JP2007176960A - 樹脂組成物およびその成形体 - Google Patents

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寛哉 西岡
Takashi Morita
崇 森田
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Abstract

【課題】
大型基板上で均質な樹脂パターンを得る方法を提供する。
【解決手段】
脂環構造含有重合体に、蛍光増白剤として2,2−(1,2−エテンジイル)ビス(4,1−フェニレン)ビスベンゾオキササゾール0.01重量部、光安定剤としてビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート0.5重量部、酸化防止剤としてテトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン0.4重量部を混合した樹脂組成物を射出成形して、成形体を得る。
【選択図】 なし

Description

本発明は、脂環構造含有重合体の樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、高い光拡散性を有し、かつ溶融滞留時および紫外線照射時の該組成物の変色が抑制され、優れた色調を保持する脂環構造含有重合体の樹脂組成物に関する。
電圧をかけると分子の並び方が変化するという液晶の性質を利用した液晶表示装置は、携帯情報端末、車載用パネル、パソコンなどに広く用いられている。今後、液晶表示装置の大型化、高性能化が進むことにより、CRT表示装置(ブラウン管)を代替することが期待されている。液晶自体は発光しないので、液晶表示装置は外部の光源を必要とし、液晶表示装置の側縁に光源が配置されるサイドライト方式と、液晶表示装置の背部に光源が配置される直下方式が実用化されている。サイドライト方式は、装置ユニットを薄くすることができるが、輝度が低いので、輝度が要求される大型の液晶表示装置には、直下方式が適している。
直下方式の液晶表示装置では、装置筐体の背部に複数本の蛍光管などの光源を配置し、光拡散板により入射した光を拡散させて輝度の均一な面上の光に変換する。必要に応じて、蛍光管の背後に反射板を設け、光拡散板の裏面にグラデーション印刷を施し、光拡散板の前面に集光シート、拡散シートなどを設置する。光拡散板には、光線透過率と光拡散性のバランスが良く、反りがなく十分な強度を有することが要求される。
光拡散板の材料としては、光拡散材を含有する熱可塑性樹脂成形材料の成形品が用いられる。光拡散板の成形法としては、押出成形法、キャスト法、射出成形法などがある。
溶融押出成形法によれば、光拡散板の原材料シートを効率的に生産することが出来るが、シートから光拡散板などの成形体を切り出す加工工程があるため、生産性に劣る。
キャスト法によれば、強度が高く、光学的な歪のない成形体を得ることが出来るが、やはり成形体の切り出し加工工程を要するため生産性は高くない。
こうした観点から、より大型な基板を高い生産性で得るためには、直接光拡散板などの成形体が得られる射出成形法による方法が採用されるようになっている。射出成形法により大型基板を得る場合、複数のゲートから成形材料を金型へ流し込み、加熱成形することになる。
ところで基板に対しては、輝度むらや色相のむらといった、面内での性能の均一性が求められている。例えば、特開2004−29091号公報は、ポリカに透明微粒子と蛍光増白剤を配合して、輝度むらのない光拡散板を得ることを提案している。
さらに、表示素子は、定常的に光や熱を受けるため、これらに対する安定性(耐光安定性)が求められている。例えば、国際公開WO01/92412号公報には、光安定剤を配合することで耐光性を得ることが提案されている。特開2003−276047号公報には、ビニル脂環式炭化水素重合体に酸化防止剤を配合したペレットと、同重合体に耐光安定剤を配合したペレットとを併用して溶融成形することにより、長期間色調変化のない成形体を得ることを提案している。また、光の照射により生じる熱に対しても変色しない成形体を与える成形材料として、特開2001−214049号公報では、ポリカーボネートに高分子微粒子を配合したものが提案されている。
特開2004−29091号公報 国際公開WO01/92412号公報 特開2003−276047号公報 特開2001−214049号公報
かかる従来技術のもと、本発明者らは、特開2004−29091号公報に、記載された成形材料を用いて、20インチ以上の大型基板を形成するため射出成形を行ったところ、色度むらが生じ、しかも、寸法安定性にも劣ることが判った。
