JP2005281449A - 熱可塑性樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】可塑化時に押出機のスクリューにかかる負荷を低減させ、押出生産性が良好な熱可塑性樹脂及びそれを成形してなる成形体を提供すること。
【解決手段】熱可塑性樹脂(A)と、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が400〜5,000の範囲にあり、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が65〜130℃の範囲にあり、密度勾配管法で測定した密度が850〜980kg/m3の範囲にあり、示差走査熱量計(DSC)で測定した結晶化温度(Tc(℃)、降温速度2℃/分で測定)と、前記密度(D(kg/m3))との関係が下記式(I)
0.501×D−366 ≧ Tc …(I)
で示す関係を満たすポリオレフィンワックス(B)とからなる熱可塑性樹脂組成物、
並びに、それを成形してなる成形体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、押出生産性が良好な熱可塑性樹脂組成物および該組成物を成形してなる成形体に関する。
押出成形には、その成形加工性の良さより塩化ビニル樹脂が多く使用されている。しかし、最近になりダイオキシン問題や塩化ビニル樹脂の焼却廃棄による酸成分の飛散が原因とされる酸性雨等の問題により塩化ビニル樹脂より環境にやさしい代替樹脂の開発が望まれていた。代替樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂や、ポリスチレン、ABS樹脂などのスチレン系樹脂などが候補として挙げられている。また、経済性の点から生産性の向上がより一層強く要求される様になり、成形時の押出量の更なる増加が図られるようになった。
上記代替樹脂のうちオレフィン系樹脂は、結晶性であるため押出成形や発泡押出成形加工条件巾が狭く成形が困難である。ポリオレフィン樹脂を高吐出量にて溶融押出した場合、ダイスの押出面に、ポリオレフィン樹脂の劣化物や添加剤の一部、或いは、それらの酸化物や分解物等の、いわゆる「メヤニ」が発生し付着するので、この「メヤニ」がダイスから押し出された成形品の表面に付着したり、成形品の表面に筋状の凹凸等を発生させて、該成形品の品質の劣化を起こさせていた。従って、この様な「メヤニ」をダイスの押出面から取り除くために、成形を一時的に中断して、ダイスの押出面を掃除する等の新たな労力が必要となることから、結果的に生産性の向上を図ることは困難であった。このため、溶融押出されるポリオレフィン樹脂中に、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸やステアリン酸アマイドの様な滑剤を添加して、ダイス壁面との滑り性を向上させて「メヤニ」の発生を防止する等の種々の方法が提案されている。しかし、上記溶融押出されるポリオレフィン樹脂中にステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸やステアリン酸アマイドの様な滑剤を添加してダイス壁面との滑り性を向上させる方法では、その改良効果が低く、しかも、滑剤が添加されているために成形時の熱融着性が低下したり、帯電防止性能やブロッキング防止等の成形品の物性向上のために配合した添加剤の効果に悪影響を及ぼす等の問題が生じている。
一方、スチレン系樹脂は非晶性樹脂であるため、オレフィン系樹脂に比べると押出成形性や発泡押出成形性は比較的容易であるが、ABS系樹脂などのゴム変性熱可塑性樹脂は、押出成形をする場合に、シリンダー内での可塑化時に押出機のスクリューに掛かる負荷が塩化ビニル樹脂に比較し大きく、吐出量が上げられない、すなわち生産性が劣ると指摘されている。また押出成形時にダイスから流れ出た樹脂溶融体が垂れや変形を起こさないようにするためや、発泡押出成形時に発泡セルを壊れにくくするためには溶融樹脂のメルトテンションが高い方が良いと考えられている。メルトテンションを上げるには高分子量成分を樹脂に持たせることが良いことは周知の事実である。例えば特開昭47−35040号公報では、高分子量成分を添加することで加工性と成形品表面を改良している。しかしながら、メルトテンションを上げるために樹脂の分子量を上げたり、高分子量成分を多量に添加すると流動性が低下し、成形時に押出機に過大な負荷を掛けてしまうことになる。また負荷を掛けないよう回転数を下げると吐出が低下し、生産性が落ちてしまうという問題があった。また一般に樹脂の耐衝撃性を高めるためにも樹脂の分子量を高くする事が材料設計として行われている。これは高分子の絡み合いが増えることによって耐衝撃性が高くなると考えられているが、このことも上記の押出機の負荷の問題につながっている。
本発明の目的は、可塑化時に押出機のスクリューに掛かる負荷を低減させ押出生産性が良好な熱可塑性樹脂及びそれを成形してなる成形体を提供することにある。
本発明者等は、これらの課題を解決するために鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂に特定のポリオレフィンワックスを添加することにより、押出成形または発泡押出成形時の吐出が驚異的に向上することを突き止め、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
[1]熱可塑性樹脂(A)と、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が400〜5,000の範囲にあり、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が65〜130℃の範囲にあり、密度勾配管法で測定した密度が850〜980kg/m3の範囲にあり、示差走査熱量計(DSC)で測定した結晶化温度(Tc(℃)、降温速度2℃/分で測定)と、前記密度(D(kg/m3))との関係が下記式(I)
0.501×D−366 ≧ Tc …(I)
で示す関係を満たすポリオレフィンワックス(B)とからなる熱可塑性樹脂組成物であり、
[2]熱可塑性樹脂組成物中に、ポリオレフィンワックス(B)を0.1〜20重量部含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物であり、
[3]熱可塑性樹脂(A)が、
i) ポリオレフィン樹脂、オレフィン‐ビニル化合物共重合体、ポリビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂若しくはポリアミド樹脂、
ii) i)のグラフト共重合体、ブロック共重合体若しくはランダム共重合体、又は
iii) i)及びii)のブレンド物からなることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物であり、
[4]該熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形体であって、該成形体がフィルムまたはシートの形態に成形してなる成形体である。
本発明に係るポリエチレンワックス(B)を用いると、熱可塑性樹脂の可塑化時に押出機のスクリューに掛かる負荷を低減させ押出生産性を向上させることができる。
以下本発明を更に詳細に説明する。
(ポリオレフィンワックス(B))
本発明で用いられるポリオレフィンワックス(B)は、エチレン単独重合体またはエチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとの共重合体である。
