塑
性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポ
リアミド系熱可塑性エラストマー、1,2−ポリブタジ
エン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エ
ラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマーなどの熱可
塑性エラストマー;等が挙げられる。
【0027】これらの中でも、芳香族ビニル系モノマー
と共役ジエン系モノマーとの共重合体、及びその水素添
加物が、脂環式構造含有熱可塑性樹脂との分散性が良好
で好ましい。芳香族ビニル系モノマーと共役ジエン系モ
ノマーとの共重合体はブロック共重合体でもランダム共
重合体でもよい。耐熱性の点からは、芳香環以外の部分
を水素添加している水添共重合体がより好ましい。具体
的には、スチレン・ブタジエンブロック共重合体、スチ
レン・ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体、スチ
レン・イソプレン・ブロック共重合体、スチレン・イソ
プレン・スチレン・ブロック共重合体、スチレン・ブタ
ジエン・ランダム共重合体、及びこれらの水素添加物な
どが挙げられる。
【0028】(3)脂環式構造含有熱可塑性樹脂と非相
溶な前記以外の化合物 脂環式構造含有熱可塑性樹脂と非相溶な前記以外の化合
物は、前記のアルコール製化合物やエラストマー以外の
化合物であって、かつ、脂環式構造含有熱可塑性樹脂と
非相溶な化合物である。脂環式構造含有熱可塑性樹脂と
非相溶な化合物は、脂環式構造含有熱可塑性樹脂に完全
に溶解しない非相溶化合物であれば特に限定はされな
い。非相溶については、樹脂工業界の常法に従って判断
される。例えば、脂環式構造含有熱可塑性樹脂100重
量部に対し、化合物5重量部を溶融混合した組成物を、
電子顕微鏡で10万倍に拡大観察し、10cm×15c
mの範囲の中に1mm2以上のドメインまたは粒子を少
なくとも1個以上有するものを非相溶と定義することが
できる。
【0029】非相溶な化合物としては、通常、脂環式構
造含有熱可塑性樹脂以外のその他の樹脂が用いられる。
脂環式構造含有熱可塑性樹脂と非相溶なその他の樹脂と
しては、例えば、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェ
ニレンエーテルなどのポリエーテルまたはポリチオエー
テル;芳香族ポリエステル、ポリアリレート、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リカーボネート、ポリエーテルケトンなどのポリエステ
ル系重合体;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−
メチル−ペンテン−1などの鎖状ポリオレフィン系重合
体;ポリメチルメタクリレート、シクロヘキシルメタク
リレートとメチルメタクリレート共重合体、ポリアクリ
ロニトリルスチレン(AS樹脂)などの汎用の透明樹
脂;アクリル樹脂;MS樹脂;液晶プラスチックなどが
挙げられる。
【0030】これらの脂環式構造含有熱可塑性樹脂に非
相溶の化合物を添加すると、多くの場合、成形品に多数
の分散したミクロドメインが形成される。ミクロドメイ
ンを形成する場合には、電子顕微鏡で観察したドメイン
の平均粒径[(長径+短径)/2]は、通常0.001
〜0.5μm、好ましくは0.005〜0.3μm、特
に好ましくは0.01〜0.2μmの大きさである時
に、成形品の透明性と、高温高湿度環境下での白濁防止
効果が高度にバランスされ好適である。
【0031】(4)有機または無機のフィラー 有機または無機のフィラーは、高分子工業分野で一般に
使用されているものであれば、特に限定されない。有機
フィラーとしては、通常の有機重合体粒子または架橋有
機重合体粒子を用いることができる。具体的には、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチル−1−
ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリ1−ブテ
