JP3975229B2 - 過酸化物改質エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーおよび樹脂組成物 - Google Patents

過酸化物改質エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーおよび樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリプロピレン系樹脂の難白化性、成形加工性を向上させることが可能な過酸化物改質エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマー、およびこれによって改質されたポリプロピレン系樹脂組成物、さらには樹脂組成物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリプロピレン系樹脂は、流動性に優れる高分子材料の1つとしてよく知られているが、成形加工時のドローダウンが激しく、真空、圧空、フィルム成形などで問題となることが多い。これらの現象は溶融張力が小さいことに由来する性質であり、同様の理由でブロー成形性も優れたものではない。
【0003】
こうした特性の改良には分子量分布を広げたり、分岐型低密度ポリエチレン (LDPE)を添加するなどの手法が採用されることが多いが、いずれの場合もその改質効果は小さく、一層の改良が望まれていた。また、LDPEの添加は、ポリプロピレン系樹脂の耐白化性を著しく悪化することが大きな問題となっており、白化を抑えた改質材が強く望まれていた。
【0004】
一方、ポリプロピレン系樹脂をマトリクスに有した熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー(TPO)は、その耐熱性、柔軟性の観点から近年大きく需要を伸ばしている。しかしながら、TPOはゴムに比べ、硬度が高い、小さい歪みでの応力が大きい、ゴム弾性が不足しているなどゴム代替には適さない性質も多く、その改良が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような現状の中、本発明者らは、(a)α−オレフィンが炭素数4以上20以下、(b)α−オレフィン含量が65重量%より大きく95重量%以下、 (c)23℃における密度が0.88g/cm3未満および(d)DSC法により結晶融解ピークが観測されないという条件を満たすエチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーとポリプロピレン系樹脂からなる樹脂組成物は、耐熱性、難白化性、柔軟性に優れることを見いだした。
【0006】
しかしながら、この樹脂組成物には、エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーのブレンド比率が増加するにつれ表面がベタつくという問題があった。また、この樹脂組成物の溶融張力は小さく、フィルム、ブロー、真空、圧空成形などは依然として十分に改良されていなかった。
【0007】
また、この樹脂組成物は柔軟性に優れているものの、ゴム弾性は依然として不足しており、ゴム代替に関しても問題が残されていた。
【0008】
本発明は、前記問題点を解決するためになされたものであり、ポリプロピレン系樹脂の難白化性および成形加工性、または柔軟性およびゴム弾性を向上させることが可能な過酸化物改質エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマー、およびこれによって改質された難白化ポリプロピレン系樹脂組成物、さらには樹脂組成物の製造方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、下記(a)〜(d)の特性を有するエチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーを過酸化物と反応させて得られる過酸化物改質エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマー、およびこれとポリプロピレン系樹脂からなる樹脂組成物に関するものである。
【0010】
(a)α−オレフィンの炭素数:4以上20以下
(b)α−オレフィンの含量:65重量%より大きく95重量%以下
(c)示差走査型熱量計による結晶融解ピーク:観測されない
(d)ヨウ素価:0以上50以下
以下に、その詳細について説明する。
【0011】
本発明において用いられるエチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーのα−オレフィンは、炭素数4以上20以下のものであり、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン等が挙げられ、これらの1種または2種以上が用いられる。なかでも入手の容易さから1−ブテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が好ましい。
【0012】
本発明において用いられるエチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーのα−オレフィン含量は、65重量%より大きく95重量%以下、好ましくは70重量%以上95重量%以下である。α−オレフィン含量が65重量%以下または95重量%より大きくなると、過酸化物によって改質した後、ポリプロピレン系樹脂に1〜30重量%添加して得られる樹脂組成物の難白化性および成形加工性が劣り、また30〜80重量%添加して得られる樹脂組成物の柔軟性およびゴム弾性が劣る恐れがある。
【0013】
さらに、本発明において用いられるエチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーには、必要に応じて非共役ジエンモノマーを共重合することも可能である。この非共役ジエンモノマーとしては、例えば1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,5−ヘプタジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、2,5−ノルボナジエン、1,6−シクロオクタジエン、2−エチレン−2,5−ノルボナジエン、2−イソプロペニル−2,5−ノルボナジエン、ジシクロペンタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、トリシクロペンタジエンおよびジハイドロジシクロペンタジエニルオキシエチレンとアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和カルボン酸とのエステルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。そして、これらの1種もしくは2種以上が用いられる。
【0014】
非共役ジエンモノマーの共重合量はヨウ価で0以上50以下、好ましくは30以下であることが望ましい。ヨウ素価が50を越えると、過酸化物改質エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーおよびこれとポリプロピレン系樹脂との複合材料の耐寒性が悪化する恐れがある。なお、ヨウ素価は公知の方法によって測定可能である(例えば”ゴム試験法”p.657、日本ゴム協会編、(1963))。
【0015】