そこで、色度むらがなく、寸法安定性に優れた光拡散板などの光学板状材料に好適な樹脂組成物を得るべく鋭意検討した結果、脂環構造含有重合体に蛍光増白剤と光安定剤と酸化防止剤とを配合した樹脂組成物であれば、射出成形により得られた大型基板であっても、色度むらがなく寸法安定性に優れ、しかも耐光性にも優れた基板の得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、
(1)脂環構造含有重合体と、蛍光増白剤と、光安定剤と、酸化防止剤とを含有してなる樹脂組成物、
(2)蛍光増白剤の量が、脂環構造含有重合体100重量部に対して0.001〜0.1重量部である前記(1)記載の樹脂組成物、
(3)光安定剤の量が、脂環構造含有重合体100重量部に対して0.01〜2重量部である前記(1)又は(2)記載の樹脂組成物、
(4)酸化防止剤の量が、脂環構造含有重合体100重量部に対して0.01〜2重量部である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の樹脂組成物、
(5)蛍光増白剤がベンゾオキサゾール系化合物である前記(1)〜(4)のいずれかに記載の樹脂組成物、
(6)光安定剤が、ヒンダードアミン化合物である前記(5)記載の樹脂組成物、
(7)酸化防止剤が、フェノール系酸化防止剤である前記(5)又は(6)記載の樹脂組成物、
(8)前記(1)〜(7)のいずれかに記載された樹脂組成物からなる成形体、
(9)前記(1)〜(7)のいずれかに記載された樹脂組成物を射出成形してなる成形体、
(10)用いる金型が、複数個のゲートを有するものである前記(9)記載の成形体、
が提供される。
本発明の樹脂組成物は、脂環構造含有重合体と、蛍光増白剤と、光安定剤と、酸化防止剤とを含有する。
脂環構造含有重合体は、主鎖及び/又は側鎖に脂環構造を持つものであり、寸法安定性の観点から、主鎖に脂環式構造を含有するものが好ましい。脂環構造を持つ樹脂は成形時における流動性が良く、高耐熱性、低吸湿性、そりが少ないなどの優れた特徴を有している。
本発明で用いる脂環式構造含有重合体(A)は、脂環式構造を含有してなる繰り返し単位を有する重合体である。脂環式構造含有重合体中の脂環式構造としては、飽和環状炭化水素(シクロアルカン)構造、不飽和環状炭化水素(シクロアルケン)構造などが挙げられるが、機械強度、耐熱性などの観点から、シクロアルカン構造やシクロアルケン構造が好ましく、中でもシクロアルカン構造が最も好ましい。脂環式構造は主鎖にあっても良いし、側鎖にあっても良いが、機械強度、耐熱性などの観点から、主鎖に脂環式構造を含有するものが好ましい。脂環式構造を構成する炭素原子数には、格別な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、機械強度、耐熱性、及びフィルムの成形性の特性が高度にバランスされる。
本発明に使用される脂環式構造含有重合体中の脂環式構造を含有してなる繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。脂環式構造含有重合体中の脂環式構造を含有してなる繰り返し単位の割合がこの範囲にあるとフィルムの透明性および耐熱性の観点から好ましい。
この脂環式構造含有重合体の具体例としては、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環の環状オレフィン系重合体、(3)環状共役ジエン系重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素系重合体、及び(1)〜(4)の水素化物などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性、機械的強度等の観点から、ノルボルネン系重合体水素化物、ビニル脂環式炭化水素重合体及びその水素化物が好ましい。
(1)ノルボルネン系重合体
ノルボルネン系重合体は、開環重合によって得られるものと、付加重合によって得られるものに大別される。
開環重合によって得られるものとして、ノルボルネン系モノマーの開環重合体及びノルボルネン系モノマーとこれと開環共重合可能なその他のモノマーとの開環重合体、ならびにこれらの水素化物などが挙げられる。付加重合によって得られるものとしてノルボルネン系モノマーの付加重合体及びノルボルネン系モノマーとこれと共重合可能なその他のモノマーとの付加重合体などが挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素化物が、耐熱性、機械的強度等の観点から好ましい。
