JP2795506B2 - ポリオレフィン樹脂組成物 - Google Patents

ポリオレフィン樹脂組成物

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JP2795506B2
JP2795506B2 JP691390A JP691390A JP2795506B2 JP 2795506 B2 JP2795506 B2 JP 2795506B2 JP 691390 A JP691390 A JP 691390A JP 691390 A JP691390 A JP 691390A JP 2795506 B2 JP2795506 B2 JP 2795506B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、ポリオレフィン樹脂と、環状オレフィン系
樹脂とを含むポリオレフィン樹脂組成物に関し、さらに
詳しくは、耐熱性、耐傷性に優れ、かつ成形収縮率の小
さいポリオレフィン樹脂組成物に関する。
発明の技術的背景 ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポ
リ4−メチル−1−ペンテン等に代表される結晶性ポリ
オレフィン樹脂は、常温では充分な強度を有するととも
に、耐薬品性、電気絶縁性、耐候性等に優れており、吸
水率も低く、広汎な用途に使用されている。
しかし、結晶性であるため、成形収縮率が大きく、融
点が高い場合でもガラス転移温度が比較的低いため、高
荷重下での熱変形温度が低いという欠点がある。また、
用途によっては耐傷性が充分でなく、その改良要求もあ
る。
ところで、環内にエチレン性二重結合を有する環状オ
レフィンは、重合性を有しており、たとえばエチレンと
共重合して環状オレフィン・エチレン共重合体が得られ
ることが知られている(特開昭60−168708号公報、特開
昭63−243111号公報、特開昭63−305111号公報、特開昭
63−223013号公報、特開平1−185307号公報参照)。
このような環状オレフィン系樹脂は、光学用材料とし
て必要な透明性、耐水性および熱的特性を有している
が、本発明者がさらに研究を重ねた結果、このような環
状オレフィン系樹脂とポリオレフィン樹脂とを配合する
ことにより、種々の用途に使用可能なさらに優れた特性
を有するポリオレフィン樹脂組成物を得ることができる
との知見を得た。
発明の目的 本発明は、結晶性ポリオレフィン樹脂の優れた特性を
維持したまま、耐熱性、耐傷性、耐薬品性に優れ、かつ
成形収縮率の低いポリオレフィン樹脂組成物を提供する
ことを目的としている。
発明の概要 本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物は、 [A]結晶性ポリオレフィン樹脂と、 [B]エチレンと、少なくとも下記の式[I]〜[IV]
から選ばれる構造式のひとつで表される環状オレフィン
との共重合体であり、135℃のデカリン中で測定した極
限粘度[η]が0.05〜10dl/g、軟化温度(TMA)が70℃
以上である環状オレフィン系ランダム共重合体とを含
み、 結晶性ポリオレフィン樹脂[A]と環状オレフィン系
ランダム共重合体[B]との組成比が、[A]/[B]
(重量比)で98/2〜2/98であることを特徴としている。
(式[I]中、lは0または正の整数であって、 R1〜R18は、それぞれ同一であっても異なっていても
よく、水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりな
る群から選ばれる原子もしくは基であり、 R15〜R18は、互いに結合して単環または多環を形成し
ていてもよく、かつ該単環または多環が二重結合を有し
ていてもよく、 また、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデ
ン基を形成していてもよい)。
(式[II]中、mは0または正の整数であって、 R1〜R10は、それぞれ同一であっても異なっていても
よく、水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりな
る群から選ばれる原子もしくは基であり、 R9とR10とでアルキリデン基を形成していてもよ
い)。
(式[III]中、nは0または正の整数であって、 R1〜R12は、それぞれ同一であっても異なっていても
よく、水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりな
る群から選ばれる原子もしくは基であり、 R11とR12とでアルキリデン基を形成していてもよ
い)。
(式[IV]中、pは0または1以上の整数であり、qお
よびrは、0、1または2であり、R1〜R15はそれぞれ
独立に水素原子、ハロゲン原子、脂肪族炭化水素基、芳
香族炭化水素基、およびアルコキシ基よりなる群から原
子もしくは基を表し、R5(またはR6)とR9(またはR7
とは、炭素数1〜3のアルキレン基を介して結合してい
てもよく、また何の基も介さずに直接結合していてもよ
い。) 本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物は、結晶性ポ
リオレフィン樹脂[A]と、特定の環状オレフィン系ラ
