JP4597390B2 - 光学シート、照明装置及び液晶表示装置 - Google Patents

光学シート、照明装置及び液晶表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば液晶表示装置の照明装置で使用されるのに適した光学シート及び照明装置並びに光学部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置の照明装置はバックライトと呼ばれる。サイドライト式バックライトと直下ライト式バックライトとがある。サイドライト式バックライトは、導光板と、導光板のサイドに配置された光源とを含み、薄型の液晶表示装置を実現することができるという利点がある。直下ライト式バックライトは、液晶表示装置に向かって光を照射する光源を含み、高輝度の液晶表示装置を実現できるという利点がある。ただし、直下ライト式バックライトは、薄型で低消費電力の液晶表示装置を実現することは難しく、また、輝度むらがでやすい問題があるため、最近ではサイドライト式バックライトが多く使用されている。
【0003】
サイドライト式バックライトは、上記導光板及び光源とともに、導光板の下側(液晶パネルから遠い側)に配置される反射ミラー(反射膜)と、導光板の上側(液晶パネルに近い側)に配置される光学シートとを含む。光源から出射した光は導光板に入射し、導光板内を伝播しながら一部の光が反射ミラーで反射され、導光板から出射されて光学シートを通って液晶パネルに入射する。
【0004】
光学シートは、導光板から出射された光の輝度分布を調整する。すなわち、導光板から出射された光は導光板への法線に対して大きな角度をなす光線を多く含むので、光学シートは、主として、導光板への法線に対して大きな角度をなす光線を導光板への法線に対して小さな角度をなす光線に変換する。
図8は光学シートの一つであるプリズムシートを示す図である。プリズムシート1は多数のプリズム2を形成した透明なシートである。プリズムシート1への法線に対して大きな角度でプリズムシート1へ入射した光線Xは、プリズムシート1への法線に対して小さな角度でプリズムシート1から出射する。従って、プリズムシート1の先にある液晶パネルの観視者は液晶パネルを正面からよく見ることができる。一方、プリズムシート1への法線に沿ってプリズムシート1へ入射した光線Yは、プリズム2で反射されて戻る。
【0005】
なお、プリズムシート及び散乱シートの例として、特開平6−273762号公報、特開平8−146207号公報、特開平9−15404号公報、特開平10−97199号公報、特開平10−246805号公報、特開2000−56105号公報に記載されたものがある。また、平面光源の例として、特開平11−329042号公報に記載されたものがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、プリズムシート1は、斜め方向の角度で入射する光線を正面方向及び正面に近い方向の角度で出射するようにするために、微細なプリズム2をシート表面に形成したものである。プリズムシート1では、プリズム2の形状によって決定される出射角度範囲以内で出射する光線の量が多く、出射角度範囲以外の光線の量は急激に低下する。つまり、液晶パネルに入射する光の輝度分布が急激に変化する。そこで、従来は、プリズムシート1と散乱材を含む散乱シートとを組み合わせて、法線方向の角度で出射する光線が最も多く、そして、法線方向から角度が大きくなるにつれて出射する光線が漸減するようにブロードな輝度分布をもつようにしている。また、プリズムシート1への法線に沿ってプリズムシート1へ入射した光線Yは導光板側に戻されるために、光線Yの利用効率が低下する。さらに、導光板の一端部付近からは一方に傾斜した光線Xが出射し、導光板の他端部付近からは他方に傾斜した光線Zが出射する。この傾向は光がプリズムシート1を透過した後も残る。
【0007】
プリズムシート1は、微細なレンズ2を精度よく作る必要があることから、プリズムシート1の製造コストが高い。また、プリズムシート1自体には光吸収性はないが、導光板方向に戻された光線は、反射ミラーや、光源や、筐体フレーム等により吸収され、光の利用効率が低下する。そして、プリズムシートと散乱材を含む散乱シートとを組み合わせて使用すると、シート自体のコストアップ及び組立工数増によるコストアップがあり、プリズムシートと散乱シートとの間へのゴミ混入による歩留り低下の問題もある。
【0008】
さらに、液晶表示装置はますます薄型化を要求され、そのために導光板はますます薄くなる傾向がある。しかし、導光板を薄くすると、導光板のサイドからの光の取り込み量が少なくなってしまうため、サイドエッジ式バックライトでは薄型化が制限されるという問題があった。
導光板の薄型化に対処するものとして、導光板の上面又は下面から光を取り込む方法が提案されている(例えば、特開平11−329042号公報参照)。この構造は、可撓性フィルムの一部を丸くして円筒状部分を形成し、光源をこの円筒状部分に配置し、この円筒状部分からとりこんだ光を可撓性フィルムの他の部分に導光している。散乱反射層が円筒状部分のまわりに配置されている。しかし、この構造では、光源から円筒状部分に照射された光の一部は可撓性フィルムの他の部分に導光されるが、光の他の一部は可撓性フィルムの他の側へ進み、かつ光源から円筒状部分に照射された光の他の一部は散乱反射層で反射されて光源に向かって戻り、光の利用効率が低いという問題があった。
【0009】
本発明の目的は、適切な輝度分布を備え且つ製造コストの低い光学シート及び照明装置を提供することである。
本発明の他の目的は、薄い板状の光学部材でも多くの光を取り込むことのできる光学部材を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による光学シートは、間隔をあけて配置され且つ一方の側に向いた複数の散乱性を有する突起及び該突起の間に位置する谷部分を有する拡散部分を備え、該谷部分から出射した光の一部が該谷部分に隣接する突起に接触することなく進み、該谷部分から出射した光の他の一部が隣接する突起に入射して該突起で散乱され、該突起の内部を通る光が該突起で散乱されて該突起から出射するようにした。
【0011】
この構成によれば、谷部分から出射した光の一部は隣接する突起に接触することなく法線方向に対して所定の角度範囲内で進む。谷部分から出射して隣接する突起に入射した他の一部の光は、突起の内部に入って散乱されあるいは突起の表面で散乱され、散乱光として突起から出射する。突起から出射した散乱光の一部は隣接する突起に接触することなく法線方向に対して所定の角度範囲内で進み、突起から出射した散乱光の他の一部はさらに他の突起に入射してさらに散乱される。従って、突起に入射して散乱されて出射する光のうち、法線方向に対して大きな角度をなす光の成分は、法線方向に対して小さな角度をなす光の成分となり、出射光は次第に指向性を与えられる。よって、法線方向の角度で出射する光線が最も多く、そして、法線方向に対しての角度が大きくなるにつれて出射する光線が漸減するようにブロードな輝度分布を得ることができる。
【0012】
のような特徴は、以下に示す構成によって達成されることができる。間隔をあけて配置され且つ一方の側に向いた複数の突起及び該突起の間に位置する谷部分を有する拡散部分を備え、該突起の表面には散乱性を有する層が設けられていることを特徴とする光学シート。
【0013】
間隔をあけて配置され且つ一方の側に向いた複数の散乱性を有する突起及び該突起の間に位置する谷部分を有する拡散部分を備え、該突起の各々は集合した複数の微小な散乱材の塊からなることを特徴とする光学シート。
間隔をあけて配置された複数の屈折率が非一様な部分と該屈折率が非一様な部分の間に位置する屈折率が一様な部分とを有する拡散部分を備えたことを特徴とする光学シート。
【0014】
間隔をあけて配置された複数の散乱性を有する壁部材及び該壁部材の間に形成される開口部を有する拡散部分を備え、該壁部材は対向する第1の側面及び第2の側面を有し、該壁部材は光が実質的に該第1の側面及び該第2の側面において散乱反射するように形成されていることを特徴とする光学シート。
間隔をあけて配置され且つ一方の側に向いた複数の散乱性を有する突起及び該突起の間に位置する谷部分を有する拡散部分と、該拡散部分の前記一方の側とは反対側に設けられる反射ミラーとを備えた光学シート。
【0015】
複数の屈折率が非一様な部分と該屈折率が非一様な部分の間に位置する屈折率が一様な部分とを有する拡散部分を備え、前記拡散部分はフィラメントを含むメッシュと、樹脂を含むインクとからなり、該メッシュは該インク内に埋設されていることを特徴とする光学シート。
さらに、本発明は、光源と、該光源の光が入射される導光板と、該導光板の一方の側に配置され、上記した特徴を含む光学シートとからなる照明装置を提供する。
【0016】
さらに、本発明は、光源と、該光源の光が入射される導光板と、該導光板の一方の側に配置され、上記した特徴を含む光学シートと、液晶パネルとからなる液晶表示装置を提供する。さらに、間隔をあけて配置され且つ一方の側に向いた複数の散乱性を有する突起及び該突起の間に位置する谷部分を有する拡散部分を備えた光学シートの製造方法であって、交差する線状部材を含むメッシュを用いてインクをスクリーン印刷し、突起及び該突起の間に位置する谷部分を有する拡散部分を形成する工程を含む光学シートの製造方法を提供する。
【0017】
