JP5438677B2 - オレフィン系重合体ワックス含有樹脂組成物 - Google Patents

オレフィン系重合体ワックス含有樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、環状構造を有するオレフィン系重合体ワックスを含有する樹脂組成物に関し、また、該オレフィン系重合体ワックスと無機強化材とを配合した成形用樹脂組成物に関する。
ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂等の合成樹脂の成形加工において、金型からの成形体の離型や成形体の流動性向上を目的として、ワックスをはじめとする添加剤が用いられている。
このような添加剤または離型剤としては、たとえば天然系ワックスではパラフィンワックスやモンタンワックス及びその誘導体、また合成ワックスでは高級脂肪酸のエステルワックスや、エチレンまたはプロピレンを必須原料成分とするポリオレフィン系ワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等)が知られている。これらのワックスは安価に入手できる上、良好な成形加工性及び表面状態を得られること等から広く使用されている。なお、天然系ワックス、たとえばモンタンワックスは鉱物からの抽出能が不安定なため、その安定調達に課題が残る。
一方、フッ素系、シリコーン系及びそれらの共重合体からなる離型剤は、その低臨界表面張力によって離型効果に優れ、また離型効果の持続性も優れている(特許文献1、2など)。しかし、合成樹脂の成形時において成形加工性や金型離型性が良くても、樹脂との相溶性が高くないため、これらの添加剤は成形後に拡散分離し、成形品の表面に浮き出るブリードアウトと呼ばれる現象を起こし、外観を損ない、二次加工性(印刷、塗布)に悪影響を及ぼす場合がある。また、ワックス系の離型剤に比べ、フッ素系やシリコーン系およびそれらの共重合体からなる離型剤は一般に高価なものも多い。このような背景から、これらの離型剤には欠点もあり、成形加工性及び成形体表面への二次加工性という点で充分に満足することのできる離型剤を含む樹脂組成物は、未だに得られていないのが実状である。
特開平5−169460号公報 特開2003−262711号公報
ところで、上述した天然ワックスや合成ワックスは、ある温度以上に加熱されると過熱による酸化分解を起こす。この分解により、ワックスの融点が低下し、油分や粘度が増加し、色相が悪化する等物性が低下する。特に、ポリアミド等の成形温度の高い合成樹脂の成形においては、変色及び黒点発生が問題となっている。
したがって、本発明の目的は、従来にない耐熱性を有し、また樹脂との相溶性の高い、離型力に優れたオレフィン系重合体ワックスを含む樹脂組成物を提供することである。また、オレフィン系重合体ワックスを含んでいても、得られた成形品の機械的物性に影響を与えない樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは、これらの課題を解決するために鋭意検討した結果、環状構造を有するオレフィン系重合体ワックスである耐熱性オレフィン系重合体ワックスを融点が高い樹脂に配合すれば、合成樹脂の成形加工性及び成形品の二次加工性が向上でき、特に高温成形時の変色や酸化分解を抑制できることを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は以下に関する。
[1] 融点Tmが200℃以上の樹脂(A)と、オレフィン系重合体ワックス成分(B)とを配合した樹脂組成物(X)であって、上記オレフィン系重合体ワックス成分(B)として、下記構成単位(a)及び(b)を有する環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)を含み、該環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)が、重合体の全構成単位中に上記構成単位(b)を0.05〜50mol%含むことを特徴とする樹脂組成物(X)。
(a)エチレンから誘導される単位
(b)環状オレフィンから誘導される単位
[2] 上記環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)が、さらに下記構成単位(c)を有し、かつ重合体の全構成単位中に該構成単位(c)を0.01〜15mol%含むことを特徴とする[1]に記載の樹脂組成物(X)。
(c)直鎖又は分岐のC3〜C20のオレフィンから誘導される単位
[3] 上記樹脂(A)100重量部に対して、上記オレフィン系重合体ワックス成分(B)を0.01〜10重量部配合することを特徴とする[1]〜[2]のいずれかに記載の樹脂組成物(X)。
[4] 上記環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)が、下記(Bi)〜(Bv)を満たすことを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の樹脂組成物(X)。
(Bi)重合体1分子あたりの環状オレフィンから誘導される単位の含有量が0.1〜4.0個であり、
(Bii)密度が870〜980kg/m3であり、
(Biii)融点が70〜130℃であり、
(Biv)数平均分子量が400〜5,000であり、
(Bv)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4.0以下である。
[5] 上記環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)が、さらに下記(Bvi)を満たすことを特徴とする[4]に記載の樹脂組成物(X)。
(Bvi)TGAによる10%重量減量温度Tが350℃以上であるか、またはTGAによる10%重量減量温度Tと重量平均分子量Mwとが、下記式(I)を満たす。
T≧0.002×Mw+B ・・・(I)
(B値(℃)は320)
[6] 上記環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)における構成単位(b)が、(b’)環状ポリエンから誘導される単位であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の樹脂組成物(X)。
[7] 上記オレフィン系重合体ワックス成分(B)として、上記環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)を変性した環状オレフィン系重合体ワックス(B−1’)を含み、上記環状オレフィン系重合体ワックス(B−1’)が、下記構成単位(a)及び(b’’)を有し、重合体の全構成単位中に該構成単位(b’’)を0.05〜50mol%含み、
(a)エチレンから誘導される単位
(b’’)環状オレフィンから誘導される単位中の不飽和基が変性された単位
かつ下記(Bi’)を満たすことを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載の樹脂組成物(X)。
(Bi’)重合体1分子あたりの環状オレフィンから誘導される単位の含有量が0.1〜4.0個である。
[8] 上記環状オレフィン系重合体ワックス(B−1’)が、さらに下記(Bvi’)を満たすことを特徴とする[7]に記載の樹脂組成物(X)。
(Bvi’)TGAによる10%重量減量温度Tが350℃以上であるか、またはTGAによる10%重量減量温度Tと重量平均分子量Mwとが、下記式(I)を満たす。
T≧0.002×Mw+B ・・・(I)
(B値(℃)は320)
[9] 上記構成単位(b’’)が、環状ポリエンから誘導される単位中の不飽和基が酸変性された単位(b’’’)であることを特徴とする[7]〜[8]のいずれかに記載の樹脂組成物(X)。
[10] 上記オレフィン系重合体ワックス成分(B)として、非環状オレフィン系重合体ワックス(B−2)をさらに含むことを特徴とする[1]〜[9]のいずれかに記載の樹脂組成物(X)。
[11] 上記非環状オレフィン系重合体ワックス(B−2)の数平均分子量が500〜5,000であることを特徴とする[10]に記載の樹脂組成物(X)。
[12] 上記環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)と上記非環状オレフィン系重合体ワックス(B−2)との割合が、10:90〜99:1(重量%)であることを特徴とする[10]〜[11]のいずれかに記載の樹脂組成物(X)。
[13] 上記非環状オレフィン系重合体ワックス(B−2)が、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体であることを特徴とする[1]〜[12]のいずれかに記載の樹脂組成物(X)。
[14] 上記オレフィン系重合体ワックス成分(B)のうち、少なくとも1種類のオレフィン系重合体ワックスが、金属塩ワックスであることを特徴とする[1]〜[13]のいずれかに記載の樹脂組成物(X)。
[15] 上記金属塩ワックスの金属元素が、K、Na、Ca及びZnから選ばれる、少なくとも1種類であることを特徴とする[14]に記載の樹脂組成物(X)。
[16] 上記樹脂(A)のTgが0〜500℃であることを特徴とする[1]〜[15]のいずれかに記載の樹脂組成物(X)。
[17] 上記樹脂(A)が、ポリアミド類及びポリカーボネート類から選ばれることを特徴とする[1]〜[16]のいずれかに記載の樹脂組成物(X)。
[18] 上記樹脂(A)100重量部に対して、さらに無機強化材(E)を5〜250重量部含むことを特徴とする[1]〜[17]のいずれかに記載の樹脂組成物(X)。
[19] [1]〜[18]のいずれかに記載の樹脂組成物(X)からなる成型品。
本発明においては、環状構造を含有するポリオレフィン系ワックスを用いることにより、高温成形が必要な合成樹脂成形においても、樹脂とワックスとの相溶性に優れる。また樹脂成形中に酸化分解を起こしにくいために樹脂の変色や黒点の生成を抑制できる。さらに、上記ポリオレフィン系ワックスを用いることにより、溶融樹脂に充分な流動性を持たせ、成形性を高めることが可能である。また、本発明の樹脂組成物は、良好な金型離型性や成形後の二次加工性及び表面性を与えるなど、使用性に優れる。
以下、本発明について具体的に説明する。
≪樹脂組成物(X)≫
本発明は、融点Tmが200℃以上の樹脂(A)と、オレフィン系重合体ワックス成分(B)としてオレフィン系重合体ワックス(B−1)および/またはオレフィン系重合体ワックス(B−1’)とを配合した樹脂組成物(X)である。
耐熱性に優れる成型品を製造するためには、融点が高い樹脂(A)(エンジニアリングプラスチック、スーパーエンジニアリングプラスチック等)を用いる必要があり、このような樹脂(A)は高温で成形される。ここで、成形時に、溶融樹脂の流動性や金型からの成型品の離型性を向上させるため、従来のオレフィン系重合体ワックスを用いることが試みられている。しかしながら、従来のオレフィン系重合体ワックスは耐熱性に改善の余地があり、得られた成型品が変色し外観に劣るという問題がある。また、成形時の流動性や発煙の発生についても改善の余地がある。また、従来、高温での成形においては、離型性を向上させるため、モンタン酸カルシウムなどの低分子量の脂肪酸金属塩も使用されている。しかしながら、この場合も、成形時の発煙や得られた成型品の変色などの問題がある。
これに対して、本発明の樹脂組成物(X)では、樹脂(A)に対して、環状構造を有するオレフィン系重合体ワックス(B−1)および/またはオレフィン系重合体ワックス(B−1’)を組み合わせている。このような耐熱性に優れる特定のオレフィン系重合体ワックスを用いたことにより、高温での成形においても発煙や変色が抑えられ、外観に優れる成型品が得られる。もちろん、特定のオレフィン系重合体ワックスを含む樹脂組成物(X)は、高温での成形における相溶性、成形性および金型からの離型性にも優れている。さらに、上記オレフィン系重合体ワックスを添加して得られた成形品において、耐衝撃性、引張特性、曲げ特性等の機械的物性は、該ワックスを添加せずに得られる成型品と比較しても遜色はない。
ところで、特開2008−95112号公報には、ワックス置換物用のポリマーとして、エチレンと1−オクテンまたは1−ブテンとを共重合して得られる非流動性均一超分子量エチレンポリマーが記載されている。特許第3255697号には、低温特性に優れたオレフィン系合成ワックスとして、エチレンと2−ノルボルネンとの共重合体からなる合成ワックスが記載されている。また、特開2006−342290号公報には、エチレン、プロピレンおよびビニルノルボルネンを共重合して得られる共重合体が記載され、この共重合体は樹脂成型用離型剤として用いられることが記載されている。しかしながら、これらの特許文献には、本発明に用いるオレフィン系重合体ワックス(B−1)やオレフィン系重合体ワックス(B−1’)を高温で成形する樹脂(A)と組み合わせると、上述した効果が発現することについては何ら記載されていない。
