JP2817261B2 - 架橋された耐衝撃性環状オレフィン系樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

架橋された耐衝撃性環状オレフィン系樹脂組成物およびその製造方法

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JP2817261B2 JP1253527A JP25352789A JP2817261B2 JP 2817261 B2 JP2817261 B2 JP 2817261B2 JP 1253527 A JP1253527 A JP 1253527A JP 25352789 A JP25352789 A JP 25352789A JP 2817261 B2 JP2817261 B2 JP 2817261B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は耐熱性、耐熱老化性、耐薬品性、耐侯性、耐
溶剤性、誘電特性、剛性に優れ、しかも耐衝撃性および
成形性に優れた架橋された耐衝撃性環状オレフィン系樹
脂組成物およびその製造方法に関する。
〔従来の技術〕 エチレンと後述の一般式〔I〕で表わされる環状オレ
フィン成分とからなる環状オレフィン系ランダム共重合
体〔A〕は耐熱性、剛性、耐侯性、透明性、成形時の寸
法精度などが優れた樹脂として知られている(例えば特
開昭60−168708号公報など)。しかしながらこの樹脂は
耐衝撃性が充分でない。これを改良するために既に本出
願人は、後述の〔B〕成分で示されるようないわゆるゴ
ム成分を配合した組成物を提案している(特開昭63−27
3655号公報)。
ところがこのような樹脂組成物も必ずしも衝撃強度が
十分であるとはいえないため、さらに衝撃強度、特に低
温衝撃強度の大きいものが要望されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、耐熱性、耐熱老化性、耐薬品性、耐
侯性、耐溶剤性、誘電特性、剛性に優れ、しかも耐衝撃
性および成形性に優れた架橋された耐衝撃性環状オレフ
ィン系樹脂組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、上記架橋された耐衝撃性環状オ
レフィン系樹脂組成物の簡単な製造方法を提供すること
である。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は次の架橋された耐衝撃性環状オレフィン系樹
脂組成物およびその製造方法である。
(1)〔A〕エチレン成分と、下記一般式〔I〕で表
わされる環状オレフィン成分とからなり、軟化温度(TM
A)が70℃以上である環状オレフィン系ランダム共重合
体、 〔B〕(i)エチレン成分と、他のα−オレフィン成
分と、下記一般式〔I〕で表される環状オレフィン成分
とからなり、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下である環
状オレフィン系ランダム共重合体、 (ii)少なくとも2種のα−オレフィンから形成さ
れ、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下の非晶性ないし低
結晶性のα−オレフィン系共重合体、 (iii)少なくとも2種のα−オレフィンと、少なく
とも1種の非共役ジエンとから形成され、ガラス転移温
度(Tg)が0℃以下のα−オレフィン・ジエン系共重合
体、および (iv)0℃以下のガラス転移温度(Tg)を有する芳香
族ビニル系炭化水素・共役ジエンランダムもしくはブロ
ック共重合体、またはその水素化物 からなる群から選択される少なくとも1種以上の軟質共
重合体、ならびに 〔C〕有機過酸化物 の反応生成物からなり、 反応生成物の〔A〕ないし〔C〕原料が割合が、
〔A〕原料100重量部に対して〔B〕原料が合計量とし
て5〜150重量部、〔A〕原料と〔B〕原料との合計量1
00重量部に対して〔C〕原料が0.01〜1重量部であるこ
とを特徴とする架橋された耐衝撃性環状オレフィン系樹
脂組成物およびその製造方法。
一般式 〔式中、R1〜R12は水素原子、炭化水素基またはハロゲ
ン原子であって、それぞれ同一でも異なっていてもよ
い。またR9とR10、またはR11とR12とは一体化して2価
の炭化水素基を形成してもよく、R9またはR10とR11また
はR12とは互いに環を形成していてもよい。nは0また
は正の整数であって、R5〜R8が複数回繰り返される場合
には、これらはそれぞれ同一でも異なっていてもよ
い。〕 (2)〔A〕原料、〔B〕原料、〔C〕原料、および 〔D〕ラジカル重合性の官能基を分子内に2個以上有
する化合物 の反応生成物からなり、〔D〕原料の割合が、〔A〕原
料と〔B〕原料との合計量100重量部に対して1重量部
以下である上記(1)記載の架橋された耐撃性環状オレ
フィン系樹脂組成物およびその製造方法。
本発明の架橋された耐衝撃性環状オレフィン系樹脂組
成物の原料となる環状オレフィン系ランダム共重合体
〔A〕および環状オレフィン系ランダム共重合体〔B〕
(i)は、いずれもモノマー成分としてエチレン成分お
よび特定の環状オレフィン成分と構成成分とする環状オ
レフィン系ランダム共重合体である。上記環状オレフィ
ン成分は前記一般式〔I〕で表わされる環状オレフィン
であり、環状オレフィン系ランダム共重合体〔A〕およ
び〔B〕(i)中においては、下記一般式〔II〕で表わ
される構造の繰返し単位を主として形成している。
〔式中、nおよびR1〜R12は前記と同じである。〕 前記環状オレフィン系ランダム共重合体〔A〕および
〔B〕(i)の構成成分である環状オレフィンは、前記
一般式〔I〕で表わされる不飽和単量体からなる群から