ノルボルネン系モノマーとしては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)及びその誘導体(環に置換基を有するもの)、トリシクロ[4.3.01,6.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名ジシクロペンタジエン)及びその誘導体、7,8−ベンゾトリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン(慣用名メタノテトラヒドロフルオレン:1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)及びその誘導体、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)及びその誘導体、などが挙げられる。
置換基としては、アルキル基、アルキレン基、ビニル基、アルコキシカルボニル基、アルキリデン基などが例示でき、上記ノルボルネン系モノマーは、これらを2種以上有していてもよい。具体的には、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンなどが挙げられる。
これらのノルボルネン系モノマーは、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
ノルボルネン系モノマーの開環重合体、またはノルボルネン系モノマーとこれと開環共重合可能なその他のモノマーとの開環重合体は、モノマー成分を、公知の開環重合触媒の存在下で重合して得ることができる。開環重合触媒としては、例えば、ルテニウム、オスミウムなどの金属のハロゲン化物と、硝酸塩またはアセチルアセトン化合物、及び還元剤とからなる触媒、あるいは、チタン、ジルコニウム、タングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン化物またはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒を用いることができる。
ノルボルネン系モノマーと開環共重合可能なその他のモノマーとしては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環状オレフィン系単量体などを挙げることができる。
ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素化物は、通常、上記開環重合体の重合溶液に、ニッケル、パラジウムなどの遷移金属を含む公知の水素化触媒を添加し、炭素−炭素不飽和結合を水素化することにより得ることができる。
ノルボルネン系モノマーの付加重合体、またはノルボルネン系モノマーとこれと共重合可能なその他のモノマーとの付加重合体は、これらのモノマーを、公知の付加重合触媒、例えば、チタン、ジルコニウム又はバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒を用いて重合させて得ることができる。
ノルボルネン系モノマーと付加共重合可能なその他のモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセンなどの炭素数2〜20のα−オレフィン、及びこれらの誘導体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのシクロオレフィン、及びこれらの誘導体;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエン;などが挙げられる。これらの中でも、α−オレフィンが好ましく、エチレンが特に好ましい。
これらの、ノルボルネン系モノマーと付加共重合可能なその他のモノマーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。ノルボルネン系モノマーとこれと付加共重合可能なその他のモノマーとを付加共重合する場合は、付加重合体中のノルボルネン系モノマー由来の構造単位と付加共重合可能なその他のモノマー由来の構造単位との割合が、重量比で通常30:70〜99:1、好ましくは50:50〜97:3、より好ましくは70:30〜95:5の範囲となるように適宜選択される。
(2)単環の環状オレフィン系重合体
単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの、単環の環状オレフィン系単量体の付加重合体を用いることができる。
(3)環状共役ジエン系重合体
環状共役ジエン系重合体としては、例えば、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの環状共役ジエン系単量体を1,2−または1,4−付加重合した重合体及びその水素化物などを用いることができる。
(4)ビニル脂環式炭化水素重合体
