JP2000075102A - 集光シート - Google Patents

集光シート

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JP2000075102A
JP2000075102A JP10245709A JP24570998A JP2000075102A JP 2000075102 A JP2000075102 A JP 2000075102A JP 10245709 A JP10245709 A JP 10245709A JP 24570998 A JP24570998 A JP 24570998A JP 2000075102 A JP2000075102 A JP 2000075102A
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Japan
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light
alicyclic structure
sheet
formula
weight
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JP10245709A
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English (en)
Inventor
Junko Maruyama
淳子 丸山
Teiji Obara
禎二 小原
Kazuyo Ishimaru
一世 石丸
Tatsuo Miyazaki
達雄 宮崎
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】透明性および耐光性に優れるなどの光学特性に
優れ、光のロスが少なく、しかも製造が容易で、特に耐
光性を改良した集光シートを提供する。 【解決手段】本発明の集光シートは、脂環式構造を有す
る繰り返し単位中にノルボルナン環構造を有さない脂環
式構造からなる繰り返し単位を10重量%以上含有する
脂環式構造含有熱可塑性樹脂からなることを特徴とす
る。本発明に係る集光シートは、特定の脂環式構造含有
熱可塑性樹脂で構成してあることから、特に耐光性が向
上し、光の透過によっても集光シートが黄変して透過率
が低下することがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、集光シートに係
り、さらに詳しくは、透明性および耐光性に優れるなど
の光学特性に優れ、光のロスが少なく、しかも製造が容
易で、特に耐光性を改良した集光シートに関する。
【0002】
【従来の技術】集光シートは、各種表示装置に装着され
るバックライトなどに使用される部材の一つであり、た
とえば、エッジライト方式面状光源装置においては、導
光板表面から出射される出射光を導光板出射面に対して
略垂直方向に集光させ、正面輝度を向上させる役目を果
たすものである。このような集光シートとしては、従来
から、熱可塑性樹脂を射出成形又はプレス成形などによ
り、基材に、直接、集光機能を付与したものや、基材上
に集光機能を有する集光層を積層したものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】集光シートは、光が透
過する用途に用いられることから、まず透明性に優れて
いる必要があり、また長時間の光線曝露環境下での使用
によっても黄変して透過率が低下することなく、安定し
た透過率を保持できるといった耐光性も要求される。
【0004】従来、たとえば、特開平9−323354
号公報において、熱可塑性ノルボルネン系樹脂を用いた
集光シートが開示されており、高温・高湿条件下におい
ても優れた透明性および光学特性を有することが示され
ている。
【0005】しかしながら、従来の集光シートにおい
て、上記要求を総て満足するものはこれまで開示されて
いなかった。
【0006】本発明はこうした実状に鑑みてなされ、透
明性および耐光性に優れるなどの光学特性に優れ、光の
ロスが少なく、しかも製造が容易で、特に耐光性を改良
した集光シートを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る集光シートは、脂環式構造を有する繰
り返し単位(A)中にノルボルナン環構造を有さない脂
環式構造からなる繰り返し単位(A−i)を10重量%
以上、好ましくは20重量%以上、より好ましくは30
重量%以上含有する脂環式構造含有熱可塑性樹脂からな
ることを特徴とする。
【0008】本発明に係る集光シートは、脂環式構造含
有熱可塑性樹脂で構成してあることから、透明性に優れ
るなどの光学特性に優れる。また脂環式構造含有熱可塑
性樹脂で構成してあることから、成形性に優れる。した
がって、光学特性に優れ、光のロスが少なく、しかも製
造が容易な集光シートを提供することができる。さらに
本発明に係る集光シートは、脂環式構造含有熱可塑性樹
脂の中でも、脂環式構造を有する繰り返し単位(A)中
にノルボルナン環構造を有さない脂環式構造からなる繰
り返し単位(A−i)を10重量%以上含有する脂環式
構造含有熱可塑性樹脂で構成してあることから、特に耐
光性が向上し、光の透過によっても、集光シートが黄変
して透過率が低下するおそれが少なくなる。
【0009】このように、脂環式構造を有する繰り返し
単位(A)中のノルボルナン環構造を有さない脂環式構
造からなる繰り返し単位(A−i)を10重量%以上含
有させることで、集光シートの耐光性を向上させること
ができることは、本発明者等により初めて見出されたも
のである。
【0010】上記脂環式構造含有熱可塑性樹脂を構成す
る主鎖の水素添加率が99.6%以上であることが好ま
しい。主鎖の水素添加率を99.6%以上とすること
で、酸化劣化を受けて成形品(集光シート)が着色され
るおそれが少なく、耐光性のさらなる向上が期待でき
る。
【0011】上記脂環式構造含有熱可塑性樹脂の重量平
均分子量(Mw)が、ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー(GPC)で測定されるポリイソプレン換算ま
たはポリスチレン換算で、通常5,000〜500,0
00、好ましくは7,000〜200,000、より好
ましくは10,000〜100,000の範囲であるこ
とが望ましい。Mwがこの範囲にあるときに、集光シー
トの耐衝撃性および成形性の特性が高度にバランスされ
好適である。特にMwを10,000〜100,000
の範囲にすることで樹脂の耐熱性が低くなることにより
生じる成形時の焼けの発生を効果的に防止して成形品
(集光シート)の透明性の向上を図ることができ、しか
も成形時にシート表面に形成するプリズム等のパターン
転写性も向上する。
【0012】本発明に係る集光シートは、パソコン、ワ
ープロなどの各種OA機器、壁掛け用などの液晶テレビ
といった各種家電製品、電飾看板、ライトテーブル、ビ
ュワーその他の各種表示装置のバックライト部材として
使用される。特に本発明に係る集光シートは、拡散面光
源の前方に配置され、凹凸形状を有することにより正面
方向の輝度の高い光束を出射するシートであり、各種表
示装置に装着されるバックライトなどに使用される部材
の一つであり、たとえば、エッジライト方式面状光源装
置においては、導光板表面から出射される出射光を導光
板出射面に対して略垂直方向に集光させ、正面輝度を向
上させるために表面に凹凸形状のパターンを形成させる
などの集光機能を付与した光学シートのことであり、係
るパターンとしてはプリズム形状パターンが好ましく用
いられる。この中でも特にバックライトユニット用集光
シートとして使用する場合は、透明性および耐光性に優
れるなどの光学特性に優れ、光のロスが少なく、特に耐
光性に優れることが要求される。本発明に係る集光シー
トは耐光性に優れるので、バックライトユニット用集光
シートとして好適に用いることができる。
【0013】本発明に係る集光シートは、その少なくと
