JPH11273405A - 車両用灯具のリフレクタ - Google Patents

車両用灯具のリフレクタ

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JPH11273405A
JPH11273405A JP10095270A JP9527098A JPH11273405A JP H11273405 A JPH11273405 A JP H11273405A JP 10095270 A JP10095270 A JP 10095270A JP 9527098 A JP9527098 A JP 9527098A JP H11273405 A JPH11273405 A JP H11273405A
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JP
Japan
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alicyclic structure
reflector
lamp
ene
compound
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Pending
Application number
JP10095270A
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English (en)
Inventor
Junko Maruyama
淳子 丸山
Teiji Obara
禎二 小原
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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Priority to US09/622,694 priority patent/US6883938B1/en
Priority to EP19990905267 priority patent/EP1055863B1/en
Priority to KR1020007009068A priority patent/KR100540770B1/ko
Priority to PCT/JP1999/000779 priority patent/WO1999042758A1/ja
Publication of JPH11273405A publication Critical patent/JPH11273405A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F21LIGHTING
    • F21SNON-PORTABLE LIGHTING DEVICES; SYSTEMS THEREOF; VEHICLE LIGHTING DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR VEHICLE EXTERIORS
    • F21S41/00Illuminating devices specially adapted for vehicle exteriors, e.g. headlamps
    • F21S41/30Illuminating devices specially adapted for vehicle exteriors, e.g. headlamps characterised by reflectors
    • F21S41/37Illuminating devices specially adapted for vehicle exteriors, e.g. headlamps characterised by reflectors characterised by their material, surface treatment or coatings

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Non-Portable Lighting Devices Or Systems Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面平滑性、耐熱性に優れ、しかも高温・高
湿下での耐久性にも優れ、且つ薄くて大型のものを容易
に成形可能で、車両用灯具のエクステンションリフレク
タとしてのみでなく、ランプユニットの主リフレクタと
しても用いられることができるリフレクタを提供するこ
と。 【解決手段】 車両用灯具に設けられ、少なくとも一主
面に鏡面処理が施される車両用灯具のリフレクタにおい
て、脂環構造含有熱可塑性樹脂(A)と、(1)少なく
とも1個のアルコール性水酸基と少なくとも1個のエー
テル結合またはエステル結合とを有する有機化合物、
(2)有機または無機フィラー、(3)エラストマー、
および(4)前記脂環構造含有熱可塑性樹脂(A)と非
相溶な化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種類
の配合剤(B)とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば四輪自動
車、二輪自動車その他の車両に用いられる前照灯、尾灯
その他の灯具に組み込まれるリフレクタ(エクステンシ
ョンリフレクタも含む)に係り、さらに詳しくは、高温
・高湿下での耐久性を高めたリフレクタに関する。
【0002】
【従来の技術】車両用灯具は、主として、前面が開口す
る容器状に形成された灯具ボディと、この灯具ボディに
取り付けられ光源(ランプ)を有するランプユニット
と、灯具ボディの前面開口部に取り付けられる灯具カバ
ー(またはアウタレンズ)とから構成されている。
【0003】ランプユニットには、光源からの光を集光
または拡散して所望の配光特性を得るための主リフレク
タが設けられているが、ランプユニットと灯具ボディと
の間に大きな空間が形成されるので、灯具を外部から観
察すると後ろのエイミング機構まで透けて見えるといっ
た見栄え上の問題がある。
【0004】このため、灯室内全体を鏡面色に見せて見
栄えを向上させるべく、ランプユニットの主リフレクタ
の周囲から灯具ボディの前面開口部に至る範囲に、鏡面
処理を施したエクステンションリフレクタが配置されて
いる。
【0005】また、前照灯と方向指示灯とを一体化した
フロントコンビネーションランプや、ストップランプと
方向指示灯とを一体化したリヤコンビネーションランプ
などのコンビネーションランプでは、一方のランプから
の光が隣接するランプ側へ漏洩しないように遮蔽する機
能も兼備させたエクステンションリフレクタが設けられ
ている。
【0006】こうしたリフレクタ(エクステンションリ
フレクタを含む)は、生産性を高めるためと共に軽量化
を図るため、また複雑な形状にも十分に対応することが
できるように、ノルボルネンとエチレンとの付加共重合
体などの熱可塑性樹脂で構成することが検討されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、車両用
部品は厳しい環境下での使用が多く、長期間にわたる高
温・高湿下での耐久性が必要であるが、ノルボルネンと
エチレンとの付加共重合体などの非晶質の樹脂では、特
に長期間の高温・高湿環境下から常温・常湿下に環境変
化すると、樹脂の耐衝撃性が低下するなどの課題があっ
た。
【0008】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、表面平滑性、耐熱性に優
れ、しかも高温・高湿下での耐久性にも優れ、且つ薄く
て大型のものを容易に成形可能で、車両用灯具のエクス
テンションリフレクタとしてのみでなく、ランプユニッ
トの主リフレクタとしても用いられることができるリフ
レクタを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るリフレクタは、車両用灯具に設けられ
る車両用灯具のリフレクタにおいて、脂環構造含有熱可
塑性樹脂(A)と、(1)少なくとも1個のアルコール
性水酸基と少なくとも1個のエーテル結合またはエステ
ル結合とを有する有機化合物、(2)有機または無機フ
ィラー、(3)エラストマー、および(4)前記脂環構
造含有熱可塑性樹脂(A)と非相溶な化合物からなる群
から選ばれる少なくとも1種類の配合剤(B)とからな
ることを特徴とする。
【0010】本発明に係るリフレクタは、脂環式構造含
有重合体樹脂で形成されているので、少なくともその一
主面に鏡面処理を施すために、たとえばアルミニウムな
どの蒸着処理を施すに際し、アンダーコーティング膜を
形成しなくても充分満足できる表面平滑性を得ることが
できる。この表面平滑性に優れていることは、本発明に
係る脂環式構造含有重合体樹脂が、非晶性樹脂であるこ
となどに起因するものと考えられる。
【0011】また、本発明に係る脂環式構造含有重合体
樹脂は、耐熱性に優れ高温でも分解せずに成形可能で、
溶融時の流動性にも優れているので、薄肉で、しかも大
型かつ複雑な形状であっても成形不良を引き起こすこと
なく容易に成形することができる。したがって、複雑で
大型、かつ軽量化が望まれる車両用灯具のリフレクタに
適用して好ましいものである。
【0012】さらに、本発明に係るリフレクタを構成す
る脂環式構造含有重合体樹脂には、(1)少なくとも1
個のアルコール性水酸基と少なくとも1個のエーテル結
合またはエステル結合とを有する有機化合物、(2)有
機または無機フィラー、(3)エラストマー、および
(4)前記脂環構造含有熱可塑性樹脂(A)と非相溶な
化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種類の配合
剤(B)が配合してあるので、特に高温・高湿下での耐
久性に優れ、エクステンションリフレクタのみでなく、
ランプユニットの主リフレクタとしても好適に用いるこ
とができる。
【0013】リフレクタ 本発明において、「車両」とは、二輪自動車、三輪自動
車、四輪自動車その他の自動車、鉄道車両、フォークリ
フトその他の産業用車両等々、広義の車両を意味する。
車両用に限らず、一般に使われるライト中に使用される
リフレクタとしても使用することが可能である。
【0014】また、「車両用灯具」とはこうした各種車
両に装着された照明用もしくは識別用、標識用の灯具を
意味し、特に限定はされないが、前照灯(ヘッドラン
プ)、尾灯(テールランプ)、制動灯(ストップラン
プ)、方向指示灯(いわゆるウインカー)、車幅灯、後
退灯などが該当する。
