JP3252419B2 - 離型剤組成物 - Google Patents
離型剤組成物Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、離型剤組成物に関し、
更に詳しくは合成樹脂や合成ゴムなどの成形体、特に低
発泡ポリウレタン成形体を成形する際に使用するのに好
適な金型成形用の離型剤組成物に関する。
更に詳しくは合成樹脂や合成ゴムなどの成形体、特に低
発泡ポリウレタン成形体を成形する際に使用するのに好
適な金型成形用の離型剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン
樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂などの合成樹脂
の成形体や合成ゴムの成形体を成形する際、成形金型か
ら成形体の離型を容易にすることを目的として、成形金
型の内表面に離型剤が塗布される。
樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂などの合成樹脂
の成形体や合成ゴムの成形体を成形する際、成形金型か
ら成形体の離型を容易にすることを目的として、成形金
型の内表面に離型剤が塗布される。
【0003】このような場合に使用される離型剤として
は、たとえばパラフィンワックス、高級脂肪酸のエステ
ルワックス、ポリエチレンワックス等のワックス系離型
剤が知られている。これらのワックス系離型剤は、安価
に入手でき、得られる成形体の表面状態も良好であるた
め、従来から広く使用されている。しかし、ワックス系
離型剤は離型力に劣るため、特にエポキシ樹脂やウレタ
ン樹脂などの接着力の強い材料を使用して成形体を成形
する場合には、成形金型に厚く塗布しないと十分な離型
効果が得られず、このため成形工程の回数を重ねるにつ
れて成形金型内を汚染するという問題を有する。この問
題は、成形体の寸法精度にも悪影響を及ぼす。
は、たとえばパラフィンワックス、高級脂肪酸のエステ
ルワックス、ポリエチレンワックス等のワックス系離型
剤が知られている。これらのワックス系離型剤は、安価
に入手でき、得られる成形体の表面状態も良好であるた
め、従来から広く使用されている。しかし、ワックス系
離型剤は離型力に劣るため、特にエポキシ樹脂やウレタ
ン樹脂などの接着力の強い材料を使用して成形体を成形
する場合には、成形金型に厚く塗布しないと十分な離型
効果が得られず、このため成形工程の回数を重ねるにつ
れて成形金型内を汚染するという問題を有する。この問
題は、成形体の寸法精度にも悪影響を及ぼす。
【0004】また、ワックス系離型剤は成形金型に対す
る密着力にも劣るため、容易に成形体表面に転移し、離
型効果の持続性に劣るという問題も有する。この問題
は、成形工程毎に離型剤を形成しなければならないとい
う問題にも通じる。さらに、ワックス系離型剤は成形体
を成形金型から離型する際、大量に成形体表面に転移し
てしまうので、成形体表面への二次加工性(印刷、塗布)
に劣るという問題を有する。
る密着力にも劣るため、容易に成形体表面に転移し、離
型効果の持続性に劣るという問題も有する。この問題
は、成形工程毎に離型剤を形成しなければならないとい
う問題にも通じる。さらに、ワックス系離型剤は成形体
を成形金型から離型する際、大量に成形体表面に転移し
てしまうので、成形体表面への二次加工性(印刷、塗布)
に劣るという問題を有する。
【0005】これらの問題点を解決するものとして、フ
ッ素系離型剤[(メタ)アクリル酸のポリフルオロアル
キルエステルと置換されたビニル化合物との共重合体]
が知られている(特開昭60−255404号公報参
照)。このフッ素系離型剤は、離型力に優れるため、薄
く形成するだけで十分な離型効果が得られる。また、成
形金型に対する密着力についても、前記ワックス系離型
剤と比較して優れているため、離型効果の持続性にも優
れる。
ッ素系離型剤[(メタ)アクリル酸のポリフルオロアル
キルエステルと置換されたビニル化合物との共重合体]
が知られている(特開昭60−255404号公報参
照)。このフッ素系離型剤は、離型力に優れるため、薄
く形成するだけで十分な離型効果が得られる。また、成
形金型に対する密着力についても、前記ワックス系離型
剤と比較して優れているため、離型効果の持続性にも優
れる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記のフッ素
系離型剤であっても成形体表面に転移することを完全に
は避け得ず、これが成形体表面に転移してしまうと、成
形体表面への二次加工性(印刷、塗布)に悪影響を及ぼ