も一部を、脂環式構造を含有する熱可塑性樹脂で構成し
てある。つまり、(1)集光シート全体を脂環式構造を
含有する熱可塑性樹脂から構成し、そのシート表面に集
光用凹凸を一体成形して集光機能を付与した一体型集光
シート、(2)脂環式構造を含有する熱可塑性樹脂を一
旦シート状に成形して基材シートとし、その表面に集光
用凹凸を持つ層を積層した積層型集光シートのいずれの
形態であってもよい。
【0014】脂環式構造を含有する熱可塑性樹脂を用い
て集光シートまたは集光シート用基材シートを成形する
方法は、特に限定されないが、Tダイ法(フラット法と
もいう)やインフレーション法などの溶融成形法および
溶液流延法を例示することができる。さらに好ましく
は、前記溶融成形法や溶液流延法により成形されたシー
トに対して、通常行われている1軸延伸法や2軸延伸法
などの延伸配向もしくは表面プレスを行うことが望まし
い。
【0015】一体型集光シートを製造する場合、特に限
定されないが、Tダイによりシートを押し出しながら、
エンボスロールに通して集光用凹凸を形成するなどの方
法が用いられる。
【0016】積層型集光シートを製造する場合、特に限
定されないが、集光用凹凸を有する型に光硬化型樹脂を
流し込み、その後に上記成形方法により成形した集光シ
ート用基材シートを前記光硬化型樹脂面に対向させて貼
り合わせ、基材シート側から露光し、集光用凹凸を硬化
させて、基材シート上に集光用凹凸を形成する方法など
が用いられる。
【0017】集光シート全体の厚みは、特に限定されな
いが、バックライトユニット用集光シートとして使用す
る場合には、好ましくは0.01〜10mm、より好ま
しくは0.05〜5mm、さらに好ましくは0.1〜1
mmとすることが望ましい。
【0018】脂環式構造を含有する熱可塑性樹脂 本発明において、熱可塑性樹脂は、脂環式構造を有する
繰り返し単位(A)中にノルボルナン環構造を有さない
脂環式構造からなる繰り返し単位(A−i)を10重量
%以上含有することを特徴とする。
【0019】繰り返し単位(A)中の脂環式構造は、主
鎖及び/または側鎖に脂環式構造を有するものであり、
機械的強度、耐熱性、耐光性などの観点から、主鎖に脂
環式構造を含有するものが好ましい。
【0020】脂環式構造としては、飽和、不飽和のいず
れでもよく、高い機械的強度や耐光性が要求される場合
には、飽和の脂環式構造が好ましい。具体的には、飽和
環状炭化水素(シクロアルカン)構造、不飽和環状炭化
水素(シクロアルケン)構造などが挙げられるが、機械
的強度、耐熱性、耐光性などの観点から、シクロアルカ
ン構造やシクロアルケン構造が好ましく、中でもシクロ
アルカン構造を有するものが最も好ましい。
【0021】脂環式構造を構成する炭素原子の数は、使
用目的に応じて適宜選択すればよいが、通常4〜30
個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個
の範囲であるときに、特に機械的強度や耐熱性などの特
性が高度にバランスされ好適である。
【0022】これらの脂環式構造を有する繰り返し単位
(A)は、それぞれ単独で、あるいは2種以上が組み合
わさってもよい。
【0023】脂環式構造を含有する熱可塑性樹脂(I)
中の脂環式構造を有する繰り返し単位(A)の含有割合
は、使用目的に応じて適宜選択されるが、通常30〜1
00重量%、好ましくは50〜100重量%、より好ま
しくは70〜100重量%の範囲であるときに、機械的
強度、耐光性などの特性が高度にバランスされ好適であ
る。
【0024】ノルボルナン環を有さない繰り返し単位
(A−i)としては、格別な限定はないが、例えば、下
記の式(1)、(2)および(3)などが例示され、機
械的強度および成形性の点から、式(1)が好ましい。
【0025】
【化1】
【0026】式(1)中のR〜R20は、それぞれ
独立に、水素原子、炭化水素基、水酸基、エステル基、
アルコキシ基、シアノ基、イミド基、シリル基、または
官能基(水酸基、エステル基、アルコキシ基、シアノ
基、イミド基、シリル基)で置換された炭化水素基であ
り、好ましくは、水素原子、または炭化水素基であり、
より好ましくは水素原子である。炭化水素基の炭素原子
数としては、通常1〜20、好ましくは1〜10、より
好ましくは1〜6の範囲である。炭化水素基の具体例と
しては、アルキル基、アルケニル基、アリル基またはア
ラルキル基などが挙げられ、好ましくはアルキル基であ
り、その中でも炭素原子数1〜6のアルキル基が特に好
ましい。官能基が置換した炭化水素基としては、例え
ば、炭素原子数1〜20、好ましくは1〜10、より好
ましくは1〜6のエステル基含有アルキル基などを挙げ
ることができる。
【0027】式(1)中のRとR10、またはR
とR11とが一緒になって不飽和結合を形成しても
よく、また、RとR、またはR10とR11
で、アルキリデン基を形成していてもよい。アルキリデ
ン基の炭素数としては、通常1〜20、好ましくは1〜
10、より好ましくは1〜6の範囲である。
【0028】式(1)中のaは、0または1であり、好
ましくは0である。式(1)中のbは0または1であ
り、好ましくは1である。式(1)中のcは、0、1ま
たは2であり、好ましくは0である。
【0029】式(1)中の‥‥‥は、炭素―炭素の単結
合または二重結合を表すが、通常、単結合の割合が、9
9%以上、好ましくは99.4%以上、より好ましくは
99.6%以上の場合に、特に耐光性に優れ、好適であ
【0030】
【化2】
【0031】式(2)中のR21〜R34の例示および
好ましい範囲は、式(1)中のR のものと同様であ
る。
【0032】ただし、R21〜R31までの隣接する炭
素上の2つのRが一緒になって不飽和結合を形成しても
良い。
【0033】式(2)中のdは、0または1であり、好
ましくは1である。
【0034】
【化3】
【0035】式(3)中のR35〜R44の例示は、式
(1)中のRのものと同様であり、式(3)中のe
は、0または1であり、好ましくは0である。
【0036】ただし、隣接する他の繰り返し単位と結合
する結合単位となる炭素の位置は、R35〜R44のい
ずれと置き換わるものであってもよい(e=0の場合に
おいては、R35〜R42の何れかと置き換わるもので
ある)。
【0037】上記式(1)で表されるノルボルナン環を
有さない繰り返し単位の中でも、好ましくは式(4)、
式(5)で表されるものを用いる。
【0038】
【化4】
【0039】式(4)中のR45〜R58の例示及び好
ましい範囲は、式(1)中のRのものと同様である。
【0040】式(4)中のR49とR51、またはR
50とR52とが一緒になって不飽和結合を形成しても
よく、また、R49とR50、またはR51とR52
で、アルキリデン基を形成していてもよい。アルキリデ
ン基の炭素数としては、通常1〜20、好ましくは1〜
10、より好ましくは1〜6の範囲である。
【0041】式(4)中のfは、0または1であり、好
ましくは0である。
【0042】式(4)中の‥‥‥は、炭素―炭素の単結
合または二重結合を表すが、通常、単結合の割合が、9
5%以上、好ましくは98%以上、より好ましくは99
%以上の場合に、特に主鎖中の単結合の割合は99%以
上、好ましくは99.4%以上、より好ましくは99.
6%以上の場合に耐光性に優れ、好適である。
【0043】
【化5】
【0044】式(5)中のR59〜R78の例示及び好
ましい範囲は、式(1)中のRのものと同様である。
【0045】式(5)中のR63とR72までの隣接す
る炭素の2つのRが一緒になって不飽和結合を形成して
も良い。
【0046】式(5)中のgは、0または1であり、好
ましくは0である。
【0047】式(5)中の‥‥‥は、炭素―炭素の単結
合または二重結合を表すが、通常、単結合の割合が、9
5%以上、好ましくは98%以上、より好ましくは99
%以上の場合に、特に主鎖中の単結合の割合は99%以
上、好ましくは99.4%以上、より好ましくは99.