ンなどのポリオレフィン;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、
ポリクロロプレン、塩素化ゴムなどのハロゲン含有ビニ
ル重合体;ポリアリレート、ポリメタクリレ―ト、ポリ
アクリルアミド、ポリアクリロニトリル、アクリロニト
リル・ブタジエン・スチレン共重合体、アクリロニトリ
ル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・スチレン・
アクリル酸エステル共重合体などのα,β−不飽和酸ま
たはその誘導体から誘導された(共)重合体;ポリビニ
ルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリスレアリン酸ビニ
ル、ポリ安息香酸ビニル、ポリマレイン酸ビニル、ポリ
ビニルブチラール、ポリアリルフタレート、ポリアリル
メラミン、エチレン・酢酸ビニル共重合体などの不飽和
アルコール及びアミンまたはそのアシル誘導体またはア
セタールから誘導された重合体;ポリエチレンオキシド
またはビスグリシジルエーテルから誘導された重合体;
ポリフェニレンオキシド;ポリカーボネート;ポリスル
フォン;ポリウレタン及び尿素樹脂;ナイロン6、ナイ
ロン66、ナイロン11、ナイロン12などのポリアミ
ド;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリ1,4−ジメチロール・シクロヘキサン
テレフタレートなどのポリエステル;フェノール・ホル
ムアルデヒド樹脂、尿素・ホルムアルデヒド樹脂、メラ
ミン・ホルムアルデヒド樹脂などのアルデヒドと、フェ
ノール、尿素またはメラミンとから誘導された架橋構造
を有する重合体;アルキッド樹脂;セルロース、ゴム、
蛋白質、またはそれらの誘導体、例えば、酢酸セルロー
ス、プロピオン酸セルロース、セルロースエーテルなど
の天然高分子化合物;などの粒子または架橋粒子を挙げ
ることができる。
【0032】無機フィラーとは、1族、2族、4族、6
族、7族、8〜10族、11族、12族、13族、また
は14族元素の酸化物、水酸化物、硫化物、窒素化物、
ハロゲン化物、炭酸塩、硫酸塩、酢酸塩、燐酸塩、亜燐
酸塩、有機カルボン酸塩、珪酸塩、チタン酸塩、硼酸
塩、及びこれらの含水化合物、これらを中心とする複合
化合物、これらの化学的組成を持つ天然鉱物粒子であ
る。具体的には、フッ化リチウム、硼砂(硼酸ナトリウ
ム含水塩)などの1族元素化合物;炭酸マグネシウム、
燐酸マグネシウム、酸化マグネシウム、塩化マグネシウ
ム、酢酸マグネシウム、フッ化マグネシウム、チタン酸
マグネシウム、珪酸マグネシウム、珪酸マグネシウム含
水塩(タルク)、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、亜
燐酸カルシウム、硫酸カルシウム(石膏)、酢酸カルシ
ウム、テレフタル酸カルシウム、水酸化カルシウム、珪
酸カルシウム、フッ化カルシウム、チタン酸カルシウ
ム、チタン酸ストロンチウム、炭酸バリウム、燐酸バリ
ウム、硫酸バリウム、亜燐酸バリウムなどの2族元素化
合物; 二酸化チタン(チタニア)、一酸化チタン、窒
化チタン、二酸化ジルコニウム(ジルコニア)、一酸化
ジルコニウムなどの4族元素化合物;二酸化モリブデ
ン、三酸化モリブデン、硫化モリブデンなどの6族元素
化合物;塩化マンガン、酢酸マンガンなどの7族元素化
合物;塩化コバルト、酢酸コバルトなどの8〜10族元
素化合物;沃化第一銅などの11族元素化合物;酸化亜
鉛、酢酸亜鉛などの12族元素化合物;酸化アルミニウ
ム(アルミナ)、フッ化アルミニウム、アルミノシリケ
ート(珪酸アルミナ、カオリン、カオリナイト)などの
13族元素化合物;酸化珪素(シリカ、シリカゲル)、
石墨、カーボン、グラファイト、ガラスなどの14族元
素化合物;カーナル石、カイナイト、雲母(マイカ、キ
ンウンモ)、バイロース鉱などの天然鉱物の粒子が挙げ
られる。
【0033】フィラーの平均粒径は、使用用途に応じて
適宜選択されるが、(長径+短径)/2の平均粒径で、
通常0.01〜50μm、好ましくは0.1〜30μm
の範囲である。フィラーの平均粒径がこの範囲にある時
に、透明性と高温高湿度環境下での白濁防止効果とが高
度にバランスされ好適である。また、粒子形状は、格別
