JP2000221328A - 導光板 - Google Patents

導光板

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JP2000221328A
JP2000221328A JP11022049A JP2204999A JP2000221328A JP 2000221328 A JP2000221328 A JP 2000221328A JP 11022049 A JP11022049 A JP 11022049A JP 2204999 A JP2204999 A JP 2204999A JP 2000221328 A JP2000221328 A JP 2000221328A
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light guide
alicyclic structure
light
polymer
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JP11022049A
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English (en)
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Yuichiro Konishi
裕一郎 小西
Kazuyuki Obuchi
和之 小渕
Tatsuo Miyazaki
達雄 宮崎
Kazuyo Ishimaru
一世 石丸
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】外観上良好であり、しかも高輝度で輝度斑が少
なく、機械的強度に優れた導光板及びその製造方法を提
供する。 【解決手段】重合体全繰り返し単位中における主鎖又は
側鎖に脂環式構造を有する繰り返し単位の割合が50〜
100mol%であり、且つ、280°C、荷重2.1
6kgfにおけるJIS−K−6719により測定した
メルトフローレートが20〜300g/10min.で
ある、脂環式構造含有熱可塑性樹脂からなる。前記脂環
式構造含有熱可塑性樹脂は、ノルボルネン系開環重合体
水素添加物であることが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明に属する技術分野】本発明は、導光板及びその製
造方法に係わり、さらに詳しくは、外観上良好であり、
しかも高輝度(特に、正面輝度が高い)で輝度斑が少な
く、機械的強度に優れた導光板及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】導光板は、各種表示装置に装着されるバ
ックライトユニットに使用される光学部材の一つであ
り、例えば、エッジライト方式面状光源装置において
は、一般に側端面から入射した光源からの光を長手方向
に導きながら出射させるための導光板と、導光板の少な
くとも一側端面に配置された光源と、光源を囲むように
配置され導光板の光源側端面に直接入射しなかった光源
光を導光板に効率良く導くためのリフレクターと、導光
板の光出射面側に配置され、当該出射面から出射された
光を拡散させる為の光拡散シートと、導光板の光反射面
側に配置され、導光板から漏れた光を再度導光板内に戻
すための反射シートとを有して構成されている。
【0003】なお、導光板の裏面(光反射面)には、導
光板内に導入された光の輝度を上げたり、均一に拡散さ
せるためにドット模様、コーンカット、V溝等、様々な
形状のパターンが形成されることがある。
【0004】導光板は、出射面全面が各種表示装置の直
接的光源となるので、高輝度を達成するために、透明性
が高く、且つ、輝度斑が少ないことが必要である。この
ため、従来から、こうした導光板は、ポリメチルメタク
リレート(PMMA)やポリカーボネート(PC)とい
った無色且つ高透明性の熱可塑性樹脂を射出成形したも
のが使用されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、PMM
Aでは、射出成形時の溶融粘度が高く、成形可能な導光
板の形状には限度があり、また、流動性を高めるために
樹脂温度を上げると、シリンダー内で樹脂が発泡する恐
れがあり、成形品にボイドが発生する等、外観上良好な
成形品を得ることが困難であった。また、PCは、熱分
解温度はPMMAよりも高いが、熱変形温度もPMMA
に比較して高いため、十分な流動性を得るためには成形
温度を高めなければならず、その結果、シリンダー内で
樹脂が加水分解して発泡する恐れがあり、PMMAの場
合と同様に、成形品にボイドが発生して外観上良好な成
形品を得ることが困難であった。このため、射出成形に
より、成形不良を起こすことなく、安定して品質の良い
成形品を得ることができる成形材料が求められている。
【0006】また、成形材料としてPMMAやPCを用
い、導光板の裏面にV溝等の微細パターンを形成する場
合には、特に、導光板の厚みが光源から遠ざかるにつれ
て漸次薄くなるようなくさび型の導光板において、最も
薄肉部である末端部分の光反射面側においては微細形状
パターンを精度良く転写することができない問題もあ
り、これにより輝度斑が生じて出射される光の均整度を
下げる要因ともなっている。
【0007】そこで、上記PMMAやPCの問題を解決
すべく、特開平9−40,787号公報及び特開平10
−87,752号公報には、脂環式構造含有熱可塑性樹
脂であるテトラシクロドデセンとエチレンとのランダム
共重合体を導光板として使用することが提案されてい
る。
【0008】しかしながら、上記公報記載のランダム共
重合体は、脂環式構造を有する繰り返し単位であるテト
ラシクロドデセンの共重合割合が少なく、導光板に使用
しても、透明性が良好でないために十分な輝度が得られ
ず、また、機械的強度も不十分であるという問題があっ
た。
【0009】以上のことから、外観上良好であり、高輝
度且つ輝度斑が小さく、さらには機械的強度に優れた導
光板は得られていなかった。
【0010】本発明は、こうした実状に鑑みてなされ、
外観上良好であり、しかも高輝度で輝度斑が少なく、機
械的強度に優れた導光板及びその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、熱可塑性
樹脂の溶融流動性及び繰り返し単位の構成に着目し、こ
の改善を目的に鋭意検討した結果、特定のメルトフロー
レート(以下、MFRともいう場合がある。)を持ち、
且つ全繰り返し単位中に特定量の脂環式構造を有する繰
り返し単位を持った脂環式構造含有熱可塑性樹脂を用い
て溶融成形することにより、外観上良好であり、しかも
高輝度で輝度斑が少なく、機械的強度に優れた導光板を
得ることができることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0012】即ち、本発明に係る「導光板」は、重合体
全繰り返し単位中における主鎖又は側鎖に脂環式構造を
有する繰り返し単位の割合が50〜100mol%であ
り、且つ、280°C、荷重2.16kgfにおけるJ
IS−K−6719により測定したMFRが20〜30
0g/10min.である脂環式構造含有熱可塑性樹脂
からなることを特徴とする。
【0013】また、本発明に係る「導光板の製造方法」
は、重合体全繰り返し単位中における主鎖又は側鎖に脂
環式構造を有する繰り返し単位の割合が50〜100m
ol%であり、且つ、280°C、荷重2.16kgf
におけるJIS−K−6719により測定したMFRが
20〜300g/10min.である脂環式構造含有熱
可塑性樹脂を溶融成形することを特徴とする。
【0014】前記脂環式構造含有熱可塑性樹脂は、重合
体全繰り返し単位中における主鎖又は側鎖に脂環式構造
を有する繰り返し単位の割合が、少なくとも50〜10
0mol%であればよいが、好ましくは70〜100m
ol%、より好ましくは90〜100mol%、特に好
ましくは100mol%である。脂環式構造含有熱可塑
性樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合が過
度に少ないと、光の透過性に劣り、導光板の入射面から
導入された光をその対向面まで効率的に伝播することが
できなくなり、ひいては正面輝度が劣り、さらに機械的
強度も低下することになり好ましくない。また、脂環式
構造を有する繰り返し単位の割合が過度に少ないと、熱
変形を生じやすく好ましくない。
【0015】前記脂環式構造含有熱可塑性樹脂は、28
0°C、荷重2.16kgfにおけるJIS−K−67
19により測定したMFRが、少なくとも20〜300
g/10min.であればよいが、好ましくは30〜3
00g/10min.、より好ましくは50〜250g
/10min.、特に好ましくは50〜200g/10
min.である。脂環式構造含有熱可塑性樹脂のMFR
が過度に小さいと、溶融流動性に劣り、微細形状の転写
性が悪く、また薄くて、大画面サイズの成形物に充分充
填ができない等の成形性に劣り好ましくない。一方過度
にMFRが高すぎると、成形体の機械的強度が弱くな
り、薄くて、大画面サイズのものができない等の欠点を
有する。即ち、MFRを上記範囲にすることにより、得
られる成形体(導光板)の機械的強度と成形加工性(成
形時の樹脂の流動性)とが特に高度にバランスする。
【0016】前記脂環式構造含有熱可塑性樹脂として
は、ノルボルネン系開環重合体水素添加物であることが
好ましい。
【0017】前記脂環式構造含有熱可塑性樹脂がノルボ
ルネン系開環重合体水素添加物である場合において、全
ノルボルネン系モノマー由来の結合単位中に、ノルボル
ナン構造を有しないノルボルネン系モノマー由来の結合
単位を、好ましくは10重量%以上、より好ましくは2
0重量%以上、特に好ましくは30重量%以上含むもの
が、特に、機械的強度に優れているので、ノルボルネン
系開環重合体水素添加物のMFRを高めても、さらに薄
くて、大画面サイズの導光板の製造が可能になり、また
耐光性に優れるので光路の長いエッジライト式の導光板
に用いても黄変等の問題もなく好適である。
【0018】前記溶融成形としては、射出成形であるこ
とが好ましい。
【0019】
【作用】本発明による上記特定のMFRを持った脂環式
構造含有熱可塑性樹脂は、溶融粘度が低く、溶融成形時
の樹脂の溶融流動性に優れているので、導光板の反射面
側のV溝等の微細形状パターンを転写形成する場合に
も、精度良く転写することが可能となり、輝度斑が改善
され、しかも高温条件下でも樹脂が熱分解や加水分解を
起こすおそれは少なく、外観上良好な成形品(導光板)
を得ることができる。また、本発明による全繰り返し単
位中に特定量の脂環式構造を有する繰り返し単位を持っ
た脂環式構造含有熱可塑性樹脂は、透明性等の光学特性
に優れるので、長光路においても輝度の低下が少なく、
非常に高い輝度向上に繋がり、且つ、機械的強度の向上
にも繋がるので、特に、薄くて、大面積の導光板を成形
する場合においても、十分な機械的強度を保持した導光
板とすることができる。従って、本発明によれば、外観
上良好であり、しかも高輝度で輝度斑が少なく、機械的
強度に優れた導光板を提供できる。
【0020】これに加え、上記本発明の特定の樹脂を使
用することで、成形品たる導光板に耐熱性が付与され、
長時間導光板を使用しても温度変化により変形を生じる
恐れが少なくなり、導光板用途として好適となる。
【0021】また、特に、特定の構造単位を一定量以上
有し、さらに特定範囲のMFRを有する上記特定の樹脂
を用いて導光板を成形するに際しては、その成形方法と
して、溶融成形、特に好ましくは溶融射出成形すること
により、溶融時の流動性と、可塑性が良く、且つ成形不
良が起こらない領域での成形が可能であり、成形物の冷
却固化も容易となる。さらに導光板の反射面側のV溝等
の微細形状パターンも精度良く転写することが可能とな
る。さらには樹脂温度を下げても溶融粘度が低く、流動
性が確保できるので、成形の際のサイクルタイムも比較
的短時間ですみ、成形品の生産性が向上するとともに、
溶融状態での滞留時間が短くなり、ボイドや、焼け、色
度不良の発生率が下がるという効果もある。また、上記
特定の樹脂は、このような高精度の導光板を成形するの
に好適な射出成形を用いても、機械的強度が低下せずに