6%以上の場合に耐光性に優れ、好適である。
【0048】これらのノルボルナン環を有さない繰り返
し単位(A−i)は、それぞれ単独で、あるいは2種以
上を組み合わせて用いてもよい。脂環式構造を有する繰
り返し単位(A)中のこれらのノルボルナン環を有さな
い繰り返し単位(A−i)の割合は、10〜100重量
%、好ましくは20〜100重量%、より好ましくは3
0〜100重量%の範囲であり、この時に、得られる集
光シートの機械的強度、耐光性が高度にバランスされ、
好適である。
【0049】脂環式構造を有する繰り返し単位(A)中
のノルボルナン環を有さない繰り返し単位(A−i)以
外の繰り返し単位、すなわちノルボルナン環を有する繰
り返し単位(A−ii)は、格別な制限はないが、例え
ば、下記の式(6)で表されるものが好ましい。
【0050】
【化6】
【0051】式(6)中のR35〜R48の例示及び好
ましい範囲は、式(1)中のRのものと同様である。
【0052】式(6)中のR38とR39、またはR
40とR41とで、アルキリデン基を形成していてもよ
い。アルキリデン基の炭素数としては、通常1〜20、
好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6の範囲であ
る。
【0053】式(6)中のhは、1〜3の整数であり、
好ましくは1である。
【0054】式(6)中の‥‥‥は、炭素―炭素の単結
合または二重結合を表すが、通常、単結合の割合が、9
9%以上、好ましくは99.4%以上、より好ましくは
99.6%以上の場合に、特に耐光性に優れ、好適であ
る。
【0055】上記式(6)で表されるノルボルナン環を
有する繰り返し単位中でも、好ましくは式(7)、より
好ましくは式(8)で表されるものが良い。
【0056】
【化7】
【0057】式(7)中のR49〜R62の例示および
好ましい範囲は、式(1)中のR のものと同様であ
る。
【0058】式(7)中のR52とR53、またはR
54とR55とで、アルキリデン基を形成していてもよ
い。アルキリデン基の炭素数としては、通常1〜20、
好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6の範囲であ
る。
【0059】式(7)中の‥‥‥は、炭素―炭素の単結
合または二重結合を表すが、通常、単結合の割合が、9
9%以上、好ましくは99.4%以上、より好ましくは
99.6%以上の場合に、特に耐光性に優れ、好適であ
る。
【0060】
【化8】
【0061】式(8)中のR63〜R66の例示及び好
ましい範囲は、式(1)中のRのものと同様である。
【0062】式(8)中のR63とR64、またはR
65とR66とで、アルキリデン基を形成していてもよ
い。アルキリデン基の炭素数としては、通常1〜20、
好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6の範囲であ
る。
【0063】式(8)中の‥‥‥は、炭素―炭素の単結
合または二重結合を表すが、通常、単結合の割合が、9
9%以上、好ましくは99.4%以上、より好ましくは
99.6%以上の場合に、特に耐光性に優れ、好適であ
る。
【0064】これらのノルボルナン環を有する繰り返し
単位(A−ii)は、それぞれ単独で、あるいは2種以
上を組み合わせられる。ノルボルナン環を有する繰り返
し単位(A−ii)の含有量は、格別な限定はないが、
脂環式構造を有する単位(A)のうちのノルボルナン環
を有さない繰り返し単位(A−i)の残部、すなわち全
脂環式構造を有する繰り返し単位(A)中の通常0〜9
0重量%、好ましくは0〜80重量%、より好ましくは
0〜70重量%の範囲である。
【0065】本発明に使用される熱可塑性樹脂中の上記
脂環式構造を有する繰り返し単位(A)以外の残部の繰
り返し単位(B)としては、格別な限定はないが、通常
鎖状の繰り返し単位が挙げられる。鎖状の繰り返し単位
としては、例えば、下記の式(9)で表されるものが用
いられる。
【0066】
【化9】
【0067】式(9)中のR67〜R70は、式(1)
中のRのものと同様であり、好ましくは水素原子で
ある。
【0068】本発明における脂環式構造を含有する繰り
返し単位(A)を有し、かつ該繰り返し単位(A)中に
ノルボルナン環構造を有さない繰り返し単位(A−i)
を有する熱可塑性樹脂の具体例としては、たとえば、
ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン重合
体、環状共役ジエン系重合体、ビニル脂環式炭化水
素系重合体、およびこれらの水素添加物などが挙げられ
る。これらの中でも、機械的強度および成形性の観点
で、ノルボルネン系重合体、環状共役ジエン系重合
体、およびそれらの水素添加物が好ましく、ノルボル
ネン系重合体およびその水素添加物がより好ましい。
【0069】ノルボルネン系重合体およびその水素添
加物 本発明に使用されるノルボルネン系重合体は、格別な制
限はなく、例えば、特開平3−14882号公報や特開
平3−122137号公報などに開示されている公知の
重合体およびその水素添加物であり、具体的には、ノル
ボルネン系モノマーの開環重合体およびその水素添加
物、ノルボルネン系モノマーとビニル化合物の開環共重
合体およびその水素添加物、ノルボルネン系モノマーの
付加重合体、ノルボルネン系モノマーとビニル化合物の
付加型共重合体などが挙げられる。
【0070】これらの中でも、透明性、耐光性を高度に
バランスさせる上で、ノルボルネン系モノマーの開環重
合体およびその水素添加物やノルボルネン系モノマーと
ビニル化合物の開環共重合体およびその水素添加物が好
ましく、耐熱性の観点でノルボルネン系モノマーの開環
重合体水素添加物やノルボルネン系モノマーとビニル化
合物の開環共重合体水素添加物であるノルボルネン系開
環重合体水素添加物がより好ましい。
【0071】脂環式構造を有する繰り返し単位(A)中
にノルボルナン環構造を有さない繰り返し単位(A−
i)を有するノルボルネン系開環重合体水素添加物は公
知の方法に従って製造することができる。
【0072】例えば、特許第2,534,086号公報
および特公平7−121,981号公報などに開示され
る方法に従って、ノルボルナン構造を有さない繰り返し
単位(A−i)となるものを含むノルボルネン系モノマ
ーを開環重合し、必要に応じてその後水素添加触媒の存
在下、水素により水素添加することにより製造すること
ができる。
【0073】ノルボルナン構造を有さない繰り返し単位
(A−i)となるモノマーとしては、例えば、式(1
0)、好ましくは式(11)、式(12)で表されるノ
ルボルネン系モノマー(a−i)が用いられる。
【0074】
【化10】
【0075】式(10)中、R〜R20、a、b及
びcは、式(1)における記号と同じである。
【0076】
【化11】
【0077】式(11)中、R45〜R58、及びf
は、式(4)における記号と同じである。
【0078】
【化12】
【0079】式(12)中、R59〜R78、及びg
は、式(5)における記号と同じである。
【0080】これらの式(10)、式(11)または式
(12)で表されるノルボルネン系モノマー(a−i)
は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて
用いることができる。脂環式構造を有する繰り返し単位
(A)を与えるノルボルネン系モノマー中のこれらの式
(10)、式(11)または式(12)で表されるノル
ボルネン系モノマーの割合は、通常10〜100重量
%、好ましくは20〜100重量%、より好ましくは3
0〜100重量%の範囲である。
【0081】上記ノルボルネン系モノマー(a)中の式
(10)、式(11)または式(12)で表されるノル
ボルネン系モノマー(a−i)以外の残部(a−ii)
は、通常式(13)、好ましくは式(14)、より好ま
しくは式(15)で表されるものが用いられる。
【0082】
【化13】
【0083】式(13)中、R35〜R48、及びh
は、式(6)における記号と同じである。
【0084】
【化14】
【0085】式(14)中、R49〜R62は、式
(7)における記号と同じである。
【0086】
【化15】
【0087】式(15)中、R63〜R66は、式
(8)における記号と同じである。
【0088】これらの式(13)、式(14)、式(1
5)で表されるノルボルネン系モノマー(a−ii)
は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて
用いることができる。全モノマー中の脂環式構造を有す
る繰り返し単位(A)を与えるノルボルネン系モノマー
(a)の割合は、好ましくは0〜90重量%、より好ま
しくは0〜80重量%、特に好ましくは0〜70重量%
の範囲である。
【0089】脂環式構造を有する繰り返し単位(A)を
与えるノルボルネン系モノマー(a)以外の残部のモノ
マー(b)としては、通常鎖状モノマーが用いられる。
鎖状モノマーとしては、例えば、式(16)で表され
る。
【0090】
【化16】
【0091】式(16)中、R67〜R70は、式
(9)における記号と同じである。
【0092】式(16)で表される共重合可能なモノマ
ー(b)であるビニル化合物としては、例えば、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペン
テン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペ
ンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル
−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4