さらに光線方向変換領域と、該光線方向変換領域に連続する導光領域とを備えた板状の本体からなり、該光線方向変換領域は間隔をあけて配置された複数の屈折率が非一様な部分と該屈折率が非一様な部分の間に位置する屈折率が一様な部分とを有し、該導光領域は概ね透明な領域である光学部材を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施例に係わる光学シート及び照明装置を含む液晶表示装置を示す図である。図1において、液晶表示装置10は、照明装置(バックライト)12と、液晶パネル14とを含む。バックライト12は、導光板16と、導光板16のサイドに配置された光源18と、導光板16の下側(液晶パネル14から遠い側)に配置される反射板20と、導光板16の上側(液晶パネル14に近い側)に配置される光学シート22とを含む。光源18は、冷陰極蛍光管、熱陰極蛍光管、EL素子、LED素子等の発光管と、リフレクタとからなる。さらに、導光板16の下面には散乱ドット24が形成されている。光源18から出射した光は導光板16に入射し、導光板16内を全反射して伝播する。一部の光が散乱ドット24で散乱して反射板20で反射され、導光板16から出射する。導光板16から出射した光は光学シート22を通って液晶パネル14に入射する。
【0019】
図2(A)、(B)、(C)は図1の光学シート22の例を示す断面図である。図3(A)、(B)、(C)は光学シート22の例を示す平面図である。
図2(A)において、光学シート22は、散乱材26を含むベースシート部分28と、ベースシート部分28と一体的に接合された(光学的に密着された)拡散部分30とを備える。拡散部分30は、間隔をあけて配置され且つ散乱材32を含む複数の突起34を有する。さらに、谷部分36が隣接する突起34の間に形成される。突起34は一平面上に一方の側に向いて周期的に配置される。Pは突起34の周期を示し、Hは突起34の高さを示す。
【0020】
図2(B)及び図2(C)においても、光学シート22は、散乱材26を含むベースシート部分28と、ベースシート部分28と一体的に接合された拡散部分30とを備える。拡散部分30は、間隔をあけて配置され且つ散乱材32を含む複数の突起34を有する。さらに、谷部分36が隣接する突起34の間に形成される。
【0021】
図2(A)においては、突起34は矩形断面形状をもつ。図2(B)においては、突起34はでこぼこした表面を有するほぼ矩形断面形状をもつ。図2(C)においては、突起34はでこぼこした表面を有するほぼ矩形断面形状をもつが、突起34の各々は複数の微小な散乱材32の塊からなる。つまり、散乱材32はバインダによって互いに密着しているが、樹脂等の母材に分散しているのではない。このように、突起34は種々の形状をもつことができ、突起34の表面は精密に規定されるものである必要はない。従って、従来のプリズムシートのプリズムのように精密に製造される必要はない。
【0022】
図3(A)は、突起34がドット状に形成されている光学シート22の例を示す。図3(B)は、突起34がドット状に形成されている例を示すが、列方向で見た隣接する突起34の間の谷部分34の深さが、行方向で見た隣接する突起34の間の谷部分35の深さとは変えてある。例えば、谷部分34の深さが1であり(突起34の高さが1であり)、谷部分35の深さが0.5である(突起34の高さが0.5である)。こうすれば、列方向と行方向とで、光の角度の分布に異方性をもたせることができる。図3(C)は、突起34が長い峰状に形成されている例を示す。
【0023】
図4は光学シート22の構成及び作用を説明する図である。光学シート22は次のような特徴をもつように形成されている。これは透過型光学シートの例であり、入射光が図1の導光板16から光学シート22のベースシート部分28に入射するようになっている。入射光はベースシート部分28の散乱材26に衝突して散乱される。光学シート22への入射光は、導光板16を出射した散乱光であるが、光学シート22への法線(法線方向Nという)に対して大きな角度をなす光線を多く含む(図7の曲線A)。ベースシート部分28は、散乱性の入射光をより散乱性の高い光に変換する(図7の曲線B)。
【0024】
ベースシート部分28から拡散部分30に入射した光は突起34の散乱材32に衝突して散乱される。まず、拡散部分30の2つの突起34の間の谷部分36から出射する光a、bについて説明する。光aは谷部分36から出射して隣接する突起34に接触することなく所定の角度範囲α内を進む。光bは谷部分36から出射して突起34の側面に入射する。突起34の側面に入射した光bは突起34の内部及び表面(側面)の散乱材32に衝突して散乱される。
【0025】
すなわち、突起34の側面に入射した光bは、突起34の内部に入って散乱されあるいは突起34の側面で散乱され、散乱光として突起34から出射する。突起34から出射する散乱光は多くの方向の光の成分を含む。従って、突起34から出射する光の一部は隣接する突起34に接触することなく法線方向Nに対して比較的に小さな角度で進む。一方、突起34から出射した光の他の一部は、法線方向Nに対して比較的に大きな角度で進み、他の突起34に入射してさらに散乱される。そして、他の突起34で散乱された光の一部が隣接する突起34に接触することなく法線方向Nに対して比較的に小さな角度で進み、他の突起34から出射した光の他の一部は法線方向Nに対して比較的に大きな角度で進み、他の突起34に入射してさらに散乱される。従って、ある突起34に入射して散乱されて出射する光のうち、法線方向Nに対して比較的に大きな角度をなす光の成分は、次第に法線方向Nに対して比較的に小さな角度をなす光の成分に変換され、出射光は次第に指向性を与えられる。よって、法線方向Nに対して比較的に小さな角度で出射する光量が多くなり、そして、法線方向Nに対する角度が大きくなるにつれて光量が漸減するようにブロードな輝度分布を得ることができる。
【0026】
さらに、ベースシート部分28から拡散部分30の突起34に直接に入射した光cは、散乱材32に衝突して散乱される。散乱光として突起34から出射する。この場合にも、突起34から出射する光の一部は隣接する突起34に接触することなく法線方向Nに対して比較的に小さな角度で進み、突起34から出射した光の他の一部は、法線方向Nに対して比較的に大きな角度で進み、他の突起34に入射してさらに散乱される。従って、光bの場合と同様に、光cについても、ある突起34から出射する光のうち、法線方向Nに対して比較的に大きな角度をなす光の成分は、次第に法線方向Nに対して比較的に小さな角度をなす光の成分に変換され、出射光は次第に指向性を与えられる。
【0027】
図6は光学シート22から出射する光の輝度分布を示す図である。図6において、曲線Cは谷部分36から隣接する突起34に接触することなく出射する光aの輝度分布を示す。図4の所定の角度範囲αは例えば±45度に選択されている。曲線Cによれば、液晶パネル14を正面方向(法線方向N)から見る場合に明るい表示を見ることができる。
【0028】
曲線Dは、突起34の根元に近い部分から出射して隣接の突起34に接触しない光の輝度分布を示す。この光は、突起34の根元に近い部分から出射する光のうち、隣接の突起34に接触する光(法線方向Nに対して比較的に大きな角度をなす光)を除いたものであるから、ベースシート部分28から出射する光(曲線B)よりも法線方向Nへの指向性が高くなっている。
【0029】
曲線Eは、突起34の先端に近い部分から出射した光の輝度分布を示す。この光は、もはや隣接の突起34に接触する確率は低いので、散乱材32の散乱作用を受けるだけであり、図7の曲線Bに類似した輝度分布となる。曲線Fは、曲線C、曲線D、及び曲線Eを加えた光の輝度分布を示し、これが光学シート22から出射する光の輝度分布となる。曲線Fは、正面方向に対して比較的に小さな角度で出射する光量が最も多く、そして、正面方向から角度が大きくなるにつれて出射する光線が漸減するようにブロードな輝度分布となっている。
【0030】
そして、本発明では、突起34の側面において散乱反射が生じるので、例えば図8の光Xのようにある傾斜で光学シート22に入射した光は、突起34の側面における散乱反射により最初の入射時の傾斜とは反対方向の傾斜で光学シート22から出射する光の成分をもつことになる。このために、入射光の履歴を解消する効果をもつ。
【0031】
上記した作用は、突起34の高さHとピッチPの比(H/P)、及び突起34の散乱材32の散乱能に依存するところが大きい。従って、本発明では、比(H/P)、及び散乱材32の散乱能が上記した作用を満足するようにする。比(H/P)は、図4の所定の角度範囲αを設定する上で重要である。
また、図6の曲線Eで示されるように、突起34の先端に近い部分から出射した光は法線方向Nへの指向性に寄与しなくなるので、突起34の先端に近い部分から出射した光の光量はできるだけ小さい方がよい。このために、本発明では、突起34の内部及び表面での散乱能が大きい方がよい。突起34での散乱は後方散乱が生じるようにし、かつ、突起34の内部を進む光が散乱材32に衝突する確率を高くし、光がそのままで突起34を突き抜けにくくするとよい。
【0032】
図5は光学シート22の突起34及び谷部分36を説明する図である。本発明では、突起34は種々の形状のものとすることができる。図5においては、突起34は基部及び先端部分並びに谷部分36が明瞭に区分されているが、突起34Aは曲線のプロフィルで形成されており、突起34Aの基部及び谷部分36を明瞭に区分することができない。そこで、ここでは、突起34Aの基部及び谷部分36を次のように定義する。突起34、34Aの高さHに対してH/2となる位置を突起34、34Aの基部とし、H/2よりも下の部分を谷部分36とする。また、突起34、34Aの先端部分は突起34、34Aの先端から高さHの10パーセントの値だけ下の位置とする。
【0033】
突起34の散乱材32の散乱能を示すファクターとして、突起34の基部に入射した光の光量に対する突起34の先端部分から出射する光の光量の比が30%以下であると好ましい。この関係は、突起34、34Aの基部の面積をS1とし、ベースシート部分28から突起34、34Aの基部に入射する光の光量をT1とし、谷部分36の面積をS2とし、ベースシート部分28から谷部分36に入射する光の光量をT0とした場合、S1+S2=1、S1×T0/S2<0.3であらわされる。これを書き換えると、T0<0.3×(1−S1)/S1となる。さらに、谷部分36の中心及び2つの突起34、34Aの先端の中心を通る2つの直線で形成される角度をβとし、比(H/P)は、所定の角度範囲βの最小値が±60度以下にするのが好ましい。
【0034】
