JP2003048237A - 導光板の成形方法および環状オレフィン系樹脂の成形方法 - Google Patents

導光板の成形方法および環状オレフィン系樹脂の成形方法

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JP2003048237A
JP2003048237A JP2001240730A JP2001240730A JP2003048237A JP 2003048237 A JP2003048237 A JP 2003048237A JP 2001240730 A JP2001240730 A JP 2001240730A JP 2001240730 A JP2001240730 A JP 2001240730A JP 2003048237 A JP2003048237 A JP 2003048237A
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JP
Japan
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light guide
guide plate
molding
resin
cyclic olefin
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Application number
JP2001240730A
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English (en)
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Yoshihisa Mizuno
善久 水野
Kazuhiro Nakamura
和洋 中村
Kazuo Kasai
和雄 河西
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JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
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Publication date
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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転写性、色相に優れるとともに、不純物や金
型汚れによる成形不良発生の少ない、導光板あるいは環
状オレフィン系樹脂の成形方法を提供する。 【解決手段】 導光板あるいは環状オレフィン系樹脂を
射出成形にて成形する方法において、金型キャビティー
内を減圧状態にした後に溶融樹脂を充填する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶ディスプレイ
用の導光板、さらにはこの導光板用途に最適な環状オレ
フィン系樹脂の成形方法に関し、詳しくは、予めキャビ
ティー内を減圧にした状態で溶融樹脂を充填することに
より、転写性、色相および金型メンテナンス性に優れた
導光板などの射出成形方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、表面にファインパターンやプリズ
ムを成形と同時に形成したバックライトあるいはフロン
トライト導光板が主流となっている。このような導光板
では、特にパターンやプリズムの転写状態に対する要求
が厳しく、転写と例えば反りや歪みなどとを両立させて
成形品を得ることが難しい。また、バックライトの大型
化あるいはフロントライトにおける見栄えの問題から色
相に対する要求も厳しくなっており、現状レベルでも問
題がある場合が多い。さらに、フロントライト導光板に
おいては、転写性、色相はもとより、成形時に発生する
金型からの発塵、樹脂中の微量な不純物のコンタミによ
る成形不良の発生、あるいは金型メンテナンス間隔の増
大といった問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、転写性、色
相に優れるとともに、不純物や金型汚れによる成形不良
発生の少ない導光板の成形方法、および、この導光板用
途に最適な環状オレフィン系樹脂の成形方法を提供する
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、予め金型キャ
ビティー内を減圧とした状態で、好ましくは環状オレフ
ィン系樹脂を、さらに好ましくはその繰り返し単位の少
なくとも一部に1種類以上の極性基をふくむ環状オレフ
ィン系樹脂を溶融・充填することにより、好ましくは表
面にパターンを形成することを特徴とするバックライト
もしくはフロントライト導光板の射出成形に関する。な
お、本発明は、上記導光板の射出成形のみならず、導光
板用途に最適な環状オレフィン系樹脂を用いた導光板を
含む射出成形品の射出成形方法にも適用可能である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の導光板に用いられる熱可塑性樹脂は、光学用途
に用いられる高度に透明性を有するものが使用できる。
例えば、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、
スチレン系樹脂などが挙げられるが、耐熱性、低光学歪
み性、透明性のバランスから環状オレフィン系樹脂が好
ましい。さらに、導光板用途では、コーティングなど種
々の二次加工を要する場合が多いので、その繰り返し単
位の少なくとも一部に1種類以上の極性基を含むものが
特に好ましい。以下に、環状オレフィン系樹脂について
説明する。
【0006】本発明に用いられる環状オレフィン系樹脂
は、(i)環状オレフィン系熱可塑性樹脂、あるいは、
(ii)環状オレフィン系熱可塑性樹脂組成物が挙げら
れる。 (i)環状オレフィン系熱可塑性樹脂 本発明の環状オレフィン系樹脂を構成する(i)環状オ
レフィン系熱可塑性樹脂(以下「(A)成分)と記す)と
しては、下記〜に示す重合体を挙げることができ
る。 下記一般式(I)で表される単量体(以下、「特定
単量体」という。)の開環重合体 特定単量体と共重合性単量体との開環共重合体 上記開環(共)重合体の水素添加重合体 上記開環(共)重合体をフリーデルクラフト反応に
より環化した後、水素添加した(共)重合体 特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和共
重合体
【0007】
【化1】 一般式(I) 〔式中、R1〜R4は、それぞれ水素原子、ハロゲン原
子、炭素数1〜10の炭化水素基、またはその他の1価
の有機基であり、それぞれ同一であっても異なっていて
もよい。R1とR2またはR3とR4は、一体化して2価の
炭化水素基を形成してもよく、R1またはR2とR3また
はR4とは互いに結合して、単環または多環構造を形成
してもよい。mは0または正の整数であり、pは0また
は正の整数である。ただし、mが0のときはpも0であ
る。〕
【0008】上記の特定単量体を重合して得られる
(A)成分は、成形品の二次加工性を向上させる観点か
ら、分子構造中に1種類以上の極性基を含有しているこ
とが好ましい。
【0009】<特定単量体>好ましい特定単量体として
は、上記一般式(I)中、R1およびR3が水素原子また
は炭素数1〜10の炭化水素基であり、R2およびR4
水素原子または一価の有機基であって、R2およびR4
少なくとも一つは水素原子および炭化水素基以外の極性
基を示し、mが0〜3の整数、pが0〜3の整数であ
り、m+pが0〜4、好ましくは0〜2、特に好ましく
は1であるものを挙げることができる。特に、特定単量
体のうち、式−(CH2nCOOR5で表される極性基
を有する特定単量体は、得られる環状オレフィン系熱可
塑性樹脂が高いガラス転移温度と低い吸湿性を有するも
のとなる点で好ましい。極性基にかかる上記の式におい
て、R5は炭素原子数1〜12の炭化水素基、好ましく
はアルキル基である。また、nは、通常、0〜5である
が、nの値が小さいものほど、得られる環状オレフィン