【0015】本発明において、リフレクタとは、ランプ
ユニットの光源からの光を集光または拡散して所望の配
光特性を得るための主リフレクタに限らず、エクステン
ションリフレクタ、およびこれらに接続または連結され
る部材(たとえばスリーブやレンズホルダなど)をも含
む概念で用いる。
【0016】本発明において、「エクステンションリフ
レクタ」とは、車両用灯具のボディとカバー(またはア
ウタレンズ)とで形成される灯室内の、ランプの周囲に
設けられ、少なくとも一主面に鏡面処理が施される、灯
具の一構成部品であって、灯具を外部から観察したとき
に灯室内全体を鏡面色に見せて見栄えを向上させる目
的、および/または、一のランプから隣接するランプ側
へ漏洩する光を遮断して各ランプによる表示の視認性を
高める目的で使用されるものである。自動車用灯具のエ
クステンションリフレクタとしては、前照灯や尾灯に多
用されているが、本発明では特に限定されず、その他上
述した各種灯具にも適用することができる。
【0017】脂環式構造含有重合体樹脂(A) 本発明で使用される脂環式構造含有重合体樹脂は、主鎖
および/または側鎖に脂環式構造を有するものであり、
機械的強度、耐熱性などの観点から、主鎖に脂環式構造
を含有するものが好ましい。
【0018】重合体の脂環式構造としては、飽和環状炭
化水素(シクロアルカン)構造、不飽和環状炭化水素
(シクロアルケン)構造などが挙げられるが、機械的強
度、耐熱性などの観点から、シクロアルカン構造やシク
ロアルケン構造が好ましく、中でもシクロアルカン構造
を有するものが最も好ましい。
【0019】脂環式構造を構成する炭素原子数は、格別
な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20
個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、機
械的強度、耐熱性、および成形性の特性が高度にバラン
スされ、好適である。
【0020】本発明に使用される脂環式構造含有重合体
樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、使
用目的に応じて適宜選択されればよいが、通常30重量
%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは7
0重量%である。脂環式構造含有重合体樹脂中の脂環式
構造を有する繰り返し単位の割合が過度に少ないと耐熱
性に劣り好ましくない。脂環式構造含有重合体樹脂中の
脂環式構造を有する繰り返し単位以外の残部は、格別な
限定はなく、使用目的に応じて適宜選択される。
【0021】こうした脂環式構造を含有する重合体樹脂
の具体例としては、例えば、(1)ノルボルネン系重合
体、(2)単環の環状オレフィン系重合体、(3)環状
共役系ジエン系重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素重
合体、およびこれらの水素添加物などが挙げられる。
【0022】これらの中でも、ノルボルネン系重合体お
よびその水素添加物、環状共役ジエン系重合体およびそ
の水素添加物などが好ましく、ノルボルネン系重合体お
よびその水素添加物がより好ましい。
【0023】(1)ノルボルネン系重合体 ノルボルネン系重合体は、格別な制限はなく、例えば、
特開平3−14882号公報や特開平3−122137
号公報などに示される重合体である。具体的には、ノル
ボルネン系モノマーの開環重合体およびその水素添加
物、ノルボルネン系モノマーの付加重合体、ノルボルネ
ン系モノマーとビニル化合物の付加型重合体などが挙げ
られる。
【0024】これらの中でも、耐熱性や成形加工性を高
度にバランスさせる上で、ノルボルネン系モノマーの開
環重合体水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加型
重合体、ノルボルネン系モノマーと共重合体可能なビニ
ル化合物の付加型重合体などが好ましく、ノルボルネン
系モノマーの開環重合体水素添加物が特に好ましい。
【0025】ノルボルネン系単量体としては、ビシクロ
[2.2.1]ヘプタ−2−エン(慣用名:ノルボルネ
ン)、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2
−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘ
プタ−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]
ヘプタ−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.
1]ヘプタ−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ
[2.2.1]−ヘプタ2−エン、5−ヘキシル−ビシ
クロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクチル−
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクタ
デシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5
−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エ
ン、5−メチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−
2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ
−2−エン、5−プロペニル−ビシクロ[2.2.1]
ヘプタ−2−エン、5−メトキシ−カルボニル−ビシク
ロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シアノ−ビシ
クロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチル−5
−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ
−2−エン; 5−メトキシカルボニルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシカルボニルビ
シクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン、5−メチル−5−エトキシカルボニルビシ
クロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.
2.1]ヘプト−5−エニル−2−メチルプロピオネイ
ト、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル−2−
メチルオクタネイト、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−
2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、5−ヒドロキ
シメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−i−プロピル
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ
カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン;
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6
−ジカルボン酸イミド;トリシクロ[4.3.12,5
1,6 ]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペン
タジエン)、トリシクロ[4.3.12,5 .01,6 ]デ
カ−3−エン;トリシクロ[4.4.12,5 .01,6
ウンデカ−3,7−ジエン若しくはトリシクロ[4.
4.12,5 .01,6 ]ウンデカ−3,8−ジエンまたは
これらの部分水素添加物(またはシクロペンタジエンと
シクロヘキセンの付加物)であるトリシクロ[4.4.
2,5 .01,6 ]ウンデカ−3−エン; 5−シクロペ
ンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5
−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2
−エン、5−シクロヘキセニルビシクロ[2.2.1]
ヘプト−2−エン、5−フェニル−ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン; テトラシクロ[4.4.1
2,5 .17,10.0]−ドデカ−3−エン(単にテトラシ
クロドデセンともいう)、8−メチルテトラシクロ
[4.4.12,5 .17,10.0]−ドデカ−3−エン、
8−エチルテトラシクロ[4.4.12,5 .17,10
0]−ドデカ−3−エン、8−メチリデンテトラシクロ
[4.4.12,5 .17,10.0]−ドデカ−3−エン、
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.12,5
7, 10.0]−ドデカ−3−エン、8−ビニルテトラシ
クロ[[4.4.12,5 .17,10.0]−ドデカ−3−
エン、8−プロペニル−テトラシクロ[4.4.
2, 5 .17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−メトキ
シカルボニルテトラシクロ[4.4.12,5 .17,10
0]−ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカ
ルボニルテトラシクロ[4.4.12,5 .17,10.0]
−ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシメチルテトラシク
ロ[4.4.12,5 .17,10.0]−ドデカ−3−エ
ン、8−カルボキシテトラシクロ[4.4.12,5 .1
7,10.0]−ドデカ−3−エン; 8−シクロペンチル
−テトラシクロ[4.4.1 2,5 .17,10.0]−ドデ
カ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラシクロ
[4.4.12,5 .17,10.0]−ドデカ−3−エン、
8−シクロヘキセニル−テトラシクロ[4.4.