−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、
1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラ
デセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エ
イコセンなどの炭素数2〜20のエチレンまたはα−オ
レフィン;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキ
セン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシ
クロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロ
ヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テト
ラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのシク
ロオレフィン; 1,4−ヘキサジエン、4−メチル−
1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジ
エン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエン; な
どが挙げられる。これらのビニル系化合物は、それぞれ
単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用すること
ができる。
【0093】上記ノルボルネン系開環重合体は、開環重
合触媒として、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オ
スミウム、イリジウム、白金などの金属のハロゲン化
物、硝酸塩またはアセチルアセトン化合物と、還元剤と
からなる触媒系、あるいは、チタン、バナジウム、ジル
コニウム、タングステン、モリブデンなどの金属のハロ
ゲン化物またはアセチルアセトン化合物と、有機アルミ
ニウム化合物とからなる触媒系を用いて、溶媒中または
無溶媒で、通常、−50°C〜100°Cの重合温度、
0〜50kg/cmの重合圧力で開環(共)重合さ
せることにより得ることができる。触媒系に、分子状酸
素、アルコール、エーテル、過酸化物、カルボン酸、酸
無水物、酸クロリド、エステル、ケトン、含窒素化合
物、含硫黄化合物、含ハロゲン化合物、分子状ヨウ素、
その他のルイス酸などから選ばれる少なくとも1種以上
の化合物からなる第三成分を加えて、重合活性や開環重
合の選択性を高めることができる。
【0094】本発明に挙げられる上記ノルボルネン系開
環重合体水素添加物は、常法に従って、開環(共)重合
体を水素添加触媒の存在下に水素により水素化する方法
により得ることができる。
【0095】水素化触媒としては、オレフィン化合物の
水素化に際して一般に使用されるものであれば格別な制
限はなく、例えば、ニッケル、パラジウム、白金、また
はこれらの金属をカーボン、シリカ、ケイソウ土、アル
ミナ、酸化チタン等の担体に担持させた固体触媒:ニッ
ケル/シリカ、ニッケル/ケイソウ土、ニッケル/アル
ミナ、パラジウム/カーボン、パラジウム/シリカ、パ
ラジウム/ケイソウ土、パラジウム/アルミナなどが挙
げられる。これらの固体触媒は2種以上組み合わせて用
いてもよい。
【0096】これらの水素化反応は、それぞれ単独0〜
250°C、好ましくは20〜200°Cで行われる。
水素化触媒の使用量は、重合体100重量部当たり、通
常0.01〜100重量部、好ましくは0.1〜50重
量部、より好ましくは1〜30重量部の範囲である。水
素化反応は、通常1〜150kg/cm の水素圧
下、0〜250°Cの温度範囲、1時間〜20時間の反
応時間で行われる。
【0097】本発明に使用される熱可塑性樹脂は、上記
水素化反応後に、ろ過して水素化触媒を除去し、続いて
凝固乾燥して得ることができる。
【0098】単環の環状オレフィン系重合体 単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、特開
昭64−66,216号公報に開示されているシクロロ
ヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環
の環状オレフィン系単量体の付加重合体を用いることが
できる。
【0099】環状共役ジエン系重合体 環状共役ジエン系重合体としては、例えば、特開平6−
136,057号公報や特開平7−258,318号公
報に開示されているシクロペンタジエン、シクロヘキサ
ジエンなどの環状共役ジエン系単量体を1,2−または
1,4−付加重合した重合体及びその水素添加物などを
用いることができる。
【0100】ビニル脂環式炭化水素系重合体 ビニル脂環式炭化水素系重合体としては、例えば、特開
昭51−59,989号公報に開示されているビニルシ
クロヘキセン、ビニルシクロヘキサンなどのビニル脂環
式炭化水素系単量体の重合体及びその水素添加物、特開
昭63−43,910号公報、特開昭64−1,706
号公報などに開示されているスチレン、α−メチルスチ
レンなどのビニル芳香族系単量体の重合体の芳香環部分
の水素添加物などを用いることができる。
【0101】本発明に使用される脂環式構造含有熱可塑
性樹脂のガラス転移温度(Tg)は使用目的に応じて適
宜選択すれば良いが、通常50〜400゜C、好ましく
は70〜350゜C、特に好ましくは90〜300゜C
の範囲が好適であるときに、高い耐熱性と成形性が高度
にバランスして好適である。
【0102】本発明に使用される脂環式構造含有熱可塑
性樹脂の、280゜C、荷重2.16kgfにおけるJ
IS−K6719により測定したメルトフローレートは
使用目的に応じて適宜選択すれば良いが、通常1〜10
0g/10min.、好ましくは2〜50g/10mi
n.の範囲が好適である。メルトフローレートが低すぎ
ると成形時に成形材料を加温する温度がより高温となる
ため加工しにくい場合が生じ、高すぎると成形時にバリ
などの成形不良の発生する場合が生じるため、メルトフ
ローレートが上記範囲にある時に成形性に優れて好適で
ある。
【0103】その他のポリマー 本発明の集光シートには、上記の脂環式構造を含有する
熱可塑性樹脂に必要に応じて、ポリブタジエン、ポリイ
ソプレン、SBS、SIS、SEBSなどのゴム; ポ
リスチレン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリカーボネ
ート、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリ
イミド、ポリスルホンなどのその他の樹脂; などのそ
の他のポリマーを配合することができる。また、これら
のその他のポリマーはそれぞれ単独で、あるいは2種以
上混合して用いることができる。また、その割合は、本
発明の目的を損なわれない範囲で適宜選択される。
【0104】配合剤 本発明の集光シートには、上記の脂環式構造を含有する
熱可塑性樹脂に必要に応じて配合剤を添加することがで
きる。配合剤としては、熱可塑性樹脂材料で通常用いら
れているものであれば格別な制限はなく、例えば、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、近赤外線吸収剤、染
料や顔料などの着色剤、滑剤、柔軟化剤、可塑剤、帯電
防止剤、蛍光増白剤などの配合剤が挙げられる。
【0105】酸化防止剤としては、フェノール系酸化防
止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などが挙
げられるが、これらの中でも、フェノール系酸化防止剤
が好ましく、アルキル置換フェノール系酸化防止剤が特
に好ましい。
【0106】フェノール系酸化防止剤としては、従来公
知のものが使用でき、例えば、2−t−ブチル−6−
(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジ
ル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−
t−アミル−6−(1−(3,5−ジ−t−アミル−2
−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニルアクリレート
などの特開昭63−179953号公報や特開平1−1
68643号公報に記載されるアクリレート系化合物;
オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレ
ン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチ
ル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス(メチレ
ン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロ
キシフェニルプロピオネート)メタン[すなわち、ペン
タエリスリメチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネー
ト)]、トリエチレングリコールビス(3−(3−t−
ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピ
オネート)などのアルキル置換フェノール系化合物;6
−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリ
ノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリア
ジン、4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジ
