JP2004230728A - 導光板の製造方法 - Google Patents

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Masahiko Hayashi
昌彦 林
Hitoshi Oishi
仁志 大石
Kazuyuki Obuchi
和之 小渕
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Abstract

【課題】溶融樹脂中に未溶融物が存在せず、輝点による不良品の発生が少なく、高い歩留まりで導光板を製造することができる導光板の製造方法を提供する。
【解決手段】樹脂ペレット供給部、シリンダー、スクリュー及び溶融樹脂射出部を有する射出成形機を用いて透明樹脂を射出成形する導光板の製造方法において、スクリューがミキシング機構を有し、スクリューの有効長さをL、ミキシング機構の長さをLとしたとき、L/Lが0.03〜0.9である混練スクリューを備える射出成形機を用いることを特徴とする導光板の製造方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導光板の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、溶融樹脂中に未溶融物が存在せず、輝点による不良品の発生が少なく、高い歩留まりで導光板を製造することができる導光板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピューター、薄型テレビジョン、カーナビゲーションシステムなどの表示画面に、液晶表示装置が広く用いられている。液晶表示装置には、側部に設けられた冷陰極放電管などの光源からの光を、面状の光に変換する導光板が用いられる。例えば、反射型液晶表示素子を備えたフロントライト型ユニットでは、導光板に対して、側部にある光源からの光を液晶表示素子の表面に均一に照射し、液晶表示素子の反射面で反射された光が散乱することなく透過するとともに、導光板に輝度むらおよび異常発光を生ずる異物が存在しないことが厳しく求められている。また、液晶の背面から光を照射するバックライト型ユニットにおいても、同様に導光板に異物が存在しないことが好ましい。
導光板中に異物が存在すると、異物により光が乱反射され、輝度の高い輝点となる。径が50μm以上の異物が1個でも存在すると、導光板として使用することができない輝点が発生し、成形品は不良品として廃棄せざるを得ない。射出成形において、異物を含まない成形品を得るためにさまざまな試みがなされている。
例えば、ペレットなどの粒状の固形物材料に付着した粉塵などの異物をより一層確実に除去し得る固形物材料の捕集装置として、ホッパーの下方に設けた材料貯留管の下部に加圧ガス吹き上げ手段を備え、加圧ガスにより材料貯留管内でペレットを浮遊させ、このとき固形物材料から分離した粉塵を、ホッパーに設けた排気管から自然排出させる固形物材料の粉取り機能を備える固形物材料の捕集装置が提案されている(特許文献1)。また、樹脂の酸化によるヤケ不良と、埃などの異物の混入による成形品の不良を軽減する成形機の樹脂材料供給装置として、ホッパーをシャッターにより上部、中間部、樹脂供給部に3分割し、中間部に窒素ガスを供給して樹脂から埃などの異物を除去し、樹脂供給部にも常時窒素ガスを供給する樹脂材料供給装置が提案されている(特許文献2)。さらに、樹脂の射出成形の際に、成形品への固体粒子の混入を抑制して高品質に成形する射出成形方法として、ノズルと反対側の端部において、加熱シリンダーの内部に、加熱シリンダーが設置されている雰囲気よりも固体粒子の含有量が少ない気体を供給する射出成形方法が提案されている(特許文献3)。
しかし、これらの装置又は方法を用いても、射出成形により異物を含まない導光板を製造し、導光板製造の歩留まりを高めることは困難であった。
【特許文献1】
特開平9−254190号公報(第2頁、図1〜3)
【特許文献2】
特開2001−269932号公報(第2頁、図1〜3)
【特許文献3】
特開2002−178367号公報(第2頁、図1〜5)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、溶融樹脂中に未溶融物が存在せず、輝点による不良品の発生が少なく、高い歩留まりで導光板を製造することができる導光板の製造方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、導光板に輝点を発生させる原因となる物質は、まったく意外なことに主として透明樹脂の微粉末であり、ミキシング機構を有するスクリューを備えた射出成形機を用いて十分に可塑化することにより、導光板入光時に現れる輝点を減少することができ、さらに透明樹脂ペレット中の微粉末を除去したのち樹脂ペレットを溶融することにより、その効果がいっそう顕著になることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)樹脂ペレット供給部、シリンダー、スクリュー及び溶融樹脂射出部を有する射出成形機を用いて透明樹脂を射出成形する導光板の製造方法において、スクリューがミキシング機構を有し、スクリューの有効長さをL、ミキシング機構の長さをLとしたとき、L/Lが0.03〜0.9である混練スクリューを備える射出成形機を用いることを特徴とする導光板の製造方法、
(2)微粉末除去処理を受けた樹脂ペレットを、樹脂ペレット供給部に供給する第1項記載の導光板の製造方法、