図9は本発明の他の実施例の光学シート22を示す図である。図9の光学シート22は図1の液晶表示装置10のバックライト12の光学シート22として使用されることができる。このことは以下の実施例の光学シート22においても同様である。
光学シート22は、散乱材26を含むベースシート部分28と、ベースシート部分28と一体的に接合され、周期的に配置され(間隔をあけて)且つ散乱材32を含む突起34を有する拡散部分30とからなる。図9の光学シート22は、PET基板38上に散乱材26を含むベースシート部分28を形成し、ベースシート部分28の上に散乱材32を含む拡散部分30をメッシュを使用して形成している。
【0035】
拡散部分30の突起34は周期的に配置されているが、各突起34は全体的に丸みのある形状に形成され、表面に微小な凹凸構造がある。つまり、突起34はプリズムシートのプリズムのように正確に形成された側面又は斜面をもつ必要はなく、よって、光学シート22は比較的簡単に製造されることができる。
図11は、図9の光学シート22の作用を説明する図である。PET基板38は透明であるので図11では省略されている。図11(A)は、入射光がベースシート部分28において散乱されることを示す。図11(B)は、光が2つの突起34の間の谷部分36から出射するところを示す図である。図11(C)は、突起34の側面から出射する光が隣接する突起34に接触することなく進むところを示す図である。図9及び図11の光学シート22の作用は図4の光学シート22の作用とほぼ同様である。
【0036】
図12は、突起34の側面及び谷部分36のいくつかの点から隣接する突起34に接触することなく出射する光を示す。図9では、突起34の側面と谷部分36との間には明瞭な境界はなく、突起34の側面と谷部分36とは連続している。そのため、突起34の側面及び谷部分36の多くの点から出射する光はより多様な角度で出射するようになる。
【0037】
図12(A)は光が谷部分36の中心点から出射するところを示す。図12(B)は光が谷部分36と突起34の側面との間の境界付近の一点から出射するところを示す。図12(C)は光が谷部分36と突起34の側面との間の境界付近の一点から出射するところを示す。図12(D)は光が突起34の先端付近の一点から出射するところを示す。図12(E)は光が突起34の先端から出射するところを示す。
【0038】
図10は図9の光学シート22の出射光の輝度ゲインを示す図である。光学シート22の出射光の輝度ゲインは、正面方向の角度で出射する光量が最も多く、そして、正面方向から角度が大きくなるにつれて出射する光量が漸減するようにブロードな輝度分布となっている。ただし、正面方向の角度での輝度ゲインが1.5程度であり、これが満足できない場合には、突起34の高さをもっと高くすればよい。
【0039】
図9の光学シート22の製造についてさらに説明する。ベースシート部分28は、屈折率1.5のアクリル系樹脂からなり、散乱材26として粒径1μmで屈折率2.5のTiO2 ビーズを12.5体積パーセントこのアクリル系樹脂に分散させている。このようにしてTiO2 ビーズを分散させたアクリル系樹脂と、有機系溶剤とを1対3の割合で混合し、インクを作成した。このインクをPET基板38上に塗布し、乾燥させた。有機系溶剤は乾燥後には残らないので、塗布しやすい粘度となるように割合を決定している。特に、塗布後、インクの表面張力により、平坦な表面となるように調整した。ベースシート部分28の層厚さは20μmであった。
【0040】
拡散部分30は、ベースシート部分28と同様のインクで形成した。つまり、拡散部分30は、散乱材32として粒径1μmで屈折率2.5のTiO2 ビーズを12.5体積パーセント分散させた屈折率1.5のアクリル系樹脂と、有機系溶剤とを混合し、インクを作成した。メッシュを用いたスクリーン印刷で、突起34を有する拡散部分30を形成した。ただし、この場合には、溶剤と樹脂の割合を1対1とし、インクの粘度を高くして、再現性よくメッシュ形状の転写ができるようにした。
【0041】
図13はメッシュを用いたスクリーン印刷で光学シート22を製造する例を示す図である。図14は図13で使用するメッシュの例を示す図である。メッシュ(シルク印刷用シルクスクリーン)40は、縦横に織物状に交絡して配置されたポリエステルフィラメント40A、40Bからなる。この例では、120メッシュ/インチのポリエステルメッシュ(線径46μm、開口149μm角、厚さ80μm)を使用した。2つのポリエステルフィラメント40A又は40B間の間隔はポリエステルフィラメント40A又は40Bの線径よりも大きい。
【0042】
図13(A)に示されるように、上記インクをPET基板38上に塗布し、乾燥させてベースシート部分28を形成した後、メッシュ40をベースシート部分28の上にのせ、上記インク42を塗布した。それから、図13(B)に示されるように、メッシュ40を取り外し、拡散部分30を形成した。この場合、上記したように、インクの粘度を高くして、再現性よくメッシュ形状の転写ができるようにしている。
【0043】
ここで形成された突起34は、大きさが149μm角、高さが80μm、ピッチが195μmで形成される。上記インク42を乾燥した後では、突起34は、大きさが113μm角、高さが60μmであった(乾燥、固化する過程で凝縮すること、接着剤の表面張力により形状が鈍ることから)。拡散部分30はベースシート部分28と同じ材料のため、光学的に一体となっている(屈折率界面はできない)。
【0044】
図15はメッシュを用いて光学シート22を製造する他の例を示す図である。図15(A)に示されるように、インクをPET基板38上に塗布し、乾燥させてベースシート部分28を形成した後、インク42を塗布した。それから、図15(B)に示されるように、メッシュ40をインク42に押しつけ、その後、図15(C)に示されるように、メッシュ40を取り外して拡散部分30を形成した。
【0045】
図16はメッシュを用いて光学シート22を製造する他の例を示す図である。図16(A)に示されるように、メッシュ40は縦横に織物状に交絡して配置されたフィラメント40A、40Bからなる。フィラメント40Aの線径はフィラメント40Bの線径とは変えてある。図16(B)は図16(A)のメッシュ40を使用して製造した光学シート22の図16(A)の線XVIB−XVIBに沿った断面図、図16(C)は図16(A)のメッシュ40を使用して製造した光学シート22の図16(A)の線XVIC−XVICに沿った断面図である。
【0046】
図17は図16のメッシュ40を使用して製造した光学シート22の輝度分布を示す図である。曲線Fは図16(B)の断面で見た場合の輝度を示し、曲線Gは図16(C)の断面で見た場合の輝度を示す。
図18はメッシュを用いて光学シート22を製造する他の例を示す図である。メッシュパターン付きローラ40Rを使用し、ベースシート部分28を走行させながら突起34を形成するようになっている。44はインク塗布装置である。
【0047】
図19はマスクを用いて光学シート22を製造する場合のマスク46の例を示す図である。マスク46は例えば金属板にエッチングにより穴46aを形成してある。穴46aは正方配列で配置されている。このマスク46を図13及び図15のメッシュ40の代わりに使用して、図13及び図15に示されるようにして光学シート22を製造する。
【0048】
図20はマスクを用いて光学シート22を製造する場合のマスク46の例を示す図である。マスク46は例えば金属板にエッチングにより穴46aを形成してある。穴46aは列方向には周期的に配置されているが、縦方向には千鳥状に配置されている。このマスク46を使用して、図19と同様に光学シート22を製造する。
【0049】
図21は図19又は図20のマスク46を使用して製造した光学シート22の例を示す。メッシュ40を使用する場合には、市販のメッシュ40を使用することができる可能性があるが、突起34の高さがフィラメント40A、40Bの直径に依存するので、高い突起34を作りにくい。マスク46を使用すれば、高い突起34を作ることができる。
【0050】
マスク46を使用して製造した光学シート22の製造の例を説明する。ベースシート部分28及び拡散部分30のために、散乱材26、32として粒径2μmで屈折率2.5のTiO2 ビーズを12.5体積パーセント分散させた屈折率1.5のアクリル系樹脂と、有機系溶剤とを混合し、インクを作成した。マスク46の厚さは185μm、穴46aの大きさは280μm角、穴46aのピッチは350μmピッチであった。この場合の穴46aは図19に示されるように正方配列で配置されている。PEP基板38上に厚さは50μmのベースシート部分28を形成し、その上にマスク46を使用して拡散部分30を形成した。ビーズの大きさは図9の例のビーズの大きさよりも大きいが、それに合わせて、穴46aのピッチ(突起34のピッチ)も変えている。
【0051】
印刷直後の突起34の大きさは280μm角、高さ185μm、ピッチは350μmピッチである。乾燥後の突起34の大きさは221μm角、高さ145μm、ピッチは350μmピッチとなった(乾燥、固化する過程で凝縮すること、接着剤の表面張力により形状が鈍ることから)。このようにして、高い突起34を作ることができ、輝度ゲイン2.1を実現できた。
【0052】
次にさらに高い突起34を有する光学シート22の製造の例について説明する。ベースシート部分28及び拡散部分30のためのインクは前の例と同じである。マスク46の厚さは800μm、穴46aの大きさは280μm角、穴46aのピッチは350μmピッチであった。この場合の穴46aは図20に示されるように千鳥状の配列で配置されている。印刷、乾燥後の突起34の大きさは221μm角、高さ600μm、ピッチは350μmピッチである。このようにして、高い突起34を作ることができ、輝度ゲイン2.5を実現できた。突起34を千鳥状の配列とすることにより、ピッチの均一性が低下するため、液晶パネル等の均一なピッチをもつものと組み合わせても、モアレが発生しにくくなる。
【0053】