本発明において用いられるエチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーの23℃における密度は、0.88g/cm3未満のものが好ましい。0.88g/cm3以上のエチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーでは、過酸化物で改質した後、ポリプロピレン系樹脂に1〜30重量%添加して得られる樹脂組成物の難白化性および成形加工性が劣るとともに、30〜80重量%添加して得られる樹脂組成物の柔軟性およびゴム弾性が劣る恐れがある。
【0016】
本発明において用いられるエチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーは、示差走査型熱量計(DSCと略称される)により結晶融解ピークが観測されないことを特徴とする。結晶融解ピークを示すエチレン・α−オレフィン系共重合体を用いると、過酸化物で改質した後、ポリプロピレン系樹脂に1〜30重量%添加して得られる樹脂組成物の難白化性および成形加工性が劣るとともに、30〜80重量%添加して得られる樹脂組成物の柔軟性およびゴム弾性が劣る恐れがある。
【0017】
また、本発明において用いられるエチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーは、100℃におけるムーニー粘度(ML1+4)が20以上150以下であることが望ましい。ムーニー粘度が20未満または150を越えると取り扱いが困難になるため、均一な過酸化物改質エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーを得ることが困難になる恐れがある。
【0018】
本発明において用いられるエチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーの分子量分布(Mw/Mn)は特に制限はないが、3以下、好ましくは2.5以下である。また、組成分布の指標として、高分子量留分10%中の平均α−オレフィン含量(モル%)に対する低分子量留分10%中の平均α−オレフィン含量(モル%)の比は1.2以下が好ましく、さらに好ましくは1.15以下である。一般に、分子量分布が大きくなると組成分布も大きくなることが知られているが、組成分布が広いと、過酸化物によって改質した後、ポリプロピレン系樹脂に1〜30重量%添加して得られる樹脂組成物の難白化性および成形加工性は劣り、30〜80重量%添加して得られる樹脂組成物の柔軟性およびゴム弾性が劣る恐れがある。
【0019】
本発明で用いるエチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーの製造方法は、上述の分子量、分子量分布および組成分布を満たしたエチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーを得ることが容易なメタロセン系の触媒を用いるこの方法により高活性で、分子量分布および組成分布の狭い共重合体を得ることが可能である。
【0020】
メタロセン触媒としては、メタロセン系化合物とアルミノキサン化合物との組み合わせ(特開昭58−19309号公報、特開昭60−35006号公報、特開昭61−130314号公報、特開平3−163088号公報)、あるいはメタロセン系化合物と、これと反応して安定なアニオンを形成するイオン化イオン性化合物との組み合わせ(特表平1−502036号公報、WO91/14713号公報、WO92/01723号公報、特開平5−310829号公報)が挙げられる。しかし、一般にエチレン/α−オレフィン共重合において、α−オレフィンの含量の増大とともに分子量が低下することが知られている。そこで、高分子量エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーを効率良く生産するためには、以下に示す化合物からなる触媒を用いることが好ましい。
【0021】
a)下記一般式(1)で表される遷移金属化合物
b)下記一般式(2)、(3)、(4)、(5)で表される上記遷移金属化合物をカチオン性遷移金属化合物とし得る成分
c)下記一般式(6)で表される有機アルミニウム化合物
a)遷移金属化合物は、下記一般式(1)
【0022】
【化1】
Figure 0003975229
【0023】
[Cp1はシクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基またはそれらの置換体であり、Cp2は無置換または置換基(−R,−BR2,−SiR3,−NR2,−PR2,−OR,−SR,−F,−Cl,−Br,−I:ただし、Rは水素または炭素数1〜20の炭化水素基である)を有するフルオレニル基であり、R1,R2は各々独立して水素、ハロゲンまたは炭素数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基またはアリーロキシ基であり、また、少なくとも一方がアリール基または置換アリール基であり、Mはチタン、ジルコニウムまたはハフニウムであり、R3,R4は各々独立して水素、ハロゲンまたは炭素数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基またはアリーロキシ基である。]
で表される化合物である。
【0024】
一般式(1)の具体例としては、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、メチルフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、メチルフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、メチルフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、メチルフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(a,i−ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、メチルフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(a,i−ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(b,h−ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、メチルフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(b,h−ジペンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジ(4−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジ(4−ビフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン (シクロペンタジエニル)(2−ジメチルアミノフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、メチルフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−ジメチルアミノフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−メトキシフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、メチルフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−メトキシフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(3−メチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、メチルフェニルメチレン (3−メチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、メチルフェニルメチレン(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライドおよび上記化合物のジルコニウムをチタンまたはハフニウムに置換した化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。なかでも置換フルオレニル基を配位子に持ち、ハフニウムを中心金属とした化合物が共重合性に優れ、さらにより高分子量化が可能という点で好ましい。