<樹脂(A)>
本発明に用いる樹脂(A)は、融点Tmが200℃以上の熱可塑性樹脂である。樹脂(A)は、単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。なお、熱可塑性樹脂についての定義、製法については、周知であり、たとえば「実用プラスチック事典」(実用プラスチック事典 編集委員会編、株式会社産業調査会発行)等の刊行物に記載されている。融点Tmの範囲は、好ましくは205℃以上、より好ましくは210℃以上であり、好ましくは500℃以下、より好ましくは400℃以下、さらに好ましくは350℃以下である。本明細書において、融点Tmは、DSCで測定したものを意味する。本出願記載のTmの測定方法においては、例えば示差走査熱量計(DSC)を用いて、試料約10mgをアルミパンに詰めて、昇温により試料を一度溶融させた後、10℃/分で30℃まで冷却した試料について、10℃/分で昇温する際の吸熱ピークを融点とした。また、Tmの観測よりも先に熱分解が生じてしまう高耐熱性樹脂の場合は、熱分解が生じたときの温度をTmと定義する。
樹脂(A)は、ガラス転移温度Tgが0〜500℃であることが好ましい。本明細書記載のガラス転移温度は、示差走査型熱量計(DSC)を用いて、試料約10mgをアルミパンに詰めて、昇温により試料を一度溶融させた後、10℃/分で−30℃まで冷却した試料について、昇温速度10℃/分の条件下で測定することにより求める。なお、ガラス転移温度の特定は、吸熱部におけるベースラインと立ち上がりラインとの延長線の交点の温度として求める。
樹脂(A)としては、例えば、以下の熱可塑性樹脂が挙げられるが、下記の樹脂に限られるものではない。
(1)ポリカーボネート樹脂
本発明で用いられるポリカーボネート樹脂は特に制限はなく、従来公知のポリカーボネート樹脂を使用することができる。
典型的には、芳香族ジオール(例えばビスフェノールA)とホスゲンとを反応することにより得られる樹脂であるが、本発明においてはジエチレングリコールジアリルカーボネートが好ましい。
このようなポリカーボネート樹脂は市販されており、例えば商品名NOVAREX(三菱化学(株))、パンライト(帝人化成(株))、レキサン(日本ジーイープラスチックス(株))等をあげることができ、本発明において好ましく用いることができる。
(2)熱可塑性ポリエステル樹脂
本発明で用いられる熱可塑性ポリエステル樹脂は特に制限はなく、従来公知の熱可塑性ポリエステル樹脂を使用することができる。
典型的には、ジカルボン酸とジオールとを重縮合させて得られる樹脂であるが、本発明においては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリシクロヘキサンテレフタレート等が好ましく用いられる。
このような熱可塑性ポリエステル樹脂は市販されており、例えば商品名ライナイト(デユポン ジャパン リミテッド)等をあげることができ、本発明において好ましく用いることができる。
(3)ポリアミド樹脂
本発明で用いられるポリアミド樹脂は特に制限はなく、従来公知のポリアミド樹脂を使用することができる。
典型的には、ジアミンとジカルボン酸との重縮合、あるいはカプロラクタムの開環重合等により得られる樹脂であるが、本発明においては、脂肪族ジアミンと脂肪族または芳香族ジカルボン酸の重縮合反応物が好ましい。
このようなポリアミド樹脂は市販されており、例えば商品名UBEナイロン(宇部興産(株))、商品名レオナ(旭化成工業(株))、ザイテル(デユポン ジャパン リミテッド)等をあげることができ、本発明において好ましく用いることができる。
(4)ポリイミド樹脂
本発明で用いられるポリイミド樹脂は特に制限はなく、従来公知のポリイミド樹脂を使用することができる。
典型的には、テトラカルボン酸とジアミンとを重縮合させ、主骨格にイミド結合を生成させて得られる樹脂であるが、本発明においては無水ピロメリット酸とジアミノジフェニルエーテルから形成されるものが好ましい。
このようなポリイミド樹脂は市販されており、例えば商品名ベスペル(デユポン ジャパン リミテッド)等をあげることができ、本発明において好ましく用いることができる。
(5)ABS樹脂
本発明で用いられるABS樹脂は特に制限はなく、従来公知のABS樹脂を使用することができる。
典型的には、ポリブタジエンにアクリロニトリルおよびスチレンをグラフト重合させて得られる耐衝撃性樹脂であるが、本発明においては、ポリブタジエン成分が5〜40重量%であって、スチレン成分とアクリロニトリル成分の重量比(スチレン/アクリロニトリル)が70/30〜80/20であるものが好ましい。
このようなABS樹脂は市販されており、例えば商品名スタイラック(旭化成工業(株))、サイコラック(宇部サイコン(株))等をあげることができ、本発明において好ましく用いることができる。
その他、融点Tmおよびガラス転移温度Tgが上述した範囲である、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミドイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン等のスーパーエンジニアリングプラスチックやシンジオタクティックポリスチレン等も用いることが出来る。
本発明に用いる樹脂(A)は、上記(1)〜(5)の樹脂であり、かつ融点Tmが上述した範囲にある樹脂、好ましくは、上記(1)〜(5)の樹脂であり、かつ融点Tmおよびガラス転移温度Tgが上述した範囲にある樹脂である。このような樹脂(A)としては、より具体的には、ポリカーボネートとしては、一般的なポリカーボネート樹脂及びPC/ABS等のアロイ、ポリアミド樹脂としてはナイロン6、ナイロン66、ナイロン46等の汎用ポリアミド樹脂及び半芳香族または芳香族ポリアミドなどの変性ポリアミド樹脂、そして一般的なポリイミド樹脂が好適に用いられる。また、樹脂(A)は、上記ポリアミド類及び上記ポリカーボネート類から選ばれることがさらに好ましい。
<オレフィン系重合体ワックス成分(B)>
本発明に用いるオレフィン系重合体ワックス成分(B)として、環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)、環状オレフィン系重合体ワックス(B−1’)、および非環状オレフィン系重合体ワックス(B−2)が挙げられる。なお、本明細書において、オレフィン系重合体ワックスとは、ワックス用途に用い得るオレフィン系重合体を意味する。また、本明細書において、環状オレフィン系重合体ワックスは、環状構造を有するオレフィン系重合体ワックスを意味し、非環状オレフィン系重合体ワックスは環状構造を有さないオレフィン系重合体ワックスを意味する。
〔環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)〕
環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)は、下記構成単位(a)及び(b)を有する。
(a)エチレンから誘導される単位
(b)環状オレフィンから誘導される単位
また、構成単位(b)は、環状ポリエンから誘導される単位(b’)であってもよい。
このオレフィン系重合体ワックス(B−1)は、エチレンと少なくとも1種の環状構造をもつ環状オレフィンとを共重合して得られる共重合体である。なお、環状オレフィンとして、後述する環状ポリエンを用いると、構成単位(b)は構成単位(b’)となる。
環状オレフィンとしては、分子中に不飽和基を少なくとも1個有する環状オレフィンが好適に用いられる。分子中に不飽和基を1個有する環状オレフィンとしては、具体的には、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、ビニルシクロヘキサンなどの炭素原子数3〜20、好ましくは5〜15のものが挙げられる。
分子中に不飽和基を少なくとも2個有する環状オレフィン(環状ポリエン)としては、具体的には、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ジシクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペンル−2−ノルボルネン、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエンなどの炭素原子数5〜20、好ましくは5〜10のものが挙げられる。
その中でも、メチレンノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペンル−2−ノルボルネン、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエンなどの非共役ポリエンが好ましく、5−ビニルノルボルネンが特に好ましい。
また、本発明では環状オレフィンには芳香族ビニル化合物も含む。芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、およびα−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレンなどのモノまたはポリアルキルスチレンなどが挙げられる。
上記環状オレフィンは、1種類であってもよく、2種類以上の組み合わせで用いることもできる。
環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)は、重合体の全構成単位中に構成単位(b)を0.05〜50mol%、好ましくは0.1〜20mol%、更に好ましくは0.2〜10mol%、特に好ましくは0.5〜5mol%の量で含む。なお、残りは構成単位(a)の量であることが好ましい。すなわち、構成単位(a)を99.95〜50mol%、好ましくは99.9〜80mol%、更に好ましくは99.8〜90mol%、特に好ましくは99.5〜95mol%の量で含むことが望ましい。環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)が、環状構造を有する環状オレフィンから導かれる構成単位を上記の範囲の割合で含有すると、重合活性も適度に高く、かつ耐熱性と離型性のバランスに優れる環状構造を有する耐熱性オレフィン系重合体ワックスを得ることができる。なお、本明細書において、構成単位の量は、後述する実施例に記載の方法により求めることができる。
環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)は、さらに下記構成単位(c)を有していてもよい。
(c)直鎖又は分岐のC3〜C20のオレフィンから誘導される単位
この場合のオレフィン系重合体ワックス(B−1)は、エチレンと少なくとも1種の環状構造をもつ環状オレフィンと直鎖又は分岐のC3〜C20のオレフィンとを共重合して得られる共重合体である。
直鎖又は分岐のC3〜C20のオレフィンとしては、具体的には、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素原子数3〜20、好ましくは炭素原子数3〜10の直鎖状のα−オレフィン;例えば3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセンなどの好ましくは炭素原子数5〜20、より好ましくは炭素原子数5〜10の分岐状のα−オレフィンが挙げられる。
上記直鎖又は分岐のC3〜C20のオレフィンは、1種類であってもよく、2種類以上の組み合わせで用いることもできる。
環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)は、重合体の全構成単位中に構成単位(c)を0.01〜15mol%、好ましくは0.05〜8mol%、特に好ましくは0.1〜5mol%の量で含む。なお、環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)がさらに構成単位(c)を有する場合は、構成単位(b)および構成単位(c)の合計量の残りは構成単位(a)の量であることが好ましい。すなわち、構成単位(a)を99.94〜35mol%、好ましくは99.85〜72mol%、更に好ましくは99.7〜85mol%、特に好ましくは99.4〜90mol%の量で含むことが望ましい。炭素原子数3〜20のオレフィンから導かれる構成単位を上記の範囲の割合で含有すると、耐熱性と離型性のバランスに優れる環状構造を有する耐熱性オレフィン系重合体ワックスを得ることができる。