2,5 .17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−フェニ
ル−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.12,5
7,10.0]−ドデカ−3−エン; テトラシクロ
[7.4.110,13 .01,9 .02,7 ]トリデカ−2,
4,6,11−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,
4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)、テト
ラシクロ[8.4.111,14 .01,10.03,8 ]テトラ
デカ−3,5,7,12−テトラエン(1,4−メタノ
−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアン
トラセンともいう)、ペンタシクロ[6.5.11,8
3, 6 .02,7 .09,13]ペンタデカ−3,10−ジエ
ン、ペンタシクロ[7.4.13,6 .110,13
1,9 .02,7 ]ペンタデカ−4,11−ジエン; シ
クロペンタジエンの4量体; などのノルボルネン系単
量体などが挙げられる。これらのノルボルネン系単量体
は、それぞれ単独であるいは2種以上組合わせて用いら
れる。
【0026】共重合可能なビニル化合物としては、例え
ば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチ
ル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メ
チル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,
4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−
ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1
−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセ
ン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタ
デセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20のエチレ
ンまたはα−オレフィン;シクロブテン、シクロペンテ
ン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテ
ン、3−メチルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチ
ル)−1−シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,
5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−
インデンなどのシクロオレフィン;1,4−ヘキサジエ
ン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−
1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非
共役ジエン;などが挙げられる。これらのビニル系化合
物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせ
て使用することができる。
【0027】ノルボルネン系モノマーまたはノルボルネ
ン系モノマーと共重合可能なビニル系化合物との重合方
法および水素添加方法は、格別な制限はなく公知の方法
に従って行うことができる。
【0028】ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合
体は、ノルボルネン系モノマーを、開環重合触媒とし
て、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、
イリジウム、白金などの金属のハロゲン化物、硝酸塩ま
たはアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる触媒
系、あるいは、チタン、バナジウム、ジルコニウム、タ
ングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン化物また
はアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物
とからなる触媒系を用いて、溶媒中または無溶媒で、通
常、−50℃〜100℃の重合温度、0〜50kg/c
m2 の重合圧力で開環(共)重合させることにより得
ることができる。
【0029】触媒系に、分子状酸素、アルコール、エー
テル、過酸化物、カルボン酸、酸無水物、酸クロリド、
エステル、ケトン、含窒素化合物、含硫黄化合物、含ハ
ロゲン化合物、分子状ヨウ素、その他のルイス酸などの
第三成分を加えて、重合活性や開環重合の選択性を高め
ることができる。
【0030】水素添加ノルボルネン系重合体は、常法に
従って、開環(共)重合体を水素添加触媒の存在下に水
素により水素化する方法により得ることができる。
【0031】ノルボルネン系モノマーとビニル系化合物
との付加共重合体は、例えば、モノマー成分を、溶媒中
または無溶媒で、チタン、ジルコニウム、またはバナジ
ウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒系
の存在下で、通常、−50℃〜100℃の重合温度、0
〜50kg/cm2 の重合圧力で共重合させる方法によ
り得ることができる。
【0032】(2)単環の環状オレフィン系重合体 単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、特開
昭64−66216号公報に開示されているシクロロヘ
キセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の
環状オレフィン系単量体の付加重合体を用いることがで
きる。
【0033】(3)環状共役ジエン系重合体 環状共役ジエン系重合体としては、例えば、特開平6−
136057号公報や特開平7−258318号公報に
開示されているシクロペンタジエン、シクロヘキサジエ
ンなどの環状共役ジエン系単量体を1,2−または1,
4−付加重合した重合体およびその水素添加物などを用
いることができる。
【0034】(4)ビニル脂環式炭化水素系重合体 ビニル脂環式炭化水素系重合体としては、例えば、特開
昭51−59,989号公報に開示されているビニルシ
クロヘキセンやビニルシクロヘキサンなどのビニル脂環
式炭化水素単量体の重合体およびその水素添加物、特開
昭63−43,910号公報、特開昭64−1,706
号公報などに開示されているスチレンやα−メチルスチ
レンなどのビニル芳香族系単量体の重合体の芳香環部分
の水素添加物などを用いることができる。
【0035】本発明で使用される脂環式構造含有重合体
樹脂の分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、
シクロヘキサン溶液(重合体樹脂が溶解しない場合はト
ルエン溶液)のゲル・パーミエーション・クロマトグラ
フ法で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量で、
5,000以上、好ましくは5,000〜500,00
0、より好ましくは8,000〜200,000、特に
好ましくは10,000〜100,000の範囲である
ときに、機械的強度と成形加工性とが高度にバランス
し、好適である。
【0036】本発明で使用される脂環式構造含有重合体
樹脂のガラス転移温度(Tg)は、使用目的に応じて適
宜選択されればよいが、通常50〜300℃、好ましく
は100〜280℃、特に好ましくは120〜250℃
の範囲にあるときに、耐熱性と成形加工性とが高度にバ
ランスし、好適である。
【0037】本発明で使用される脂環式構造含有重合体
樹脂の、280℃、荷重2.16kgfにおけるJIS
K6719により測定したメルトフローレートは、使
用目的に応じて適宜選択すれば良いが、通常4〜100
g/10min.、好ましくは10〜50g/10mi
n.の範囲が好適である。メルトフローレートが低すぎ
ると成形時に成形材料を加温する温度がより高温となる
ため加工しにくい場合が生じ、高すぎると成形時にバリ
などの成形不良の発生する場合が生じる。
【0038】ちなみに、これらの脂環式構造含有重合体
樹脂は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わ