図22は金属型ロールを用いて光学シートを製造する例を示す図である。図22(A)は、例えば図15のPEP基板38にベースシート部分28を塗布乾燥し、さらにインク42を形成した状態のシート45を、金属型ロール48とロール49との間を走行させているところを示す図である。図22(B)は、金属型ロール48の一部を示し、図22(C)は、インク42により形成された突起34を有する拡散部分30を示す。
【0054】
図23は図9の光学シート22の応用例を示す図である。図23においては、光学シート50は、第1の光学シート22と第2の光学シート52とを重ねてなる。第1の光学シート22は図9の光学シート22に相当する。第2の光学シート52は、透明なPET樹脂層52aと、散乱材を含む突起34aを有する拡散部分52bとからなる。拡散部分52bは図9の光学シート22の拡散部分30と同様の構成である。
【0055】
第1の光学シート22は指向性の高い輝度分布を実現しているので、第2の光学シート52は第1の光学シート22のベースシート部分28に相当する散乱層は必要ではなく、透明な樹脂層52aがあればよい。ただし、透明な樹脂層52aの代わりに薄い散乱層、あるいは、散乱材の屈折率と母材樹脂の屈折率との差の小さい散乱層、あるいは、少量の散乱材を含む散乱層としてもよい。
【0056】
このようにして、図9の光学シート22の輝度ゲインが所望値よりも低い場合には、図23の光学シート50のように第1の光学シート22と第2の光学シート52とを重ねて配置することにより、所望の輝度ゲイン(例えば2)を実現することができる。この場合、図1の液晶表示装置10においては、光学シート50が図1の光学シート22の代わりに使用される。
【0057】
図24は図9の光学シート22の応用例を示す図である。図9の光学シート22では、ベースシート部分28がPET基板38の上に形成されていた。図23においては、ベースシート部分28が導光板16の上に直接に形成されている。この場合の光学シート22の作用は前の例と同様である。この光学シート22は次のようにして製造された。ベースシート部分28及び拡散部分30のために、散乱材26、32として粒径2μmで屈折率2.5のTiO2 ビーズを42.2体積パーセント分散させた屈折率1.5のアクリル系樹脂と、有機系溶剤とを混合し、インクを作成した。
【0058】
マスク46の厚さは185μm、穴46aの大きさは280μm角、穴46aのピッチは350μmピッチであった。この場合の穴46aは図20に示されるように千鳥状の配列で配置されている。導光板16の上に厚さは20μmのベースシート部分28を形成し、その上にマスク46を使用して拡散部分30を形成した。突起34の大きさは221μm角、高さ145μm、ピッチは350μmピッチとなった。また、導光板16の下面には図1に示される散乱ドット24を形成した。このようにして、指向性の優れた光学シート22を実現できた。この光学シート22は導光板16と一体化されているので、別の部品を付加する必要がなく、製造コストを低減することができる。
【0059】
これまで説明した光学シートは、光源と、導光板と、液晶パネルとともに、液晶表示装置を構成する。同様に、これから説明する光学シートも液晶表示装置を構成する。
図25は図9の光学シート22の応用例を示す図である。この例は直下型バックライト54の例を示す。直下型バックライト54は、液晶パネル14の直下に配置され、一平面内に配置された複数のランプ56と、リフレクタ58とを含む。光学シート22は複数のランプ56と液晶パネル14との間に配置されている。直下型バックライト54では、ランプ56の近くの位置Gと、ランプ56から遠い位置Hとでは、光の分布が異なる。従って、そのような光が液晶パネル14に入射すると、液晶パネル14で輝度むらが生じる。上記したように、光学シート22は、ベースシート部分28と拡散部分30とを備えていて、斜め方向の入射光を散乱させ、さらに正面方向に指向させる作用を有するので、正面方向を中心として分布の優れた光が液晶パネル14に入射することになり、液晶パネル14で輝度むらが生じない。
【0060】
上記したように、散乱材32の散乱能が大きいほど、光が突起34において激しく散乱され、指向性が高くなる。上記においては、突起34の散乱材32の散乱能は、突起34の基部に入射した光の光量に対する突起34の先端部分から出射する光の光量の比で表された。ここでは、突起34の散乱材32の散乱能は、拡散部分30を構成する樹脂の屈折率(n0)と散乱材32の屈折率(n1)との屈折率差(Δn)(Δnは(n0−n1)の絶対値)、並びに、拡散部分30を構成する樹脂中での散乱材32の密度(または体積パーセント)で表される。散乱材32の大きさは1μm以下になると干渉、ミー散乱効果が出始め、意図しない散乱状態となるため、散乱材32の大きさは1μm以上であるのが好ましい。
【0061】
下記の表1は、透過型の光学シート22について、突起34の高さとピッチの比(H/P)、屈折率差Δn、及び散乱材32の密度をパラメータとして、輝度ゲインを求めたシミュレーション結果を示す。輝度ゲインが1.5以上になった場合を良好な結果と判断した。なお、Δn=1の例は散乱材32としてTiOを使用した場合に相当し、Δn=0.1の例は散乱材32としてポリカーボネートを使用した場合に相当し、Δn=0.05は散乱材32としてシリカを使用した場合に相当する。また、散乱材32の密度については、散乱材32の直径が0.5パーセントPの場合を基準にした。すなわち、散乱材32の直径が2μmで、ピッチPが400μmの場合に、密度は50コ/ピッチになる。同様に、散乱材32の直径が1μmで、ピッチPが200μmの場合にも、密度は50コ/ピッチになる。さらに、50コ/ピッチは1.56体積パーセントに相当し、100コ/ピッチは12.5体積パーセントに相当し、150コ/ピッチは42.2体積パーセントに相当する。
【0062】
【表1】
Figure 0004597390
【0063】
表1から、突起34の高さと突起34のピッチの比(H/P)は0.3以上であるのが好ましく、拡散部分30のベース材料の屈折率(n0)と散乱材32の屈折率(n1)との屈折率差Δn(Δnは(n0−n1)の絶対値)は0.05以上であるのが好ましく、拡散部分30中の散乱材32の密度は50コ/ピッチ以上であるのが好ましいことが分かった。散乱材32の大きさが変わったら、これと同等の散乱能をもつようにそれぞれのファクターの値を選択することができる。
【0064】
表2は、透過型の光学シート22について、図24に示されるように光学シート22を導光板16と一体的に形成した場合の、突起34の高さとピッチの比(H/P)、屈折率差Δn、及び散乱材32の密度をパラメータとして、輝度ゲインを求めたシミュレーション結果を示す。
【0065】
【表2】
Figure 0004597390
【0066】
表2から、突起34の高さと突起34のピッチの比(H/P)は1.0以上であるのが好ましく、屈折率差Δnは0.05以上であるのが好ましく、拡散部分30中の散乱材32の密度は100コ/ピッチ以上であるのが好ましいことが分かった。散乱材32の大きさが変わったら、これと同等の散乱能をもつようにそれぞれのファクターの値を選択することができる。
【0067】
図26は、光学シート22を反射型光学シートとして使用する例を示す図である。この場合、反射ミラー60がベースシート部分28に設けられる。ベースシート部分28及び拡散部分30は、屈折率1.5のアクリル系樹脂からなり、散乱材26として粒径2μmで屈折率1.55のSiO2 ビーズを42.4体積パーセントをこのアクリル系樹脂に分散させている。このようにしてSiO2 ビーズを分散させたアクリル系樹脂と、有機系溶剤とを混合し、インクを作成した。
屈折率差Δnは0.05であった。
【0068】
このインクをPET基板38上に300μmの厚さ塗布し、さらに、図22の金属型ロール48を使用して突起34を形成した。金属型ロール48は、ピッチが200μmで、深さが350μmのディスク状の複数の刃を有し、その刃を回転させながらインクに押しつけることにより、300μmの厚さのインクは100μmの厚さのベースシート部分28と350μmの厚さの拡散部分30となった。さらに、インクを乾燥した後、反射ミラー60をPET基板38の反対側の表面に配置した。
【0069】
反射型光学シート22では、光は、拡散部分30から光学シート22に入射し、拡散部分30及びベースシート部分28を通って反射ミラー60で反射し、再度ベースシート部分28及び拡散部分30を通って拡散部分30から出射する。光は最終的にベースシート部分28及び拡散部分30を通って拡散部分30から出射するので、反射型光学シート22の作用は上記した透過型光学シート22と同様である。
【0070】
しかし、反射型光学シート22では、角度のついた多くの光の成分が突起34に入射する。反射型光学シート22では、突起34に入射した光は散乱されながら突起34及びベースシート部分28を通って反射ミラー60に到達しなければならない。そのため、突起34の散乱能が高いほどよいとは言えない。突起34は、光が反射ミラー60に到達できるように散乱能が低く、かつ反射ミラー60で反射された光は上記した指向性を提供できるような散乱能を有することが必要である。そのためには、散乱能力の小さなビーズを使用して光が透過しやすくし、反射した光が所定の散乱の効果を上げるように長い距離を進むようにするのが好ましい。従って、透過型の光学シート22と比べて、反射型の光学シート22では高い突起34とするのが好ましい。なお、反射ミラー60は鏡面反射ミラーでも、散乱反射ミラーでもよい。反射ミラー60はPET基板38にAl、Ag等を蒸着して形成してもよい。また、PET基板38を省略して、反射ミラー(シート)60の上にベースシート部分28を形成してもよい。
【0071】
表3は、反射型の光学シート22について、突起34の高さとピッチの比(H/P)、屈折率差Δn、及び散乱材32の密度をパラメータとして、輝度ゲインを求めたシミュレーション結果を示す。
【0072】
【表3】
Figure 0004597390
【0073】