ン、2−オクチルチオ−4,6−ビス−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−オキシアニリノ)−1,3,5−トリ
アジンなどのトリアジン基含有フェノール系化合物;
などが挙げられる。
【0107】リン系酸化防止剤としては、一般の樹脂工
業で通常使用される物であれば格別な限定はなく、例え
ば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシル
ホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、ト
リス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニ
ルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−
ブチルフェニル)ホスファイト、10−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジ
ヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−
10−オキサイドなどのモノホスファイト系化合物;
4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブ
チルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,
4’イソプロピリデン−ビス(フェニル−ジ−アルキル
(C12〜C15)ホスファイト)などのジホスファイ
ト系化合物などが挙げられる。これらの中でも、モノホ
スファイト系化合物が好ましく、トリス(ノニルフェニ
ル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスフ
ァイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホ
スファイトなどが特に好ましい。
【0108】イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジ
ラウリル3,3−チオジプロピオネート、ジミリスチル
3,3’−チオジプロピピオネート、ジステアリル
3,3−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル
3,3−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール
−テトラキス−(β−ラウリル−チオ−プロピオネー
ト、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ [5,5] ウン
デカンなどが挙げられる。
【0109】これらの酸化防止剤は、それぞれ単独で、
あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸化防止剤の配合量は、本発明の目的を損なわれない範
囲で適宜選択されるが、脂環式構造を含有する熱可塑性
樹脂100重量部に対して通常0.001〜5重量部、
好ましくは0.01〜1重量部の範囲である。
【0110】紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2
−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)2H−ベンゾトリ
アゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5
−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリア
ゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキ
シフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾー
ル、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフ
ェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2
−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニ
ル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−
t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾ
トリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤;4−t−ブチルフェニル−2−ヒドロキシベンゾエ
ート、フェニル−2−ヒドロキシベンゾエート、2,4
−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−
(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル
−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタリミジルメ
チル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オ
クチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−
(2−ヒドロキシ−4−オクチルフェニル)−2H−ベ
ンゾトリアゾールなどのベゾエート系紫外線吸収剤;
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−
メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸3水和物、2
−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノン、4−
ドデカロキシ−2−ホドロキシベンゾフェノン、4−ベ
ンジルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,
2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、
2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾ
フェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤;エチル
−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2’
−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルア
クリレートなどのアクリレート系紫外線吸収剤;
[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレー
ト)]−2−エチルヘキシルアミンニッケルなどの金属
錯体系紫外線吸収剤などが挙げられる。
【0111】光安定剤としては、例えば、2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セ
バケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−
4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、
4−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオニルオキシ)−1−(2−(3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオニルオキシ)エチル)−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジンなどのヒンダードアミン系光安定剤
を挙げることができる。
【0112】近赤外線吸収剤は、例えば、シアニン系近
赤外線吸収剤; ピリリウム系赤外線吸収剤; スクワ
リリウム系近赤外線吸収剤; クロコニウム系赤外線吸
収剤; アズレニウム系近赤外線吸収剤; フタロシア
ニン系近赤外線吸収剤; ジチオール金属錯体系近赤外
線吸収剤; ナフトキノン系近赤外線吸収剤; アント
ラキノン系近赤外線吸収剤; インドフェノール系近赤
外線吸収剤; アジ系近赤外線吸収剤; 等が挙げられ
る。
【0113】また、市販品の近赤外線吸収剤SIR−1
03,SIR−114,SIR−128,SIR−13
0,SIR−132,SIR−152,SIR−15
9,SIR−162(以上、三井東圧染料製)、Kay
asorb IR−750,Kayasorb IRG
−002,Kayasorb IRG−003,IR−
820B,Kayasorb IRG−022,Kay
asorb IRG−023,Kayasorb CY
−2,Kayasorb CY−4,Kayasorb
CY−9(以上、日本化薬製)等を挙げることでき
る。
【0114】染料としては、脂環構造を有する熱可塑性
重合体に均一に分散・溶解するものであれば特に限定さ
れないが、本発明で用いられる熱可塑性炭化水素系重合
体との相溶性が優るので油溶性染料(各種C.I.ソル
ベント染料)が広く用いられる。油溶性染料の具体例と
してはThe Society of Diyesan
d Colourists社刊Color Index
vol.3に記載される各種のC.I.ソルベント染
料が挙げられる。
【0115】顔料としては、例えば、ピグメントレッド
38等のジアリリド系顔料; ピグメントレッド48:
2、ピグメントレッド53、ピグメントレッド57:1
等のアゾレーキ系顔料; ピグメントレッド144、ピ
グメントレッド166、ピグメントレッド220、ピグ
メントレッド221、ピグメントレッド248等の縮合
アゾ系顔料; ピグメントレッド171、ピグメントレ
ッド175、ピグメントレッド176、ピグメントレッ
ド185、ピグメントレッド208等のペンズイミダゾ
ロン系顔料; ピグメントレッド122等のキナクリド
ン系顔料; ピグメントレッド149、ピグメントレッ
ド178、ピグメントレッド179等のペリレン系顔
料; ピグメントレッド177等のアントラキノン系顔
料が挙げられる。
【0116】本発明の集光シートにおいて用いられる基
材シートに着色を必要とするときは、染料と顔料の何れ
でも、本発明の目的の範囲で使用でき、限定されるもの
ではないが、ミクロな光学特性が問題となるような基材
シートの場合には染料による着色が好ましい。また、紫
外線吸収剤が目視では黄色〜赤色の色を示すこともあ
り、近赤外線吸収剤が目視では黒色の色を示すこともあ
るため、これらと染料を厳密に区別して使用する必要は
無く、また、組合わせて使用しても良い。
【0117】滑剤としては、脂肪族アルコールのエステ
ル、多価アルコールのエステルあるいは部分エステル等
の有機化合物や無機微粒子等を用いることができる。有
機化合物としては、例えば、グリセリンモノステアレー
ト、グリセリンモノラウレート、グリセリンジステアレ
ート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタ
エリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトール
トリステアレート等が挙げられる。
【0118】他の滑剤としては、一般に無機粒子を用い
ることができる。ここで無機微粒子としては、周期律表
の1族、2族、4族、6〜14族元素の酸化物、硫化
物、水酸化物、窒素化物、ハロゲン化物、炭酸塩、硫酸
塩、酢酸塩、燐酸塩、亜燐酸塩、有機カルボン酸塩、珪
酸塩、チタン酸塩、硼酸塩およびそれらの含水化物、そ
れらを中心とする複合化合物、天然化合物などの粒子が
挙げられる。
【0119】可塑剤としては、例えば、トリクレジルフ
ォスフェート、トリキシリルフォスフェート、トリフェ
ニルフォスフェート、トリエチルフェニルフォスフェー
ト、ジフェニルクレジルフォスフェート、モノフェニル
ジクレジルフォスフェート、ジフェニルモノキシレニル
フォスフェート、モノフェニルジキシレニルフォスフェ
ート、トリブチルフォスフェート、トリエチルフォスフ
ェートなどの燐酸トリエステル系可塑剤;フタル酸ジメ
チル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル
酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシ
ル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸オクチルデシル、
フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル系可塑
剤;オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エス
テルなどの脂肪酸一塩基酸エステル系可塑剤; 二価ア
ルコールエステル系可塑剤;オキシ酸エステル系可塑
剤; などが使用できるが、これらの中でも燐酸トリエ
ステル系可塑剤が好ましく、トリクレジルフォスフェー
ト、トリキシリルフォスフェートが特に好ましい。
【0120】柔軟化剤ないし可塑剤の具体例としては、
スクアラン(C3062、Mw=422.8)、流動
パラフィン(ホワイトオイル、JIS K2231に規
定されるISO VG10、ISO VG15、ISO
VG32、ISO VG68、ISO VG100、
VG8およびVG21など)、ポリイソブテン、水添ポ
リブタジエン、水添ポリイソプレン等が挙げられる。こ
れらの中でもスクアラン、流動パラフィンおよびポリイ
ソブテンが好ましい。
【0121】帯電防止剤としては、ステアリルアルコー
ル、ベヘニルアルコールなどの長鎖アルキルアルコー
ル、グリセリンモノステアレート、ペンタエリスリトー
ルモノステアレートなどの多価アルコールの脂肪酸エス
テルなどが挙げられるが、ステアリルアルコール、ベヘ
ニルアルコールが特に好ましい。
【0122】これらの配合剤は単独、2種以上混合して
用いることができ、その割合は、本発明の目的を損なわ
れない範囲で適宜選択される。配合量は、本発明の目的
を損なわれない範囲で適宜選択されるが、脂環式構造を
含有する熱可塑性樹脂100重量部に対して通常0.0
01〜5重量部、好ましくは0.01〜1重量部の範囲
である。
【0123】上記成分(脂環式構造を含有する熱可塑性
樹脂と必要に応じて、その他のポリマーおよび配合剤な
ど)を、脂環式構造を含有する熱可塑性樹脂の製造工程
で添加する、または製造後に二軸押出機等の溶融状態で
混練して用いることができる。通常は、ペレットとして
用いることができる。
【0124】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す実施
形態に基づき説明する。
【0125】本実施形態においては、本発明に係る集光
シートが、各種表示装置のエッジライト方式面状光源装
置10に用いられる場合について説明する。
【0126】図1(A)は本発明の第1実施形態に係る
集光シートを用いた一の面状光源装置を示す概略斜視
図、図1(B)は図1(A)をX方向からの見た正面
図、図1(C)は図1(A)をY方向から見た正面図、
図2(A)は本発明の第1実施形態に係る集光シートを
用いた別の面状光源装置を示す概略斜視図、図2(B)
は図2(A)をX方向からの見た正面図、図2(C)は
図2(A)をY方向から見た正面図、図3(A)は本発
明の第1実施形態に係る集光シートを示す部分断面図、
図3(B)は本発明の第2実施形態に係る集光シートを
示す部分断面図、図4は本発明の第1実施形態に係る集
光シートの製造方法を示す図、図5(A)〜(D)は本
発明の第2実施形態に係る集光シートの製造方法の流れ
を示す図、図6(A)〜(E)は本発明に係る集光シー
トの断面形状の他の実施形態を示す概略図である。
【0127】第1実施形態 図1(A)に示すように、本実施形態におけるエッジラ
イト方式面状光源装置10は、導光板1と、導光板1の
少なくとも一側面に配置された光源2と、導光板1の光
出射面1b側に配置された集光シート3とを有する。
【0128】導光板1は、光入射面1aから入射した光
源2の光を長手方向に導きながら光出射面1bから輝度
ムラなく出射させるための部材であり、そのため高透明
性と高面精度が要求される。本実施形態においては、図
1(A)(C)に示すように、出射面1bから出射され
る光が全体として均一になるよう、断面が光源2から遠
ざかるにつれて漸次薄くなるようなくさび型をしてお
り、光源から遠ざるにつれて、導光板1の出射面1b外
部に対する入射角θ (図1(C)参照)がより多く
臨界角(全反射が起こる最小の入射角)以下になるよう
になっている。導光板1は、透明性などの光学特性が要
求されることから、PMMA、PC、脂環式構造含有重
合体樹脂などの高透明性の熱可塑性樹脂を射出成形して
成形される。中でも脂環式構造含有重合体樹脂は透明性
などの光学特性に優れるので好ましく使用できる。
【0129】光源2としては、冷陰極管、熱陰極管の蛍
光灯が例示でき、特に冷陰極管によれば消費電力が少な
いため、好ましく用いられる。高輝度薄型化のために、
光源2も細管径で高輝度のものが好ましく、管径6〜2
mm、管面輝度15000cd/m 以上のものがよ
り好ましい。また、光源2の色温度(光源2がどのよう
な色をしているかを温度(°K:ケルビン)で表したも
の)が、導光板1の出射面1bから出射される光の見え
方に影響を与えるので、出射面1bから出射される光
が、色温度7000〜8000°K、好ましくは740
0〜7500°K程度となるような光源を用いることが
望ましい。
【0130】なお、上記部材の他、図示しないが、光源
2を囲むように配置され導光板1の光源側端面1aに直
接入射しなかった光源光を導光板1に効率良く導くため
のランプリフレクターや、導光板1と集光シート3との
間に配置され、導光板1の出射面1bから出射された光
を拡散、平均化させ、集光シート3へ光を入射させるた
めの光拡散シートや、導光板1の光反射面1c側に配置
され、導光板1から漏れた光を再度導光板1内に戻すた
めの反射シートも、本実施形態における面状光源装置を
構成する部材である。
【0131】集光シート3は、導光板1の出射面1bか
ら出射された光源光の方向を可能な限り垂直方向に向け
て外部に出射する機能を有する。本実施形態での集光シ
ート3は、図1(A)に示すように、少なくとも導光板
1側とは反対側の面に、凹凸状の断面形状を有する。特
に本実施形態では図3(A)に示すように、集光シート
3の表面には微小なプリズム形状3aの繰り返し形状の
凹凸表面を有する。ここで、隣接するプリズム形状3
a、3a間のピッチP は、20〜100μm、好ま
しくは40〜80μm、より好ましくは50〜70μm
であることが望ましい。ピッチP を20〜100μ
mに調整することで、集光機能が向上する。
【0132】また、各プリズム形状3aの高さHは、2
0〜100μm、好ましくは40〜80μm、より好ま
しくは50〜70μmであることが望ましい。高さHを
20〜100μmに調整することで、集光機能が向上す
る。
【0133】また各プリズム形状3aの頂角θは、好ま
しくは80〜100°、より好ましくは85〜95°で
あることが望ましい。頂角θを好ましくは80〜100
°に調整することで、集光機能が向上する。