なお、環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)は、下記構成単位(d)をさらに有していてもよい。
(d)その他の炭素原子数3〜20のオレフィン(環状オレフィンを除く)から誘導される単位
この場合のオレフィン系重合体ワックス(B−1)は、上述したモノマーとともに、上記その他のオレフィンを共重合して得られる共重合体である。
上記その他のオレフィンとしては、共役ジエン、非共役ポリエン、官能化ビニル化合物などが挙げられる。
上記共役ジエンとしては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエンなどの炭素原子数4〜20、好ましくは4〜10のものが挙げられる。
上記非共役ポリエンとしては、例えば1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−オクタジエン、1,5−オクタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、4,8−ジメチル−1,4,8−デカトリエン(DMDT)、などの炭素原子数5〜20、好ましくは5〜10のものが挙げられる。
官能化ビニル化合物としては、水酸基含有オレフィン、ハロゲン化オレフィン、アクリル酸、プロピオン酸、3-ブテン酸、4-ペンテン酸、5-ヘキセン酸、6-ヘプテン酸、7-オクテン酸、8-ノネン酸、9-デセン酸などの不飽和カルボン酸類、アリルアミン、5-ヘキセンアミン、6-ヘプテンアミンなどの不飽和アミン類、(2,7-オクタジエニル)コハク酸無水物、ペンタプロペニルコハク酸無水物および上記不飽和カルボン酸類にある化合物の例示において、カルボン酸基をカルボン酸無水物基に置き換えた化合物などの不飽和酸無水物類、上記不飽和カルボン酸類にある化合物の例示において、カルボン酸基をカルボン酸ハライド基に置き換えた化合物などの不飽和カルボン酸ハライド類、4-エポキシ-1-ブテン、5-エポキシ-1-ペンテン、6-エポキシ-1-ヘキセン、7-エポキシ-1-ヘプテン、8-エポキシ-1-オクテン、9-エポキシ-1-ノネン、10-エポキシ-1-デセン、11-エポキシ-1-ウンデセンなどの不飽和エポキシ化合物類などが挙げられる。
水酸基含有オレフィンとしては、水酸基含有のオレフィン系化合物であれば特に制限は無いが、例えば末端水酸化オレフィン化合物が挙げられる。末端水酸化オレフィン化合物として具体的には、例えばビニルアルコール、アリルアルコール、水酸化−1−ブテン、水酸化−1−ペンテン、水酸化−1−ヘキセン、水酸化−1−オクテン、水酸化−1−デセン、水酸化−1−ドデセン、水酸化−1−テトラデセン、水酸化−1−ヘキサデセン、水酸化−1−オクタデセン、水酸化−1−エイコセンなどの炭素原子数2〜20、好ましくは2〜10の直鎖状の水酸化α−オレフィン;例えば水酸化−3−メチル−1−ブテン、水酸化−4−メチル−1−ペンテン、水酸化−3−メチル−1−ペンテン、水酸化−3−エチル−1−ペンテン、水酸化−4,4−ジメチル−1−ペンテン、水酸化−4−メチル−1−ヘキセン、水酸化−4,4−ジメチル−1−ヘキセン、水酸化−4−エチル−1−ヘキセン、水酸化−3−エチル−1−ヘキセンなどの好ましくは炭素原子数5〜20、より好ましくは5〜10の分岐状の水酸化α−オレフィンが挙げられる。
ハロゲン化オレフィンとして具体的には、塩素、臭素、ヨウ素等周期表第17族原子を有するハロゲン化α−オレフィン、例えばハロゲン化ビニル、ハロゲン化−1−ブテン、ハロゲン化−1−ペンテン、ハロゲン化−1−ヘキセン、ハロゲン化−1−オクテン、ハロゲン化−1−デセン、ハロゲン化−1−ドデセン、ハロゲン化−1−テトラデセン、ハロゲン化−1−ヘキサデセン、ハロゲン化−1−オクタデセン、ハロゲン化−1−エイコセンなどの炭素原子数2〜20、好ましくは2〜10の直鎖状のハロゲン化α−オレフィン;例えばハロゲン化−3−メチル−1−ブテン、ハロゲン化−4−メチル−1−ペンテン、ハロゲン化−3−メチル−1−ペンテン、ハロゲン化−3−エチル−1−ペンテン、ハロゲン化−4,4−ジメチル−1−ペンテン、ハロゲン化−4−メチル−1−ヘキセン、ハロゲン化−4,4−ジメチル−1−ヘキセン、ハロゲン化−4−エチル−1−ヘキセン、ハロゲン化−3−エチル−1−ヘキセンなどの好ましくは炭素原子数5〜20、より好ましくは5〜10の分岐状のハロゲン化α−オレフィンが挙げられる。
上記その他のオレフィンは、1種類であってもよく、2種類以上の組み合わせで用いることもできる。
環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)は、構成単位(a)、構成単位(b)および構成単位(c)の合計量100molに対して、構成単位(d)を0.01〜5molの割合で含むことが好ましい。
上述したようなオレフィン系重合体ワックス成分(B)は、環状オレフィンなどの上記モノマーを直接重合して得られるものであってもよく、また高分子量のオレフィン系重合体を熱分解して得られるものであってもよい。上述したオレフィン系重合体ワックス、あるいは高分子量のオレフィン系重合体の製造方法については特に限定はなく、例えばエチレン、α−オレフィン、環状オレフィンなどの単量体を、チーグラー/ナッタ触媒、メタロセン系触媒により重合して得られる。これら触媒の中でも、メタロセン系触媒が好ましい。メタロセン系触媒としては、たとえば周期表第4族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物と有機アルミニウムオキシ化合物および/またはイオン化イオン性化合物とからなる触媒が好適に用いられる(特開2005−171146号公報)。
環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)は、下記(Bi)〜(Bv)を満たすことが好ましい。
(Bi)重合体1分子あたりの環状オレフィンから誘導される単位の含有量が0.1〜4.0個である。環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)は、環状オレフィンから誘導される単位の含有量が、より好ましくは0.5〜3.0個/分子、さらに好ましくは1.0〜2.0個/分子であることが望ましい。環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)の環状オレフィンから誘導される単位の含有量が上記範囲内にあると、成形温度の過熱によってランダムな分子鎖の切断が起こるとき、比較的弱いC−C結合(環構造内のC−C結合)の切断が優先的に起こりポリオレフィン主鎖の切断が回避されると推測される。このため、分子鎖長を保持する確率が高くなり、大幅な分子量の低下が抑制されると推測される。また、環構造の部分的なC−C結合の切断によって熱吸収が起こると推測されるため、環状構造を有する環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)は同分子量の従来のオレフィン系重合体ワックスと比較して優れた耐熱性を有している。
なお、環状オレフィン系重合体ワックス中の環状オレフィンから誘導される単位の含有量は、以下のようにして測定される。
13C−NMRによる環状構造部分の炭素のピーク面積と全炭素のピーク面積とを比較することにより、1,000炭素あたりの環状構造数を得ることができる。1分子あたりの環状構造含有量は、数平均分子量Mnを用いて、Mn×環状構造数/14,000により算出することができる。本発明において、1,000炭素あたりの環状構造数は、0.3〜140個、好ましくは0.3〜122個、より好ましくは2.8〜105個が望ましい。
また、環状オレフィンから誘導される単位の含有量は以下のようにすれば上記範囲に制御できる。すなわち、重合時にワックスの構成単位(b)に導かれるモノマー配合量を調整するほか、触媒種や重合温度などにより制御できる。例えば、後述の合成例に記載のメタロセン触媒によりポリエチレンワックスを製造する場合には、構成単位(b)の導入量を増やすことにより、1000炭素あたりの環状構造数を増やすことができる。また、重合温度は通常100〜200℃の範囲であるが、上述した好適範囲の環状オレフィンから誘導される単位の含有量を有するポリエチレンワックスを製造する観点からは、重合温度は、好ましくは100〜180℃の範囲、より好ましくは100〜170℃の範囲である。
(Bii)密度勾配管法で測定した密度が870〜980kg/m3である。より詳細には、環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)は、密度が870kg/m3以上、好ましくは880kg/m3以上、より好ましくは900kg/m3以上、かつ、980kg/m3以下、好ましくは970kg/m3以下、より好ましくは950kg/m3以下、特に好ましくは920kg/m3以下であることが望ましい。環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)の密度が上記範囲内にあると、耐熱性と離型性のバランスに優れる耐熱性オレフィン系重合体ワックスを得ることができる。
また、密度は以下のようにすれば上記範囲に制御できる。すなわち、ワックスの構成単位(b)、(c)、(d)の配合量を調節し、一般的にこれらコモノマー含量を多くすることで、密度が下がる傾向が得られる。触媒種や重合温度などによって制御することもできる。例えば、後述の合成例に記載のメタロセン触媒によりポリエチレンワックスを製造する場合には、重合温度は通常100〜200℃の範囲であるが、上述した好適範囲の密度を有するポリエチレンワックスを製造する観点からは、重合温度は、好ましくは100〜180℃の範囲、より好ましくは100〜170℃の範囲である。
(Biii)示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が70〜130℃である。より詳細には、環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)は、融点が70℃以上、好ましくは80℃以上、より好ましくは90℃以上、特に好ましくは100℃以上、かつ、140℃以下、好ましくは130℃以下、より好ましくは120℃、特に好ましくは110℃以下であることが望ましい。環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)の融点が上記範囲内にあると、耐熱性と離型性に優れる環状構造を有する耐熱性オレフィン系重合体ワックスを得ることができる。
また、融点は以下のようにすれば上記範囲に制御できる。すなわち、ワックスの構成単位(b)、(c)、(d)の配合量を調節し、これらコモノマー含量を多くすることで、融点が下がる傾向が得られる。触媒種や重合温度などによって制御することもできる。例えば、後述の合成例に記載のメタロセン触媒によりポリエチレンワックスを製造する場合には、重合温度は通常100〜200℃の範囲であるが、上述した好適範囲の融点を有するポリエチレンワックスを製造する観点からは、重合温度は、好ましくは100〜180℃の範囲、より好ましくは100〜170℃の範囲である。
(Biv)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量が400〜5,000である。環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)は、数平均分子量(Mn)が、好ましくは800〜5,000、より好ましくは1,000〜3000、特に好ましくは1,500〜2,500の範囲にあることが望ましい。環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)のMnが上記範囲内にあると、耐熱性と離型性のバランスに優れた耐熱性オレフィン系重合体ワックスを得ることができる。
また、Mnは以下のようにすれば上記範囲に制御できる。すなわち、例えば、水素の導入量を増やすことによりMnを下げる傾向が得られる。また、触媒種や重合温度などによって制御することもできる。例えば、後述の合成例に記載のメタロセン触媒によりポリエチレンワックスを製造する場合には、重合温度は通常100〜200℃の範囲であるが、上述した好適範囲のMnを有するポリエチレンワックスを製造する観点からは、重合温度は、好ましくは100〜180℃の範囲、より好ましくは100〜170℃の範囲である。