ここでα−オレフィンとして好ましくは炭素原子数3〜10のα−オレフィンであり、より好ましくは炭素原子数3のプロピレン、炭素原子数4の1−ブテン、炭素原子数5の1−ペンテン、炭素原子数6の1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、炭素原子数8の1−オクテンなどが挙げられ、好ましくはプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンである。
ポリオレフィンワックス(B)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が400〜5,000、好ましくは1,000〜4,000、より好ましくは1,500〜4,000の範囲にある。
本発明のポリオレフィンワックス(B)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は通常1.1〜3.5であり、好ましくは1.2〜3.0、より好ましくは1.2〜2.5の範囲にある。
ポリオレフィンワックス(B)は、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が65〜130℃、好ましくは70〜120℃より好ましくは80〜110℃の範囲にある。
ポリオレフィンワックス(B)は、密度勾配管法で測定した密度が850〜980kg/m3、好ましくは870〜950kg/m3、より好ましくは870〜930kg/m3の範囲にある。
ポリオレフィンワックス(B)は、示差走査熱量計(DSC)で測定した結晶化温度(Tc(℃)、降温速度2℃/分で測定。)と、密度勾配管法で測定した密度(D(kg/m3))との関係が下記式(I)
0.501×D−366 ≧ Tc …(I)
好ましくは、下記式(Ia)
0.501×D−366.5 ≧ Tc …(Ia)
より好ましくは、下記式(Ib)
0.501×D−367 ≧ Tc …(Ib)
を満たす。
ポリオレフィンワックス(B)において結晶化温度(Tc)と、密度(D)との関係が上記式を満たすと、ポリオレフィンワックス(B)のコモノマー組成がより均一になる結果、ポリエチレン(a)のベタつき成分が減少し、ポリオレフィンワックス(B)を含む熱可塑性樹脂組成物のタック性が少なくなる傾向がある。
ポリオレフィンワックス(B)は針入硬度が通常30dmm以下、好ましくは25dmm以下、より好ましくは20dmm以下、さらにより好ましくは15dmm以下であることが望ましい。針入硬度はJIS K2207に準拠して測定することができる。
ポリオレフィンワックス(B)は、アセトン抽出分量が好ましくは0〜20重量%、より好ましくは0〜15重量%の範囲にある。
なお、アセトン抽出分量は以下のようにして測定される。
ソックスレー抽出器(ガラス製)に、フィルター(ADVANCE社製、No.84)を使用し、下段の丸底フラスコ(300ml)にアセトン200mlを装入に70℃の湯浴で5時間抽出を行う。初めのワックスは10gをフィルター上にセットする。
ポリオレフィンワックス(B)は、常温で固体であり、65〜130℃以上で、低粘度の液体となる。
上述したようなポリオレフィンワックス(B)は、例えば周期表第4族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物と、有機アルミニウムオキシ化合物および/またはイオン化イオン性化合物とからなる以下のようなメタロセン系触媒を用いて製造することができる。。
(メタロセン化合物)
メタロセン系触媒を形成するメタロセン化合物は、周期表第4族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物であり、具体的な例としては下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
1Lx …(1)
ここで、M1は周期表第4族から選ばれる遷移金属、xは遷移金属M2の原子価、Lは配位子である。M1で示される遷移金属の例としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウムなどがある。Lは遷移金属M1に配位する配位子であって、そのうち少なくとも1個の配位子Lはシクロペンタジエニル骨格を有する配位子であって、このシクロペンタジエニル骨格を有する配位子は置換基を有していてもよい。シクロペンタジエニル骨格を有する配位子Lとしては、例えばシクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、n−またはi−プロピルシクロペンタジエニル基、n−、i−、sec−またはt−ブチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、メチルプロピルシクロペンタジエニル基、メチルブチルシクロペンタジエニル基、メチルベンジルシクロペンタジエニル基等のアルキルまたはシクロアルキル置換シクロペンタジエニル基;さらにインデニル基、4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基などが挙げられる。このシクロペンタジエニル骨格を有する配位子の水素は、ハロゲン原子またはトリアルキルシリル基などで置換されていてもよい。
上記のメタロセン化合物が、配位子Lとしてシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を2個以上有する場合には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子同士が、エチレン、プロピレン等のアルキレン基;イソプロピリデン、ジフェニルメチレン等の置換アルキレン基;シリレン基またはジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基、メチルフェニルシリレン基等の置換シリレン基などを介して結合されていてもよい。
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子(シクロペンタジエニル骨格を有しない配位子)Lとしては、炭素原子数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ基、スルフォン酸含有基(−SO31)、ハロゲン原子または水素原子(ここで、R1はアルキル基、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アリール基、ハロゲン原子で置換されたアリール基またはアルキル基で置換されたアリール基である。)などが挙げられる。
(メタロセン化合物の例−1)
上記一般式(1)で表されるメタロセン化合物が、例えば遷移金属の原子価が4である場合、より具体的には下記一般式(2)で表される。
2 k3 l4 m5 n1 …(2)
ここで、M1は周期表第4族から選ばれる遷移金属、R2はシクロペンタジエニル骨格を有する基(配位子)、R3、R4及びR5はそれぞれ独立にシクロペンタジエニル骨格を有するかまたは有しない基(配位子)である。kは1以上の整数であり、k+l+m+n=4である。
1がジルコニウムであり、かつシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を少なくとも2個含むメタロセン化合物の例を次に挙げる。ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1−メチル−3−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなど。