せて用いることができる。
【0039】配合剤(B) (1) 部分エーテル化合物および部分エステル化合物 本発明に使用される、少なくとも1個のアルコール性水
酸基と少なくとも1個のエーテル結合を有する化合物、
あるいは、少なくとも1個のアルコール性水酸基と少な
くとも1個のエステル結合とを有する有機化合物を、脂
環構造含有熱可塑性樹脂に配合することで、高温高湿度
環境下での白濁を防止し、高い透明性を維持することが
可能である。
【0040】少なくとも1個のアルコール性水酸基と少
なくとも1個のエーテル結合を有する化合物とは、フェ
ノール性の水酸基ではないアルコール性の水酸基を少な
くとも1個と、分子中にエーテル結合単位を少なくとも
1個有する有機化合物であれば特に限定はされない。例
えば2価以上の多価アルコール、より好ましくは3価以
上の多価アルコール、さらに好ましくは3〜8個の水酸
基を有する多価アルコールなどの水酸基の1つがエーテ
ル化された部分エーテル化合物が挙げられる。
【0041】また、少なくとも1個のアルコール性水酸
基と少なくとも1個のエステル結合を有する化合物と
は、フェノール性の水酸基ではないアルコール性の水酸
基を少なくとも1個と、分子中にエステル結合単位を少
なくとも1個有する有機化合物であれば特に限定はされ
ない。例えば2価以上の多価アルコール、より好ましく
は3価以上の多価アルコール、さらに好ましくは3〜8
個の水酸基を有する多価アルコールなどの水酸基の1つ
がエステル化された部分エステル化合物が挙げられる。
【0042】2価以上の多価アルコールとしては例え
ば、ポリエチレングリコール、グリセロール、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセロー
ル、トリグリセロール、ジペンタエリスリトール、1,
6,7−トリヒドロキシ−2,2−ジ(ヒドロキシメチ
ル)−4−オキソヘプタン、ソルビトール、2−メチル
−1,6,7−トリヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル
−4−オキソヘプタン、1,5,6−トリヒドロキシ−
3−オキソヘキサンペンタエリスリトール、トリス(2
−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートなどが挙げられ
るが、これらのうち、特に3価以上の多価アルコール、
さらには3〜8この水酸基を有する多価アルコールが好
ましい。また部分エステル化合物を得る場合には、α、
β−ジオールを含む部分エステル化合物が合成可能なグ
リセロール、ジグリセロール、トリグリセロールなどが
好ましい。
【0043】このような部分エーテル化物および部分エ
ステル化物として、具体的には例えば、グリセリンモノ
ステアレート、グリセリンモノラウレート、グリセリン
モノベヘネート、ジグリセリンモノステアレート、グリ
セリンジステアレート、グリセリンジラウレート、ペン
タエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリト
ールモノラウレート、ペンタエリスリトールモノベヘレ
ート、ペンタエリスリト^ルジステアレート、ペンタエ
リスリトールジラウレート、ペンタエリスリトールトリ
ステアレート、ジペンタエリスリトールジステアレート
などの多価アルコールのエーテル化物、エステル化物;
3−(オクチルオキシ)−1,2−プロパンジオール、
3−(デシルオキシ)−1,2−プロパンジオール、3
−(ラウリルオキシ)−1,2−プロパンジオール、3
−(4−ノニルフェニルオキシ)−1,2−プロパンジ
オール、1,6−ジヒドロオキシ−2,2−ジ(ヒドロ
キシメチル)−7−(4−ノニルフェニルオキシ)−4
−オキソヘプタン、p−ノニルフェニルエーテルとホル
ムアルデヒドの縮合体とグリシドールの反応により得ら
れるエーテル化合物、 p−オクチルフェニルエーテル
とホルムアルデヒドの縮合体とグリシドールの反応によ
り得られるエーテル化合物、 p−オクチルフェニルエ
ーテルとジシクロペンタジエンの縮合体とグリシドール
の反応により得られるエーテル化合物などが挙げられ
る。
【0044】これらの多価アルコールのエーテル化合物
またはエステル化合物の分子量は特に限定されないが、
通常500〜2000、好ましくは800〜1500の
ものが、透明性の低下も少なく好ましい。これらの多価
アルコールのエーテル化物またはエステル化物は単独で
または2種以上を組み合わせて使用される。
【0045】(2)有機または無機フィラー 有機、または無機のフィラーは、高分子工業で通常使用
されるものであれば、特に限定はされない。
【0046】有機フィラーとしては、例えば、ボロン繊
維、炭化ケイ素繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレ
ン繊維、ポリエステル繊維、フッ素繊維、ポリアミド繊
維などの繊維、エボナイト粉末、熱硬化性樹脂中空球、
エポキシ樹脂フィラー、シリコン系フィラー、サラン中
空球、セラック、木粉、コルク粉末、ポリビニルアルコ
ール繊維、セルロースパウダ、木材パルプなどを例示す
ることができる。これらの中でも、特に、耐熱性(熱分
解温度が高い)、機械特性などに優れる理由からエポキ
シ樹脂フィラー、シリコン系フィラー、熱硬化樹脂中空
球、フッ素繊維などが好ましい。
【0047】無機フィラーは、1族、2族、4族、6
族、7族、8〜10族、11族、12族、13族、14
族元素の酸化物、水酸化物、硫化物、窒素化物、ハロゲ
ン化物、炭酸塩、硫酸塩、酢酸塩、燐酸塩、亜燐酸塩、
有機カルボン酸塩、珪酸塩、チタン酸塩、硼酸塩および
それらの含水化合物、これらを中心とする複合化合物、
これらの化学的組成を持つ天然鉱物粒子である。具体的
には、フッ化リチウム、硼砂(硼酸ナトリウム含水塩)
などの1族元素化合物;炭酸マグネシウム、燐酸マグネ
シウム、酸化マグネシウム、塩化マグネシウム、酢酸マ
グネシウム、フッ化マグネシウム、チタン酸マグネシウ
ム、珪酸マグネシウム、珪酸マグネシウム含水塩(タル
ク)、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、亜燐酸カルシ
ウム、硫酸カルシウム(石膏)、酢酸カルシウム、テレ
フタル酸カルシウム、水酸化カルシウム、珪酸カルシウ
ム、フッ化カルシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸
ストロンチウム、炭酸バリウム、燐酸バリウム、硫酸バ
リウム、亜燐酸バリウムなどの2族元素化合物; 二酸
化チタン(チタニア)、一酸化チタン、窒化チタン、二
酸化ジルコニウム(ジルコニア)、一酸化ジルコニウム
などの4族元素化合物;二酸化モリブデン、三酸化モリ
ブデン、硫化モリブデンなどの6族元素化合物;塩化マ
ンガン、酢酸マンガンなどの7族元素化合物;塩化コバ
ルト、酢酸コバルトなどの8〜10族元素化合物;沃化
第一銅などの11族元素化合物;酸化亜鉛、酢酸亜鉛な
どの12族元素化合物;酸化アルミニウム(アルミ
ナ)、フッ化アルミニウム、アルミノシリケート(珪酸
アルミナ、カオリン、カオリナイト)などの13族元素
化合物;酸化珪素(シリカ、シリカゲル)、石墨、カー
ボン、グラファイト、ガラスなどの14族元素化合物;
カーナル石、カイナイト、雲母(マイカ、キンウン
モ)、バイロース鉱などの天然鉱物の粒子が挙げられ
る。
【0048】無機フィラーの平均粒径は、電子顕微鏡な
どにより、3000〜5000個の粒子の直径から測定
される平均粒径で、0.05〜50μm、好ましくは
0.1〜30μmの範囲である。また針状粒子よりも長
辺と短辺の長さの比が2対1以下である球状粒子が好ま
しい。フィラーの大きさがこの範囲にある時に、透明性
と高温高湿度環境下での白濁防止効果との高度なバラン
スが得られる。
【0049】(3) エラストマー エラストマーは、ガラス転移温度が40℃以下の重合体
であって、通常のゴム質重合体および熱可塑性エラスト
マーが含まれる。なお、ブロック共重合したゴム質重合
体などでガラス転移温度が2点以上ある場合は、最も低
いガラス転移温度が40℃以下であれば本発明のガラス
転移温度が40℃以下のゴム質重合体として用いること
ができる。
【0050】エラストマーの例としては、イソプレン・
ゴム、その水素添加物;クロロプレンゴム、その水素添
加物;エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・α−
オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重
合体などの飽和ポリオレフィンゴム;エチレン・プロピ
レン・ジエン共重合体、α−オレフィン・ジエン共重合