な限定はないが、長辺と短辺の長さの比が2対1以下で
ある球状粒子が好適である。本発明に使用される白濁防
止剤の屈折率は、使用目的に応じて適宜選択すればよい
が、脂環式構造含有熱可塑性樹脂の屈折率との差が、通
常0.5以下、好ましくは0.2以下、より好ましくは
0.1以下であるものが、透明性と高温高湿度環境下に
おける白濁防止性が高度にバランスされ好適である。こ
れらの白濁防止剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以
上を組み合わせて用いることができる。白濁防止剤の配
合割合は、白濁防止効果が発揮され得る範囲で適宜選択
すればよいが、脂環式構造含有熱可塑性樹脂100重量
部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは
0.05〜5重量部、より好ましくは0.1〜2重量部
の割合で配合する場合に、耐熱性、透明性、及び高温高
湿度環境下における白濁防止効果が高度にバランスされ
て好適である。
【0034】車両灯具用レンズ 本発明の車両灯具用レンズは、脂環式構造含有熱可塑性
樹脂に、白濁防止剤、及び必要に応じてその他の配合剤
を添加した樹脂組成物を、レンズ状に成形して得ること
ができる。その他の配合剤としては、例えば、安定剤、
滑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、染料、着色剤、ブロ
ッキング防止剤、天然油、合成油、ワックス、難燃剤、
難燃助剤、相溶化剤、架橋剤、架橋助剤、可塑剤などが
挙げられる。これらのその他の配合剤は、それぞれ単独
で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられ、その配
合割合は、本発明の目的を損ねない範囲で適宜選択され
る。
【0035】レンズの成形方法としては、常法に従えば
よく、例えば、射出成形、プレス成形、押出ブロー成
形、射出ブロー成形、多層ブロー成形、コネクションブ
ロー成形、二重壁ブロー成形、延伸ブロー成形、真空成
形、回転成形などの成形方法が挙げられる。これらの中
でも、射出成形法及びプレス成形法が、光学特性の面内
のバラツキを小さくでき、かつ、肉薄で微細な表面構造
の成形性にも優れるので好適である。プレス成形法とし
ては、例えば、溶融押出法により作製したシートまたは
フィルム等を、成形しようとするレンズ形状の金型内で
加温・加圧する方法が挙げられる。成形条件は、成形法
及び使用する脂環式構造含有熱可塑性樹脂の種類によっ
ても異なるが、樹脂温度が通常100〜400℃、好ま
しくは200〜350℃で、圧力が通常1〜1000k
g重/cm2、5〜500kg重/cm2で、加温時間が
通常数秒間〜数十分間の範囲で適宜選択される。
【0036】本発明の車両灯具用レンズの種類は、格別
な限定はなく、例えば、前照灯、補助前照灯、車幅灯、
番号灯、尾灯、駐車灯、制動灯、後退灯、方向指示器
灯、補助方向指示器灯、非常点滅表示灯などの車両灯具
において、光源または反射鏡から照射された光を所望の
方向に収束もしくは拡散させて、所望の方向への輝度を
上げるために使用されるレンズであればよい。例えば、
車両灯具の内側表面または外側表面に光を収束または拡
散させるための凹凸を設けたランプカバーや、ランプと
ランプカバーとの間に設置するインナーレンズなどが挙
げられ、好ましくはインナーレンズである。
【0037】本発明の車両灯具用レンズの形状は、格別
な限定はなく、使用灯具に応じて適宜選択される。例え
ば、インナーレンズの場合は、特開平5−290606
号公報、特開平6−176608号公報、特開平7−2
54302号公報、特開平8−96609号公報、特開
平9−39653号公報、特開平9−45112号公
報、特開平9−45113号公報、特開平9−1859
05号公報などに開示されているような形状をとること
ができる。具体的には、凸レンズ、魚眼レンズ、曲面状
レンズ、平板状レンズなどがある。多くの場合、その表
面に複数のプリズムパターンなどのレンズカットが形成
されている。レンズカットとしては、例えば、出射光束
を収束または拡散させるためにプリズムカット状の多数
の凹凸が形成されたもの、同心円状に屈折型または反射
