JP3034884B2 - 耐衝撃性環状オレフィン系樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

耐衝撃性環状オレフィン系樹脂組成物の製造方法

Info

Publication number
JP3034884B2
JP3034884B2 JP26066989A JP26066989A JP3034884B2 JP 3034884 B2 JP3034884 B2 JP 3034884B2 JP 26066989 A JP26066989 A JP 26066989A JP 26066989 A JP26066989 A JP 26066989A JP 3034884 B2 JP3034884 B2 JP 3034884B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cyclic olefin
polymer
olefin
weight
copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP26066989A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03122157A (ja
Inventor
陽造 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP26066989A priority Critical patent/JP3034884B2/ja
Publication of JPH03122157A publication Critical patent/JPH03122157A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3034884B2 publication Critical patent/JP3034884B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、環状オレフィン系樹脂、軟質重合体および
有機過酸化物を反応させることからなる耐衝撃性に優れ
た樹脂組成物を製造する方法に関する。
発明の技術的背景 環状オレフィンは、その環内にエチレン性二重結合を
有しており、従来、このような環状オレフィンは、エチ
レンなどのα−オレフィンと反応させることにより、環
状オレフィン・エチレンランダム共重合体などとして使
用されることが多かった。このランダム共重合体は、透
明性、耐熱性、耐薬品性、電気的特性、機械的強度、成
形性などの特性に優れ、しかもこの共重合体から製造さ
れた成形体は優れた寸法安定性をも有している。
上記のような環状オレフィンは、上記のようにしてα
−オレフィンとの共重合体として使用される他、環状オ
レフィン自体を開環させた重合体およびその水素添加物
は剛性、透明性、耐水性および熱的特性に優れた光学材
料として使用できることが既に知られている(特開昭60
−26024号明細書参照)。
このような環状オレフィン系樹脂は、透明性、耐水性
および熱的特性を有しているが、本発明者がさらに研究
を重ねた結果、このような環状オレフィン系樹脂に他の
樹脂を配合することにより、種々の用途に使用可能なさ
らに優れた特性を有する樹脂組成物を得ることができる
との知見を得た。
発明の目的 本発明は、環状オレフィン樹脂の剛性は若干減少する
ものの耐衝撃性が飛躍的に向上した樹脂組成物、すなわ
ち剛性と耐衝撃性とのバランスに極めて優れた環状オレ
フィン系樹脂組成物を製造する方法を提供することを目
的としている。
発明の概要 本発明に係る、架橋構造の形成された耐衝撃性環状オ
レフィン系樹脂組成物の製造方法は、 次式[I]で表される環状オレフィンを開環重合して
なる開環重合体の水素添加物もしくは開環共重合体の水
素添加物からなる環状オレフィン系樹脂と、 ガラス転移温度(Tg)が0℃以下である軟質重合体
と、 有機過酸化物とを 環状オレフィン系樹脂100重量部に対して軟質重合体
が5〜150重量部、かつ、環状オレフィン系樹脂と軟質
重合体の合計重量100重量部に対して有機過酸化物が0.0
1〜1重量部となる割合で反応させることを特徴として
いる。
ただし、式[I]において、nは0または1であり、
mは0または正の整数であり、 R1〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原
子および炭化水素基よりなる群から選ばれる原子もしく
は基を表し、 R15〜R18は、互いに結合して単環または多環の基を形
成していてもよく、かつ該単環または多環の基が二重結
合を有していてもよく、 また、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデ
ン基を形成していてもよい。
本発明により製造される樹脂組成物には、特定の環状
オレフィンを開環重合あるいは共重合し、水素を添加さ
せることにより得られる環状オレフィン系樹脂と軟質重
合体および有機過酸化物を反応させたものであるため、
特に剛性と耐衝撃性とのバランスに優れている。
発明の具体的な説明 次に本発明に係る環状オレフィン系樹脂組成物の製造
方法について具体的に説明する。
本発明に係る環状オレフィン系樹脂組成物の方法で
は、次式[I]で示される特定の環状オレフィンを開環
重合あるいは共重合し、水素を添加して形成される環状
オレフィン系樹脂と、特定量の軟質重合体および有機過
酸化物とを反応させている。
上記式[I]において、nは、0もしくは1であり、
mは、0もしくは正の整数である。
そして、R1〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハ
ロゲン原子および炭化水素基よりなる群から選ばれた原
子もしくは基を表す。ここで、ハロゲン原子としては、
例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素
原子を挙げることができる。また、炭化水素基として
は、それぞれ独立に、通常の炭素原子数1〜20のアルキ
ル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基を挙げるこ
とができ、アルキル基の具体的な例としては、メチル
基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、アミル
基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、
ヘプタデシル基およびオクタデシル基等を挙げるとがで
き、シクロアルキル基の具体的な例としては、シクロペ
ンチル基、シクロヘキシル基およびシクロオクチル基を
挙げることができる。