好適である。従って、本発明によれば、正面輝度が高
く、輝度斑が少なく、さらには機械的強度にも優れた導
光板を容易に製造することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0023】脂環式構造含有熱可塑性樹脂 本発明に用いられる脂環式構造含有熱可塑性樹脂は、主
鎖及び/又は側鎖に脂環式構造を有するものであり、機
械的強度、耐熱性等の観点から、主鎖に脂環式構造を含
有するものが好ましい。
【0024】脂環式構造としては、飽和環状炭化水素
(シクロアルカン)構造、不飽和環状炭化水素(シクロ
アルケン)構造等が挙げられるが、機械的強度、耐熱性
等の観点から、シクロアルカン構造を有するものが好ま
しい。脂環式構造を構成する炭素原子数は、格別な制限
はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、よ
り好ましくは5〜15個の範囲であるときに、機械的強
度、耐熱性、及び成形性の特性が高度にバランスされ好
適である。
【0025】また、脂環式構造含有熱可塑性樹脂の全繰
り返し単位中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合
は、通常50〜100mol%である。
【0026】かかる脂環式構造を有する脂環式構造含有
熱可塑性樹脂の好適な例としては、ノルボルネン系開環
重合体水素添加物が挙げられる。ノルボルネン系開環重
合体水素添加物は、機械的強度が高く、特に薄くて、大
面積サイズとなってきている最近の導光板の製造に好適
である。
【0027】ノルボルネン系開環重合体水素添加物は、
例えば、特開平3−14,882号公報や特開平3−1
22,137号公報等で開示される公知の重合体であ
り、ノルボルネン系モノマー、もしくはノルボルネン系
モノマーと共重合可能なその他モノマーを(共)重合
し、さらには水素添加することにより製造される。
【0028】ノルボルネン系モノマーとしては、例え
ば、ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン(慣用
名:ノルボルネン)、5−メチル−ビシクロ[2.2.
1]−ヘプト−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ
[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−エチル−ビシ
クロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−ブチル−
ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−ヘキ
シル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5
−オクチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エ
ン、5−オクタデシル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプ
ト−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.
1]−ヘプト−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ
[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−ビニル−ビシ
クロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−プロペニ
ル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−
メトキシ−カルボニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプ
ト−2−エン、5−シアノ−ビシクロ[2.2.1]−
ヘプト−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニ
ル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−
メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト
−2−エン、5−エトキシカルボニル−ビシクロ[2.
2.1]−ヘプト−2−エン、5−メチル−5−エトキ
シカルボニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−
エン、ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−5−エニル−
2−メチルプロピオネイト、ビシクロ[2.2.1]−
ヘプト−5−エニル−2−メチルオクタネイト、ビシク
ロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン−5,6−ジカル
ボン酸無水物、5−ヒドロキシメチル−ビシクロ[2.
2.1]−ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシ
メチル)−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エ
ン、5−ヒドロキシ−i−プロピル−ビシクロ[2.
2.1]−ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]
−ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシ−ビシクロ
[2.2.1]−ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.
2.1]−ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸イ
ミド、5−シクロペンチル−ビシクロ[2.2.1]−
ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ
[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−シクロヘキセ
ニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5
−フェニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エ
ン、トリシクロ[4.3.0.12,5 ]−デカ−
3,7−ジエン(慣用名ジシクロペンタジエン)、トリ
シクロ[4.3.0.12,5 ]−デカ−3−エン、
トリシクロ[4.4.0.12,5 ]−ウンデカ−
3,7−ジエン、トリシクロ[4.4.0.
2,5 ]−ウンデカ−3,8−ジエン、トリシクロ
[4.4.0.12,5 ]−ウンデカ−3−エン、テ
トラシクロ[7.4.0.1 10,13
2,7 ]−トリデカ−2,4,6−11−テトラエ
ン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒド
ロフルオレンともいう)、テトラシクロ[8.4.0.
11,14 .03,8 ]−テトラデカ−3,5,
7,12−11−テトラエン(1,4−メタノ−1,
4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセ
ンともいう)等のノルボルネン系モノマーのノルボルナ
ン構造を有しないノルボルネン系モノマー;テトラシク
ロ[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデカ−
3−エン(単にテトラシクロドデセンともいう)、8−
メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−ドデカ−3−エン、8−エチル−テトラシ
クロ[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデカ
−3−エン、8−メチリデン−テトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]−ドデカ−3−エン、8
−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.
2,5 .17,10]−ドデカ−3−エン、8−ビ
ニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テト
ラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデ
カ−3−エン、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデカ−3
−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラ
シクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデ
カ−3−エン、8−ヒドロキシメチル−テトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデカ−3
−エン、8−カルボキシ−テトラシクロ[4.4.0.
2,5 .17,10]−ドデカ−3−エン、8−シク
ロペンチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル
−テトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキセニ
ル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−ドデカ−3−エン、8−フェニル−テトラ
シクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデ
カ−3−エン、ペンタシクロ[6.5.1.
3,6 .0 2,7 .09,13]−ペンタデカ−
3,10−ジエン、ペンタシクロ[7.4.0.1
3,6 .110,13 .02,7 ]−ペンタデカ
−4,11−ジエン等のノルボルナン構造を1つ以上有
するノルボルネン系モノマー;等が挙げられる。
【0029】これらのノルボルネン系モノマーは、それ
ぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いるこ
とができる。
【0030】ノルボルネン系開環重合体水素添加物中に
おけるノルボルネン系モノマー由来の繰り返し結合単位
の割合は、通常50〜100mol%、好ましくは70
〜100mol%、より好ましくは90〜100mol
%、特に好ましくは100mol%である。
【0031】また、本発明における脂環式構造含有熱可
塑性樹脂を構成する、脂環式構造を有する繰り返し単位
以外の残部としての繰り返し単位としては、通常、鎖状
繰り返し単位が挙げられるが、このような鎖状繰り返し
単位は、例えば、ノルボルネン系モノマーと共重合可能
なその他のモノマーであり、重合により鎖状繰り返し単
位を与えるモノマーが挙げられる。こうしたノルボルネ
ン系モノマーと共重合可能なその他のモノマーとして
は、格別制限はないが、例えば、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メ
チル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エ
チル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−
メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセ
ン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1
−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテ
ン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1
−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等
