JP4357105B2 - 導光板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は表示装置、特に表示素子自身の発光ではなく表示素子外からの光を用いる型の表示装置に用いる面発光装置用導光板、具体的には、自動車のメーター等の表示板や、液晶表示装置のバックライトやフロントライトと呼ばれる面発光装置用導光板及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置等における表示部の明るさや色は、その面発光装置に左右される。従って、その面発光装置から出る光が明るく、かつ均一であることが要求される。
【0003】
ところで、従来の面発光装置も様々な構成部材からつくられている。その構成は具体的には、図1に示されるようにランプ(1)とリフレクター(2)からなる光源と光源から側面より入射された光を伝搬し、出射光面(イ)に光を出射させるための反射層(3)及び反射シート(4)を設けた導光板(5)、より構成され、必要に応じ、該導光板(5)からの光を無指向に拡散させる拡散部材(6)と多くはプリズムレンズ形状をした1枚もしくは2枚の出射光調整部材(7)からなることが一般的である。
そして、従来の検討では、面発光装置から出る光が明るく、かつ均一であるために、光源のランプ(1)やリフレクター(2)を検討し、反射層(3)の材質やそのパターン、拡散部材(6)や出射光調整部材(7)の材料やその形状、構成枚数を検討することがほとんどであった。しかし、実際には、光を伝搬し、出射する導光板(5)により出射する光、即ち出射光の明るさ(輝度)やその均一性が変化するが、この導光板自体については、これまであまり検討されてこなかった。
【0004】
実公昭58−46447号公報には、導光板に光拡散微粒子を分散させる方法が提案されている。これは、光拡散微粒子で光を有効的に拡散し、出射光の明るさ(輝度)を向上させる技術である。しかし、微粒子の量と導光板のサイズとが複雑に関係し、1つのサイズ対して、1つの濃度というように設定されており、全ての導光板のサイズに対して汎用に使えるものではなかった。
【0005】
また、特開平3−209293号公報で見られる気泡を包入させる方法である。これも、光拡散微粒子と同様の効果を期待しているが、気泡のサイズが10μm以上2000μm以下と大きく分散のコントロールが難しく、量産どころか試作さえも難しい。また、特開平10−138275号公報では導光板を製造する方法において、金型キャビティに二酸化炭素を10MPa以下の圧力で満たしておき射出成形する方法が提案されている。しかし、これは、微細凹凸形状を有する導光板の微細凹凸形状の転写性を向上させるという、製品の不具合を改善することで導光板の性能が向上することが上げられている。
【0006】
また、WO98/52734号パンフレットにおいて、ガス体を0.2重量%以上溶解し、溶融粘度を低下させた溶融樹脂を予め金型キャビティにフローフロントで発泡が起きない圧力以上でガスで加圧状態にして射出成形する方法が提案されている。しかし、ここでも型の再現性が良くなり、ウエルドラインの目立ちが少なくなり、型表面のシャープエッジの再現性や、微細な、型表面の凹凸の再現性が良くなる、流動性が向上する為に樹脂配向や複屈折率が小さくなるというように成形品の不具合が改善されることにより導光板の性能が向上することである。
【0007】
また、導光板成形品中のガス体の含有量と導光板との性能との関係については、特開平10−13875公報あるいはWO98/52734号パンフレットでは全く分からない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような従来の技術に存在する課題を解決するものであり、どの様な形状の導光板においても、導光板の出射する光(出射光)の明るさ(輝度)を向上させ、かつ、その均一性を改善し、輝度ムラ、色ムラをより少なくした導光板を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような従来から存在する問題を解決することであり、すなわち本発明は、
1.透明樹脂からなる導光板に、二酸化炭素を50重量%以上含む炭酸ガスが0.01〜2重量%含有されており、かつ、飽和脂肪族高級アルコールの300ppm以上3000ppm以下、及び/又はOH基を持つグリセリン高級脂肪酸エステルの300ppm以上50000ppm以下が含有されていることを特徴とする導光板、
2.前記透明樹脂が、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状オレフィン樹脂のいずれかから選ばれることを特徴とする1.記載の導光板、
3.前記透明樹脂が、全末端に占めるヒドロキシ基の割合が1〜30モル%であるポリカーボネート樹脂であることを特徴とする1.又は2.記載の導光板、
4.前記導光板に、微粒子が添加されていることを特徴とする1.〜3.のいずれかに記載の導光板、
5.前記導光板の出射光面及び/又は反対面に微細な凹凸を有することを特徴とする1.〜4.のいずれかに記載の導光板、
6.前記導光板の出射光面が、レンズ形状を有することを特徴とする1.〜5.のいずれかに記載の導光板、
7.前記導光板の反射面形状が、角度のついた傾斜面を持つ楔形形状であることを特徴とする1.〜6.のいずれかに記載の導光板、
8.導光板を射出成形するに際し、成形機のシリンダーに二酸化炭素を50重量%以上含む炭酸ガスを1〜15MPaの圧力で加圧供給しながら溶融混練した飽和脂肪族高級アルコールの300ppm以上3000ppm以下、及び/又はOH基を持つグリセリン高級脂肪酸エステルの300ppm以上50000ppm以下が含有されている透明樹脂を、該炭酸ガスで1〜15MPaの圧力で、かつ射出する該溶融透明樹脂のフローフロントで発泡が生じない圧力以上に加圧させた金型キャビテイに射出し、保圧しつつ、金型キャビテイ内を一部減圧にすることによりガスを放出し、さらに冷却を行い、その後金型を開いて成形品を取りだし、該成形品に該炭酸ガスを0.01〜2重量%含有させることを特徴とする導光板の製造方法、である。
【0010】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明における導光板の材料は特に制限はなく、透明樹脂が用いられる。光を散乱することを含め、透明樹脂を主とする材料であることが好ましい。厚さ3mmでのASTM−D−1003に基づく全光線透過率が30%以上の透明樹脂が挙げられる。例えば、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状オレフィン樹脂、スチレン系樹脂及びこれらの材料を1種又は2種以上混合したブレンド物であり、またこれらを含む組成物からなる材料が好ましい。
【0011】