さらに、上記式[I]において、R15とR16とが、また
はR17とR18とが、さらにはR15〜R18が互いに結合して
(共同して)単環または多環の基を形成していてもよ
く、かつこの単環または多環の基が二重結合を有してい
てもよい。
また、R15とR16とで、またはR17とR16とでアルキリデ
ン基を形成していてもよい。このようなアルキリデン基
は、通常の炭素原子数2〜20のアルキリデン基であり、
このようなアルキリデン基の具体的な例としては、エチ
リデン基、プロピリデン基およびイソプロピリデン基を
挙げることができる。
上記式[I]で表される環状オレフィンは、シクロペ
ンタジエン類と相応するオレフィン類とをディールス・
アルダー反応により縮合させることにより容易に製造す
ることができる。
式[I]で表わされる環状オレフィンとして、具体的
には、たとえば、 などのようなビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン誘導
体; などのテトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]−3−ドデセ
ン誘導体; などのヘキサシクロ[6,6,1,13.6,110.13,02.7,09.14
−4−ヘプタデセン誘導体; などのオクタシクロ[8,8,0,12.9,14.7,111.18,113.16,
03.8,012.17]−5−ドコセン誘導体; などのペンタシクロ[6,6,1,13.6,02.7,09.14−4−ヘ
キサデセン誘導体; などのヘプタシクロ−5−イコセン誘導体あるいはヘプ
タシクロ−5−ヘンエイコセン誘導体; などのトリシクロ[4,3,0,12.5]−3−デセン誘導体; などのトリシクロ[4,3,0,12.5]−3−ウンデセン誘導
体; などのペンタシクロ[6,5,1,13.6,02.7,09.13]−4−
ペンタデセン誘導体; などのジエン化合物; などのペンタシクロ[4,7,0,12.5,08.13,19.12]−3−
ペンタデセン誘導体; などのヘプタシクロ[7,8,0,13.6,02.7,110.17,011.16,
112.15]−4−エイコセン誘導体; などのノナシクロ[9,10,1,14.7,03.8,02.10,012.21,1
13.20,014.19,115.18]−5−ペンタコセン誘導体を挙
げることができる。
前記式[I]で表される環状オレフィンを、公知の方
法を利用して開環重合あるいは開環共重合させることに
より、本発明で使用される開環重合体の水素添加物もし
くは開環共重合体の水素添加物を形成する、開環重合体
あるいは開環共重合体を製造することができる。
すなわち、このような開環重合体あるいは開環共重合
体は、上記の式[I]で表わされる環状オレフィンを開
環重合触媒の存在下に重合もしくは共重合させることに
より製造することができる。
ここで使用される開環重合触媒としては、 ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イ
ンジウムあるいは白金等の金属のハロゲン化物、硝酸塩
またはアセチルアセトン化合物と、アルコール等の還元
剤とからなる触媒; チタン、パラジウム、ジルコニウム、あるいはモリブ
デンなどの金属のハロゲン化物またはアセチルアセトン
化合物と、有機アルミニウム等とからなる触媒を挙げる
ことができる。
本発明で使用される開環重合体の水素添加物もしくは
開環共重合体の水素添加物を形成する、開環重合体ある
いは共重合体、上記式[I]で表わされる環状オレフィ
ンから誘導される繰り返し単位を、通常は50モル%以
上、好ましくは80モル%以上、特に好ましくは90モル%
以上含有している。そして、このような開環重合体ある
いは開環共重合体の分子量は、通常1000〜50万、好まし
くは1万〜10万の範囲内にある。この分子量は、反応条
件を調整することにより制御することができる他、例え
ば少量のオレフィンあるいは他のシクロオレフィン等を
配合して調整することもできる。
上記のようにして、開環重合あるいは開環共重合を行
なうことにより、例えば、式[I]で表わされる環状オ
レフィンは、開環して少なくともその一部は、次式[I
I]で表わされる構造を有しているものと考えられる。
…[II] ただし、上記式[II]において、nおよびmならびに
R1〜R18は、前記と同じ意味である。
本発明において環状オレフィン系樹脂としては、上記
のような開環重合体の水素添加物もしくは開環共重合体
の水素添加物を使用することができる。この水素添加物
は、上記のようにして製造された開環重合体あるいは開
環共重合体中に残存している二重結合に水素添加するこ
とにより製造することができる。
この場合に使用される水素添加触媒としては、オレフ
ィン類は水素化に際して一般に使用されている不均一系
触媒または均一系触媒を使用することができる。
このような不均一系触媒としては、ニッケル、パラジ
ウム、白金またはこれらの金属をカーボン、シリカケイ
ソウ土、アルミナ、酸化チタン等の担体に担持させた触
媒を挙げることができ、具体的な例としては、ニッケル
/シリカ、ニッケル/ケイソウ土、パラジウム/カーボ
ン、パラジウム/シリカ、パラジウム/ケイソウ土、パ
ラジウム/アルミナを挙げることができる。
また、不均一系触媒としては、周期律第VIII族の金属
を基体とする触媒を挙げることができ、具体的な例とし
ては、ナフテン酸ニッケル/トリエチルアミン、ナフテ
ン酸n−ブチルリチウム、ニッケルアセチルアセトネー
ト/トリエチルアルミニウム等のNiあるいはCo化合物と
周期律第I〜III族金属の有機金属化合物からなる触
媒、さらにRh化合物等を挙げることができる。
水素添加反応は、触媒の種類により均一系あるいは不
均一系で行なうことができる。
このような水素添加の際の水素ガスの圧力は、通常は
1〜150気圧、反応温度は、通常は0〜100℃、好ましく
は20〜100℃の範囲内に設定される。
水素添加率は、水素圧、反応温度、反応時間および触
媒濃度等を変えることにより任意に調整することができ
るが、水素添加率が高くなると共に樹脂の耐候性、耐熱
老化性が向上するので、本発明で使用される水素添加物
としては重合体あるいは共重合体中に存在する二重結合
の50%以上が水素添加されていることが好ましく、特に
80%以上、さらに90%以上が水素添加されていることが
好ましい。
このようにして製造された水素添加物は、例えば次式
[III]で表わされるような構造を有していると考えら
れる。
ただし、上記式[III]において、nおよびmならび
にR1〜R18は、前記と同じ意味である。
なお、本発明においては、開環重合体の水素添加物あ
るいは開環共重合体の水素添加物は、無水マレイン酸等
の不飽和カルボン酸等で変性されていてもよい。