の炭素数2〜20のエチレン又はα−オレフィン;シク
ロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−
ジメチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、
2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、シク
ロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,
7−メタノ−1H−インデン等のシクロオレフィン;
1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジ
エン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オ
クタジエン等の非共役ジエン;等が挙げられる。
【0032】これらのノルボルネン系モノマーと共重合
可能なその他のモノマーは、それぞれ単独で、あるいは
2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0033】本発明における好ましい樹脂としてのノル
ボルネン系開環重合体水素添加物中の共重合可能なモノ
マー由来の鎖状繰り返し単位の割合は、前記ノルボルネ
ン系モノマー由来の繰り返し単位の残部で、通常0〜5
0mol%、好ましくは0〜30mol%、より好まし
くは0〜10mol%、特に好ましくは0%である。
【0034】ノルボルネン系モノマー、又はノルボルネ
ン系モノマーと共重合可能なその他のモノマーの開環重
合は、通常開環重合触媒と分子量調節剤の存在下で行う
ことができる。開環重合触媒としては、例えば、ルテニ
ウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウ
ム、白金等の金属のハロゲン化物、硝酸塩又はアセチル
アセトン化合物と、還元剤とからなる触媒系、あるい
は、チタン、バナジウム、ジルコニウム、タングステ
ン、モリブデン等の金属のハロゲン化物又はアセチルア
セトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる触
媒系等が挙げられる。
【0035】また、分子量調節剤としては、通常、鎖状
モノオレフィンや鎖状共役ジエン類が用いられるが、例
えば、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、1−ヘ
キセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ドデセン、
1,4−ヘキサジエン等が挙げられる。分子量調節剤の
使用量は、重合条件により適宜選択されるが、通常、全
単量体に対するモル比で1/10〜1/500、好まし
くは1/25〜1/250、より好ましくは1/50〜
1/200の範囲である。この範囲にあるときに分子量
の制御が行い易く、MFRの制御が容易になる。この分
子量調節剤の添加方法としては、高精度で反応系に添加
する為、反応溶剤等で予め希釈して用いたり、計量精度
の高い装置を用いて添加することが好ましい。分子量調
節剤の添加量の精度としては、通常、目的とする分子量
に対して必要な添加量の誤差範囲が3%以下、好ましく
は2%以下、より好ましくは1%以下のときに、分子量
の制御が行い易く、MFRの制御も容易である。開環重
合反応は、溶媒中又は無溶媒で、通常、−50〜100
°Cの重合温度、0〜50kg/cmの重合圧力で
行うことができる。
【0036】また、ノルボルネン系開環重合体水素添加
物は、常法に従って製造することができる。具体的に
は、上記ノルボルネン系開環重合体の重合溶液に、水素
添加触媒の存在下、水素を添加することにより得ること
ができる。水素添加触媒としては、特に限定されない
が、通常、不均一系触媒や均一系触媒が用いられる。
【0037】不均一系触媒としては、例えば、ニッケ
ル、パラジウム、白金、又はこれらの金属をカーボン、
シリカ、ケイソウ土、アルミナ、酸化チタン等の担体に
担持させた固体触媒:ニッケル/シリカ、ニッケル/ケ
イソウ土、ニッケル/アルミナ、パラジウム/カーボ
ン、パラジウム/シリカ、パラジウム/ケイソウ土、パ
ラジウム/アルミナ等が挙げられる。均一系触媒として
は、例えば、遷移金属化合物とアルキルアルミ金属化合
物又はアルキルリチウムの組み合わせからなる触媒、例
えば、酢酸コバルト/トリエチルアルミニウム、酢酸コ
バルト/トリイソブチルアルミニウム、酢酸ニッケル/
トリエチルアルミニウム、酢酸ニッケル/トリイソブチ
ルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリ
エチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/
トリイソブチルアルミニウイム、チタノセンクロリド/
n−ブチルリチウム、ジルコノセンクロリド/n−ブチ
ルリチウム等の組み合わせからなる触媒が挙げられ、こ
れらの水素添加触媒は、それぞれ単独で又は2種以上組
み合わせて用いることができる。水素添加触媒の使用量
は、ノルボルネン系開環重合体100重量部当たり、通
常0.01〜100重量部、好ましくは0.1〜50重
量部、より好ましくは1〜30重量部の範囲である。水
素化反応は、通常1〜150kg/cmの水素圧
下、0〜250°Cの温度範囲、1〜20時間の反応時
間で行われる。
【0038】本発明で使用される脂環式構造含有熱可塑
性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、シクロヘキサンを
移動層とした高速液体クロマトグラフィーでのポリイソ
プレン換算値において、通常、10,000〜100,
000、好ましくは13,000〜70,000、より
好ましくは14,000〜60,000、特に好ましく
は15,000〜50,000の範囲である。Mwがこ
のような範囲にあるときに得られる導光板の機械的強度
と成形加工性とが高度にバランスして好ましい。
【0039】本発明で使用される脂環式構造含有熱可塑
性樹脂の、Mwと数平均分子量(Mn)との比(Mw/
Mn)で表される分子量分布(MWD)は、通常4.0
以下、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.7以
下、特に好ましくは2.5以下である。分子量分布がこ
のような範囲にあるときに得られる導光板の機械的強度
と成形加工性が高度にバランスして好ましい。
【0040】本発明で使用される脂環式構造含有熱可塑
性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、使用目的に応じて
適宜選択されればよいが、導光板の使用環境からは高い
方が好ましく、通常70°C以上、好ましくは70〜2
50°C、より好ましくは80〜200°Cであるとき
に、耐熱性と成形加工性とが高度にバランスされ好適で
ある。
【0041】本発明で使用される脂環式構造含有熱可塑
性樹脂の、25°CにおけるASTM−D542準拠で
測定した屈折率は、使用目的により適宜選択すれば良い
が、通常1.46〜1.60、好ましくは1.50〜
1.60であり、より好ましくは1.52〜1.56で
あるときに、反射面を有するエッジライト方式の導光板
に好適である。
【0042】なお、これらの脂環式構造含有熱可塑性樹
脂は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせ
て用いることができる。
【0043】本発明における導光板を構成する特定の脂
環式構造含有熱可塑性樹脂は、高温でも熱分解や加水分
解することなく成形することが可能であり、溶融時の流
動性においても他の熱可塑性樹脂より優れているので、
導光板の反射面にV溝等の微細な形状のパターンを形成
するときにも、転写不良を生じる恐れが少なくなり、輝
度斑が少なくなり好適である。
【0044】その他の成分 本発明に係る「導光板」を成形する成形材料は、上記脂
環式構造含有熱可塑性樹脂の他に、必要に応じて、その
他の成分を配合することができる。その他の成分の具体
例としては、(a)その他の樹脂、(b)軟質重合体、
(c)配合剤等が挙げられる。これらのその他の成分
は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて
用いることができ、その配合量は本発明の目的を損なわ
ない範囲で適宜選択される。
【0045】(a)その他の樹脂 本発明に使用される脂環式構造含有熱可塑性樹脂以外の
樹脂の具体例としては、例えば、ポリスチレン、ポリ
(メタ)アクリレート、ポリカーボネート、ポリエステ
ル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリイミド、ポリスル
ホン等を挙げることができる。
【0046】(b)軟質重合体 軟質重合体は、通常40°C以下のガラス転移温度(T
g)を有する重合体のことをいい、Tgが複数存在する
重合体やTgと融点(Tm)の両方を有する重合体の場
合にも、最も低いTgが40°C以下であれば、該軟質
重合体に含まれる。
【0047】軟質重合体としては、例えばイソプレンゴ
ム、その水素添加物;クロロプレンゴム、その水素添加
物;エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・α−オ
レフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合
体等の飽和ポリオレフィンゴム;エチレン・プロピレン
・ジエン共重合体、α−オレフィン・ジエン共重合体、
ジエン共重合体、イソブチレン・イソプレン共重合体、
イソブチレン・ジエン共重合体等のジエン共重合体、こ
れらのハロゲン化物、ジエン系重合体又はそのハロゲン
化物の水素添加物;アクリロニトリル・ブタジエン共重
合体、その水素添加物;フッ化ビニリデン・三フッ化エ
チレン共重合体、フッ化ビニリデン・六フッ化プロピレ
ン共重合体、フッ化ビニリデン・六フッ化プロピレン・
四フッ化エチレン共重合体、プロピレン・四フッ化エチ
レン共重合体等のフッ素ゴム;ウレタンゴム、シリコー
ンゴム、ポリエーテル系ゴム、アクリルゴム、クロルス
ルホン化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、
プロピレンオキサイドゴム、エチレンアクリルゴム等の
特殊ゴム;ノルボルネン系モノマーとエチレンとα−オ
レフィンの三元共重合体、ノルボルネン系モノマーの開
環重合体、ノルボルネン系モノマーの開環重合体の水素
添加物等のノルボルネン系軟質重合体;乳化重合又は溶
液重合したスチレン・ブタジエンゴム、ハイスチレンゴ
ム等のランダム、又はブロックのスチレン・ブタジエン
系共重合体、これらの水素添加物;スチレン・ブタジエ
ン・スチレンゴム、スチレン・イソプレン・スチレンゴ
ム、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレンゴム等
の芳香族ビニル系ゴムと共役ジエンのランダム共重合
体、これらの水素添加物;スチレン・ブタジエン・スチ
レンゴム、スチレン・イソプレン・スチレンゴム、スチ
レン・エチレン・ブタジエン・スチレンゴム等の芳香族
ビニル系モノマーと共役ジエンとの直鎖状又は放射状ブ
ロック共重合体、これらの水素添加物等のスチレン系熱
可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマ
ー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、1,2−ポリ
ブタジエン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可
塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー等の
熱可塑性エラストマー;等が挙げられる。
【0048】(c)配合剤 配合剤としては、樹脂工業で通常用いられているもので
あれば格別な制限はなく使用できる。具体的には、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、近赤外線吸収剤、染