(Bv)GPCで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4.0以下である。環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)は、重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が、好ましくは3.5以下、より好ましくは3.0以下であることが望ましい。なお、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される、ポリエチレン換算値である。ここで、GPCによる測定は、温度:140℃、溶媒:o−ジクロロベンゼンの条件下で行う。
また、Mw/Mnは、触媒種や重合温度などにより上記範囲に制御できる。一般に、ポリエチレンワックスの合成にはチーグラー・ナッタ触媒やメタロセン触媒が用いられるが、好適範囲のMw/Mnにするためには、メタロセン触媒を用いるのが好ましい。また、後述の合成例に記載のメタロセン触媒によりポリエチレンワックスを製造する場合には、重合温度は通常100〜200℃の範囲であるが、上述した好適範囲の密度を有するポリエチレンワックスを製造する観点からは、重合温度は、好ましくは100〜180℃の範囲、より好ましくは100〜170℃の範囲である。
さらに、環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)は、下記(Bvi)を満たすことが好ましい。
(Bvi)TGAによる10%重量減量温度Tが350℃以上であるか、またはTGAによる10%重量減量温度Tと重量平均分子量Mwとが、下記式(I)を満たす。
T≧0.002×Mw+B ・・・(I)
(B値(℃)は320)
上記のように、TGAによる10%重量減量温度Tが350℃以上、特に400℃であることが好ましい。10%重量減量温度は、環状構造含有オレフィン系重合体ワックス10mgを量り取り、熱重量測定装置(TG−DTA320、SII社製)により測定される、10%重量が減少したときの温度である。なお重量減量温度は一般的な樹脂の評価指標だが、樹脂成形体の実用性評価の簡便な指標として10%重量減量温度を用いた。10%重量減量温度Tを用いると、ワックスの熱減量率の差が顕著に現れ、実用性評価において汎用性が高く、好ましい。ここで、TGAによる測定は、空気雰囲気下:200mL/min、昇温速度:20℃/min、温度範囲:30℃〜700℃の条件下で行う。
あるいは、オレフィン系重合体ワックスは空気中における10%重量減量温度Tと重量平均分子量Mwとの間に、下記式(I)で示される関係があることが好ましい。(I)式において、B値(℃)は320であり、好ましくは330であり、より好ましくは340である。
T≧0.002×Mw+B ・・・(I)
(上記式(I)中、上述したように、Tは、熱重量測定における、空気雰囲気下での10%重量減量温度である。Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量Mwである。)
上記要件を満たすオレフィン系重合体ワックスは、離型性や流動性の改善効果を保持したまま、耐熱性にも優れる。その耐熱性によってエンジニアリングプラスチックのなどの高温成形時であっても分解ガスを発生しにくく、射出成形機の金型にモールドデポジットとして堆積しにくい。また、環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)は、従来のポリエチレンワックス等のオレフィン系重合体ワックスよりも、低い熱減量を示すため、耐熱性に優れる。
式(I)は、実験シミュレーションによる検討から求めた式である。一般的なポリエチレンワックスの熱減量の挙動は、分子量に依存していることが一般的に知られている。すなわち、ポリエチレンワックスの熱分解では、熱エネルギーを受けてランダムにC−C結合の開裂が起こることで徐々に分子量の減少が起こり、分子のフラグメントが充分に小さくなると揮発すると推測される。このため、ポリエチレンワックスの分子量が高いほど、フラグメントが充分小さくなるまでにより多くの熱エネルギーと時間を要することになると考えられる。(I)式を導き出す過程において、本発明者らは、一般的な市販品ポリエチレンワックスの実験値から、ある熱減量率を示す温度Tと分子量との関係式に相関関係があることを見出した。具体的には、下記式(I’)の関係があることを見出した。
T=0.002×Mw+B (I’)
一方、本発明に用いる環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)では、式(I)の関係があることを見出した。このように、式(I)を満たす(すなわち、Tが式(I’)を満たさず、且つ高い値を示す)環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)では、C−C結合のランダム開裂による分子量減量の効果が低いと考えられる。
また、要件(Bvi)は以下のようにすれば上記範囲に制御できる。すなわち、ワックスの構成単位(b)の配合量を増やすことでTが上昇する傾向がえられる。また、触媒種や重合温度などによって制御することもできる。例えば、後述の合成例に記載のメタロセン触媒によりポリエチレンワックスを製造する場合には、重合温度は通常100〜200℃の範囲であるが、上述した好適範囲のTを有するポリエチレンワックスを製造する観点からは、重合温度は、好ましくは100〜180℃の範囲、より好ましくは100〜170℃の範囲である。
さらに、環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)は、下記(Bvii)を満たすことが好ましい。
(Bvii)針入硬度が15dmm以下、好ましくは10dmm以下、より好ましくは3dmm以下、特に好ましくは1dmm以下であることが望ましい。
なお、針入硬度はJIS K2207に準拠して測定することができる。
環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)の針入硬度が上記範囲内にあると、取り扱い性に優れた耐熱性オレフィン系重合体ワックスを得ることができる。
また、針入硬度は以下のようにすれば上記範囲に制御できる。すなわち、ワックスの構成単位(b)〜(d)の配合量を増やすことで針入硬度値を上げる傾向が得られる。また、触媒種や重合温度などによって制御することもできる。例えば、後述の合成例に記載のメタロセン触媒によりポリエチレンワックスを製造する場合には、重合温度は通常100〜200℃の範囲であるが、上述した好適範囲のMnを有するポリエチレンワックスを製造する観点からは、重合温度は、好ましくは100〜180℃の範囲、より好ましくは100〜170℃の範囲である。
〔環状オレフィン系重合体ワックス(B−1’)〕
環状オレフィン系重合体ワックス(B−1’)は、環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)を変性した重合体ワックスである。したがって、環状オレフィン系重合体ワックス(B−1’)は、下記構成単位(a)及び(b’’)を有する。
(a)エチレンから誘導される単位
(b’’)環状オレフィンから誘導される単位中の不飽和基が変性された単位
この環状オレフィン系重合体ワックス(B−1’)は、通常オレフィン系重合体ワックス(B−1)の内、エチレンと分子中に不飽和基を少なくとも2個有する環状オレフィンとを共重合した重合体を変性して得られる。このため、環状オレフィン系重合体ワックス(B−1’)では、オレフィン系重合体ワックス(B−1)における構成単位(b)(具体的には、構成単位(b’))中の不飽和基が変性され、構成単位(b’’)となっている。
構成単位(b’’)は、例えば、環状ポリエンから誘導される単位中の不飽和基が酸変性された単位(b’’’)であることが好ましい。この理由は以下のように推測される。ワックスの構成単位をランダムに変性するあるいは分子中にグラフトする方法では、主鎖の結合を開裂させ易い構造を有する可能性がある。一方、上述のように当該部位を変性させることにより主鎖構造を維持しつつ耐熱性を向上させられる。この環状オレフィン系重合体ワックス(B−1’)は、オレフィン系重合体ワックス(B−1)の内、エチレンと分子中に不飽和基を少なくとも2個有する環状オレフィンとを共重合させ、得られた重合体を酸変性して製造される。
なお、変性された環状オレフィン系重合体ワックス(B−1’)において、全ての分子に構成単位(b’)が含まれていても、含まれていなくてもよい。また、重合体1分子中の全ての構成単位(b)が構成単位(b’)に変性されていても、変性されていなくてもよい。
環状オレフィン系重合体ワックス(B−1’)は、重合体の全構成単位中に構成単位(b’’)を0.05〜50mol%、好ましくは0.1〜20mol%、更に好ましくは0.2〜10mol%、特に好ましくは0.5〜5mol%の量で含む。なお、残りは構成単位(a)の量であることが好ましい。すなわち、構成単位(a)を99.95〜50mol%、好ましくは99.9〜80mol%、更に好ましくは99.8〜90mol%、特に好ましくは99.5〜95mol%の量で含むことが望ましい。環状オレフィン系重合体ワックス(B−1’)が、環状構造を有する環状オレフィンから導かれる構成単位を上記の範囲の割合で含有すると、重合活性も適度に高く、かつ耐熱性と離型性のバランスに優れる環状構造を有する耐熱性オレフィン系重合体ワックスを得ることができる。
なお、オレフィン系重合体ワックス(B−1)における構成単位(b)中の不飽和基が変性され、構成単位(b’’)となっているため、構成単位(b’’)の好ましい量は、構成単位(b)の好ましい量と同様である。さらに付言すれば、環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)が上述した構成単位(c)および構成単位(d)を有するときは、これらの構成単位は変性によって影響されないため、環状オレフィン系重合体ワックス(B−1’)に、そのままの割合で含まれている。
不飽和基を変性させる変性剤は、例えば、酸化剤、スルホン化剤、無水マレイン酸およびその誘導体、ヒドロホウ素化剤、有機アルミニウム化剤、ハロゲン化剤から選ばれる少なくとも1種の化合物で処理することによって、ヘテロ原子含有基、すなわち、酸素含有基、イオウ含有基、金属含有基(ケイ素含有基、ホウ素含有基)、ハロゲン含有基に変性することが可能である。
スルホン化剤としては、硫酸−無水酢酸がある。ヒドロホウ素化剤としては、ジボラン、トリメチルボラン、9−ボランビシクロ[3.3.1]ノナン等がある。有機アルミニウム水素化物としては、ジイソブチルアルミニウムハイドライドがあげられる。シリル化剤としてはトリエトキシシリルハイドライド/H2PtCl2、トリメトキシシシリルハイドライド/H2PtCl2がある。ハロゲン化剤としては、臭化水素、塩化水素、ヨウ化水素等があげられる。
これらのうちで、構成単位(b’’’)を得るためには、無水マレイン酸およびその誘導体が好適に用いられる。
これらの変性剤による具体的変性方法(温度、時間、触媒種、触媒量等の詳細条件)については、Die Makromolecular Chemie Makromolecular Symposia 48/49, 317-332, 1991に記載された条件に準拠することが可能である。
環状オレフィン系重合体ワックス(B−1’)は、下記(Bi’)を満たすことが好ましい。
(Bi’)重合体1分子あたりの環状オレフィンから誘導される単位の含有量が0.1〜4.0個である。環状オレフィン系重合体ワックス(B−1’)は、環状オレフィンから誘導される単位の含有量が、より好ましくは0.5〜3.0個/分子、さらに好ましくは1.0〜2.0個/分子であることが望ましい。
上記要件を満たすと好ましい理由、上記含有量の求め方および上記含有量の制御方法などは、環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)で述べたのと同じである。
さらに、環状オレフィン系重合体ワックス(B−1’)は、下記(Bvi’)を満たすことが好ましい。
(Bvi’)TGAによる10%重量減量温度Tが350℃以上であるか、またはTGAによる10%重量減量温度Tと重量平均分子量Mwとが、下記式(I)を満たす。
T≧0.002×Mw+B ・・・(I)
(B値(℃)は320)
TGAによる10%重量減量温度Tの求め方、上記要件を満たすと好ましい理由および上記要件を満たすための制御方法などは、環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)で述べたのと同じである。