上記の化合物の中で、1,3−位置換シクロペンタジエニル基を1,2−位置換シクロペンタジエニル基に置き換えた化合物も用いることができる。
またメタロセン化合物の別の例としては、上記一般式(2)において、R2、R3、R4及びR5の少なくとも2個、例えばR2及びR3がシクロペンタジエニル骨格を有する基(配位子)であり、この少なくとも2個の基がアルキレン基、置換アルキレン基、シリレン基または置換シリレン基などを介して結合されているブリッジタイプのメタロセン化合物を使用することもできる。このときR4及びR5は、それぞれ独立に、前述したシクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子Lと同様である。
このようなブリッジタイプのメタロセン化合物としては、エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
(メタロセン化合物の例−2)
またメタロセン化合物の例としては、下記一般式(3)で表される特開平4−268307号公報記載のメタロセン化合物が挙げられる。
Figure 2005281449
ここで、M1は周期表第4族遷移金属であり、具体的にはチタニウム、ジルコニウム、ハフニウムが挙げられる。
11及びR12は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子;炭素原子数1〜10のアルキル基;炭素原子数1〜10のアルコキシ基;炭素原子数6〜10のアリール基;炭素原子数6〜10のアリーロキシ基;炭素原子数2〜10のアルケニル基;炭素原子数7〜40のアリールアルキル基;炭素原子数7〜40のアルキルアリール基;炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基;またはハロゲン原子であり、R11及びR12は、塩素原子であることが好ましい。
13及びR14は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子;ハロゲン原子;ハロゲン化されていてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基;炭素原子数6〜10のアリール基;−N(R20)2、−SR20、−OSi(R20)3、−Si(R20)3または−P(R20)2基である。ここで、R20はハロゲン原子、好ましくは塩素原子;炭素原子数1〜10、好ましくは1〜3のアルキル基;または炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基である。R13及びR14は、特に水素原子であることが好ましい。
15及びR16は、水素原子が含まれないことを除きR13及びR14と同じであって、互いに同じでも異なっていてもよく、好ましくは同じである。R15及びR16は、好ましくはハロゲン化されていてもよい炭素原子数1〜4のアルキル基、具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、トリフルオロメチル等が挙げられ、特にメチルが好ましい。
上記一般式(3)において、R17は次の群から選ばれる。
Figure 2005281449
=BR21、=AlR21、−Ge−、−Sn−、−O−、−S−、=SO、=SO2、=NR21、=CO、=PR21、=P(O)R21など。M2はケイ素、ゲルマニウムまたは錫、好ましくはケイ素またはゲルマニウムである。ここで、R21、R22及びR23は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子;ハロゲン原子;炭素原子数1〜10のアルキル基;炭素原子数1〜10のフルオロアルキル基;炭素原子数6〜10のアリール基;炭素原子数6〜10のフルオロアリール基;炭素原子数1〜10のアルコキシ基;炭素原子数2〜10のアルケニル基;炭素原子数7〜40のアリールアルキル基;炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基;または炭素原子数7〜40のアルキルアリール基である。「R21とR22」または「R21とR23」とは、それぞれそれらが結合する原子と一緒になって環を形成してもよい。また、R17は、=CR2122、=SiR2122、=GeR2122、−O−、−S−、=SO、=PR21または=P(O)R21であることが好ましい。R18及びR19は互いに同一でも異なっていてもよく、R21と同じものが挙げられる。m及びnは互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ0、1または2、好ましくは0または1であり、m+nは0、1または2、好ましくは0または1である。
上記一般式(3)で表されるメタロセン化合物の例としては、次の化合物が挙げられる。rac−エチレン(2−メチル−1−インデニル)2−ジルコニウム−ジクロライド、rac−ジメチルシリレン(2−メチル−1−インデニル)2−ジルコニウム−ジクロライドなど。これらのメタロセン化合物は、例えば、特開平4−268307号公報に記載の方法で製造することができる。
(メタロセン化合物の例−3)
また、メタロセン化合物としては、下記一般式(4)で表されるメタロセン化合物を用いることもできる。
Figure 2005281449
式(4)中、M3は、周期表第4族の遷移金属原子を示し、具体的にはチタニウム、ジルコニウム、ハフニウムなどである。R24及びR25は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基を示す。R24は炭化水素基であることが好ましく、特にメチル、エチルまたはプロピルの炭素原子数1〜3のアルキル基であることが好ましい。R25は水素原子または炭化水素基が好ましく、特に水素原子、またはメチル、エチルもしくはプロピルの炭素原子数1〜3のアルキル基であることが好ましい。R26、R27、R28及びR29は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基を示す。これらの中では水素原子、炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基であることが好ましい。R26とR27、R27とR28、R28とR29のうち少なくとも1組は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、単環の芳香族環を形成していてもよい。また芳香族環を形成する基以外に、炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基が2個以上ある場合には、これらが互いに結合して環状になっていてもよい。なおR29が芳香族基以外の置換基である場合、水素原子であることが好ましい。X1及びX2は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素原子含有基またはイオウ原子含有基を示すYは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−NR30−、−P(R30)−、−P(O)(R30)−、−BR30−または−AlR30−(ただし、R30は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基)を示す。
式(4)において、R26とR27、R27とR28、R28とR29のうち少なくとも1組が互いに結合して形成する単環の芳香族環を含み、M3に配位する配位子としては、次式で表されるものなどが挙げられる。
Figure 2005281449