表3から、突起34の高さと突起34のピッチの比(H/P)は1.1以上であるのが好ましく、拡散部分30のベース材料の屈折率(n0)と散乱材32の屈折率(n1)との屈折率差Δn(Δnは(n0−n1)の絶対値)は0.1以下であるのが好ましく、拡散部分30中の散乱材32の密度は50コ/ピッチ以上であるのが好ましいことが分かった。散乱材32の大きさが変わったら、これと同等の散乱能をもつようにそれぞれのファクターの値を選択することができる。
【0074】
図27は反射型光学シートを導光板の下側に配置した液晶表示装置の例を示す図である。導光板16は液晶パネル14の下側に配置され、ランプとリフレクタとからなる光源18が導光板16の両サイドに配置される。反射型の光学シート22は導光板16の下側(液晶パネル14の反対側)に配置され、導光板16の下面には散乱ドット24が形成されている。散乱性の光が導光板16から散乱ドット24を介して反射型の光学シート22に入射し、反射型の光学シート22で反射した指向性の光が導光板16を通って液晶パネル14に入射するようになっている。導光板16と液晶パネル14との間には従来のように光学シートを配置する必要はない。ただし、導光板16と液晶パネル14との間に、散乱シート又は透過型の光学シートをさらに配置することもできる。
【0075】
図28は図27の液晶表示装置の変形例を示す図である。この例では、図27の散乱ドット24が形成された導光板16の代わりに、突起24aが形成された導光板16が使用されている。突起24aは導光板16の成形時に同時に形成される。図28(B)は突起24aの1つを拡大して示す図である。突起24aは側面24bを有し、側面24bは導光板16の下面に対して傾斜している。側面24bの傾斜角度を適切に設定することにより、導光板16の内部を全反射して伝播してくる光の一部を反射型の光学シート22に向かって出射させることができる。
【0076】
側面24bの傾斜角度は10度以下であるのが好ましく、望ましくは5度以下とするのがよい。側面24bの傾斜角度をこのように定めることにより、光を効率よく導光板16から突起24aを介して反射型の光学シート22に向かって出射させることができる。一方、図27の散乱ドット24が形成された導光板16の場合には、散乱ドット24において後方散乱する光の成分が生じ、後方散乱する光の成分が所定の角度範囲外の角度で導光板16から出射するので損失となることがある。
【0077】
図29は図28の導光板16の変形例を示す図である。図29(A)は、突起24aの高さが異なっている導光板16を示す。図29(B)は、突起24aのピッチが異なっている導光板16を示す。このように、反射型の光学シート22への出射手段としての導光板16の突起24aは一定の形状及びピッチとする必要はなく、突起24aの形状及び/又はピッチに変化をつけることで、配光特性に変化をつけることができる。
【0078】
図30は図26の反射型光学シート22の応用例を示す図である。この例は直下型バックライト62の例を示す。直下型バックライト62は、液晶パネル14の直下に配置され、一平面内に配置された複数のランプ56と、リフレクタ58とを含む。光学シート22はランプ56に関して液晶パネル14の反対側に配置されている。直下型バックライト62では、ランプ56の近くの位置と、ランプ56から遠い位置とでは、光の分布が異なる。従って、そのような光が液晶パネル14に入射すると、液晶パネル14で輝度むらが生じる。上記したように、光学シート22は、ベースシート部分28と拡散部分30とを備えていて、指向性のある光が液晶パネル14に入射することになり、液晶パネル14で輝度むらが生じない。
【0079】
図31は図26の反射型光学シート22の応用例を示す図である。この例では、反射型光学シート22が透明な樹脂層64を介して導光板16に光学的に密着せしめられている。透明な樹脂層64は反射型光学シート22のベース材料であるアクリル樹脂と同じ屈折率1.5のアクリル樹脂とした。さらに、導光板16は光源18の近くでは大きく中央にいくほど小さくなるように面積の異なる銀の反射膜66を有する。従って、導光板16内部を伝播する光のうちで反射膜66で反射した光は導光板16内部を進み続け、反射膜66の間を通って透明な樹脂層64に入射した光が反射型光学シート22に入射する。この例では、導光板16中の光量の多い光源近くでは入射する光の割合を少なくし、導光板16中の光量の少ない中央部では入射する光の割合を多くするように、反射膜66で光の透過量を調節し、調節された光が反射型光学シート22に入射し、反射型光学シート22の上記したとの同様な作用を受ける。反射型光学シート22は導光板16と一体化されているので、組立工数を低減することができ、不良率の低減を図ることができる。
【0080】
図32は図26の反射型光学シート22の応用例を示す図である。この例では、反射型光学シート22のベース材料であるアクリル樹脂と同じ透明な樹脂層65が反射型光学シート22の突起34上に塗布され(光学的に密着され)、平坦になった状態で硬化されている。透明な樹脂層65は透明な樹脂(光学接着剤)68により導光板16に接着されている。接着剤68は光源18の近くでは小さく中央にいくほど大きくなるように面積の異なるドットとして形成されており、入射量が調節された光が反射型光学シート22に入射する。光は反射型光学シート22の上記したとの同様な作用を受ける。
【0081】
図33は光学シートの例を示す図である。図33(A)は図2の光学シート22と同様の光学シート22を示す図である。すなわち、光学シート22は、散乱材26を含むベースシート部分28と、ベースシート部分28と一体的に接合された拡散部分30とを備え、拡散部分30は、散乱材32を含む複数の突起34と隣接する突起34の間に形成される谷部分36とを有する。
【0082】
図33(B)においては、光学シート22は、透明なベースシート部分28Aと、ベースシート部分28Bと一体的に接合された拡散部分30とを備え、拡散部分30は、散乱材32を含む複数の突起34と隣接する突起34の間に形成される谷部分36とを有する。例えば、光学シート22への入射光が図7の曲線Aで示されるものよりも散乱性のよい散乱光である場合には、散乱材26を含むベースシート部分28の代わりに透明なベースシート部分28Aとすることができる。
【0083】
本発明においては、光の指向性を高くするために拡散部分30の構成が重要であって、散乱材26を含むベースシート部分28は必ずしも拡散部分30と一体的に接合されている必要はない。散乱材26を含むベースシート部分28の散乱作用が必要な場合には、ベースシート部分28と拡散部分30とを一体的に接合していなくても、別に形成した散乱シートと拡散部分30とを重ねて使用すればよい。
【0084】
図33(C)においては、光学シート22は、間隔をあけて配置され且つ散乱材32を含む複数の突起34と隣接する突起34の間に形成される谷部分36とを有する拡散部分30を備えたものである。すなわち、この光学シート22は、図33(A)のベースシート部分28または図33(B)のベースシート部分28Aを含まない。拡散部分30は他のあらゆる支持構造90に支持されることができる。
【0085】
図33(D)においては、光学シート22は、透明なベースシート部分28Aと、ベースシート部分28Aと一体的に接合された拡散部分30とを備え、拡散部分30は、散乱材32を含む複数の突起34と隣接する突起34の間に形成される谷部分36とを有する。突起34は図2(C)の場合と同様に複数の微小な散乱材32の塊からなる。つまり、散乱材32はバインダによって互いに密着しているが、樹脂等の母材に分散しているのではない。
【0086】
図34は光学シートの例を示す図である。図34(A)に示す光学シート22Aは図33(A)の光学シート22に、さらに透明な材料の層92が拡散部分30の一方の側に谷部分36を実質的に埋めるように設けられる。すなわち、光学シート22Aは、散乱材26を含むベースシート部分28と、ベースシート部分28と一体的に接合され且つ散乱材32を含む複数の突起34と隣接する突起34の間に形成される谷部分36とを有する拡散部分30と、谷部分36を実質的に埋める透明な材料の層92とを備える。図34(A)においては、透明な材料の層92は突起34の先端と同じ高さで形成されているが、透明な材料の層92の厚さを突起34の高さよりも大きくし、透明な材料の層92が突起34の先端を完全に覆うようにしてもよい。透明な材料の層92は、図31及び図32の透明な樹脂層64、65と類似している。透明な材料の層92を設けることによって、突起34が透明な材料の層92によって埋められ、上下面が平坦な光学シート22Aを得ることができる。
【0087】
突起34はベース材料である樹脂に散乱材32を分散させてなるものであり、透明な材料の層92は樹脂からなる。ここで、突起34のベース材料の屈折率を(n0)とし、透明な材料の層92の屈折率を(n2)とすると、n0=n2となるように材料を選択することができる。こうすれば、突起34と透明な材料の層92との間の界面において全反射が生じなくなり、散乱光が突起34から透明な材料の層92に出射しやすくなる。さらに、n0<n2となるように材料を選択することができる。こうすれば、透明な材料の層92から突起34へ向かう光のうちで法線方向Nに対して比較的に小さな角度をなすものが、突起34の表面で全反射する確率が増え、指向性が高くなる。
【0088】
図34(B)に示す光学シート22Aは、散乱材26を含むベースシート部分28が透明なベースシート部分28Aと変わっている点を除くと、図34(A)に示す光学シート22Aと同様である。この光学シート22Aの作用は図34(A)に示す光学シート22Aの作用と同様である。
図34(C)に示す光学シート22Aは、間隔をあけて配置され且つ散乱材32を含む複数の突起34と隣接する突起34の間に形成される谷部分36とを有する拡散部分30と、谷部分36を実質的に埋める透明な材料の層92とを備えたものである。この光学シート22Aでは、透明な材料の層92が突起34の支持構造となる。従って、この光学シート22Aは、図33(C)と同様にベースシート部分28または28Aを省略することができる。この光学シート22Aの作用は図34(A)に示す光学シート22Aの作用と同様である。