(3)樹脂ペレット供給部において、気体の吹き込みにより樹脂ペレット中の微粉末を除去する第1項又は第2項記載の導光板の製造方法、及び、
(4)透明樹脂が、脂環式構造を有する重合体樹脂である第1項記載の導光板の製造方法、
を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の導光板の製造方法においては、樹脂ペレット供給部、シリンダー、スクリュー及び溶融樹脂射出部を有する射出成形機を用いて透明樹脂を射出成形する導光板の製造方法において、スクリューがミキシング機構を有し、スクリューの有効長さをL、ミキシング機構の長さをLとしたとき、L/Lが0.03〜0.9である混練スクリューを備える射出成形機を用いる。
本発明方法において、透明樹脂とは、厚さ3mmの板について、JIS K 7105 5.5に準じて測定した全光線透過率が80%以上である樹脂をいう。本発明方法に用いる透明樹脂に特に制限はなく、例えば、ポリスチレン、ビニル芳香族炭化水素系単量体と(メタ)アクリル酸の低級アルキルエステルとの共重合体、テレフタル酸−エチレングリコール−シクロヘキサンジメタノール共重合体、ポリカーボネート、メタクリル樹脂、脂環式構造を有する重合体樹脂などを挙げることができる。これらの中で、脂環式構造を有する重合体樹脂は、透明性が高く、複屈折が低く、位相差が小さく、波長分散が少ないなど、優れた光学特性を有し、さらに吸湿性が低く、耐熱性が良好であり、寸法安定性が極めて高いので、特に好適に用いることができる。
脂環式構造を有する重合体樹脂としては、主鎖及び/又は側鎖に脂環式構造を有する重合体樹脂が挙げられるが、主鎖に脂環式構造を有する重合体樹脂は、機械的強度と耐熱性が良好なので、特に好適に用いることができる。脂環式構造としては、好ましくは炭素数4〜30個、より好ましくは炭素数5〜20個、さらに好ましくは炭素数6〜15個の飽和環状炭化水素構造を挙げることができる。脂環式構造を有する重合体樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、50重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることがより好ましく、90重量%以上であることがさらに好ましい。
脂環式構造を有する重合体樹脂としては、例えば、(1)ノルボルネン系単量体の開環重合体、ノルボルネン系単量体とこれと開環共重合可能な他の単量体との開環共重合体及びこれらの水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加重合体及びノルボルネン系単量体とこれと共重合可能な他の単量体との付加共重合体などのノルボルネン系重合体;(2)単環の環状オレフィン系重合体及びその水素添加物;(3)環状共役ジエン重合体及びその水素添加物;(4)ビニル脂環式炭化水素系単量体の重合体、ビニル脂環式炭化水素系単量体とこれと共重合可能な他の単量体との共重合体及びこれらの水素添加物、ビニル芳香族炭化水素系単量体の重合体の芳香環を含む不飽和結合の水素添加物、ビニル芳香族炭化水素系単量体とこれと共重合可能な他の単量体との共重合体の芳香環を含む不飽和結合の水素添加物などのビニル脂環式炭化水素系重合体;などを挙げることができる。
【0006】
ノルボルネン系単量体としては、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−オクチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−オクタデシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロペンチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキセニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、トリシクロ[4.3.12,5.01,6]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、トリシクロ[4.3.12,5.01,6]デカ−3−エン、トリシクロ[4.4.12,5.01,61,6]ウンデカ−3,7−ジエン、トリシクロ[4.4.12,5.01,6]ウンデカ−3,8−ジエン、トリシクロ[4.4.12,5.01,6]ウンデカ−3−エン、テトラシクロ[7.4.110,13.01,9.02,7]トリデカ−2,4,6−11−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう。)、テトラシクロ[8,4,111,14.01,10.03,8]テトラデカ−3,5,7,12−11−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセンともいう。)テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0〕ドデカ−3−エン(テトラシクロドデセンともいう。)、8−メチル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]ドデカ−3−エン、8−メチルテトラシクロ[4.4.12,5.17,100]ドデカ−3−エン、8−エチルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]ドデカ−3−エン、8−シクロペンチルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]ドデカ−3−エン、8−シクロヘキセニルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]ドデカ−3−エン、8−フェニルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]ドデカ−3−エン、ペンタシクロ[6.5.11,8.13,6.02,7.09,13]ペンタデカ−3,10−ジエン、ペンタシクロ[7.4.13,6.110,13.01,9.02,7]ペンタデカ−4,11−ジエンなどを挙げることができる。これらのノルボルネン系単量体は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0007】