【0025】
b)上記遷移金属化合物をカチオン性遷移金属化合物とし得る成分として、プロトン酸(2)、ルイス酸(3)、イオン化イオン性化合物(4)、ルイス酸性化合物(5)が挙げられる。
【0026】
プロトン酸は、下記一般式(2)
【0027】
【化2】
Figure 0003975229
【0028】
[式中、Hはプロトンであり、L1は各々独立してルイス塩基であり、lは0<l≦2であり、M1はホウ素原子、アルミニウム原子またはガリウム原子であり、R5は各々独立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。]
で表される化合物である。
【0029】
ルイス酸は、下記一般式(3)
【0030】
【化3】
Figure 0003975229
【0031】
[式中、Cはカルボニウムカチオンまたはトロピリウムカチオンであり、M1はホウ素原子、アルミニウム原子またはガリウム原子であり、R5は各々独立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。]
で表される化合物である。
【0032】
イオン化イオン性化合物は、下記一般式(4)
【0033】
【化4】
Figure 0003975229
【0034】
[式中、M2は周期表2族、8族、9族、10族、11族または12族から選ばれる金属の陽イオンであり、L2はルイス塩基またはシクロペンタジエニル基であり、mは0≦m≦2であり、M1はホウ素原子、アルミニウム原子またはガリウム原子であり、R5は各々独立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。]
で表される化合物である。
【0035】
ルイス酸性化合物は、下記一般式(5)
【0036】
【化5】
Figure 0003975229
【0037】
[式中、M1はホウ素原子、アルミニウム原子またはガリウム原子であり、R5は各々独立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。]
で表される化合物である。
【0038】
本発明の触媒の構成成分として用いられるプロトン酸(2)、ルイス酸(3)、イオン化イオン性化合物(4)、ルイス酸性化合物(5)は、上記の遷移金属化合物と反応し、カチオン性遷移金属化合物を生成し得る化合物であり、生成したカチオン性遷移金属化合物に対して対アニオンを提供する化合物である。
【0039】
一般式(2)で表されるプロトン酸の具体例として、ジエチルオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジメチルオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラメチレンオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ−n−ブチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジエチルオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、ジメチルオキソニウムテトラキス (ペンタフルオロフェニル)アルミネート、テトラメチレンオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、トリ−n−ブチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0040】
一般式(3)で表されるルイス酸としては、具体的にはトリチルテトラキス (ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、トロピリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トロピリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0041】
一般式(4)で表されるイオン化イオン性化合物としては、具体的にはリチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、リチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート等のリチウム塩、またはそのエーテル錯体、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート等のフェロセニウム塩、シルバーテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、シルバーテトラキス(ペンタフルオレフェニル)アルミネート等の銀塩等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0042】
一般式(5)で表されるルイス酸性化合物の具体的な例として、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4,5−テトラフェニルフェニル)ボラン、トリス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラン、フェニルビス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(3,4,5−トリフルオロフェニル)アルミニウム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0043】
c)有機金属化合物としては、周期表1族、2族、3族、SnまたはZnの金属を含む化合物を挙げることができ、具体的には下記一般式(6)
【0044】
【化6】
Figure 0003975229
【0045】
[式中、M3は周期表1族、2族、3族、SnまたはZnの元素である。R6は各々独立して水素原子、炭素数1〜24のアルキル基もしくはアルコキシ基、または炭素数6〜24のアリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アルキルアリール基もしくはアルキルアリールオキシ基であり、少なくとも1つのR6は水素原子、炭素数1〜24のアルキル基または炭素数6〜24のアリール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール基である。nはM3の酸化数に等しい。]
で表される有機金属化合物である。
【0046】
前記一般式(6)で表される化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリアミルアルミニウム、ジメチルアルミニウムエトキサイド、ジエチルアルミニウムエトキサイド、ジイソプロピルアルミニウムエトキサイド、ジ−n−プロピルアルミニウムエトキサイド、ジイソブチルアルミニウムエトキサイド、ジ−n−ブチルアルミニウムエトキサイド、ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソプロピルアルミニウムハイドライド、ジ−n−プロピルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジ−n−ブチルアルミニウムハイドライド等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0047】