す。これは、成形体表面に転移したフッ素系離型剤が、
印刷・塗布する際のインキ・塗料に対しても離型性を発
揮するためである。パーフルオロアルキル基含有ビニル
単量体とリン酸含有ビニル単量体と炭化水素系ビニル単
量体とを重合して得られる共重合体からなる離型剤(特
公平3−8245号公報参照)、ポリフルオロアルキル
基含有共重合体にシリコーン樹脂を配合してなる離型剤
(特公昭59−32514号)も知られている。しか
し、これらの離型剤についても、成形体表面への二次加
工性に問題があったり、あるいは離型性が不満足なもの
であった。
系離型剤であっても成形体表面に転移することを完全に
は避け得ず、これが成形体表面に転移してしまうと、成
形体表面への二次加工性(印刷、塗布)に悪影響を及ぼ
す。これは、成形体表面に転移したフッ素系離型剤が、
印刷・塗布する際のインキ・塗料に対しても離型性を発
揮するためである。パーフルオロアルキル基含有ビニル
単量体とリン酸含有ビニル単量体と炭化水素系ビニル単
量体とを重合して得られる共重合体からなる離型剤(特
公平3−8245号公報参照)、ポリフルオロアルキル
基含有共重合体にシリコーン樹脂を配合してなる離型剤
(特公昭59−32514号)も知られている。しか
し、これらの離型剤についても、成形体表面への二次加
工性に問題があったり、あるいは離型性が不満足なもの
であった。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、上記
フッ素系離型剤の欠点を改良する為、A)ポリフルオロ
アルキル基の炭素数が1〜20のポリフルオロアルキル
アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルと炭素数
8〜30のアルキル基を有するビニル化合物との共重合
体1〜99重量%、及びB)ワックス99〜1重量%か
らなる離型剤組成物を提供する。
フッ素系離型剤の欠点を改良する為、A)ポリフルオロ
アルキル基の炭素数が1〜20のポリフルオロアルキル
アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルと炭素数
8〜30のアルキル基を有するビニル化合物との共重合
体1〜99重量%、及びB)ワックス99〜1重量%か
らなる離型剤組成物を提供する。
【0008】本発明の離型剤組成物は、成形金型の内表
面に塗布した際、両成分の溶融温度の違いなどにより、
A成分を主とする層とB成分を主とする層とに分かれ、
主にA成分が成形金型との密着機能を果たし、主にB成
分が成形体との離型効果を果たす。また、A成分中に共
重合されている炭素数8〜30のアルキル基を有するビ
ニル化合物が、その長鎖のアルキル基によりB成分をつ
なぎとめておく効果も果たす。つまり、成形金型側にA
成分を主とする層が形成され、成形体側にB成分を主と
する層が形成され、成形体の離型に際しては、成形体表
面にA成分を主とする層は転移せず、B成分を主とする
層が転移する。しかも、この場合、B成分を主とする層
が転移する量は、前記ワックス系離型剤を単独で使用し
た場合に転移する量と比較して少量であるので、成形体
表面への二次加工性に悪影響を及ぼさない。
面に塗布した際、両成分の溶融温度の違いなどにより、
A成分を主とする層とB成分を主とする層とに分かれ、
主にA成分が成形金型との密着機能を果たし、主にB成
分が成形体との離型効果を果たす。また、A成分中に共
重合されている炭素数8〜30のアルキル基を有するビ
ニル化合物が、その長鎖のアルキル基によりB成分をつ
なぎとめておく効果も果たす。つまり、成形金型側にA
成分を主とする層が形成され、成形体側にB成分を主と
する層が形成され、成形体の離型に際しては、成形体表
面にA成分を主とする層は転移せず、B成分を主とする
層が転移する。しかも、この場合、B成分を主とする層
が転移する量は、前記ワックス系離型剤を単独で使用し
た場合に転移する量と比較して少量であるので、成形体
表面への二次加工性に悪影響を及ぼさない。
【0009】本発明において好ましく使用されるポリフ
ルオロアルキルアクリル酸エステル又はメタクリル酸エ
ステルの例は、一般式: CH2=CR1COOR2Rf [式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は1〜10
個の炭素原子を持つ直鎖状または分枝状のアルキレン
基、−SO2N(R3)R4−基、CH2CH(OR5)CH2−
基(但し、R3は1〜10個の炭素原子を持つアルキル
基、R4は1〜10個の炭素原子を持つ直鎖状または分
枝状のアルキレン基、R5は水素原子または1〜10個