型のフレネルカットが形成されたもの、微小間隔で干渉
縞を形成したホログラム部を有するものなどがある。プ
リズムの形状には、波状のものやパルス状のもの、これ
らを組み合わせたものなどがある。また、一枚のレンズ
に、フレネル部とホログラム部を形成したものなどもあ
る。
【0038】具体的な形状の一例としては、例えば、図
1に示すようなフレネルレンズ形状がある。この形状
は、レンズ面(最外周)の直径が1mm〜1000mm
程度、曲面の分割数(レンズ面が幾つかに分割されてい
るか、例えば、図1では、レンズ面が5つの同心リング
状に分かれており。5分割と呼ぶものとする。)が、2
以上で、その上限には格別な制限はない。図2は、図1
のフレネルレンズの断面図であり、フレネルレンズ1の
厚み3の方向にフレネルカット2が施されていることを
示す。
【0039】本発明の車両灯具用レンズは、必要に応じ
て、成形品にキズや汚れが付かないように保護層を設け
てもよい。保護層の形成の方法は、特に限定されない。
例えば、紫外線硬化型樹脂または熱硬化型樹脂を、スピ
ンコート、スプレー塗装、ディッピング、フローコーテ
ィング等の方法で、レンズ表面に塗布後、硬化する方法
が挙げられる。レンズと保護層との密着性を向上させる
ために、レンズ表面に改質処理及び/またはプライマー
処理を施してもよい。表面改質処理の例としては、コロ
ナ放電処理、プラズマ処理、電子線照射処理、紫外線照
射処理などのエネルギー線照射処理や、重クロム酸カリ
ウム溶液等の酸化剤水溶液と接触させる薬品処理が挙げ
られる。本発明の車両灯具用レンズは、薄肉化や微細な
表面構造の形成が可能で、透明性、低吸湿性、耐熱性、
及び機械的強度に優れ、しかも高温高湿度環境下におけ
る白濁防止性に優れるので、自動車、二輪車、トラッ
ク、バス、電車等の通常の乗り物の各種灯具のレンズと
して好適に用いることができる。
【0040】
【実施例】以下、本発明について、製造例、実施例、及
び比較例を挙げて、より具体的に説明する。これらの例
において、部及び%は、特に断りのない限り、重量基準
である。また、各種物性の測定法は、次のとおりであ
る。 (1)ガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC法)
により測定した。 (2)分子量は、特に記載しない限り、シクロヘキサン
を溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)で測定されるポリイソプレン換算値として測
定した。 (3)水素添加率は、1H−NMR法により測定した。 (4)メルトフローレートは、JIS K6719によ
り、温度280℃、荷重2.16kgfで測定した。 (5)透明性 試験片の可視光の光線透過率を測定し、次の基準で評価
した。 ◎:可視光の光線透過率が92%以上(非常に良好)、 ○:可視光の光線透過率が90%以上、92%未満(良
好)、 ×:可視光の光線透過率が90%未満(不良)。
【0041】(6)成形加工性 試験片表面の溝の状態を顕微鏡で観察し、ボイド、クラ
ック、欠け等の欠陥の有無を評価した。評価基準は、次
のとおりである。 ◎:欠陥の無いものが10枚中0枚(非常に良好)、 ○:欠陥の無いものが10枚中1〜3枚(良好)、 △:欠陥の無いものが10枚中4〜6枚(やや不良)、 ×:欠陥の無いものが10枚中7枚以上(不良)。 (7)機械的強度 試験片上に、3/4インチ半径のミサイル型の重り(重
さ100g)を1mの高さより自然落下させて、割れや
亀裂が入るかどうか観察し、以下の基準で評価した。 ◎:割れや亀裂の無いものが10枚中0枚(非常に良
好)、 ○:割れや亀裂の無いものが10枚中1〜3枚(良
好)、 △:割れや亀裂の無いものが10枚中4〜6枚(やや不
良)、 ×:割れや亀裂の無いものが10枚中7枚以上(不
良)。
【0042】(8)吸湿変形試験 試験片を、温度23℃、相対湿度90%の恒温恒湿槽に
1000時間放置し、試験片の吸湿変形(反り)の有無
を確認し、以下の基準で評価した。 ◎:反りの大きさが0.2mm未満(非常に良好)、 ○:反りの大きさが0.2mm以上0.4mm未満(良
好)、 △:反りの大きさが0.4mm以上0.6mm未満(や