本発明の過酸化物改質エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーは、エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーに過酸化物を添加した後、加熱架橋することによって得られる。過酸化物の添加量に制限はなく、目的とする改質効果によって適宜決められるが、エチレン・α−オレフィン系共重合体に対して20ppm以上50000ppm以下であることが好ましく、この範囲にすることによって、エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーの自着速度が低下し、取り扱いが容易になるとともに、改質された難白化性ポリプロピレン系樹脂組成物のベタつきが低減する。また、本発明の過酸化物改質エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーに難白化性および成形加工性の改質効果を求める場合には、過酸化物の添加量は20ppm以上20000ppm以下とすることが望ましい。20000ppmを越えるとゲルを生じる恐れがある。また、本発明の過酸化物改質エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーとポリプロピレン系樹脂より樹脂組成物を製造する場合には、過酸化物の添加量は3000ppm以上50000ppm以下とすることが望ましい。3000ppmより少ないとゴム弾性の改質効果が劣る恐れがある。また、過酸化物添加後の加熱条件に特に制限はないが、架橋を生じさせるためには、用いる過酸化物の分解温度より高温にしなければならない。
【0048】
本発明で用いられる過酸化物としては、t−ブチルパーオキサイド、ジ(t−ブチル)パーオキサイド,t−ブチルパーオキシ−イソプロピルカーボネート、t−ブチルクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、クメンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチル)パーオキシヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2’−ビス(t−ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベンゼン等が挙げられ、これらは単独もしくは混合して使用される。
【0049】
また、本発明において架橋促進剤を併用することも可能である。架橋促進剤としては、N,N−ジフェニルグアニジン、N,N−ジ(o−トリル)グアニジン、N,N−o−トリルグアニジンなどのようなグアニジン誘導体;N,N−ジブチルチオ尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素、ジラウリルチオ尿素、2−メルカプトイミダゾリン、トリメチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素などのようなチオ尿素;ジブチルキサントゲン酸亜鉛、イソプロピルキサントゲン酸ナトリウム、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛などのようなキサントゲル酸塩;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸テリリウム、ピペリジニウムペンタメチレンジチオカルバメート、ピペコリンピペリジメチルジチオカルバメート、ジメチルジチオカルバミン酸鉄などのようなジチオカルバミン酸塩;ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアニリン、ブチルアルデヒドアニリンなどのようなアルデヒドアンモニア系化合物;メルカプトベンゾチアゾール、メルカプトベンゾチアゾールナトリウム塩、ジベンゾチアジルジスルフィド、2−(4−モルフォリノジチオ)ベンゾチアゾール、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾールなどのようなチアゾール系化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラエチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドなどのようなチウラムサルファイド;メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛などのようなチアゾール系化合物;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチルベンゾチアゾールスルフェンアミドなどのようなスルフェンアミド化合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの架橋促進剤は単一でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0050】
さらに、本発明においては共架橋剤を使用することも可能である。共架橋剤としては、例えばP・キノンジオキシム、P・Pジベンゾイルキノンジオキシム、N−メチル−N’−4−ジニトロソアニリン、ジニトロソベンゼン、ラウリルメタアクリレート、エチレングリコールジメタアクリレート、トリエチレングリコールジメタアクリレート、テトラエチレングリコールジメタアクリレート、ポリエチレングリコールジメタアクリレート、トリメチロールプロパントリメタアクリレート、ジアリールフマレート、ジアリールフタレート、テトラアリールオキシエタン、トリアリールシアヌレート、アリールメタアクリレート、マレイミド、フェニールマレイミド、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、無水マレイン酸、イタコン酸、ジビニルベンゼン、ジアリールメラミン、ジフェニルグアニジン、ジビニルアジペート、ビニールトルエン、1,2−ポリブタジエン、液状スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ジペンタメチレンチウラムペンタスルフィド、メルカプトベンズチアゾール、硫黄等が挙げられ、これらのうち1種もしくは2種以上が必要に応じて使用される。
【0051】
架橋促進剤、共架橋剤を用いる場合は、その使用量はエチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーに対し、それぞれ50000ppm以下とすることが望ましい。50000ppmを超えると、得られる過酸化物改質エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーおよびこれをポリプロピレン系樹脂に添加することにより改質されたポリプロピレン系樹脂組成物の表面が著しくベタつく恐れがある。
【0052】
また、架橋の際に亜鉛華、活性亜鉛華、表面処理亜鉛華、炭酸亜鉛、リサージおよび酸化マグネシウムなどに代表される架橋促進助剤、および分散剤を併用することも可能である。
【0053】