選ばれた少なくとも1種の環状オレフィンである。
前記一般式〔I〕におけるR1〜R8としては、例えば水
素原子;フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の低級アルキル
基などを例示することができ、これらはそれぞれ異なっ
ていてもよく、部分的に異なっていてもよく、全部が同
一であってもよい。
前記一般式〔I〕におけるR9〜R12としては、例えば
水素原子;フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;メチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、ヘキシル基、ステアリル基等のアル
キル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基などを
例示することができる。またR9とR10、またはR11とR12
とは一体化して2価の炭化水素基を形成してもよく、R9
またはR10とR11またはR12とは互いに環を形成してもよ
い。
R9とR10、またはR11とR12とが一体化して形成される
2価の炭化水素基としては、例えばエチリデン基、プロ
ピリデン基、イソプロピリデン基等のアルキリデン基な
どをあげることができる。
R9またはR11とR11またはR12とから形成される環は単
環でも縮合多環であってもよく、架橋を有する多環であ
ってもよく、不飽和結合を有する環であってもよく、ま
たこれらの環の組合せからなる環であってもよい。この
ような環として具体的には、例えば などをあげることができる。これらの環はメチル基など
の置換基を有していてもよい。なお上記化学式において
1または2を付した炭素原子は前記一般式〔I〕におい
てR9〜R12が結合している炭素原子を表わしている。
前記一般式〔I〕で表わされる環状オレフィンはシク
ロペンタジエン類と、相対するオレフィン類または環状
オレフィン類とを、ディールス・アルダー反応によって
縮合させることにより、容易に製造することができる。
前記一般式〔I〕で表わされる環状オレフィンとして
具体的には、表1に記載した化合物などを例示すること
ができる。
環状オレフィン系ランダム共重合体〔A〕は、前記環
状オレフィン成分およびエチレン成分を必須成分とする
ものであるが、これらの必須の2成分の他に本発明の目
的を損なわない範囲で、必要に応じて他の共重合可能な
不飽和単量体成分を含有していてもよい。任意に共重合
されていてもよい不飽和単量体としては、たとえば炭素
数3〜20のα−オレフィン、炭素と炭素の二重結合を1
分子内に2個以上含む炭化水素系単量体などをあげるこ
とができる。炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、
具体的にはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4
−メチル−1−ベンテン、3−メチル−1−ベンテン、
1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネ
ン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1
−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンな
どをあげることができる。炭素と炭素の二重結合を1分
子内に2個以上含む炭化水素系単量体としては、具体的
には1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチ
ル−1,5−ヘキサジエン、4−メチル−1,5−ヘキサジエ
ン、5−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5
−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン等の
鎖状非共役ジエン;シクロヘキサジエン、ジシクロペン
タジエン、メチルテトラヒドロインデン、5−ビニル−
2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネ
ン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピ
リデン−2−ノルボンネン、6−クロロメチル−5−イ
ソプロペニル−2−ノルボルネン、4・9,5・8−ジメ
タノ−3a,4,4a,5,8,8a,9,9a−オクタヒドロ−1H−ベン
ゾインデン等の環状非共役ジエン;2,3−ジイソプロピリ
デン−5−のノルボルネン;2−エチリデン−3−イソプ
ロピリデン−5−ノルボルネン;2−プロペニル−2,2−
ノルボルナジエンなどを例示することができる。これら
のうちでは、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、
および環状非共役ジエン、とりわけジシクロベンタジエ
ン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−
2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、
1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエンが好ましい。
環状オレフィン系ランダム共重合体〔A〕において、
エチレン成分に由来する構造単位(a)は40〜85モル
%、好ましくは50〜75モル%の範囲、環状オレフィン成
分に由来する構造単位(b)は15〜60モル%、好ましく
は25〜50モル%の範囲が適当であり、エチレン成分に由
来する構造単位(a)および環状オレフィン成分に由来
する構造単位(b)はランダムに配列した実質上線状の