また、変性により官能基化されている環状オレフィン系重合体ワックス(B−1’)は、さらに金属塩化させて、金属塩ワックスとしてもよい。本明細書において、金属塩ワックスとは、上述したワックス用途に用い得るオレフィン系重合体に、1価または2価の金属元素が配位した重合体を意味する。例えば、酸で不飽和基を変性したポリエチレンワックスは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩を反応性官能基の2倍当量分を水に加えて固形分濃度40〜50%に調整し、次いで、この溶液と重合体とを140℃、0.3MPaの条件下で2時間反応させることで得ることができる。
金属塩ワックスの金属元素は、K、Na、Ca及びZnから選ばれる、少なくとも1種類であることが好ましい。金属元素がK、NaおよびCaであると、変性が容易であるためより好ましい。
〔非環状オレフィン系重合体ワックス(B−2)〕
非環状オレフィン系重合体ワックス(B−2)は、環状構造を有さない単量体を重合させて得られる共重合体である。
上記環状構造を有さない単量体としては、脂環や芳香環を含まないα−オレフィンおよびその変性体、長鎖脂肪酸及びその変性体等が挙げられる。
上記環状構造を有さない単量体は、1種類であってもよく、2種類以上の組み合わせで用いることもできる。
非環状オレフィン系重合体ワックス(B−2)は、変性されていてもよく、例えば官能基変性されていてもよい。具体的には、非環状オレフィン系重合体ワックス(B−2)としては、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体や、エチレン−プロピレン共重合体の酸変性体などが挙げられる。
非環状オレフィン系重合体ワックス(B−2)が変性体である場合は、ワックス用途に用い得る非環状オレフィン系重合体を変性して得られる。
不飽和基を変性させる変性剤およびこれらの変性剤による具体的変性方法は、環状オレフィン系重合体ワックス(B−1’)の場合と同様である。
非環状オレフィン系重合体ワックス(B−2)の数平均分子量は、500〜5,000、好ましくは600〜4,000、より好ましくは1,000〜3,000であることが望ましい。数平均分子量が上記範囲にあると、成形時の発煙が抑えられ、金型離型性に優れる利点がある。また、数平均分子量が大きすぎると、金型離型効果が低下する場合がある。数平均分子量については、環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)で説明したのと同じようにして求められる。
また、変性により官能基化されている環状オレフィン系重合体ワックス(B−2)は、さらに金属塩化させて、金属塩ワックスとしてもよい。非環状オレフィン系重合体ワックス(B−2)として、金属塩ワックス、より具体的には、前述のエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体や、エチレン−プロピレン共重合体の酸変性体などを金属塩化したワックスを含んでいる場合は、後述する無機強化剤(E)などのフィラーや熱可塑性樹脂(A)との濡れ性が向上し、成形品の表面を平滑にし、外観を良好にする点で特に好ましい。また、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体や、エチレン−プロピレン共重合体の酸変性体などを金属塩化したワックスと環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)または(B−1’)とを組み合わせると、上述の表面平滑性や外観良好性に加え、金型離型性も向上し特に好ましい。
金属塩ワックスの金属元素は、K、Na、Ca及びZnから選ばれる、少なくとも1種類であることが好ましい。金属元素がK、Na、CaおよびZnであると、変性が容易であるためより好ましい。
なお、樹脂組成物(X)においては、オレフィン系重合体ワックス成分(B)のうち、少なくとも1種類のオレフィン系重合体ワックスが、金属塩ワックスであってもよい。すなわち、樹脂組成物(X)に配合するオレフィン系重合体ワックス成分(B)のうち、環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)が金属塩ワックスであってもよく、環状オレフィン系重合体ワックス(B−2)が金属塩ワックスであってもよく、両者ともに金属塩ワックスであってもよい。
金属塩ワックスを用いると、耐熱性樹脂の成形時の金型離型性をさらに向上することが可能である。また、環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)が金属塩ワックスであると、例えば耐熱性を維持したまま樹脂への分散性をさらに向上させたり、耐熱性をさらに向上させたりすることも可能である。一方、金属フリーが求められる成型品(特に電子材料など)を製造するためには、金属塩ワックスを用いないことが好ましい場合もある。したがって、樹脂組成物の用途によって、金属塩ワックスを用いるか否かを適宜選択すればよい。
また、樹脂組成物(X)において、環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)を単独で用いてもよく、さらに必要に応じて環状オレフィン系重合体ワックス(B−1’)および/または非環状オレフィン系重合体ワックス(B−2)を併用してもよい。また、環状オレフィン系重合体ワックス(B−1’)を単独で用いてもよく、さらに必要に応じて非環状オレフィン系重合体ワックス(B−2)を併用してもよい。これらのうちで、色調および成形品の外観を損なわないという点で、環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)および/または環状オレフィン系重合体ワックス(B−1’)を用いることが特に好ましい。なお、環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)、環状オレフィン系重合体ワックス(B−1’)、および非環状オレフィン系重合体ワックス(B−2)は、それぞれ単独で用いても、二種以上混合して用いてもよい。
<無機強化材(E)>
本発明で用いる無機強化材(E)は、ガラス繊維、カーボン繊維およびフィラー類から選択される少なくとも1種である。これら無機強化材(E)は1種で用いることもできるし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ガラス繊維の種類は特に制限がないが、ロービングガラス、チョップドストランドガラス、ミルドガラスなどを用いることができる。また、これらは1種類でも、2種類以上を混合して用いてもよい。
ガラス繊維の長さは、特に限定はないが、押出し機などで樹脂と混合する際に折れることもあり、作業性の観点から0.3mm〜10mm、望ましくは2mm〜7mmが好ましい。本発明組成物中のガラス繊維の長さは、2mm〜5mmである。ガラス繊維の太さも特に限定ないが、平均繊維径が1〜25μm、好ましくは5〜17μmである。また、さらにアスペクト比(平均繊維長/繊維直径)については、25以下のものが好ましいが、異なるアスペクト比のガラス繊維を適当な比率で混合して用いることも可能である。ガラス繊維の断面形状についても特に限定はなく、円形、まゆ型、ひょうたん型、だ円型、円筒形などを用いることができる。
また、ガラス繊維は、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤等で表面処理されていてもよい。ここでいうシランカップリング剤としては、例えばビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランおよびγ−クロロプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
その他にガラス繊維は、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂等で集束処理されていてもよい。この場合、集束処理に用いられるオレフィン系樹脂やウレタン系樹脂は、組成物全体の物性に影響のない範囲で用いられる。
さらにガラス繊維は、メッキ法および蒸着法などにより、ニッケル、銅、コバルト、銀、アルミニウム、鉄などおよびこれらの合金などの金属でコーティングされていてもよい。
カーボン繊維は、形状、種類に特に制限はなく、形状は、チョップドストランド、ロービングストランド、ミルドファイバーなどの形状のものがあり、種類は、ピッチ系、ポリアクリロニトリル系のいずれであってもよい。
これら原料組成物を紡糸または成形し次いで炭化することにより得られたものの他、気相成長法の如く基本的に紡糸工程を経ないで得られるカーボン繊維を使用することも可能である。
かかる気相成長法のカーボン繊維を使用した場合には、繊維径が小さく且つL/Dも大きいため、高剛性と同時に、良好な外観を有する成形品を得ることが可能となる。
更に本発明のカーボン繊維は賦活処理を行うことにより比表面積を大きくしたものを使用することもできる。
これらのカーボン繊維は、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤等で表面処理したものが好ましい。
また集束剤としては、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂等が挙げられるが、エポキシ系樹脂およびウレタン系樹脂が好ましい。
また、繊維径については、一般には6〜18μmの範囲のものが使用されるが、本発明では直径が0.5〜15μmのものが好ましく、1〜10μmのものが特に好ましい。
本発明で使用するチョップドストランドのカット長は1〜15mmが好ましく、より好ましくは2〜10mm、最も好ましくは3〜8mmである。また、チョップドストランドは成形途中で破砕される。
該樹脂組成物中におけるカーボン繊維の繊維軸方向の長さLと繊維径Dの比であるアスペクト比(L/D)は15〜100の範囲が好ましく、20〜50の範囲が更に好ましい。
フィラー類としては、炭酸カルシウム、シリカ、カオリン、クレー、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、アルミナ、水酸化マグネシウムのような無定形フィラー、タルク、マイカ、あるいはガラスフレークなどの板状フィラー、ワラステナイト、チタン酸カリウム、塩基性硫酸マグネシウム、セピオライト、ゾノトライト、あるいはホウ酸アルミニウムなどの針状フィラー、金属粉、金属フレーク、カーボンブラックなどの導電性フィラーなどが用いられる。その他ガラスビーズ、ガラス粉などが用いられる。これらフィラーは単体もしくは複数の組み合わせで使用してもよいし、その表面に炭素被覆またはシランカップリング処理等を施したものを単体もしくは複数の組み合わせとして使用してもよい。
本発明においては、無機強化材は使用しなくても良いが、用いる場合はこれらのうち、ガラス繊維、カーボン繊維、フィラー類の使用が好ましい。
<その他の成分(F)>
本発明のオレフィン系重合体ワックス含有樹脂組成物には、本発明の目的および効果を損なわない範囲で任意の添加剤、たとえば臭素化ビスフェノール、臭素化エポキシ樹脂、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリカーボネート、トリフェニルホスフェート、ホスホン酸アミドおよび赤燐等のような難燃剤、三酸化アンチモンおよびアンチモン酸ナトリウム等のような難燃助剤、燐酸エステルおよび亜燐酸エステル等のような熱安定剤、ヒンダードフェノール等のような酸化防止剤、耐熱剤、耐候剤、光安定剤、離型剤、流動改質剤、着色剤、顔料、滑剤、帯電防止剤、結晶核剤、可塑剤および発泡剤、ハロゲンキャッチャー、ドリップ防止剤等を配合してもよい。
また、低分子量の脂肪酸エステルや脂肪酸金属塩(例えばモンタン酸エステル、モンタン酸カルシウム)など、高温成形が必要な熱可塑性樹脂に従来用いられていた滑剤を配合してもよい。
<樹脂組成物(X)>
樹脂組成物(X)は、樹脂(A)100重量部に対し、オレフィン系重合体ワックス成分(B)を通常0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜7重量部、さらに好ましくは0.1〜5重量部配合して得られる。オレフィン系重合体ワックス成分(B)を上記範囲の量で用いることは、成形時の離型発現性、発煙性、ストランド安定性および成形品の機械物性の観点から好ましい。上記範囲の量より多く用いると、成形が困難になる場合がある。ここで、オレフィン系重合体ワックス成分(B)として、環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)、環状オレフィン系重合体ワックス(B−1’)および非環状オレフィン系重合体ワックス(B−2)から選ばれる2種以上のワックスを用いるときは、上記の量はこれらのワックスの合計量を表す。オレフィン系重合体ワックス成分(B)として、環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)および環状オレフィン系重合体ワックス(B−1’)を用いるときは、色調および成形品の外観の観点から、樹脂(A)100重量部に対し、環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)および環状オレフィン系重合体ワックス(B−1’)を合計で、特に0.1〜3重量部配合することが望ましい。