本発明の過酸化物改質エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーに、ポリプロピレン系樹脂の溶融張力を高め、成形加工性の改質効果を求める場合には、反応前のエチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーのメルトフローレート(MFRa)と反応後のエチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーのメルトフローレート(MFRb)の比が1<MFRa/MFRb≦10であることが望ましい。ここで、MFRa/MFRb>10であるとゲルが発生する恐れがある。
【0054】
本発明に用いるポリプロピレン系樹脂は、一般に使用されている結晶性ポリプロピレン系樹脂を用いることができる。例えば、ポリプロピレンホモポリマー、エチレン含量が0.5〜12重量%のプロピレン・エチレンランダム共重合体、エチレン含量が0.5〜12重量%、1−ブテンのようなα−オレフィン含量が0.5〜20重量%のプロピレン・エチレン・α−オレフィン系三元共重合体、エチレン含量が1〜60重量%のインパクトポリプロピレン、シンジオタクチック構造である結晶性ポリプロピレン系樹脂などが挙げられ、これらのうち1種または2種以上が用いられる。
【0055】
ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレートは特に限定を受けず、230℃,2.16kg荷重のもと、0.01〜100g/10分のものが好ましく用いられる。
【0056】
過酸化物改質エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーとポリプロピレン系樹脂とのブレンド比率は特に限定を受けず、改質の目的に応じて決められる。過酸化物改質エチレン・α−オレフィン共重合体エラストマーに、ポリプロピレン系樹脂の溶融張力を増加せしめる成形加工改質効果を求める場合には、過酸化物改質エチレン・α−オレフィン共重合体エラストマー(A)とポリプロピレン系樹脂(B)が、A/Bの重量比率で1/99〜30/70である。過酸化物改質エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーが1重量%よりも少ないと樹脂改質効果が発現しない恐れがあり、30重量%より多いと剛性が損なわれる恐れがある。
【0057】
また、過酸化物改質エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマー(A)とポリプロピレン系樹脂(B)により、A/Bの重量比率が30/70〜80/20で樹脂組成物を得る場合、過酸化物改質エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマー(A)が30重量%よりも少ないと得られる樹脂組成物の柔軟性およびゴム弾性改質効果が発現しない恐れがあり、80重量%より多いと成形加工性が悪化する恐れがある。
【0058】
本発明の過酸化物改質エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーは、ポリプロピレン系樹脂との相溶性に優れることを特徴としている。相溶性の指標は様々であるが、ガラス転移温度などを調べることによって判断できる。例えば、固体粘弾性の温度依存性を測定して−80〜40℃の範囲に生じる損失正接(tanδ)の極大はガラス転移温度を反映しているが、ポリプロピレン系樹脂に、本発明の過酸化物改質エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーを添加してもtanδのピーク数に変化はなく、両者が非晶領域で相溶している様子がわかる。相溶していない場合には、過酸化物改質エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーのガラス転移温度に由来するtanδのピークが新たに観察できるが、このようなエチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーをポリプロピレン系樹脂に1〜30重量%添加することにより得られる樹脂組成物の難白化性は劣り、また30〜80重量%添加して得られる樹脂組成物のゴム弾性は劣るものとなる。
【0059】
また、本発明の過酸化物改質エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーをポリプロピレン系樹脂に添加すると、結晶の重心の平均距離である長周期は、ポリプロピレン系樹脂単独の場合よりも3%以上増加する。この増加量が3%未満または全く増加していない場合には、過酸化物改質エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーをポリプロピレン系樹脂に1〜30重量%添加することにより得られる樹脂組成物の難白化性は劣り、また30〜80重量%添加して得られる樹脂組成物のゴム弾性は劣るものとなる。
【0060】
本発明の過酸化物改質エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーとポリプロピレン系樹脂からなるポリプロピレン系樹脂組成物には、必要に応じて軟化剤を添加してもよい。用いることのできる軟化剤としては、パラフィン系軟化剤、ナフテン系軟化剤、アロマ系軟化剤、アスファルト、ワセリン、オゾケライト、トール油、低重合度フェノールホルムアルデヒド樹脂および低融点スチレン樹脂が挙げられ、これらのうち1種または2種以上が用いられる。
【0061】
本発明の過酸化物改質エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマー、およびこれをポリプロピレン系樹脂に添加することにより得られるポリプロピレン系樹脂組成物には、必要に応じてHAF、FEF、ISAF、SAF、SRF、FT、MT、EPC、MPCなどに代表される補強性カーボンブラック、炭酸カルシウム、マイカ、タルク、シリカ、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、水酸化アルミニウム、モンモリロナイト、カオリン、クレー、パイロフェライト、ベントナイト、セリサナイト、ゼオライト、ネフェリンシナイト、アタパルジャイト、ウォラストナイト、フェライト、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、三酸化アンチモン、酸化チタン、酸化鉄、二硫化モリブデン、黒鉛、石こう、ガラスビーズ、ガラスパウダー、ガラスバルーン、ガラスファイバー、石英、石英ガラスなどの無機充填剤や有機,無機顔料を配合することもできる。また、結晶核剤、透明化剤、アンチブロッキング剤、離型剤、帯電防止剤、スリップ剤、防曇剤、滑剤、耐熱安定剤、紫外線安定剤、耐光安定剤、耐候性安定剤、発泡剤、防黴剤、防錆剤、イオントラップ剤、難燃剤、難燃助剤等を必要に応じて添加してもよい。
【0062】
さらに、本発明の過酸化物改質エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマー、およびこれをポリプロピレン系樹脂に添加することにより得られるポリプロピレン系樹脂組成物には、他の樹脂やゴムをブレンドすることも可能である。この場合、さらなる成分として相溶化剤を必要に応じて添加してもよい。このような他の樹脂としては、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、分岐型低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・エチルアクリレート共重合体、ポリ(1−ブテン)、ポリアミド、ポリエステル、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレンブテン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレンプロピレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体およびポリオレフィン系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。また、ゴムとしては、天然ゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴムおよびこれらの水素添加物、シリコーンゴム、ポリノルボルネンゴム、ポリヘキセンゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンランダム共重合体ゴムおよびクロロプレンゴムが挙げられる。さらに、相溶化剤としては、酸変性ポリオレフィンおよびケン化EVAなどの接着性ポリマーやポリオレフィン−ポリアミドグラフトまたはブロック共重合体などに代表されるブロックおよびグラフト共重合体が挙げられる。