これらのノルボルネン系単量体の開環重合体又はノルボルネン系単量体と開環共重合可能な他の単量体との開環共重合体は、各単量体成分を、開環重合触媒の存在下で重合することにより得ることができる。開環重合触媒としては、例えば、ルテニウム、パラジウム、白金などの貴金属のハロゲン化物、硝酸塩、アセチルアセトン化合物などと、還元剤とからなる触媒系、あるいは、タングステンなどの金属のハロゲン化物、アセチルアセトン化合物などと、有機アルミニウム化合物とからなる触媒系などを挙げることができる。重合反応は、溶媒中又は無溶媒で、通常、−50〜100℃の重合温度、0〜4.9MPaの重合圧力で行うことができる。ノルボルネン系単量体と開環共重合可能な他の単量体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環状オレフィン系単量体などを挙げることができる。
ノルボルネン系単量体の開環重合体水素添加物は、上記開環重合体の重合溶液に、水素添加触媒を添加し、水素添加することにより得ることができる。水素添加触媒としては、例えば、金属触媒、金属酸化物触媒、金属硫化物触媒、金属錯体触媒などを挙げることができる。金属としては、例えば、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、白金、銅、レニウムなどを挙げることができる。
ノルボルネン系単量体の付加重合体又はノルボルネン系単量体とこれと共重合可能な他の単量体との付加共重合体は、例えば、各単量体成分を、溶媒中又は無溶媒で、チタン、ジルコニウム、バナジウム化合物などと、有機アルミニウム化合物などとからなる触媒系の存在下で、通常、−50〜100℃の重合温度、0〜4.9MPaの重合圧力で重合させる方法により得ることができる。
【0008】
共重合可能な他の単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20のα−オレフィン;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのシクロオレフィン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエン;などを挙げることができる。これらの共重合可能な他の単量体は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。これらの中で、α−オレフィンを好適に用いることができ、エチレンを特に好適に用いることができる。ノルボルネン系単量体と共重合可能な他の単量体とを付加共重合する場合は、付加共重合体中のノルボルネン系単量体に由来する結合単位と、共重合可能な他の単量体に由来する結合単位との重量比が、30:70〜99:1であることが好ましく、50:50〜97:3であることがより好ましく、70:30〜95:5であることがさらに好ましい。
単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環状オレフィン系単量体の付加重合体を挙げることができる。
環状共役ジエン系重合体としては、例えば、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの環状共役ジエン系単量体を1,2−又は1,4−付加重合した重合体及びその水素添加物などを挙げることができる。
本発明方法において使用されるノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体及び環状共役ジエン系重合体の分子量は、使用目的に応じて適宜選択することができるが、シクロヘキサン溶液又はトルエン溶液についてゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーで測定したポリイソプレン又はポリスチレン換算の重量平均分子量が、5,000〜500,000であることが好ましく、8,000〜200,000であることがより好ましく、10,000〜100,000であることがさらに好ましい。
【0009】
ビニル脂環式炭化水素系重合体としては、例えば、ビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘキサンなどのビニル脂環式炭化水素系単量体の重合体及びその水素添加物、スチレン、α−メチルスチレンなどのビニル芳香族炭化水素系単量体の重合体の芳香環を含む不飽和結合の水素添加物などを挙げることができる。ビニル脂環式炭化水素系重合体やビニル芳香族炭化水素系単量体と、これらの単量体と共重合可能な他の単量体とのランダム共重合体、ブロック共重合体などの共重合体及びその水素添加物であってもよい。ブロック共重合体としては、ジブロック共重合体、トリブロック共重合体、それ以上のマルチブロック共重合体、傾斜ブロック共重合体などを挙げることができる。