さらに、本発明においては、上記のような開環重合体
の水素添加物もしくは開環共重合体の水素添加物を製造
するに際して、得られる重合体等の特性を損なわない範
囲内で、上記の式[I]で表わされる環状オレフィン以
外の環状オレフィンを重合させることもできる。このよ
うな環状オレフィンとしては、例えば、 シクロブテン、 シクロペンテン、 シクロヘキセン、 3,4−ジメチルシクロヘキセン、 3−メチルシクロヘキセン、 2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、 2,3,3a,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデ
ン、 3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデ
ンなどを挙げることができる。このような他の環状オレ
フィンは、単独で、あるいは組み合わせて使用すること
ができ、通常、0〜20モル%の量で用いられる。
本発明において、軟質重合体としては、サーモ・メカ
ニカル・アナライザーで測定したガラス転移温度(Tg)
が、0℃以下、好ましくは−10℃以下、さらに好ましく
は−20℃以下の樹脂が使用される。
さらに、本発明で使用される軟質重合体の135℃のデ
カリン中で測定した極限粘度[η]は、通常は0.01〜10
dl/g、好ましくは0.08〜7dl/gの範囲内にある。
また、本発明で使用される軟質重合体のX線回折法に
より測定した結晶化度は、通常は0〜10%、好ましくは
0〜7%特に好ましくは0〜5%の範囲内にあり、この
ような軟質重合体は非晶性乃至低結晶性の重合体であ
る。
このような軟質重合体としては、以下に記載する
(a)〜(e)の重合体を使用することが好ましい。
本発明において軟質重合体として使用することができ
る環状オレフィンランダム共重合体(a)は、エチレン
から誘導される繰り返し単位と、エチレン以外のα−オ
レフィンから誘導される繰り返し単位と、上記式[I]
で表わされる環状オレフィンから誘導される繰り返し単
位とからなる環状オレフィンランダム共重合体であっ
て、135い℃のデカリン中で測定した極限粘度が通常は
0.01〜10dl/g、好ましくは0.08〜7dl/gであり、ガラス
転移温度が通常は0℃以下、好ましくは−20℃以下にあ
る環状オレフィンランダム共重合体である。ここで、エ
チレン以外のα−オレフィンとしては、炭素原子数3〜
20のα−オレフィンを挙げることができ、このようなα
−オレフィンの具体的な例としては、プロピレン、1−
ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1
−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデ
セン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンおよび1−
エイコセンを挙げることができる。
このような環状オレフィンランダム共重合体におい
て、エチレンから誘導される繰り返し単位の量は、通常
は40〜98モル%、好ましくは50〜90モル%であり、エチ
レン以外のα−オレフィンから誘導される繰り返し単位
の量は、通常は2〜50モル%、好ましくは5〜40モル%
であり、環状オレフィンから誘導される繰り返し単位の
量は、通常は2〜20モル%、好ましくは2〜15モル%の
範囲内にある。そして、この環状オレフィンランダム共
重合体において、エチレンから誘導される繰り返し単
位、エチレン以外のα−オレフィンから誘導される繰り
返し単位および環状オレフィンから誘導される繰り返し
単位は、実質的に線状に配置されている。すなわち、こ
の環状オレフィンランダム共重合体は、実質的にゲル状
架橋構造を有していない。
このような環状オレフィンランダム共重合体は、エチ
レンと、環状オレフィンと、所望により他のα−オレフ
ィンとを、炭化水素溶媒中、炭化水素可溶性バナジウム
化合物およびハロゲン含有有機アルミニウム化合物とか
ら形成される触媒の存在下で重合させることにより製造
することができる。
ここで使用される炭化水素溶媒としては、たとえば脂
肪族炭化水素、脂環族炭化水素および芳香族炭化水素等
を使用することができる。さらに環状オレフィン系樹脂
の調整の際に使用した単量体のうちで反応温度において
液体である化合物を反応溶媒として用いることもでき
る。これらの溶媒は単独で、あるいは組み合わせて使用
することができる。
この反応で触媒として用いられるバナジウム化合物と
しては、 式 VO(OR)aVbあるいは 式 V(OR)cXdで表わされる化合物を挙げることが
できる。
上記の式において、Rは炭化水素基であり、0≦a≦
3、0≦b≦3、2≦a+b≦3、0≦c≦4、0≦d
≦4、3≦c+d≦4である。
これらのバナジウム化合物としては、具体的には、 VOCl3 VO(OC2H5)Cl2、 VO(OC2H52Cl2、 VO(O−iso−C3H7)Cl2、 VO(O−n−C4H9)Cl2、 VO(OC2H5、 VOBr2、 VCl4、 VOCl2、 VO(O−n−C4H9、 VCl3・2OC8H17OH などが用いられる。これらのバナジウム化合物は単独
で、あるいは組み合わせて使用することができる。
このようなバナジウム化合物は、上記式で表わされる
バナジウム化合物と電子供与体との付加物であってもよ
い。
上記のバナジウム化合物と付加物を形成する電子供与
体の例としては、アルコール、フェノール類、ケトン、
アルデヒド、カルボン酸、有機酸エステル、無機酸エス
テル、エーテル、酸アミド、酸無水物およびアルコキシ
シラン等の含酸素電子供与体;アンモニア、アミン、ニ
トリルおよびイソシアネート等の含窒素電子供与体を挙
げることができる。
上記のようなバナジウム化合物とともに触媒として用
いられる有機アルミニウム化合物としては、分子内に少
なくとも1個のAl−炭素結合を有する化合物を用いるこ
とができる。
本発明で使用することができる有機アルミニウム化合
物の例としては、 式R1 mAl(OR2nHpXq (式中R1およびR2は、1〜15個、好ましくは1〜4個の
炭素原子を含む炭化水素基で互いに同一でも異なってい
てもよい。Xはハロゲン、mは0≦m≦3、nは0≦n
<3、pは0≦n<3、qは0≦q<3であって、しか
もm+n+p+q=3である)で表わされる有機アルミ
ニウム化合物、 式M1AlR1 4 (式中M1はLi、NaまたはKであり、R1は前記と同じ意味
である)で表わされる第1族金属とアルミニウムとの錯
アルキル化物、 などを挙げることができる。
上記のバナジウム化合物の反応系における濃度は、バ
ナジウム化合物は、バナジウム原子として、通常は、0.