(式中、Yは前式に示したものと同じである。)
(メタロセン化合物の例−4)
メタロセン化合物としては、また下記一般式(5)で表されるメタロセン化合物を用いることもできる。
Figure 2005281449
式(5)中、M3、R24、R25、R26、R27、R28及びR29は、上記一般式(4)と同じである。R26、R27、R28及びR29のうち、R26を含む2個の基がアルキル基であることが好ましく、R26とR28、またはR28とR29がアルキル基であることが好ましい。このアルキル基は、2級または3級アルキル基であることが好ましい。またこのアルキル基は、ハロゲン原子、ケイ素含有基で置換されていてもよく、ハロゲン原子、ケイ素含有基としては、R24、R25で例示した置換基が挙げられる。R26、R27、R28及びR29のうち、アルキル基以外の基は、水素原子であることが好ましい。またR26、R27、R28及びR29は、これらから選ばれる2種の基が互いに結合して芳香族環以外の単環あるいは多環を形成していてもよい。ハロゲン原子としては、上記R24及びR25と同様のものが挙げられる。X1、X2及びYとしては、上記と同様のものが挙げられる。
上記一般式(5)で表されるメタロセン化合物の具体的な例を次に示す。rac−ジメチルシリレン−ビス(4,7−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2,4,7−トリメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2,4,6−トリメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドなど。
これらの化合物において、ジルコニウム金属を、チタニウム金属、ハフニウム金属に置換えた遷移金属化合物を用いることもできる。遷移金属化合物は、通常ラセミ体として用いられるが、R型またはS型を用いることもできる。
(メタロセン化合物の例−5)
メタロセン化合物として、下記一般式(6)で表されるメタロセン化合物を使用することもできる。
Figure 2005281449
式(6)中、M3、R24、X1、X2及びYは、上記一般式(4)と同じである。R24は炭化水素基であることが好ましく、特にメチル、エチル、プロピルまたはブチルの炭素原子数1〜4のアルキル基であることが好ましい。R25は、炭素原子数6〜16のアリール基を示す。R25はフェニル、ナフチルであることが好ましい。アリール基は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基または炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基で置換されていてもよい。X1及びX2としては、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基であることが好ましい。
上記一般式(6)で表されるメタロセン化合物の具体的な例を次に示す。rac−ジメチルシリレン−ビス(4−フェニル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2−メチル−4−(α−ナフチル)−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2−メチル−4−(β−ナフチル)−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2−メチル−4−(1−アントリル)−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドなど。またこれら化合物において、ジルコニウム金属をチタニウム金属またはハフニウム金属に置き換えた遷移金属化合物を用いることもできる。
(メタロセン化合物の例−6)
またメタロセン化合物として、下記一般式(7)で表されるメタロセン化合物を用いることもできる。
LaM43 2 …(7)
ここで、M4は周期表第4族またはランタニド系列の金属である。Laは非局在化π結合基の誘導体であり、金属M4活性サイトに拘束幾何形状を付与している基である。X3は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数20以下の炭化水素基、20以下のケイ素を含有するシリル基または20以下のゲルマニウムを含有するゲルミル基である。
この化合物の中では、次式(8)で示される化合物が好ましい。
Figure 2005281449
式(8)中、M4は、チタン、ジルコニウムまたはハフニウムである。X3は上記一般式(7)で説明したものと同様である。CpはM4にπ結合しており、かつ置換基Zを有する置換シクロペンタジエニル基である。Zは酸素、イオウ、ホウ素または周期表第4族の元素(例えばケイ素、ゲルマニウムまたは錫)である。Yは窒素、リン、酸素またはイオウを含む配位子であり、ZとYとで縮合環を形成していてもよい。このような式(8)で表されるメタロセン化合物の具体的な例を次に示す。(ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン)チタンジクロリド、((t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイル)チタンジクロリドなど。またこのメタロセン化合物において、チタンをジルコニウムまたはハフニウムに置き換えた化合物を挙げることもできる。
(メタロセン化合物の例−7)
またメタロセン化合物としては、下記一般式(9)で表されるメタロセン化合物を使用することもできる。
Figure 2005281449
式(9)中、M3は周期表第4族の遷移金属原子であり、具体的には、チタニウム、ジルコニウムまたはハフニウムであり、好ましくはジルコニウムである。R31は互いに同一でも異なっていてもよく、そのうち少なくとも1個が炭素原子数11〜20のアリール基、炭素原子数12〜40のアリールアルキル基、炭素原子数13〜40のアリールアルケニル基、炭素原子数12〜40のアルキルアリール基またはケイ素含有基であるか、またはR31で示される基のうち隣接する少なくとも2個の基が、それらの結合する炭素原子とともに、単数または複数の芳香族環または脂肪族環を形成している。この場合、R31により形成される環は、R31が結合する炭素原子を含んで全体として炭素原子数が4〜20である。アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アルキルアリール基及び芳香族環、脂肪族環を形成しているR31以外のR31は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基またはケイ素含有基である。R32は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基、炭素原子数7〜40のアルキルアリール基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基である。また、R32で示される基のうち隣接する少なくとも2個の基が、それらの結合する炭素原子とともに、単数または複数の芳香族環または脂肪族環を形成していてもよい。この場合、R32により形成される環は、R32が結合する炭素原子を含んで全体として炭素原子数が4〜20であり、芳香族環、脂肪族環を形成しているR32以外のR32は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基またはケイ素含有基である。なお、R32で示される2個の基が、単数または複数の芳香族環または脂肪族環を形成して構成される基にはフルオレニル基が次式のような構造になる態様も含まれる。