体、イソブチレン・イソプレン共重合体、イソブチレン
・ジエン共重合体などのジエン系共重合体、これらのハ
ロゲン化物、ジエン系重合体またはそのハロゲン化物の
水素添加物;アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、
その水素添加物;フッ化ビニリデン・三フッ化エチレン
共重合体、フッ化ビニリデン・六フッ化プロピレン共重
合体、フッ化ビニリデン・六フッ化プロピレン・四フッ
化エチレン共重合体、プロピレン・四フッ化エチレン共
重合体などのフッ素ゴム;ウレタンゴム、シリコーンゴ
ム、ポリエーテル系ゴム、アクリルゴム、クロルスルホ
ン化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、プロ
ピレンオキサイドゴム、エチレンアクリルゴムなどの特
殊ゴム;ノルボルネン系単量体とエチレンまたはα−オ
レフィンの共重合体、ノルボルネン系単量体とエチレン
とα−オレフィンの三元共重合体、ノルボルネン系単量
体の開環重合体、ノルボルネン系単量体の開環重合体水
素添加物などのノルボルネン系ゴム質重合体;乳化重合
または溶液重合したスチレン・ブタジエン・ゴム、ハイ
スチレンゴムなどのランダムまたはブロック・スチレン
・ブタジエン系共重合体、これらの水素添加物;スチレ
ン・ブタジエン・スチレン・ゴム、スチレン・イソプレ
ン・スチレン・ゴム、スチレン・エチレン・ブタジエン
・スチレン・ゴムなどの芳香族ビニル系モノマー・共役
ジエンのランダム共重合体、これらの水素添加物;スチ
レン・ブタジエン・スチレン・ゴム、スチレン・イソプ
レン・スチレン・ゴム、スチレン・エチレン・ブタジエ
ン・スチレン・ゴムなどの芳香族ビニル系モノマー・共
役ジエンの直鎖状または放射状ブロック共重合体、それ
らの水素添加物などのスチレン系熱可塑性エラストマー
をはじめ、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミ
ド系熱可塑性エラストマー、1,2−ポリブタジエン系
熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラスト
マー、フッ素系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エ
ラストマー;等のうち、主成分となる脂環構造含有熱可
塑性樹脂と非相溶のものが挙げられる。
【0051】これらの中でも、芳香族ビニル系モノマー
と共役ジエン系モノマーの共重合体、およびその水素添
加物が、脂環構造含有熱可塑性樹脂との分散性が良く、
好ましい。芳香族ビニル系モノマーと共役ジエン系モノ
マーの共重合体はブロック共重合体でもランダム共重合
体でも良い。耐候性の点から芳香環以外の部分を水素添
加しているものがより好ましい。具体的には、スチレン
・ブタジエンブロック共重合体、スチレン・ブタジエン
・スチレン・ブロック共重合体、スチレン・イソプレン
・ブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレン
・ブロック共重合体、およびこれらの水素添加物、スチ
レン・ブタジエン・ランダム共重合体およびこれらの水
素添加物などが挙げられる。
【0052】(4)脂環構造含有熱可塑性樹脂(A)と
非相溶な化合物 脂環構造含有熱可塑性樹脂(A)と非相溶な化合物は、
脂環構造含有熱可塑性樹脂に完全に溶解しない非相溶な
成分であれば特に限定はされない。ここで非相溶な成分
とは、脂環構造含有熱可塑性樹脂(A)100重量部に
対し、化合物5重量部とを溶融混合した組成物を、光学
顕微鏡で50,000倍に拡大、観察し、2.0mm×
2.0mmの範囲に1個以上のドメインを確認したもの
をいう。
【0053】非相溶な化合物としては、例えば、ポリフ
ェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ポリエ
ーテルスルホンポリスルフォン、などのエーテル系重合
体;液晶プラスチック、芳香族ポリエステル、ポリアリ
レート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルケト
ン、などのポリエステル系重合体;ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリ4−メチル−ペンテン−1、環状オレ
フィン系重合体などのポリオレフィン系重合体;ポリメ
チルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートと
メチルメタクリレート共重合体、ポリアクリロニトリル
スチレン(AS樹脂)などの汎用透明プラスチック;そ
の他、脂環式アクリル樹脂;MS樹脂などが挙げられ
る。
【0054】成形体として透明性が要求される場合に
は、脂環構造含有熱可塑性樹脂(A)と配合剤(B)と
の屈折率差は、好ましくは0.2以下、より好ましくは
0.1以下、特に好ましくは0.05以下である。屈折
率の差が大きいものを混合すると、多量に添加した場合
に成形品が不透明となりやすい。
【0055】配合剤(B)のうち、(1)少なくとも1
個のアルコール性水酸基と少なくとも1個のエーテル結
合またはエステル結合とを有する有機化合物、または
(3)エラストマーが、透明性、耐熱性、成形加工性に
優れ好ましい。
【0056】(配合)本発明においては配合剤は脂環構
造含有熱可塑性樹脂に適量配合する。配合量は脂環構造
含有熱可塑性樹脂と配合剤の組み合わせによって決まる
が、一般に、配合量が多すぎれば、組成物のガラス転移
温度が大きく低下し、車両灯具用灯具のリフレクタとし
て使用するのに不適である。また配合量が少なすぎれ
ば、高温高湿下における耐久性が低下する傾向にある。
配合剤の配合量としては、脂環構造含有熱可塑性樹脂1
00重量部に対して、通常0.01〜5重量部、好まし
くは0.05〜3重量部の割合で配合する。配合量が上
記範囲にある場合に、成形品の耐熱性、高温高湿度環境
下における耐久性が高度にバランスされて好適である。
【0057】配合する方法は配合剤が脂環構造含有熱可
塑性樹脂中で十分に分散する方法であれば、特に限定さ
れない。例えば、ミキサーや一軸混練機、二軸混練機な
どで樹脂を溶融した状態で配合剤を添加して混練する方
法や、適当な溶剤に溶解して配合剤を分散させた後、凝
固法、キャスト法、または直接乾燥法により溶剤を除去
する方法などがある。
【0058】混練する場合には、一般に、樹脂のガラス
転移温度をTgとすると、Tg+20℃〜Tg+150
℃の樹脂温度で、十分にシェアをかける。樹脂温度が低
すぎると粘度が高くなり混練が困難であり、高すぎると
樹脂や配合剤が劣化し、粘度や融点の差により両者がう
まく混練できない。
【0059】配合剤(B)として、(3)エラストマー
または(4)脂環構造含有熱可塑性樹脂に非相溶の化合
物を用いる場合は、多くの場合ミクロドメインを形成
し、分散する。ミクロドメインを形成する場合には、電
子顕微鏡で観察したドメインの平均粒径は、0.001
〜0.5μm、好ましくは0.005〜0.3μm、特
に好ましくは0.01〜0.2μmの大きさである。粒
径がこの範囲にある時、成形品の透明性と、高温高湿度
環境下での耐久性とが高度にバランスされ好適である。
【0060】その他の配合剤 本発明に使用される脂環構造含有熱可塑性樹脂(A)
は、必要に応じて、その他の配合剤を添加することがで
きる。その他の配合剤としては、樹脂工業で一般的に用
いられるものであれば格別な限定はないが、例えば、フ
ェノール系、フォスファイト系、チオエーテル系などの
酸化防止剤;ヒンダードフェノール系などの紫外線吸収
剤;脂肪族アルコール、脂肪族エステル、芳香族エステ
ル、トリグリセライド類、フッ素系界面活性剤、高級脂
肪酸金属塩などの離型剤;その他の滑剤、防曇剤、可塑
剤、顔料、近赤外吸収剤、帯電防止剤などを挙げること
ができる。これらの配合剤は、それぞれ単独で、あるい
は2種以上を組み合わせて用いることができる。配合剤
の使用量は、本発明の範囲を損ねない範囲で適宜選択さ
れる。
【0061】成形材料および成形方法 本発明では、脂環式構造含有重合体は、上記成分を必要
に応じて混合して使用される。混合方法は、脂環式構造
含有重合体中に、これらの配合剤が十分に分散する方法
であれば、特に限定されない。例えば、ミキサー、二軸
混練機、ロール、ブラベンダー、押出機などで樹脂を溶
融状態で混練する方法、適当な溶剤に溶解して分散させ
て凝固法、キャスト法、または直接乾燥法により溶剤を
除去する方法などがある。
【0062】二軸混練機を用いる場合、混練後は、通常
は溶融状態で棒状に押出し、ストランドカッターで適当
な長さに切り、ペレット化して用いられることが多い。
【0063】本発明に係る車両用灯具のリフレクタは、