01〜5グラム原子/リットル、好ましくは0.05〜3グラ
ム原子/リットルの量で用いられる。また、有機アルミ
ニウム化合物は、重合反応系内のバナジウム原子に対す
るアルミニウム原子の比(Al/V)が2以上、好ましくは
2〜50、特に好ましくは3〜20となるような量で用いら
れる。
上記のようにして反応させることにより、前述の式
[I]で表される環状オレフィンは、α−オレフィン
と、以下に示す式[II]で表わされるような形態で共重
合体して環状オレフィンランダム共重合体を形成してい
ると考えられる。
ただし、上記式[II]において、nおよびmならびに
R1〜R18は、前記と同じ意味である。
なお、本発明で使用される環状オレフィンは、単独で
あってもあるいは組合せて用いてもよい。例えば、1,4,
5,8−ジメタノール−1,2,4,4a,5,8,8−オクタヒドロナ
フタレン類同士を重合させたもの、および前記のナフタ
レン類とノルボルネン(例えばビシクロ[2,2,1]ヘプ
ト−2−エン)とを共重合させたものを挙げることがで
きる。
このような環状オレフィンランダム共重合体の製造方
法は、例えば特開昭60−168708号、同61−120816号、同
61−115912号、同61−225916号、同61−271308号、同61
−272206号、同62−252406号などの公報に記載されてい
る。
本発明において、軟質重合体として使用されるα−オ
レフィン系共重合体(b)は、少なくとも二種類のα−
オレフィンから形成される共重合体であり、通常この共
重合体のガラス転移温度は、0℃以下、好ましくは−20
℃以下にある。そして、この共重合体は、通常10%以
下、好ましくは5%以下の結晶化度を有する非晶性乃至
低結晶性の共重合体である。
このようなα−オレフィン共重合体には、 例えば(b−1)エチレン・α−オレフィン共重合体
と、 例えば(b−2)プロピレン・α−オレフィン共重合
体とがあり、本発明においてはこれらの共重合体の内の
いずれをも使用することができる。
これらの共重合体の内、(b−1)エチレン・α−オ
レフィン共重合体を構成するα−オレフィンとしては、
通常は炭素原子数3〜20、好ましくは3〜10のα−オレ
フィンが使用される。このようなα−オレフィンの具体
的な例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンおよび1
−デセンを挙げることとができ、これらは単独であるい
は組合せて使用することができる。このようなエチレン
・α−オレフィン共重合体においては、エチレンとα−
オレフィンとのモル比は、α−オレフィンの種類によっ
ても異なるが、一般には30:70〜95:5の範囲内にある。
また、(b−2)プロピレン・α−オレフィン共重合
体を構成するα−オレフィンとしては、通常は炭素原子
数が4〜20、好ましくは4〜10のα−オレフィンが使用
される。このようなα−オレフィンの具体的な例として
は、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペン
テン、1−オクテンおよび1−デセンを挙げることがで
き、これらは単独であるいは組合せて使用することがで
きる。このようなプロピレン・α−オレフィン共重合体
においては、プロピレンとα−オレフィンとのモル比
は、α−オレフィンの種類によっても異なるが、一般に
は30:70〜95:5の範囲内にある。
本発明において、軟質重合体として使用されるα−オ
レフィン・ジエン共重合体(c)は、少なくとも二種類
のα−オレフィンと、少なくとも一種類の非共役ジエン
から形成されるガラス転移温度が通常は0℃以下のα−
オレフィン・ジエン共重合体である。
本発明で使用されるα−オレフィン・ジエン共重合体
としては、(c−1)エチレン・α−オレフィン・ジエ
ン共重合体ゴムおよび(c−2)プロピレン・α−オレ
フィン・ジエン共重合体ゴムがある。
ここで(c−1)エチレン・α−オレフィン・ジエン
共重合体ゴムを構成するα−オレフィンとしては、通常
は炭素原子数3〜20、好ましくは3〜10のα−オレフィ
ンが使用される。このようなα−オレフィンの具体的な
例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、
4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンおよび1−デ
センを挙げることができ、これらは単独であるいは組合
せて使用することができる。このようなエチレン・α−
オレフィン・ジエン共重合体ゴムにおいては、エチレン
とα−オレフィンとのモル比は、α−オレフィンの種類
によっても異なるが、一般には30:70〜95:5の範囲内に
ある。
また、(c−2)プロピレン・α−オレフィン・ジエ
ン共重合体ゴムを構成するα−オレフィンとしては、通
常は炭素原子数4〜20、好ましくは4〜10のα−オレフ
ィンが使用される。このようなα−オレフィンの具体的
な例としては、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル
−1−ペンテン、1−オクテンおよび1−デセンを挙げ
ることができ、これらは単独であるいは組合せて使用す
ることができる。このようなプロピレン・α−オレフィ
ン・ジエン共重合体ゴムにおいては、プロピレンとα−
オレフィンとのモル比は、α−オレフィンの種類によっ
ても異なるが、一般には30:70〜95:5の範囲内にある。
上記のような共重合体ゴム中のジエン成分の具体的な
例としては、 1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル
−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン
および7−メチル−1,6−オクタジエンのような鎖状共
役ジエン; シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチル
テトラヒドロインデン、5−ビニルノルボルネン、5−
エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノ
ルボルネンおよび5−イソプロピリデン−2−ノルボル
ネンのような環状非共役ジエン; 2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネンおよび
2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン等を挙げるこ
とができる。このようなジエン成分は、単独であるいは
組合せて使用することができる。
上記の共重合体ゴム中におけるジエン成分から誘導さ