ビニル脂環式炭化水素重合体としては、例えば、ビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘキサンなどのビニル脂環式炭化水素系単量体の重合体及びその水素化物;スチレン、α−メチルスチレンなどのビニル芳香族系単量体の重合体の芳香環部分の水素化物;などが挙げられ、ビニル脂環式炭化水素重合体やビニル芳香族系単量体と、これらの単量体と共重合可能な他の単量体とのランダム共重合体、ブロック共重合体などの共重合体及びその水素化物など、いずれでもよい。ブロック共重合体としては、ジブロック、トリブロック、またはそれ以上のマルチブロックや傾斜ブロック共重合体などが挙げられ、特に制限はない。
本発明において使用する蛍光増白剤は、樹脂用の色調を白色あるいは青白色に改善するために用いられるものであれば特に制限はなく、例えばスチルベン系、ベンズイミダゾール系、ベンズオキサゾール系、ナフタルイミド系、ローダミン系、クマリン系、オキサジン系化合物等が挙げられ、ベンゾオキサゾール系化合物が好ましい。特に5%重量減少温度が280℃以上の2,2−(1,2−エテンジイル)ビス(4,1−フェニレン)ビスベンゾオキササゾールは、操作性の観点から特に好適に用いることができる。ここで蛍光増白剤とは、紫外線により励起され可視光を発光するものである。色度の観点から、蛍光増白剤の添加量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.001〜0.1重量部であることが好ましく、0.005〜0.05重量部であることが特に好ましい。
本発明において使用する光安定剤に特に限定はなく、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)、ベンゾエート系光安定剤などを挙げることができる。ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート及びビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネートなどを挙げることができる。ベンゾエート系耐光安定剤としては、例えば、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどを挙げることができる。これらの光安定剤は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。これらの中で、ヒンダードアミン系光安定剤を好適に用いることができ、中でも特に、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネートを特に好適に用いることができる。光安定剤の添加量は、色度の観点から熱可塑性樹脂100重量部に対して0.01〜2重量部であることが好ましく、0.02〜1重量部であることがより好ましく、0.05〜0.5重量部であることが特に好ましい。
本発明において使用する酸化防止剤に特に限定はなく、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤及びイオウ系酸化防止剤などを挙げることができる。フェノール系酸化防止剤としては、例えば、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート及びテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどを挙げることができる。リン系酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト及びジフェニルイソデシルホスファイトなどを挙げることができる。イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネートなどを挙げることができる。これらの酸化防止剤は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。これらの中で、フェノール系酸化防止剤、特にアルキル置換酸化防止剤を好適に用いることができる。酸化防止剤の添加量は、色度の観点から、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.01〜2重量部であることが好ましく、0.02〜1.5重量部であることがより好ましく、0.05〜1重量部であることがさらに好ましい。
本発明の成形体、透明樹脂を成形して得られる板状成形体である。成形体が光拡散板や導光板に用いられるものである場合、成形体には光入射面と光出射面をそれぞれ一つ以上有する。また、光拡散板の内部には、光を散乱する機能を有する、光反射物質及び/又は空気の層(泡)などが分散しており、光入射面から入射した光源からの光を乱反射させながら光出射面に導くことができる。光反射物質としては、有機微粒子や無機微粒子などが挙げられ、ポリスチレン粒子やシリコーン粒子などの有機微粒子や、シリカ、アルミナ、及びチタニアなどの無機微粒子などが好ましい。
本発明の成形体は、対角線の長さが好ましくは500mm以上、特に好ましくは600mm以上である。大型の光拡散板ほど平均光路長が長いために色度むらが発生しやすく、本発明の効果が顕著に現れる。