料や顔料等の着色剤、可塑剤、及びフィラーが挙げられ
る。
【0049】酸化防止剤としては、フェノール系酸化防
止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げ
られるが、これらの中でも、フェノール系酸化防止剤が
好ましく、アルキル置換フェノール系酸化防止剤が特に
好ましい。
【0050】フェノール系酸化防止剤としては、従来公
知のものが使用でき、例えば、2−t−ブチル−6−
(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジ
ル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−
t−アミル−6−(1−(3,5−ジ−t−アミル−2
−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニルアクリレート
等の特開昭63−179,953号公報や特開平1−1
68,643号公報に記載されるアクリレート系化合
物;オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メ
チレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキ
シ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−ト
リメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス
(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’
−ヒドロキシフェニルプロピオネート)メタン[すなわ
ち、ペンタエリスリメチル−テトラキス(3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネ
ート)]、トリエチレングリコール ビス(3−(3−
t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プ
ロピオネート)等のアルキル置換フェノール系化合物;
6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリ
ノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリア
ジン、4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジ
ン、2−オクチルチオ−4,6−ビス−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−オキシアニリノ)−1,3,5−トリ
アジン等のトリアジン基含有フェノール系化合物;等が
挙げられる。
【0051】リン系酸化防止剤としては、一般の樹脂工
業で通常使用される物であれば格別な限定はなく、例え
ば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシル
ホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、ト
リス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニ
ルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−
ブチルフェニル)ホスファイト、10−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジ
ヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−
10−オキサイド等のモノホスファイト系化合物;4,
4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチル
フェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,4’イ
ソプロピリデン−ビス(フェニル−ジ−アルキル(C
12〜C )ホスファイト)等のジホスファイト系化
合物等が挙げられる。これらの中でも、モノホスファイ
ト系化合物が好ましく、トリス(ノニルフェニル)ホス
ファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、
トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイ
ト等が特に好ましい。
【0052】イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジ
ラウリル3,3−チオジプロピオネート、ジミリスチル
3,3’−チオジプロピピオネート、ジステアリル
3,3−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル
3,3−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール
−テトラキス−(β−ラウリル−チオ−プロピオネー
ト、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ [5,5] ウン
デカン等が挙げられる。
【0053】紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2
−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)2H−ベンゾトリ
アゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5
−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリア
ゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキ
シフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾー
ル、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフ
ェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2
−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニ
ル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−
t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾ
トリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;
4−t−ブチルフェニル−2−ヒドロキシベンゾエー
ト、フェニル−2−ヒドロキシベンゾエート、2,4−
ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−(2
H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6
−(3,4,5,6−テトラヒドロフタリミジルメチ
ル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オク
チルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2
−ヒドロキシ−4−オクチルフェニル)−2H−ベンゾ
トリアゾール等のベゾエート系紫外線吸収剤;2,4−
ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メ
トキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ
ベンゾフェノン−5−スルホン酸3水和物、2−ヒドロ
キシ−4−オクチロキシベンゾフェノン、4−ドデカロ
キシ−2−ホドロキシベンゾフェノン、4−ベンジルオ
キシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,
4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジ
ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン等の
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;エチル−2−シアノ−
3,3−ジフェニルアクリレート、2’−エチルヘキシ
ル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等の
アクリレート系紫外線吸収剤;[2,2’−チオビス
(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキ
シルアミンニッケル等の金属錯体系紫外線吸収剤等が挙
げられる。光安定剤としては、例えば、2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル
−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネー
ト、4−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオニルオキシ)−1−(2−(3
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニルオキシ)エチル)−2,2,6,6−
テトラメチルピペリジン等のヒンダードアミン系光安定
剤を挙げることができる。
【0054】近赤外線吸収剤は、例えば、シアニン系近
赤外線吸収剤;ピリリウム系赤外線吸収剤;スクワリリ
ウム系近赤外線吸収剤;クロコニウム系赤外線吸収剤;
アズレニウム系近赤外線吸収剤;フタロシアニン系近赤
外線吸収剤; ジチオール金属錯体系近赤外線吸収剤;
ナフトキノン系近赤外線吸収剤;アントラキノン系近赤
外線吸収剤;インドフェノール系近赤外線吸収剤;アジ
系近赤外線吸収剤;等が挙げられる。また、市販品の近
赤外線吸収剤SIR−103,SIR−114,SIR
−128,SIR−130,SIR−132,SIR−
152,SIR−159,SIR−162(以上、三井
東圧染料製)、Kayasorb IR−750,Ka
yasorb IRG−002,Kayasorb I
RG−003,IR−820B,Kayasorb I
RG−022,KayasorbIRG−023,Ka
yasorb CY−2,Kayasorb CY−
4,Kayasorb CY−9(以上、日本化薬製)
等を挙げることできる。
【0055】染料としては、脂環構造を有する熱可塑性
重合体に均一に分散・溶解するものであれば特に限定さ
れないが、本発明で用いられる脂環構造含有重合体との
相溶性が優るので油溶性染料(各種C.I.ソルベント
染料)が広く用いられる。油溶性染料の具体例としては
The Society of Diyes andC
olourists社刊Color Index vo
l.3に記載される各種のC.I.ソルベント染料等が
挙げられる。
【0056】顔料としては、例えば、ピグメントレッド
38等のジアリリド系顔料;ピグメントレッド48:
2、ピグメントレッド53、ピグメントレッド57:1
等のアゾレーキ系顔料;ピグメントレッド144、ピグ
メントレッド166、ピグメントレッド220、ピグメ
ントレッド221、ピグメントレッド248等の縮合ア
ゾ系顔料;ピグメントレッド171、ピグメントレッド
175、ピグメントレッド176、ピグメントレッド1
85、ピグメントレッド208等のペンズイミダゾロン
系顔料;ピグメントレッド122等のキナクリドン系顔
料;ピグメントレッド149、ピグメントレッド17
8、ピグメントレッド179等のペリレン系顔料;ピグ
メントレッド177等のアントラキノン系顔料が挙げら
れる。
【0057】本発明の導光板に着色を必要とするとき
は、染料と顔料の何れでも、本発明の目的の範囲で使用
でき、限定されるものではないが、ミクロな光学特性が
問題となるような導光板の場合には染料による着色が好