れる繰り返し単位の含有率は、通常は1〜20モル%、好
ましくは2〜15モル%である。
本発明において、軟質重合体として使用される(d)
芳香族系炭化水素・共役ジエンランダムもしくはブロッ
ク共重合体またはその水素化物は、通常は0℃以下のガ
ラス転移温度を有している。
このような芳香族系炭化水素・共役ジエンランダムも
しくはブロック共重合体またはその水素化物としては、
具体的には、 (d−1)スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴ
ム、 (d−2)スチレン・ブタジエン・スチレンブロック
共重合体ゴム、 (d−3)スチレン・イソプレンブロック共重合体ゴ
ム、 (d−4)スチレン・イソプレン・スチレンブロック
共重合体ゴム、 (d−5)水素添加スチレン・ブタジエン・スチレン
ブロック共重合体ゴム、 (d−6)水素添加スチレン・イソプレン・スチレン
ブロック共重合体ゴム、 (d−7)スチレン・ブタジエンランダム共重合体を
挙げることができる。
これらの共重合体ゴムにおいては、芳香族ビニル系炭
化水素と共役ジエンとのモル比は、一般に10:90〜70:30
の範囲内に設定される。
なお、上記の共重合体ゴムの内、(d−5)の水素添
加スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体ゴ
ムは、(d−2)のスチレン・ブタジエン・スチレンブ
ロック共重合体ゴム中に残存しているエチレン性二重結
合の一部もしくは全部を水素化した共重合体ゴムであ
り、(d−6)の水素添加スチレン・イソプレン・スチ
レンブロック共重合体ゴムは、(d−4)のスチレン・
イソプレン・スチレンブロック共重合体ゴム中に残存し
ているエチレン性二重結合の一部もしくは全部を水素化
した共重合体ゴムである。
(e)共役ジエン重合体またはその水素化物の具体例
としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、これらの
二重結合の一部もしくは全部を水素化したゴムを挙げる
ことができる。
上記のような軟質重合体は、単独であるいは組合せて
使用することができる。
本発明の環状オレフィン系樹脂組成物においては、上
記のような軟質重合体は、前述の環状オレフィン系樹脂
100重量部に対して、5〜150重量部の範囲内の量で使用
される。上記のような範囲内で軟質重合体を使用するこ
とにより、衝撃強度が高く、しかも剛性、熱変形温度お
よび硬度の低下も小さい。そして、環状オレフィン系樹
脂に対する軟質重合体の量を、好ましくは5〜100重量
部、さらに好ましくは10〜80重量部の範囲内にすること
により、衝撃強度及び剛性、熱変形温度、硬度などの特
性に優れたバランスのとれた樹脂組成物を得ることがで
きる。
本発明で使用される有機過酸化物としては、例えば メチルエチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノン
パーオキシド等のケトンパーオキシド類; 1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン
および2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン等
のパーオキシケタール類; t−ブチルヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオ
キシド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロキシパ
ーオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパー
オキシド等のヒドロパーオキシド類; シ−t−ブチルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−
ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンおよび2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3
等のジアルキルパーオキシド; ラウロイルパーオキシドおよびベンゾイルパーオキシ
ド等のジアシルパーオキシド類; t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオ
キシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイ
ルパーオキシ)ヘキサン等のパーオキシエステル類等を
挙げることができる。これらの有機過酸化物は単独で、
あるいは組合せて使用することができる。
上記の有機過酸化物は、環状オレフィン系樹脂と軟質
重合体との合計重量100重量部に対して、0.01〜1重量
部の量で使用され、特に、0.05〜0.5重量部の量で使用
することが好ましい。
このような有機過酸化物を、環状オレフィン系樹脂お
よび軟質重合体とからなる樹脂中に配合して反応させる
ことにより、相互に分散状態にある環状オレフィン系樹
脂および軟質重合体中に架橋構造が形成されると共に、
環状オレフィン系樹脂と軟質重合体との間でも架橋構造
が形成されると考えられ、このような架橋構造の形成に
よって、機械的特性などの特性が著しく向上する。
本発明に係るオレフィン系樹脂組成物は、前記環状オ
レフィン系ランダム共重合体、軟質重合体および有機過
酸化物から形成されることを必須要件とするが、このほ
かにラジカル重合性の官能基を分子内に2個以上有する
化合物を配合することが好ましい。このような化合物を
配合することにより、耐衝撃性に優れた組成物を得るこ
とができる。
本発明において使用することができるラジカル重合性
の官能基を分子内に2個以上有する化合物としては、例
えば、ジビニルベンゼン、アクリル酸ビニル、メタクリ
ル酸ビニル、エチレンジメタクリレート、トリアリルシ
アヌレートおよびジアリルフタレートを挙げることがで
きる。
このような化合物の成分の配合量は、環状オレフィン
系樹脂と軟質重合体との合計量100重量部に対して、通
常は1重量部以下、好ましくは0.1〜0.5重量部である。
本発明の樹脂組成物中には、さらに熱安定剤、耐候安
定剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング
剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワッ
クス、有機充填剤および無機充填剤などを配合すること
ができる。
例えば、本発明で使用される安定剤としては、 テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、β