系熱可塑性樹脂のガラス転移温度が高くなるので好まし
く、さらにnが0である特定単量体は、その合成が容易
である点で好ましい。さらに、上記一般式(I)におい
て、R1またはR3がアルキル基であることが好ましく、
当該アルキル基の炭素数は1〜4であることが好まし
く、さらに好ましくは1〜2、特に好ましくは1であ
る。特に、このアルキル基が上記の式−(CH2nCO
OR5で表される極性基が結合した炭素原子と同一の炭
素原子に結合されていることが好ましい。また、一般式
(I)において、mが1である特定単量体は、ガラス転
移温度の高い環状オレフィン系熱可塑性樹脂が得られる
点で好ましい。
【0010】上記一般式(I)で表わされる特定単量体
の具体例としては、次のような化合物が挙げられる。ビ
シクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、トリシクロ
[5.2.1.02,6]−8−デセン、テトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、ペン
タシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−
ペンタデセン、ペンタシクロ[7.4.0.12,5.1
9,12.08,13]−3−ペンタデセン、トリシクロ[4.
4.0.12,5]−3−ウンデセン、5−メチルビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシカル
ボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−
メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5−シアノビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、8−メトキシカルボニルテトラ
シクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.
0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−n−プロポ
キシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]−3−ドデセン、8−イソプロポキシカルボニル
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ド
デセン、8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−
メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.
4.0.12,5.17 ,10]−3−ドデセン、8−メチル
−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.
2,5.17 ,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−n
−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.1
2, 5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−イソ
プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,
5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−n−ブ
トキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、ジメタノオクタヒドロナフタ
レン、エチルテトラシクロドデセン、6−エチリデン−
2−テトラシクロドデセン、トリメタノオクタヒドロナ
フタレン、ペンタシクロ[8.4.0.12,5
9,12.08,13]−3−ヘキサデセン、ヘプタシクロ
[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.0
11,16]−4−エイコセン、ヘプタシクロ[8.8.
0.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5
−ヘンエイコセン、5−エチリデンビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、8−エチリデンテトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、5−
フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8
−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、5−フルオロビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5−フルオロメチルビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−トリフルオロ
メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−
ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−
2−エン、5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]
ヘプト−2−エン、5,6−ジフルオロビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5,5−ビス(トリフルオ
ロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−トリフル
オロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン、5,5,6−トリス(フルオロメチル)
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5,
6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン、5,5,6,6−テトラキス(トリフルオ
ロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチ
ル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6
−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビ
シクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5,6−
トリフルオロ−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5−フルオロ−5−ペンタ
フルオロエチル−6,6−ビス(トリフルオロメチル)
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ
フルオロ−5−ヘプタフルオロ−iso−プロピル−6
−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−
2−エン、5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシ
クロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジクロ
ロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5,6−トリフ
ルオロ−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5,5,6−トリフルオロ−6
−ヘプタフルオロプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−2−エン、8−フルオロテトラシクロ[4.4.