ンダム共重合体[B]とからなるため、耐熱性、耐傷
性、耐薬品性に優れ、かつ成形収縮率が低いといった特
性を有するようになる。
発明の具体的な説明 次に本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物について
具体的に説明する。
本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物は、 結晶性ポリオレフィン樹脂[A]と、 エチレンと、上記の式[I]〜[IV]から選ばれる構
造式のひとつで表される特定の環状オレフィンとの共重
合体である環状オレフィン系ランダム共重合体[B]と
を含むことを特徴としている。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物を構成する結晶性
ポリオレフィン樹脂[A]は、少なくとも 一般式 CH2=CHR (式中、RはHまたは炭素数1〜20のアルキル基であ
る。) で表されるα−オレフィンを1成分とする重合体であっ
て、結晶性を有するものであり、具体的にはポリエチレ
ン、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・3−メ
チル−1−ブテン共重合体、エチレン・4−メチル−1
−ペンテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合
体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリ
ル酸共重合体およびその金属塩、ポリプロピレン、プロ
ピレン、エチレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共
重合体、ポリ1−ブテン、1−ブテン・エチレン共重合
体、1−ブテン・プロピレン共重合体、1−ブテン・4
−メチル−1−ペンテン共重合体、ポリ4−メチル−1
−ペンテン、ポリ3−メチル−1−ブテンなどが挙げら
れ、また、これらは単独であるいは組み合わせて使用す
ることもできる。
上記結晶性ポリオレフィン樹脂[A]のX線回折法に
よって測定した結晶化度は、5%以上、好ましくは、10
%以上であることが望ましい。
また上記結晶性ポリオレフィン樹脂[A]の135℃の
デカリン中で測定した極限粘度[η]は0.05〜10dl/g、
好ましくは0.1〜5dl/gの範囲である。
また上記結晶性ポリオレフィン樹脂[A]のサーモ・
メカニカル・アナライザーで測定した軟化温度(TMA)
は70℃以上、好ましくは90〜250℃の範囲にあることが
望ましい。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物を構成する環状オ
レフィン系ランダム共重合体[B]は、エチレンから導
かれる構成単位(a)および特定の環状オレフィンから
導かれる構成単位(b)から構成される環状オレフィン
ランダム共重合体である。
上記環状オレフィンは少なくとも上記の式[I]〜
[IV]から選ばれる構造式のひとつで表される環状オレ
フィンである。
ただし、上記式[I]において、lは0または正の整
数であり、好ましくは0〜3である。上記式[II]にお
いて、mは0または正の整数であり、好ましくは0〜3
である。上記式[III]において、nは0または正の整
数であり、好ましくは0〜3である。また上記式[IV]
において、pは0または1以上の整数であり、好ましく
は0〜3である。
そして、R1〜R18(式[I])、R1〜R10(式[I
I])、R1〜R12(式[III])またはR1〜R15(式[I
V])は、それぞれ同一であっても異なっていてもよ
く、水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる
群から選ばれる原子もしくは基である。ここで、ハロゲ
ン原子としては、たとえば、フッ素原子、塩素原子、臭
素原子およびヨウ素原子を挙げることができる。また、
炭化水素基としては、それぞれ独立に、通常は炭素原子
数1〜10のアルキル基、炭素原子数5〜15のシクロアル
キル基を挙げることができ、アルキル基の具体的な例と
しては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブ
チル基、n−アミル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル
基、n−オクチル基、n−デシル基、2−エチルヘキシ
ル基等を挙げることができ、シクロアルキル基の具体的
な例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、
メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基等を
挙げることができる。
また、上記式[I]において、R15とR16とで、または
R17とR18とでアルキリデン基を形成していてもよく、上
記式[II]において、R9とR10とでアルキリデン基を形
成していてもよく、上記式[III]において、R11とR12
とでアルキリデン基を形成していてもよい。このような
アルキリデン基は、通常は炭素原子数3〜10のアルキリ
デン基を挙げることができ、その具体的な例としては、
エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基、
ブチリデン基およびイソブチリデン基等を挙げることが
できる。
また、上記式[IV]において、R5(またはR6)とR
9(またはR7)とは、炭素数1〜3のアルキレン基を介
して結合していてもよく、また何の基も介さずに直接結
合していてもよい。
さらに、上記式[I]において、R15〜R18は互いに結
合して(共同して)単環または多環を形成していてもよ
く、かつ該単環または多環が二重結合を有していてもよ
い。
前記式[I]〜[IV]で表される環状オレフィンは、
シクロペンタジエン類と、相応するオレフィン類あるい
は環状オレフィン類とをディールス・アルダー反応によ
り縮合させることにより容易に製造することができる。
前記式[I]〜[IV]で表される環状オレフィンとし
ては、具体的には、たとえば、 などのテトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]−3−ドデセ
ン誘導体; などのペンタシクロ[4,7,0,12.5,08.13,19.12]−3−
ペンタデセン誘導体; などのヘプタシクロ[7,8,0,13.6,02.7,110.17,011.16,
112.15]−4−エイコセン誘導体; などのノナシクロ[9,10,1,14.7,03.8,02.10,012.21,1
13.20,014.19,115.18]−5−ペンタコセン誘導体等を
挙げることができる。
そして更には、 を挙げることができる。
本発明に係る樹脂組成物を構成する環状オレフィン系
ランダム共重合体[B]は、エチレンから導かれる構成
単位(a)および前記環状オレフィンから導かれる構成
単位(b)を必須構成単位としているが、これら必須2
構成単位の他に本発明の目的を損なわない範囲で、必要
に応じて他の共重合可能な、不飽和単量体から導かれる
構成単位を含有していてもよい。必要に応じ添加され、
共重合されていてもよい不飽和単量体として具体的に
は、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ド
デセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オ
クタデセン、1−エイコセンなどの炭素数3〜20のα−
オレフィンなどを例示することができる。これらの不飽
和単量体から導かれる構成単位は、生成するランダム共
重合体中におけるエチレンから導かれる構成単位(a)
に対して等モル未満の範囲で含まれていてもよい。
本発明に係る樹脂組成物を構成する環状オレフィン系
ランダム共重合体[B]中において、エチレンから導か
れる構成単位(a)は、40〜85モル%、好ましくは50〜
75モル%の範囲で含まれていることが望ましい。また環
状オレフィンから導かれる構成単位(b)は15〜60モル
%、好ましくは25〜50モル%の範囲で含まれていること
が望ましい。本発明においては、エチレンから導かれる
構成単位(a)および環状オレフィンから導かれる構成
単位(b)がランダムに配列し、実質上線状の環状オレ
フィンランダム共重合体が形成されている。
本発明に係る樹脂組成物を構成する環状オレフィン系
ランダム共重合体[B]の135℃のデカリン中で測定し
た極限粘度[η]は0.05〜10dl/g、好ましくは0.08〜5d
l/gの範囲である。
また本発明に係る樹脂組成物を構成する環状オレフィ
ン系ランダム共重合体[B]としては、サーモ・メカニ
カル・アナライザーで測定した軟化温度(TMA)が70℃
以上、好ましくは90〜250℃、さらに好ましくは100〜20
0℃の範囲にあることが望ましい。
また本発明に係る樹脂組成物を構成する環状オレフィ
ン系ランダム共重合体[B]のガラス転移温度(Tg)は
通常50〜230℃、好ましくは70〜210℃の範囲にあること
が望ましい。
また本発明に係る樹脂組成物を構成する環状オレフィ
ン系ランダム共重合体[B]のX線回折分析法により決
定される結晶化度は0〜10%、好ましくは0〜7%、と
くに好ましくは0〜5%にあることが望ましい。
本発明に係る樹脂組成物を構成する環状オレフィン系
ランダム共重合体[B]としては、上記範囲の物性を有
する共重合体のみを用いてもよいが、上記範囲外の共重
合体が一部含まれていてもよく、この場合、環状オレフ
ィン系ランダム共重合体[B]全体としての物性値が上
記範囲内に含まれていればよい。
本発明に係る樹脂組成物を構成する環状オレフィン系
ランダム共重合体[B]は、特開昭60−168708号公報、
特開昭61−120816号公報、特開昭61−115912号公報、特
開昭61−115916号公報、特開昭61−271308号公報、特開
昭61−272216号公報、特開昭62−252406号公報、特開昭
62−252407号公報などのおいて本出願人が提案した方法
に類似した方法で製造することができる。
なお、本発明においては上記のような環状オレフィン
系ランダム共重合体の一部が無水マレイン酸等の不飽和
カルボン酸等で変性されていてもよい。このような変性
物は、上記のような環状オレフィン系樹脂と、不飽和カ
ルボン酸、これらの無水物、および不飽和カルボン酸の
アルキルエステル等の誘導体とを反応させることにより