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオン酸アルキルエステルおよび2,2′−オキザミ
ドビス[エチル−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート]などのフェノール系
酸化安定剤; ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムおよび12
−ヒドロキシステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属
塩; グリセリンモノステアレート、グリセリンモノラウレ
ート、グリセリンジステアレート、ペンタエリスリトー
ルモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレ
ートおよびペンタエリスリトールトリステアレートなど
の多価アルコール脂肪酸エステル等を挙げることができ
る。
これらは単独であるいは組合せて使用することができ
る。このような組合せの例としては、テトラキス[メチ
レン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]メタンと、ステアリン酸亜鉛
と、グリセリンモノステアレートとの組合せを挙げるこ
とができる。
また、本発明において使用できる有機あるいは無機充
填剤の例としては、シリカ、ケイ藻土、酸化チタン、酸
化マグネシウム、軽石粉、軽石バルーン、水酸化アルミ
ニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウ
ム、ドロマイト、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、
硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マ
イカ、アスベスト、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラ
スビーズ、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベン
トナイト、グラファイト、アルミニウム粉、硫化モリブ
デン、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、ポリエチレン繊
維、ポリプロピレン繊維およびポリアミド繊維を挙げる
ことができる。
このような有機あるいは無機充填剤は、環状オレフィ
ン系樹脂および軟質重合体100重量部に対して、通常は
1〜100重量部、好ましくは5〜100重量部、特に好まし
くは5〜50重量部の量で使用される。
なお、本発明の樹脂組成物には、その特性を損なわな
い範囲内で他の樹脂を配合することもできる。この場合
に配合することができる樹脂の例としては、ポリエステ
ル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリカーボネート、
ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニ
レンサルファイド、ポリイミド、フッ素樹脂およびエポ
キシ樹脂などを挙げることができる。
上記のような環状オレフィン系樹脂、軟質重合体およ
び有機過酸化物を、例えば、各成分を同時に混合した
後、あるいは、環状オレフィン系樹脂の軟質重合体とを
混合した後、有機過酸化物を混合して反応させる。
この際、環状オレフィン系樹脂と軟質重合体との混合
は、環状オレフィン系樹脂と軟質重合体とを押出機など
を用いて溶融状態でブレンドする方法、あるいはヘプタ
ン、ヘキサン、デカン、シクロヘキサンのような飽和炭
化水素、トルエン、ベンゼン、キシレンのような芳香族
炭化水素などに環状オレフィン系樹脂および軟質重合体
を溶解させて混合し、次いで溶剤を除去する方法などを
利用して混合することができる。
このようにして各成分を混合した後、通常は、使用さ
れる有機過酸化物の1分半減期の温度以上に加熱するこ
とにより反応が進行する。また、任意成分としてラジカ
ル重合性の官能基を分子内に二個以上有する化合物を使
用した場合にも、樹脂を有機過酸化物の1分半減期の温
度以上に加熱することが好ましい。このようにすること
により架橋構造が有効に形成される。
こうして得られた環状オレフィン系樹脂組成物は、環
状オレフィン系樹脂が本質的に有している優れた特性を
有すると共に、特に耐衝撃性、剛性などの特性に優れて
いる。
このようにして得られた環状オレフィン系樹脂組成物
は、環状オレフィン系樹脂と同様に使用することができ
る。
例えば低分子量の樹脂から組成物は、合成ワックスと
して蝋燭、マッチ軸木含浸剤、紙加工剤、サイズ剤、ゴ
ム老化防止剤、段ボール耐水剤、化成肥料遅効化剤、蓄
熱剤、セラミックバインダー、例えば紙コンデンサー、
電線あるいはケーブルなどの電気絶縁剤、中性子減速
剤、繊維加工助剤、建材溌水剤、塗装保護材、つや出し
剤、チクソトロピー性賦与剤、鉛筆・クレヨンの芯硬度
賦与剤、カーボンインキ基材、静電複写用トナーバイン
ダー、合成樹脂成形用滑剤、離型剤、樹脂着色剤、ホッ
トメルト接着剤および潤滑用グリスなどとして使用する
ことができる。また、高分子量の樹脂からなる組成物
は、電機アイロンの水タンク、電子レンズ用品、プリン
ト基板、高周波回路基板、導電性シート材料、カメラボ
ディー、各種計器・機器類のハウジング、フィルム、シ
ートおよびヘルメットなどとして使用することができ
る。
本発明の方法により得られた環状オレフィン系樹脂組
成物は、公知の方法を利用して成形加工することができ
る。
例えば単軸押出機、ベント式押出機、二本スクリュー
押出機、円錐型二本スクリュー押出機、コニーダー、プ
ラテイフィケーター、ミクストルーダー、歯車型押出
機、スクリューレス押出機および遊星ねじ押出機などを
用いて押出成形、射出成形、ブロー成形、回転成形およ
び発泡成形などを行うことができる。
本発明の方法により製造された樹脂を用いて製造され
た射出成形品は、前記の各種共重合体をそれ自体公知の
射出成形法により実施することができ、以下の如き成形
品を製造できる。
自動車部品 インストウルメントパネル、コンソールボックス、メ
ータークラスター、コラムカバー、グリルドアミラー、
フェンダー、ボンネット、ラジエターグリル。
機械ハウジング 工具(電動工具)、事務器(ワープロ、パソコン、複
写機、プリンター、FDD、CRT)、精密機械(カメラ)、
家電製品(電子レンジ、電機釜、冷蔵庫、ポット、掃除
機)。
機械部品 エアコン用シロッコファン。
また、上記のような成形方法の他、シートを用いた真
空成形、圧空成形等の熱成形、あるいは融着、接着、ホ