なお、オレフィン系重合体ワックス成分(B)として、環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)および環状オレフィン系重合体ワックス(B−1’)を用いる場合は、環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)と環状オレフィン系重合体ワックス(B−1’)との割合が、10:90〜99:1(重量%)であることが好ましい。
また、環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)および非環状オレフィン系重合体ワックス(B−2)を用いる場合は、環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)と非環状オレフィン系重合体ワックス(B−2)との割合が、10:90〜99:1(重量%)であることが好ましい。環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)の代わりに環状オレフィン系重合体ワックス(B−1’)と非環状オレフィン系重合体ワックス(B−2)とを用いる場合は、環状オレフィン系重合体ワックス(B−1’)と非環状オレフィン系重合体ワックス(B−2)との割合が、10:90〜99:1(重量%)であることが好ましい。
また、環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)、環状オレフィン系重合体ワックス(B−1’)および非環状オレフィン系重合体ワックス(B−2)を用いる場合は、環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)および環状オレフィン系重合体ワックス(B−1’)の合計と非環状オレフィン系重合体ワックス(B−2)との割合が、10:90〜99:1(重量%)であることが好ましい。このとき、環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)と環状オレフィン系重合体ワックス(B−1’)との割合が、10:90〜99:1(重量%)であることが好ましい。
無機強化材(E)を用いる場合は、樹脂(A)100重量部に対し、無機強化材(E)を通常5〜250重量部配合する。無機強化材(E)を上記範囲の量で用いることは、成形時の離型発現性、発煙性、ストランド安定性および成形品の機械物性の観点から好ましい。また、無機強化材(E)を上記範囲よりも少なく用いると、樹脂組成物の強度の改善効果が小さすぎる場合があり、無機強化材(E)を上記範囲よりも多く用いると、樹脂組成物の脆性が高くなる場合がある。
なお、その他の成分(F)を用いる場合は、樹脂(A)100重量部に対し、その他の成分(F)をそれぞれ通常0.01〜30重量部配合する。その他の成分(F)のうち、成形時の金型離型性をより向上させるために低分子量の脂肪酸エステルや脂肪酸金属塩を用いる場合は、成形時に発煙が起こらない範囲の量(通常樹脂(A)100重量部に対し0.05〜30重量部)で配合してもよい。ただし、成形時の発煙の観点からは、低分子量の脂肪酸エステルや脂肪酸金属塩を用いないことがより好ましい。
本発明の樹脂組成物(X)を製造する方法は、任意の方法を用いることができる。例えば樹脂(A)、オレフィン系重合体ワックス成分(B)、必要に応じて無機強化材(E)およびその他の成分(F)を、好ましくは得られる樹脂組成物中での割合が上記範囲となるように、同時にまたは任意の順序で、タンブラー、V型ブレンダー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、混練ロール、単軸或いは二軸の押出機などで混合する。
さらに、本発明の樹脂組成物(X)は、以下の他の態様であってもよい。すなわち、融点Tmが200℃以上の樹脂(A)と、オレフィン系重合体ワックス成分(B)とを配合した樹脂組成物(X)であって、上記オレフィン系重合体ワックス成分(B)の必須成分として、非環状オレフィン系重合体ワックス(B−2)の金属塩ワックスを含む樹脂組成物(X)であってもよい。非環状オレフィン系重合体ワックス(B−2)の中でも、特にエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体や、エチレン−プロピレン共重合体の酸変性体などを金属塩化したワックスは、環状オレフィンワックス(B−1)と混合した場合だけでなく、単独で使用した場合でも、成形品の表面平滑性や外観良好性に優れる。
≪成形品≫
本発明のオレフィン系重合体ワックス含有樹脂組成物の成形品は、上述したオレフィン系重合体ワックス含有樹脂組成物を押出成形法、射出成形法、溶液流延法等といった公知の成形方法により成形することにより得られるが、押出成形法、射出成形法により成形することが好ましく、射出成形法により成形することがより好ましい。
また、本発明のオレフィン系重合体ワックス含有樹脂組成物の成形品は、通常シート、フィルム、パイプ、チューブ、窓枠・住宅部材等の異形品、ラミネート等の形状を有する。あるいは、電気・電子用部品、自動車部品、電動工具ハウジング、カメラ部品、コネクター等の各種機械部品、リレー、スイッチ、コネクター等の成形品として用いられる。
本発明のオレフィン系重合体ワックス含有樹脂組成物は、押出成形時の成形加工性、耐熱性に優れる。また、射出成形時の耐熱性、高流動性、離型性、およびショット安定性に優れる。
本発明によると、射出成形温度(樹脂温度)を、オレフィン系重合体ワックスを添加しない場合の射出成形温度、具体的には、200〜360℃の範囲の温度に対して、5℃以上、好ましくは10℃以上、より好ましくは15℃以上低い温度に設定できる。ここで、「オレフィン系重合体ワックスを含まない場合の射出成形温度」とは、成形速度や得られる成型体の物性を考慮して、使用する樹脂(A)により適宜決定される、最適な射出成形温度である。
なお、射出成形温度を除く射出成形条件は、従来公知条件を採用することができる。具体的には、射出圧力が通常20〜150MPa、好ましくは25〜80MPaであり、金型温度が通常70〜150℃、好ましくは80〜120℃である。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[オレフィン系重合体ワックスの性状]
オレフィン系重合体ワックスの性状は以下の方法によって評価した。
(1)環状オレフィンまたはα−オレフィンから導かれる構成単位の含有量の測定方法
オレフィン系重合体ワックス中の環状オレフィンまたはα−オレフィンから導かれる構成単位の含有量ならびに1,000炭素あたりの環状構造数Mは、13C−NMRによる不飽和部分の炭素のピーク面積と全炭素のピーク面積、または13C−NMRによるαオレフィン部分の炭素のピーク面積と全炭素のピーク面積とを比較することにより得た。
(2)1分子あたりの環状構造数の測定方法
1分子あたりの環状構造含有量は、数平均分子量Mnと、上述で求めた1,000炭素あたりの環状構造数Mを用いて、Mn×M/14,000により算出した。
(3)密度の測定方法
JISK7112の密度勾配管法で測定した。
(4)融点の測定方法
融点は、示差走査型熱量測定法(DSC)に従い、DSC−20(セイコー電子工業社製)によって測定した。試料約10mgを−20℃から200℃まで10℃/分で昇温し、得られたカーブの吸熱ピークを融点として求めた。この昇温測定の前に、一旦、樹脂を200℃程度まで昇温し、5分間保持した後、20℃/分で常温(25℃)まで降温する操作を行い、樹脂の熱履歴を統一した。
(5)Mn、Mwの測定方法
数平均分子量Mn、および重量平均分子量Mwは、GPC測定から求めた。測定は以下の条件で行った。また、数平均分子量Mn、および重量平均分子量Mwは、市販の単分散標準ポリスチレンを用いて検量線を作成し、下記の換算法に基づいて求めた。
装置 : ゲル浸透クロマトグラフAlliance GPC2000型(Waters社製)
溶剤 : o−ジクロロベンゼン
カラム: TSKgelカラム(東ソー社製)×4
流速 : 1.0 ml/分
試料 : 0.15mg/mL o−ジクロロベンゼン溶液
温度 : 140℃
分子量換算 : PE換算/汎用較正法
なお、汎用較正の計算には、以下に示すMark−Houwink粘度式の係数を用いた。
ポリスチレン(PS)の係数 : KPS=1.38×10−4, aPS=0.70
ポリエチレン(PE)の係数 : KPE=5.06×10−4, aPE=0.70。
(6)10%重量減量温度の測定方法
10%重量減量温度は、環状構造含有オレフィン系ワックス10mgを量り取り、熱重量測定装置(TG−DTA320、SII社製)により測定される、重量が10%減少したときの温度である。ここで、TGAによる測定は、空気雰囲気下:200mL/min、昇温速度:20℃/min、温度範囲:30℃〜700℃の条件下で行った。
<合成例1> (オレフィン系重合体ワックス(B−1−1)の合成)
充分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン950ml、プロピレン15ml、ビニルノルボルネン(5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン)35mlを装入し、水素を0.25MPa(ゲージ圧)となるまで導入した。
次いで、系内の温度を150℃に昇温した後、トリイソブチルアルミニウム0.3ミリモル、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.004ミリモル、(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタンジクロライド(シグマアルドリッチ社製)0.02ミリモルをエチレンで圧入することにより重合を開始した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を2.9MPa(ゲージ圧)に保ち、150℃で20分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレンおよびビニルノルボルネンをパージした。得られたポリマー溶液を、100℃減圧下で一晩乾燥した。
以上のようにして表1−1に示す物性を持つオレフィン系重合体ワックス(B−1−1)を得た。
<合成例2> (オレフィン系重合体ワックス(B−1−2)の合成)
充分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン945ml、プロピレン5ml、ビニルノルボルネン(5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン)50mlを装入し、水素を0.25MPa(ゲージ圧)となるまで導入した。
次いで、系内の温度を150℃に昇温した後、トリイソブチルアルミニウム0.3ミリモル、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.004ミリモル、(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタンジクロライド(シグマアルドリッチ社製)0.02ミリモルをエチレンで圧入することにより重合を開始した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を2.9MPa(ゲージ圧)に保ち、150℃で20分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレンおよびビニルノルボルネンをパージした。得られたポリマー溶液を、100℃減圧下で一晩乾燥した。
以上のようにして表1−1に示す物性を持つオレフィン系重合体ワックス(B−1−2)を得た。
<合成例3> (オレフィン系重合体ワックス(B−1−3)の合成)