や不良)、 ×:反りの大きさが0.6mm以上(不良)。 (9)耐熱性 試験片を、温度80℃、相対湿度20%の恒温恒湿槽に
1000時間放置し、試験片の吸湿変形(反り)の有無
を確認し、以下の基準で評価した。 ◎:反りの大きさが0.2mm未満(非常に良好)、 ○:反りの大きさが0.2mm以上0.4mm未満(良
好)、 △:反りの大きさが0.4mm以上0.6mm未満(や
や不良)、 ×:反りの大きさが0.6mm以上(不良)。
【0043】(10)高温高湿度環境下の耐久試験 試験片を、温度80℃、相対湿度90%の恒温恒湿槽に
1000時間放置し、急激に室温環境(試験機外)に取
り出して数分経過後の白濁状態(光線透過率の変化)を
評価した。可視紫外分光光度計にて700nmの光線透
過率を測定し、(試験後の光線透過率/成形直後の光線
透過率)×100の値を算出して、以下の基準で評価し
た。 ◎:この値が98%以上(非常に良好)、 ○:この値が96%以上、98%未満(良好)、 △:この値が94%以上、96%未満(やや不良)、 ×:この値が94%未満(不良)。
【0044】[実施例1]窒素雰囲気下、脱水したトル
エン400部に、1−ヘキセン0.68部、イソプロピ
ルエーテル0.25部、イソブチルアルコール0.18
部、イソブチルアルミニウム0.48部、及び六塩化タ
ングステン0.77重量%トルエン溶液42部を室温で
重合反応器に入れ混合した後、45℃で、1,4−メタ
ノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン10
0部、テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕ド
デカ−3−エン100部、及び六塩化タングステン0.
77重量%トルエン溶液25部を2時間かけて連続添加
し、重合を行った。この重合反応液300部を攪拌機付
きオートクレーブに移し、アルミナ担持ニッケル触媒9
部を加え、190℃、45kgf/cm2で8時間反応
させた。この溶液をケイソウ土をろ過助剤としてポアサ
イズ1μmのろ紙でろ過した。得られた反応溶液を20
00部のイソプロピルアルコール中に攪拌下に注いで、
水素添加樹脂を沈澱させ、ろ過して回収した。さらに、
アセトン500部で洗浄した後、1torr以下、10
0℃に設定した真空乾燥器中で24時間乾燥し、開環重
合体水素添加物を得た。
【0045】開環重合体水素添加物の主鎖の水素添加率
は100%、側鎖6員環の水素添加率は99.9%であ
った。シクロヘキサンを移動相に用いた高速液体クロマ
トグラフィー(ポリイソプレン換算)より、得られたポ
リマーの数平均分子量(Mn)は、25,900、重量
平均分子量(Mw)は、53,400、分子量分布(M
w/Mn)は、2.06であった。また、この開環重合
体水素添加物のガラス転移温度は、160℃、メルトフ
ローレートは、15g/minであった。得られた開環
重合体水素添加物100部に、ゴム質重合体(旭化成社
製タフテックH1052、ガラス転移温度0℃以下)
0.2部、老化防止剤(チバガイギー社製イルガノック
ス1010)0.1部を添加し、2軸混練機(東芝機械
社製TEM−35B、スクリュー径37mm、L/D=
32、スクリュー回転数250rpm、樹脂温度240
℃、フィードレート10kg/時間)で混練し、押し出
し、ペレット化した。得られたペレットを用いて、押出
機で加熱混練後、樹脂温度220℃で溶融押出成形し、
冷却後300×300×3mmの基板を得た。次いで得
られた基板をフレネルレンズ金型内に配置し、成形温度
150℃、成形圧力30kg/cm2、成形時間10分
で加熱プレス成形した後、10分間水冷して成形品(レ
ンズ)を得た。フレネルレンズ部の形状は、最外周の直
径が200mmで、球状曲面を20分割したレンズであ
った。結果を表1に示す。
【0046】[実施例2]実施例1のゴム質重合体(旭
化成社製タフテックH1052)0.2部の代わりに、
ノニルフェニルエーテル1分子にグリシドール2分子の
割合で反応しているポリ(オキシ−2−ヒドロキシルト
リメチレン)ノニルフェニルエーテル0.5部を添加し
たこと以外は、実施例1と同様の方法でペレットを製造
し、同様の条件で射出成形しフレネルレンズ部を有する
レンズを作製した。結果を表1に示す。
【0047】[実施例3]実施例1において、モノマー