Figure 2005281449
32は、水素原子またはアルキル基であることが好ましく、特に水素原子またはメチル、エチル、プロピルの炭素原子数1〜3の炭化水素基であることが好ましい。このような置換基としてR32を有するフルオレニル基としては、2,7−ジアルキル−フルオレニル基が好適な例として挙げられ、この場合の2,7−ジアルキルのアルキル基としては、炭素原子数1〜5のアルキル基が挙げられる。また、R31とR32は、互いに同一でも異なっていてもよい。R33及びR34は互いに同一でも異なっていてもよく、上記と同様の水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基、炭素原子数7〜40のアルキルアリール基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基である。これらのうち、R33及びR34は、少なくとも一方が炭素原子数1〜3のアルキル基であることが好ましい。X1及びX2は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基もしくは窒素含有基、またはX1とX2とから形成された共役ジエン残基である。X1とX2とから形成された共役ジエン残基としては、1,3−ブタジエン、2,4−ヘキサジエン、1−フェニル−1,3−ペンタジエン、1,4−ジフェニルブタジエンの残基が好ましく、これらの残基はさらに炭素原子数1〜10の炭化水素基で置換されていてもよい。X1及びX2としては、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基またはイオウ含有基であることが好ましい。Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−NR35−、−P(R35)−、−P(O)(R35)−、−BR35−または−AlR35−(ただし、R35は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基)を示す。これらの2価の基のうちでも、−Y−の最短連結部が1個または2個の原子で構成されているものが好ましい。また、R35は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基である。Yは、炭素原子数1〜5の2価の炭化水素基、2価のケイ素含有基または2価のゲルマニウム含有基であることが好ましく、2価のケイ素含有基であることがより好ましく、アルキルシリレン、アルキルアリールシリレンまたはアリールシリレンであることが特に好ましい。
(メタロセン化合物の例−8)
またメタロセン化合物としては、下記一般式(10)で表されるメタロセン化合物を用いることもできる。
Figure 2005281449
式(10)中、M3は周期表第4族の遷移金属原子であり、具体的にはチタニウム、ジルコニウムまたはハフニウムであり、好ましくはジルコニウムである。R36は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基である。なお、上記アルキル基及びアルケニル基は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。R36はこれらのうち、アルキル基、アリール基または水素原子であることが好ましく、特にメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピルの炭素原子数1〜3の炭化水素基、フェニル、α−ナフチル、β−ナフチルなどのアリール基または水素原子であることが好ましい。R37は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基、炭素原子数7〜40のアルキルアリール基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基である。なお、上記アルキル基、アリール基、アルケニル基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アルキルアリール基は、ハロゲンが置換していてもよい。R37はこれらのうち、水素原子またはアルキル基であることが好ましく、特に水素原子またはメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、tert−ブチルの炭素原子数1〜4の炭化水素基であることが好ましい。また、上記R36とR37は、互いに同一でも異なっていてもよい。R38及びR39は、いずれか一方が炭素原子数1〜5のアルキル基であり、他方は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基である。これらのうち、R38及びR39は、いずれか一方がメチル、エチル、プロピルなどの炭素原子数1〜3のアルキル基であり、他方は水素原子であることが好ましい。X1及びX2は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基もしくは窒素含有基、またはX1とX2とから形成された共役ジエン残基である。これらのうち、ハロゲン原子または炭素原子数1〜20の炭化水素基であることが好ましい。Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−NR40−、−P(R40)−、−P(O)(R40)−、−BR40−または−AlR40−(ただし、R40は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基)を示す。これらのうちYは、炭素原子数1〜5の2価の炭化水素基、2価のケイ素含有基または2価のゲルマニウム含有基であることが好ましく、2価のケイ素含有基であることがより好ましく、アルキルシリレン、アルキルアリールシリレンまたはアリールシリレンであることが特に好ましい。
以上に説明したメタロセン化合物は、単独であるいは2種以上組み合せて用いられる。またメタロセン化合物は、炭化水素またはハロゲン化炭化水素などに希釈して用いてもよい。
(有機アルミニウムオキシ化合物)
有機アルミニウムオキシ化合物は、公知のアルミノオキサンであってもよく、またベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。このような公知のアルミノオキサンは、具体的には次式で表される。
Figure 2005281449
ここで、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭化水素基であり、好ましくはメチル基、エチル基、特に好ましくはメチル基であり、mは2以上、好ましくは5〜40の整数である。
アルミノオキサンは式(OAl(R’))で表されるアルキルオキシアルミニウム単位及び式(OAl(R''))で表されるアルキルオキシアルミニウム単位(ここで、R'及びR''はRと同様の炭化水素基を例示することができ、R'及びR''は相異なる基を表す。)からなる混合アルキルオキシアルミニウム単位から形成されていてもよい。なお有機アルミニウムオキシ化合物は、少量のアルミニウム以外の金属の有機化合物成分を含有していてもよい。
(イオン化イオン性化合物)