本発明のメタクリル樹脂とは、例えば、メチルメタクリレートを主体とする樹脂が挙げられる。具体的にはメチルメタクリレートの単独重合体、又はメチルメタクリレートとメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アクリルニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルピリジン、ビニルモルホリン、ビニルピリドンテトラヒドロフルフリルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−ヒドロキシアクリレート、エチレングリコールモノアクリレート、グリセリンモノアクリレート、無水マレイン酸、スチレン、もしくはα−メチルスチレンなどの共重合可能なモノマーのいずれか1つ以上の共重合体及び耐熱性メタクリル樹脂、低吸湿性メタクリル樹脂、耐衝撃メタクリル樹脂などが含まれる。耐衝撃メタクリル樹脂とは、メタクリル樹脂に耐衝撃性を持たせたもので、メタクリル樹脂にゴム弾性体をブレンドした物であり、そのゴム弾性体は、特開昭53−58554号公報、同55−94917号公報、同61−32346号公報等に開示されている。簡単に説明すると、アクリル系重合体芯材料のまわりに弾性層及び非弾性層を交互に生成させる多段逐次重合法により製造される多段重合体である。これらのメタクリル樹脂は単独で用いても良いし、また、ポリマーブレンドして用いても良い。また、重合方法については特に限定されない。
【0012】
本発明のポリカーボネート樹脂とは、ビスフェノールAに代表される二価のフェノール系化合物から誘導される重合体が用いられる。ポリカーボネート樹脂の製造方法については特に限定せず、ホスゲン法、エステル交換法あるいは固相重合法のいずれにより製造された物でも使用できる。特に好ましいのは、ポリカーボネートの全末端に占める末端OH基の割合が1モル%以上30モル%以下のポリカーボネート樹脂である。このようなポリカーボネート樹脂では、末端OH基と炭酸ガスが水素結合を生じ、炭酸ガスが該樹脂中に、より多く含有されやすく、かつ該樹脂中に逸散することなくより長時間留まるため、本発明の効果が発揮されるため好適である。しかしながら、末端OH基の割合が多くなるとポリカ−ボネト樹脂の熱安定性が低下するので、この熱安定性を考慮すると、末端OH基の割合は、さらに好ましくは1モル%以上15モル%以下、特に好ましくは3モル%以上13モル%以下、極めて好ましくは5モル%以上11モル%以下である。
末端のOH基比率はNMRにより測定可能である。
【0013】
本発明の環状オレフィン樹脂とは、ノルボルネンやシクロヘキサジエン等、ポリマー鎖中に環状オレフィン骨格を含む重合体もしくはこれらを含む共重合体であり、非晶性熱可塑性樹脂に属する。その製造方法については特に限定されるものではない。たとえば、ノルボルネンを主とした環状オレフィン樹脂としては、特開昭60−168708号公報、特開昭62−252406号公報、特開昭62−252406号公報、特開平2−133413号公報、特開昭63−145324号公報、特開昭63−264626号公報、特開平1−240517号公報、特公昭57−8815号公報などに記載されている樹脂を用いることが出来る。また、必要に応じ、軟質重合体を添加しても良い。例えば、α−オレフィンからなるオレフィン系軟質重合体、イソブチレンからなるイソブチレン系軟質重合体、ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエンからなるジエン系軟質重合体、ノルボルネン、シクロペンテンなどの環状オレフィンからなる環状オレフィン系軟質重合体、有機ポリシロキサン系軟質重合体、α,β−不飽和酸とその誘導体からなる軟質重合体、不飽和アルコール及びアミンまたはそのアシル誘導体またはアセタールからなる軟質重合体、エポキシ化合物の重合体、フッソ系ゴム等が挙げられる。
【0014】
本発明のスチレン系樹脂とは、スチレンを必須成分とするホモポリマー、コポリマー及びこれらのポリマーと他の樹脂とから得られるポリマーブレンドである。とくにポリスチレンまたはアクリル酸エステルとの共重合体であるAS、MS樹脂であることが好ましい。さらに、スチレン系樹脂相中にゴムが分布した透明ゴム強化ポリスチレンも好ましい。本発明における材料の中でも、透明性樹脂であるメタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状オレフィン樹脂を含む組成物からなる材料が特に好ましい。
また、本発明において、目的、必要に応じて透明性樹脂に所望の添加剤を添加した組成物を用いても良い。添加剤としては、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、滑剤、充填剤、難燃剤、離型剤、顔料、染料、蛍光増白剤、耐衝撃性付与剤、ポリマー添加剤である。
【0015】
中でも、飽和脂肪族高級アルコール、グリセリン高級脂肪酸エステル、紫外線吸収剤のうち少なくとも1種用いることが好ましい。飽和脂肪族高級アルコール、グリセリン高級脂肪酸エステルは成形時に金型からの離形を良くするための離型剤として用いられることは公知である。紫外線吸収剤は、導光板は紫外線を発する冷陰極管をランプとして用いられるが、そのランプと導光板との距離が近く、導光板の紫外線による劣化である黄変が発生しやすく、このために紫外線吸収剤を用いることにより冷陰極管の照射による劣化の黄変を防止できる。しかし、飽和脂肪族高級アルコールや、グリセリン高級脂肪酸エステル、紫外線吸収剤はそのもの自体が若干の着色しているため、透明樹脂に添加すると、無添加の透明樹脂に比べ、導光板の着色が生じることとなり導光板の輝度や均一性が低下するので用いることが難しい。しかし、炭酸ガスを導光板成形品に含有させることで、何も添加していない透明樹脂と同等以上の輝度の向上と均一性を持たせることができるので、無添加の透明樹脂で生じる成形時の離形不良を解消したり、紫外線による劣化を防止したりするだけの量添加した上で、さらに性能の良い導光板を得ることができるので特に好ましい。
【0016】
本発明の飽和脂肪族高級アルコールとは、炭素数が10以上30以下である飽和アルキルアルコールが好ましく、中でもステアリルアルコールが特に好ましい。
本発明のグリセリン高級脂肪酸エステルとしては、下記一般式(1)にて表されるグリセリン高級脂肪酸エステルであり飽和脂肪酸のパルチミン酸、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、ベヘン酸等また不飽和脂肪酸のオレイン酸、リノレン酸のモノおよび/またはジグリセリドが好ましく、パルチミン酸モノ/ジグリセリドおよびステアリン酸モノ/ジグリセリドが特に好ましい。
【0017】
【化1】
本発明の紫外線吸収剤としては、公知のベンゾトリアゾール系または、2−ヒドロキシベンゾフェノン系、ヒドロキシフェニルトリアジン系、またはサルチル酸フェニルエステル系各化合物が用いられる。ベンゾトリアゾール系化合物としては、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−6−ビス(1−メチル1−フェニルエチル)フェノール、2−ベンゾトリアゾール−2−イル−4,6−ジ−t−ブチルフェノール、2[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(t−ブチル)フェノール、2,4−ジ−t−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2イル)−4,6−ジ−t−ベンチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)フェノール等が使用できる。2−ヒドロキシベンゾフェノン系化合物としては、2−ヒドロキシ4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4‘−クロルベンゾフェノン、2,2−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン等が使用できる。ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物としては、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−(2−ブトキシエトキシ)フェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ−p−トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ−p−トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ−p−トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ−p−トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ−p−トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ−p−トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ−p−トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ−p−トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−(2−ヘキシルオキシエトキシ)フェニル)−1,3,5−トリアジン等が使用できる。サルチル酸フェニルエステル系化合物としては、p−t−ブチルフェニルサルチル酸エステル、p−オクチルフェニルサルチル酸エステル等が使用できる。
【0018】
また、添加剤として更に好ましくは、これら飽和脂肪族高級アルコールや、グリセリン高級脂肪酸エステルおよび紫外線吸収剤の中でも、その構造の中にOH基を持つ化合物が好ましい。構造の中にOH基を持つ化合物は、炭酸ガスとOH基部分が水素結合を生じ、透明樹脂中により多くの炭酸ガスが含有されやすく、かつ該樹脂中に逸散することなく、より長時間留まるため、本発明の効果が発揮されるため、好適である。
【0019】
飽和脂肪族高級アルコールの添加量は、300ppm以上3000ppm以下が好ましく、更に好ましくは、500ppm以上2000ppm以下である。
グリセリン高級脂肪酸エステルの添加量は、300ppm以上50000ppm以下が好ましく、更に好ましくは500ppm以上4500ppm以下である。
飽和脂肪族高級アルコールと、グリセリン高級脂肪酸エステルを併用して用いる場合にはその合計量が500ppm以上5000ppm以下が好ましく、更に好ましくは700ppm以上4000ppm以下である。
紫外線吸収剤の添加量は、30ppm以上500ppm以下が好ましく、更に好ましくは50ppm以上300ppm以下である。
【0020】
本発明の導光板には、微粒子を添加しても良い。微粒子としては、屈折率を利用した散乱を生じる微粒子(I)が挙げられる。例えば、アクリル系、スチレン−アクリル系、ポリエチレン系の有機架橋ポリマービーズや、ポリシロキサン系のような有機シリコン系架橋ビーズが用いられる。また、乱反射を利用した散乱を生じる微粒子(II)が挙げられる。例えば、ガラス系、シリコン系、酸化チタン、炭酸カルシウム等の無機微粒子が挙げられる。形状はともに、真球状、フィラー状、鱗片状あるいは疑似球状でもよい。微粒子の大きさとしては、微粒子(I)は、平均粒径が0.1μm以上100μm以下が好ましく、更に好ましくは1μm以上50μm以下が好ましい。特に好ましくは1μm以上20μm以下である。微粒子(II)は、平均粒径が0.1μm以上30μm以下が好ましく、更に好ましくは、1μm以上10μm以下である。微粒子(I)は屈折率がその性能を左右するため導光板の基材との屈折率差の絶対値が0.1以下であることが好ましい。特に好ましくは微粒子の屈折率が基材より屈折率が低く、その屈折率差が0.003以上0.1以下であることが好ましい。中でも、ポリシロキサン系の有機シリコン系架橋ビーズが形状が真球状で、均一に散乱しやすく、かつ、屈折率が基材より小さいため、前方散乱を起こしやすいため特に好ましい。用いる濃度としては、1ppm以上10,000ppm以下が好ましい。更に好ましくは1ppm以上5,000ppm以下である。これらの微粒子は、単独でも良いし、2種類以上混合しても良い
本発明における炭酸ガスとしては、二酸化炭素を50重量%以上含むガスである。炭酸ガスは、安価でかつ容易に入手できるので実用的である。
【0021】
本発明における導光板中に含有する炭酸ガスは、従来技術で知られる目視でわかる気泡と言う形では存在しない。従って、ガス体を含有させた導光板とそうでない導光板の外観とは、加熱時に炭酸ガスによる導光板の体積膨張以外に差は見られない。
本発明における導光板は、炭酸ガスを含有させることにより出射光の輝度の向上やその均一性が向上する。炭酸ガスを含有させた導光板は、製造直後、その表面付近の炭酸ガスは大気に放出されるので炭酸ガスの濃度は低くなる。一方、導光板の内部には炭酸ガスが大気中に放出されることなく含有され続けるため、炭酸ガスの濃度は高くなる。従って導光板の炭酸ガスは、成形品の表面部から中心部に向かい濃度が高い分布となる。
【0022】
この時、導光板成形品の屈折率は、透明樹脂がメタクリル樹脂の場合1.49、炭酸ガスは約1.00であるから、炭酸ガス濃度の低い表面部から高い中心部に向かい、屈折率が低くなる屈折率分布を持つようになる。
このような屈折率分布をもつ導光板成形品の場合、側面から光を入光させた場合、その光は、中心から周部に向かって光が外へ出ていく方向へ進む。反射面側は反射面で反射して出射光面側に出射される。出射光面側には、反射層で反射して出光される他に自然に出光される光量が加わるので、より効率よく、より多く出射光面に光が出射され、その結果、面発光装置用導光板の出射光面の輝度の向上とその均一性が向上することになる。
【0023】
本発明における導光板成形品に含有させる炭酸ガス量は、0.01重量%以上2重量%以下である。特開平10−138275号公報、WO98/52734号パンフレットでは成形品中の炭酸ガスは、大気中に放置しておくと徐々に放散され、放散後の成形品の性能は、本来の有するものと変わらないと記載されているが、実際には、導光板成形品中の炭酸ガスは、放出されていく量が非常に少なく、一般使用条件において長時間導光板成形品に含有され、かつその含有量は、0.01重量%以上含有されていれば、導光板の輝度やその均一性の向上が向上する。
炭酸ガスが2重量%より多く含有されると導光板の輝度の向上とその均一性の向上は見られるが、導光板自身の機械強度や耐熱性が大きく低下し、また、環境の変化により成形後導光板にクラックが発生するので良くない。好ましくは0.03重量%以上1.8重量%以下であり、さらに好ましくは0.05重量%以上1.5重量%以下であり、0.1重量%以上1.5重量%以下が好適である。
なお、長時間の使用によって、導光板成形品に含有される炭酸ガス量が0.01重量%より少なくなった場合には、導光板成形品を加圧容器等に入れて炭酸ガスで加圧することにより導光板に再度炭酸ガスを0.01重量%以上2重量%以下含有させて導光板としての性能を再現することができることは言うまでもない。
【0024】