製造することができる。なお、この場合の環状オレフィ
ン系樹脂の変性物中における変性剤から導かれる構成単
位の含有率は、通常は0.001〜5重量%である。このよ
うな環状オレフィン系樹脂変性物は、所望の変性率にな
るように環状オレフィン系樹脂に変性剤を配合してグラ
フト重合させて製造することもできるし、予め高変性率
の変性物を調製し、次いでこの変性物と未変性の環状オ
レフィン系樹脂とを混合することによっても製造するこ
とができる。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物中において結晶性
ポリオレフィン樹脂成分[A]と環状オレフィン系ラン
ダム共重合体成分[B]との組成比は、[A]成分/
[B]成分(重量比)で98/2〜2/98、好ましくは、95/5
〜5/95である。
さらに、本発明においては、上記のような環状オレフ
ィン系ランダム共重合体を製造するに際して、得られる
重合体等の物性を損なわない範囲で、上記式[I]〜
[IV]で表される環状オレフィン以外の環状オレフィン
を重合させることもできる。このような環状オレフィン
としては、たとえば、 シクロブテン、 シクロペンテン、 シクロヘキセン、 3,4−ジメチルシクロヘキセン、 3−メチルシクロヘキセン、 2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、 2,3,3a,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデ
ン、 3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデ
ンなどのほかに; などのようなビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン誘導
体; などのテトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]−3−ドデセ
ン誘導体; などのヘキサシクロ[6,6,1,13.6,110.13,02.7,09.14
−4−ヘプタデセン誘導体; などのオクタシクロ[8,8,0,12.9,14.7,111.18,113.16,
03.8,012.17]−5−ドコセン誘導体; などのペンタシクロ[6,6,1,13.6,02.7,09.14]−4−
ヘキサデセン誘導体; などのヘプタシクロ−5−イコセン誘導体あるいはヘプ
タシクロ−5−ヘンエイコセン誘導体; などのトリシクロ[4,3,0,12.5]−3−デセン誘導体; などのトリシクロ[4,4,0,12.5]−3−ウンデセン誘導
体; などのペンタシクロ[6,5,1,13.6,02.7,09.13]−4−
ペンタデセン誘導体等を挙げることができる。
このような他の環状オレフィンは、単独で、あるいは
組み合わせて使用することができ、通常、0〜20モル%
の量で用いられる。
さらに本発明の樹脂組成物には、上記[A]および
[B]成分の他に、衝撃強度を向上させるためのゴム成
分を配合したり、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止
剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑
剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックスなどを配合
することができ、その配合割合は適宜量である。たとえ
ば、任意成分として配合される安定剤として具体的に
は、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、
β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオン酸アルキルエステル、2,2′−オキザミ
ドビス[エチル−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)]プロピオネートなどのフェノール系
酸化防止剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムなどの脂肪
酸金属塩、グリセリンモノステアレート、グリセリンモ
ノラウレート、グリセリンジステアレート、ペンタエリ
スリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジ
ステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート
等の多価アルコールの脂肪酸エステルなどを挙げること
ができる。これらは単独で配合してもよいが、組み合わ
せて配合してもよく、たとえば、テトラキス[メチレン
−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]メタンとステアリン酸亜鉛および
グリセリンモノステアレートとの組合せ等を例示するこ
とができる。
本発明では特に、フェノール系酸化防止剤および多価
アルコールの脂肪酸エステルとを組み合わせて用いるこ
とが好ましく、該多価アルコールの脂肪酸エステルは3
価以上の多価アルコールのアルコール性水酸基の一部が
エステル化された多価アルコール脂肪酸エステルである
ことが好ましい。