環状オレフィン系ランダム共重合体を形成している。前
記環状オレフィン系ランダム共重合体〔A〕が実質上線
状であり、ゲル状架橋構造を有していないことは、同共
重合体が135℃のデカリン中に完全に溶解することによ
って確認できる。
環状オレフィン系ランダム共重合体〔A〕としては、
サーモ・メカニカル・アナライザーで測定した軟化温度
(TMA)が70℃以上、好ましくは90〜250℃、さらに好ま
しくは100〜200℃の範囲のものを使用する。
また環状オレフィン系ランダム共重合体〔A〕として
は、135℃のデカリン中で測定した極限粘度〔η〕が0.0
5〜10dl/g、好ましくは0.08〜5dl/gの範囲、ガラス転移
温度(Tg)が通常50〜230℃、好ましくは70〜210℃の範
囲、X線回析法によって測定した結晶化度が0〜10%、
好ましくは0〜7%、とくに好ましくは0〜5%の範囲
のものを使用するのが好ましい。
環状オレフィン系ランダム共重合体〔B〕(i)は、
エチレン成分、他のα−オレフィン成分および前記環状
オレフィン成分を必須成分とするものであるが、これら
の必須成分の他に本発明の目的を損なわない範囲で、必
要に応じて他の共重合可能な不飽和単量体成分を含有し
ていてもよい。前記他のα−オレフィン成分として具体
的には、たとえばプロピレン、1−ブテン、4−メチル
−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デ
セン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデ
セン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数
3〜20のα−オレフィンなどを例示することができ、こ
れらは共重合体〔B〕(i)中に1種または2種以上存
在していてもよい。
環状オレフィン系ランダム共重合体〔B〕(i)にお
いて、エチレン成分に由来する構造単位(a1)は40〜98
モル%、好ましくは50〜90モル%の範囲、他のα−オレ
フィン成分に由来する構造単位(b1)は2〜50モル%、
好ましくは5〜40モル%の範囲、環状オレフィン成分に
由来する構造単位(c1)は2〜20モル%、好ましくは2
〜15モル%の範囲が適当であり、エチレン成分に由来す
る構造単位(a1)、他のα−オレフィン成分に由来する
構造単位(b1)および環状オレフィン成分に由来する構
造単位(c1)はランダムに配列した実質上線状の環状オ
レフィン系ランダム共重合体を形成している。前記環状
オレフィン系ランダム共重合体〔B〕(i)が実質上線
状であり、ゲル状架橋構造を有していないことは、同共
重合体が135℃のデカリン中に完全に溶解することによ
って確認できる。
環状オレフィン系ランダム共重合体〔B〕(i)とし
ては、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下、好ましくは−
10℃以下、さらに好ましくは−20℃以下の範囲にあるも
のを使用する。
また環状オレフィン系ランダム共重合体〔B〕(i)
としては、135℃のデカリン中で測定した極限粘度
〔η〕が0.01〜10dl/g、好ましくは0.08〜7dl/gの範囲
のものを使用するのが好ましい。
環状オレフィン系ランダム共重合体〔A〕および
〔B〕(i)としては、上記範囲の物性を有するものの
みからなる共重合体を用いてもよいが、上記範囲外の物
性を有す共重合体が一部含まれていてもよく、この場合
全体の物性値が上記範囲に含まれていればよい。
環状オレフィン系ランダム共重合体〔A〕および
〔B〕(i)は、特開昭60−168708号公報、特開昭61−
120816号公報、特開昭61−115912号公報、特開昭61−11
5916号公報、特開昭61−271308号公報、特開昭61−2722
16号公報、特開昭62−252406号公報、特開昭62−252407
号公報などにおいて本出願人が提案した方法に従い適宜
条件を選択することにより製造することができる。
本発明の架橋された耐衝撃性環状オレフィン系樹脂組
成物の原料となるα−オレフィン系共重合体〔B〕(i
i)としては、少なくとも2種のα−オレフィンから形
成され、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下、好ましくは
−10℃以下、さらに好ましくは−20℃以下の範囲にある
非晶性ないし低結晶性の共重合体が使用され、具体的に
は(a2)エチレン・α−オレフィン共重合体、(b2)プ
ロピレン・α−オレフィン共重合体などが用いられる。
(a2)エチレン・α−オレフィン共重合体を構成する
α−オレフィンとしては、通常炭素数3〜20のα−オレ
フィン、たとえばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペテン、1−オク
テン、1−デセンまたはこれらの混合物などを例示する
ことができる。このうち特に炭素数3〜10のα−オレフ
ィンが好ましい。
また(B2)プロピレン・α−オレフィン共重合体を構
成するα−オレフィンとしては、通常炭素数4〜20のα
−オレフィン、たとえば1−ブテン、1−ペンテン、1
−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテ
ン、1−デセンまたはこれらの混合物などを例示するこ
とができる。このうち特に炭素数4〜10のα−オレフィ
ンが好ましい。
上記のような(a2)エチレン・α・オレフィン共重合
体においては、エチレンとα−オレフィンとのモル比
(エチレン/α−オレフィン)は、α−オレフィンの種
類によっても異なるが、一般に30/70〜95/5であること
が好ましい。
上記のような(b2)プロピレン・α−オレフィン共重