本発明方法に使用されるビニル脂環式炭化水素系重合体の分子量は、使用目的に応じて適宜選択することができるが、シクロヘキサン溶液又はトルエン溶液についてゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーで測定したポリイソプレン又はポリスチレン換算の重量平均分子量が、10,000〜300,000であることが好ましく、15,000〜250,000であることがより好ましく、20,000〜200,000であることがさらに好ましい。
本発明方法に使用される透明樹脂のガラス転移温度は、80℃以上であることが好ましく、90〜200℃であることがより好ましい。
【0010】
本発明方法においては、ミキシング機構を有する混練スクリューを備えた射出成形機を用いて透明樹脂を射出成形する。射出成形機のスクリューの形状には特に制限はないが、スクリュー有効長さLとスクリュー径Dとの比L/Dが5〜45であることが好ましく、15〜25であることがより好ましく、スクリューのピッチ径Pとスクリュー径Dとの比P/Dが0.5〜2であることが好ましく、0.8〜1であることがより好ましく、圧縮比が1〜5であることが好ましく、2〜3であることがより好ましい。
本発明方法に用いるミキシング機構の構造に特に制限はなく、例えば、図1(a)に示すダルメージ、図1(b)〜(i)に示すスクリューに設けたピン、図2(a)〜(d)に示すバリアタイプ、図3に示すスクリュー溝半径方向にあけた貫通孔、図4(a)〜(f)に示すバリアフライトスクリュー、図5に示すソリッドドレイニングスクリュー、図6に示すダブルウエーブスクリュー、図7に示すバレル側に設けたミキシングピン、図8に示すHMスクリューなどを挙げることができるが、図2(b)に示すバリアタイプが好ましい。これらのミキシング機構は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。ミキシング機構は、スクリューの圧縮部又は計量部に設けることが好ましい。
本発明方法において、混練スクリューは、スクリューの有効長さをL、ミキシング機構の長さをLとしたとき、L/Lが0.03〜0.9であり、より好ましくはL/Lが0.05〜0.4である。本発明方法において、ミキシング機構の長さとは、スクリューの1条の主フライト以外に、混練効果を高めるための機構が設けられている部分の合計の長さである。例えば、シングルフライトスクリューの計量部にダルメージが設けられているスクリューにおいては、ダルメージの後端側から先端側までの距離がミキシング機構の長さであり、主フライトに加えて副フライトが設けられたダブルフライトスクリューにおいては、副フライトが存在する領域の長さがミキシング機構の長さである。
【0011】
本発明方法において、スクリューがミキシング機構を有し、スクリューの有効長さをL、ミキシング機構の長さをLとしたとき、L/Lが0.03〜0.9である混練スクリューを備える射出成形機を用いることにより、導光板成形体中の異物を減少し、輝点の発生を防止し得る機構は明らかではないが、樹脂ペレット中に混在する樹脂の微粉末が溶融し、異物として残存しないためであると推定される。従来、導光板成形体中の異物としては、環境から混入する塵埃などが注目され、その混入を防止し、また、いったん混入した塵埃などを除去することに努力が払われていた。また、樹脂の微粉末は、樹脂ペレットに比べると微細なので、シリンダー内で容易に溶融すると考えられ、樹脂の微粉末が未溶融の状態で導光板成形体中に残存するとは想像もされていなかった。
本発明方法により、特定の長さのミキシング機構を有する混練スクリューを備えた射出成形機を用いて成形することにより、樹脂の微粉末を効果的に溶融し、成形体中に残存する異物が少なく、輝点の発生がない導光板を、高い歩留まりで製造することができる。樹脂の微粉末が、ミキシング機構を有しない通常のスクリューによっては溶融され難い理由は明らかではないが、微細であるがために、スクリューの回転による剪断力が十分に作用しないことによると推定される。
本発明方法において、混練スクリューのミキシング機構の長さLがスクリューの有効長さLの0.03倍未満であると、十分なミキシング効果が得られず、透明樹脂の微粉末が溶融することなく樹脂中に残存し、異物となって、導光板入光時に輝点が発生するおそれがある。混練スクリューのミキシング機構の長さLがスクリューの有効長さLの0.9倍を超えると、樹脂の吐出量の減少、温度上昇による焼けや熱劣化の発生、圧力上昇による温度上昇や吐出圧の上昇などの不具合が発生するおそれがある。
【0012】
本発明方法においては、微粉末除去処理を受けた樹脂ペレットを、射出成形機の樹脂ペレット供給部に供給することが好ましい。ミキシング機構を有するスクリューを備える射出成形機を用いても、同一の条件で射出成形した場合には、樹脂ペレット中に混在する微粉末が少ないほど、導光板成形体中に残存する異物が少なく、輝点の発生を防止し、導光板の歩留まりを高めることができる。微粉末除去処理の方法に特に制限はなく、例えば、樹脂ペレットを篩にかける方法、樹脂ペレットを気体流と接触させて微粉末を吹き飛ばす方法、遠心式粉末分級機を用いる方法などを挙げることができる。