【0134】なお、各プリズム形状3aの傾斜表面30
a、30bは、集光性能の観点から、より鏡面状態に近
い形状であることが望ましい。
【0135】このような微小なプリズム形状3aの繰り
返し形状の凹凸を形成する方法としては、たとえば、図
4に示すように、Tダイ法を用い、脂環式構造を含有す
る熱可塑性樹脂をTダイ7からシート状に押し出しなが
ら、所定の集光用凹凸80aを有するエンボスロール8
aと平滑面80bを有するロール8b間を通して巻き取
りロール9に巻き取り、図3(A)に示すように、シー
トの片側表面にプリズム形状凹凸が形成された集光シー
ト3を得ることができる。本実施形態では集光シート3
自体が脂環式構造を含有する熱可塑性樹脂で構成してあ
るため、細かいプリズム状凹凸でも高精度に転写して成
形することができる。
【0136】また、本実施形態に係る集光シート3は、
図2(A)〜(C)に示すような2枚重ねで、あるいは
図示しないが2枚以上重ねて使用するようにしてもよ
い。この際、図2(A)〜(C)のように集光シート3
を2枚重ねて使用する場合には、プリズム形状を構成す
る連続線が互いに略直交になるように配置するようにす
れば、輝度効率が特に向上することから好ましい。
【0137】第2実施形態 本実施形態における集光シート3は、図3(A)の変形
例であり、図3(B)に示すように、脂環式構造含有重
合体樹脂からなる基材シート31と、基材シート31上
に形成された集光層32との積層型集光シートである。
【0138】集光層32は、たとえば、アクリル、エポ
キシ、ポリエステル、ウレタンアクリレートなどからな
る樹脂と、光重合開始剤および必要に応じて添加された
光重合促進剤、吸光剤、ゲル化防止剤などの添加剤とか
らなる紫外線硬化型樹脂塗料を基材シート31上に塗布
して所定パターンに硬化させて形成する。
【0139】このような集光層32を基材シート31上
に形成する方法としては、たとえば、図5に示すよう
に、前記第1実施形態と同様な形状のプリズム形状を有
する型4に、紫外線硬化型樹脂塗料5をローラを用いて
塗布した後(図5(A)参照)、基材シート31をラミ
ネーターなどで貼り合わせ(図5(B)参照)、基材シ
ート31側から380nm付近の活性光線を照射して
(図5(C)参照)、塗料を硬化させて、型4から離型
させて(図5(D)参照)、集光シート3を得ることが
できる。
【0140】本実施形態での集光シート3は、前記第1
実施形態の場合に加えて、基材シート31を脂環式構造
を有する熱可塑性樹脂で構成してあるので、パターン形
成の際の露光時に、380nm付近の活性光線をより多
く通過させることができ、精度よく凹凸パターンを転写
することができる。したがって、細かいパターンの転写
が高精度かつ短時間で行うことができ、適切に集光機能
を発揮させることができる。
【0141】その他の実施形態 上記実施形態では、集光機能を有する層の凸状の断面形
状として、微小なプリズム形状を例に挙げているが、こ
れに限定するものではなく、たとえば、凸条の断面形状
が、図6(A)に示すようなサイン又はコサインの曲
線、図6(C)(D)に示すような四辺形、長方形また
は正方形、櫛歯状などであったり、また図6(B)
(E)に示すような凸状の断面形状を所定の間隔をもっ
て飛び飛びに有する断面形状であってもよい。
【0142】なお、本発明は、上記した実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内で種々変更するこ
とができる。たとえば、上述した実施形態では、本発明
に係る集光シートを、バックライトユニット用集光シー
トとして用いた場合について説明したが、これに限定さ
れず、他の用途の集光シートとしても使用することがで
きる。
【0143】
【実施例】以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づ
き、比較例との比較において説明するが、本発明は、こ
れら実施例に限定されない。また、以下の例において、
特に断りのない限り、部及び%は重量基準である。
【0144】以下の製造例、実施例および比較例におい
て、各種物性の測定法は次のとおりである。
【0145】(1)重量平均分子量(Mw)は、特に記
載がない限りシクロヘキサンを溶剤とするゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリイソ
プレン換算値として測定した。主鎖水素添加率および芳
香環の水素添加率(核水素添加率)は、H−NMR
により測定した。 (2)ガラス転移温度(Tg)は、JIS−K7121
に基づいて測定した値とする。
【0146】(3)メルトフローレート(MI)は、J
IS−K6719に基づいて、280゜C、2.16k
gfの荷重で測定した。
【0147】(4)透明性の評価は、分光光度計によ
り、波長400〜900nmの範囲について波長を連続
的に変化させて光透過率(%)を測定し、最小の透過率
を、その積層シートの光透過率として測定した。光透過
率が高いほど、透明性に優れている。判定基準は、92
%以上のものを「◎(非常に良好)」、90%以上92
%未満のものを「○(良好)」、88%以上90%未満
のものを「△(やや不良)」、88%未満のものを「×
(不良)」とした。
【0148】(5)耐光性は、フェードメーターで(ブ
ラックパネル温度63゜C,720時間)紫外線照射し
た試験片の全光線透過率と、色差計を用いて色味の指標
となる△YIを測定した。全光線透過率の評価として
は、(試験後の全光線透過率/試験前の全光線透過率)
×100の値が、98%以上のものを「◎」、96%以
上98%未満のものを「○」、94%以上96%未満の
ものを「△」、94%未満ものを「×」とした。△YI
の評価としては、△YIが、0.3未満のものを
「◎」、0.3以上0.6未満のものを「○」、0.6
以上0.9未満のものを「△」、0.9以上のものを
「×」とした。
【0149】[製造例1]窒素雰囲気下、モノマーとし
て、8−メチル−テトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]−ドデカ−3−エン(以下、M
TCD)15重量部、およびトリシクロ[4.3.0.
2,5 ]−デカ−3,7−ジエン(以下、DCP)
85重量部の混合モノマーを公知のメタセシス開環重合
触媒系で重合した。重合後のガスクロマトグラフィーの
分析により未反応モノマーを示すピークが検出できない
ことから反応率は100%であることを確認した。次い
で公知の方法で水素添加してMTCD/DCP開環共重
合体水素添加物を得た。この開環共重合体水素添加物
の、Mwは35,000、水素添加率は99.9%、T
gは104゜C、MIは35g/10min.であっ
た。この樹脂100重量部に対し、酸化防止剤であるペ
ンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
0.1重量部を配合し、二軸混練機で混練し、棒状の溶
融押出し成形体(ストランド)をストランドカッターで
カッティングし、ペレット状の成形材料を得た。
【0150】[製造例2]モノマーをMTCD65重量
部及びDCP35重量部の混合モノマーとしたこと以外
は製造例1と同様の操作を行い、重合体水素添加物およ
び、ペレット状の成形材料を得た。この樹脂の、Mwは
35,000、水素添加率は99.9%、Tgは125
°C、MIは35g/10min.であった。
【0151】[製造例3]モノマーをMTCD75重量
部及びDCP25重量部の混合モノマーとしたこと以外
は製造例1と同様の操作を行い、重合体水素添加物およ
び、ペレット状の成形材料を得た。この樹脂の、Mwは
35,000、水素添加率は99.9%、Tgは130
°C、MIは35g/10min.であった。
【0152】[製造例4]モノマーをMTCD85重量
部及びDCP15重量部の混合モノマーとしたこと以外
は製造例1と同様の操作を行い、重合体水素添加物およ
び、ペレット状の成形材料を得た。この樹脂の、Mwは
35,000、水素添加率は99.9%、Tgは134
°C、MIは35g/10min.であった。
【0153】[製造例5]モノマーをMTCD65重量
部及びDCP35重量部の混合モノマーとしたこと以外
は製造例1と同様の操作を行い、重合体水素添加物およ
び、ペレット状の成形材料を得た。この樹脂の、Mwは
35,000、水素添加率は99.5%、Tgは125
°C、MIは35g/10min.であった。
【0154】[製造例6]モノマーをMTCD65重量
部及びDCP35重量部の混合モノマーとしたこと以外
は製造例1と同様の操作を行い、重合体水素添加物およ
び、ペレット状の成形材料を得た。この樹脂の、Mwは
8,000、水素添加率は99.9%、Tgは122°
C、MIは100g/10min.以上であった。
【0155】[製造例7]モノマーをMTCD65重量
部及びDCP35重量部の混合モノマーとしたこと以外
は製造例1と同様の操作を行い、重合体水素添加物およ
び、ペレット状の成形材料を得た。この樹脂の、Mwは
120,000、水素添加率は99.9%、Tgは12
2°C、MIは1.5g/10min.であった。
【0156】[製造例8]モノマーをMTCD95重量
部及びDCP5重量部の混合モノマーとしたこと以外は
製造例1と同様の操作を行い、重合体水素添加物およ
び、ペレット状の成形材料を得た。この樹脂の、Mwは
35,000、水素添加率は99.9%、Tgは139
°C、MIは35g/10min.であった。
【0157】[製造例9]モノマーをMTCD100重
量部としたこと以外は製造例1と同様の操作を行い、重
合体水素添加物および、ペレット状の成形材料を得た。
この樹脂の、Mwは35,000、水素添加率は99.
9%、Tgは141°C、MIは35g/10min.