合体においては、プロピレンとα−オレフィンとモル比
(プロピレン/α−オレフィン)は、α−オレフィンの
種類によっても異なるが、一般に30/70〜95/5であるこ
とが好ましい。
本発明の架橋された耐衝撃性環状オレフィン系樹脂組
成物の原料となるα−オレフィン・ジエン系共重合体
〔B〕(iii)としては、少なくとも2種のα−オレフ
ィンと、少なくとも1種の非共役ジエンとから形成さ
れ、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下、好ましくは−10
℃以下、さらに好ましくは−20℃以下の範囲にあるもの
が使用され、具体的には(a3)エチレン・α−オレフィ
ン・ジエン共重合体ゴム、(b3)プロピレン・α−オレ
フィン・ジエン共重合体ゴムなどが用いられる。
(a3)エチレン・α−オレフィン・ジエン共重合体ゴ
ムを構成するα−オレフィンとしては、通常炭素数3〜
20のα−オレフィン、たとえばプロピレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペ
ンテン、1−オクテン、1−デセンまたはこれらの混合
物などを例示することができる。このうち特に炭素数3
〜10のα−オレフィンが好ましい。
また(b3)プロピレン・α−オレフィン・ジエン共重
合体ゴムを構成するα−オレフィンとしては、通常炭素
数4〜20のα−オレフィン、たとえば1−ブテン、1−
ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、
1−オクテン、1−デセンまたはこれらの混合物などを
例示することができる。このうち特に炭素数4〜10のα
−オレフィンが好ましい。
また(a3)エチレン・α−オレフィン・ジエン共重合
体ゴムまたは(b3)プロピレン・α−オレフィン・ジエ
ン共重合体ゴム中のジエン成分としては、1,4−ヘキサ
ジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサ
ジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル
−1,6−オクタジエンのような鎖状非共役ジエン;シク
ロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン;メチルテトラ
ヒドロインデン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリ
デン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボル
ネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、6−
クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン
のような環状非共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデン−
5−ノルボルネン;2−エチリデン−3−イソプロピリデ
ン−5−ノルボルネン;2−プロペニル−2,2−ノルボル
ナジエンなどを例示することができる。
上記のような(a3)エチレン・α−オレフィン・ジエ
ン共重合体ゴムにおいては、エチレンとα−オレフィン
とのモル比(エチレン/α−オレフィン)は、α−オレ
フィンの種類によっても異なるが、一般に30/70〜95/5
であることが好ましい。
またこの共重合体ゴム(a3)におけるジエン成分の含
有量は1〜20モル%、好ましくは2〜15モル%であるこ
とが望ましい。
上記のような(b3)プロピレン・α−オレフィン・ジ
エン共重合体ゴムにおいては、プロピレンとα−オレフ
ィンとのモル比(プロピレン/α−オレフィン)は、α
−オレフィンの種類によっても異なるが、一般に30/70
〜95/5であることが好ましい。
またこの共重合体ゴム(b3)におけるジエン成分の含
有量は1〜20モル%、好ましくは2〜15モル%であるこ
とが望ましい。
本発明の架橋された耐衝撃性環状オレフィン系樹脂組
成物の原料となる芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエン
ランダムもしくはブロック共重合体、またはその水素化
物〔B〕(iv)としては、ガラス転移温度(Tg)が0℃
以下、好ましくは−10℃以下、さらに好ましくは−20℃
以下の範囲にあるものが使用され、具体的には(a4)ス
チレン・ブタジエンブロック共重合体ゴム、(b4)スチ
レン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体ゴム、
(c4)スチレン・イソプレンブロック共重合体ゴム、
(d4)スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合
体ゴム、(e4)水素添加スチレン・ブタジエン・スチレ
ンブロック共重合体ゴム、(f4)水素添加スチレン・イ
ソプレン・スチレンブロック共重合体ゴム、(g4)スチ
レン・ブタジエンランダム共重合体ゴムなどが用いられ
る。
これらの共重合体ゴムにおいては一般に芳香族ビニル
系炭化水素と共役ジエンとのモル比(芳香族ビニル系炭
化水素/共役ジエン)は一般に10/90〜70/30であること
が好ましい。
(e4)の水素添加スチレン・ブタジエン・スチレンブ
ロック共重合体ゴムは、上記のスチレン・ブタジエン・
スチレンブロック共重合体ゴム(b4)中に残存する二重
結合の一部または全部を水素化した共重合体ゴムであ
る。
(f4)の水素添加スチレン・イソプレン・スチレンブ
ロック共重合体ゴムは、上記のスチレン・イソプレン・
スチレンブロック共重合体ゴム(d4)中に残存する二重
結合の一部または全部を水素化した共重合体ゴムであ