の炭素原子をもつアシル基である。)、Rfは、1〜20
個の炭素原子をもつ直鎖状または分枝状のポリフルオロ
アルキル基を表す。]で示される化合物である。
ルオロアルキルアクリル酸エステル又はメタクリル酸エ
ステルの例は、一般式: CH2=CR1COOR2Rf [式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は1〜10
個の炭素原子を持つ直鎖状または分枝状のアルキレン
基、−SO2N(R3)R4−基、CH2CH(OR5)CH2−
基(但し、R3は1〜10個の炭素原子を持つアルキル
基、R4は1〜10個の炭素原子を持つ直鎖状または分
枝状のアルキレン基、R5は水素原子または1〜10個
の炭素原子をもつアシル基である。)、Rfは、1〜20
個の炭素原子をもつ直鎖状または分枝状のポリフルオロ
アルキル基を表す。]で示される化合物である。
【0010】このような化合物の具体例としては、以下
のものが挙げられる。 CF3(CF2)7(CH2)10OCOCH=CH2 CF3(CF2)7(CH2)10OCOC(CH3)=CH2 CF3(CF2)6CH2OCOCH=CH2 CF3(CF2)6CH2OCOC(CH3)=CH2 (CF3)2CF(CF2)6(CH2)2OCOCH=CH2 (CF3)2CF(CF2)8(CH2)2OCOCH=CH2 (CF3)2CF(CF2)10(CH2)2OCOCH=CH2 (CF3)2CF(CF2)6(CH2)2OCOC(CH3)=CH2 (CF3)2CF(CF2)8(CH2)2OCOC(CH3)=CH2 (CF3)2CF(CF2)10(CH2)2OCOC(CH3)=CH
2 CF3CF2(CF2)6(CH2)2OCOCH=CH2 CF3CF2(CF2)8(CH2)2OCOCH=CH2 CF3CF2(CF2)10(CH2)2OCOCH=CH2 CF3CF2(CF2)6(CH2)2OCOC(CH3)=CH2 CF3CF2(CF2)8(CH2)2OCOC(CH3)=CH2 CF3CF2(CF2)10(CH2)2OCOC(CH3)=CH2 H(CF2)8CH2OCOC(CH3)=CH2 H(CF2)8CH2OCOCH=CH2 Cl(CF2CF2)3CH2OCOCH=CH2 Cl(CF2CF2)3CH2OCOC(CH3)=CH2 CF3(CF2)7SO2N(CH3)(CH2)2OCOCH=C
H2 CF3(CF2)7SO2N(C2H5)(CH2)2OCOC(C
H3)=CH2 (CF3)2CF(CF2)8CH2CH(OCOCH3)CH2O
COC(CH3)=CH2 (CF3)2CF(CF2)8CH2CH(OH)CH2OCOCH
=CH2 CF3CF2(CF2CF2)nCH2CH2OCOCH=CH2
(n=3〜5の化合物の混合物)
のものが挙げられる。 CF3(CF2)7(CH2)10OCOCH=CH2 CF3(CF2)7(CH2)10OCOC(CH3)=CH2 CF3(CF2)6CH2OCOCH=CH2 CF3(CF2)6CH2OCOC(CH3)=CH2 (CF3)2CF(CF2)6(CH2)2OCOCH=CH2 (CF3)2CF(CF2)8(CH2)2OCOCH=CH2 (CF3)2CF(CF2)10(CH2)2OCOCH=CH2 (CF3)2CF(CF2)6(CH2)2OCOC(CH3)=CH2 (CF3)2CF(CF2)8(CH2)2OCOC(CH3)=CH2 (CF3)2CF(CF2)10(CH2)2OCOC(CH3)=CH
2 CF3CF2(CF2)6(CH2)2OCOCH=CH2 CF3CF2(CF2)8(CH2)2OCOCH=CH2 CF3CF2(CF2)10(CH2)2OCOCH=CH2 CF3CF2(CF2)6(CH2)2OCOC(CH3)=CH2 CF3CF2(CF2)8(CH2)2OCOC(CH3)=CH2 CF3CF2(CF2)10(CH2)2OCOC(CH3)=CH2 H(CF2)8CH2OCOC(CH3)=CH2 H(CF2)8CH2OCOCH=CH2 Cl(CF2CF2)3CH2OCOCH=CH2 Cl(CF2CF2)3CH2OCOC(CH3)=CH2 CF3(CF2)7SO2N(CH3)(CH2)2OCOCH=C
H2 CF3(CF2)7SO2N(C2H5)(CH2)2OCOC(C
H3)=CH2 (CF3)2CF(CF2)8CH2CH(OCOCH3)CH2O
COC(CH3)=CH2 (CF3)2CF(CF2)8CH2CH(OH)CH2OCOCH
=CH2 CF3CF2(CF2CF2)nCH2CH2OCOCH=CH2
(n=3〜5の化合物の混合物)
【0011】また、炭素数8〜30のアルキル基を有す