ットスタンピング、塗装、植毛等の方法を利用して二次
加工を行うこともできる。
発明の効果 本発明によれば、特定の環状オレフィンから形成され
た環状オレフィン系樹脂と軟質重合体と有機過酸化物と
の反応により樹脂組成物が形成されているため、相互に
混合状態にある環状オレフィン系樹脂と軟質重合体との
間に架橋構造が形成され、環状オレフィン系樹脂の剛性
は若干低下するものの耐衝撃性が著しく向上し、全体と
して剛性と耐衝撃性のバランスの優れる組成物を製造す
ることができる。
次に本発明の実施例を示して本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例によって限定的に解釈
されるべきでない。
なお、本発明における各種物性値の測定方法および評
価方法を以下に示す。
(1)溶融流れ指数(MFRT℃) ASTM D1238に準じ温度T℃、荷重2.16kgで測定し
た。
(2)試験片の調整 東芝機械(株)製射出成形機IS−35および所定の試験
片作成用金型を用いて以下の成形条件で成形した。試験
片、成形後室温で48時間放置してから使用した。
成形条件 シリンダー温度:270℃ 金型温度:60℃ 射出圧力一次/二次:1000/800kg/cm2 射出速度(一次):30% スクリュー回転数:150rpm (3)曲げ試験 ASTM D790に準じて行った。
試験片形状:5×1/2×1/8tインチ スパン間 距離:51mm 試験速度:20mm/分 試験温度:23℃ (4)アイゾット衝撃試験 ASTM D256に準じて行った。
試験片形状:5/2×1/8×1/2tインチ(ノッチ付) 試験温度:23℃ (5)熱変形温度(HDT) ASTM D648に準じて行った。
試験片形状:5×1/4×1/2tインチ 加重:264psi (6)軟化温度(TMA) デュポン社製、Thermo Mechanical Analyzerを用いて
厚さ1mmのシートの熱変形強度により測定した。すなわ
ち、シート上に石英針をのせ、加重49gをかけ、5℃/
分の速度で昇温して行き、針が0.635mm浸入した温度をT
MAとした。
(7)ガラス転移温度(Tg) SEIKO電子工業(株)製DSC−20を用いて、昇温速度10
℃/分で測定した。
参考例 (開環重合体の合成) 1のフラスコにトルエン700ml、1,4,5,8−ジメタノー
ル、1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン(DMO
N)93ml、2−ノルボルネン(NB)7ml、1−ヘキセン0.
5ml、ならびに、0.1ミリモルのWCl6およびテトラフェニ
ルスズを入れ、50℃で2時間重合を行った。
重合溶液を大量のメタノール中に入れて重合体を析出
させ、メタノールおよびアセトンでそれぞれ3回洗浄
後、80℃で一晩減圧乾燥させ、98gの重合体を得た。
得られた重合体の30℃のトルエン中で測定した極限粘
度[η]は0.78dl/g、13C−NMRにより測定したNB含有率
は10モル%であった。
(開環重合体の水素添加反応) 開環重合体20gのテトラヒドロフラン250mlに溶解し、
Pd1gをシリカ50gに担持した触媒1.5gを1のオートク
レーブに装入し、このオートクレーブにH2を充填して50
kg/cm2Gに加圧した後、50℃に昇温して、15時間攪拌を
続けた。
得られたスラリー溶液から重合体を濾別し、シクロヘ
キサンに溶解し、触媒を濾別後、100℃で減圧下一昼夜
乾燥した。水素添加率は97%であった。
得られた重合体のパーキンエルマー社製DSCによって1
0℃/minの昇温速度で測定したガラス転移温度(Tg)は1
55℃であった。
実施例1 [A]成分としては上記の操作により得られた水素化
開環重合体2kg、[B]成分としてエチレン・プロピレ
ンランダム共重合体(エチレン含量:80mol%、Tg:−54
℃、MFR230℃:0.7g/10min、[η]:2.2dl/g)のペレッ
ト0.5kgを充分混合した後、二軸押出機(池貝鉄工
(株)製PCM45)によりシリンダー温度220℃で溶融ブレ
ンドし、ペレタイザーにてペレット化した。得られた
[A]成分と[B]成分からなるペレット1kgに対し、
[C]成分として日本油脂(株)製パーヘキシン25B
(商標)を1g、[D]成分としてジビニルベンゼンを3g
の割合で添加し、充分混合した。この混合物を前記二軸
押出機(シリンダー温度230℃)を用いて溶融状態で反
応させ、ペレタイザーにてペレット化した。
得られたペレットを用いて前記の方法により試験片を
作成し、物性を測定した。
結果を表1に示す。
実施例2〜4 実施例1で用いた[C]成分の種類または量を変えた
以外は実施例1と同様に行った。
結果を表1に示す。
実施例5〜9 実施例1で[B]成分として用いたエチレン・プロピ
レンランタム共重合体に代え、他の重合体を用いた以外
は実施例1と同様に行った。
結果を表2に示す。
比較例 実施例1において[C]成分、[D]成分を用いなか
った以外は同様に行った。
得られた組成物の曲げ弾性率、曲げ強度、アイゾット
衝撃強度、HDT、MFR260℃はそれぞれ22000kg/cm2、720k
g/cm2、6kg・cm/cm、139℃、9g/minであった。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 65/00 C08L 23/00 - 23/36 C08K 3/00 - 13/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式[I]で表される環状オレフィンを開
    環重合してなる開環重合体の水素添加物もしくは開環共
    重合体の水素添加物からなる環状オレフィン系樹脂と、 ガラス転移温度(Tg)が0℃以下である軟質重合体と、 有機過酸化物とを 環状オレフィン系樹脂100重量部に対して軟質重合体が
    5〜150重量部、かつ、環状オレフィン系樹脂と軟質重
    合体の合計重量100重量部に対して有機過酸化物が0.01
    〜1重量部となる割合で反応させることを特徴とする、
    架橋構造の形成された耐衝撃性環状オレフィン系樹脂組
    成物の製造方法; (式中、nは0または1であり、mは0または正の整数
    であり、 R1〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子
    および炭化水素基よりなる群から選ばれる原子もしくは
    基を表し、 R15〜R18は、互いに、結合して単環または多環の基を形
    成していてもよく、かつ該単環または多環の基が二重結
    合を有していてもよく、 また、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデン
    基を形成していてもよい)。
  2. 【請求項2】軟質重合体が、 (a)エチレンから誘導される繰返し単位と、エチレン
    以外のα−オレフィンから誘導される繰返し単位と、上
    記式[I]で表される環状オレフィンから誘導される繰
    返し単位とからなり、かつ130℃のデカリン中で測定し
    た極限粘度が0.01〜10dl/g、ガラス転移温度が0℃以下
    である環状オレフィンランダム共重合体; (b)少なくとも二種類のα−オレフィンから形成され
    るガラス転移温度が0℃以下の非晶性ないし低結晶性の
    α−オレフィン系共重合体; (c)少なくとも二種類のα−オレフィンと、少なくと
    も一種類の非共役ジエンから形成されるガラス転移温度
    が0℃以下のα−オレフィン・ジエン共重合体; および (d)0℃以下のガラス転移温度を有する芳香族系炭化
    水素・共役ジエンランダムもしくはブロック共重合体ま
    たはその水素化物; (e)共役ジエン重合体またはその水素化物 よりなる群から選ばれた少なくとも一種類の重合体であ
    ることを特徴とする請求項第1項記載の製造方法。
  3. 【請求項3】耐衝撃性環状オレフィン系樹脂組成物が、
    さらに環状オレフィン系樹脂と軟質重合体との合計重量
    100重量部に対して1重量部以下の、分子内に2個以上
    のラジカル重合性の官能基を有する化合物を配合して反
    応させることにより形成されたものであることを特徴と
    する請求項第1項記載の製造方法。
JP26066989A 1989-10-05 1989-10-05 耐衝撃性環状オレフィン系樹脂組成物の製造方法 Expired - Lifetime JP3034884B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26066989A JP3034884B2 (ja) 1989-10-05 1989-10-05 耐衝撃性環状オレフィン系樹脂組成物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26066989A JP3034884B2 (ja) 1989-10-05 1989-10-05 耐衝撃性環状オレフィン系樹脂組成物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03122157A JPH03122157A (ja) 1991-05-24
JP3034884B2 true JP3034884B2 (ja) 2000-04-17

Family

ID=17351124

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26066989A Expired - Lifetime JP3034884B2 (ja) 1989-10-05 1989-10-05 耐衝撃性環状オレフィン系樹脂組成物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3034884B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3690013A4 (en) * 2017-09-29 2021-06-23 Zeon Corporation BIOCHEMICAL INSTRUMENT

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03122157A (ja) 1991-05-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4992511A (en) Cyclo-olefinic random copolymer composition and reaction product thereof
JP3341954B2 (ja) 樹脂組成物
US5180767A (en) Flame retardant cyclic olefinic polymer composition
JP2817261B2 (ja) 架橋された耐衝撃性環状オレフィン系樹脂組成物およびその製造方法
JP3034884B2 (ja) 耐衝撃性環状オレフィン系樹脂組成物の製造方法
US5298551A (en) Vinyl chloride resin compositions
JPH05156100A (ja) 樹脂組成物およびその用途
JP2653707B2 (ja) 環状オレフィン系重合体からなる射出成形品
JPH03255145A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP3039799B2 (ja) 環状オレフィン系樹脂
JP3005276B2 (ja) 環状オレフィン系樹脂組成物
JP2795506B2 (ja) ポリオレフィン樹脂組成物
JPH059351A (ja) 環状オレフイン系樹脂組成物
JP2795505B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP2851890B2 (ja) 環状オレフィン系樹脂組成物からなる摺動材
JP2915942B2 (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
JPH0859906A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH03188145A (ja) 環状オレフィン系重合体熱成形品
JP3336060B2 (ja) 環状オレフィン系樹脂組成物
JP3029036B2 (ja) 樹脂組成物
JP3034890B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JPH03203945A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JP2795499B2 (ja) ポリアミド樹脂組成物
JPH03207755A (ja) ポリ(フェニレンエーテル)系樹脂組成物
JPH05279520A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090218

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100218

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100218

Year of fee payment: 10