本発明における導光板成形品中の炭酸ガスの含有量は、製造直後の導光板成形品もしくは、成形品が大きい場合、全成形品に対し1/3以上製造直後に切り分けた成形品の重量と、その成形品を樹脂のガラス転移温度よりも30℃以上高い熱風乾燥機中に3時間以上放置し、その成形品に含まれていたガス体が放散し、重量が一定になった成形品の重量との差を求めることにより得られる。
本発明における導光板に印刷を施すことは特に制限はなく、入射した光を均一な明るさの面発光にするための反射層として微細形状の印刷を施すことや、出射光面でも均一に出光するための微細形状の印刷を施すことは公知の技術で見られる。
【0025】
本発明における導光板の出射光面及び/又は反対面は、微細な凹凸を有することが好ましい。このような微細な凹凸を導光板に設けることによって、反射層を印刷で導光板に設ける必要がなくなり好ましい。
微細な凹凸とは、特に限定されないが直方体、円柱形、楕円柱、三角柱、球面、非球面等の構成単位がはっきりしている凹凸や、梨地状やヘアライン状等の凹凸形状ではあるが構成単位がはっきりしない凹凸あるいはその組み合わせさらにまた構成単位がはっきりしているが、その形状特にサイズが変化している凹凸が挙げられる。
構成単位のはっきりしている凹凸は、その形状は、光学顕微鏡もしくは電子顕微鏡で観察する事が出来る。この場合好ましい微細な凹凸としては、その構成単位の形状の高さもしくは凹部aと配列ピッチbとの比b/aが、0.2以上500以下であることが好ましい。より好ましくは1以上50以下である。形状の高さもしくは凹部aと配列ピッチbは図2に示すように定義する。
【0026】
すなわち、形状の高さもしくは凹部aとは、構成単位の最大高さまたは最大凹部量を、配列ピッチbとは隣り合う構成単位の中心線間の長さを言う。b/aが0.2以上500以下の範囲内にあれば、形状の高さもしくは凹部aと配列ピッチbは縦又は横方向で任意に変化しても良い。形状の高さもしくは凹部aは0.1μm以上500μm以下が好ましく特に好ましくは1μm以上50μm以下である。ピッチbは、10μm以上10000μm以下が好ましく、特に好ましくは100μm以上5000μm以下である。
また、梨地状やヘアライン状である場合には、JIS B 0601により測定した表面粗さの最大高さ(Ry)が1μm以上100μm以下の範囲にあることが好ましい。より好ましくは1μm以上50μm以下である。なお、この測定は、市販の表面粗さ計を用いて測定することが出来る。
【0027】
本発明における出射光面に設けるレンズ形状とは、特に制限がなく、プリズム形状や、蠅の目レンズ、マイクロレンズ、シリンドリカルレンズ、フレネルレンズ、リニアフレネルレンズ、レンチキュラーレンズ等様々な形状を設けても良い。また、それぞれの複合形状であっても良い。
本発明における面発光装置用導光板は、光を導光板の側面より入射して面発光させる導光板に用いられ、その一例として、図1で示したような側面より入射して面発光させる面発光装置に用いられる。
本発明における導光板の形状は特に制限なく、平板や楔型形状、円柱形状、楕円柱形状等様々な形状でも良い。また、装置に組み込むための切り欠きや、穴が開いていても良い。また、リブ付きや、偏肉のある導光板であっても良い。
また、光を入射させる側面は、1面でも良いし、2面以上の複数の側面から入光させても良い。更に好ましくは、面発光装置用導光板の形状が、反射面が角度のついた傾斜面を持つ楔形形状であることが好ましい。この楔形の導光板は、反射層を設ける反射面での全反射を利用して導光板内に導光させる。光源は、厚みが厚い側に設置し、薄い側にはそれよりも光源の光量が少ないかもしくは全くない場合が多い。この導光板は、光源から来る光量が厚い側と薄い側で異なり、輝度の均一性が低くなりやすく、また光量も少ないので輝度も低く問題であったが、炭酸ガスを含有させることにより輝度の均一性が向上し、輝度も向上するため効果が高く、非常に好適である。
【0028】
本発明における導光板は炭酸ガスを導光板成形品に含有させることが重要であり、その方法としては、加圧容器の中にあらかじめ成形した導光板成形品を入れて、炭酸ガスを加圧して導光板成形品に炭酸ガスを吸収させて含有させる方法、導光板の成形最中に炭酸ガスを含有させる方法等様々な方法を用いることができる。
中でも射出成形機のシリンダー内に炭酸ガスを加圧供給させながらを透明樹脂を溶融混練し、またあらかじめ金型キャビティ内を炭酸ガスで加圧しておき、そこに、透明溶融樹脂を射出し、保圧しつつ、かつ金型キャビティの炭酸ガスを一部放出して、冷却工程を行い、金型を開いて導光板成形品を取り出す方法が好ましい。シリンダー内に加圧供給する炭酸ガス圧力が1MPaより低いと該成形品中の炭酸ガス含有量が0.01重量%より少なく、15MPaより多くなると、該成形品中に炭酸ガスの含有量が2重量%より多くなり、導光板自身の機械強度や耐熱性が大きく低下し、また、印刷の後工程を要する場合、あるいは高湿での使用中に導光板にクラックが発生するので良くない。さらに好ましくは2MPa以上12MPa以下である。
【0029】
本発明におけるシリンダー内に炭酸ガスを加圧供給する場所は、ホッパー下、シリンダーの中間部、先端部のうちどこでもよいが、特に好ましいのはシリンダーの中間部である。ここから炭酸ガスを供給するためには、シリンダーの途中に供給するための穴を空けたり、ベント付きの射出成形機を用いてそのベント部分から炭酸ガスを供給する。そのときのスクリューは、供給した炭酸ガス圧力が有効に透明樹脂に掛かるように、供給部分のスクリューの溝を深くしたり、供給部分のすぐ後ろ部分のスクリューとシリンダーとのクリアランスを小さくすることで炭酸ガスを材料供給口側に漏れにくいようにすることが好ましい。ホッパーを含めた材料供給口やスクリューエンド部分まで密閉型にすることが好ましい。
また、炭酸ガスを高圧で供給しながら樹脂を溶融混練するために先端よりシリンダー内の圧力で樹脂がノズルより出てくるため、溶融混練中及び、冷却工程から射出開始までの間はシャットオフノズルでノズルを閉じておく必要がある。シャットオフノズルは、ニードル形、バルブ形等市販の公知のものが使用でき、その動作制御も、電気、油圧等市販の方法で使用できる。射出成形機は、インラインスクリュータイプでもスクリュープリプランジャータイプでもどちらでもよい。炭酸ガスを供給しながら効率よく溶融混練させるためにスクリューにダルメージや混練ピン等のミキシング機構を設けても良い。
【0030】
このとき、あらかじめ金型キャビティに加圧させる炭酸ガスの圧力は1MPa以上15MPa以下の圧力でかつ、射出した透明樹脂のフローフロントで発泡が生じない圧力以上で加圧させるのが良い。1MPaより小さい圧力では、シリンダーに加圧する圧力が低くても、射出条件を変更しても常にフローフロントで発泡が生じ良くない。15MPaより大きい圧力では、金型のシール構造に負荷が大きくなり、また、実際に樹脂に掛かる型締め力も少なくなるため好ましくない。
また、金型キャビティに樹脂が充填されると、容積が小さくなり金型キャビティ内の圧力も向上していくので、特に好ましくは2MPa以上10MPa以下である。シリンダー内に加圧供給した炭酸ガスの圧力と同等の圧力で金型キャビティを加圧すると、射出した透明溶融樹脂のフローフロントで発泡は生じないが、実際には、射出圧力や、充填最中での透明溶融樹脂の固化によりシリンダー内に加圧した圧力以下でも十分に発泡を抑えることができる。
【0031】