イオン化イオン性化合物(イオン性イオン化化合物、イオン性化合物と称される場合もある)としては、ルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物及びカルボラン化合物を例示することができる。ルイス酸としては、BR3(Rは、フッ素、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換基を有していてもよいフェニル基またはフッ素である。)で表される化合物が挙げられる。ルイス酸の具体的なものとしては、トリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4−フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4−フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p−トリル)ボロン、トリス(o−トリル)ボロン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられる。
上記イオン性化合物としては、トリアルキル置換アンモニウム塩、N,N−ジアルキルアニリニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウム塩などが挙げられる。イオン性化合物としてのトリアルキル置換アンモニウム塩としては、トリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。イオン性化合物としてのジアルキルアンモニウム塩としては、ジ(1−プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。
上記イオン性化合物としては、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどを挙げることもできる。
上記ボラン化合物としては、デカボラン(9);ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ノナボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕デカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ドデカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩(III)などの金属ボランアニオンの塩などが挙げられる。
上記カルボラン化合物としては、4−カルバノナボラン(9)、1,3−ジカルバノナボラン(8)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(IV)などの金属カルボランアニオンの塩などが挙げられる。
このようなイオン化イオン性化合物は、単独であるいは2種以上組み合せて用いられる。
またメタロセン系触媒を形成するに際しては、有機アルミニウムオキシ化合物及び/またはイオン化イオン性化合物とともに、以下のような有機アルミニウム化合物を用いてもよい。
(有機アルミニウム化合物)
必要に応じて用いられる有機アルミニウム化合物としては、分子内に少なくとも1個のAl−炭素結合を有する化合物が使用できる、このような化合物としては、例えば下記一般式(11)で表される有機アルミニウム化合物、
(R6)m Al(OR7)np4 q …(11)
(式中、R6及びR7は互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子を通常1〜15個、好ましくは1〜4個含む炭化水素基である。X4はハロゲン原子である。mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3を満たす数であって、しかもm+n+p+q=3である。)及び下記一般式(12)で表される第1属金属とアルミニウムとの錯アルキル化物などが挙げられる。
(M5)Al(R6) …(12)
(式中、M5はLi、NaまたはKであり、R6は上記一般式(11)のR6と同じである。)
(重合)
本発明で用いられるポリエチレン(a)は、上記メタロセン系触媒の存在下に、エチレンを通常液相で単独重合するか、またはエチレンおよびα−オレフィンを共重合させることにより得られる。この際、一般に炭化水素溶媒が用いられるが、α−オレフィンを溶媒として用いてもよい。なお、ここで用いる各モノマーは、前述した通りである。
重合方法は、ポリエチレン(a)がヘキサン等の溶媒中に粒子として存在する状態で重合する懸濁重合、溶媒を用いないで重合する気相重合、そして140℃以上の重合温度で、ポリエチレン(a)が溶剤と共存または単独で溶融した状態で重合する溶液重合が可能であり、その中でも溶液重合が経済性と品質の両面で好ましい。
重合反応は、バッチ法あるいは連続法いずれの方法で行ってもよい。重合をバッチ法で実施するに際しては、前記の触媒成分は次に説明する濃度下で用いられる。
重合系内のメタロセン化合物の濃度は、通常0.00005〜0.1ミリモル/リットル(重合容積)、好ましくは0.0001〜0.05ミリモル/リットルである。
有機アルミニウムオキシ化合物は、重合系内のメタロセン化合物中の遷移金属に対するアルミニウム原子のモル比(Al/遷移金属)で、1〜10000、好ましくは10〜5000の量で供給される。
イオン化イオン性化合物は、重合系内のメタロセン化合物に対するイオン化イオン性化合物のモル比(イオン化イオン性化合物/メタロセン化合物)で表して、0.5〜20、好ましくは1〜10の量で供給される。
また有機アルミニウム化合物が用いられる場合には、通常約0〜5ミリモル/リットル(重合容積)、好ましくは約0〜2ミリモル/リットルとなるような量で用いられる。
重合反応は、通常温度が−20〜+200℃、好ましくは50〜180℃、さらに好ましくは70〜180℃で、圧力が0を超えて7.8MPa(80kgf/cm2、ゲージ圧)以下、好ましくは0を超えて4.9MPa(50kgf/cm2、ゲージ圧)以下の条件下に行われる。
重合に際して、エチレンおよび必要に応じて用いられるα−オレフィンは、前記した特定組成のポリエチレン(a)が得られるような量割合で重合系に供給される。また重合に際しては、水素などの分子量調節剤を添加することもできる。
このようにして重合させると、生成した重合体は通常これを含む重合液として得られるので、常法により処理するとポリエチレン(a)が得られる。
重合反応は、特に(メタロセン化合物の例−6)で示したメタロセン化合物を含む触媒の使用が好ましい。
(熱可塑性樹脂(A))
本発明における熱可塑性樹脂(A)は、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、直鎖線状低密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレンープロピレン共重合体等のポリオレフィン樹脂、エチレンーアクリル酸共重合体やエチレンーメタクリル酸共重合体およびそのエステル化物、エチレンー酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のオレフィン−ビニル化合物共重合体、ポリビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂から選択することが可能であり、また、これらのグラフト共重合体、ブロック共重合体、ランダム共重合体でも使用可能である。さらに、これらの樹脂をブレンドして使用してもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)100質量部とポリオレフィンワックス(B)0.1〜20質量部配、好ましくは0.1〜10質量部からなる。