【0089】
図34(D)に示す光学シート22Aは、突起34が複数の微小な散乱材32の塊からなる点を除くと図34(C)の光学シート22Aと同様である。
図34(E)に示す光学シート22Aは、突起34の形状が傾斜した側面をもつ点を除くと図34(C)又は図34(D)の光学シート22Aと同様である。こうすれば、n0<n2となるように材料を選択した場合に、矢印Gで示されるように、突起34の表面で全反射する光の全反射する度に法線方向Nに対する角度が小さくなり、指向性が高くなる。
【0090】
図35は光学シートの例を示す図である。図35(A)に示す光学シート22Bは、間隔をあけて配置され且つ一方の側に向いた複数の突起34B及び突起34Bの間に位置する谷部分36を有する拡散部分30を備え、突起34Bの表面には散乱性を有する層94が設けられている。散乱性を有する層94は散乱材32Aを含む。突起34Bは透明なベースシート部分28Bと一体的に設けられている。この例の突起34Bはこれまで説明した突起34の散乱材32のように散乱材を含むものではないが、突起34B及び突起34Bの表面に設けられた散乱性を有する層94が、これまで説明した例の散乱材32を含む突起34と同様の作用を行う。
【0091】
図35(B)に示す光学シート22Bは、散乱性を有する層94が突起34B及び谷部分36の全表面を覆って設けられている。この光学シート22Bの作用は図35(A)に示す光学シート22Bの作用と同様である。図35(A)及び図35(B)の光学シート22Bは、突起34B及び谷部分36を有する拡散部分30を散乱材を含まない樹脂等で成形し、突起34Bの上に散乱性を有する層94を塗布したり、散乱シートを貼り合わせたりして製造できるので、製造が容易である。
【0092】
図35(C)に示す光学シート22Bは、図35(B)に示す光学シート22Bの谷部分36を埋める透明な材料の層92が設けられているものである。この光学シート22Bは、図35(B)に示す光学シート22Bと同様な作用を行うとともに、図34を参照して説明した透明な材料の層92の特徴をもつものである。
【0093】
図35(D)に示す光学シート22Bは、図33(C)に示す光学シート22の突起34と同様にベースシート部分28なしに形成された突起34Bの上に散乱性を有する層94が設けられているものである。この光学シート22Bは、図35(B)に示す光学シート22Bと同様な作用を行う。
図35(E)に示す光学シート22Bは、散乱材32なしに形成された突起34Bの上に散乱性を有する層94が設けられているものである。散乱性を有する層94は散乱材32Aを含み、この散乱材32Aは図33(A)の突起34の散乱材32と同様に、複数の互いに密着した微小な散乱材の塊からなる。
【0094】
図36はメッシュを用いてを製造した光学シート22の例を示す図である。光学シート22の製造においては、アクリル基板38の上にベースシート部分28を形成し、メッシュ40(メッシュ300番)を使用してベースシート部分28の上に拡散部分30を形成している。この場合、ベースシート部分28の上にメッシュ40を配置した状態でインク42を塗布し、インク42が乾燥硬化した後でも、メッシュ40はベースシート部分28の上に残される。インク42はアクリルを主成分とする透明なインクであって、散乱材32として数μm径のビーズを含む。メッシュ40のフィラメントは散乱材を含まない。インク42は、メッシュ40の屈折率とは異なる屈折率を有する材料を用いる。メッシュ40のフィラメントの間に位置するインク42の部分が図4の突起34と同様に作用し、メッシュ40のフィラメントは図34(A)の透明な材料の層92と同様に作用する。
【0095】
なお、図36の光学シート22の変形例として、インク42は散乱材32を含まず、メッシュ40のフィラメントが散乱材32を含むようにすることができる。この場合には、メッシュ40のフィラメントが突起34として作用し、メッシュ40のフィラメントの間に位置するインク42の部分が図34(A)の透明な材料の層92と同様に作用する。
【0096】
図36の例において、メッシュ40のフィラメントの線幅とメッシュ40の厚さの関係は、開口幅/(線幅+開口幅)≧10パーセントで、かつ、メッシュ40の厚さ/(線幅+開口幅)≧40パーセントであるのが好ましい。図37は光学シート22の他の実施例を示す図である。この光学シート22は、散乱材32(図4参照)を含む突起34及び谷部分36を有する拡散部分30を備えている。光学シート22の製造プロセスが図37(A)、(B)に示されている。図37(A)において、突起34を有する拡散部分30の上にインク42Aを塗布する。インク42Aは、分散母材に散乱材42Bを含有させてなる。散乱材42Bは突起34の散乱材32と同じものである。分散母材は接着力のあるバインダと溶剤とからなり、バインダの量は散乱材32Aを互いに固着させることができる程度にかなり少ない。散乱材42Bは溶剤よりも重いので突起34及び谷部分36の表面に沿って分布している。
【0097】
図37(B)において、塗布されたインク42Aが拡散部分30の下側にくるように光学シート22を逆さまにして、溶剤を蒸発させる。谷部分36に位置していた散乱材42Bは谷部分36の表面に沿って動き、突起34の下方へ移動する。溶剤が蒸発するにつれて、インク42Aの表面は拡散部分30の表面に近づいてくる。その結果、散乱材42Bは突起34の下で塊になる。こうして、散乱材32を有する突起34の高さが高くなったのと同様の効果が得られる。
【0098】
図38は光学シートの他の実施例を示す図である。これまで説明した例の光学シート22、22Aは、突起34が散乱材32を含む、あるいはあるいは散乱性を有する層94が突起34Bに設けられているものであった。散乱材32、32Aは突起34、34Bの屈折率を非一様にして、光を散乱させるものである。従って、散乱材32、32Aを含む突起34、34Bは屈折率が非一様な部分と表現することができる。さらに、屈折率が非一様な部分という場合には、必ずしも散乱材32、32Aを含むものである必要はない。
【0099】
図38(A)に示す光学シート22Bは、間隔をあけてあるいは周期的に配置された複数の屈折率が非一様な部分34Cと、この屈折率が非一様な部分34Cの間に位置する屈折率が一様な部分96とを有する拡散部分30を備えている。屈折率が非一様な部分34Cは前の実施例の突起34、34Bと同様な配置とされることができ、部分34C内の屈折率は非一様であるので、屈折率が非一様な部分34Cは前の実施例の散乱材32、32Aを含む突起34、34Bと同様の作用を行う。従って、図38(A)に示す光学シートBの作用は前に説明した光学シート22、22Aの作用と同様である。透明シート98A、98Bが光学シート22Bの上下に配置されている。
【0100】
図38(B)は、図38(A)の光学シートBの製造の一例を示す図である。透明なUV硬化樹脂96Aを透明シート98A、98Bで挟み込み、マスク100を用いてUV光を照射する。UV硬化樹脂96AはUV光の照射によって硬化されるが、マスク100の開口部の位置において強く照射された部分34Cでは屈折率が非一様になり、その他の部分では屈折率が一様になる。
【0101】
図38(C)は、図38(A)の光学シートBの製造の他の例を示す図である。透明なUV硬化樹脂96Aを透明シート98A、98Bで挟み込み、針状の突起102Aを持った板102で透明シート98Bを押してUV硬化樹脂96Aに応力をかけながら、透明シート98A側からUV光を照射する。UV硬化樹脂96AはUV光の照射によって硬化されるが、応力をかけて照射された部分34Cでは屈折率が非一様になり、その他の部分では屈折率が一様になる。
【0102】
図39は光学シートの他の実施例を示す図である。図40は図39の光学シートの部分拡大断面図である。光学シート22Cは、間隔をあけて配置された複数の散乱性を有する壁部材104及び壁部材104の間に形成される開口部106を有する拡散部分30を備える。散乱性を有する壁部材104は散乱材32を含む。2つの壁部材104は互いに平行に垂直に延び且つ互いに同じ高さを有し、各開口部106は2つの壁部材104の間に貫通して形成されている。図39においては、拡散部分30はハニカム構造に形成され、各開口部106は4つの壁部材104(2組の対向する壁部材104)の間に形成されている。この光学シート22Cは、それに限定されるものではないが、例えば導光板16の上に置いて使用されるのに適したものである。
【0103】
各壁部材104は対向する第1の側面104a及び第2の側面104bを有し、壁部材104は光が実質的に第1の側面104a及び第2の側面104bにおいて散乱反射するように形成されている。図40においては、導光板16から出射した光dは図4を参照して説明した光aと同様に壁部材104に衝突することなく所定の角度範囲αで光学シート22Cから出射する。導光板16から出射した光eは図4を参照して説明した光bと同様に壁部材104に入射し、壁部材104に入射した光は第1の側面104a及び第2の側面104bにおいて散乱反射する。散乱反射した光の一部は法線方向Nに対して比較的に小さな角度で光学シート22Cから出射し、残りの光は法線方向Nに対して比較的に大きな角度で他の壁部材104に入射し、さらに散乱反射されて、出射と散乱反射を繰り返す。このようにして、光学シート22Cから出射する光は法線方向Nに強い指向性を与えられる。
【0104】
法線方向Nに対して比較的に大きな角度をなす光が壁部材104を横切って透過すると、指向性の効果が低いので、壁部材104は光が壁部材104を横切って実質的に透過しないようにするのがよい。このために、壁部材104の散乱材32はできるだけ高い密度で配置され、光が実質的に第1の側面104a及び第2の側面104bにおいて後方散乱するようにするのが好ましい。また、壁部材104の中心に光を透過させない部材や光を反射させる芯部材を配置し、芯部材の両側に散乱材32を配置するとよい。