る。
上記のような〔B〕(i)〜(iv)原料としては、13
5℃デカリン中で測定した極限粘度〔η〕が0.01〜10dl/
g、好ましくは0.08〜7dl/gの範囲、またX線回析法によ
り測定した結晶化度が0〜10%、好ましくは0〜7%、
特に好ましくは0〜5%の範囲にあるものを使用するの
が好ましい。
上記のような軟質共重合体〔B〕(i)〜(iv)原料
は1種単独で、または2種以上組合せて用いることがで
きる。
本発明の架橋された耐衝撃性環状オレフィン系樹脂組
成物の原料となる有機過酸化物〔c〕としては、メチル
エチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキ
シド等のケトンパーオキシド類;1,1−ビス(t−ブチル
パーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチル
パーオキシ)オクタン等のパーオキシケタール類;t−ブ
チルヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、
2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロキシパーオキシ
ド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキシド
等のヒドロパーオキシド類;ジ−t−ブチルパーオキシ
ド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)
ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオ
キシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキシド類;ラ
ウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド等のジ
アシルパーオキシド類;t−ブチルパーオキシアセテー
ト、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン等のパ
ーオキシエステル類等をあげることができる。
本発明の架橋された耐衝撃性環状オレフィン系樹脂組
成物は前記環状オレフィン系ランダム共重合体〔A〕、
軟質共重合体〔B〕および有機過酸化物〔C〕の反応生
成物からなるが、これらの〔A〕ないし〔C〕原料とと
もにラジカル重合性の官能基を分子内に2個以上有する
化合物〔D〕の反応生成物からなる方が、より耐衝撃性
に優れた架橋された耐衝撃性環状オレフィン系樹脂組成
物が得られるので好ましい。
ラジカル重合性の官能基を分子内に2個以上有する化
合物〔D〕としては、たとえばジビニルベンゼン、アク
リル酸ビニル、メタクリル酸ビニル、トリアリールイソ
シアヌレート、ジアリールフタレート、エチレンジメタ
クリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレー
トなどをあげることができる。
本発明の架橋された耐衝撃性環状オレフィン系樹脂組
成物は上記のように〔A〕ないし〔C〕原料、または
〔A〕ないし〔D〕原料の反応生成物からなるが、反応
生成物の各原料の割合は〔A〕原料100重量部に対して
〔B〕原料が合計量として5〜150重量部、好ましくは
5〜100重量部、特に好ましくは10〜80重量部、〔A〕
原料および〔B〕原料の合計量100重量部に対して
〔C〕原料が0.01〜1重量部、好ましくは0.05〜0.5重
量部、〔A〕原料および〔B〕原料の合計量100重量部
に対して〔D〕原料が1重量部以下、好ましくは0.1〜
0.5重量部である。各原料の割合を上記割合とすること
により、剛性、耐熱性、硬度などに優れ、しかも耐衝撃
性に優れた樹脂が得られる。
本発明の架橋された耐衝撃性環状オレフィン系樹脂組
成物には、〔A〕ないし〔C〕原料、または〔A〕ない
し〔D〕原料の反応生成物の他に耐熱安定剤、耐候安定
剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、
防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワック
ス、有機または無機の充填剤などを配合することがで
き、その配合割合は適宜量である。任意成分として配合
される安定剤として具体的には、たとえばテトラキス
〔メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート〕メタン、β−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸
アルキルエステル、2,2′−オキザミドビス〔エチル−
3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート等のフェノール系酸化防止剤;ステアリ
ン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシス
テアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩;グリセリンモ
ノステアレート、グリセリンモノラウレート、グリセリ
ンジステアレート、ベンタエリスリトールモノステアレ
ート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエ
リスリトールトリステアレート等の多価アルコール脂肪
酸エステルなどをあげることができる。これらは単独で
配合してもよいし、組合せて配合してもよく、たとえば
テトラキス〔メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタンとステ
アリン酸亜鉛およびグリセリンモノステアレートとの組
合せなどを例示できる。
有機または無機の充填剤としては、シリカ、ケイ藻
土、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、軽石
粉、軽石バルーン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネ
シウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイト、硫酸カ
ルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、亜硫酸カ
ルシウム、タルク、クレー、マイカ、アスベスト、ガラ
ス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ケイ酸カルシ
ウム、モンモリロナイト、ベントナイト、グラファイ
ト、アルミニウム粉、硫化モリブデン、ボロン繊維、炭
化ケイ素繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊
維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などを例示でき
る。
本発明の架橋された耐衝撃性環状オレフィン系樹脂組
成物は、〔A〕原料、〔B〕原料および〔C〕原料を、
前記割合で〔C〕原料が分解する温度で反応させるか、
または〔A〕原料、〔B〕原料、〔C〕原料および
〔D〕原料を、前記割合で〔C〕原料が分解する温度で
反応させることにより製造できる。反応に際しては各原
料を同時に混合して反応させることもできるが、〔A〕
原料および〔B〕原料を混合した後、〔C〕原料、また
は〔C〕原料および〔D〕原料を混合して反応させる方
法が好ましい。この場合他の添加剤などは〔A〕、
〔B〕原料と同時に混合しても、〔C〕原料、または
〔C〕原料および〔D〕原料と同時に混合してもよい。
また〔C〕、〔D〕原料は、〔A〕、〔B〕原料に混合
した際、〔C〕、〔D〕原料も充分混合された状態で反
応させるのが好ましい。
〔A〕原料および〔B〕原料を混合するには、〔A〕
原料および〔B〕原料を別個に製造し、〔A〕原料と
〔B〕原料とを押出機などでブレンドする方法、または
〔A〕原料および〔B〕原料を適当な溶媒、たとえばヘ
プタン、ヘキサン、デカン、シクロヘキサンのような飽
和炭化水素;トルエン、ベンゼン、キシレンのような芳
香族炭化水素などに充分溶解して行う溶液ブレンド法、
さらには〔A〕原料および〔B〕原料を別個の重合器で
合成して得られるポリマーを別の容器でブレンドする方
法などを採用することができる。
こうして得られた〔A〕原料および〔B〕原料の混合
物に、そのまま引続いて〔C〕原料、または〔C〕およ
び〔D〕原料を加えてブレンドし、〔C〕原料が分解す
る温度で反応させる。反応を有機過酸化物〔C〕が分解
する温度で行うことにより、耐衝撃性および成形性に優
れた架橋された耐衝撃性環状オレフィン系樹脂組成物を
製造することができる。
反応は原料の混合物の溶解状態の下で行うこともでき
るし、または原料の混合物を溶媒に溶解した溶液状態で
行うこともできる。
溶融状態で反応を行う場合はミキシングロール、バン
バリーミキサー、押出機、ニーダ、連続ミキサーなどの
混練装置を用いて、原料の混合物を溶解混練して反応さ
せる。反応は有機過酸化物〔C〕の1分半減期の温度以
上、通常150〜300℃、好ましくは170〜240℃で、通常10
秒〜30分間、好ましくは3〜10分間行うことができる。
溶液状態で反応を行う場合に使用する溶媒としては前
記溶媒ブレンド法で用いた溶媒と同様の溶媒が使用でき
る。反応は有機過酸化物〔C〕の1分半減期の温度以
上、通常50〜300℃で、通常10秒〜2時間で行うことが
できる。
上記の反応では有機過酸化物〔C〕が分解してラジカ
ル反応が起こり、〔A〕原料および〔B〕原料が部分的
に架橋した結果、耐衝撃性に優れた反応生成物が得られ
るものと推定される。そしてラジカル重合性化合物であ
る〔D〕原料が存在する場合は、さらに架橋しやすくな
り、強度的にも優れた反応生成物が得られる。
上記のようにして得られた反応生成物をそのまま、ま
たは溶媒を蒸留などの方法により除去することにより、
架橋された耐衝撃性環状オレフィン系樹脂組成物が得ら
れる。
本発明の架橋された耐衝撃性環状オレフィン系樹脂組
成物の原料組成は上記反応により得られる反応生成物の
原料組成と同じである。
本発明の架橋された耐衝撃性環状オレフィン系樹脂組
成物は、架橋構造を有するため、耐熱性、耐薬品性、耐
溶剤性、誘電特性、剛性などに優れるとともに、耐衝撃
性および成形性にも優れており、従来の環状オレフィン
系ランダム共重合体組成物と同様の用途に使用すること
ができる。
本発明の架橋された耐衝撃性環状オレフィン系樹脂組
成物の用途としては、電気アイロンの水タンク、電子レ
ンジ用品、プリント基板、高周波用回路基板、導電性シ
ートやフィルム等の電気分野、カメラボディ、各種計
器、機器類ハウジング、フィルム、シート、ヘルメット
など種々の分野に利用できる。またその低分子量体は合
成ワックスとしてロウソク、マッチ軸木含浸剤、紙加工
剤、サイズ剤、ゴム老化防止剤、段ボール耐水化剤、化
成肥料遅効化剤、蓄熱剤、セラミックバインダー、紙コ
ンデンサー、電線、ケーブル等の電気絶縁材、中性子減
速材、繊維加工助剤、建材撥水剤、塗装保護剤、つや出
し剤、チクソトロピー付与剤、鉛筆・クレヨンの芯硬度
付与剤、カーボンインキ基材、静電複写用トナー、合成
樹脂成形用滑剤、離型剤、樹脂着色剤、ホットメルト接
着剤、潤滑用グリースなどの分野に利用できる。
本発明の架橋された耐衝撃性環状オレフィン系樹脂組
成物は周知の方法により成形加工できる。たとえば単軸