0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−フルオロメ
チルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−トリフ
ルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]−3−ドデセン、8−ペンタフルオロエチルテト
ラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.1
2,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−ジフルオロテ
トラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデ
セン、8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシク
ロ[4.4.0.12,5.17 ,10]−3−ドデセン、
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ
[4.4.0.12,5.17 ,10]−3−ドデセン、8−
メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.
4.0.12,5.17 ,10]−3−ドデセン、8,8,9
−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]−3−ドデセン、8,8,9−トリス(トリフル
オロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12, 5.1
7,10]−3−ドデセン、8,8,9,9−テトラフルオ
ロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−
ドデセン、8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロ
メチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
−3−ドデセン、8,8−ジフルオロ−9,9−ビス
(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.1
2,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−ジフルオロ−
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,
8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラ
シクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメト
キシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフ
ルオロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、8−フルオロ−8−ペンタフ
ルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テ
トラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデ
セン、8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロiso
−プロピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−
クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−ジ
クロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシ
クロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ド
デセン、8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロ
エトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.1
2,5.17,10]−3−ドデセンなどを挙げることができ
る。
【0011】これらの特定単量体のうち、8−メチル−
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチリデンテトラ
シクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]−3−ドデセン、ペンタシクロ[7.4.0.1
2 ,5.19,12.08,13]−3−ペンタデセンは、最終的
に得られる環状オレフィン系熱可塑性樹脂が耐熱性に優
れたものとなる点で好ましく、特に好ましくは、8−メ
チル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.
0.12,5.17,10]−3−ドデセンである。なお、上
記一般式(I)で表わされる特定単量体は、1種単独で
用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0012】<共重合性単量体>本発明の環状オレフィ
ン系樹脂を得るための開環重合工程においては、上記の
特定単量体を単独で開環重合させてもよいが、当該特定
単量体と共重合性単量体とを開環共重合させてもよい。
共重合性単量体の使用量は、全単量体中に、50重量%
以下、好ましくは0〜40重量%である。この場合に使
用される共重合性単量体の具体例としては、シクロブテ
ン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテ
ン、トリシクロ[5.2.1.02, 6]−3−デセン、
5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジ
エンなどのシクロオレフィンを挙げることができる。シ
クロオレフィンの炭素数としては、4〜20が好まし
く、さらに好ましくは5〜12である。さらに、ポリブ
タジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重
合体、エチレン−非共役ジエン共重合体、ポリノルボル
ネンなどの主鎖に炭素−炭素間二重結合を含む不飽和炭
化水素系ポリマーなどの存在下に特定単量体を開環重合
させてもよい。そして、この場合に得られる開環重合体
の水素添加物は、耐衝撃性の大きい樹脂の原料として有
用である。さらには、例えばエチレン、プロピレン、ブ
テンなど炭素数2〜12、好ましくは2〜8のオレフィ
ン系化合物などの不飽和二重結合含有化合物などと共重
合を行なっても良い。
【0013】<開環重合触媒>本発明において、開環重
合反応は、メタセシス触媒の存在下に行われる。このメ
タセシス触媒は、(a)W、MoおよびReの化合物か
ら選ばれた少なくとも1種と、(b)デミングの周期律
表IA族元素(例えば、Li、Na、Kなど)、IIA族
元素(例えば、Mg、Caなど)、IIB族元素(例え
ば、Zn、Cd、Hgなど)、IIIB族元素(例えば、
B、Alなど)、IVA族元素(例えば、Ti、Zrな
ど)あるいはIVB族元素(例えば、Si、Sn、Pbな
ど)の化合物であって、少なくとも1つの当該元素−炭
素結合あるいは当該元素−水素結合を有するものから選
ばれた少なくとも1種との組合せからなる触媒である。
また、この場合に、触媒の活性を高めるために、後述の
(c)添加剤が添加されたものであってもよい。
【0014】(a)成分として適当なW、Moあるいは
Reの化合物の代表例としては、WCl6、MoCl5
ReOCl3など特開平1−240517号公報に記載
の化合物を挙げることができる。(b)成分の具体例と
しては、n−C49Li、(C253Al、(C25
2AlCl、(C251.5AlCl1.5、(C25)A
lCl2、メチルアルモキサン、LiHなど特開平1−
240517号公報に記載の化合物を挙げることができ
る。添加剤である(c)成分の代表例としては、アルコ
ール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類などが好適
に用いることができるが、さらに特開平1−24051
7号公報に示される化合物を使用することができる。
【0015】メタセシス触媒の使用量としては、上記
(a)成分と特定単量体とのモル比で「(a)成分:特
定単量体」が、通常1:500〜1:50,000とな
る範囲、好ましくは1:1,000〜1:10,000
となる範囲とされる。(a)成分と(b)成分との割合
は、金属原子比で「(a):(b)」が1:1〜1:5
0、好ましくは1:2〜1:30の範囲とされる。
(a)成分と(c)成分との割合は、モル比で
「(c):(a)」が0.005:1〜15:1、好ま
しくは0.05:1〜7:1の範囲とされる。
【0016】<分子量調節剤>開環重合体の分子量の調
節は、重合温度、触媒の種類、溶媒の種類によっても行
うことができるが、本発明においては、分子量調節剤を
反応系に共存させることにより調節することが好まし
い。ここに、好適な分子量調節剤としては、例えばエチ
レン、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−
デセンなどのα−オレフィン類およびスチレンを挙げる
ことができ、これらのうち、1−ブテン、1−ヘキセン
が特に好ましい。これらの分子量調節剤は、単独である
いは2種以上を混合して用いることができる。分子量調
節剤の使用量としては、開環重合反応に供される特定単
量体1モルに対して0.005〜0.6モル、好ましく
は0.02〜0.5モルとされる。
【0017】<開環重合反応用溶媒>開環重合反応にお
いて用いられる溶媒(特定単量体、メタセシス触媒およ
び分子量調節剤を溶解する溶媒)としては、例えばペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン
などのアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、
シクロオクタン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロ
アルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベ
ンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素;クロロブタン、
ブロムヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキ
サメチレンジブロミド、クロロベンゼン、クロロホル
ム、テトラクロロエチレンなどのハロゲン化アルカン;
アリールなどの化合物;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、
酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチル、ジメトキシ
エタンなどの飽和カルボン酸エステル類;ジブチルエー
テル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエ
ーテル類を挙げることができ、これらは単独であるいは
混合して用いることができる。これらのうち、芳香族炭
化水素が好ましい。溶媒の使用量としては、「溶媒:特
定単量体(重量比)」が、通常、1:1〜10:1とな
る量とされ、好ましくは1:1〜5:1となる量とされ
る。
【0018】<水素添加触媒>以上のようにして得られ