【0063】
本発明の過酸化物改質エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーは、任意の方法でポリプロピレン系樹脂に添加することが可能であるが、取り扱いの容易さ、および分散性の向上のため、ニーダー、ロール、バンバリミキサー、一軸および二軸押出機等を用い、溶融ブレンドを行うことが好ましい。
【0064】
また、あらかじめポリプロピレン系樹脂とエチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーをブレンドした後、溶融混練を行いながら過酸化物を添加しても本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は得られる。溶融混練を行いながら架橋を行うことによって、引張強さ、曲げ強さ、動的疲労特性、ヒンジ特性などに代表される力学的性質が改善されるため好ましい。
【0065】
本発明の過酸化物改質エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーをポリプロピレン系樹脂に添加することによって改質されたポリプロピレン系樹脂組成物は、フィルム、真空、圧空、ブロー、カレンダー、トランスファー、射出、圧縮、異形押出、紡糸など任意の成形法によって成形される。
【0066】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を説明するが、これらは例示的なものであって、限定的なものではない。実施例中の各種測定およびエチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーの合成は、下記の方法により行った。
【0067】
(エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーのα−オレフィン含量の測定)
o−ジクロロベンゼンを溶媒に、100MHz,13C−NMRスペクトル (日本電子(株)製 JNM GX400)測定により算出した。
【0068】
(分子量、分子量分布の測定)
溶媒にo−ジクロロベンゼンを用いて、140℃におけるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ミリポア(株)社製 150C型GPC)にて、ポリエチレン換算で数平均分子量および分子量分布を求めた。
【0069】
(ムーニー粘度の測定)
島津製作所製 ムーニー粘度計を用いて、生ゴムの100℃におけるムーニー粘度を測定した。ローターはL型、予熱時間は1分、ローターの作動時間は4分とした。
【0070】
エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーの合成例1
5lのオートクレーブに、トルエン 1000mlおよび1−ブテン 500mlを加え、40℃に昇温した。さらに、全圧が8kg/cm2になるようにエチレンを導入した。次に、別の反応容器にトルエン 10ml、メチルアルミノキサン 5mmol、(ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン)ジクロライドチタン 5μmolを加え、この混合溶液を20分間撹拌した後、オートクレーブに導入し、重合を開始した。この重合は、全圧を8kg/cm2に保つようにエチレンを連続的に導入し、40℃で30分間行った。
【0071】
重合終了後、多量のエタノールによりポリマーを洗浄し、60℃で12時間減圧乾燥を行った。その結果、1−ブテン含量が72重量%のエチレン・1−ブテン共重合体エラストマーを44g得た。数平均分子量108000、Mw/Mn=2.2、密度は0.864g/cm3であり、DSC測定によって結晶融解ピークは観測できなかった。
【0072】
実施例1
合成例1で得たエチレン・1−ブテン共重合体エラストマーに、ジクミルパ−オキサイド 5000ppm、熱安定剤としてヒンダードフェノール系安定剤 (イルガノックス1010 チバ・ガイギー社製)、リン系安定剤(イルガフォス168 チバ・ガイギー社製)をそれぞれ1000ppm、滑剤としてステアリン酸カルシウム:5000ppmを添加して、内容積30mlのラボプラストミル(東洋精機製作所製)を用いて60rpmで200℃,3分間混練し、過酸化物改質エチレン・1−ブテン共重合体エラストマー(MFR:2.0g/10分、190℃,2.16kg荷重)を得た。
【0073】
実施例2
実施例1で得られた過酸化物改質エチレン・1−ブテン共重合体エラストマー3.75gとプロピレンホモポリマー(東ソーポリプロJ5100A、MFR:10g/10分、230℃,2.16kg荷重)21.25gを内容積30mlのラボプラストミルにて60rpmで200℃,5分間溶融ブレンドした。その後、得られた樹脂組成物をプレス成形機を用いて230℃にて10分間加圧後、30℃で冷却し、1mmの厚みの成形品を得た。このプレス成形品を細かく切断し、溶融張力測定用の試料とした。
【0074】
実施例3
プロピレンホモポリマーの代わりにエチレン・プロピレンランダム共重合体 (東ソーポリプロJ6080A、MFR:8g/10分、230℃,2.16kg荷重、エチレン量 3.2重量%)を用いた以外は実施例2と同様の方法で行い、成形品と試料を得た。
【0075】
エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーの合成例2
5lのオートクレーブに、トルエン 600mlおよび1−ヘキセン 900mlを加え40℃に昇温した。さらに、全圧が4kg/cm2になるようにエチレンを導入した。次に、別の反応容器にトルエン 10ml、メチルアルミノキサン 3mmol、ジフェニルメタン(シクロペンタジエニル−1−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド 3μmolを加え、この混合溶液を20分間撹拌した後、オートクレーブに導入し、重合を開始した。この重合は全圧を4kg/cm2に保つようにエチレンを連続的に導入し、40℃で90分間行った。
【0076】
重合終了後、多量のエタノールによりポリマーを洗浄し、60℃で12時間減圧乾燥を行った。その結果、1−ヘキセン含量が78重量%のエチレン・1−ヘキセン共重合体エラストマーを85g得た。数平均分子量98000、Mw/Mn=1.9、密度は0.860g/cm3であり、DSC測定によって結晶融解ピークは観測できなかった。
【0077】
実施例4
実施例1で用いたエチレン・1−ブテン共重合体エラストマーの代わりに合成例2で得たエチレン・1−ヘキセン共重合体エラストマーを用いた以外は実施例1と同様の方法で行い、過酸化物改質エチレン・1−ヘキセン共重合体エラストマーを得た。
【0078】
実施例5