押出機、ベント式押出機、二本スクリュー押出機、円錐
型二本スクリュー押出機、コニーダー、プラティフィケ
ーター、ミクストルーダー、二軸コニカルスクリュー押
出機、遊星ねじ押出機、歯車型押出機、スクリューレス
押出機などを用いて押出成形、射出成形、ブロー成形、
回転成形、発泡成形などを行うことができる。
〔発明の効果〕
以上の通り、本発明の架橋された耐衝撃性環状オレフ
ィン系樹脂組成物は、環状オレフィン系ランダム共重合
体〔A〕、軟質共重合体〔B〕および有機過酸化物
〔C〕の反応生成物、または環状オレフィン系ランダム
共重合体〔A〕、軟質共重合体〔B〕、有機過酸化物
〔C〕およびラジカル重合性の官能基を分子内に2個以
上有する化合物〔D〕の反応生成物からなるため、耐熱
性、耐熱老化性、耐薬品性、耐侯性、耐溶剤性、誘電特
性、剛性などに優れるとともに、耐衝撃性特に耐低温衝
撃性、および成形性にも優れている。
さらに本発明によれば、上記のような優れた特性を有
する架橋された耐衝撃性環状オレフィン系樹脂組成物を
有機過酸化物〔C〕が分解する条件で反応させるだけ
で、簡単に製造できる。
〔実施例〕
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。
なお、本発明における各種物性値の測定方法および評
価方法を次に示す。
(1)溶融流れ指数(MRF260℃) ASTM D1238に準じ温度260℃、荷重2.16kgで測定した。
(2)試験片の作成 東芝機械(株)製射出成形機IS−35および所定の試験片
用金型を用い、以下の成形条件で成形した。試験片は成
形後室温で48時間放置後測定に供した。
成形条件:シリンダ温度220℃、金型温度60℃、射出
圧力一次/二次=1000/800kg/cm2、射出速度(一次)30
mm/sec、スクリュー回転数150rpm、サイクル(〔射出+
保圧〕/冷却)=7/15sec (3)曲げ試験 ASTM D790に準じて行った。
試験片形状:5×1/2×1/8tインチ、スパン間距離51mm 試験速度:20mm/min 試験温度:23℃ (4)アイゾット衝撃試験 ASTM D256に準じて行った。
試験片形状:5/2×1/2×1/8tインチ(ノッチ付) 試験温度:23℃ (3)熱変形温度(HDT) ASTM D648に準じて行った。
試験片形状:5×1/4×1/2tインチ 荷 重:264psi (6)軟化温度(TMA) デュポン社製Thermo Mechanical Analyzerを用いて厚
さ1mmのシートの熱変形挙動により測定した。すなわ
ち、シート上に石英製針をのせ、荷重49gをかけ、5℃/
minの速度で昇温していき、針が0.635mm浸入した温度を
TMAとした。
(7)ガラス転移温度(Tg) SEIKO電子工業(株)製DSC−20を用いて昇温速度10℃/m
inで測定した。
実施例1 〔A〕成分として13C−NMRで測定したエチレン含量が62
mol%、MFR260℃が35g/10min、135℃デカリン中で測定
した極限粘度〔η〕が0.47dl/g、軟化温度(TMA)が148
℃、Tgが137℃の、エチレンとテトラシクロ〔4.4.0.1
2,5.17,10〕−3−ドデセン(構造式: 以下TCD−3と略す)とのエチレン・TCD−3ランダム共
重合体のペレット4kg、〔B〕成分としてエチレン・プ
ロピレンランダム共重合体(エチレン含量が80mol%、T
gが−54℃、MFR230℃が0.7g/10min、〔η〕が2.2dl/g)
のペレット1kgを充分混合した後、二軸押出機(池貝鉄
工(株)製PCM 45)によりシリンダー温度220℃で溶融
ブレンドし、ペレタイザーにてペレット化した。得られ
た〔A〕成分と〔B〕成分からなるペレット1kgに対
し、〔C〕成分として日本油脂(株)製パーヘキシン25
B(商標)を1g、〔D〕成分としてジビニルベンゼンを3
gの割合で添加し、充分混合した。この混合物を前記の
二軸押出機(シリンダー温度230℃)を用いて溶融状態
で反応させ、ペレタイザーにてペレット化した。
得られたペレットを用いて前記の方法により試験片を
作成し、物性を測定した。結果を表2に示す。
実施例2〜4 実施例1で用いた〔C〕成分の種類または量を変える
以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
実施例5〜9 実施例1で〔B〕成分として用いたエチレン・プロピ
レンランダム共重合体に代え、他の重合体を用いる以外
は実施例1と同様に行った。結果を表3に示す。
実施例10 実施例1において用いたエチレン・TCD−3ランダム
共重合体に代え、エチレン含量が71mol%、MFR260℃が2
0g/10min、〔η〕が0.60dl/g、TMAが115℃、Tgが98℃の
エチレン・TCD−3ランダム共重合体を用いる以外は実
施例1と同様に行った。得られたペレットの曲げ弾性
率、曲げ強度、アイゾット衝撃強度、HDT、MFR260℃
それぞれ17300kg/cm2、640kg/cm2、60kg・cm/cm、90
℃、7g/10minであった。
比較例1 実施例1において〔C〕成分、〔D〕成分を用いない
以外は同様に行った。結果を表2に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 23/26 C08L 23/26 45/00 45/00 53/02 53/02 //(C08L 23/08 23:16) (C08L 23/08 9:06) (C08L 23/08 53:02) (C08L 9/06 23:08) (C08L 9/06 45:00) (C08L 23/16 23:08) (C08L 23/16 45:00) (C08L 45/00 23:16) (C08L 45/00 9:06) (C08L 45/00 53:02) (C08L 53/02 23:08) (C08L 53/02 45:00) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 23/00 - 23/36 C08L 45/00 C08L 9/06 - 9/08 C08L 53/02 C08K 5/14 C08J 3/24