熱可塑性樹脂(A)とポリオレフィンワックス(B)との調製方法に特に制限はなく、通常の樹脂のブレンドに用いられるヘンシェルミキサーなどの高速ミキサー、タンブラー、ペレタイザーなどの混合装置、押出機、プラストミル、ニーダー、ロールミキサー、バンバリーミキサー、ブラベンダー等の熱可塑性樹脂に一般的に用いられる各種混合装置を使用することができる。さらに溶融混練には、1軸押出機、2軸押出機等公知の装置を使用することができ、特に制限されるものはない。
本発明の樹脂組成物は押出成形および発泡押出成形で賦型することにより各種用途に適する成形体とすることができる。一般に押出成形とは押出機、ダイ、サイジングダイ、冷却槽、引取機、巻取機または切断機からなる一連の装置を用いた成形法である。ダイおよびサイジングダイの形状により所望の形の成形体が得られる。押出成形により例えばシート、フィルム、パイプ、チューブ、窓枠・住宅部材等の異形品、電線被覆、ラミネート製品等を製造することができる。通常、押出機のシリンダー温度を120℃〜240℃に設定し、可塑化させた樹脂組成物をダイから押出、サイジングダイ、冷却槽で冷却しながら引取機で引き取りながら所望の形に賦型していく。この際、真空サイジングを使用することで、より効果的な賦型と冷却が可能である。
また、押出成形の際に樹脂組成物に発泡剤を混ぜることにより発泡押出成形を行うことができる。発泡押出の場合、ダイとサイジングダイの設計は発泡倍率等を勘案して作成されなければならない。本発明における発泡成形体を作る際の発泡剤としては有機または無機の化学発泡剤が好ましい。化学発泡剤として使われるものとしては一般に、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)、炭酸水素ナトリウム(重曹)、炭酸アンモニウム等が挙げられる。または上記の発泡剤を2種以上混合して発泡剤として用いても良い。また、亜鉛化合物、尿素化合物、酸性物質、アミン類等の発泡助剤を用いても良い。さらには取り扱い性を改良した発泡剤のマスターバッチを用いてもよい。
熱可塑性樹脂(A)とポリオレフィンワックス(B)とを配合する場合には、必要に応じて各種安定剤を配合することができる。
安定剤としては、フィンダードフェノール系、フォスファイト系、チオエーテル系の抗酸化剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。
また、安定剤以外にも、各種着色剤、金属石鹸、可塑剤等を配合することができる。配合できる金属石鹸としては、ステアリン酸のマグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛等の塩が挙げられる。
さらに、本発明の目的の範囲内で、必要に応じて炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウム、タルク、クレー、カーボンブラックなどの充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、着色剤、可塑剤、抗菌・紡カビ剤またはオイルなどの添加剤を配合することができる。これら添加剤は特に限定されるものではなく、通常、熱可塑性樹脂組成物に用いられる従来公知のものが使用される。
難燃化剤としては、通常ABS樹脂や熱可塑性ポリエステル樹脂の難燃化に用いられるハロゲン化合物、アンチモン化合物等の無機系、リン系難燃剤等の難燃化剤が使用され、ハロゲン化合物としては、デガブロムジフェニルエーテル、オクタブロムジフェニルエーテル等のハロゲン化ジフェニルエーテルやハロゲン化ポリカーボネイトなどのハロゲン化合物が挙げられる。
無機系の難燃化剤としては、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、ピロアンチモン酸ソーダ、水酸化アルミニウム等がその一例に挙げられるが、とくにこれらに制限されるものではない。ハロゲン化合物の配合量は(A)+(B)=100重量部に対して0〜35重量部、好ましくは1〜30重量部であり、アンチモン化合物のそれは0〜25重量部、好ましくは1〜20重量部の範囲である。
抗菌、防カビ剤としては、イミダゾール系、チアゾール系、ニトリル系、ハロアルキル系、ピリジン系等の有機系のものや、銀系、亜鉛系、銅系、チタン系等の無機系のものが挙げられる。これらの内、熱的に安定で性能の高い銀系のものを使用するのが好ましい。銀系の抗菌剤としては、ゼオライト、シリカゲル、リン酸ジルコニウム、リン酸カルシュウム、ハイドロタルサイト、ヒドロキシアパタイト、ケイ酸カルシウム等の多孔性構造体に銀、銀イオン、銀錯体、銀化合物を担持させたものがあり、他に、脂肪酸の銀塩、リン酸アルキルエステルの銀塩等が挙げられる。
また、ドリップ防止のため難燃助剤としてテトラフルオロエチレン等の化合物を添加することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を調製するに際して、各成分の混合方法は特に限定されず、全成分を一括添加して混合してもよく、各成分を逐次添加してもよい。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
本発明におけるワックスの分子量および分子量分布の測定は、GPCを用いて求めたものである。測定は、市販の単分散標準ポリスチレンを標準とし、以下の条件で行った。
装置 ; Waters社製 (150C−ALC/GPC)
溶剤 ; o−ジクロルベンゼン
カラム ; 東ソー社製(CMタイプ)
流速 ; 1.0 ml/分
試料 ; 0.10 %o−ジクロルベンゼン溶液
温度 ; 140℃
本発明における融点は、示差走査型熱量測定法(DSC)に従い、DSC−20(セイコー電子工業社製)によって測定した。試料約10mgを−20℃から200℃まで10℃/分で昇温し、得られたカーブの吸熱ピークを融点として求める。この昇温測定の前に、一旦樹脂を200℃程度まで昇温し、5分間保持した後、即座に常温(25℃)まで降温する操作を行い、樹脂の熱履歴を統一することが望ましい。通常の方法で、昇温速度10℃/min.で測定した。
本発明における結晶化温度(Tc、℃)は、ASTM D 3417‐75に準じるが、降温速度2℃/min.で測定した。
本発明における密度(D、kg/m3)は、サンプルを150℃で1時間加熱し、23℃の恒温槽で3時間以上放置したものを使用し、JIS K7112‐1980に準じた。
また、本発明における押出成形後の熱可塑性樹脂組成物の引張強度は、JIS‐K7113に準じて測定した。
(1) 押出成形品外観
ダイスを用いて2mmの厚さになるように、押出成形を行い、その成形品の外観を評価した。
ワックスを添加しないものと同等の透明性 ○
ワックスを添加しないものより若干曇る △
白濁する ×
(ポリオレフィンワックス1の合成)
メタロセン触媒を用いて、次のようにしてポリエチレンを合成した。
充分に窒素置換した内容積200リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン92lおよびプロピレン 8lを装入し、水素を0.1Mpa(ゲージ圧)導入した。次いで、系内の温度を150℃に昇温した後、トリイソブチルアルミニウム 0.3ミリモル、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート 0.04ミリモル、(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタンジクロライド(シグマアルドリッチ社製)0.002ミリモルをエチレンで圧入することにより重合を開始した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を2.9Mpa(ゲージ圧)に保ち、150℃で20分間重合を行った。