充分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン945ml、プロピレン10ml、ビニルノルボルネン(5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン)45mlを装入し、水素を0.30MPa(ゲージ圧)となるまで導入した。
次いで、系内の温度を150℃に昇温した後、トリイソブチルアルミニウム0.3ミリモル、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.004ミリモル、(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタンジクロライド(シグマアルドリッチ社製)0.02ミリモルをエチレンで圧入することにより重合を開始した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を2.9MPa(ゲージ圧)に保ち、150℃で20分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレンおよびビニルノルボルネンをパージした。得られたポリマー溶液を、100℃減圧下で一晩乾燥した。
以上のようにして表1−1に示す物性を持つオレフィン系重合体ワックス(B−1−3)を得た。
<合成例4> (オレフィン系重合体ワックス(B−1’−4)の合成)
オレフィン系重合体ワックス(B−1−1)100グラムに対し、無水マレイン酸8.3グラム(環状オレフィンに対し、5.6当量)を加え、200℃で5時間反応を行った。溶融液を更に200℃減圧下で攪拌し、未反応の無水マレイン酸をパージした。得られたポリマーを100℃減圧下で一晩乾燥した。以上のようにして表1−1に示す物性を持つオレフィン系重合体ワックス(B−1’−4)を得た。
<合成例5> (非環状オレフィン系重合体ワックス(B−2−5)の合成)
エチレン−メタクリル酸共重合体の金属変性ポリマー(三井・デュポンポリケミカル社製ハイミラン1702)300gを500mlの枝付重合フラスコに仕込み、窒素を流通させながら、サンドバスを用い400℃に加熱した。フラスコ壁面の重合体が融解したことを確認した後、温度を保ったまま4時間撹拌を続けることにより、エチレン−メタクリル酸共重合体の金属変性ポリマーを熱分解した。その後、常温まで冷却することにより、エチレン−メタクリル酸共重合体の金属変性ポリマーの熱分解物を得た。以上のようにして表1−2に示す物性を持つ非環状オレフィンワックス(B−2−5)を得た。
<その他のワックス>
比較例および実施例で用いたその他のワックス(非環状オレフィン系重合体ワックス(B−2−1)〜(B−2−4)など)の物性を表1−2に示す。
Figure 0005438677
Figure 0005438677
(*1)エチレン-プロピレン共重合体ワックス、ハイワックス720P(三井化学社製)
(*2)ポリエチレンワックス、ハイワックス800P(三井化学社製)
(*3)モンタン酸カルシウム、リコモントCaV102(クラリアント社製)
(*4)ポリエチレンワックス、ハイワックス110P(三井化学社製)
(*5)ポリエチレンワックス、ハイワックス1105P(三井化学社製)
(*6)モンタン酸エステル、リコワックスE(クラリアント社製)
(*7)エチレン-メタクリル酸共重合体の分子間を金属イオンで架橋したアイオノマー樹脂、ハイミラン1702(三井・デュポン ポリケミカル社製)
[実施例1]
ガラスファイバー(日東紡績(株)製、CS 3PE−455S)を10重量部含むポリカーボネート樹脂(帝人化成(株)製、パンライトL−1225Y NAT、Tm=約250℃、Tg=145〜150℃)90重量部に、オレフィン系重合体ワックス(B−1−1)を0.5重量部添加し、これらを二軸押出機(パーカーコーポレーション(株)製、同方向回転二軸押出機 HK-25D(41D))を用い溶融混練してストランドを作製し(シリンダー温度:280℃、フィード量:10.0kg/hr)、得られたストランドの発煙、ストランド安定性、色調、耐熱色相を以下のように評価した。上記ストランドから得たペレットを120℃、5時間乾燥後、射出成形機(クロックナー(株)製、クロックナーF85)を用い、シリンダー温度290℃、スクリュー回転数100rpm、射出一次圧力70MPa、二次圧力50MPa、金型温度90℃の条件で射出成形し、JIS試験法に従い試験片を作製した。この試験片を用い、機械物性として以下のように曲げ弾性率を評価した。結果を表2−1に示す。
〔成形加工性および成形品の評価方法〕
実施例1、その他の実施例および比較例において、各測定および評価は以下の方法により行った。
<トルク> 押出機のスクリューにかかる負荷を、二軸押出機付属のトルクメータで測定した。
<発煙> 押出機出口からの発煙量を目視にて確認した。発煙量が殆ど見られないものを○、僅かに見られるものを△、発煙の激しいものを×とした。
<ストランド安定性> ストランド作製中の20分間のうち、ストランドの切れが5回未満のものを○、5回以上のものを×とした。
<色調> 得られたストランドの色調を確認した。黄変しなかったものを○、黄変したものを×とした。
<耐熱色相> ストランドを180℃、10hにて加熱し、その色相を目視にて確認した。色調変化が僅かであるものを○、ひどく変色するものを×とした。
<曲げ弾性率> 射出成形機を用いて試験片を作製し、JIS K−7171に基づき、荷重レンジ50kg、試験速度2mm/min、曲げスパン64mmの条件で曲げ弾性率を測定した。
[実施例2]
オレフィン系重合体ワックス(B−1−1)の代わりにオレフィン系重合体ワックス(B−1−2)を0.5重量部用いた以外は実施例1と同様の方法でポリカーボネート樹脂組成物の性状を評価した。得られた結果を表2−1に示す。
[実施例3]
オレフィン系重合体ワックス(B−1−1)の代わりにオレフィン系重合体ワックス(B−1−3)を0.5重量部用いた以外は実施例1と同様の方法でポリカーボネート樹脂組成物の性状を評価した。得られた結果を表2に示す。
[比較例1]
離型剤(オレフィン系重合体ワックス(B−1−1))を用いなかった以外は実施例1と同様の方法でポリカーボネート樹脂組成物の性状を評価した。得られた結果を表2−1に示す。
[比較例2]
オレフィン系重合体ワックス(B−1−1)の代わりにオレフィン系重合体ワックス(B−2−4)(ハイワックス1105A、三井化学社製)を0.5重量部用いた以外は実施例1と同様の方法でポリカーボネート樹脂組成物の性状を評価した。得られた結果を表2−1に示す。
[比較例3]
オレフィン系重合体ワックス(B−1−1)の代わりにオレフィン系重合体ワックス(B−2−3)(ハイワックス110P、三井化学社製)を0.5重量部用いた以外は実施例1と同様の方法でポリカーボネート樹脂組成物の性状を評価した。得られた結果を表2−1に示す。
以上、[実施例1]〜[比較例3]より、オレフィン系重合体ワックス(B−1)を含有することにより、発煙抑制・ストランド安定性・色調・耐熱色相・曲げ弾性率を保ちながら良好な成形性(低いトルク性)を得ることができた。
[実施例4]
ポリカーボネート樹脂(帝人化成(株)製、パンライトL−1225Y NAT、Tm=約225℃、Tg=50℃)100重量部に、オレフィン系重合体ワックス(B−1−1)を0.5重量部添加し、これらを二軸押出機(パーカーコーポレーション(株)製、同方向回転二軸押出機 HK-25D(41D))を用い溶融混練してストランドを作製した(シリンダー温度:280℃、フィード量:10.0kg/hr)。上記ストランドから得たペレットについて、以下の方法で離型力を評価した。PVT測定装置(SWO社製、PVT−100)を用いて、290℃まで加熱溶融させたポリカーボネート樹脂組成物を5℃/minの速度で100℃まで20MPaにて等圧冷却した。上ピストンでサンプルを取り出すときの押出圧力を測定した。得られた結果を表2−2に示す。
[実施例5]
オレフィン系重合体ワックス(B−1−1)の代わりにオレフィン系重合体ワックス(B−1−4’)を0.5重量部用いた以外は実施例4と同様の方法でポリカーボネート樹脂組成物の性状を評価した。得られた結果を表2−2に示す。
[比較例4]
離型剤(オレフィン系重合体ワックス(B−1−1))を用いなかった以外は実施例4と同様の方法でポリカーボネート樹脂組成物の性状を評価した。得られた結果を表2−2に示す。
[比較例5]
オレフィン系重合体ワックス(B−1−1)の代わりにオレフィン系重合体ワックス(B−2−4)を0.5重量部用いた以外は実施例4と同様の方法でポリカーボネート樹脂組成物の性状を評価した。得られた結果を表2−2に示す。
[比較例6]
オレフィン系重合体ワックス(B−1−1)の代わりにオレフィン系重合体ワックス(B−2−3)を0.5重量部用いた以外は実施例4と同様の方法でポリカーボネート樹脂組成物の性状を評価した。得られた結果を表2−2に示す。
Figure 0005438677
Figure 0005438677
[実施例6]
半芳香族ポリアミド(三井化学(株)製、PA6T/66、融点320℃、[η]0.8、Tm=約320℃、Tg=95℃)を44.35重量部、ガラス繊維(セントラル硝子(株)製、ESC03−615)を30重量部、難燃剤として臭素化ポリスチレン(ケムチュラ・ジャパン(株)製、PBS−64HW)を21重量部、難燃助剤としてアンチモン酸ナトリウム(日本精鉱(株)製、SA−A)を2重量部、ハロゲンキャッチャーとしてハイドロタルサイト(協和化学(株)製、DHT−4C)を0.3重量部、燃焼時のドリップ防止剤としてマレイン化SEBS(旭化成(株)製、タフテックM1913)を1.4重量部、結晶核剤としてタルク(松村産業(株)製、ET−5)を0.7重量部、離型剤としてオレフィン系重合体ワックス(B−1−1)を0.25重量部添加し、これらを二軸押出機で溶融混練してペレットを得た。このペレットを用いて実施例1と同様の方法でポリアミド樹脂組成物の評価をするとともに、以下の評価を行った。その結果を表3に示す。
[成形加工性および成形品の評価方法]
実施例6および比較例7〜9において、各測定および評価は以下の方法により行った。
<薄肉流動長試験> 金型温度135℃に設定した幅10mm、厚み0.5mmのバーフロー金型に、(株)ソディック プラステック、ツパールTR40S3Aを用いて、ポリアミド樹脂の融点より10℃高いシリンダー温度、射出速度200mm/sで射出した。最初の20ショットは捨て、その後10ショットの流動長(mm)を測定し、平均を求めた。
<ベント閉塞性> 金型温度135℃に設定した幅20mm、ランド長2mm、深さ10μmのガスベントを備えた幅20mm、長さ40mm、高さ3mmの角板型金型に、(株)ソディック プラステック、ツパールTR40S3Aを用いて、ポリアミド樹脂の融点より10℃高いシリンダー温度、射出速度150mm/sで射出した。モールドデポジットによりガスベントが閉塞し試験片にガス焼けが確認できるまでのショット数を測定した。
<離型力> 金型温度100℃に設定したコネクタ金型に、日精樹脂工業(株)製PS−40Eを用いて、ポリアミド樹脂の融点より10℃高いシリンダー温度、射出圧力50%、射出速度30%で射出成形し、同社製DLA(Data Logger Analyzer)を用いて離型力を測定した。
[比較例7]
離型剤(オレフィン系重合体ワックス(B−1−1))を用いなかった以外は実施例6と同様の方法でポリアミド樹脂組成物の物性を評価した。得られた結果を表3に示す。
[比較例8]
オレフィン系重合体ワックス(B−1−1)の代わりにオレフィン系重合体ワックス(B−2−2)(ハイワックス800P、三井化学社製)を用いた以外は実施例6と同様の方法でポリアミド樹脂組成物の物性を評価した。得られた結果を表3に示す。
[比較例9]
オレフィン系重合体ワックス(B−1−1)の代わりにモンタン酸カルシウム(クラリアント社製、リコモントCaV102)を用いた以外は実施例6と同様の方法でポリアミド樹脂組成物の物性を評価した。得られた結果を表3に示す。
以上、オレフィン系重合体ワックス(B−1)を含有することにより、発煙抑制・ストランド安定性・色調・耐熱色相・曲げ弾性率を保ちながら良好な成形性(低いトルク性)を得ることができるとともに、表3に示す結果を得た。
Figure 0005438677
[実施例7]
ポリアミド6(宇部興産社製、UBEナイロン1015B、Tm=約225℃、Tg=50℃)100重量部に、オレフィン系重合体ワックス(B−1−1)を0.5重量部添加し、これらを二軸押出機(パーカーコーポレーション(株)製、同方向回転二軸押出機 HK-25D(41D))を用い溶融混練してストランドを作製し(シリンダー温度:240℃、フィード量:10.0kg/hr)、得られたストランドの発煙、ストランド安定性、色調、耐熱色相を上記のように評価した。また、トルクについても上記のように評価した。さらに、以下の評価を行った。その結果を表4に示す。