金型キャビティの炭酸ガスを放出する時間は保圧工程が好ましい。射出工程途中で、ガスを放出すると成形品が発泡するので好ましくない。射出−保圧切替時では、炭酸ガスを放出する際に金型キャビティ内で乱流が生じ固化が進んでいない成形品表面に不具合が生じ易くなるために好ましくない。保圧終了後から冷却工程まで炭酸ガス圧をかけ続けても効果がなく、かえって型締め力が炭酸ガス圧力分少なくなるためヒケ等製品全体の外観等不良が生じるため好ましくない。好ましくは保圧開始0.1秒後から保圧工程終了の1秒前である。更に好ましくは、保圧開始0.2秒後から保圧工程終了の2秒前である。また、保圧は、射出成形の場合、充填後更に溶融樹脂を送り込んで樹脂圧をかける工程を示し、射出圧縮成形の場合は型締めで固化していない金型キャビティ内に樹脂圧をかける工程を意味する。両方の工程を併用しても良い。
また、冷却工程とは金型を開いて成形品を取出ても成形品に変形が生じない時間、成形品を冷却する工程であり、これは金型温度、成形温度と関係するが、通常公知の冷却工程で問題ない。
本発明における型締め機構は通常のものが使用できる。また、射出圧縮機構のついた型締めを用いても良い。保圧工程や、冷却工程で型締め力を変化させても問題ない。
【0032】
本発明における面発光装置用導光板は、液晶表示用、看板用、フィルム観察用その他様々な面表示器具の面発光装置に用いられる。中でも、液晶表示は、面発光が均一でかつ明るく、輝度が高く、色ムラが高い必要があり、本発明の面発光装置用導光板は好適に用いることができる。
さらに、液晶表示でも輝度や寸法精度が重要な10inch以上の大型のノートパソコン用モニターや液晶モニターあるいは液晶ディスプレイ、近年大型しつつある携帯電話の液晶表示装置、4inch以上のカーナビゲーション用の液晶表示装置、同じく大型のメーター表示装置等大型の面発光装置に特に好適に用いることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例に従って更に具体的に説明する。
(透明樹脂a〜d)
メタクリル酸メチル83.3重量%、メチルアクリレート1.7重量%、エチルベンゼン15重量%からなる単量体混合物に1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン150ppm及びn−オクチルメルカプタン2300ppmを添加し、均一に混合する。
この溶液を内容積10Lの密閉式耐圧反応器に連続的に供給し、攪拌下に平均温度130℃、平均滞留時間2時間で重合した後、反応器に接続された貯槽に連続的に送り出し、一定条件下で揮発分を除去した後、さらに押出機に連続的に溶融状態で移送し、押出機にて造粒し、透明樹脂aとした。
【0034】
この透明樹脂aの重量平均分子量は溶媒をTHFを溶媒とする、ゲルパーミエーション クロマトグラフィー(GPCと略す)(トソー製 HLC8120)で測定して68600であった。
透明樹脂aの製造工程中で一定条件下で揮発分を除去した後、ステアリルアルコール1000ppm、ステアリン酸モノグリセリド1500ppm、紫外線吸収剤として2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾールを300ppm添加した透明樹脂bを得た。
透明樹脂aの製造工程中で一定条件下で揮発分を除去した後、ステアリルアルコール900ppm添加した透明樹脂cを得た。
【0035】
透明樹脂c(屈折率1.49)に7μmのポリシロキサン系の有機シリコン系架橋ビーズ(屈折率1.43)を7.5ppmをヘンシェルミキサーで均一に混合した後、押出機を用いて造粒し、透明樹脂dを得た。
(透明樹脂e、f)
ビスフェノールAとジフェニルカーボネート(対ビスフェノールAモル比1.10)を、触媒としてビスフェノールAのジナトリウム塩(対ビスフェノールAモル比2.8×10-8)を用いて溶融エステル交換でポリカーボネート樹脂を製造した。
【0036】
NMRで全末端に占めるOH基末端の比率を確認したところ7モル%であった。このポリカーボネート樹脂の重量平均分子量は溶媒をTHFを溶媒とする、GPCで測定して22100であった。このポリカーボネート樹脂に耐熱安定剤としてビスノニルフェニルハイドロゲンホスファイト20ppmとトリス(2,2−4−t−ブチルフェニルホスファイト200ppmをヘンシェルミキサーで均一に混合した後、押出機を用いて造粒し、透明樹脂eを得た。
ビスフェノールA、水酸化ナトリウム、ホスゲン及び触媒としてトリエチルアミン、分子量調整剤としてp−t−ブチルフェノールとから塩化メチレン溶媒を用いてホスゲン法によりポリカーボネート樹脂を得た。NMRで全末端に占めるOH基末端の比率を確認したところ0.9モル%であった。このポリカーボネート樹脂の重量平均分子量は溶媒をTHFを溶媒とする、GPCで測定して22100であった。このポリカーボネート樹脂に透明樹脂eと同様にして耐熱安定剤を添加し、透明樹脂fを得た。
(透明樹脂g)
環状オレフィン樹脂としてノルボルネン樹脂を含む組成物である市販のゼオノア1060R(日本ゼオン製)を用いた。
【0037】
実施例で用いた炭酸ガスは二酸化炭素の純度が99.5%以上の炭酸ガスである。供給はボンベで行った。
(金型)
金型は形状の異なる3つの金型を使用した。
【0038】
1つの金型は、金型キャビティが、厚さ6mm、縦324mm、横243mmの6面鏡面である導光板用金型Aである。
もう1つの金型は金型キャビティが、縦190mm、横252mmで厚さが縦方向に1〜2.5mmに変化する楔形導光板であり、190mm×252mmの1つの面が微細な形状を有し、残りの5面が鏡面の導光板用金型Bである。
微細な形状とは、先に示した図2において、導光板成形品に高さa32μmで、配列ピッチbが縦方向には一定の250μmで横方向には両端から中央に向かって配列ピッチbが710〜190μmの範囲で順次変化する直方体形状単位が配列したものである。
さらに金型キャビティが、厚さ6mm、縦324mm、横243mmで324mm×243mmの1つの面が微細な形状を有し、残り5面が鏡面の導光板金型Cを用いた。
【0039】
導光板用金型Cの微細な形状とは、図3の通り、導光板成形品に最大高さ28μmで、配列は長辺方向にピッチLが420μm、45°の方向にピッチMが300μm、の半楕円球体であり、その長軸dが200μm〜380μm、短軸eが100μm〜190μmの間で長軸と短軸の比が2である相似形をその相似形が324mmの両辺からそれぞれ内に向かって連続的に大きくなるように配置したものである。
金型構造は、導光板金型Aがサイドゲート方式で、スプルーの長さが130mm、ゲート側のスプルー径が12mm、ゲートは幅30mm、厚さ3mmのファンゲートを用い、243mmの中央にゲートを作成した。
金型Aは圧縮出来る機構を持たせた。圧縮するための金型構造は、可動側金型の側面の可動側駒がバネにより摺動することで金型キャビティ余分に開くことが出来る金型構造とした。ゲートは、詳細には、固定側金型との間で印籠構造とし、金型キャビティを余分に開けて射出しても樹脂がゲートから漏れない構造とした。
【0040】
導光板金型Bもサイドゲート方式でスプルーの長さが65mmで、ゲート側のスプルー径が8mm、ゲートは、幅30mm、厚さ2mmのファンゲートで、厚さ3mmの端より45mm薄い側に下がった所にゲートを作成した。
金型構造は圧縮機構を持たない通常の金型構造とし、可動側金型に成形品形状を彫り込んで作成した。
導光板金型Cもサイドゲート方式であり、スプルー長さが130mmゲート側のスプルー径が10mm、ゲート幅は30mm、厚さ6mmのファンゲートを用い、243mmの中央にゲートを作成した。
金型構造は圧縮機構を持たない通常の金型構造とし、固定側金型に微細な形状を形成した入れ子を用いた。