るビニル化合物として好ましい化合物の例は、一般式: CH2=CR1COOR6 CH2=CHOR6 CH2=CHOCOR6 CH2=CHR6 [式中、R1は前記と同意義。R6は、炭素数8〜30の
アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、又はヒドロ
キシル基もしくはカルボキシル基で置換された、アルキ
ル基、アラルキル基、アルケニル基を表す。]。
るビニル化合物として好ましい化合物の例は、一般式: CH2=CR1COOR6 CH2=CHOR6 CH2=CHOCOR6 CH2=CHR6 [式中、R1は前記と同意義。R6は、炭素数8〜30の
アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、又はヒドロ
キシル基もしくはカルボキシル基で置換された、アルキ
ル基、アラルキル基、アルケニル基を表す。]。
【0012】このような化合物の具体例としては以下の
ものが挙げられる。 CH2=CHCOOC8H17 CH2=CHCOOC10H21 CH2=CHCOOC12H25 CH2=CHCOOC18H37 CH2=CHCOOC22H45 CH2=C(CH3)COOC8H17 CH2=C(CH3)COOC10H21 CH2=C(CH3)COOC12H25 CH2=C(CH3)COOC18H37 CH2=C(CH3)COOC22H45
ものが挙げられる。 CH2=CHCOOC8H17 CH2=CHCOOC10H21 CH2=CHCOOC12H25 CH2=CHCOOC18H37 CH2=CHCOOC22H45 CH2=C(CH3)COOC8H17 CH2=C(CH3)COOC10H21 CH2=C(CH3)COOC12H25 CH2=C(CH3)COOC18H37 CH2=C(CH3)COOC22H45
【0013】
【化1】
【0014】 CH2=CHCOOCH(C6H13)(CH2)10COOH CH2=CHCOOCH2CH(OH)CH2OC18H37 CH2=CHOC8H17 CH2=CHOC10H21 CH2=CHOC12H25 CH2=CHOC16H33 CH2=CHOC18H37 CH2=CHOCOC8H17 CH2=CHOCOC9H19 CH2=CHOCOC11H23 CH2=CHOCOC15H30 CH2=CHOCOC17H35 CH2=CHOCO(CH2)10CH(OH)C6H13 CH2=CHOCO(CH2)7CH=CHCH2CH(OH)
C6H13 CH2=CHC9H19
C6H13 CH2=CHC9H19
【0015】共重合体中のポリフルオロアルキルアクリ
ル酸エステル又はメタクリル酸エステルの割合は、好ま
しくは20重量%〜85重量%、より好ましくは30重
量%〜70重量%である。これが20重量%未満である
と充分な効果が得られず、型汚れが多くなる。又、85
重量%を越えると離型性が悪くなる。
ル酸エステル又はメタクリル酸エステルの割合は、好ま
しくは20重量%〜85重量%、より好ましくは30重
量%〜70重量%である。これが20重量%未満である
と充分な効果が得られず、型汚れが多くなる。又、85
重量%を越えると離型性が悪くなる。
【0016】また、ポリフルオロアルキル基の炭素数
は、1〜20、好ましくは5〜20、より好ましくは8
〜20であり、これより長いと経済的に不適当である。
また、アルキル基を有するビニル化合物のアルキル基の
炭素数は、8〜30、好ましくは14〜30であり、8
より少ないと、充分な離型性が得られず、また、共重合
体がワックスをつなぎとめておく効果が弱くなり、成形
体へのワックスの転移が多くなるために二次加工性が悪
くなる。30より多いと、入手困難となり、工業的に不
適当である。
は、1〜20、好ましくは5〜20、より好ましくは8
〜20であり、これより長いと経済的に不適当である。
また、アルキル基を有するビニル化合物のアルキル基の
炭素数は、8〜30、好ましくは14〜30であり、8
より少ないと、充分な離型性が得られず、また、共重合
体がワックスをつなぎとめておく効果が弱くなり、成形
体へのワックスの転移が多くなるために二次加工性が悪
くなる。30より多いと、入手困難となり、工業的に不
適当である。
【0017】これら共重合体は、ポリフルオロアルキル
アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルと炭素数
8〜30のアルキル基を有するビニル化合物の他に、塗
膜の造膜性や耐久性を向上させる目的で他のビニル化合
物、例えばブチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシメタク
リレート、スチレン、シクロヘキシルメタクリレートな
どを共重合させてもよい。但しこれら他のビニル化合物
の割合は、共重合体中の10重量%以下が好ましい。こ
れより多いと離型性に悪影響を与える。
アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルと炭素数
8〜30のアルキル基を有するビニル化合物の他に、塗
膜の造膜性や耐久性を向上させる目的で他のビニル化合
物、例えばブチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシメタク
リレート、スチレン、シクロヘキシルメタクリレートな
どを共重合させてもよい。但しこれら他のビニル化合物
の割合は、共重合体中の10重量%以下が好ましい。こ
れより多いと離型性に悪影響を与える。
【0018】本発明における共重合体を得るためには、
種々の重合反応の方式や条件を任意に選択することがで
き、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合、放射線
重合など各種の重合方式のいずれも採用することができ
る。
種々の重合反応の方式や条件を任意に選択することがで
き、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合、放射線
重合など各種の重合方式のいずれも採用することができ
る。
【0019】本発明に係るワックスとしては、パラフィ
ンワックス、高級脂肪酸のエステルワックス、ポリエチ
レンワックス、イソパラフィンワックス、ポリオレフィ
ンワックス、高級脂肪族アルコール、高級脂肪酸、モン
タンワックス、カルナバワックスなどを使用することが
できる。
ンワックス、高級脂肪酸のエステルワックス、ポリエチ
レンワックス、イソパラフィンワックス、ポリオレフィ
ンワックス、高級脂肪族アルコール、高級脂肪酸、モン
タンワックス、カルナバワックスなどを使用することが
できる。
【0020】本発明における離型剤組成物は、ポリフル
オロアルキル基の炭素数が1〜20のポリフルオロアル
キルアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルと炭
素数8〜30のアルキル基を有するビニル化合物との共
重合体及びワックスよりなるが、共重合体とワックスの
成分比率は、共重合体が1〜99重量%、ワックスが9
9〜1重量%であり、好ましくは共重合体が10〜90
重量%、ワックスが90〜10重量%であり、より好ま
しくは共重合体が20〜70重量%、ワックスが80〜
30重量%が良い。これは、ワックスが少なくなると、
成形物に転移する共重合体量が多くなり、成形物の二次
加工性に悪影響を及ぼす。又、共重合体量が少なくなる
と、離型剤を大量に使用しないと充分な離型性が得られ
なくなり、やはり成形品の二次加工性に悪影響を及ぼ
す。
オロアルキル基の炭素数が1〜20のポリフルオロアル
キルアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルと炭
素数8〜30のアルキル基を有するビニル化合物との共
重合体及びワックスよりなるが、共重合体とワックスの
成分比率は、共重合体が1〜99重量%、ワックスが9
9〜1重量%であり、好ましくは共重合体が10〜90
重量%、ワックスが90〜10重量%であり、より好ま
しくは共重合体が20〜70重量%、ワックスが80〜
30重量%が良い。これは、ワックスが少なくなると、
成形物に転移する共重合体量が多くなり、成形物の二次
加工性に悪影響を及ぼす。又、共重合体量が少なくなる
と、離型剤を大量に使用しないと充分な離型性が得られ
なくなり、やはり成形品の二次加工性に悪影響を及ぼ
す。
【0021】本発明の離型剤組成物を成形金型に塗布す
る際は、ハケぬり、浸漬塗布、スプレー塗布などあらゆ
る塗布方法が可能である。これら成形金型に塗布する際
には、本発明の離型剤組成物は、水又は有機溶剤に溶解
もしくは分散した状態が好ましい。塗布後は乾燥するだ
けでよい。または、液化石油ガス、1,1,1,2−テ
トラフルオロエタンなどの噴射剤を用いてエアゾール型
として使用してもかまわない。
る際は、ハケぬり、浸漬塗布、スプレー塗布などあらゆ
る塗布方法が可能である。これら成形金型に塗布する際
には、本発明の離型剤組成物は、水又は有機溶剤に溶解
もしくは分散した状態が好ましい。塗布後は乾燥するだ
けでよい。または、液化石油ガス、1,1,1,2−テ
トラフルオロエタンなどの噴射剤を用いてエアゾール型
として使用してもかまわない。
【0022】本発明の離型剤組成物は、種々有機溶剤に