上記の成形材料を成形して得られるものである。成形方
法は、従来公知の成形方法に従えば良く、射出成形、プ
レス成形、押出ブロー成形、射出ブロー成形、多層ブロ
ー成形、コネクションブロー成形、二重壁ブロー成形、
延伸ブロー成形、真空成形、回転成形などが挙げられ
る。成形精度からは、射出成形、プレス成形が好まし
い。成形時の樹脂の溶融温度は脂環式構造含有重合体の
種類によっても異なるが、通常100〜400℃、好ま
しくは200〜350℃である。
【0064】反射膜層の形成 上記のリフレクタに、アルミ、ニッケル、金等の反射率
の高い金属を用いて反射膜層を形成する場合、その方法
は特に限定されず公知の方法に従えば良く、例えば、通
常の蒸着法、すなわち真空蒸着、スパッタリング、イオ
ンプレーティング等が挙げられる。
【0065】反射膜を成膜する時の条件は特に限定され
ないが、例えば、アルミを真空蒸着し反射膜を形成する
場合は、以下の条件が好ましい。すなわち、真空度は
0.1〜1,000Pa、好ましくは1〜100Paの
範囲であり、この範囲にある時、キメが細かく接着力に
優れたアルミ膜を蒸着することができる。成形品を加熱
しながら製膜しても良く、成形品の表面温度を常温〜1
00℃の範囲で製膜すると接着力が高まり好ましい。反
射膜の厚みは、5〜10,000nm、好ましくは10
〜2,000nmであり、膜厚が過度に薄すぎると反射
率が低過ぎ、リフレクタとして十分な反射率が得られ
ず、また過度に厚すぎても反射率が上がらず、成膜時間
が長くなり生産性が低下する。膜厚が上記の範囲にある
時、高い生産性で高反射率の反射膜が得られ、好まし
い。
【0066】リフレクタと上述した反射膜との密着性を
向上させるために、リフレクタ表面を改質処理および/
またはプライマー処理を施しても良い。表面改質処理の
例としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、電子線照
射処理、紫外線照射処理などのエネルギー線照射処理や
重クロム酸カリウム溶液等の酸化剤水溶液と接触させる
薬品処理が挙げられる。
【0067】必要に応じて、リフレクタおよび反射膜に
キズ、汚れが付かないように保護層を設けても良い。保
護層形成の方法は特に限定されない。例えば、紫外線硬
化型樹脂、または熱硬化型樹脂を、スピンコート、スプ
レー塗装、ディッピング、フローコーティング等の方法
で成形品表面に塗布後、硬化する方法が挙げられる。
【0068】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、図面
に基づいて説明する。図1は第1の発明に係る車両用灯
具の実施形態を示す正面図、図2は図1のII-II 線に沿
う断面図、図3は図1のIII-III 線に沿う断面図、図4
は第1の発明に係るエクステンションリフレクタを前面
から示す分解斜視図、図5は同エクステンションリフレ
クタを背面から示す斜視図である。
【0069】本実施形態の車両用灯具1は、乗用車用ヘ
ッドランプであって、灯具ボディ(本発明にいうボデ
ィ)11,ユニット型ランプ12,13、エクステンシ
ョンリフレクタ14およびアウターレンズ(本発明にい
うカバー)15を有している。なお、図1〜図5は、車
両右側のヘッドランプを示し、車両左側のものは車両の
前後方向の中心線に対してこれと対称形状をなす。
【0070】灯具ボディ11は、光を透過しない樹脂に
より成形され、この灯具ボディ11の内部に、ヘッドラ
ンプのハイビームランプを構成する第1のユニット型ラ
ンプ12が設けられ、またその車両外側に、ロービーム
ランプを構成する第2のユニット型ランプ13が配設さ
れている。
【0071】これらのユニット型ランプ12,13は、
楕円球状の主リフレクタ121,131の底面に電球
(バルブ)122,132(132については図3参
照)がコネクタソケット123,133で支持されてい
る。この主リフレクタ121,131の前側縁には、略
円筒状のスリーブ(レンズホルダ)124,134が取
り付けられており、さらにこのスリーブ124,134
の前側縁に集光レンズ125,135が接着により保持
されている。
【0072】これら第1および第2のユニット型ランプ
12,13は、主リフレクタ121,131の反射特性
および集光レンズ125,135の集光特性によって、
ランプ単独で所要の配光特性を得ることができる。な
お、各ユニット型ランプ12,13のコネクタソケット
123,133と灯具ボディ11の開口部との間の隙間
は、ソケットカバー126,136により密封されてい
る。
【0073】灯具ボディ11内であって、第1および第
2のユニット型ランプ12,13と灯具ボディ11の内
面との間には、エクステンションリフレクタ14が配設
されており、これらユニット型ランプ12,13と灯具
ボディ11の内面との間の隙間を隠蔽し、灯具1を外部
から観察したときに後ろに位置する灯具ボディ11の内
面が透けて見えるのを防止し、灯室16内全体を単一の
鏡面色に見せることで見栄えを良くして商品性を高める
機能を有する。
【0074】図4および図5に、正面視および背面視で
示すように、エクステンションリフレクタ14の外形形
状は、灯具ボディ11に内装される形状とされ、背面部
141と、その上下の前方に張り出した上面部142お
よび下面部143とを有している。
【0075】また、背面部141には、後方に突出する
固定部144が左右にそれぞれ1つずつ形成され、この
固定部144にボルトを挿通してナットを螺合すること
で、エクステンションリフレクタ14が灯具ボディ11
に固定される。エクステンションリフレクタ14の背面
部141には、2つの孔145が開設されており、これ
らの孔145を通して上述したユニット型ランプ12,
13の集光レンズ125,135が灯具1の前面側に露
呈する。
【0076】灯具ボディ11の前面開口には、アウター
レンズ15が取り付けられている。すなわち、アウター
レンズ15の周縁部にシール用脚部151が形成され、
このシール用脚部151が灯具ボディ11の開口縁に形
成されたシール用溝111に挿入され、ホットメルトな
どのシール剤を用いて気密状態に固定されている。
【0077】本実施形態では、前記主リフレクタ12
1,131、スリーブ124,134およびエクステン
ションリフレクタ14を、各々、脂環式構造含有重合体
樹脂で成形してあり、それらの表面(ランプ12および
13の内面およびアウターレンズ15側の面)にアルミ
ニウムを蒸着し、反射面を形成している。
【0078】このように、本実施形態の主リフレクタ1
21,131、スリーブ124,134およびエクステ
ンションリフレクタ14が、各々、上述した脂環式構造
含有重合体樹脂で形成してあるので、アルミニウムの蒸
着処理を施すに際し、アンダーコーティング膜を形成し
なくても充分満足できる表面平滑性を得ることができ
る。
【0079】また、これらの主リフレクタ121,13
1、スリーブ124,134およびエクステンションリ
フレクタ14を構成する脂環式構造含有重合体樹脂は、
耐熱性に優れ高温でも分解せずに成形可能で、溶融時の
流動性にも優れているので、薄肉で、しかも大型かつ複
雑な形状であっても成形不良を引き起こすことなく容易
に成形することができる。したがって、これらの主リフ
レクタ121,131、スリーブ124,134および
エクステンションリフレクタ14の構造が複雑で大型、
かつ薄肉であったとしても、成形不良を起こすことなく
容易に成形することができる。
【0080】さらにまた、これらの主リフレクタ12
1,131,スリーブ124,134およびエクステン
ションリフレクタ14を構成する脂環式構造含有重合体
樹脂には、前述した特定の配合剤(有機化合物含む)を
配合してあるので、特に高温・高湿下での耐久性に優れ
ている。
【0081】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変する
ことができる。
【0082】たとえば、上述した実施形態では、主リフ
レクタ121,131、スリーブ124,134および
エクステンションリフレクタ14は、それぞれビスやボ
ルトなどの締結具により連結してあるが、本発明では、
これらの一部または全てを、上述した特定の配合剤また
は有機化合物が配合してある脂環式構造含有重合体樹脂
で一体に成形しても良い。また、集光レンズ125,1
35をも、エクステンションリフレクタ14またはスリ
ーブ124,134と、上述した特定の配合剤または有
機化合物が配合してある脂環式構造含有重合体樹脂で一
体に成形しても良い。ただし、この場合、集光レンズ1
25,135は、透明性が要求されるため、このレンズ
部分をマスクして、エクステンションリフレクタ14ま
たはスリーブ124,134の内面に、アルミニウムな