導光板金型金型A、B、Cとも突き出しピン、スプルーブッシュの周囲及び金型ブロックの合わせ面、PL面にOリングを設け、金型キャビティが気密となる構造とした。
(外観)
導光板として問題となる異物やクラックが無いかを目視で評価し、問題ないものは良好とし、輝度の測定を行い、問題あるものは、導光板として不適のため、輝度の測定は行わなかった。
(輝度の測定)
【0041】
導光板金型Aによって作成した導光板(12)を用いて、図4に示す面発光装置を作成した。導光板(12)の長辺2方向からスタンレー電気製15inch液晶モニター用ランプ(8)及びリフレクター(9)を用い入力電圧12Vで2方向から光を入射した。導光板(12)の反射シート(11)側に、スクリーン印刷により入光部から中心に向かって直径0.5mmから1mmに連続的に変化し、ピッチ1mmの白色の円を反射シート面側に反射層となる印刷(10)を施した。印刷インキはSR9300(帝国インキ製)を用いた。
出射光面(ロ)の表面輝度を日本電子機会工業会規格 EIAJ ED−2525に基づいて、輝度計(13)(ミノルタ製 CS−1000)を用いて輝度を測定し、全面積の平均輝度及びその輝度差を測定した。この測定装置を測定装置iとした。
【0042】
また、同じ輝度計を用いてASTM−D2244−85、93に基づき、色度x値、y値を測定し、それぞれの最大値と最小値の差を比較した。
導光板金型Bによって作製した導光板(14)を用いて、図5に示す面発光装置を作製した。導光板の3mmの厚み側からハリソン電機製冷陰極管HMBTM−24のランプ(15)及びリフレクター(16)で、入力電圧12Vで1方向で光を入射した。微細凹凸形状がついた面を下側とし、その下に白色の反射シート(17)を用い、逆の出射光側には、光源に平行になるように3M社製のBEFフィルム(BEF−II)(18)を1枚置いた。
出射光面(ハ)の表面輝度を測定装置iの測定と同様に行なって、輝度計(19)(ミノルタ製 CS−1000)を用いて輝度を測定し、全面積の平均輝度及びその輝度差を測定した。この測定装置を測定装置iiとした。
また、同じ輝度計を用いてASTM−D2244−85、93に基づき、色度x値、y値を測定し、それぞれの最大値と最小値の差を比較した。
導光板金型Cによって作成した導光板を用いて図6に示す面発光装置を作成した。
【0043】
測定装置iと同じ様な面発光装置を作成した。液晶モニター用ランプ(20)は、ハリソン電機製直径4mm長さ380mmの冷陰極ランプを用い、三井化学製リフレクター材料LU−03−BR60を用いたリフレクター(21)を用い、入力電圧12Vで2方向で光を入射した。白色の反射フィルム(22)側に導光板(23)の微細形状を向けた。出射光面(ニ)の表面輝度を日本電子機会工業会規格 EIAJ ED−2525に基づいて、輝度計(24)(ミノルタ製CS−1000)を用いて輝度を測定し、全面積の平均輝度及びその輝度差を測定した。この測定装置を測定装置iiiとした。また、同じ輝度計を用いてASTM−D2244−85、93に基づき、色度x値、y値を測定し、それぞれの最大値と最小値の差を比較した。
【0044】
【実施例1】
射出成形機は、小松製作所製の型締め力300tのIP−1050を使用した。成形機IP−1050のスクリューをベント付きスクリューに交換した。そして、スクリューのベントにあたるシリンダー部分に6mmの穴と4mmの穴を一カ所開け、6mmの穴に配管を設けて炭酸ガスボンベを接続した。4mmの穴には圧力計を設けた。スクリューエンドから、ガスが漏れないようにOリングでシールをした。また、スクリューのベント部分のホッパー側のところのすき間を0.3mmのすき間に狭めて、ベント部分からの炭酸ガスがホッパー方向へ逃げない構造とした。
乾燥した透明樹脂bを用いて成形した。金型は導光板金型Aを用いた。
シリンダー温度230℃、金型温度60℃に設定した。まず、シリンダーに設けた配管から、炭酸ガスを8MPaの圧力で圧入しながら可塑化を行った。シリンダーが可塑化中に炭酸ガスの圧力で下がらないように、スクリューに8MPaの圧力をかけながら可塑化を行った。可塑化中はシャットオフを閉にした。可塑化終了後、シリンダーを前進し、金型にノズルがタッチしていることを確認した。
【0045】
型締めは、まず、120tの力で型締めを行い、型開き量が1mmのところで型を停止させ、炭酸ガスボンベより炭酸ガスを4MPaの圧力で金型キャビティを満たした。続いて溶融樹脂を射出した。射出時間は6秒であった。射出が99%完了したところで圧縮を開始し、その後型開き量が0.4mmのところまで300tで圧縮した。射出が完了し、保圧開始後4秒後にガスベントから金型キャビティの炭酸ガスを放出した。保圧は30MPaの圧力で5秒行った。金型の開き量が0.4mmになった時点で、型締め力を195tに落し、さらに圧縮を続け、射出終了後から90秒後金型を開いて成形品を取り出した。
このようにして得られた導光板を、直ちに電子式秤によりその重量を測定し、ついでこれを150℃の熱風乾燥機中に3時間以上放置し、その重量が一定になったのを確認して重量を測定し、成形された導光板に1.0重量%の炭酸ガスが吸収していることを確認した。
【0046】
【実施例2】
実施例1でシリンダーにかける炭酸ガスの圧力を4.5MPaとし、可塑化中にスクリューにかける圧力を4.5MPaとし、その他を実施例1と同様にして導光板を成形した。このようにして得られた導光板を実施例1と同様にして測定し、導光板に0.3重量%の炭酸ガスが吸収していることを確認した。
【0047】
【実施例3】
実施例1でシリンダーに炭酸ガスを供給させずに透明樹脂bの可塑化を行った。可塑化中は1MPaの背圧をかけながら可塑化を行った。金型キャビティに炭酸ガスを充填せず、従って放出もせず、それ以外は実施例1と同様にして成形した。
このようにして得られた導光板をSUS製の加圧容器の中にいれ、容器内に炭酸ガスボンベで2MPaの圧力で22時間ガスを導光板に吸収させた。圧力を解放して導光板を取り出し、実施例1と同様にして測定して、成形された導光板に0.4重量%の炭酸ガスが吸収していることを確認した。
【0048】
【比較例1】
実施例3と同様にして成形したが、成形後に導光板成形品に炭酸ガスを吸収させなかった。
【0049】
【実施例4】
乾燥した透明樹脂dを用い、その他は実施例1と同様にして成形した。
このようにして得られた導光板を実施例1と同様に測定して、成形された導光板に1.0重量%の炭酸ガスが吸収されていることを確認した。
【0050】
【比較例2】
乾燥した透明樹脂dを用い、その他は比較例1と同様にして成形した。
【0051】
【実施例5】
成形機は、東洋機械金属製のTM−220で成形を行った。型締め力は220tである。この成形機のスクリューをベント付きのスクリューにした。シリンダー、スクリューは実施例1と同様の改造を行った。ノズルはシャットオフノズルを使用した。
乾燥した透明樹脂bを用い、金型は導光板金型Bを用いた。
【0052】
シリンダー温度240℃、金型温度70℃に設定した。まず、シリンダーに設けた配管から、炭酸ガスを5MPaの圧力で圧入しながら可塑化を行った。シリンダーが可塑化中に炭酸ガスの圧力で下がらないように、スクリューに5MPaの圧力をかけながら可塑化を行った。可塑化中はシャットオフを閉にした。可塑化終了後、金型にノズルがタッチしていることを確認して、金型キャビティ内に5MPaの圧力で炭酸ガスを充填した。続いて樹脂の射出を行った。