〔成形加工性および成形品の評価方法〕
実施例7〜9および比較例10〜14において、各測定および評価は以下の方法により行った。
<浮遊物> 押出機水浴に吐出されるストランドから発生する浮遊物を目視にて確認した。浮遊物が殆ど見られないものを○、浮遊物が見られるものを×とした。
<離型力> 金型温度約80℃に設定したコップ金型に、クロックナーF−85(KLOCKNER FERROMATIK社製)を用いて、シリンダー温度250℃、射出圧力16〜23%、射出速度20%で射出成形し、ニレコ社製モバック100を用いて離型力を測定した。
<成型品外観> 前述の離型力測定で得られた成形品の色調を確認した。黄変しなかったものを○、黄変したものを×とした。
[実施例8]
オレフィン系重合体ワックス(B−1−1)0.5重量部の代わりにオレフィン系重合体ワックス(B−1−1)3重量部を用いた以外は実施例7と同様の方法でポリアミド樹脂組成物の物性を評価した。得られた結果を表4に示す。
[実施例9]
オレフィン系重合体ワックス(B−1−1)の代わりにオレフィン系重合体ワックス(B−1’−4)を用いた以外は実施例7と同様の方法でポリアミド樹脂組成物の物性を評価した。得られた結果を表4に示す。
[比較例10]
離型剤(オレフィン系重合体ワックス(B−1−1))を用いなかった以外は実施例7と同様の方法でポリアミド樹脂組成物の物性を評価した。得られた結果を表4に示す。
[比較例11]
オレフィン系重合体ワックス(B−1−1)の代わりにモンタン酸Caを用いた以外は実施例7と同様の方法でポリアミド樹脂組成物の物性を評価した。得られた結果を表4に示す。
[比較例12]
オレフィン系重合体ワックス(B−1−1)の代わりにモンタン酸エステルを用いた以外は実施例7と同様の方法でポリアミド樹脂組成物の物性を評価した。得られた結果を表4に示す。
[比較例13]
オレフィン系重合体ワックス(B−1−1)の代わりにオレフィン系重合体ワックス(B−2−2)を用いた以外は実施例7と同様の方法でポリアミド樹脂組成物の物性を評価した。得られた結果を表4に示す。
[比較例14]
オレフィン系重合体ワックス(B−1−1)の代わりにオレフィン系重合体ワックス(B−2−5)を用いた以外は実施例7と同様の方法でポリアミド樹脂組成物の物性を評価した。得られた結果を表4に示す。
Figure 0005438677
[実施例10]
ポリアミド6(宇部興産社製、UBEナイロン1015B、Tm=約225℃、Tg=50℃)100重量部に、ガラス繊維(日東紡績社製、CSX3J451S)を30重量部、オレフィン系重合体ワックス(B−1−1)を0.5重量部添加し、これらを二軸押出機(パーカーコーポレーション(株)製、同方向回転二軸押出機 HK-25D(41D))を用い溶融混練してストランドを作製し(シリンダー温度:240℃、フィード量:10.0kg/hr)、得られたストランドの発煙、ストランド安定性、色調、耐熱色相を上記のように評価した。また、トルクについても上記のように評価した。上記ストランドから得たペレットを80℃、12時間乾燥後、射出成形機(クロックナー(株)製、クロックナーF85)を用い、シリンダー温度250℃、スクリュー回転数100rpm、射出一次圧力約30MPa、二次圧力約25MPa、金型温度80℃の条件で射出成形し、JIS試験法に従い試験片を作製した。この試験片を用い、機械物性として曲げ弾性率及びシャルピー衝撃強度を評価した。さらに、以下の評価を行った。その結果を表5−1に示す。
〔成形加工性および成形品の評価方法〕
実施例10〜14および比較例15〜18において、各測定および評価は以下の方法により行った。
<曲げ弾性率> JIS K−7162法により、曲げ弾性率を求めた。
<シャルピー衝撃強度> JIS K−7111法により、衝撃値を求めた。
<離型力> 金型温度約80℃に設定したコップ金型に、クロックナーF−85(KLOCKNER FERROMATIK社製)を用いて、シリンダー温度250℃、射出圧力16〜23%、射出速度20%で射出成形し、ニレコ社製モバック100を用いて離型力を測定した。
<成型品外観> 前述の離型力測定で得られた成形品の色調を確認した。黄変しなかったものを○、黄変したものを×とした。
[実施例11]
オレフィン系重合体ワックス(B−1−1)0.5重量部の代わりにオレフィン系重合体ワックス(B−1−1)1重量部を用いた以外は実施例10と同様の方法でポリアミド樹脂組成物の物性を評価した。得られた結果を表5−1に示す。
[実施例12]
オレフィン系重合体ワックス(B−1−1)0.5重量部の代わりにオレフィン系重合体ワックス(B−1−1)3重量部を用いた以外は実施例10と同様の方法でポリアミド樹脂組成物の物性を評価した。得られた結果を表5−1に示す。
[実施例13]
オレフィン系重合体ワックス(B−1−1)の代わりにオレフィン系重合体ワックス(B−1’−4)を用いた以外は実施例10と同様の方法でポリアミド樹脂組成物の物性を評価した。得られた結果を表5−1に示す。
[実施例14]
オレフィン系重合体ワックス(B−1−1)0.5重量部の代わりにオレフィン系重合体ワックス(B−1−1)0.25重量部およびオレフィン系重合体ワックス(B−2−5)0.25重量部(合計0.5重量部)を用いた以外は実施例10と同様の方法でポリアミド樹脂組成物の物性を評価した。得られた結果を表5−15に示す。
[比較例15]
離型剤(オレフィン系重合体ワックス(B−1−1))を用いなかった以外は実施例10と同様の方法でポリアミド樹脂組成物の物性を評価した。得られた結果を表5−1に示す。なお、成形品の表面には凹凸が見られた。
[比較例16]
オレフィン系重合体ワックス(B−1−1)の代わりにモンタン酸Caを用いた以外は実施例10と同様の方法でポリアミド樹脂組成物の物性を評価した。得られた結果を表5−1に示す。なお、成形品の表面には凹凸が見られた。
[比較例17]
オレフィン系重合体ワックス(B−1−1)の代わりにモンタン酸エステルを用いた以外は実施例10と同様の方法でポリアミド樹脂組成物の物性を評価した。得られた結果を表5−1に示す。なお、成形品の表面には凹凸が見られた。
[参考例1]
オレフィン系重合体ワックス(B−1−1)の代わりにオレフィン系重合体ワックス(B−2−5)を用いた以外は実施例10と同様の方法でポリアミド樹脂組成物の物性を評価した。得られた結果を表5−2に示す。なお、成形品の表面の平滑性も良好であった。
[参考例2〜3]
オレフィン系重合体ワックス(B−2−5)の添加量を表5−2のとおりに変更した以外は参考例1と同様の方法でポリアミド樹脂組成物の物性を評価した。得られた結果を表5−2に示す。なお、成形品の表面の平滑性も良好であった。
Figure 0005438677
Figure 0005438677

Claims (13)

  1. 融点Tmが200℃以上の樹脂(A)と、該樹脂(A)100重量部に対して0.01〜10重量部のオレフィン系重合体ワックス成分(B)とを配合した樹脂組成物(X)であって、
    前記オレフィン系重合体ワックス成分(B)として、下記構成単位(a)、(b)及び(c)を有する環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)およびエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体金属塩ワックス(B−2)を含み、
    該環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)が、重合体の全構成単位中に前記構成単位(b)を0.05〜50mol%含み、重合体の全構成単位中に前記構成単位(c)を0.01〜15mol%含み、
    前記環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)と前記エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体金属塩ワックス(B−2)との割合が、10:90〜99:1(重量%)であることを特徴とする樹脂組成物(X)。
    (a)エチレンから誘導される単位
    (b)環状オレフィンから誘導される単位
    (c)直鎖又は分岐のC3〜C20のオレフィンから誘導される単位
  2. 前記環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)が、下記(Bi)〜(Bv)を満たすことを特徴とする請求項に記載の樹脂組成物(X)。
    (Bi)重合体1分子あたりの環状オレフィンから誘導される単位の含有量が0.1〜4.0個であり、
    (Bii)密度が870〜980kg/m3であり、
    (Biii)融点が70〜130℃であり、
    (Biv)数平均分子量が400〜5,000であり、
    (Bv)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4.0以下である。
  3. 前記環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)が、さらに下記(Bvi)を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物(X)。
    (Bvi)TGAによる10%重量減量温度Tが350℃以上であるか、または
    TGAによる10%重量減量温度Tと重量平均分子量Mwとが、下記式(I)を満たす。
    T≧0.002×Mw+B ・・・(I)
    (B値(℃)は320)
  4. 前記環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)における構成単位(b)が、(b')環状ポリエンから誘導される単位であることを特徴とする請求項1〜いずれか1項に記載の樹脂組成物(X)。
  5. 前記オレフィン系重合体ワックス成分(B)として、前記環状オレフィン系重合体ワックス(B−1)を変性した環状オレフィン系重合体ワックス(B−1')を含み、
    前記環状オレフィン系重合体ワックス(B−1')が、下記構成単位(a)及び(b'')を有し、重合体の全構成単位中に該構成単位(b'')を0.05〜50mol%含み、
    (a)エチレンから誘導される単位
    (b'')環状オレフィンから誘導される単位中の不飽和基が変性された単位
    かつ下記(Bi')を満たすことを特徴とする請求項1〜いずれか1項に記載の樹脂組成物(X)。
    (Bi')重合体1分子あたりの環状オレフィンから誘導される単位の含有量が0.1〜4.0個である。
  6. 前記環状オレフィン系重合体ワックス(B−1')が、さらに下記(Bvi')を満たすことを特徴とする請求項に記載の樹脂組成物(X)。
    (Bvi')TGAによる10%重量減量温度Tが350℃以上であるか、または
    TGAによる10%重量減量温度Tと重量平均分子量Mwとが、下記式(I)を満たす。
    T≧0.002×Mw+B ・・・(I)
    (B値(℃)は320)
  7. 前記構成単位(b'')が、環状ポリエンから誘導される単位中の不飽和基が酸変性された単位(b''')であることを特徴とする請求項いずれか1項に記載の樹脂組成物(X)。
  8. 前記エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体金属塩ワックス(B−2)の数平均分子量が500〜5,000であることを特徴とする請求項1〜7いずれか1項に記載の樹脂組成物(X)。
  9. 前記エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体金属塩ワックス(B−2)の金属元素が、K、Na、Ca及びZnから選ばれる、少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1〜8いずれか1項に記載の樹脂組成物(X)。
  10. 前記樹脂(A)のTgが0〜500℃であることを特徴とする請求項1〜いずれか1項に記載の樹脂組成物(X)。
  11. 前記樹脂(A)が、ポリアミド類及びポリカーボネート類から選ばれることを特徴とする請求項1〜10いずれか1項に記載の樹脂組成物(X)。
  12. 前記樹脂(A)100重量部に対して、さらに無機強化材(E)を5〜250重量部含むことを特徴とする請求項1〜11いずれか1項に記載の樹脂組成物(X)。
  13. 請求項1〜12いずれか1項に記載の樹脂組成物(X)からなる成型品。
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