図9は、微粉末除去処理方法の一態様の説明図である。本態様の方法においては、上部に樹脂ペレット投入口1と排気口2、下部に樹脂ペレット排出口3を有し、内部に傾斜して設置された2枚の網目プレート4及び5と、それぞれの網目プレートの下方に設けられた空気吹き出し口6及び7とを有する微粉末除去塔8を用いる。エアーフィルター9を通過して除塵された空気が、給気ファン10により空気吹き出し口6及び7に送られる。樹脂ペレット投入口1から投入された樹脂ペレットは、第一の網目プレート4と第二の網目プレート5の上を順次転がりながら落下し、樹脂ペレットに付着、あるいは混入している微粉末は、空気吹き出し口6及び7から吹き出される空気により、樹脂ペレットから分離して吹き上げられ、除去される。樹脂ペレットから除去された微粉末を含む空気は、排気口2から排出され、集塵機11により微粉末が捕集されたのち、排気ファン12により大気中に放出される。必要に応じて、給気ファンにより送られる空気をイオン化することにより、樹脂ペレットと微粉末の静電気を除去し、微粉末の除去効果を高めることができる。
【0013】
本発明方法においては、射出成形機の樹脂ペレット供給部において、気体の吹き込みにより樹脂ペレット中の微粉末を除去することが好ましい。ミキシング機構を有するスクリューを備える射出成形機を用いても、同一の条件で射出成形した場合には、樹脂ペレット中に混在する微粉末が少ないほど、導光板成形体中に残存する異物が少なく、輝点の発生を防止し、導光板製造の歩留まりを高めることができる。
図10は、樹脂ペレット供給部における微粉末除去方法の一態様の説明図である。射出成形機のシリンダー13とスクリュー14に樹脂ペレットを供給するホッパー15を備え、ホッパー15の下部に給気管16、上部に排気管17と樹脂ペレット移送管18が設けられている。樹脂ペレット移送管18から供給される樹脂ペレットが、ホッパー15内を落下するとき、給気管16から吹き込まれる気体と向流的に接触し、樹脂ペレットに付着、あるいは混入している微粉末が、樹脂ペレットから分離して吹き上げられ、除去される。樹脂ペレットから除去された微粉末を含む気体は、排気管17から吸引排出される。給気管からホッパー内に吹き込まれる気体としては、窒素などの不活性ガスを用いることが好ましい。気体として不活性ガスを用いることにより、シリンダーとスクリューの間隙への空気の侵入を防ぎ、溶融樹脂の酸化劣化を防止することができる。
本発明方法においては、透明樹脂に、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐候安定剤、耐光安定剤、熱安定剤などの安定剤;近赤外線吸収剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、樹脂や軟質重合体などの添加剤を配合することができる。
【0014】
導光板の形状は板状であり、その大きさは、使用する液晶表示素子の画面サイズに応じて選択されるが、通常は、幅10〜300mm、長さ10〜350mm、厚さ0.2〜10mmである。
導光板は、側面から取り入れた光源からの光を、反射型液晶表示素子に向けて出射させるための光反射機能を有する微細凹凸形状を、少なくとも一つの面上に有する。微細凹凸形状を有する少なくとも一つの面は、液晶表示素子に対面する面の反対面であることが好ましい。微細凹凸形状は、光反射機能を有する形状であれば特に制限はないが、側面から取り入れた光源からの光を液晶表示素子に向けて反射する面を複数有する形状であることが好ましい。このような形状としては、例えば、複数の平行するV型溝からなる形状、連続プリズム形状などを挙げることができる。V型溝やプリズムのピッチは、10〜500μmであることが好ましく、20〜300μmであることがより好ましく、50〜200μmであることがさらに好ましい。V型溝やプリズムの幅は、1〜250μmであることが好ましく、2〜100μmであることがより好ましく、5〜50μmであることがさらに好ましい。V型溝の深さ又はプリズムの高さは、1〜250μmであることが好ましく、2〜100μmであることがより好ましく、5〜50μmであることがさらに好ましい。ピッチが10μm未満であると、液晶表示素子で反射した光が導光板を透過しにくくなるおそれがある。ピッチが500μmを超えると、光源からの光を反射する効果が低下するおそれがある。幅が1μm未満であると、光源からの光を反射する効果が低下するおそれがある。幅が250μmを超えると、液晶表示素子の反射光が透過しにくくなるおそれがある。V型溝の深さ又はプリズムの高さが1μm未満であると、光源からの光を反射する効果が低下するおそれがある。V型溝の深さ又はプリズムの高さが250μmを超えると、液晶表示素子の反射光が透過しにくくなるおそれがある。脂環式構造を有する重合体樹脂は、加熱溶融時の流動性に優れるので、射出成形により金型の微細凹凸形状を正確に転写することができる。
【0015】
導光板は、少なくとも一つの面に、光反射防止層を有することが好ましい。光反射防止層を有することにより、微細凹凸形状で反射した光が、もれなく液晶表示素子側に出射され、さらに液晶表示素子で反射した光が、もれなく導光板を透過することができる。したがって、光反射防止層を有する一つの面は、液晶表示素子に対面する面、すなわち、微細凹凸形状を有する面の反対面であることが好ましい。光反射防止層は、光学部品の光反射防止層の如くに、可視光線などの光の、入光面における反射を防止する機能を有するものであれば特に限定はない。光反射防止層としては、太陽電池、光センサー、レンズ、ミラーなどの光学部品の光反射防止層として用いられる無機化合物の薄膜や、透明樹脂からなる膜などを用いることができる。無機化合物の薄膜からなる光反射防止層は、400〜700nmの可視領域において反射率が低くなる特性を有している。光反射防止層は、単層で用いることができ、あるいは、2層乃至6層程度を積層して用いることもできる。