射出時間は1秒であった。保圧100MPaで10秒ゲートシールで成形した、保圧工程開始後0.3秒後でガスベントから金型キャビティに満たした炭酸ガスを外に放出した。45秒後に金型を開いて成形品を取り出した。
このようにして得られた導光板を実施例1と同様に測定して、成形された導光板に0.4重量%の炭酸ガスが吸収されていることを確認した。
【0053】
【実施例6】
実施例5でシリンダーにかける炭酸ガスの圧力を6.5MPaとし、可塑化中にシリンダーにかける圧力を6.5MPaとし、その他を実施例5と同様にして導光板を成形した。このようにして得られた導光板を実施例1と同様にして測定し、導光板に0.6重量%の炭酸ガスが吸収していることを確認した。
【0054】
【実施例7】
実施例5でシリンダーにかける炭酸ガスの圧力を2.5MPaとし、可塑化中にシリンダーにかける圧力を2.5MPaとし、その他を実施例5と同様にして導光板を成形した。このようにして得られた導光板を実施例1と同様にして測定し、導光板に0.13重量%の炭酸ガスが吸収していることを確認した。
【0055】
【比較例3】
実施例5でシリンダーに炭酸ガスを供給させずに乾燥した透明樹脂dの可塑化を行った。可塑化中は1MPaの背圧をかけながら可塑化を行った。金型キャビティに炭酸ガスを充填せず、従って放出もせず、それ以外は実施例5と同様にして成形した。金型は導光板金型Bを用いた。成形後も、導光板成形品に炭酸ガスを吸収させなかった。
【0056】
【比較例4】
比較例3で得た導光板をSUS製の加圧容器の中に入れ、容器内に炭酸ガスボンベで0.1MPaの圧力で15分間ガスを導光板に吸収させた。圧力を解放して導光板を取り出し、実施例3と同様にして測定して、成形された導光板に0.006重量%の炭酸ガスが吸収していることを確認した。
【0057】
【参考例1】
成形機は、住友機械製のSG−260で成形を行った。型締め力は260tである。この成形機のスクリューをベント付きのスクリューにした。シリンダー、スクリューは実施例1と同様の改造を行った。ノズルはシャットオフノズルを使用した。乾燥した透明樹脂eを用い、金型は導光板金型Bを用いた。
【0058】
この樹脂を原料とし、シリンダー温度300℃、金型温度95℃、充填時間2秒、保圧100MPaで10秒ゲートシールして成形した、シリンダーに設けた配管から、炭酸ガスを6MPaの圧力で圧入しながら可塑化を行った。シリンダーが可塑化中に炭酸ガスの圧力で下がらないように、スクリューに6MPaの圧力をかけながら可塑化を行った。可塑化中はシャットオフを閉にした。可塑化終了後、金型にノズルがタッチしていることを確認して、金型キャビティ内に5MPaの圧力で炭酸ガスを充填した。続いて樹脂の射出を行った。射出時間は1秒であった。保圧工程開始後0.4秒後でガスベントから金型キャビティに満たした炭酸ガスを外に放出した。50秒後に金型を開いて成形品を取り出した。
このようにして得られた導光板を実施例1と同様に測定して、成形された導光板に1.2重量%の炭酸ガスが吸収されていることを確認した。
【0059】
【参考例2】
乾燥した透明樹脂fを用い、参考例1と同様にして成形した。このようにして得られた導光板を実施例1と同様に測定して、成形された導光板に0.7重量%の炭酸ガスが吸収されていることを確認した。
【0060】
【比較例5】
参考例1でシリンダーに炭酸ガスを供給させずに乾燥した透明樹脂eの可塑化を行った。可塑化中は1MPaの背圧をかけながら可塑化を行った。金型キャビティに炭酸ガスを充填せず、従って放出もせず、それ以外は参考例1と同様にして成形した。
【0061】
【参考例3】
参考例1で用いた成形機を使用した。乾燥した透明樹脂gを用い、金型は導光板金型Bを用いた。
【0062】
この樹脂を原料とし、シリンダー温度250℃、金型温度70℃、充填時間2秒、保圧65MPaで10秒ゲートシールして成形した、シリンダーに設けた配管から、炭酸ガスを5MPaの圧力で圧入しながら可塑化を行った。シリンダーが可塑化中に炭酸ガスの圧力で下がらないように、スクリューに5MPaの圧力をかけながら可塑化を行った。可塑化中はシャットオフを閉にした。可塑化終了後、金型にノズルがタッチしていることを確認して、金型キャビティ内に5MPaの圧力で炭酸ガスを充填した。続いて樹脂の射出を行った。射出時間は1秒であった。保圧工程開始後0.3秒後でガスベントから金型キャビティに満たした炭酸ガスを外に放出した。45秒後に金型を開いて成形品を取り出した。
このようにして得られた導光板を実施例1と同様に測定して、成形された導光板に0.5重量%の炭酸ガスが吸収されていることを確認した。
【0063】
【比較例6】
参考例3でシリンダーに炭酸ガスを供給させずに乾燥した透明樹脂gの可塑化を行った。ただし、材料供給口に透明樹脂gと共に窒素ガスを3L/分の割合で送った。可塑化中は1.2MPaの背圧をかけながら可塑化を行った。金型キャビティに炭酸ガスを充填せず、従って放出もせず、それ以外は参考例3と同様にして成形した。
【0064】
【実施例8】
成形機は東芝機械製IS−550GSの成形機を用い、スクリュー、シリンダーを実施例1と同様の改造を行なった。この成形機の型締めは550tである。ノズルはシャットオフノズルを使用した。
【0065】
乾燥した透明樹脂bをそのまま用いた。金型は導光板金型Cを用いた。
この樹脂を原料とし、シリンダー温度240℃、金型温度70℃に設定し、炭酸ガスを7MPaの圧力でシリンダーに設けた配管から圧入しながら可塑化を行った。シリンダーが可塑化中に炭酸ガスの圧力で下がらないように、スクリューに7MPaの圧力をかけながら可塑化を行った。可塑化中はシャットオフを閉にした。可塑化終了後、金型にノズルがタッチしていることを確認して、金型キャビティ内に5MPaの圧力で炭酸ガスを充填した。続いてシャットオフノズルを開にして樹脂の射出を行った。射出時間は3秒であった。保圧を開始してから20秒後ガスベントから金型キャビティに満たした炭酸ガスを外に放出した。保圧は、30MPaで25秒間保持し、3分後に金型を開いて成形品を取り出した。
このようにして得られた導光板を実施例1と同様に測定して、成形された導光板に0.9重量%の炭酸ガスが吸収されていることを確認した。
【0066】
【実施例9】
実施例8でシリンダーにかける炭酸ガスの圧力を9.5MPaとし、可塑化中にスクリューにかける圧力を9.5MPaとし、金型キャビティ内に6MPaの圧力で炭酸ガスを充填し、その他を実施例1と同様にして導光板を成形した。このようにして得られた導光板を実施例1と同様に測定して、成形された導光板に1.5重量%の炭酸ガスが吸収されていることを確認した。
【0067】
【実施例10】
実施例8でシリンダーにかける炭酸ガスの圧力を1.2MPaとし、可塑化中にスクリューにかける圧力を1.2MPaとし、その他を実施例1と同様にして導光板を成形した。このようにして得られた導光板を実施例1と同様に測定して、成形された導光板に0.03重量%の炭酸ガスが吸収されていることを確認した。
【0068】
【比較例7】
乾燥した透明樹脂aを使用した。実施例8で樹脂温度は270℃でシリンダーから炭酸ガスを入れずに可塑化した。シリンダーには1MPaの背圧をかけて可塑化を行なった。金型温度は85℃、射出時間3秒で成形を行った。金型キャビティにも炭酸ガスを入れず、保圧30MPaで30秒間保持し、4分後に成形品を取り出した。
【0069】
【比較例8】