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】〔A〕エチレン成分と、下記一般式〔I〕
    で表わされる環状オレフィン成分とからなり、軟化温度
    (TMA)が70℃以上である環状オレフィン系ランダム共
    重合体、 〔B〕(i)エチレン成分と、他のα−オレフィン成分
    と、下記一般式〔I〕で表わされる環状オレフィン成分
    とからなり、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下である環
    状オレフィン系ランダム共重合体、 (ii)少なくとも2種のα−オレフィンから形成され、
    ガラス転移温度(Tg)が0℃以下の非晶性ないし低結晶
    性のα−オレフィン系重合体、 (iii)少なくとも2種のα−オレフィンと、少なくと
    も1種の非共役ジエンとから形成され、ガラス転移温度
    (Tg)が0℃以下のα−オレフィン・ジエン系共重合
    体、および (iv)0℃以下のガラス転移温度(Tg)を有する芳香族
    ビニル系炭化水素・共役ジエンランダムもしくはブロッ
    ク共重合体、またはその水素化物 からなる群から選択される少なくとも1種以上の軟質共
    重合体、ならびに 〔C〕有機過酸化物 の反応生成物からなり、 反応生成物の〔A〕ないし〔C〕原料の割合が、〔A〕
    原料100重量部に対して〔B〕原料が合計量として5〜1
    50重量部、〔A〕原料と〔B〕原料との合計量100重量
    部に対して〔C〕原料が0.01〜1重量部であることを特
    徴とする架橋された耐衝撃性環状オレフィン系樹脂組成
    物。 一般式 〔式中、R1〜R12は水素原子、炭化水素基またはハロゲ
    ン原子であって、それぞれ同一でも異なっていてもよ
    い。またR9とR10、またはR11とR12とは一体化して2価
    の炭化水素基を形成してもよく、R9またはR10とR11また
    はR12とは互いに環を形成してもよい。nは0または正
    の整数であって、R5〜R8が複数回繰り返される場合に
    は、これらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。〕
  2. 【請求項2】〔A〕原料、〔B〕原料、〔C〕原料、お
    よび 〔D〕ラジカル重合性の官能基を分子内に2個以上有す
    る化合物の反応生成物からなり、〔D〕原料の割合が、
    〔A〕原料と〔B〕原料との合計量100重量部に対して
    1重量部以下である請求項(1)記載の架橋された耐撃
    性環状オレフィン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】〔A〕エチレン成分と、下記一般式〔I〕
    で表わされる環状オレフィン成分とからなり、軟化温度
    (TMA)が70℃以上である環状オレフィン系ランダム共
    重合体、 〔B〕(i)エチレン成分と、他のα−オレフィン成分
    と、下記一般式〔I〕で表わされる環状オレフィン成分
    とからなり、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下である環
    状オレフィン系ランダム共重合体、 (ii)少なくとも2種のα−オレフィンから形成され、
    ガラス転移温度(Tg)が0℃以下の非晶性ないし低結晶
    性のα−オレフィン系共重合体、 (iii)少なくとも2種のα−オレフィンと、少なくと
    も1種の非共役ジエンとから形成され、ガラス転移温度
    (Tg)が0℃以下のα−オレフィン・ジエン系共重合
    体、および (iv)0℃以下のガラス転移温度(Tg)を有する芳香族
    ビニル系炭化水素・共役ジエンランダムもしくはブロッ
    ク共重合体、またはその水素化物 からなる群から選択される少なくとも1種以上の軟質共
    重合体、ならびに 〔C〕有機過酸化物 を、〔C〕原料が分解する条件で、かつ 〔A〕原料100重量部に対して〔B〕原料を合計量とし
    て5〜150重量部、〔A〕原料と〔B〕原料との合計量1
    00重量部に対して〔C〕原料を0.01〜1重量部の割合で
    反応させることを特徴とする架橋された耐衝撃性環状オ
    レフィン系樹脂組成物の製造方法。 一般式 〔式中、R1〜R12は水素原子、炭化水素基またはハロゲ
    ン原子であって、それぞれ同一でも異なっていてもよ
    い。またR9とR10、またはR11とR12とは一体化して2価
    の炭化水素基を形成してもよく、R9またはR10とR11また
    はR12とは互いに環を形成していてもよい。nは0また
    は正の整数であって、R5〜R8が複数回繰り返される場合
    には、これらはそれぞれ同一でも異なっていてもよ
    い。〕
  4. 【請求項4】〔A〕原料、〔B〕原料、〔C〕原料、お
    よび 〔D〕ラジカル重合性の官能基を分子内に2個以上有す
    る化合物 を、〔A〕原料と〔B〕原料との合計量100重量部に対
    して〔D〕原料を1重量部以下の割合で反応させる請求
    項(3)記載の製造方法。
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