る開環(共)重合体は、そのまま(A)成分として使用
することもできるが、水素添加された水素添加(共)重
合体を(A)成分として使用することが好ましい。水素
添加反応は、通常の方法、すなわち、開環(共)重合体
の溶液に水素添加触媒を添加し、これに常圧〜300気
圧、好ましくは3〜200気圧の水素ガスを0〜200
℃、好ましくは20〜180℃で作用させることによっ
て行われる。水素添加触媒としては、通常のオレフィン
性化合物の水素添加反応に用いられるものを使用するこ
とができる。この水素添加触媒としては、不均一系触媒
および均一系触媒が公知である。不均一系触媒として
は、パラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウ
ムなどの貴金属触媒物質を、カーボン、シリカ、アルミ
ナ、チタニアなどの担体に担持させた固体触媒を挙げる
ことができる。また、均一系触媒としては、ナフテン酸
ニッケル/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチル
アセトナート/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コ
バルト/n−ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/
ジエチルアルミニウムモノクロリド、酢酸ロジウム、ク
ロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジク
ロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ク
ロロヒドロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィ
ン)ルテニウム、ジクロロカルボニルトリス(トリフェ
ニルホスフィン)ルテニウムなどを挙げることができ
る。触媒の形態は粉末でも粒状でもよい。これらの水素
添加触媒は、「開環(共)重合体:水素添加触媒(重量
比)」が、1:1×10-6〜1:2となる割合で使用さ
れる。このように、水素添加することにより得られる水
素添加(共)重合体は、優れた熱安定性を有するものと
なり、成形加工時や製品としての使用時の加熱によって
はその特性が劣化することはない。ここに、水素添加率
は、通常、50%以上、好ましく70%以上、さらに好
ましくは90%以上である。
【0019】<飽和共重合体を得る際に使用する触媒>
特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との共重合反応
に使用される触媒としては、バナジウム化合物と有機ア
ルミニウム化合物とからなる触媒が用いられる。バナジ
ウム化合物としては、一般式VO(OR)abまたはV
(OR)cd(ただし、Rは炭化水素基、0≦a≦3、
0≦b≦3、2≦a+b≦3、0≦c≦4、0≦d≦
4、3≦c+d≦4)で表されるバナジウム化合物、あ
るいはこれらの電子供与体付加物が用いられる。電子供
与体としては、アルコール、フェノール類、ケトン、ア
ルデヒド、カルボン酸、有機酸または無機酸のエステ
ル、エーテル、酸アミド、酸無水物、アルコキシシラン
などの含酸素電子供与体、アンモニア、アミン、ニトリ
ル、イソシアナートなどの含窒素電子供与体などが挙げ
られる。有機アルミニウム化合物触媒成分としては、少
なくとも1つのアルミニウム−炭素結合あるいはアルミ
ニウム−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも
1種が用いられる。触媒成分の比率は、バナジウム原子
に対するアルミニウム原子の比(Al/V)で2以上、
好ましくは2〜50、特に好ましくは3〜20の範囲で
ある。
【0020】<飽和共重合体を得る際に使用する溶媒>
特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との共重合反応
に使用される溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアルカ
ン類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどのシ
クロアルカン類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの
芳香族炭化水素およびそのハロゲン誘導体を挙げること
ができる。
【0021】本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂
の30℃のクロロホルム中で測定した固有粘度
(ηinh)は、0.2〜5dl/gであることが好まし
く、さらに好ましくは0.3〜4である。また(A)成
分の分子量としては、ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の数
平均分子量(Mn)が8,000〜100,000、重
量平均分子量(Mw)が20,000〜300,000
の範囲のものが好適である。
【0022】本発明に用いる環状オレフィン系樹脂は、
光学材料とした場合に、視覚欠陥、異常輝点の原因とな
る異物が少なく、可能な限り存在しないことが好まし
い。かかる異物の含有量は、少なくとも50μm以上の
異物が0個/10g、好ましくは30μm以上の異物が
0個/10g、特に好ましくは20μm以上の異物が0
個/10gであることが好ましい。異物の量の測定は、
樹脂をトルエン、シクロヘキサンなど成形品に使用する
樹脂の溶解性がある溶媒に溶解し、フィルターでろ過
後、顕微鏡で観察することにより、大きさと個数とを計
数することにより行われる。また、同様に樹脂の溶解性
がある溶媒に樹脂を溶解させた試料を用いて、光散乱を
原理とする市販の微粒子カウンターを使用して計数する
ことも可能である。また、本発明に用いる環状オレフィ
ン系樹脂と同材料からなる微粉体の含量も可能な限り抑