どを蒸着し、反射面を形成する必要がある。また、集光
レンズ125,135の種類は、特に限定されず、フレ
ネルレンズであっても良い。
【0083】集光レンズ125,135を一体成形する
ことで、別部品である集光レンズをエクステンションリ
フレクタ14またはスリーブ124,134に組み付け
る工程が不要となる。またこれに加え、集光レンズ12
5,135を上述した特定の配合剤または有機化合物が
配合された脂環式構造含有重合体樹脂で成形すること
で、通常の樹脂レンズに比較して、複屈折が小さく、環
境変化に対する変形も小さいという効果が期待できる。
しかも成形性が良好で面精度にも優れたものとなる。
【0084】また、上述した実施形態では、エクステン
ションリフレクタ14を灯具ボディ11側に固定した
が、エクステンションリフレクタ14の取り付け構造
は、特に限定されず、アウターレンズ15側に取り付け
ても良い。
【0085】さらにまた、本発明に係るリフレクタが適
用される車両用灯具の具体的構造は、図1〜5に示すも
のに限定されず、種々に改変することができる。たとえ
ば主リフレクタ121および/または131の前面に、
すれ違いビームのカットオフラインを形成するための部
材であるシェードを装着しても良い。
【0086】また、本発明のリフレクタは、ヘッドラン
プ以外にも、リアランプその他の車両用灯具に適用する
ことができる。
【0087】
【実施例】以下、本発明について、実施例および比較例
を挙げて、より具体的に説明する。ただし本発明は、こ
れらの実施例のみに限定されるものではない。以下の実
施例および比較例において、部または%は、特に断りが
ない限り、重量基準である。
【0088】以下の実施例および比較例において、各種
物性の測定法は次のとおりである。
【0089】(1) 水素添加率は、 1H−NMRによ
り測定した。
【0090】(2) ガラス転移温度は、JIS K71
21に基づいて測定した値とする。
【0091】(3) 試験片表面の精度は、最大高さR
max値が10μm以下のものを「○」、10μm以上
のものを「×」と判断した。
【0092】(4) 試験片の外観は、ひけ、反り、シ
ルバー、ヤケおよび着色の有無を目視で観察し、これら
の不良の無い物を「○」、不良の発生したものを「×」
と判断した。
【0093】(5) 耐熱性試験は、試験片を水平な板
上に置き、120℃のギヤーオーブン中で48時間加熱
保持した後、試験片の反り、外観変化、膜の密着性につ
いて試験した。(A)反りは、加熱前に比べて加熱後の
試験片の反りが0.3mm以下のものを「○」、0.3
mm以上のものを「×」とした。(B)外観変化は、耐
熱性試験前に比べて蒸着膜の外観に変化の無かったもの
を「○」、鏡面の曇り、反射不良、膜フクレ、変色など
の生じたものを「×」とした。(C)耐熱性試験後の蒸
着膜の密着性は、碁盤目剥離試験により判断した。碁盤
目剥離試験は、成形品表面に形成された蒸着膜の上か
ら、カッターにより1mm間隔でタテ、ヨコ各11本の
切れ目を入れて1mm四方の碁盤目を100個作り、セ
ロハンテープ(積水化学社製)を貼り、勢い良く剥が
し、剥離した蒸着膜の個数を数え、10個未満を良好
(○)、10個以上を不合格(×)とした。
【0094】(6) 高温高湿試験は、試験片を85
℃、相対湿度90%の高温高湿槽中に500時間保持し
た後、その前後において、試験片の耐衝撃性、反射率に
ついて試験した。(A)耐衝撃性変化は、試験片に3/
4インチ半径のミサイル型の重り(重さ100g)を1
mの高さより自然落下させ、割れや亀裂の無いものを
「○」、割れや亀裂の生じたものを「×」とした。
(B)反射率変化は、JIS D5705に準じて、直
接測定法にて測定し、(高温高湿試験後の反射率/試験
前の反射率)×100(%)の値が95%以上のものを
「○」、95%未満のものを「×」とした。
【0095】[参考例1] シクロヘキサン258リット
ルを装入した反応容器に、常温、窒素気流下でビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン(以下NBと略す)(1
18kg)を加え、5分間撹拌を行った。さらにトリイ
ソブチルアルミニウムを系内の濃度が1.0ml/リッ
トルとなるように添加した。続いて、撹拌しながら常圧
でエチレンを流通させ系内をエチレン雰囲気とした。オ
ートクレーブの内温を70℃に保ち、エチレンにて内圧
がゲージ圧で6kg/cm2 となるように加圧した。1
0分間撹拌した後、予め用意したイソプロピリデン(シ
クロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジク
ロリドおよびメチルアルモキサンを含むトルエン溶液
5.0リットルを系内に添加することによって、エチレ
ン、NBの共重合反応を開始させた。このときの触媒濃
度は、全系に対してイソプロピリデン(シクロペンタジ
エニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリドが0.
015mmol/リットルであり、メチルアルモキサン
が7.5mmol/リットルである。
【0096】重合中、系内にエチレンを連続的に供給す
ることにより、温度を70℃内圧をゲージ圧で6kg/
cm2 に保持した。60分後、重合反応をイソプロピル
アルコールを添加することにより停止した。脱圧後、ポ
リマー溶液を取り出し、その後、水1 m3に対し濃塩
酸5リットルを添加した水溶液と1:1の割合で強撹拌
下に接触させ、触媒残渣を水相へ移行させた。この接触
混合液を静置したのち、水相を分離除去し、さらに水洗
を2回行い、重合液相を精製分離した。
【0097】次いで精製分離された重合液を3倍量のア
セトンと強撹拌下で接触させ、共重合体を析出させた
後、固体部(共重合体)を濾過により採取し、アセトン
で十分洗浄した。さらに、ポリマー中に存在する未反応
のモノマーを抽出するため、この固体部を40kg/m
3 となるようにアセトン中に投入した後、60℃で2時
間の条件で抽出操作を行った。抽出処理後、固体部を濾
過により採取し、窒素流通下、130℃、350mmH
gで12時間乾燥し、エチレン・NB共重合体を得た。
【0098】以上のようにして、得られたエチレン・N
B共重合体は、130℃、デカリン溶液での極限粘度
[η];0.60dl/g、Tg;140℃であり、N
B含量は53モル%であった。
【0099】[参考例2]撹拌翼を備えた1m3 重合器上
部からテトラシクロドデセン(以下TCDと略す)のシ
クロヘキサン溶液を、重合器内におけるTCDの供給濃
度が60kg/m3 となるように、連続的に供給した。
また重合器上部から触媒として、VO(O・C2 5
Cl2 のシクロヘキサン系溶液を、重合器内のバナジウ
ム濃度が0.9mol/ m3 となるように、エチルア
ルミニウムセキスクロリド(Al(C2 5 1.5 Cl
1.5 )のシクロヘキサン溶液を重合器内のアルミニウム
濃度が7.2mol/ m3 となるようにそれぞれ重合
器内に連続的に供給した。また重合系にバブリング管を
用いてエチレンを85 m3 /時間、窒素を45m3
時間、水素を6 m3 /時間の量で供給した。
【0100】重合器外部に取り付けられたジャケットに
熱媒体を循環させた重合系を10℃に保持しながら共重
合反応を行った。上記共重合反応によって生成する共重
合体の重合溶液を重合器上部から、重合器内の重合液が
常に1 m3 になるように(すなわち平均滞留時間が
0.5時間となるように)連続的に抜き出した。この抜
き出した重合液に、シクロヘキサン/イソプロピルアル
コール(1:1)混合液を添加して重合反応を停止させ
た。その後、水1m3 に対し濃塩酸5リットルを添加し
た水溶液と1:1の割合で強撹拌下に接触させ、触媒残
渣を水相へ移行させた。この接触混合液を静置したの
ち、水相を分離除去し、さらに水洗を2回行い、重合液
相を精製分離した。
【0101】次いで精製分離された重合液を3倍量のア
セトンと強撹拌下で接触させ、共重合体を析出させた
後、固体部(共重合体)を濾過により採取し、アセトン
で十分洗浄した。さらに、ポリマー中に存在する未反応
のモノマーを抽出するため、この固体部を40kg/m
3 となるようにアセトン中に投入した後、60℃で2時
間の条件で抽出操作を行った。抽出処理後、固体部を濾
過により採取し、窒素流通下、130℃、350mmH
gで12時間乾燥した。
【0102】以上のようにして、得られたエチレン・T
CD共重合体は、130℃、デカリン溶液での極限粘度
[η];0.42dl/g、Tg;140℃であり、T
CD含量は31モル%であった。
【0103】[参考例3] (重合)窒素雰囲気下、脱水したシクロヘキサン500
重量部に、1-ヘキセン0.56重量部、ジブチルエー
テル0.11重量部、トリイソブチルアルミニウム0.