ましい。また、紫外線吸収剤が目視では黄色〜赤色の色
を示すこともあり、近赤外線吸収剤が目視では黒色の色
を示すこともあるため、これらと染料を厳密に区別して
使用する必要は無く、また、組合わせて使用しても良
い。
【0058】可塑剤としては、例えば、トリクレジルフ
ォスフェート、トリキシリルフォスフェート、トリフェ
ニルフォスフェート、トリエチルフェニルフォスフェー
ト、ジフェニルクレジルフォスフェート、モノフェニル
ジクレジルフォスフェート、ジフェニルモノキシレニル
フォスフェート、モノフェニルジキシレニルフォスフェ
ート、トリブチルフォスフェート、トリエチルフォスフ
ェート等の燐酸トリエステル系可塑剤;フタル酸ジメチ
ル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸
ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、
フタル酸ジイソノニル、フタル酸オクチルデシル、フタ
ル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル系可塑剤;オ
レイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル等
の脂肪酸一塩基酸エステル系可塑剤;二価アルコールエ
ステル系可塑剤;オキシ酸エステル系可塑剤;等が使用
できるが、これらの中でも燐酸トリエステル系可塑剤が
好ましく、トリクレジルフォスフェート、トリキシリル
フォスフェートが特に好ましい。
【0059】さらに、可塑剤の具体例としては、スクア
ラン(C3062、Mw=422.8)、流動パラフ
ィン(ホワイトオイル、JIS K2231に規定され
るISO VG10、ISO VG15、ISO VG
32、ISO VG68、ISO VG100、VG8
及びVG21等)、ポリイソブテン、水添ポリブタジエ
ン、水添ポリイソプレン等が挙げられる。これらの中で
もスクアラン、流動パラフィン及びポリイソブテンが好
ましい。
【0060】有機又は無機のフィラーとしては、高分子
工業分野で一般に使用されているものであれば、特に限
定はされない。
【0061】有機フィラーとしては、通常の有機重合体
粒子又は架橋有機重合体粒子を用いることができる。具
体的には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リメチル−1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテ
ン、ポリ1−ブテン等のポリオレフィン; ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフ
ッ化ビニリデン、ポリクロロプレン、塩素化ゴム等のハ
ロゲン含有ビニル重合体; ポリアリレート、ポリメタ
クリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリ
ル、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合
体、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル・スチレ
ン・アクリル酸エステル(共)重合体等のα,β−不飽
和酸又はその誘導体から誘導された(共)重合体; ポ
リビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリステアリン
酸ビニル、ポリ安息香酸ビニル、ポリマレイン酸ビニ
ル、ポリビニルビチラール、ポリアリルフタレート、ポ
リアリルメラチン、エチレン・酢酸ビニル共重合体等の
不飽和アルコール及びアミン又はそのアシル誘導体又は
アセタールから誘導された重合体; ポリエチレンオキ
シド、又はビスグリシジルエーテルからから誘導された
重合体; ポリフェニレンオキシド;ポリカーボネー
ト; ポリスルフォン; ポリウレタン; 及び尿素樹
脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロ
ン12等のポリアミド; ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリ1,4−ジメチ
ロール・シクロヘキサンテレフタレート等のポリエステ
ル; フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、尿素・ホル
ムアルデヒド樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂等
のアルデヒドとフェノール、尿素又はメラミンとから誘
導された架橋構造を有する重合体、例えば、酢酸セルロ
ース、プロピオン酸セルロース、セルロースエーテル等
の天然高分子化合物; 等の粒子又は架橋粒子を挙げる
ことができる。
【0062】無機フィラーとは1族、2族、4族、6
族、7族、8〜10族、11族、12族、13族、又は
14族元素の酸化物、水酸化物、硫化物、窒素化物、ハ
ロゲン化物、炭酸塩、硫酸塩、酢酸塩、燐酸塩、亜燐酸
塩、有機カルボン酸塩、珪酸塩、チタン酸塩、硼酸塩、
及びこれらの含水化合物、これらを中心とする複合化合
物、これらの化学的組成を持つ天然鉱物粒子である。具
体的には、フッ化リチウム、硼砂(硼酸ナトリウム含水
塩)等の1族元素化合物; 炭酸マグネシウム、燐酸マ
グネシウム、酸化マグネシウム、塩化マグネシウム、酢
酸マグネシウム、フッ化マグネシウム、チタン酸マグネ
シウム、珪酸マグネシウム、珪酸マグネシウム含水塩
(タルク)、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、亜燐酸
カルシウム、硫酸カルシウム(石膏)、酢酸カルシウ
ム、テレフタル酸カルシウム、水酸化カルシウム、珪酸
カルシウム、フッ化カルシウム、チタン酸カルシウム、
チタン酸ストロンチウム、炭酸バリウム、燐酸バリウ
ム、硫酸バリウム、亜燐酸バリウム等の2族元素化合
物;二酸化チタン(チタニア)、一酸化チタン、窒化チ
タン、二酸化ジルコニウム(ジルコニア)、一酸化ジル
コニウム等の4族元素化合物; 二酸化モリブデン、三
酸化モリブデン、硫化モリブデン等の6族元素化合物;
塩化マンガン、酢酸マンガン等の7族元素化合物;
塩化コバルト、酢酸コバルト等の8〜10族元素化合
物; 沃化第一銅等の11族元素化合物; 酸化亜鉛、
酢酸亜鉛等の12族元素化合物; 酸化アルミニウム
(アルミナ)、フッ化アルミニウム、アルミノシリケー
ト(珪酸アルミナ、カオリン、カオリナイト)等の13
族元素化合物; 酸化珪素(シリカ、シリカゲル)、石
墨、カーボン、グラファイト、ガラス等の14族元素化
合物; カーナル石、カイナイト、雲母(マイカ、キン
ウンモ)、バイロース鉱等の天然鉱物の粒子が挙げられ
る。
【0063】本発明においては、特に配合剤として白濁
防止剤を配合することが好ましいが、脂環式構造含有熱
可塑性樹脂のもつ透明性、低吸湿性、耐熱性、機械的強
度等の諸特性を損なうことなく、高温高湿度環境下にお
ける白濁を防止し得るものが好適である。白濁防止剤と
しては、前記記載の軟質重合体、前記記載の有機又は無
機のフィラー、アルコール性化合物、及び脂環式構造含
有熱可塑性樹脂と非相溶な化合物からなる群より選ばれ
る少なくとも一種の化合物が挙げられ、これらの中で
も、透明性、耐熱性、成形加工性、及び高温高湿度環境
下における白濁防止性を高度にバランスさせるには、ア
ルコール性化合物、及び軟質重合体が好ましく、軟質重
合体が特に好ましい。
【0064】前記軟質重合体の中でも白濁防止の観点か
ら、芳香族ビニル系モノマーと共役ジエン系モノマーと
の共重合体、及びその水素添加物が、脂環式構造含有熱
可塑性樹脂との分散性が良好で好ましい。芳香族ビニル
系モノマーと共役ジエン系モノマーとの共重合体はブロ
ック共重合体でもランダム共重合体でもよい。耐熱性の
点からは、芳香環以外の部分を水素添加している水添共
重合体がより好ましい。このような軟質重合体の具体例
としては、例えば、ポリブタジエン等の単独重合体の水
素添加物、ブタジエン・スチレン共重合体等のランダム
共重合体の水素添加物; ブタジエン・スチレン・ブロ
ック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレン・ブロ
ック共重合、イソプレン・スチレン・ブロック共重合
体、スチレン・イソプレン・スチレン・ブロック共重合
体等のブロック共重合体の水素添加物; 等が挙げられ
る。
【0065】前記有機又は無機のフィラーの中でも、平
均粒径は、使用用途に応じて適宜選択されるが、[(長
径+短径)/2]の平均粒径で、通常0.01〜50μ
m、好ましくは0.1〜30μmの範囲にあるときに透
明性と、高温高湿環境下での白濁防止効果とが高度にバ
ランスされて好適である。また、粒子形状は、格別な限
定はないが、長辺と短辺の長さの比が2対1以下である
球状粒子が好適である。
【0066】白濁防止剤に好適なアルコール性化合物と
しては、少なくとも1個のアルコール性水酸基と少なく
とも1個のエーテル結合とを有する化合物、あるいは少
なくとも1個のアルコール性水酸基と少なくとも1個の
エステル結合を有する化合物等が挙げられる。
【0067】少なくとも1個のアルコール性水酸基と少
なくとも1個のエーテル結合を有する化合物とは、フェ
ノール性の水酸基ではないアルコール性の水酸基を少な
くとも1個と、分子中にエーテル結合単位を少なくとも
1個とを有する有機化合物であればとくに限定はされな
い。例えば、好ましくは2価以上の多価アルコール、さ
らに好ましくは3〜8個の水酸基を有する多価アルコー
ル等の水酸基の一部がエーテル化された部分エーテル化
合物が挙げられる。
【0068】また、少なくとも1個のアルコール性水酸
基と少なくとも1個のエステル結合を有する化合物と
は、フェノール性の水酸基ではないアルコール性の水酸
基を少なくとも1個と、分子中にエーテル結合単位を少
なくとも1個とを有する有機化合物であればとくに限定
はされない。例えば、好ましくは2価以上の多価アルコ
ール、さらに好ましくは3〜8個の水酸基を有する多価
アルコール等の水酸基の一部がエステル化された部分エ
ステル化合物が挙げられる。2価以上の多価アルコール
としては、例えば、ポリエチレングリコール、グリセロ
ール、トリメチロールプロパン、ペンタエリストール、
ジグリセロール、トリグリセロール、ジペンタエリスト
ール、1,6,7−トリヒドロキシ−2,2−ジ(ヒド
ロキシメチル)−4−オキソヘプタン、ソルビトール、
2−メチル−1,6,7−トリヒドロキシ−2−ヒドロ
キシメチル−4−オキソヘプタン、1,5,6−トリヒ
ドロキシ−3−オキソヘキサンペンタエリストール、ト
リス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等が挙
げられるが、これらのうち、特に3価以上の多価アルコ
ール、3〜8個の水酸基を有する多価アルコールが好ま
しい。また、部分エステル化物を得るには、α,β−ジ
オールを含む部分エステル化物が合成可能なグリセロー
ル、ジグリセロール、トリグリセロール等が好ましい。
【0069】このような部分エーテル化物又は部分エス
テル化物として、具体的には、例えばグリセリンモノス
テアレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモ
ノベヘネート、ジグリセリンモノステアレート、グリセ
リンジステアレート、グリセリンジラウレート、ペンタ
エリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトー
ルモノラウレート、ペンタエリスリトールベヘレート、
ペンタエリスリロールジラウレート、ペンタエリスリト
ールトリステアレート、ジペンタエリスリトールジステ
アレート等の多価アルコールのエステル化物、及び対応
するエーテル化物; 3−(オクチルオキシ)−1,2
−プロパンジオール、3−(ラウリルオキシ)−1,2
−プロパンジオール、3−(4−ノニルフェニルオキ
シ)−1,2−プロパンジオール、1,6−ジヒドロキ
シ−2,2−ジ(ヒドロキシメチル)−7−(4−ノニ
ルフェニルオキシ)−4−オキソヘプタン、p−ノニル
フェニルエーテルとアルデヒドの縮合体とグリシドール