えることが好ましい。この微粉体が多い場合、光学上の
ゆらぎとなって現れ、導光板を液晶ユニットととした場
合、異常輝点となるので好ましくない。
【0023】また、本発明に用いる上記(ii)環状オ
レフィン系熱可塑性樹脂組成物とは、例えば特開平9−
221577号公報、特開平10−287732号公報
に記載されている、特定の炭化水素系樹脂を含んでなる
熱可塑性樹脂組成物であり、上記<(A成分)>に加え
て、下記に記載の<(B成分):炭化水素系樹脂>を含
むものである。このような熱可塑性樹脂組成物は、耐熱
性と成形加工性のバランスが良く、色相および面転写性
が良好な導光板を提供することができる。
【0024】<(B)成分>本発明の炭化水素系樹脂と
しては、ポリスチレン換算重量平均分子量が2×104
以下、好ましくは2×104〜100のものであり、か
つ常温で個体のものである。具体例としては、C5
脂、C9樹脂、C5系/C9系混合樹脂、シクロペンタジ
エン系樹脂、ビニル置換芳香族系化合物の重合体系樹
脂、ビニル置換芳香族化合物の重合体系樹脂、オレフィ
ン/ビニル置換芳香族化合物の共重合体系樹脂、シクロ
ペンタジエン系化合物/ビニル置換芳香族系化合物の共
重合体系樹脂、あるいは上記樹脂の水素添加物などを挙
げることができる。これらの炭化水素系樹脂のポリスチ
レン換算重量平均分子量が高すぎると、極性基を有する
環状オレフィン系熱可塑性樹脂との相溶性が悪くなり透
明性が低減するので好ましくない。また、常温で液状の
炭化水素化合物を用いると、樹脂の強度を低下させやす
く、しかも樹脂の表面にブリードするので好ましくな
い。炭化水素系樹脂の配合割合は、環状オレフィン系熱
可塑性樹脂100重量部に対して0.1〜100重量
部、好ましくは1〜60重量部、さらに好ましくは10
〜45重量部である。本発明に用いる熱可塑性樹脂組成
物の配合方法は、熱可塑性樹脂の加工に用いる公知の装
置、例えば、二軸押出機、単軸押出機、連続ニーダー、
ロール混練機、加圧ニーダー、バンバリーミキサーや、
ノルボルネン系樹脂の溶液に炭化水素系樹脂をブレンド
してペレット化する、などが挙げられる。
【0025】本発明の導光板に用いる環状オレフィン系
熱可塑性樹脂または特定の環状オレフィン系熱可塑性樹
脂組成物には、さらに組成物の透明性・耐熱性を損なわ
ない範囲で公知の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマ
ー、ゴム質重合体、有機微粒子、無機微粒子などを配合
しても良い。
【0026】本発明の環状オレフィン系熱可塑性樹脂
(組成物)には、公知の酸化防止剤、例えば2,6−ジ
−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−ジオ
キシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチル
ジフェニルメタン、テトラキス[メチレン−3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート]メタン;紫外線吸収剤、例えば2,4−ジヒ
ドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキ
シベンゾフェノン、あるいはベンジルマロネート系化合
物などを添加することによって安定化することができ
る。また、加工性を向上させる目的で滑剤などの添加剤
を添加することもできる。
【0027】次に、本発明の導光板について説明する。
本発明の導光板は液晶の表示装置に用いるフロントライ
ト導光板およびバックライト導光板である。フロントラ
イト導光板は、反射型液晶表示パネルの照明に用いられ
るもので、通常、液晶パネルの前面に配置して使用され
る。通常、1〜15インチ、特に1.5〜5インチのサ
イズで比較的小型のもの、厚みが、通常、2mm以下の
平板またはくさび形の成形品である。成形板表面には、
深さ2〜20μm、ピッチ100〜500μmのプリズ
ムが形成されており、鏡面側は、有機あるいは無機物質
の単層あるいは多層コートが、通常、10〜500nmの
厚みで実施される。バックライト導光板は、透過あるい
は半透過型の液晶表示パネルの照明に用いられるもの
で、通常、液晶パネルの背面に配置して使用される。通
常、1〜30インチで広範なサイズで使用され、形状は
くさび型のものが通常であり、厚み側で1〜3mm、薄
側で1mm以下、17インチを超える大型のものでは5
〜10mmのものも存在する。バックライト導光板も、
表面に反射のための公知の、ドット形状、溝形状のもの
が形成される。
【0028】本発明の導光板は、射出成形にて製造され
る。フロントライト導光板、バックライト導光板はいず
れも表面にプリズムやドットなどのパターンが形成され
るが、従来の成形後表面に熱あるいは光による硬化樹脂
を塗布する方法に代わって、金型表面にパターンを形成
あるいはスタンパーを使用することにより、成形とパタ
ーン形成を同時にする方法が、生産の効率化という点で
優れており好ましい方法である。金型の材質は、通常の
炭素鋼、ステンレス鋼、あるいはこれらをベースにした
公知の合金類が用いられ、表面は焼き入れ処理あるいは
クロム、チタン、ダイヤモンドなど公知のコーティング
処理を施すことができる。また、パターン転写面やスタ
ンパーは上記の金属類に直接、公知の加工機でパターン
を刻んでも良いが、通常、ニッケルあるいは銅合金など
を直接切削あるいは電鋳などの方法でパターンを形成す
ることが可能である。また、本発明に用いる射出成形機
は、公知のインライン方式、プリプラ式のものが使用さ
れる。また、射出圧縮機能のある射出成形機を使用する
ことも可能である。
【0029】本発明の導光板の成形方法は、上記の公知
の材料/方法で使用された金型および成形機を用いて、
金型キャビティー内を減圧にして成形することを特徴と
する。本発明で好ましい減圧度は、ゲージ圧で、−0.