光反射防止層として用いる無機化合物としては、例えば、金属酸化物、金属酸化物以外の無機酸化物、金属硫化物、金属弗化物などを挙げることができる。光反射防止層として用いる無機化合物は、導光板の表面との密着性に優れ、大気中及び水中で安定な物質であることが好ましい。金属酸化物としては、例えば、酸化マグネシウム、酸化スカンジウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化プラセオジミウム、酸化ネオジミウム、酸化サマリウム、酸化ユーロピウム、一酸化チタン、三酸化二チタン、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、五酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化スズ、酸化鉛、酸化アンチモン、酸化ビスマスなどを挙げることができる。金属酸化物以外の無機酸化物としては、例えば、一酸化ケイ素、二酸化ケイ素などを挙げることができる。金属硫化物としては、例えば、硫化亜鉛などを挙げることができる。金属弗化物としては、例えば、弗化リチウム、弗化ナトリウム、弗化マグネシウム、弗化カルシウム、弗化ストロンチウム、弗化バリウム、弗化ランタン、弗化セリウム、弗化ネオジミウム、弗化サマリウム、弗化アルミニウム、弗化鉛、クリオライト、チオライトなどを挙げることができる。
【0016】
光反射防止層として用いる無機化合物の薄膜は、屈折率の異なる薄膜を2種類以上交互に積層して使用することが好ましい。屈折率の異なる薄膜を積層することにより、反射防止機能を向上させることができる。無機化合物の薄膜を入光面に形成する方法としては、例えば、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などや、無機化合物を分散させた溶液を塗布した後に溶媒を除去する方法や、無機化合物からなる単層フィルム又は積層フィルムを接着する方法などを挙げることができる。
より具体的には、(1)二酸化ケイ素(SiO)からなる低屈折率層と、金属酸化物、金属硫化物、金属弗化物などからなる高屈折率層とを、導光板表面側から第1層(高屈折率層)、第2層(低屈折率層)、第3層(高屈折率層)、第4層(低屈折率層)の順に交互に真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリングなどの方法により形成する方法、(2)二酸化ケイ素と金属酸化物又は金属弗化物を積層したフィルムを、接着剤を介して入光面に貼りつける方法などを挙げることができる。光反射防止層の厚さは、上記(1)の場合は、5〜500nmであることが好ましく、10〜300nmであることがより好ましく、上記(2)の場合は、5〜300μmであることが好ましく、10〜100μmであることがより好ましい。脂環式構造を有する重合体樹脂は耐熱性に優れるので、上記(1)の方法を用いた場合に、製膜時の熱による微細凹凸形状の変形をおこさせずに、光反射防止層の密着性を向上させることができる。
さらに、上記(1)の方法を用いる際に、高屈折率の金属酸化物として、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化ニオブ又はこれらの混合物からなる層を導光板表面に形成することにより、光反射防止層の初期密着性及び高温、低温、多湿などの環境下における耐久性を向上させることができる。また、上記の金属酸化物層の下地層として、一酸化ケイ素の酸化度変更層(SiOx:xは1〜2の範囲で変化させる)又は二酸化ケイ素(SiO)のいずれかの層を、第1層と導光板表面との間に介在させることが好ましい。
【0017】
通常、照明ユニットは、光源と導光板とを有し、光源は、線状光源であって、導光板の少なくとも一つの側面の近傍に位置することが好ましい。光源と光入射面との距離は、0.01〜5mmであることが好ましく、0.05〜2mmであることがより好ましく、0.1〜1mmであることがさらに好ましい。光源と光入射面との距離が0.01mm未満であると、光源の熱により導光板の光入射面に変形や着色を生ずるおそれがある。光源と光入射面との距離が5mmを超えると、導光板に入射する光の損失が生じて、照明ユニットの発光輝度が低下するおそれがある。線状光源は、一直線状でなくても、L字状であってもコの字状であってもよく、これらの場合には、光入射面はそれぞれ2面又は3面となる。光源からの光を可能な限り効率よく導光板に入射させるためには、光源の周囲に、光反射層(リフレクタ)を設置することが好ましい。
照明装置に使用される光源は、可視光線を照射し得るものであれば特に制限はなく、例えば、白熱電球、蛍光放電管、発光ダイオード(LED)、蛍光発光素子(EL素子)などを挙げることができる。これらの中で、輝度、色温度、低発熱性、低紫外線照射性などに優れた蛍光放電管及び発光ダイオードを好適に用いることができる。蛍光放電管の中では、冷陰極蛍光放電管が特に好ましい。蛍光放電管の場合は、管内部で放出された紫外線を、蛍光体が吸収して励起し、可視光を照射するが、紫外線も一部照射する。この紫外線は、波長254nm及び313nmに強い発光を示すので、光源から照射する光線からこれらの波長の紫外線を低減した蛍光放電管を使用することが好ましい。すなわち、波長350nm以下の紫外線の最大発光強度が2μW/(cm・nm)以下であることが好ましく、1μW/(cm・nm)以下であることがより好ましく、0.5μW/(cm・nm)以下であることがさらに好ましい。