このような多価アルコールの脂肪酸エステルとして
は、具体的には、グリセリンモノステアレート、グリセ
リンモノラウレート、グリセリンモノミリステート、グ
リセリンモノパルミテート、グリセリンジステアレー
ト、グリセリンジラウレート等のグリセリン脂肪酸エス
テル、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタ
エリスリトールモノラウレート、ペンタエリスリトール
ジラウレート、ペンタエリスリトールジステアレート、
ペンタエリスリトールトリステアレート等のペンタエリ
スリトールの脂肪酸エステルが用いられる。
このようなフェノール系酸化防止剤は、ポリオレフィ
ン樹脂組成物100重量部に対して0.01〜10重量部好まし
くは0.05〜3重量部さらに好ましくは0.1〜1重量部の
量で用いられ、また多価アルコールの脂肪酸エステルは
該組成物100重量部に対して0.01〜10重量部好ましくは
0.05〜3重量部の量で用いられる。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物には、本発明の目
的を損なわない範囲で、シリカ、ケイ藻土、アルミナ、
酸化チタン、酸化マグネシウム、軽石粉、軽石バルー
ン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性
炭酸マグネシウム、ドロマイト、硫酸カルシウム、チタ
ン酸カリウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、タル
ク、クレー、マイカ、アスベスト、ガラス繊維、ガラス
フレーク、ガラスビーズ、ケイ酸カルシウム、モンモリ
ロナイト、ベントナイト、グラファイト、アルミニウム
粉、硫化モリブデン、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、ポ
リエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊
維、ポリアミド繊維等の充填剤を配合してもよい。
本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物の製法として
は、公知の方法が適用でき、結晶性ポリオレフィン樹脂
成分[A]および環状オレフィン系ランダム共重合体
[B]、ならびに所望により添加される他の成分を押出
機、ニーダー等で機械的にブレンドする方法、あるいは
各成分を適当な良溶媒、たとえばヘキサン、ヘプタン、
デカン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等の炭化水素溶媒に同時に溶解し、またはそれぞれ別
々に溶解した後混合し、溶媒を除去する方法さらにはこ
れらの二つの方法を組み合わせて行う方法等を挙げるこ
とができる。
上記製法により得られるポリオレフィン樹脂組成物
は、結晶性ポリオレフィン樹脂成分[A]に、熱変形温
度、鉛筆硬度が高く、成形収縮率が小さい環状オレフィ
ン系ランダム共重合体[B]を配合するため、結晶性ポ
リオレフィン樹脂の諸特性を維持したまま、耐熱性、耐
傷性に優れ、かつ成形収縮率の小さいポリオレフィン樹
脂組成物が得られる。
本発明に係る結晶性ポリオレフィン樹脂組成物は、上
記諸特性を有するので、従来の結晶性ポリオレフィンの
用途の他にも、耐熱性、耐傷性、寸法安定性などが要求
される分野に広く使用することができる。
用途の例をあげると、電動工具、OA機器、カメラ、ポ
ンプ等のハウジング類、シャーシ類、精密機器部品、イ
ンストゥルメントパネル、ラジエータグリル、クラスタ
ーグリル、コンソールボックス、ガーニッシュ、ホイル
カバー、コラムカバー、フェンダー、ボンネット、トラ
ンク等の自動車内外装材、シート、コネクタ・コイルボ
ビン・スイッチ等のケース、カバー類、ボトル類、キャ
ストフィルム、二軸延伸フィルム、多層フィルムなどの
フィルム類、押出発泡体、インジェクション発泡体など
発泡体類があげられる。
発明の効果 以上の通り、本発明によれば、[A]結晶性ポリオレ
フィン樹脂成分に[B]環状オレフィン系ランダム共重
合体成分を配合したため、耐熱性、耐傷付性、成形性に
優れ、かつ成形収縮率の小さいポリオレフィン樹脂組成
物が得られる。
[実施例] 以下、本発明をさらに実施例によって説明するが本発
明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、本発明における各種物性値の測定方法および評
価方法を次に示す。
(1)溶融流れ指数(MFRT) ASTM D1238に準じ所定の温度T℃、荷重2.16kgで測定
した。
(2)試験片の作成 東芝機械(株)製射出成形機IS−55EPNおよび所定の
試験片用金型を用い、以下の成形条件で成形した。試験
片は成形後、室温で48時間放置した後、測定した。
成形条件:シリンダ温度220℃、金型温度60℃、射出圧
力一次/二次=1000/800kg/cm2射出速度(一次)30mm/s
ec、スクリュー回転数150rpm (3)曲げ試験 ASTM D790に準じて行った。
試験片形状:5×1/2×1/8tインチ、スパン間距離51mm 試験速度 :20mm/min 試験温度 :23℃ (4)熱変形温度(HDT) ASTM D648に準じて行った。