本発明の成形体を光り拡散板に用いる場合、成形体の少なくとも1つの主面上に、光拡散機能を有する微細凹凸形状が形成されたものであるのが好ましい。微細凹凸形状を有する少なくとも一つの主面は、光源に対面する面の反対面になるように配置するのが好ましい。微細凹凸形状は、光拡散機能を有する形状であれば特に制限はないが、例えば、複数の平行する畝状レンズからなる形状、連続プリズム形状、シボ面、ホログラフィー面などを挙げることができる。畝状レンズやプリズムのピッチは、10〜500μmであることが好ましく、20〜300μmであることがより好ましく、50〜200μmであることがさらに好ましい。畝状レンズやプリズムの幅は、1〜250μmであることが好ましく、2〜100μmであることがより好ましく、5〜50μmであることがさらに好ましい。畝状レンズ又はプリズムの高さは、1〜250μmであることが好ましく、2〜100μmであることがより好ましく、5〜50μmであることがさらに好ましい。
また、本発明の成形体を光拡散板に用いる場合、少なくとも一つの面に、光反射防止層を有することもできる。シボ面は研磨材によりサンドブラストされたスタンパー表面形状を、該スタンパーを金型に組み込み、樹脂を射出成形することで、射出成形品に転写することによって得ることができる。ホログラフィー面は特開昭59−131902号公報に記載されるように、スリガラス等の光拡散部材にレーザーなどの位相の揃った光を入射して、得られたスペックルパターンを硬化性樹脂に固定し、硬化性樹脂に固定された前記パターン表面に金属を電鋳して微細な凹凸を持つスタンパーを作製し、該スタンパーを射出成形金型に組み込んで樹脂を射出成形し、該スタンパーの凹凸を射出成形品に転写することによって得ることができる。
大型の板状成形体を得る場合、複数個のゲートを有する金型を用いて、脂環構造含有重合体を射出成形する。
具体的には、射出成形の固定型平面に複数個のゲートを有し、キャビティの主面がほぼ長方形でその対角線の長さが400mm以上、深さが0.1〜5mmである金型を用いて成形する。長方形の長さが400mm未満の板状成形体はサイドゲート方式の金型を用いて射出成形することができるので、特に本発明に適用しない。金型キャビティの深さは、得られる成形体の厚さとほぼ一致する。キャビティの深さは、0.5〜3mmであることがより好ましい。厚さ0.1mm未満の成形体は、厚さが薄いことから強度が不足するおそれがある。成形体の厚さが5mm以下ある時に、十分な強度と光拡散性が得られる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
なお、平均色度、色度むら、平均輝度、輝度むら、寸法安定性及び耐光性の測定は以下の方法で行った。
・平均色度、色度むら、平均輝度、輝度むら
30型液晶テレビジョン[シャープ社製、製品名:LC−30AD1]の液晶セルを取りはずし、使用されていた光拡散板に替えて本発明の光拡散板を取り付け、2次元色分布測定装置[ミノルタ社製、型式:CA−1500W]を用い、液晶テレビジョンの縦横をそれぞれ6等分する線分の交点25点で色度、輝度を測定した。その25点の色度の平均値を平均色度とし、25点の輝度の平均値を平均輝度とした。
25点中の最大値色度(ymax)と最小色度(ymin)の差を色度むらΔy=ymax−yminとした。この値が小さいほど、色度むらの小さいものである。
25点中の最大輝度と最小輝度の差を、最小値輝度min/最小値輝度max×100(%)の式に当てはめて算出した。この値が大きいほど輝度むらの小さいものである。
・寸法安定性
60℃90%RHの環境で500時間放置した後、その光拡散板の反り量(mm)を測定した。
・耐光性
光拡散板を65×65mmに切り出し、色度を測定した。続いて、この板に、照射試験機を用いて80℃、光強度(313nmの強度)90μW/cm・nmで300時間照射した後、色度を測定した。
色度は、分光式色差計SE−2000[日本電色工業社製]で測定した。
試験前の色度をy1とし、試験後の色度をy2としたときの、Δy=y1−y2の値を算出した。この値が小さいほど耐光性に優れることを示す。
[実施例1]
脂環構造含有重合体として、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン170部と、8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン30部との開環共重合体の水素添加物100重量部に対して、光拡散剤としてトスパール120[製品名;ジーイー東芝シリコーン社製、メチルポリシロキサン網状重合体、平均粒径2μm]0.8重量部、蛍光増白剤として2,2−(1,2−エテンジイル)ビス(4,1−フェニレン)ビスベンゾオキササゾール0.01重量部、光安定剤としてビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート0.5重量部、酸化防止剤としてテトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン0.4重量部を混合し、二軸混練機で混練し、ストランドをストランドカッターで切断してペレット状の成形材料を得た。