【0018】
本発明の導光板の製造方法は、JIS K 9920にしたがって測定した清浄度クラス5以下のクリーンルーム内で実施することが好ましく、清浄度クラス3以下のクリーンルーム内で実施することがより好ましい。浮遊微粒子の濃度の低いクリーンルーム内で本発明方法を実施することにより、樹脂ペレットへの外部環境からの異物の混入を防ぎ、樹脂ペレット中に混在する微粉末の大半が同じ透明樹脂の微粉末である状態を維持することができる。樹脂ペレットと同じ透明樹脂の微粉末は、ミキシング機構を有する混練スクリューを備える射出成形機を用いて成形することにより、樹脂ペレットと同時に溶融し、未溶融の異物として残らないので、輝点の発生が少なく、高い歩留まりで良好な導光板を製造することができる。
本発明方法により製造された導光板は、バックライト導光板、フロントライト導光板のいずれとしても用いることができるが、特に輝点の存在が障害になるフロントライト導光板として好適に用いることができる。
【0019】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
製造例1(脂環式構造を有する重合体樹脂の製造)
脱水したシクロヘキサン500重量部、1−ヘキセン0.82重量部、ジブチルエーテル0.15重量部及びトリイソブチルアルミニウム0.30重量部を、室温で十分に乾燥し窒素置換したステンレス鋼製耐圧容器に入れて混合したのち、45℃に保ちながら、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(ジシクロペンタジエン、以下、「DCP」と略記する。)170重量部と8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(エチリデンテトラシクロドデセン、以下、「ETD」と略記する。)30重量部と六塩化タングステンの0.7重量%トルエン溶液40重量部とを、2時間かけて連続的に添加し、重合した。次いで、重合溶液にブチルグリシジルエーテル1.06重量部とイソプロピルアルコール0.52重量部を加えて重合触媒を不活性化し、重合反応を停止させた。
得られた開環重合体を含有する反応溶液100重量部に対して、シクロヘキサン35重量部を加え、さらに水素添加触媒としてニッケル−アルミナ触媒[日揮化学(株)]5重量部を加え、水素により5MPaに加圧して撹拌しながら200℃まで加温して4時間反応させ、DCP/ETD開環重合体水素添加物20重量%を含有する反応溶液を得た。ろ過により水素添加触媒を除去したのち、DCP/ETD開環重合体水素添加物100重量部に対して、酸化防止剤としてペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.1重量部を添加して溶解させた。次いで、円筒型濃縮乾燥機[(株)日立製作所]を用い、温度270℃、圧力1kPa以下で、溶液から溶媒であるシクロヘキサン及びその他の揮発成分を除去しつつ、DCP/ETD開環重合体水素添加物を溶融状態で押出機からストランド状に押し出し、冷却後ペレット化し、図9に示す構造を有する微粉末除去塔に通過させ、樹脂ペレットを回収した。樹脂の押し出し量は600kg/hであり、微粉末除去塔への空気の供給量は約26m/分とした。
回収された樹脂ペレット10kgを、標準ふるい[JIS Z 8801]1500μmを用いて手で20分間ふるいがけし、粒径1,500μm以下の微粉末を分離した。得られた微粉末の量は470mgであり、樹脂ペレットの微粉末含有量は47ppmであった。なお、DCP/ETD開環重合体水素添加物の重量平均分子量は31,000、水素添加率は99.9%、ガラス転移温度は100℃であった。
製造例2(脂環式構造を有する重合体樹脂の製造)
製造例1と同様にして、冷却後ペレット化し、微粉末除去塔を通過させることなく樹脂ペレットを回収した。樹脂ペレットの微粉末含有量は、920ppmであった。
【0020】
実施例1(導光板の製造)
製造例1で得られた樹脂ペレットを用いて、射出成形により導光板を製造した。
製造例1で得られた樹脂ペレットを、図10に示す構造を有する微粉末除去ホッパーに窒素を供給しながら通過させた。樹脂ペレットの微粉末含有量は、1ppm以下になった。
射出成形機[(株)日本製鋼所、JSW ELIII、型締力1,078kN]の樹脂ペレット供給部に、上記の図10に示す構造を有する微粉末除去ホッパーを取り付けた。直径D35mm、有効長さL=805mm、L/D=23、ミキシング機構として計量部に長さL70mmの溝部を有し、L/L=0.09の図2(b)に示すバリアタイプの混練スクリューを装着した。ファンゲートを有する金型を用い、樹脂温度285℃、金型温度131℃、成形サイクル59秒で、微粉末除去ホッパーに窒素を供給しながら、寸法が76mm×64mm×1mmの3.5インチ型導光板100枚を成形した。該導光板の微細凹凸形状を有する面と反対側の面に、真空蒸着法により、4層多層構造の光反射防止層を形成した。膜構成は以下の通りである。
第1層:五酸化タンタル(Ta)と酸化ジルコニウム(ZrO)の混合物層(膜厚:λ=550nmとして0.09〜0.1λ
第2層:酸化ケイ素(SiO)層(0.06〜0.08λ
第3層:TaとZrOの混合物層(0.2〜0.25λ
第4層:SiO層(0.25〜0.3λ
(導光板側から第1、2、3、4層の順序)
尚、各層の蒸着条件は以下の通りであった。
第2、4層:5×10−5torr、5オングストローム/sec