08MPa以下、さらに好ましくは−0.09MPa以下、特
に好ましくは−0.1MPa以下である。ゲージ圧が−
0.08MPaを超えると、減圧度が不足し、本発明に記
載の効果が得られないので好ましくない。これらの減圧
度を達成するためには。公知の方法の真空ポンプを使用
することができ、キャビティー周囲やエジェクター機構
部などにはOリングなど公知の方法のシール材を使用す
ることが好ましい。また、減圧とするための吸引口は、
金型内の任意の場所に設けることが可能であるが、通
常、エジェクター機構部、スプルーおよびランナーの端
部、入れ子構造部などに設けることが可能である。ま
た、真空吸引シーケンスは、金型の開閉に併せて電磁バ
ルブなどで制御しても良いし、常時運転としても良い
く、溶融樹脂充填時にキャビティー内が目的の減圧度と
なる方法なら特に制限されるものではない。
【0030】導光板の成形条件は、特に規定されない
が、通常、シリンダー温度が260℃〜350℃、金型
温度は、通常、環状オレフィン系熱可塑性樹脂または特
定の環状オレフィン系熱可塑性樹脂組成物のガラス転移
温度Tg−1℃〜−40℃、好ましくはTg−5℃〜−
25℃の範囲で成形することが好ましい。また、射出速
度は、導光板の大きさや成形機のシリンダーサイズによ
り異なるが、例えば、シリンダー径が28mmの場合、通
常、50mm/sec以上、好ましくは60〜150mm/secの
高速で成形することが好ましく、保圧は成形品の形状が
保持できる程度の最小圧・時間に調整してかけることが
好ましい。また、本発明に使用される環状オレフィン系
熱可塑性樹脂(組成物)は、予め乾燥して用いることが
好ましい。通常の熱風乾燥あるいは除湿乾燥機を用いる
こともできるが、導光板の色相の観点から、減圧乾燥機
あるいは窒素などの不活性ガスの循環による乾燥機を使
用することが好ましい。
【0031】本発明の成形方法で製造された導光板を用
い、公知の方法で液晶表示機器の照明ユニットとするこ
とができる。本発明の導光板は、OA機器用ディスプレ
イ、AV機器用ディスプレイ、携帯電話、モバイル情報
端末ディスプレイ、カーナビゲーションなどの液晶ディ
スプレイと一体になったフロントライト導光板照明ユニ
ットとすることができる。また、本発明では、環状オレ
フィン系樹脂を用いて、上記導光板のほか、導光板以外
の射出成形品を得る場合にも適用可能であり、このよう
な射出成形品としては、光学用レンズやプリズムあるい
は回折格子などの光学部品、コンパクトディスクや光磁
気ディスクあるいはDVDなどの光ディスク、眼鏡レン
ズ、照明器具用の部品、医療器具、発光ダイオードやレ
ーザーダイオードなど光半導体の封止材などが挙げられ
る。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明がこれらによって制限されるものではない。な
お、以下において「部」は「重量部」を示す。
【0033】A成分 A成分の調製法の一例として、(A−1)成分の合成方
法を例示する。なお、他のA成分(A−2〜A−6)に
ついては、表1に示した単量体を用いて、(A−1)の
場合と同様にして合成した。また、分子量調節剤の使用
量を調整することで分子量(ηinh)の調節を行った。
【0034】(A−1)成分の調製方法:下記式(1)
で表される8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラ
シクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
(特定単量体)250部と、1−ヘキセン(分子量調節
剤)41部と、トルエン(開環重合反応用溶媒)750
部とを窒素置換した反応容器内に仕込み、この溶液を6
0℃に加熱した。次いで、反応容器内の溶液に、トリエ
チルアルミニウムのトルエン溶液(1.5モル/l)
0.62部と、t−ブタノール/メタノールで変性した
六塩化タングズテン(t−ブタノール:メタノール:タ
ングステン=0.35モル:0.3モル:1モル)のト
ルエン溶液(濃度0.05モル/l)3.7部とを添加
し、この系を80℃で3時間加熱攪拌することにより開
環重合反応させて開環重合体溶液を得た。この重合反応
における重合転化率は97%であった。
【0035】
【化2】式(1)
【0036】このようにして得られた開環重合体溶液
4,000部をオートクレーブに仕込み、この開環重合
体溶液に、RuHCl(CO)[P(C653
3 0.48部を添加し、水素ガス圧100kg/c
2、反応温度165℃の条件下で3時間加熱攪拌する
ことにより水素添加反応させた。得られた反応溶液(水
素添加重合体溶液)を冷却した後、水素ガスを放圧し
た。このようにして得られた水素添加重合体(以下、
(A−1)成分という。)の水素化率は実質上100%
である。
【0037】B成分 アルコン〔荒川化学工業(株)製〕:分子量750、軟
化点125℃
【0038】その他の樹脂 メタクリル樹脂:比重1.19、Tg108℃、MFR(26
0℃、10Kg)154g/10分 ポリカーボネート樹脂:比重1.20、Tg146℃、
MFR(260℃、10Kg)34g/10分
【0039】樹脂組成物の調製法 A成分の水素添加反応後の溶液に所定量のB成分を添加
・溶解後、大量のメタノールを添加して凝固し、樹脂組
成物を単離した後、造粒し、ペレットを得た。試験片の成形方法 下記の試験で使用するサンプルを射出成形にて行った。
なお、射出成形速度は、100mm/sec、シリンダー温度