の反応により得られるエーテル化物、p−オクチルフェ
ニルエーテルとジシクロペンタジエンの縮合体とグリシ
ドールの反応により得られるエーテル化物等が挙げられ
る。
【0070】これらのアルコール性化合物の分子量は、
特に限定されないが、通常100〜3,000、好まし
くは200〜2,000、より好ましくは300〜1,
500の範囲であるとき、透明性と白濁防止効果が高度
にバランスされ好適である。
【0071】前記脂環式構造含有熱可塑性樹脂と非相溶
な化合物としては、前記アルコール性化合物や、フィラ
ー、軟質重合体以外の化合物であって、且つ脂環式構造
含有熱可塑性樹脂と非相溶な化合物である。脂環式構造
含有熱可塑性樹脂と非相溶な化合物は、脂環式構造含有
熱可塑性樹脂に完全に溶解しない非相溶化合物であれば
特に限定はされない。非相溶については、樹脂工業界の
常法に従って判断される。例えば、脂環式構造含有熱可
塑性樹脂100重量部に対し、化合物5重量部を溶融混
合した成形体を、電子顕微鏡で10万倍に拡大観察し、
10cm×15cmの範囲の中に1mm以上のドメ
イン又は粒子を少なくとも1個所有するものを非相溶と
定義することができる。非相溶な化合物としては、通
常、脂環式構造含有熱可塑性樹脂以外のその他の樹脂が
用いられる。
【0072】脂環式構造含有熱可塑性樹脂と非相溶なそ
の他の樹脂としては、例えば、ポリフェニレンスルフィ
ド、ポリフェニレンエーテル等のポリエーテル又はポリ
チオエーテル;芳香族ポリエステル、ポリアリレート、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、ポリカーボネート、ポリエーテルケトン等のポリ
エステル系重合体;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リ4−メチル−ペンテン−1等の鎖状ポリオレフィン系
重合体;ポリメチルメタクリレート、シクロヘキシルメ
タクリレートとメチルメタクリレート共重合体、ポリア
クリロニトリルスチレン(AS樹脂)等の汎用の透明樹
脂;アクリル樹脂;MS樹脂;液晶プラスチック等が挙
げられる。
【0073】これらの脂環式構造含有熱可塑性樹脂に非
相溶の化合物を添加すると、多くの場合、成形品に多数
の分散したミクロドメインが形成される。ミクロドメイ
ンを形成する場合には、電子顕微鏡で観察したドメイン
の平均粒系[(長径+短径)/2]は、通常0.001
〜0.5μm、好ましくは0.005〜0.3μm、特
に好ましくは0.01〜0.2μmの大きさである時
に、成形品の透明性と、高温高湿環境下での白濁防止効
果が高度にバランスされ好適である。
【0074】これらの白濁防止剤の屈折率は、使用目的
に応じて適宜選択すれば良いが、脂環式構造含有熱可塑
性樹脂の屈折率との差が、通常0.5以下、好ましくは
0.2以下、より好ましくは0.1以下であるものが透
明性と高温高湿度環境下における白濁防止性が高度にバ
ランスされ好適である。
【0075】これらの白濁防止剤は、それぞれ単独で、
或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。白
濁防止剤の配合割合は、白濁防止効果が発揮されうる範
囲で適宜選択すればよいが、脂環式構造含有熱可塑性樹
脂100重量部に対して、通常、0.01〜10重量
部、好ましくは0.03〜5重量部、より好ましくは
0.05〜2重量部の割合で配合する場合に、耐熱性、
透明性、及び高温高湿度環境下における白濁防止効果が
高度にバランスされ好適である。
【0076】成形材料 本発明においては、前記脂環式構造含有熱可塑性樹脂単
独で、あるいは必要に応じて前記その他の樹脂、軟質重
合体、配合剤を配合したものを成形材料として用いるこ
とができる。成形材料としては、通常二軸混練機を用
い、混練後は、溶融状態で棒状に押出し、ストランドカ
ッターで適当な長さに切り、ペレット化して用いられる
ことが多い。
【0077】成形方法 本発明において、導光板は、上記成形材料を溶融成形し
て得ることができる。溶融成形方法としては、格別制限
されず、例えば、熱プレス成形や射出成形等が挙げられ
るが、中でも、射出成形により成形することが好まし
い。本発明における、特定の構造単位を一定量以上有
し、さらに特定範囲のMFRを有する脂環式構造含有熱
可塑性樹脂を用いて導光板を成形するに際し、溶融成形
の中でも特に射出成形を採用して成形することにより、
溶融時の流動性と、可塑性が良く、且つ成形不良が起こ
らない領域での成形が可能であり、成形物の冷却固化も
容易となる。さらに導光板の反射面側のV溝等の微細形
状パターンも精度良く転写することが可能となる。さら
には樹脂温度を下げても溶融粘度が低く、流動性が確保
できるので、成形の際のサイクルタイムも比較的短時間
ですみ、成形品の生産性が向上するとともに、溶融状態
での滞留時間が短くなり、ボイドや、焼け、色度不良の
発生率が下がるという効果をも得ることができる。成形
条件は、使用目的、又は成形方法により適宜選択される
が、例えば射出成形方法における樹脂温度は、通常15
0〜400°C、好ましくは180〜360°C、より
好ましくは190〜330°C、特に好ましくは200
〜300°Cの範囲で適宜選択される。樹脂温度が過度
に低いと流動性が悪化し、成形品にヒケやひずみを生
じ、樹脂温度が過度に高いと樹脂の熱分解によるシルバ
ーストリークが発生したり、成形品が黄変する等の成形
不良が発生するおそれがある。
【0078】射出成形を行う場合、通常、成形材料をシ
リンダーで溶融した後に金型内に射出される。このとき
のシリンダーの温度により、上記の樹脂温度の設定が行
われる。また成形材料は、通常、ホッパーに投入され、
成型用材料が均一に混合されるように回転数を設定した
スクリューで、シリンダーに送られる。
【0079】シリンダーから金型への射出速度は通常、
10〜1,000cm/secであるときに、比較
的大きい画面サイズ(10インチ以上)の導光板を高い
面精度で成形することが可能となり好適である。
【0080】シリンダーから金型への射出圧は、金型の
設計、使用される脂環式構造含有熱可塑性樹脂の流動性
等の条件を考慮して適宜選択し、設定すればよいが、通
常500〜1,500kgf/cmの範囲で行われ
る。
【0081】保圧は、成形材料がシリンダーから射出圧
によって金型に略充填された後、金型のゲート部分が完
全に冷却固化するまでの一定時間かけられる圧力であ
る。保圧の上限値としては一般に金型の型締め圧の範囲
内で設定されるが、通常2,000kgf/cm
下、好ましくは1,700kgf/cm以下、より
好ましくは1,500kgf/cm以下の範囲にお
いて設定される。保圧の上限値をこのような範囲とする
ことで、成形品に歪み等の成形不良が発生するおそれが
なくなる。保圧の下限値としては、少なくとも100k
gf/cm以上、好ましくは120kgf/cm
以上、より好ましくは150kgf/cm以上
の範囲において設定される。保圧の下限値をこのような
範囲とすることで、成形品たる導光板のひけの発生が防
止され、成形収縮率を小さくすることができ、寸法精度
の優れた導光板をえることができる。
【0082】金型温度は、脂環式構造含有熱可塑性樹脂
のガラス転移温度(Tg)よりも、通常低い温度で設定
され、好ましくは脂環式構造含有熱可塑性樹脂のTgよ
りも0〜100°C低い範囲であり、より好ましくはT
gよりも20〜60°C低い範囲で設定される。このよ
うな範囲において金型温度を設定することにより、成形
品のひずみを低く抑制することができる。
【0083】また、成形品の色調低下や炭化物及びボイ
ドの発生を極力低減させる目的で、成形用の樹脂を予め
成形材料の予備乾燥を行うことがある。その乾燥条件と
して温度が、通常50〜200°C、好ましくは80〜
150°C、より好ましくは100〜110°C、時間
が、通常1〜100時間、好ましくは2〜50時間、よ
り好ましくは4〜12時間の真空乾燥を行ったり、射出
成形機のホッパー部から窒素等を流し、空気との置換を
行うことが好ましい。
【0084】導光板 以下に、上記のようにして成形された導光板の実施形態
を説明する。図1(A)は本実施形態に係る導光板を組
み込んだ面状光源装置の概要を示す概略斜視図、図1
(B)は図1(A)の断面図、図1(C)は図1(B)
の要部拡大図、図1(D)は図1(C)の反射面につい
ての部分拡大図である。まず、面状光源装置、特にエッ
ジライト方式面状光源装置の概要について説明する。
【0085】エッジライト方式面状光源装置10は、た
とえば図1(A)に示すように、光入射面100aから
入射した光源光を長手方向に導きながら出射させるため
の導光板100と、導光板100の少なくとも一側面に
配置された冷陰極管等からなる光源200と、光源20
0を囲むように配置され導光板100の光源側端面10
0aに直接入射しなかった光源光を導光板100に効率
良く導くためのランプリフレクター300と、導光板1
00の光出射面100b側に配置され当該出射面100
bから出射された光を拡散させるための光拡散シート4
00と、導光板100の光反射面100c側に配置さ
れ、導光板100から漏れた光を再度導光板100内に
戻すための反射シート500とを有して構成されてい
る。
【0086】本実施形態での導光板100は、図1
(B)に示すように、出射面100bから出射される光
が全体として均一になるよう、断面が光源200から遠
ざかるにつれて漸次薄くなるようなくさび型をしてお
り、光源から遠ざるにつれて、導光板100の出射面1
00b外部に対する入射角θ1(図1(C)参照)がよ
り多く臨界角(全反射が起こる最小の入射角)以下にな
るようになっている。
【0087】なお、本発明においての導光板とは、その
入射面に基づく面100aの厚みが5mm以下、好まし
くは0.1〜4mmであり、より好ましくは0.3〜3
mmである。その対向面100dの厚みは4mm以下、
好ましくは0.05〜3mm、より好ましくは0.1〜
2mmである。また入射面と出射面の面積比としては、
入射面/出射面の比に基づき1/5〜1/500、好ま
しくは1/10〜1/400、より好ましくは1/15
〜1/300であるようなものを指す。また出射面の対
角線の長さが通常1〜50インチ、好ましくは5〜40
インチ、より好ましくは10〜30インチ、特に好まし
くは14〜25インチの導光板においてより効果が期待
できる。
【0088】本発明の実施形態では、図1(C)に示す
ように、導光板100の裏面にV溝1001からなるパ
ターンを、導光板の100の光源側から末端部分にかけ
て漸次密、若しくは溝が深くなるように施した導光板を
得ることができる金型を使用する。本実施形態における
隣接するV溝1001間のピッチPc(図1(D)参
照)は、10〜5,000μm、好ましくは30〜1,
000μm、より好ましくは50〜500μmであるこ
とが望ましい。また、V溝の溝の高さHは10〜5,0
00μm、好ましくは30〜1,000μm、より好ま
しくは50〜500μmであることが望ましい。また、
V溝1001間における導光板100の100d側のピ
ッチPcは、100a側のピッチPcに対して、0.5
〜50%小さいことが好ましい。
【0089】なお、本発明において「導光板」とは、特
に用途は限定されないが、例えばラップトップ型、ノー
ト型、ブック型、パームトップ型、等のパーソナルコン
ピューター、ワードプロセッサーといったOA機器、壁
掛けよう等の液晶テレビといった家電製品、電飾看板、
ライトテーブル、ビュワーその他の表示装置にバックラ
イトとして使用される面状光源装置に用いられる導光板
を意味している。
【0090】
【実施例】以下、本発明をさらに具体化した実施例に基
づき、比較例と比較して説明するが、本発明はこれらの
実施例には限定されない。なお、以下の実施例及び比較
例において、「部」や「%」は、特に断りのない限りは
重量基準である。以下の製造例、実施例及び比較例にお
いて、各種物性の測定法は次のとおりである。
【0091】(1)屈折率は25°CにおけるASTM
D542準拠で測定した値とする。
【0092】(2)水素添加率はH−NMR測定に
より算出した。
【0093】(3)ガラス転移温度(Tg)は、JIS
−K7121に基づいて測定した値とする。
【0094】(4)メルトフローレート(MFR)は、
JIS−K6719に基づいて、280°C,荷重2.