【0105】
図41は図39の光学シートの変形例を示す図である。光学シート22Cは、間隔をあけて配置された複数の散乱性を有する壁部材104及び壁部材104の間に形成される開口部106を有する拡散部分30を備える。拡散部分30は、屏風状に折り曲げられた複数の折り曲げシート110を含み、各折り曲げシート110の折り曲げ位置間に位置する各セクションが各壁部材104となっている。折り曲げシート110は互いに平行に配置され、2つの折り曲げシート110の壁部材104間に開口部106が形成される。
【0106】
この光学シート22Cの作用は図39の光学シートの22Cの作用と同様である。図41の光学シート22Cにおいては、対向する2つの壁部材104間の間隔が、X方向とY方向とで異なっているので、出射光の輝度分布に異方性をもたせることができる。なお、これと同様に、前に説明した全ての実施例において、2つの突起34間の間隔をX方向とY方向(又は縦方向と横方向)とで異ならせることができる。また、メイズ構造になっていても、本発明の原理から、同じ効果が得られることは明らかである。
【0107】
図42は図39の光学シートの他の例及びその製造方法を示す図である。図42(A)においては、散乱材32を含む散乱シート112を準備し、エンボスローラ114を使用して散乱シート112を波形シート112Aに成形する。図42(B)においては、平坦な散乱シート112と波形シート112Aとを貼り合わせ、積層体112Bとする。図42(C)においては、さらに多数の積層体112Bを積層し、積層体112Cとする。図42(D)においては、積層体112Cを図42(C)の状態から90度回転し、厚さHの寸法で紙面に垂直な平面に沿って切断し、光学シート22Cとする。厚さHは、図39の状態で見た光学シート22Cの高さに相当する。図42(D)の光学シート22Cを矢印Kの方向から見ると、図42(C)のように見える。光学シート22Cが壁部材104と開口部106とを有する。
【0108】
図43はバックライト(照明装置)を示す断面図である。図43において、バックライト70は導光板(光学部材)72を備える。図43は薄い導光板72を含むバックライトの例を示し、導光板72が薄くても多くの光を取り込むことができるようになっている。導光板72は、導光領域74と、光線方向変換領域76とを有する平板状の本体からなる。導光領域74と光線方向変換領域76とは光学的に連続的に形成されている。導光領域74は所定波長の光に対して概ね透明な領域であり、光線方向変換領域74は屈折率が不均一な領域である。光線方向変換領域74は平板状の本体に対して非平行な第1の線に沿って間隔をあけて配置された複数の屈折率が非一様な部分と該屈折率が非一様な部分の間に位置する屈折率が一様な部分とを有する。
【0109】
導光領域74は従来の導光板と同様にアクリル等の透明な樹脂で作られる。光線方向変換領域76は、図2から図38を参照して説明した光学シート22と同様の構成を有する。すなわち、光線方向変換領域76は、ベースシート部分28Xと、拡散部分30Xとを有し、拡散部分30Xは散乱材32を含む突起34X(又は屈折率が非一様な部分34C)を有する。図43では、散乱材32は省略されている。突起34Xは平板状の本体に対して平行な第1の線に沿って間隔をあけて配置され、この第1の線に対してある角度傾斜して配置されている。なお、上記した光学シート22の例と同様に、この例からベースシート部分28Xを省略した構成とすることができる。
【0110】
さらに、バックライト70は、冷陰極蛍光管、熱陰極蛍光管等のランプ78Aとリフレクタ78Bとからなる光源78を備える。光源78は導光板72の光線方向変換領域76の上又は近傍に配置されており、リフレクタ78Bは実質的にランプ78A及び光線方向変換領域76を取り囲む。ランプ78Aから出射した光及びリフレクタ78Bで反射した光が光線方向変換領域76に入射する。前の実施例の光学シート22と同様に、散乱材32を含む突起34Xを含む構造では、2つの突起34Xの間の谷部分から出射した光の一部は、隣接する突起34Xに接触することなく出射し、光の他の一部は隣接する突起34Xに入射して散乱される。突起34Xから出射する散乱光の一部は隣接する突起34Xに接触することなく出射し、散乱光の他の一部は隣接する突起34Xに再入射して散乱される。このようにして、光は突起34Xの延びる方向に指向性を有するようになり、光は光線方向変換領域76から導光領域74へと進んでいく。このようにして、光源78は導光板72のサイドに配置される必要はなく、導光板72がかなり薄いものであっても、光は光源78から導光板72へ効率よく取り込まれる。
【0111】
図44はバックライト70の変形例を示す図である。この例では、光源78がLED素子78Aからなる点が図43の例と異なっている。図43及び図44においては、ベースシート部分28Xと拡散部分30Xとがユニットとして形成され、このユニットを光線方向変換領域76において導光板72の表面に光学的に密着することにより製造することができる。あるいは、ベースシート部分28Xと拡散部分30Xと透明な樹脂層(図31の樹脂層64、65参照)がユニットとして形成され、このユニットを導光板72の導光領域74の端部に光学的に密着することにより光線方向変換領域76とする。
【0112】
図45及び図46はバックライト70の変形例を示す図である。この例では、光線方向変換領域76は、散乱材32を含む突起34Xを有する拡散部分30からなり、突起34Xは平板状の本体に垂直な第1の線に沿って間隔をあけて配置され、その第1の線に垂直に配置される。反射ミラー80が導光領域74とは反対側の光線方向変換領域76の端部に配置される。突起34Xは比較的に長く延びる幅の広い層として形成され、隣接する層の間には透明な樹脂の層が入り込んでいる。この例の作用は前の例の作用と同様である。図45の例では光源78がランプ78Aからなる。図46の例は、光源78がLED素子78Aからなる点を除くと図45の例と同様である。
【0113】
図47はバックライト70の変形例を示す図である。この例では、ベースシート部分28Xが光源78に近い側に配置されている点を除くと図43の例と同様である。この例の作用は前の例の作用と同様である。
図48はバックライト70の変形例を示す図である。光源78が導光板72のサイドに配置され、すなわち、光線方向変換領域76のサイドに配置されている。ランプ78Aの出射する光及びリフレクタ78Bで反射した光が光線方向変換領域76のサイド及び上面及び下面に入射するようになっている。この例の作用は前の例の作用と同様である。
【0114】
図43から図48においては、光源78は導光板72の一方の端部側にのみ配置されているが、光源78は導光板72の両方の端部側に配置されるようにすることもできる。また、平板状の本体に載っているリフレクタ78Bの端部をおおって光吸収材を設け、平板状の本体とリフレクタ78Bとの間のギャップからの光の洩れを防止することができる。
【0115】
以上の実施例の説明には、下記の特徴が含まれている。
(付記1)間隔をあけて配置され且つ一方の側に向いた複数の散乱性を有する突起及び該突起の間に位置する谷部分を有する拡散部分を備え、該谷部分から出射した光の一部が該谷部分に隣接する突起に接触することなく進み、該谷部分から出射した光の他の一部が隣接する突起に入射して該突起で散乱され、該突起の内部を通る光が該突起で散乱されて該突起から出射するようにしたことを特徴とする光学シート。
【0116】
(付記2)該突起は基部と先端部分とを有し、該突起の基部に入射した光の光量に対する該突起の先端部分から出射する光の光量の比が30%以下であることを特徴とする請求項1に記載の光学シート。
(付記3)該突起は複数の微小な散乱材を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光学シート。
【0117】
(付記4)ベースシート層が該拡散部分の前記一方の側とは反対側に設けられ、該ベースシート層が複数の微小な散乱材を含み、該ベースシート層の散乱材は該突起の散乱材と実質的に同じ材料のものであり且つ実質的に同じ密度で分布していることを特徴とする請求項3に記載の光学シート。
(付記5)間隔をあけて配置され且つ一方の側に向いた複数の突起及び該突起の間に位置する谷部分を有する拡散部分を備え、該突起の表面には散乱性を有する層が設けられていることを特徴とする光学シート。
【0118】
(付記6)該散乱性を有する層は複数の微小な散乱材を含むことを特徴とする請求項5に記載の光学シート。
(付記7)ベースシート層が該拡散部分の前記一方の側とは反対側に設けられることを特徴とする請求項1又は5に記載の光学シート。
(付記8)ベースシート層は複数の微小な散乱材を含むことを特徴とする請求項7に記載の光学シート。
【0119】
(付記9)間隔をあけて配置され且つ一方の側に向いた複数の散乱性を有する突起及び該突起の間に位置する谷部分を有する拡散部分を備え、該突起の各々は集合した複数の微小な散乱材の塊からなることを特徴とする光学シート。
(付記10)間隔をあけて配置された複数の屈折率が非一様な部分と該屈折率が非一様な部分の間に位置する屈折率が一様な部分とを有する拡散部分を備えたことを特徴とする光学シート。
【0120】
(付記11)間隔をあけて配置された複数の散乱性を有する壁部材及び該壁部材の間に形成される開口部を有する拡散部分を備え、該壁部材は対向する第1の側面及び第2の側面を有し、該壁部材は光が実質的に該第1の側面及び該第2の側面において散乱反射するように形成されていることを特徴とする光学シート。
(付記12)間隔をあけて配置され且つ一方の側に向いた複数の散乱性を有する突起及び該突起の間に位置する谷部分を有する拡散部分と、該拡散部分の前記一方の側とは反対側に設けられる反射ミラーとを備えた光学シート。
【0121】
(付記13)ベースシート層が該拡散部分と該反射ミラーとの間に設けられることを特徴とする請求項12に記載の光学シート。