として、ジシクロペンタジエン170部及び8−メチル
−テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕ドデカ
−3−エン30部を用いたこと以外は、実施例1と同様
の方法でペレットを製造し、同様の条件で射出成形しフ
レネルレンズ部を有するレンズを作製した。結果を表1
に示す。
【0048】[実施例4]脂環式構造含有熱可塑性樹脂
として、三井石油化学社製APELを用いたこと以外
は、実施例1と同様の方法でペレットを製造し、同様の
条件で射出成形しフレネルレンズ部を有するレンズを作
製した。結果を表1に示す。
【0049】[実施例5]脂環式構造含有熱可塑性樹脂
として、三井石油化学社製TOPASを用いたこと以外
は、実施例1と同様の方法でペレットを製造し、同様の
条件で射出成形しフレネルレンズ部を有するレンズを作
製した。結果を表1に示す。
【0050】[実施例6]8−メチル−8−メトキシカ
ルボニル−テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10
0〕ドデカ−3−エン100g、1,2−ジメトキシメ
タン60g、シクロヘキサン240g、1−ヘキセン9
g、及びジエチルアルミニウムクロライド0.96モル
/リットルのトルエン溶液3.4mlを内容積1リット
ルのオートクレーブに加えた。一方、別のフラスコに、
六塩化タングステンの0.05モル/リットルの1,2
−ジメトキシメタン溶液20mlとパラアルデヒドの
0.1モル/リットルの1,2−ジメトキシメタン溶液
10mlを混合した。この混合液4.9mlを前記オー
トクレーブ中の混合物に添加した。密栓後、混合物を8
0℃に加熱して3時間攪拌を行った。得られた重合体溶
液に1,2−ジメトキシエタンとシクロヘキサンの2/
8(重量比)の混合溶媒を加えて重合体/溶媒が1/1
0(重量比)にした後、トリエタノールアミン20gを
加えて10分間攪拌した。この重合溶液に、メタノール
500gを加えて30分間攪拌して静置した。2層に分
離した上層を除き、再びメタノールを加えて攪拌、静置
後上層を除いた。同様の操作をさらに2回行い、得られ
た下層をシクロヘキサン、1,2−ジメトキシエタンで
適宜希釈し、重合体濃度が10%のシクロヘキサン−
1,2−ジメトキシエタン溶液を得た。この溶液に20
gのパラジウム/シリカマグネシア(日揮化学社製、パ
ラジウム量=5%)を加えて、オートクレーブ中で水素
圧40kg/cm2として165℃で4時間反応させた
後、水添触媒をろ過によって取り除き、水添重合体溶液
を得た。また、この水添重合体溶液に、酸化防止剤であ
るペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕を水添重合体に対して0.1%加えてから380℃
で減圧下に脱溶媒を行った。
【0051】得られた重合体水素添加物の数平均分子量
(Mn)は、17000、重量平均分子量(Mw)は、
46000、分子量分布(Mw/Mn)は、2.71で
あった。また、この重合体水素添加物のガラス転移温度
は、168℃、メルトフローレートは、13g/min
であった。得られた重合体水素添加物100部に、ゴム
質重合体(旭化成社製タフテックH1052、ガラス転
移温度0℃以下)0.2部を添加し、2軸混練機(東芝
機械社製TEM−35B、スクリュー径37mm、L/
D=32、スクリュー回転数250rpm、樹脂温度2
40℃、フィードレート10kg/時間)で混練し、押
し出し、ペレット化した。得られたペレットを用いて、
実施例1と同様にしてフレネル部を有するレンズを作製
した。結果を表1に示す。
【0052】[実施例7]白濁防止剤として、ゴム質重
合体0.2部に代えて、ポリ(4−メチル−1−ペンテ
ン)(三井石油化学社製TPX DX−820)0.5
部を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法でペレッ
トを製造し、同様の条件で射出成形しフレネルレンズ部
を有するレンズを作製した。結果を表1に示す。
【0053】[実施例8]白濁防止剤として、ゴム質重
合体0.2部に代えて、コロイダルシリカ(日本アエロ
ジル社製R−972)0.3部を用いたこと以外は、実