対する溶解性が良く、特に、共重合体が炭素数8〜30
のアルキル基を有するビニル化合物を15重量%以上含
有しているものを用いた場合には、従来はフッ素系、塩
素系、フッ化炭化水素系の有機溶剤にのみ溶解していた
ものが、エステル系、石油系などの有機溶剤にも溶解す
るようになり、溶剤の選択範囲が拡がるという特徴をも
有している。水又は有機溶剤中における離型剤組成物の
濃度は、0.01〜10重量%が一般的であるが、好ま
しくは、0.1〜3重量%が良い。
対する溶解性が良く、特に、共重合体が炭素数8〜30
のアルキル基を有するビニル化合物を15重量%以上含
有しているものを用いた場合には、従来はフッ素系、塩
素系、フッ化炭化水素系の有機溶剤にのみ溶解していた
ものが、エステル系、石油系などの有機溶剤にも溶解す
るようになり、溶剤の選択範囲が拡がるという特徴をも
有している。水又は有機溶剤中における離型剤組成物の
濃度は、0.01〜10重量%が一般的であるが、好ま
しくは、0.1〜3重量%が良い。
【0023】
【実施例】本発明を更に詳しく説明する為以下に実施例
を挙げる。 実施例1 共重合体 (1)CF3CF2(CF2CF2)nCH2CH2OCOCH=CH2 70wt% (n=3,4,5の化合物の重量比5:3:1の混合物) (2)C18H37OCOCH=CH2 30wt% 上記組成の共重合体3重量部、パラフィンワックスa1
重量部、イソオクタン96重量部よりなる離型剤組成物
を離型テストに供したところ、表3に示すような結果が
得られた。さらに、成形体表面への二次加工性を評価す
るため、成形体の塗装テストを行った。それらの結果を
表3に示す。
を挙げる。 実施例1 共重合体 (1)CF3CF2(CF2CF2)nCH2CH2OCOCH=CH2 70wt% (n=3,4,5の化合物の重量比5:3:1の混合物) (2)C18H37OCOCH=CH2 30wt% 上記組成の共重合体3重量部、パラフィンワックスa1
重量部、イソオクタン96重量部よりなる離型剤組成物
を離型テストに供したところ、表3に示すような結果が
得られた。さらに、成形体表面への二次加工性を評価す
るため、成形体の塗装テストを行った。それらの結果を
表3に示す。
【0024】実施例2〜14 表1に示す離型剤組成物を離型テスト及び塗装テストに
供した。その結果を表3に示す。
供した。その結果を表3に示す。
【0025】比較例1〜9 表2に示す離型剤組成物を離型テスト及び塗装テストに
供した。その結果を表3に示す。
供した。その結果を表3に示す。
【0026】[離型テスト] (1)6cmφ×1cmのアルミ製金型に離型剤をハケ塗りし
た。 (2)下記組成のウレタンを、ミキサーで充分撹拌した
後、(1)の金型に流し込んだ。 (3)室温で10分間硬化させた後、予め成形体中に立て
ておいたピンを引っ張ることにより離型性を判定した。 1…殆ど力を加えなくても離型する。 2…少し力を加えると離型する。 3…かなり力を加えないと離型しない。 4…離型しない。
た。 (2)下記組成のウレタンを、ミキサーで充分撹拌した
後、(1)の金型に流し込んだ。 (3)室温で10分間硬化させた後、予め成形体中に立て
ておいたピンを引っ張ることにより離型性を判定した。 1…殆ど力を加えなくても離型する。 2…少し力を加えると離型する。 3…かなり力を加えないと離型しない。 4…離型しない。
【0027】[塗装テスト(碁盤目テスト)] (1)離型テストで離型した成形体に、下記プライマー塗
料をハケで塗装した。 (2)80℃×10分で乾燥した後、碁盤目テストを行っ
た。 (3)更にこの上に下記上塗り塗料をハケで塗装した。 (4)100℃×40分で乾燥した後碁盤目テストを行っ
た。 ウレタン組成 ヒドロキシル価28.1のポリエーテルポリオール 100重量部 エチレングリコール 19重量部 トリクロロフロロメタン 5重量部 アミン系触媒 0.9重量部 ジブチル錫ジラウレート 0.025重量部 ジフェニルメタンジイソシアネート 104重量部
料をハケで塗装した。 (2)80℃×10分で乾燥した後、碁盤目テストを行っ
た。 (3)更にこの上に下記上塗り塗料をハケで塗装した。 (4)100℃×40分で乾燥した後碁盤目テストを行っ
た。 ウレタン組成 ヒドロキシル価28.1のポリエーテルポリオール 100重量部 エチレングリコール 19重量部 トリクロロフロロメタン 5重量部 アミン系触媒 0.9重量部 ジブチル錫ジラウレート 0.025重量部 ジフェニルメタンジイソシアネート 104重量部
【0028】 塗 料(大日本塗料(株)製) プライマー プラニットL#75 100重量部 プラニットL#75シンナー 100重量部 上塗り プラニットS 100重量部 プラニットシンナー#10 100重量部