試験片形状:5×1/4×1/2tインチ 荷 重:264psi (5)軟化温度(TMA) デュポン社製Thermo Mechanical Analyzerを用いて厚
さ1mmのシートの熱変形挙動により測定した。すなわ
ち、シート上に石英製針をのせ、荷重49gをかけ、5℃/
minの速度で昇温していき、針が0.635mm浸入した温度を
TMAとした。
(6)ガラス転移温度(Tg)および融点(Tm) SEIKO電子工業(株)製DSC−20を用いて昇温速度10℃
/minで測定した。
(7)ロックウェル硬度 ASTM D785に準じて23℃で測定した。
(8)鉛筆硬度 JIS K 5400に準じて23℃で測定した。
実施例1 [A]成分として結晶性ポリプロピレン樹脂(結晶化
度60%、MFR230℃10g/10min)のペレットを3.5kg、
[B]成分として13C−NMRで測定したエチレン含有量が
63mol%、MFR260℃が32g/10min、135℃デカリン中で測
定した極限粘度[η]が0.48dl/g、TMAが150℃、Tgが14
0℃(Tmは観測されず)のエチレンと1,4,5,8−ジメタノ
−1,2,3,4,4a,4b,5,8,8a,9a−デカヒドロフルオレン
(以下DMDFと略す)とのランダム共重合体(エチレン・
DMDFランダム共重合体)のペレット1.5kgを充分混合し
た後、二軸押出機(池貝鉄工(株)製、PCM 45)により
シリンダー温度220℃で溶解ブレンドし、ペレタイザー
にてペレット化した。
得られたペレットを用いて前記の方法により試験片を
作成し、物性を評価した。
結果を表1に示す。
実施例2,3 実施例1において[A]成分と[B]成分との比率を
変える以外は同様の操作を行った。
結果を表1に示す。
実施例4〜6 実施例3において用いたポリプロピレンに代え、他の
ポリオレフィン樹脂を用いる以外は同様の操作を行っ
た。
結果を表2に示す。
実施例7〜9 実施例1において、[B]成分として用いたエチレン
・DMDF共重合体に代え、エチレンと他の環状オレフィン
との共重合体を[B]成分として用いる以外は同様の操
作を行った。使用した[B]成分の物性値を表3に示
す。
結果を表4に示す。
比較例1 実施例1において[A]成分として用いたポリプロピ
レンを単独で成形し、物性を評価した。
その結果、曲げ強度、曲げ弾性率、HDT、ロックウェ
ル硬度(Rスケール)、鉛筆硬度はそれぞれ430kg/c
m2、14000kg/cm2、60℃、106、3Bであった。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[A]結晶性ポリオレフィン樹脂と、 [B]エチレンと、少なくとも下記の式[I]〜[IV]
    から選ばれる構造式のひとつで表される環状オレフィン
    との共重合体であり、135℃のデカリン中で測定した極
    限粘度[η]が0.05〜10dl/g、軟化温度(TMA)が70℃
    以上である環状オレフィン系ランダム共重合体とを含
    み、 結晶性ポリオレフィン樹脂[A]と環状オレフィン系ラ
    ンダム共重合体[B]との組成比が、[A]/[B]
    (重量比)で98/2〜2/98であることを特徴とするポリオ
    レフィン樹脂組成物。 (式[I]中、lは0または正の整数であって、 R1〜R18は、それぞれ同一であっても異なっていてもよ
    く、水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる
    群から選ばれる原子もしくは基であり、 R15〜R18は、互いに結合して単環または多環を形成して
    いてもよく、かつ該単環または多環が二重結合を有して
    いてもよく、 また、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデン
    基を形成していてもよい)。 (式[II]中、mは0または正の整数であって、 R1〜R10は、それぞれ同一であっても異なっていてもよ
    く、水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる
    群から選ばれる原子もしくは基であり、 R9とR10とでアルキリデン基を形成していてもよい)。 (式[III]中、nは0または正の整数であって、 R1〜R12は、それぞれ同一であっても異なっていてもよ
    く、水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる
    群から選ばれる原子もしくは基であり、 R11とR12とでアルキリデン基を形成していてもよい)。 (式[IV]中、pは0または1以上の整数であり、qお
    よびrは、0、1または2であり、R1〜R15はそれぞれ
    独立に水素原子、ハロゲン原子、脂肪族炭化水素基、芳
    香族炭化水素基、およびアルコキシ基よりなる群から原
    子もしくは基を表し、R5(またはR6)とR9(またはR7
    とは、炭素数1〜3のアルキレン基を介して結合してい
    てもよく、また何の基も介さずに直接結合していてもよ
    い。)
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