16kgfの荷重で測定した。なお、MFR測定におけ
るダイの穴径φは2.095±0.03mm、ピストン
移動距離は25.0±0.25mmで規定している。
【0095】(5)透明性は、分光光度計(日本分光社
製の製品番号U−30)により、波長400〜900n
mの範囲について波長を連続的に変化させて光透過率
(%)を測定し、最小の透過率を、その導光板の光透過
率として測定した。光透過率が高いほど、透明性に優れ
ている。
【0096】(6)正面輝度は、成形した導光板に対
し、その出射面側に拡散シートとして(100MX:キ
モト株式会社製)を用い、ランプ点灯後、1時間の保持
時間を経て、上記シートを積層した導光板発光面におい
て、長辺、短辺にたいし、等間隔な9点の輝度(垂直方
向)を測定して、その平均値を算出した。
【0097】(7)輝度斑(ムラ)は、輝度計(BM−
7:トプコン株式会社製)を用い、導光板発光面(導光
板の成形面の周辺から1.5cm内側の長方形面)を長
辺、短辺との等間隔に合計9点の輝度(垂直方向)を測
定し、輝度斑(%)=(最小値/最大値)×100で評
価し、以下の判定基準で評価した。 ◎…92%以上。 ○…88%以上、92%未満。 △…84%以上、88%未満。 ×…84%未満。
【0098】(8)外観成形性は、得られた導光板を目
視により、発泡やボイド等の不良現象が起きていないか
を確認し、またV溝形状が良好に転写されているか否か
を確認し以下の判定基準で評価した。 ◎…不良現象がなく、V溝形状の転写性も良好。 ○…不良現象、V溝形状の転写性も成形上問題にならな
い。 △…発泡やボイド、バリ等の不良現象が一部観測され、
V溝の転写性もかけや未充填等が一部観測できる。 ×…発泡やボイド、バリ等の不良現象が観測され、V溝
の転写性もかけや未充填等が観測できる。
【0099】(9)耐熱性は、環境変化(温度変化)に
よる寸法変化を測定することにより行った。導光板は、
通常、長時間、光源の点灯下で使用することとなるの
で、温度による寸法変化が問題となることが多い傾向に
ある。このため、代表的特性として、導光板をギヤーオ
ーブン中で100°C、720時間保持した後の寸法変
化を測定し、以下の判定基準で評価した。 ◎…寸法変化なし(0%)。 ○…寸法変化が0%〜0.3%。 △…寸法変化が0.3%〜1.0%。 ×…寸法変化が1.0%以上。
【0100】(10)機械的強度は、落下試験による耐
衝撃性により評価した。用意した10枚の導光板の同位
置に3/4インチ半径のミサイル型おもり(重さ100
g)を1mの高さより自然落下させ、割れや亀裂が入る
かを観察し、以下の判定基準で評価した。 ◎…割れや亀裂の無い物が10枚中0枚。 ○…割れや亀裂の無い物が10枚中1枚以上3枚以下。 △…割れや亀裂の無い物が10枚中4枚以上6枚以下。 ×…割れや亀裂の無い物が10枚中7枚以上。
【0101】(11)高温高湿度環境下の耐久試験を行
った。これは試験片を湿度90%、温度80°Cの高温
高湿槽に1000時間放置し、急激に室温環境(試験機
外)に取り出して数分経過後の白濁状態(光線透過率の
変化)を調べるものである。可視紫外分光高度計にて7
00nmの光線透過率を測定し、(試験後の光線透過率
/成形直後の光線透過率)×100の値を算出して、以
下の基準で評価した。 ◎…この値が98%以上(非常に良好)。 ○…この値が96%以上、98%未満(良好)。 △…この値が94%以上、96%未満(やや不良)。 ×…この値が94%以下(不良)。
【0102】[製造例1]窒素雰囲気下、脱水したシク
ロヘキサン250重量部に、シクロヘキサン10重量部
で希釈した1−ヘキセン1.22重量部、ジブチルエー
テル0.11重量部、トリイソブチルアルミニウム0.
22重量部を室温で反応器に入れ混合した後、45°C
に保ちながら、トリシクロ[4.3.0.12,5
デカ−3,7−ジエン(以下、DCPと略す)100重
量部及び六塩化タングステン0.70重量%トルエン溶
液30重量部を2時間かけて連続的に添加し、重合し
た。調整した重合反応液を、そのまま耐圧の水素化反応
器に移送し、珪藻土担持ニッケル触媒10重量部を加
え、180°C、水素圧45kgf/cmで10時
間反応させた。この溶液を、珪藻土をろ過助剤としてス
テンレス製金網をそなえたろ過器によりろ過し、触媒を
除去した。得られた反応溶液を3000重量部のイソプ
ロピルアルコール中に攪拌下に注いで水素添加物を沈殿
させ、ろ別して回収した。さらに、アセトン500重量
部で洗浄した後、1torr以下、100°Cに設定し
た減圧乾燥器中で48時間乾燥し、開環重合体水素添加
物(A)95重量部を得た。 得られた開環重合体水素
添加物(A)の、MFRは54g/10min.、全重
合体繰り返し単位中の脂環式構造を有する繰り返し単位
の割合は100mol%、Tgは94°C、屈折率は
1.53、水素添加率は99.9%、シクロヘキサンを
移動層とした高速液体クロマトグラフィー(ポリイソプ
レン換算)より得られたポリマーの重量平均分子量(M
w)は31,500、分子量分布(Mw/Mn)は2.
10であった。
【0103】[製造例2]1−ヘキセン添加量を1.0
8重量部とした以外は、製造例1と同様に行い、開環重
合体水素添加物(B)を得た。得られた開環重合体水素
添加物(B)の、MFRは32g/10min.、全重
合体繰り返し単位中の脂環式構造を有する繰り返し単位
の割合は100mol%、Tgは94°C、屈折率は
1.53、水素添加率は99.9%、シクロヘキサンを
移動層とした高速液体クロマトグラフィー(ポリイソプ
レン換算)より得られたポリマーの重量平均分子量(M
w)は36,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.
15であった。
【0104】[製造例3]1−ヘキセン添加量を1.3
5重量部とした以外は、製造例1と同様に行い、開環重
合体水素添加物(C)を得た。得られた開環重合体水素
添加物(C)の、MFRは185g/10min.、全
重合体繰り返し単位中の脂環式構造を有する繰り返し単
位の割合は100mol%、Tgは93°C、屈折率は
1.53、水素添加率は99.9%、シクロヘキサンを
移動層とした高速液体クロマトグラフィー(ポリイソプ
レン換算)より得られたポリマーの重量平均分子量(M
w)は19,200、分子量分布(Mw/Mn)は2.
08であった。
【0105】[製造例4]1−ヘキセン添加量を1.4
0重量部とした以外は、製造例1と同様に行い、開環重
合体水素添加物(D)を得た。得られた開環重合体水素
添加物(D)の、MFRは259g/10min.、全
重合体繰り返し単位中の脂環式構造を有する繰り返し単
位の割合は100mol%、Tgは93°C、屈折率は
1.53、水素添加率は99.9%、シクロヘキサンを
移動層とした高速液体クロマトグラフィー(ポリイソプ
レン換算)より得られたポリマーの重量平均分子量(M
w)は13,500、分子量分布(Mw/Mn)は2.