少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレンをパージした。得られたポリマー溶液を、100℃減圧下で一晩乾燥した。その結果、Mnが1,800であり、密度897kg/m3であり、DSC融点温度が82℃であるポリオレフィンワックス(1)3500gを得た。結果を表1に示す。
(ポリオレフィンワックス2の合成)
メタロセン触媒を用いて、次のようにしてポリエチレンを合成した。
充分に窒素置換した内容積200リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン 93.5lおよびブテン‐1 6lを装入し、水素を0.1Mpa(ゲージ圧)導入した。次いで、系内の温度を150℃に昇温した後、トリイソブチルアルミニウム 0.3ミリモル、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート 0.04ミリモル、(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタンジクロライド(シグマアルドリッチ社製)0.002ミリモルをエチレンで圧入することにより重合を開始した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を2.9Mpa(ゲージ圧)に保ち、150℃で20分間重合を行った。
少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレンとプロペンをパージした。得られたポリマー溶液を、100℃減圧下で一晩乾燥した。
その結果、Mnが2,200であり、密度が930kg/m3であり、DSC融点温度が108℃であるポリオレフィンワックス(2)3300gを得た。結果を表1に示す。
(ポリオレフィンワックス3の合成)
メタロセン触媒を用いて、次のようにしてポリエチレンを合成した。
充分に窒素置換した内容積200リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン 85lおよびプロピレン 10lを装入し、水素を0.3Mpa(ゲージ圧)導入した。次いで、系内の温度を150℃に昇温した後、トリイソブチルアルミニウム 0.3ミリモル、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート 0.04ミリモル、(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタンジクロライド(シグマアルドリッチ社製)0.002ミリモルをエチレンで圧入することにより重合を開始した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を2.9Mpa(ゲージ圧)に保ち、150℃で20分間重合を行った。
少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレンとプロペンをパージした。得られたポリマー溶液を、100℃減圧下で一晩乾燥した。
その結果、Mnが1,000であり、密度が890kg/m3であり、DSC融点温度が86℃であるポリオレフィンワックス(3)3100gを得た。結果を表1に示す。
Figure 2005281449
エチレン酢酸ビニル共重合樹脂(エバフレックス P2805;三井デュポンポリケミカル社製)70質量部、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(エボリューSP0540;三井化学社製)30質量部、ポリエチレンワックス(1)5質量部を混合した。二軸押出機・PCM−30(池貝鉄工社製)にてシリンダー温度、ダイス温度を180℃に設定して、シートを作製した。溶融混練時の樹脂圧は47kg/cmであった。また、溶融混練後の熱可塑性樹脂組成物の引張降伏応力は24.0MPaであった。引張強度は、JIS K6922に準じて測定を行った。結果を表2に示す。
実施例1にてポリエチレンワックス(1)をポリエチレンワックス(2)に変更した以外は同様の方法で溶融混練を行った。溶融混練時の樹脂圧は46kg/cmであった。また、溶融混練後の熱可塑性樹脂組成物の引張降伏応力は23.5MPaであった。結果を表2に示す。
実施例1にてポリエチレンワックス(1)をポリエチレンワックス(3)に変更した以外は同様の方法で溶融混練を行った。溶融混練時の樹脂圧は44kg/cmであった。また、溶融混練後の熱可塑性樹脂組成物の引張降伏応力は23.0MPaであった。結果を表2に示す。
[比較例1]
エチレン酢酸ビニル共重合樹脂(エバフレックス P2805;三井デュポンポリケミカル社製)70質量部、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(エボリューSP0540;三井化学社製)30質量部を混合した。二軸押出機・PCM−30(池貝鉄工社製)にて180℃で16kg/hrの吐出量にて溶融混練して熱可塑性樹脂組成物を得た。溶融混練時の樹脂圧は62kg/cmであった。また、溶融混練後の熱可塑性樹脂組成物の引張降伏応力は24.5MPaであった。結果を表2に示す。
[比較例2]
実施例1にてポリエチレンワックス(1)をポリエチレンワックス(ハイワックス420P;三井化学社製)に変更した以外は同様の方法で溶融混練を行った。溶融混練時の樹脂圧は46kg/cmであった。また、溶融混練後の熱可塑性樹脂組成物の引張降伏応力は21.5MPaであった。結果を表2に示す。
Figure 2005281449
本発明によれば、熱可塑性樹脂に特定のポリオレフィンワックスを添加することにより、押出機のスクリューに掛かる負荷を低減させることができるので、押出成形の生産性を向上させることができる。

Claims (4)

  1. 熱可塑性樹脂(A)と、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が400〜5,000の範囲にあり、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が65〜130℃の範囲にあり、密度勾配管法で測定した密度が850〜980kg/m3の範囲にあり、示差走査熱量計(DSC)で測定した結晶化温度(Tc(℃)、降温速度2℃/分で測定)と、前記密度(D(kg/m3))との関係が下記式(I)
    0.501×D−366 ≧ Tc …(I)
    で示す関係を満たすポリオレフィンワックス(B)とからなる熱可塑性樹脂組成物。
  2. 熱可塑性樹脂組成物中に、ポリオレフィンワックス(B)を0.1〜20重量部含有することを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 熱可塑性樹脂(A)が、
    i) ポリオレフィン樹脂、オレフィン‐ビニル化合物共重合体、ポリビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂若しくはポリアミド樹脂、
    ii) i)のグラフト共重合体、ブロック共重合体若しくはランダム共重合体、又は
    iii) i)及びii)のブレンド物からなることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形体であって、該成形体がフィルムまたはシートの形態に成形してなる成形体。
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