22重量部を室温で反応器に入れ混合した後、45℃に
保ちながら、8-メチル-テトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]ドデカ-3-エン200重量部および六塩
化タングステン0.70重量%トルエン溶液30重量部
を2時間かけて連続的に添加し、重合した。シクロヘキ
サンを移動層とした高速液体クロマトグラフィー(ポリ
スチレン換算)より、得られたポリマーの数平均分子量
(Mn)は、18,000、重量平均分子量(Mw)
は、36,200、分子量分布(Mw/Mn)は2.0
1であった。
【0104】(水素添加)作成した重合反応液を耐圧の
水素化反応器に移送し、珪藻土担持ニッケル触媒(日産
ガードラー社製;G−96D、ニッケル担持率58重量
%)10重量部及び200重量部を加え、180℃、水
素圧45kgf/cm2で10時間反応させた。この溶
液を、珪藻土をろ過助剤としてステンレス製金網をそな
えたろ過器によりろ過し、触媒を除去した。得られた反
応溶液を3000重量部のイソプロピルアルコール中に
撹拌下に注いで水素添加物を沈殿させ、ろ別して回収し
た。さらに、アセトン500重量部で洗浄した後、1t
orr以下、100℃に設定した減圧乾燥器中で48時
間乾燥し、開環重合体水素添加物190重量部を得た。
【0105】(重合体物性)得られた開環重合体水素添
加物の主鎖水素添加率は99.9%、数平均分子量(M
n)は、20,400、重量平均分子量(Mw)は、4
1,200、分子量分布(Mw/Mn)は2.02であ
った。280℃におけるメルトフローレートは、20g
/10min.であり、ガラス転移温度は140℃、比
重は1.01であった。
【0106】[実施例1]参考例1で作製したエチレン・
NB系共重合体100重量部に酸化防止剤(チバガイギ
ー社製;イルガノックス1010、テトラキス〔メチレ
ン-3-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート〕メタン)0.1重量
部、水素化スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重
合体水素添加物(旭化成社製;タフテックH1051
D)0.2重量部を加え、2軸混練機で混練し、ペレッ
ト化した。このペレットを、片面を鏡面加工した厚さ1
mm×長さ200mm×幅100mmの金型を用いて、
樹脂温度320℃、型温度120℃で射出成形し、試験
片Aを作成した。さらに、この試験片Aの鏡面側に真空
蒸着法で厚さ400nmのアルミ反射膜を形成し、試験
片Bを作成した。
【0107】[実施例2]参考例2で作製したエチレン・
TCD系共重合体を実施例1と同様にしてペレット化、
射出成形およびアルミ膜の蒸着を行い、試験片Aおよび
Bを作成した。
【0108】[実施例3]参考例3で作製した開環重合体
水素添加物を実施例1と同様にしてペレット化、射出成
形およびアルミ膜の蒸着を行い、試験片AおよびBを作
成した。
【0109】[実施例4]実施例1の水素化スチレン-ブ
タジエン-スチレンブロック共重合体水素添加物に代わ
り、ノニルフェニルグリシジルエーテル0.5重量部を
配合し、その他は実施例1と同様にしてペレット化、射
出成形およびアルミ膜の蒸着を行い、試験片AおよびB
を作成した。
【0110】[比較例1]参考例1で作製したエチレン・
NB系共重合体100重量部に酸化防止剤(チバガイギ
ー社製;イルガノックス1010、テトラキス〔メチレ
ン-3-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート〕メタン)0.1重量部
のみを配合し、実施例1と同様にしてペレット化、射出
成形およびアルミ膜の蒸着を行い、試験片AおよびBを
作成した。
【0111】実施例1、2、3、4および比較例1で成
形した試験片Aを用い、試験品表面の平滑性および外
観、試験片Bを用いて測定した耐熱性試験の結果を表1
に示す。
【0112】
【表1】
【0113】実施例1、2、3、4および比較例1で成
形した試験片Bを用いて測定した高温高湿試験の結果を
表2に示す。
【0114】
【表2】
【0115】表1に示した成形性の評価で、実施例1、
2、3、4および比較例1では添加剤の有無に関わら
ず、成形性、耐熱性に差がないことが確認された。表2
に示した高温高湿試験後の耐衝撃性および反射率の評価
で、比較例1は試験後の耐衝撃性および反射率が低下し
ていた。表1、2の結果から、本発明の非相溶な配合剤
または、少なくとも一つのエーテル結合またはエステル
結合を有する有機化合物が配合されている脂環式構造含
有重合体樹脂からなるリフレクタは、配合していないも
のと同等の成形性、成形品の表面精度および耐熱性を有
し、さらに高温高湿試験後の耐衝撃性の低下がみられ
ず、反射性能の低下のない優れた性能を有することが確
認された。
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、表面
平滑性、耐熱性に優れ、しかも高温・高湿下での耐久性
にも優れ、且つ薄く大型のものを容易に成形可能な車両
用灯具のリフレクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明に係る車両用灯具の実施形態を示す
正面図である。
【図2】図1のII-II 線に沿う断面図である。
【図3】図1のIII-III 線に沿う断面図である。
【図4】エクステンションリフレクタを前面から示す斜
視図である。
【図5】エクステンションリフレクタを背面から示す斜
視図である。
【符号の説明】
1…車両用灯具 11…灯具ボディ(ボディ) 12,13…ユニット型ランプ(ランプ) 121,131…主リフレクタ 124,134…スリーブ 125,135…集光レンズ 14…エクステンションリフレクタ 15…アウターレンズ(カバー) 16…灯室

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂環構造含有熱可塑性樹脂(A)と、 (1)少なくとも1個のアルコール性水酸基と少なくと
    も1個のエーテル結合またはエステル結合とを有する有
    機化合物、(2)有機または無機フィラー、(3)エラ
    ストマー、および(4)前記脂環構造含有熱可塑性樹脂
    (A)と非相溶な化合物からなる群から選ばれる少なく
    とも1種類の配合剤(B)とからなる車両用灯具のリフ
    レクタ。
JP10095270A 1998-02-20 1998-03-24 車両用灯具のリフレクタ Pending JPH11273405A (ja)

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US09/622,694 US6883938B1 (en) 1998-02-20 1999-02-22 Lighting equipment
EP19990905267 EP1055863B1 (en) 1998-02-20 1999-02-22 Lighting equipment
KR1020007009068A KR100540770B1 (ko) 1998-02-20 1999-02-22 등기구
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001208901A (ja) * 2000-01-26 2001-08-03 Jsr Corp 低複屈折性光学樹脂材料およびその製造方法並びにその応用
JP2006124580A (ja) * 2004-10-29 2006-05-18 Nippon Zeon Co Ltd ビニル脂環式炭化水素重合体組成物及び成形体
JP2009087558A (ja) * 2007-09-27 2009-04-23 Stanley Electric Co Ltd 車両用灯具
KR200450210Y1 (ko) 2008-09-02 2010-09-10 현대로템 주식회사 전조등 취부구조

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JP2009087558A (ja) * 2007-09-27 2009-04-23 Stanley Electric Co Ltd 車両用灯具
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