は、樹脂のTg+140〜160℃、金型温度は樹脂の
Tg−10〜−20℃である。 ※成形機 住友重機製 SG75M-S(シリンダー径28mm、型締め75to
n) ※真空ポンプ 真空機工製 G-50S(オイルロータリー真空ポンプ、吸
引能50L/min) キャビティーの減圧度は、ゲージ圧で−0.08MPaで
あった。 ※成形品 ・形状 80×60mm、厚み0.8mm ・転写パターン 転写パターン1:プリズム形状 深さ12μm、ピッチ
250μm 転写パターン2:V溝 深さ1μm、ピッチ10μm
【0040】導光板として必要とされる性能は、下記の
試験方法で評価した。 ※転写性 ・転写パターン1 射出成形体に転写されたプリズム辺の直線性を評価し
た。評価は、次の4段階で行った。 ◎:直線部の転写性が95%以上 ○:直線部の転写性が85%以上〜95%未満 △:直線部の転写性が70%以上〜85%未満 ×:直線部の転写性が70%未満 ・転写パターン2 射出成形体に転写されたV溝の深さを評価した。評価
は、次の4段階で行った。 ◎:転写深さが95%以上 ○:転写深さが85%以上〜95%未満 △:転写深さが70%以上〜85%未満 ×:転写深さが70%未満
【0041】※色相・光透過性 導光板の入光面より冷陰極管にて入光し、入光面中央か
ら30mmおよび50mmの色相を色彩色差計(ミノルタ製CS10
0)にて測定した。 ※金型汚染性 導光板の連続成形において1000〜2000ショット間の良品
率=a、9000〜10000ショット間の良品率=bの比=b/aを評
価した。 ○:0.9以上 △:0.7以上〜0.9未満 ×:0.7未満
【0042】実施例1〜9、比較例1〜5 表1に示す熱可塑性樹脂を用いて導光板を成形し性能評
価を行った。なお、実施例1,5,6,9および比較例
1,3,5では、10,000ショットの連続成形を行
った。実施例1〜9および比較例1〜5の比較により、
キャビティーを減圧にして導光板を射出成形することに
より転写性が向上し色相も良好になる。また、キャビテ
ィーを減圧にして射出成形を行うことによりバリかすや
樹脂からの揮発成分による金型汚染が防止されるので、
長期間安定的に生産を続けることも可能になっている。
なお、各比較例において、「減圧なし」とは、真空ポン
プを使用せず、常圧の状態で金型の開閉を行っている射
出成形状態である。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】本発明の導光板の成形方法は、パターン
の転写率や色相を良好にするとともに金型汚染を抑え長
期間安定な状態で製造する方法を提供することができ
る。また、本発明の環状オレフィン系樹脂の成形方法に
よれば、上記導光板の成形方法に有用であるばかりか、
他の射出成形品においても、転写率や色相の良好化、金
型汚染を長期間抑えることが可能であることを生かし
て、光学用レンズやプリズムあるいは回折格子などの光
学部品、コンパクトディスクや光磁気ディスクあるいは
DVDなどの光ディスク、眼鏡レンズ、照明器具用の部
品、医療器具、発光ダイオードやレーザーダイオードな
ど光半導体の封止材などの導光板以外の射出成形品の用
途に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 23:00 B29K 23:00 B29L 31:34 B29L 31:34 (72)発明者 河西 和雄 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 2H091 FA23X FA23Z FA41X FA41Z LA30 4F202 AA03 AF01 AF02 AG01 AG05 AH33 AH73 AR02 CA11 CB01 CP01 CP06 CP07 4F206 AA03 AF01 AF02 AG01 AG05 AH33 AH73 AR025 JA07 JL02 JM04 JN11 JN26 JQ81

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導光板を射出成形にて成形する方法にお
    いて、金型キャビティー内を減圧状態にした後に溶融樹
    脂を充填することを特徴とする導光板の成形方法。
  2. 【請求項2】 環状オレフィン系樹脂を射出成形にて成
    形する方法において、金型キャビティー内を減圧状態に
    した後に溶融樹脂を充填することを特徴とする環状オレ
    フィン系樹脂の成形方法。
  3. 【請求項3】 環状オレフィン系樹脂がその繰り返し単
    位の少なくとも一部に1種類以上の極性基を含む請求項
    2に記載の環状オレフィン系樹脂の成形方法。
  4. 【請求項4】 導光板を射出成形する請求項2または3
    に記載の環状オレフィン系樹脂の成形方法。
  5. 【請求項5】 導光板に反射に必要なパターンを成形と
    同時に形成する請求項1に記載の導光板の成形方法。
  6. 【請求項6】 導光板に反射に必要なパターンを成形と
    同時に形成する請求項4に記載の環状オレフィン系樹脂
    の成形方法。
  7. 【請求項7】 導光板がフロントライト用の導光板であ
    る請求項1または5に記載の導光板の成形方法。
  8. 【請求項8】 導光板がフロントライト用の導光板であ
    る請求項4または6に記載の環状オレフィン系樹脂の成
    形方法。
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