施例1と同様の方法でペレットを製造し、同様の条件で
射出成形しフレネルレンズ部を有するレンズを作製し
た。結果を表1に示す。
【0054】[比較例1]脂環式構造含有熱可塑性樹脂
として三井石油化学社製APELを用い、白濁防止剤を
添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法でペ
レットを製造し、同様の条件で射出成形しフレネルレン
ズ部を有するレンズを作製した。結果を表1に示す。
【0055】[比較例2]プラスチック材料としてポリ
カーボネート(帝人社製パンライト)を用いたこと以外
は、実施例1と同様にしてフレネル部を有するレンズを
作製した。結果を表1に示す。
【0056】[比較例3]プラスチック材料としてポリ
メチルメタクリレート(三菱レイヨン社製アクリペット
VH)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてフレ
ネル部を有するレンズを作製した。結果を表1に示す。
【0057】
【表1】 表1の結果から明らかなように、本発明の車両灯具用レ
ンズ(実施例1〜6)は、透明性、成形加工性、機械的
強度、耐湿性、耐熱性などの諸特性を保持しつつ、耐高
温高湿度性(白濁防止性)が顕著に改善されていること
がわかる。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、透明性、低吸湿性、耐
熱性、機械的強度などに優れ、薄肉化や微細な表面構造
の形成が可能で、しかも、高温高湿度環境下における白
濁防止性に優れた車両灯具用レンズが提供される。本発
明の車両灯具用レンズは、自動車、二輪車、トラック、
バス、電車等の各種車両の灯具用レンズとして好適であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】フレネルレンズの一例を示す正面図である。
【図2】図1のフレネルレンズの断面図である。
【符号の説明】
1:フレネルレンズ本体 2:フレネルカット 3:厚み
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F21V 5/00 Fターム(参考) 3K042 AA08 AA09 AA12 AB04 BC02 3K080 AA00 AA02 AA04 AB01 AB15 BB02 BB08 BB09 BB29 4J002 AB012 AC022 AC092 AC112 AD002 BB022 BB112 BB152 BB162 BB171 BB172 BB242 BB272 BC022 BD032 BD102 BD122 BE062 BF012 BF042 BG032 BG102 BJ002 BK001 BK002 BL021 BP012 CC032 CC162 CC182 CF032 CF042 CF162 CG002 CH022 CH042 CH062 CK022 CL002 CN012 CN032 CP032 DA016 DA026 DD036 DD066 DD076 DD086 DE076 DE086 DE096 DE106 DE136 DE146 DE186 DE236 DF016 DG026 DG056 DH036 DH046 DJ006 DJ016 DJ036 DJ056 DK006 DL006 EC056 ED026 ED056 EG036 EG046 EG106 EH056 EU196 FD016 FD202 FD206 GN00 GP01

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂環式構造含有熱可塑性樹脂に、白濁防
    止剤として、(1)少なくとも1個のアルコール性水酸
    基と少なくとも1個のエーテル結合またはエステル結合
    とを有するアルコール性化合物、(2)エラストマー、
    (3)脂環式構造含有熱可塑性樹脂と非相溶な前記以外
    の化合物、及び(4)有機または無機のフィラーからな
    る群より選ばれる少なくとも1種の物質を含有せしめて
    なる樹脂組成物から形成された車両灯具用レンズ。
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