得られた成形材料を、光入射面となる面に8個のピンポイントゲートを有する金型を用いて、縦460mm、横612mm、対角線の長さ766mm、厚さ2.0mmの30インチ型光拡散板を、射出成形により製造した。射出成形の成形条件は、型締め力4410kNの射出成形機を用い、金型温度85℃、シリンダー温度275℃、ノズル温度260℃、射出圧1200kgf/cm、保圧800kgf/cm、射出速度100cm/sとした。
得られた光拡散板の平均色度は0.2970、色度むらは0.010、平均輝度は5000cd/m、輝度むらは92%であった。
また、反り量は0mmであり、耐光性は0.025であった。
[比較例1]
蛍光増白剤を使用しなかった以外は実施例1と同様にして、光拡散板を製造した。得られた光拡散板の平均色度は0.3150、色度むらは0.012、平均輝度は4800cd/m、輝度むらは90%であった。実施例1と比較して、平均輝度が低下し、平均色度の値が増加しており、光拡散板としての性能に劣ることが判る。
また、反り量は0mmであり、耐光性は0.025であった。
[比較例2]
光安定剤を使用しなかった以外は実施例1と同様にして、光拡散板を製造した。得られた光拡散板の平均色度は0.3110、色度むらは0.010、平均輝度は5000cd/m、輝度むらは92%であった。実施例1と比較して、耐光性Δyが増大しており、光拡散板としての性能に劣ることが判る。
また、反り量は0mmであり、耐光性は0.03であった。
[比較例3]
酸化防止剤を使用しなかった以外は実施例1と同様にして、光拡散板を製造した。得られた光拡散板の平均色度は0.3180、色度むらは0.012、平均輝度は5000cd/m、輝度むらは92%であった。実施例1と比較して、平均色度が増加しており、光拡散板としての性能に劣ることが判る。
また、反り量は0mmであり、耐光性は0.025であった。
[比較例4]
樹脂をポリカーボネート[帝人化成社製、製品名:AD5503]に替えた以外は実施例1と同様にして、光拡散板を製造した。得られた光拡散板の平均色度は0.3000、色度むらは0.018、平均輝度は5000cd/m、輝度むらは88%であった。
また、反り量は3mmであり、耐光性は0.067であった。
実施例1と比較して、色度むらΔyが増大し、また反り量も大きかった。
[比較例5]
樹脂をPMMA[旭化成社製、製品名:デルペット80NH]に替えた以外は実施例1と同様にして、光拡散板を製造した。得られた光拡散板の平均色度は0.2970、色度むらは0.018、平均輝度5000cd/m、輝度むらは85%であった。
また、反り量は4.5mmであり、耐光性は0.021であった。
実施例1と比較して、耐光色度むらΔyが増大し、輝度むらが低下し、また反り量も大きかった。

Claims (10)

  1. 脂環構造含有重合体と、蛍光増白剤と、光安定剤と、酸化防止剤とを含有してなる樹脂組成物。
  2. 蛍光増白剤の量が、脂環構造含有重合体100重量部に対して0.001〜0.1重量部である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 光安定剤の量が、脂環構造含有重合体100重量部に対して0.01〜2重量部である請求項1又は2記載の樹脂組成物。
  4. 酸化防止剤の量が、脂環構造含有重合体100重量部に対して0.01〜2重量部である請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 蛍光増白剤がベンゾオキサゾール系化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
  6. 光安定剤が、ヒンダードアミン化合物である請求項5記載の樹脂組成物。
  7. 酸化防止剤が、フェノール系酸化防止剤である請求項5又は6記載の樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載された樹脂組成物からなる成形体。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載された樹脂組成物を射出成形してなる成形体。
  10. 用いる金型が、複数個のゲートを有するものである請求項9記載の成形体。
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