であった。
【0158】[製造例10]8−メチル−8−メトキシ
カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]−ドデカ−3−エン10kg、1,2−ジメ
トキシメタン6kg、シクロヘキサン24kg、1−ヘ
キセン0.9kg、およびジエチルアルミニウムクロラ
イド0.96モル/リットルのトルエン溶液0.34リ
ットルは反応容器に加えた。一方、別の容器に六塩化タ
ングステンの0.05モル/リットルの1、2−ジメト
キシメタン溶液2リットルとパラアルデヒドの0.1モ
ル/リットルの1、2−ジメトキシメタン溶液1リット
ルを混合した。この混合液0.49リットルを前記反応
容器中の混合物に添加した。混合物を80°Cに加熱し
て3時間攪拌を行った。得られた重合体溶液に1、2−
ジメトキシメタンとシクロヘキサン2/8(重量比)の
混合溶媒を加えて重合体/溶媒が1/10(重量比)に
なるようにした後、トリエタノールアミン2kgを加え
て10分間攪拌した。この重合溶液にメタノール50k
gを加えて30分間攪拌して静置した。
【0159】2層に分離した上層を除き、再びメタノー
ルを加えて攪拌、静置後上層を除いた。同様の操作をさ
らに2回行い、得られた下層をシクロヘキサン、1、2
−ジメトキシメタンで適宜希釈し、重合体濃度が10%
のシクロヘキサン−1、2−ジメトキシメタン溶液を得
た。この溶液に2kgのパラジウム/シリカマグネシア
(日揮化学社製、パラジウム量=5%)を加えて、オー
トクレーブ中で水素圧40kg/cmとして4時間
反応させた。この溶液を、ケイソウ土をろ過助剤として
ステンレス製金網をそなえたろ過機によりろ過し、触媒
を除去した。この重合体水素添加物溶液を多量のメタノ
ール攪拌下に注いで水素添加物を沈殿させ、濾別して回
収した。さらに、メタノールで洗浄した後、1torr
以下、100°Cに設定した減圧乾燥器中で48時間乾
燥し、開環重合体水素添加物を得て、更に前記の同様の
酸化防止剤を配合し、同様の操作でペレット状の成形材
料を得た。得られた開環重合体水素添加物の、Mwは7
0,000、水素添加率は99.5%、Tgは168°
Cであった。
【0160】なお、上記製造例1〜10(樹脂組成)を
まとめたものを表1に示す。
【0161】
【表1】
【0162】 実施例1〜4 製造例1〜4のペレットを用いて、図4に示すようなT
ダイ法によりTダイ7からシート状に押し出しながら、
エンボスロール8a、8b間に通して巻き取りロール9
に巻き取った後、図3(A)に示すような構造で、ピッ
チ70μm、高さ80μm、頂角90°のプリズム形状
の繰り返し形状の凹凸表面を有する集光シートをそれぞ
れ得た。
【0163】Tダイ法の運転条件は、日本製鋼所社製の
押出機P5−28ABおよび650mm幅のキャストロ
ールを備えたフィルム引取機により、樹脂温度245°
C、Tダイ温度240°C、キャストロール温度140
°C、キャストロール速度8m/min.であった。
【0164】実施例5〜8 製造例1〜4のペレットを用いて、Tダイ法および無延
伸法により、それぞれ厚み80μm、幅450mm、長
さ1000mの基材シートを得た。
【0165】Tダイ法および無延伸法の成形条件は、日
本製鋼所社製の押出機P5−28ABおよび650mm
幅のキャストロールを備えたフィルム引取機により、樹
脂温度245°C、Tダイ温度240°C、キャストロ
ール温度140°C、キャストロール速度6m/mi
n.であった。
【0166】図5に示すように、ピッチ70μm、高さ
80μm、頂角90°のプリズム形状の繰り返し連続し
て有する型4に、ジシクロペンタジニエルアクリレート
100重量部と光重合開始剤(チバガイギー社製、イル
ガキュアー184)4重量部からなる紫外線硬化型樹脂
塗料5をローラを用いて塗布した後(図5(A)参
照)、基材シート31をラミネーターで貼り合わせ(図
5(B)参照)、基材シート31側から380nm付近
の活性光線を照射して(図5(C)参照)、塗料を硬化
させて、型4から離型させて(図5(D)参照)、図3
(B)に示すような構造で、ピッチ70μm、高さ80
μm、頂角90°のプリズム形状の繰り返し形状の凹凸
表面を有する集光シートをそれぞれ得た。
【0167】実施例9〜11 製造例5〜7のペレットを用いた以外は実施例1〜4と
同様にして、図3(A)に示す集光シートをそれぞれ得
た。
【0168】比較例1〜3 製造例8〜10のペレットを用いた以外は実施例1〜4
と同様にして、図3(A)に示す集光シートをそれぞれ
得た。
【0169】比較例4〜6 製造例8〜10のペレットを用いた以外は実施例5〜8
と同様にして、図3(B)に示す集光シートをそれぞれ
得た。
【0170】上記実施例1〜11、比較例1〜6により
得られた集光シートについてそれぞれ、透明性、耐光性
(全光線透過率、△YI)を測定した。それらの結果を
まとめて表2に示す。
【0171】
【表2】
【0172】表2に示すように、実施例1〜11の集光
シートは透明性および耐光性に優れていることが確認さ
れた。一方、比較例1〜6の集光シートは、実施例1〜
11と比較して、いずれも耐光性(全光線透過率および
△YI)に劣っていることが確認された。
【0173】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明に係る
集光シートでは、基材シートが、脂環式構造含有熱可塑
性樹脂で構成してあることから、透明性に優れるなどの
光学特性に優れる。また、本発明に係る集光シートで
は、基材シートが、脂環式構造含有熱可塑性樹脂の中で
も、脂環式構造を有する繰返し単位(A)中のノルボル
ナン環を有さない脂環式構造からなる繰り返し単位(A
−i)を10重量%以上含有する熱可塑性樹脂で構成し
てあることから、特に耐光性が向上し、光の透過によっ
ても、集光シートが黄変して透過率が低下することがな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は本発明の第1実施形態に係る集光
シートを用いた一の面状光源装置を示す概略斜視図、図
1(B)は図1(A)をX方向からの見た正面図、図1
(C)は図1(A)をY方向から見た正面図である。
【図2】図2(A)は本発明の第1実施形態に係る集光
シートを用いた別の面状光源装置を示す概略斜視図、図
2(B)は図2(A)をX方向からの見た正面図、図3
(C)は図2(A)をY方向から見た正面図である。
【図3】図3(A)は本発明の第1実施形態に係る集光
シートを示す部分断面図、図3(B)は本発明の第2実
施形態に係る集光シートを示す部分断面図である。
【図4】図4は本発明の第1実施形態に係る集光シート
の製造方法を示す図である。
【図5】図5(A)〜(D)は本発明の第2実施形態に
係る集光シートの製造方法の流れを示す図である。
【図6】図6(A)〜(E)は本発明に係る集光シート
の断面形状の他の実施形態を示す概略図である。
【符号の説明】
1…導光板 2…光源 3…集光シート 3a…プリズム形状 30a、30b…プリズム形状の表面 31…基材 32…集光層 4…型 5…塗料 6…ローラ 7…Tダイ 8a…エンボスロール 80a…集光用凹凸 8b…平滑ロール 80b…平滑面 9…巻き取りロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石丸 一世 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1号 日本ゼオン株式会社総合開発センター内 (72)発明者 宮崎 達雄 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1号 日本ゼオン株式会社総合開発センター内 Fターム(参考) 2H042 CA12 CA15 CA17 4J002 BB011 BK001 BL021 FD020 FD040 FD050 FD070 FD090 FD100 FD170 FD200 GC00 GP00 4J032 CA21 CA32 CA33 CA34 CA35 CA36 CA38 CA43 CA45 CB04 CB12 CD02 CD03 CD04 CD07 CD08 CD09 CE03 CE22 CE23 CF03 CG02 CG07 CG08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂環式構造を有する繰り返し単位中にノ
    ルボルナン環構造を有さない脂環式構造からなる繰り返
    し単位を10重量%以上含有する脂環式構造含有熱可塑
    性樹脂からなる集光シート。
  2. 【請求項2】 脂環式構造含有熱可塑性樹脂を構成する
    主鎖の水素添加率が99.6%以上である請求項1に記
    載の集光シート。
  3. 【請求項3】 脂環式構造含有熱可塑性樹脂の重量平均
    分子量が10,000〜100,000の範囲にある請
    求項1または2に記載の集光シート。
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