第1、3層:0.8〜1×10−4torr、0.5〜2オングストローム/sec
尚、蒸着温度はいずれも約40℃であった。
導光板の入光端面から入光し、標準限度見本と比較して、粒径50μm以上に相当する輝点を検査した。100枚中、粒径50μm以上の輝点が存在する導光板が3枚あり、製品歩留まりは97%であった。
実施例2(導光板の製造)
射出成形機のホッパーを、微粉末除去機能のない通常のホッパーに付け替え、樹脂ペレット供給部では、微粉末の除去を行わない以外は、実施例1と同様にして、製造例1で得られた微粉末含有量47ppmの樹脂ペレットを用い、3.5インチ型導光板100枚を成形し、真空蒸着法により光反射防止層を形成し、粒径50μm以上に相当する輝点を検査した。100枚中、粒径50μm以上の輝点が2個存在する導光板が1枚、1個存在する導光板が5枚あり、製品歩留まりは94%であった。
実施例3(導光板の製造)
製造例1で得られた樹脂ペレットの代わりに、製造例2で得られた微粉末含有量920ppmの樹脂ペレットを用いた以外は、実施例2と同様にして、樹脂ペレット供給部では微粉末の除去を行うことなく、3.5インチ型導光板100枚を成形し、真空蒸着法により光反射防止層を形成し、粒径50μm以上に相当する輝点を検査した。100枚中、粒径50μm以上の輝点が3個存在する導光板が1枚、2個存在する導光板が3枚、1個存在する導光板が9枚あり、製品歩留まりは87%であった。
比較例1(導光板の製造)
スクリューをミキシング機構を有しないL/L=0のスクリューに変更した以外は、実施例2とて同様にして、製造例1で得られた微粉末含有量47ppmの樹脂ペレットを用い、3.5インチ型導光板100枚を成形し、真空蒸着法により光反射防止層を形成し、粒径50μm以上に相当する輝点を検査した。100枚中、粒径50μm以上の輝点が3個存在する導光板が2枚、2個存在する導光板が6枚、1個存在する導光板が19枚あり、製品歩留まりは73%であった。
比較例2(導光板の製造)
スクリューをミキシング機構を有しないL/L=0のスクリューに変更した以外は、実施例3と同様にして、製造例2で得られた微粉末含有量920ppmの樹脂ペレットを用い、3.5インチ型導光板100枚を成形し、真空蒸着法により光反射防止層を形成し、粒径50μm以上に相当する輝点を検査した。100枚中、粒径50μm以上の輝点が3個存在する導光板が3枚、2個存在する導光板が7枚、1個存在する導光板が22枚あり、製品歩留まりは68%であった。
実施例1〜3及び比較例1〜2の結果を、第1表に示す。
【0021】
【表1】
Figure 2004230728
【0022】
スクリューに供給される樹脂の微粉末含有量が等しい実施例2と比較例1、実施例3と比較例2を比較すると、ミキシング機構を有するスクリューを用いて成形することにより、導光板中の粒径50μm以上に相当する輝点が大幅に減少している。この結果から、通常のスクリューを用いて成形したときに発生する輝点の大半は、塵埃などの無機物質ではなく、熱可塑性樹脂の微粉末に起因することが分かる。また、樹脂ペレット供給部において微粉末を除去し、ミキシング機構を有するスクリューに供給される樹脂の微粉末含有量を1ppm以下にすると、導光板中の粒径50μm以上に相当する輝点がさらに減少し、導光板製造の歩留まりが飛躍的に向上する。
【0023】
【発明の効果】
本発明の導光板の製造方法によれば、射出成形において、溶融樹脂中に未溶融物が存在せず、輝点による不良品の発生が少なく、高い歩留まりで導光板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ミキシング機構の説明図である。
【図2】図2は、ミキシング機構の説明図である。
【図3】図3は、ミキシング機構の説明図である。
【図4】図4は、ミキシング機構の説明図である。
【図5】図5は、ミキシング機構の説明図である。
【図6】図6は、ミキシング機構の説明図である。
【図7】図7は、ミキシング機構の説明図である。
【図8】図8は、ミキシング機構の説明図である。
【図9】図9は、微粉末除去処理方法の一態様の説明図である。
【図10】図10は、樹脂ペレット供給部における微粉末除去方法の一態様の説明図である。
【符号の説明】
1 樹脂ペレット投入口
2 排気口
3 樹脂ペレット排出口
4 網目プレート
5 網目プレート
6 空気吹き出し口
7 空気吹き出し口
8 微粉末除去塔
9 エアーフィルター
10 給気ファン
11 集塵機
12 排気ファン
13 シリンダー
14 スクリュー
15 ホッパー
16 給気管
17 排気管
18 樹脂ペレット移送管

Claims (4)

  1. 樹脂ペレット供給部、シリンダー、スクリュー及び溶融樹脂射出部を有する射出成形機を用いて透明樹脂を射出成形する導光板の製造方法において、スクリューがミキシング機構を有し、スクリューの有効長さをL、ミキシング機構の長さをLとしたとき、L/Lが0.03〜0.9である混練スクリューを備える射出成形機を用いることを特徴とする導光板の製造方法。
  2. 微粉末除去処理を受けた樹脂ペレットを、樹脂ペレット供給部に供給する請求項1記載の導光板の製造方法。
  3. 樹脂ペレット供給部において、気体の吹き込みにより樹脂ペレット中の微粉末を除去する請求項1又は請求項2記載の導光板の製造方法。
  4. 透明樹脂が、脂環式構造を有する重合体樹脂である請求項1記載の導光板の製造方法。
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