(付記14)透明な材料の層が該拡散部分の前記一方の側に該谷部分を実質的に埋めるように設けられることを特徴とする請求項1,5,8,12に記載の光学シート。
【0122】
(付記15)複数の屈折率が非一様な部分と該屈折率が非一様な部分の間に位置する屈折率が一様な部分とを有する拡散部分を備え、前記拡散部分はフィラメントを含むメッシュと、樹脂を含むインクとからなり、該メッシュは該インク内に埋設されていることを特徴とする光学シート。
(付記16)光源と、該光源の光が入射される導光板と、該導光板の一方の側に配置され、請求項1から15のいずれかに記載の光学シートとからなる照明装置。
【0123】
(付記17)光源と、該光源の光が入射される導光板と、該導光板の一方の側に配置され、請求項1から15のいずれかに記載の光学シートと、液晶パネルとからなる液晶表示装置。
(付記18)間隔をあけて配置され且つ一方の側に向いた複数の散乱性を有する突起及び該突起の間に位置する谷部分を有する拡散部分を備えた光学シートの製造方法であって、
交差する線状部材を含むメッシュを用いてインクをスクリーン印刷し、突起及び該突起の間に位置する谷部分を有する拡散部分を形成する工程を含む光学シートの製造方法。
【0124】
(付記19)該スクリーン印刷工程は、(a)インクを支持面上に塗布し、該メッシュを塗布されたインクにあてがう工程、および(b)該メッシュを支持面上に載せ、該メッシュの上からインクを塗布する工程の一方からなることを特徴とする請求項18に記載の光学シートの製造方法。
(付記20)該メッシュを用いてインクをスクリーン印刷する工程の後で、(a)該メッシュを該インクから除去する工程、および(b)該メッシュを該インクの中に埋め込んだままにする工程の一方を含むことを特徴とする請求項19に記載の光学シートの製造方法。
【0125】
(付記21)該スクリーン印刷工程の前に、散乱材を含むベースシート部分を形成する工程を含み、該スクリーン印刷工程は該ベースシート部分の上にインクを塗布する工程を含むことを特徴とする請求項19に記載の光学シートの製造方法。
(付記22)光線方向変換領域と、該光線方向変換領域に連続する導光領域とを備えた板状の本体からなり、該光線方向変換領域は間隔をあけて配置された複数の屈折率が非一様な部分と該屈折率が非一様な部分の間に位置する屈折率が一様な部分とを有し、該導光領域は概ね透明な領域である光学部材。
【0126】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、輝度が法線方向で高くかつ法線方向から角度が大きくなるにつれて漸減する適切な輝度分布を備え且つ製造コストの低い光学シート及び照明装置を得ることができる。さらに、本発明によれば、薄い導光板でも多くの光を取り込むことのできる光学部材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係わる光学シート及び照明装置を含む液晶表示装置を示す図である。
【図2】図1の光学シートの例を示す断面図である。
【図3】光学シートの突起の配置の例を示す平面図である。
【図4】光学シートの構成及び作用を説明する図である。
【図5】光学シートの突起及び谷部分を説明する図である。
【図6】光学シートから出射する光の輝度分布を示す図である。
【図7】光学シートの突起から出射する光の輝度分布を示す図である。
【図8】プリズムシートを示す図である。
【図9】本発明の他の実施例の光学シートを示す図である。
【図10】図9の光学シートの出射光の輝度ゲインを示す図である。
【図11】図9の光学シートの作用を説明する図である。
【図12】図9の光学シートの作用を説明する図であり、突起の側面及び谷部分のいくつかの点から隣接する突起に接触することなく出射する光を示す図である。
【図13】メッシュを用いたスクリーン印刷で光学シートを製造する例を示す図である。
【図14】図13で使用するメッシュの例を示す図である。
【図15】メッシュを用いて光学シートを製造する他の例を示す図である。
【図16】メッシュを用いて光学シートを製造する他の例を示す図である。
【図17】図16の方法で製造された光学シートの輝度分布を示す図である。
【図18】メッシュを用いて光学シートを製造する他の例を示す図である。
【図19】マスクを用いて光学シートを製造する場合のマスクの例を示す図である。
【図20】マスクの他の例を示す図である。
【図21】図19の方法で形成された突起を示す図である。
【図22】彫刻ロールを用いて光学シートを製造する例を示す図である。
【図23】図9の光学シートの応用例を示す図である。
【図24】図9の光学シートの応用例を示す図である。
【図25】図9の光学シートの応用例を示す図である。
【図26】反射型光学シートとして使用する例を示す図である。
【図27】反射型光学シートを導光板の下側に配置した液晶表示装置の例を示す図である。
【図28】図27の液晶表示装置の変形例を示す図である。
【図29】図28の導光板の変形例を示す図である。
【図30】図26の反射型光学シートの応用例を示す図である。
【図31】図26の反射型光学シートの応用例を示す図である。
【図32】図26の反射型光学シートの応用例を示す図である。
【図33】光学シートの例を示す図である。
【図34】光学シートの例を示す図である。
【図35】光学シートの例を示す図である。
【図36】メッシュを用いて製造した光学シートの例を示す図である。
【図37】光学シートの他の実施例を示す図である。
【図38】光学シートの他の実施例を示す図である。
【図39】光学シートの他の実施例を示す図である。
【図40】図39の光学シートの部分拡大断面図である。
【図41】図39の光学シートの他の例を示す図である。
【図42】図39の光学シートの他の例を示す図である。
【図43】 ックライトを示す断面図である。
【図44】図33のバックライトの変形例を示す図である。
【図45】図33のバックライトの変形例を示す図である。
【図46】図43のバックライトの変形例を示す図である。
【図47】図43のバックライトの変形例を示す図である。
【図48】図43のバックライトの変形例を示す図である。
【符号の説明】
10…液晶表示装置
12…バックライト
14…液晶パネル
16…導光板
18…ランプ
20…反射板
22…光学シート
24…散乱ドット
26…散乱材
28…ベースシート部分
30…拡散部分
32…散乱材
34…突起
34C…屈折率が非一様な部分
36…谷部分
40…メッシュ
42…インク
46…マスク
48…金属型ロール
54…直下型バックライト
62…バックライト
64…反射膜
70…バックライト
72…導光板
74…導光領域
76…光線方向変換領域
92…透明な材料の層
94…散乱性を有する層
96…屈折率が一様な部分

Claims (7)

  1. 間隔をあけて配置され且つ一方の側に向き、且つ散乱材を含む複数の突起及び該突起の間に位置する谷部分を有する拡散部分を備え、
    前記突起の高さとピッチとの比は0.3以上、1.5以下であり、
    前記拡散部分を構成する樹脂の屈折率と前記散乱材の屈折率との屈折率差は0.05以上、1.0以下であり、
    前記拡散部分中の散乱材の密度は1.56体積パーセント以上、42.2体積パーセント以下であり、
    透明な材料の層が前記拡散部分の前記一方の側に前記谷部分を実質的に埋めるように設けられ、
    前記透明な材料の層の屈折率は、前記拡散部分を構成する樹脂の屈折率以上であることを特徴とする光学シート。
  2. 間隔をあけて配置され且つ一方の側に向き、且つ散乱材を含む複数の突起及び該突起の間に位置する谷部分を有する拡散部分を備えた光学シートを、光源の光が入射される導光板の一方の側に一体的に配置する場合においては、
    前記突起の高さとピッチとの比は1.0以上、1.5以下であり、
    前記拡散部分を構成する樹脂の屈折率と前記散乱材の屈折率との屈折率差は0.05以上、1.0以下であり、
    前記拡散部分中の散乱材の密度は12.5体積パーセント以上、42.2体積パーセント以下であり、
    透明な材料の層が前記拡散部分の前記一方の側に前記谷部分を実質的に埋めるように設けられ、
    前記透明な材料の層の屈折率は、前記拡散部分を構成する樹脂の屈折率以上であることを特徴とする光学シート。
  3. 間隔をあけて配置され且つ一方の側に向き、且つ散乱材を含む複数の突起及び該突起の間に位置する谷部分を有する拡散部分を備えた光学シートに対して、前記拡散部分を通ってきた光を反射する反射ミラーを前記一方の側とは反対側に設ける場合においては、
    前記突起の高さとピッチとの比は1.1以上、11.5以下であり、
    前記拡散部分を構成する樹脂の屈折率と前記散乱材の屈折率との屈折率差は0.05以上、0.1以下であり、
    前記拡散部分中の散乱材の密度は1.56体積パーセント以上、42.2体積パーセント以下であり、
    透明な材料の層が前記拡散部分の前記一方の側に前記谷部分を実質的に埋めるように設けられ、
    前記透明な材料の層の屈折率は、前記拡散部分を構成する樹脂の屈折率以上であることを特徴とする光学シート。
  4. ベースシート層が前記拡散部分の前記一方の側とは反対側に設けられることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の光学シート。
  5. 前記拡散部分の前記一方の側とは反対側に設けられたベースシート層が該拡散部分と前記反射ミラーとの間に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の光学シート。
  6. 光源と、該光源の光が入射される導光板と、該導光板の一方の側に配置された請求項1からのいずれかに記載の光学シートとからなる照明装置。
  7. 光源と、該光源の光が入射される導光板と、該導光板の一方の側に配置された請求項1からのいずれかに記載の光学シートと、液晶パネルとからなる液晶表示装置。
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