過酸化物改質エチレン・1ーブテン共重合体エラストマーの代わりに実施例4で得た過酸化物改質エチレン・1ーヘキセン共重合体エラストマーを用いた以外は実施例2と同様の方法で行い、成形品と試料を得た。
【0079】
実施例6
実施例2のプロピレンホモポリマー 21.25gとエチレン・1−ブテン共重合体エラストマー 3.75gをあらかじめラボプラストミルにて200℃,60rpmで3分間溶融ブレンドした後、ジクミルパーオキサイドをエチレン・1−ブテン共重合体エラストマーに対して5000ppm、熱安定剤としてヒンダードフェノール系安定剤とリン系安定剤をそれぞれ1000ppm、滑剤としてステアリン酸カルシウムを5000ppm添加し、さらに5分間溶融ブレンドした。混練終了2分前に、熱安定剤としてヒンダードフェノール系安定剤とリン系安定剤をそれぞれ0.025g添加した。その後、得られた樹脂組成物を実施例2と同様の方法で成形し、成形品と試料を得た。
【0080】
比較例1
実施例2において用いたプロピレンホモポリマーを25gとし、過酸化物改質エチレン・1−ブテン共重合体エラストマーを添加しない以外は実施例2と同様の方法でプレス成形し、成形品と試料を得た。
【0081】
比較例2
合成例1で得たエチレン・1−ブテン共重合体エラストマーを過酸化物によって改質せずに用いた以外は実施例2と同様の方法で行い、成形品と試料を得た。
【0082】
比較例3
過酸化物改質エチレン・1−ブテン共重合体エラストマーの代わりに分岐型低密度ポリエチレン(ペトロセン286 東ソー(株)製 MFR:1.5g/10分、190℃,2.16kg荷重)を用いた以外は実施例2と同様の方法で行い、成形品と試料を得た。
【0083】
比較例4
エチレン・1−ブテン共重合体エラストマーに、過酸化物を60000ppm添加した以外は実施例1および2と同様の方法で行い、成形品と試料を得た。
【0084】
比較例5
エチレン・1−ブテン共重合体エラストマーの代わりに1−ヘキセンをプロピレンに代えて合成例2と同様の方法で合成されたプロピレン含量75重量%のエチレン・プロピレン共重合体エラストマーを用いた以外は実施例1および2と同様の方法で行い、成形品と試料を得た。ここで用いたエチレン・プロピレン共重合体エラストマーの23℃における密度は0.857g/cm3、数平均分子量64000,Mw/Mn=1.6であり、DSCによる結晶融解ピークは観察されなかった。
【0085】
エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーの合成例3
5lのオートクレーブに、トルエン 500mlおよび1−ブテン 1000mlを加え、40℃に昇温した。さらに、全圧が4kg/cm2になるようにエチレンを導入した。次に、別の反応容器にトルエン 10ml、メチルアルミノキサン 3mmol、公知の方法により合成したジメチルシランジイルビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロライド 3μmolを加え、この混合溶液を20分間撹拌した後、オートクレーブに導入し、重合を開始した。この重合は、全圧を4kg/cm2に保つようにエチレンを連続的に導入し、40℃で30分間行った。
【0086】
重合終了後、多量のエタノールによりポリマーを洗浄し、60℃で12時間減圧乾燥を行った。その結果、1−ブテン含量が96重量%のエチレン・1−ブテン共重合体エラストマーを54g得た。数平均分子量76000、Mw/Mn=2.4、密度は0.882g/cm3であり、DSC測定により、主ピークとして測定される結晶融点は45℃であった。
【0087】
比較例6
エチレン・1−ブテン共重合体エラストマーの代わりに合成例3で得たエチレン・1−ブテン共重合体エラストマーを用いた以外は実施例1および2と同様の方法で行い、成形品と試料を得た。
【0088】
比較例7
1−ヘキセンを1−ブテンに代えて合成例2と同様の方法で合成された1−ブテン含量53重量%のエチレン・1−ブテン共重合体エラストマーを用いた以外は実施例1および2と同様の方法で行い、成形品と試料を得た。ここで用いたエチレン・1−ブテン共重合体エラストマーの密度は0.859g/cm3、数平均分子量は60000、Mw/Mn=1.8であり、DSCによる結晶融解ピークは確認されなかった。
【0089】
比較例8
実施例3において用いたエチレン・プロピレンランダム共重合体を25gとし、過酸化物改質エチレン・1−ブテン共重合体エラストマーを添加しない以外は実施例2と同様の方法でプレス成形し、成形品と試料を得た。
【0090】
以上、実施例1〜6および比較例1〜8で得られた成形品を以下の方法で評価した。結果を表1に示す。
【0091】
【表1】
Figure 0003975229
【0092】
(折曲げ白化試験)
1mm厚みの板を50mm×20mmに切り出し、これを180゜折曲げた際の白化の程度を目視によって観察した。
【0093】
(表面粘着性)
1mm厚みの板を20mm×20mmに切り出し、これを2枚重ねて50℃の恒温室で1kg荷重の下、3日間放置した。その後、これを再び剥離して接着面の表面状態を目視によって観察した。
【0094】
(溶融張力)
フィルム、真空、圧空、ブロー成形性の目安となる溶融張力をキャピログラフ(東洋精機製作所製)にて評価した。バレル温度は190℃、バレル内径は9.55mm、ダイスのL/Dは2.95/8とし、シリンダーの降下速度10mm/分、引き取り速度10m/分で行った。
【0095】
表1からわかるように、本発明の過酸化物改質エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーをポリプロピレン系樹脂に添加することによって得られた難白化性ポリプロピレン系樹脂組成物は、難白化性、成形加工性に優れ、かつ表面ベタつきが改善されるとともに、溶融張力が大きくなることによってドローダウンが大幅に抑えられ、ブロー、フィルム、真空および圧空成形性に優れた材料となる。
【0096】
エチレン・1−ヘキセン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体エラストマーの合成例
5lのオートクレーブに、トルエン 2200ml、5−エチリデン−2−ノルボルネン 50ml、1−ヘキセン 750mlを加え、撹拌させながら内温を80℃に昇温した。さらに、全圧が8kg/cm2になるようにエチレンを導入した。次に、別の反応容器にトルエン 10ml、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロライド 3μmol、トリイソブチルアルミニウム 3mmol、ジメチルアニリニウムペンタフルオロフェニルボレート 3.6μmolを加え、この混合溶液を20分間撹拌した後、オートクレーブに導入し、重合を開始した。この重合は、エチレンを連続的に導入することで全圧を8kg/cm2に保ち、80℃で10分間行った。
【0097】
重合終了後、多量のエタノールによりポリマーを洗浄し、80℃で12時間減圧乾燥を行った。その結果、1−ヘキセン含量 45mol%、ヨウ素価 15のエチレン・1−ヘキセン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体エラストマーを107g得た。この共重合体の100℃におけるムーニー粘度(ML1+4(100℃))は65、分子量分布は1.8であった。また、DSC測定によって結晶融解ピークは観測できなかった。
【0098】
実施例7