【0029】
【表1】
【表2】
【0030】
【表3】
【表4】
【0031】
【表5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 33/56 - 33/68 B29C 33/62 C09K 3/00 C10N 40:36 B29C 39/26
Claims (4)
- 【請求項1】 A)ポリフルオロアルキル基の炭素数が
1〜20のポリフルオロアルキルアクリル酸エステル又
はメタクリル酸エステルと炭素数8〜30のアルキル基
を有するビニル化合物との共重合体1〜99重量%、及
び B)ワックス99〜1重量%からなる離型剤組成物。 - 【請求項2】 共重合体とワックスとの組成が、共重合
体が20〜70重量%、ワックスが80〜30重量%で
ある請求項1記載の離型剤組成物。 - 【請求項3】 共重合体の組成が、ポリフルオロアルキ
ル基の炭素数が1〜20のポリフルオロアルキルアクリ
ル酸エステル又はメタクリル酸エステルが20〜85重
量%、炭素数8〜30のアルキル基を有するビニル化合
物が80〜15重量%である請求項1または2記載の離
型剤組成物。 - 【請求項4】 低発泡ポリウレタン用である請求項1〜
3のいずれかに記載の離型剤組成物。
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---|---|---|---|
JP33679991A JP3252419B2 (ja) | 1991-12-19 | 1991-12-19 | 離型剤組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33679991A JP3252419B2 (ja) | 1991-12-19 | 1991-12-19 | 離型剤組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05169460A JPH05169460A (ja) | 1993-07-09 |
JP3252419B2 true JP3252419B2 (ja) | 2002-02-04 |
Family
ID=18302794
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33679991A Expired - Fee Related JP3252419B2 (ja) | 1991-12-19 | 1991-12-19 | 離型剤組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3252419B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1120194C (zh) * | 1996-08-28 | 2003-09-03 | 尤尼彻玛化学公司 | 聚醚多元醇及含有所述聚醚多元醇的可模塑聚酯的制备方法 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6391807B1 (en) * | 1999-09-24 | 2002-05-21 | 3M Innovative Properties Company | Polymer composition containing a fluorochemical oligomer |
EP2292699B1 (en) | 2008-06-17 | 2013-07-31 | Mitsui Chemicals, Inc. | Resin composition containing an olefin-based polymer wax |
JP5664745B2 (ja) * | 2012-11-29 | 2015-02-04 | ダイキン工業株式会社 | 離型剤、離型剤組成物及び離型剤の製造方法 |
-
1991
- 1991-12-19 JP JP33679991A patent/JP3252419B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1120194C (zh) * | 1996-08-28 | 2003-09-03 | 尤尼彻玛化学公司 | 聚醚多元醇及含有所述聚醚多元醇的可模塑聚酯的制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05169460A (ja) | 1993-07-09 |
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