05であった。
【0106】実施例1〜4 製造例1〜4で得られた重合体A〜D100重量部に対
し、0.2重量部のフェノール系老化防止剤ペンタエリ
スリチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−ターシャリ
ーブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)
と0.4重量部の水添スチレン・ブタジエン・スチレン
・ブロック共重合体(旭化成工業株式会社製タフテック
H1051、クラム状、30°Cにおける屈折率1.5
2)を混合し、二軸混練機で混練し、ストランド(棒状
の溶融樹脂)をストランドカッターに通してペレット
(粒状)状の成形材料を得た。このペレットを、それぞ
れ射出成形し、導光板A〜Dを作製した。射出成形の成
形条件は、東芝機械株式会社製の製品番号IS450の
射出成形機を用い、金型温度80°C、シリンダー温度
(実施例1、2及び4は280°C; 実施例3は29
0°C)、ノズル温度260°C、射出圧1,000k
gf/cm、保圧800kgf/cm、型締め圧
1200kgf/cm、射出速度(スクリュー前進
速度に対応する)40cm/s、スクリュー背圧7
0kgf/cm、スクリュー回転数30rpmであ
った。また金型内への充填開始から充填終了までの時間
は1秒であった。
【0107】得られた導光板A〜Dは、図1(A)
(B)に示すように、一端側(100a側)の厚みが
2.2mm、末端側(100d側)の厚み0.5mm、
一端側から末端側までの長さが190mm、直線状光源
の軸方向に沿った長さが250mmであり、一端側から
末端側へ遠ざかる方向(直線状光源の軸芯と略垂直方
向)につれて厚みが漸次薄くなるようなくさび型であ
り、離型の際、ショートショットやバリの発生もなく、
成形品の割れも認められなかった。また導光板の光反射
面側には、導光板の一端側から末端側へ遠ざかるにつれ
て漸次密になるようなV溝が形成された。なお、V溝の
形状は、頂角110°、光源付近でのピッチ幅は0.3
〜1.5mm、末端付近のピッチ幅は0.03〜0.0
6mmであり、また溝深さは光源付近から末端付近まで
一律に約80μmであった。図2に示すゲートは光出射
面側の略中央部分より光入射面に近い側に位置し、ゲー
ト長さ50mm、ゲート厚み1.9mmであった。
【0108】また、導光板表面が発泡しているか否かに
ついて目視により確認したところ、表面は発泡しておら
ず、良好な外観であった。また、導光板の全光線透過率
を測定した結果、透明性は全て良好であった。さらにこ
の導光板を用いて機械的強度を評価した結果、耐衝撃性
が良好であることが確認された。さらに得られた導光板
の耐熱性も良好であった。また、得られた導光板の高温
高湿環境下の耐久試験の結果も良好であった。
【0109】このようにして得られた導光板の光入射端
面以外の側端面に株式会社辻本電機製作所製の製品番号
RF188の反射テープを貼り付け、短辺側光入射端部
にハリソン電機株式会社製の管径2.4mmφの冷陰極
ランプを設置し、ランプと導光板光入射部の周囲を株式
会社キモト製の製品番号GR38Wのリフレクターで被
った。さらに導光板の光出射面側に株式会社キモト製の
製品番号100MXの光拡散性シートを、導光板の光出
射面とは反対面に株式会社辻本電機製作所製の製品番号
RF188の反射シートを配置し、エッジライト方式面
状光源ユニットを作製した。このユニットを用いて、正
面輝度及び輝度斑を評価した。上記結果をまとめて、表
1に示す。
【0110】実施例5 5−エチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エ
ンとエチレンとから形成される付加重合を公知の方法に
従って重合を行った。得られた付加型重合体(E)の、
MFRは52g/10min.、13C−NMRにより
算出したNB含有量は60%(全重合体繰り返し単位中
の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は60mol
%)、Tgは165°C、屈折率は1.52、シクロヘ
キサンを移動層とした高速液体クロマトグラフィー(ポ
リイソプレン換算)より得られたポリマーの重量平均分
子量(Mw)は52,000、分子量分布(Mw/M
n)は2.44であった。この樹脂を実施例1と同様の
成形条件で成形し、V溝形状を有するくさび型導光板を
得た。
【0111】得られた導光板の表面が発泡しているか否
かについて目視により確認したところ、表面は発泡して
おらず、良好な外観であった。また、導光板の全光線透
過率を測定した結果、透明性は良好であった。さらにこ
の導光板を用いて機械的強度を評価した結果、耐衝撃性
が良好であることが確認された。さらに得られた導光板
の耐熱性を評価した結果も良好であった。また、得られ
た導光板の高温高湿環境下の耐久試験の結果も良好であ
った。実施例1と同様の面光源ユニットを用い、正面輝
度及び輝度斑を評価した結果を、上記結果とともに表1
に示す。
【0112】比較例1 1−ヘキセン添加量を0.84重量部とした以外は、製
造例1と同様に行い、開環重合体水素添加物(F)を得
た。得られた開環重合体水素添加物(F)の、MFRは
15g/10min.、全重合体繰り返し単位中の脂環
式構造を有する繰り返し単位の割合は100mol%、
Tgは95°C、屈折率は1.53、水素添加率は9
9.9%、シクロヘキサンを移動層とした高速液体クロ
マトグラフィー(ポリイソプレン換算)より得られたポ
リマーの重量平均分子量(Mw)は42,000、分子
量分布(Mw/Mn)は2.20であった。この樹脂
を、シリンダー温度を290°Cとした以外は実施例1
と同様の成形条件で成形し、V溝形状を有するくさび型
導光板を得た。
【0113】得られた導光板は、くさび型の薄肉部の充
填不良はなかったが、V溝の転写不良が確認された。導
光板の機械的強度、耐熱性及び高温高湿環境下の耐久性
に関しては共に非常に良好であったが、透明性が低下
し、また、実施例1と同様の面光源ユニットを用い、正
面輝度及び輝度斑を評価した結果、輝度斑が生じ、正面
輝度も低下した。なお、導光板表面が発泡しているか否
かについて目視により確認したところ、表面は発泡して
いた。結果を表1に示す。
【0114】比較例2 1−ヘキセン添加量を1.43重量部とした以外は、製
造例1と同様に行い、開環重合体水素添加物(G)を得
た。得られた開環重合体水素添加物(G)の、MFRは
321g/10min.、全重合体繰り返し単位中の脂
環式構造を有する繰り返し単位の割合は100mol
%、Tgは94°C、屈折率は1.53、水素添加率は
99.9%、シクロヘキサンを移動層とした高速液体ク
ロマトグラフィー(ポリイソプレン換算)より得られた
ポリマーの重量平均分子量(Mw)は11,500、分
子量分布(Mw/Mn)は2.03であった。この樹脂
を実施例1と同様の成形条件で成形し、V溝形状を有す
るくさび型導光板を得た。
【0115】得られた導光板は、透明性、耐熱性及び高
温高湿環境下の耐久試験の評価は良好であったが、金型
にバリが発生し、金型から成形品を取り出す際にクラッ
クが生じ、機械的強度は実施例に比べて劣っていた。実
施例1と同様の面光源ユニットを用い、正面輝度及び輝
度斑を評価した。なお、導光板表面が発泡しているか否
かについて目視により確認したところ、表面は発泡して
いなかった。結果を表1に示す。
【0116】比較例3 実施例5と同様にして、5−エチル−ビシクロ[2.
2.1]−ヘプト−2−エンとエチレンとから形成され
る付加型重合体(H)を得た。得られた付加型重合体
(H)の、MFRは50g/10min.、13C−N
MRにより算出したNB含有量は40%(全重合体繰り
返し単位中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は
40mol%)、Tgは95°C、屈折率は1.52、
シクロヘキサンを移動層とした高速液体クロマトグラフ
ィー(ポリイソプレン換算)より得られたポリマーの重
量平均分子量(Mw)は50,500、分子量分布(M
w/Mn)は2.51であった。この樹脂を実施例1と
同様の成形条件で成形し、V溝形状を有するくさび型導
光板を得た。
【0117】得られた導光板は、外観成形性及び高温高
湿環境下の耐久試験の評価も良く、V溝転写性も良好で
あったが、機械的強度は非常に弱く、耐熱性が悪く、透
明性も低下した。実施例1と同様の面光源ユニットを用
い、正面輝度及び輝度斑を評価した結果、輝度斑に関し
ては良好であったものの、正面輝度は低下した。なお、
導光板表面が発泡しているか否かについて目視により確
認したところ、表面は発泡していなかった。結果を表1
に示す。
【0118】
【表1】
【0119】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明では、
特定の脂環式構造含有熱可塑性樹脂を用いているので、
外観上良好であり、しかも高輝度で輝度斑が少なく、機
械的強度に優れた導光板を提供できる。
【0120】また、本発明によれば、正面輝度が高く、
輝度斑が少なく、さらには機械的強度にも優れた導光板
を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は本実施形態に係る導光板を組み込
んだ面状光源装置の概要を示す概略斜視図、図1(B)
は図1(A)の断面図、図1(C)は図1(B)の要部
拡大図、図1(D)は図1(C)の反射面についての部
分拡大図である。
【図2】図2(A)は本実施形態に係る導光板の断面
図、図2(B)は図2(A)の底面図である。
【符号の説明】
10… 面状光源装置 100… 導光板 100a… 光入射面 1001… V溝 100b… 光出射面 100c… 光反射面 100d… 端部光反射面 200… 光源 300… ランプリフレクター 400… 光拡散シート 500… 光反射シート 600… ゲート跡
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮崎 達雄 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1号 日本ゼオン株式会社総合開発センター内 (72)発明者 石丸 一世 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1号 日本ゼオン株式会社総合開発センター内 Fターム(参考) 2H038 AA55 BA06 2H091 FA14Z FA17Z FA23Z FA31Z FA32Z FA42Z FB02 FB12 FB13 FC17 4J002 BK001 CE001 FD010 FD020 FD040 FD050 FD070 FD090 FD200 GP00 4J032 CA34 CA35 CA36 CA38 CA43 CA45 CA62 CB12 CD02 CD03 CD04 CD05 CD09 CF03 CG02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合体全繰り返し単位中における主鎖又は
    側鎖に脂環式構造を有する繰り返し単位の割合が50〜
    100mol%であり、且つ、 280°C、荷重2.16kgfにおけるJIS−K−
    6719により測定したメルトフローレートが20〜3
    00g/10min.である、 脂環式構造含有熱可塑性樹脂からなることを特徴とする
    導光板。
  2. 【請求項2】前記脂環式構造含有熱可塑性樹脂が、ノル
    ボルネン系開環重合体水素添加物である請求項1記載の
    導光板。
  3. 【請求項3】重合体全繰り返し単位中における主鎖又は
    側鎖に脂環式構造を有する繰り返し単位の割合が50〜
    100mol%であり、且つ、 280°C、荷重2.16kgfにおけるJIS−K−
    6719により測定したメルトフローレートが20〜3
    00g/10min.である、 脂環式構造含有熱可塑性樹脂を溶融成形することを特徴
    とする導光板の製造方法。
  4. 【請求項4】前記溶融成形が、射出成形である請求項3
    記載の導光板の製造方法。
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