合成例4で得たエチレン・1−ヘキセン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体エラストマー 40g、プロピレンホモポリマー(東ソーポリプロJ5100A、MFR:10g/10分、230℃,2.16kg荷重)12g、ナフテン系オイル(サンセン4240、日本サン石油製)28g、亜鉛華 4gを170℃に設定した内容積100mlのラボプラストミルにて50rpmで10分間ブレンドした。その後、得られた複合材料を表面温度が50℃に設定されたロール混練機にて10分間混練した。また混練途中に、過酸化物(パーヘキサ2.5B−40、日本油脂製)30000ppm、加硫助剤(スミファインBM、住友化学社製)20000ppmを添加した。得られたロールシートを120℃に設定されたラボプラストミルにて100rpmで10分間混練し、熱安定剤としてヒンダードフェノール系安定剤(イルガノックス1010 チバ・ガイギー社製)、リン系安定剤(イルガフォス168 チバ・ガイギー社製)をそれぞれ500ppm、滑剤としてステアリン酸カルシウム 1000ppmを添加して再び5分間混練を行い、樹脂組成物を得た。得られた組成物をJIS K6301に従い、圧縮永久歪用のサンプルにプレス成形し、圧縮永久歪および表面硬度の測定を行った。
【0099】
比較例9
エチレン・1−ヘキセン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体エラストマーの代わりにエチレン・プロピレン・ジエン共重合体エラストマー(日本合成ゴム社製 EP24、ムーニー粘度 65、ヨウ素価 15、プロピレン含量43重量%)を用いた以外は実施例7と同様の方法で行い、成形品と試料を得た。
【0100】
以上、実施例7および比較例9で得られた試験片を以下の方法で評価した。結果を表2に示す。
【0101】
【表2】
Figure 0003975229
【0102】
(圧縮永久歪の評価)
JIS K6301に従い、70℃で22時間の圧縮永久歪を求めた。
【0103】
(表面硬度の測定)
JIS K6301に従い、23℃で表面硬度(ショアーA)を求めた。
【0104】
表2からわかるように、本発明の過酸化物改質エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーをポリプロピレン系樹脂に添加することによって得られた樹脂組成物は、柔軟性、圧縮永久歪特性に優れた材料となる。
【0105】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の過酸化物改質エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーをポリプロピレン系樹脂に1〜30重量%添加して得られる樹脂組成物は、難白化性および成形加工性に優れ、また30〜80重量%添加して得られる樹脂組成物は、柔軟性およびゴム弾性に優れた材料となる。

Claims (3)

  1. a)下記一般式(1)で表される遷移金属化合物
    Figure 0003975229
    [Cpはシクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基またはそれらの置換体であり、Cpは無置換または置換基(−R,−BR,−SiR,−NR,−PR,−OR,−SR,−F,−Cl,−Br,−I:ただし、Rは水素または炭素数1〜20の炭化水素基である)を有するフルオレニル基であり、R,Rは各々独立して水素、ハロゲンまたは炭素数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基またはアリーロキシ基であり、また、少なくとも一方がアリール基または置換アリール基であり、Mはチタン、ジルコニウムまたはハフニウムであり、R,Rは各々独立して水素、ハロゲンまたは炭素数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基またはアリーロキシ基である。]
    b)下記一般式(2)、(3)、(4)、(5)で表される上記遷移金属化合物をカチオン性遷移金属化合物とし得る成分
    Figure 0003975229
    [式中、Hはプロトンであり、Lは各々独立してルイス塩基であり、lは0<l≦2であり、Mはホウ素原子、アルミニウム原子またはガリウム原子であり、Rは各々独立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。]で表される化合物
    Figure 0003975229
    [式中、Cはカルボニウムカチオンまたはトロピリウムカチオンであり、Mはホウ素原子、アルミニウム原子またはガリウム原子であり、Rは各々独立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。]で表される化合物
    Figure 0003975229
    [式中、Mは周期表2族、8族、9族、10族、11族または12族から選ばれる金属の陽イオンであり、Lはルイス塩基またはシクロペンタジエニル基であり、mは0≦m≦2であり、Mはホウ素原子、アルミニウム原子またはガリウム原子であり、Rは各々独立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。]で表される化合物
    Figure 0003975229
    [式中、Mはホウ素原子、アルミニウム原子またはガリウム原子であり、Rは各々独立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。]で表される化合物
    c)下記一般式(6)で表される有機アルミニウム化合物
    Figure 0003975229
    [式中、Mは周期表1族、2族、3族、SnまたはZnの元素である。Rは各々独立して水素原子、炭素数1〜24のアルキル基もしくはアルコキシ基、または炭素数6〜24のアリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アルキルアリール基もしくはアルキルアリールオキシ基であり、少なくとも1つのRは水素原子、炭素数1〜24のアルキル基または炭素数6〜24のアリール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール基である。nはMの酸化数に等しい。]
    からなる触媒で製造された下記(a)〜(d)の特性を有するエチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーを過酸化物と反応させて得られ、過酸化物と反応させる前のエチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーのメルトフローレート(MFRa)と反応後のエチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーのメルトフローレート(MFRb)の比が1<MFRa/MFRb≦10である過酸化物改質エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマー。
    (a)α−オレフィンの炭素数:4以上20以下
    (b)α−オレフィンの含量:65重量%より大きく95重量%以下
    (c)示差走査型熱量計による結晶融解ピーク:観測されない
    (d)ヨウ素価:0以上50以下
  2. 請求項1に記載の過酸化物改質エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマー1〜30重量%とポリプロピレン系樹脂99〜70重量%からなる樹脂組成物。
  3. 請求項1に記載の過酸化物改質エチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマー30〜80重量%、ポリプロピレン系樹脂70〜20重量%からなる樹脂組成物。
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