乾燥した透明樹脂aを使用した。実施例8でシリンダーにかける炭酸ガスの圧力を22MPaとし、可塑化中にスクリューにかける圧力を22MPaとし、金型キャビティ内に8MPaの圧力で炭酸ガスを充填し、その他を実施例1と同様にして導光板を成形した。このようにして得られた導光板を実施例1と同様に測定して、成形された導光板に2.7重量%の炭酸ガスが吸収されていることを確認した。
【0070】
【比較例9】
乾燥した透明樹脂aを使用した。
比較例8と同様にして成形した導光板をSUS製の加圧容器の中に入れ、容器内に炭酸ガスボンベで0.1MPaの圧力で5分間ガスを導光板に吸収させた。圧力を解放して導光板を取り出し、実施例1と同様にして測定して、成形された導光板に0.002重量%の炭酸ガスが吸収していることを確認した。
【0071】
【実施例11】
金型は導光板金型Cを用いた。乾燥した透明樹脂cを用い、その他は、実施例8と同様にして成形した。このようにして得られた導光板を実施例1と同様に測定して、成形された導光板に0.8重量%の炭酸ガスが吸収されていることを確認した。
【0072】
【比較例10】
金型は導光板金型Cを用いた。乾燥した透明樹脂cを用い、比較例7と同様にして成形した。以上の実施例1〜11、参考例1〜3、及び比較例1〜10の導光板を用いて面発光装置を作製し、次いで輝度及び色度を前記輝度の測定方法に従って測定した。それぞれ用いた測定装置及び面発光装置の平均輝度並びに最大輝度と最小輝度の差及び色度x値、y値のそれぞれの最大値と最小値の差を表1に示す。表1の結果から明らかなように、実施例1〜3は、吸収、溶解させていない比較例1に比べ、平均輝度が高く、約5〜6%近く輝度が向上している。最大輝度と最小輝度の差も小さく面発光装置としてより均一に明るい面発光装置が得られている。
【0073】
また、色度についてもx値、y値とも最大値と最小値の差が小さいため、面発光の色ムラも小さい。従って従来よりより良い面発光装置が得られている。
微粒子を添加した樹脂ペレットcを用いた実施例4及び比較例2での導光板でも、炭酸ガスが含有している実施例4の導光板が、炭酸ガスを含有していない比較例2の導光板に比べ平均輝度が高く、やはり5%近く輝度が向上しており、最大輝度と最小輝度の差も小さく、発光面の色ムラも少ない面発光装置が得られている。
【0074】
導光板金型B及び測定装置iiを用いた実施例5〜7も炭酸ガスを含有してない比較例3に比べ平均輝度が高く、やはり10%以上輝度が向上しており、最大輝度と最小輝度の差も小さく、発光面の色ムラも少ない面発光装置が得られている。また、比較例4のように炭酸ガスを含有させても含有量が0.01重量%より少ない場合、輝度の向上及び輝度の均一性の向上も見られない。同様の結果が透明樹脂がポリカーボネート樹脂を含む組成物である参考例1、2と比較例5、環状オレフィンを含む組成物である参考例3と比較例6の間でも見られる。導光板金型C及び測定装置iiiを用いた実施例8〜10も炭酸ガスを含有させていない比較例7や含有量が0.01重量%より少ない比較例9に比べ平均輝度が高く、やはり10%近く輝度が向上しており、最大輝度と最小輝度の差も小さく、発光面の色ムラも少ない面発光装置が得られている。炭酸ガスを2重量%より多く含有させた比較例8では導光板にあってはならないクラックが発生してしまい、導光板として不適であり測定が出来なかった。また、樹脂ペレットcを原料として用いた実施例11及び比較例10でも、実施例11が比較例10に比べ、平均輝度が高く、やはり5%以上輝度が向上しており、最大輝度と最小輝度の差も小さく、発光面の色ムラも少ない面発光装置が得られている。
【0075】
【表】
【0076】
【発明の効果】
本発明の面発光装置用導光板は、どの様な形状の導光板においても面発光装置で課題となる、導光板の出射する光(出射光)の明るさ(輝度)を向上させ、かつ、その均一性を改善し、輝度ムラ、色ムラをより少なくした面発光装置用導光板を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】面発光装置の概念図である。
【図2】導光板の微細な凹凸の概念図である。
【図3】本発明の実施例で使用した導光板用金型Cで成形した導光板の微細な凹凸の概念図である。
【図4】本発明の実施例で使用した導光板用金型Aで成形した導光板の測定装置iの概念図である。
【図5】本発明の実施例で使用した導光板用金型Bで成形した導光板の測定装置iiの概念図である。
【図6】本発明の実施例で使用した導光板用金型Cで成形した導光板の測定装置iiiの概念図である。
【符号の説明】
1.ランプ
2.リフレクター
3.反射層
4.反射シート
5.導光板
6.拡散部材
7.出射光調整部材
イ.出射光面
8.液晶モニター用ランプ
9.リフレクター
10.印刷
11.反射シート
12.導光板
13.輝度計
ロ.出射光面
14.導光板
15.ランプ
16.リフレクター
17.反射シート
18.BEFフィルム
19.輝度計
ハ.出射光面
20.ランプ
21.リフレクター
22.反射シート
23.導光板
24.輝度計
ニ.出射光面
Claims (8)
- 透明樹脂からなる導光板に、二酸化炭素を50重量%以上含む炭酸ガスが0.01〜2重量%含有されており、かつ、飽和脂肪族高級アルコールの300ppm以上3000ppm以下、及び/又はOH基を持つグリセリン高級脂肪酸エステルの300ppm以上50000ppm以下が含有されていることを特徴とする導光板。
- 前記透明樹脂が、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状オレフィン樹脂のいずれかから選ばれることを特徴とする請求項1記載の導光板。
- 前記透明樹脂が、全末端に占めるヒドロキシ基の割合が1〜30モル%であるポリカーボネート樹脂であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の導光板。
- 前記導光板に、微粒子が添加されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の導光板。
- 前記導光板の出射光面及び/又は反対面に微細な凹凸を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の導光板。
- 前記導光板の出射光面が、レンズ形状を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の導光板。
- 前記導光板の反射面形状が、角度のついた傾斜面を持つ楔形形状であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の導光板。
- 導光板を射出成形するに際し、成形機のシリンダーに二酸化炭素を50重量%以上含む炭酸ガスを1〜15MPaの圧力で加圧供給しながら溶融混練した飽和脂肪族高級アルコールの300ppm以上3000ppm以下、及び/又はOH基を持つグリセリン高級脂肪酸エステルの300ppm以上50000ppm以下が含有されている透明樹脂を、該炭酸ガスで1〜15MPaの圧力で、かつ射出する該溶融透明樹脂のフローフロントで発泡が生じない圧力以上に加圧させた金型キャビテイに射出し、保圧しつつ、金型キャビテイ内を一部減圧にすることによりガスを放出し、さらに冷却を行い、その後金型を開いて成形品を取りだし、該成形品に該炭酸ガスを0.01〜2重量%含有させることを特徴とする導光板の製造方法。
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