JP2001064426A - 多孔質フィルムおよびその製法 - Google Patents

多孔質フィルムおよびその製法

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JP2001064426A
JP2001064426A JP2000191748A JP2000191748A JP2001064426A JP 2001064426 A JP2001064426 A JP 2001064426A JP 2000191748 A JP2000191748 A JP 2000191748A JP 2000191748 A JP2000191748 A JP 2000191748A JP 2001064426 A JP2001064426 A JP 2001064426A
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ethylene
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porous film
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Toshio Iizuka
敏男 飯塚
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Japan Polyolefins Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形加工性、柔軟性、通気性、透湿性、耐溶
剤性、耐薬品性に優れ、成形加工性、機械的強度等の諸
物性のバランスに優れたフィルムを提供する。 【解決手段】 (a)密度が0.86〜0.97g/c
3、(b)MFRが0.1〜50g/10min、(c)分
子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4.5、(d)組成分布パ
ラメーターCbが2以下の関係を満たす(A)エチレン
(共)重合体および(B)他のエチレン系(共)重合体を含
有する樹脂成分と、(C)充填剤とを有するエチレン系重
合体組成物からなる多孔質フィルム、および、前記エチ
レン系重合体組成物を溶融成形してフィルムとし、これ
を50〜110℃の温度で延伸処理する多孔質フィルム
の製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔質フィルムま
たは多孔質シート(以下、両者をまとめて多孔質フィル
ムと総称する)およびその製法に関する。さらに詳しく
は、柔軟性に富み、引裂強度、特に縦方向の強度が強
く、かつ通気性、透湿性に富み、衣料用品、衛生用品、
医療用品、濾過材、建材等の分野に利用できる多孔質フ
ィルムおよびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂
に充填剤を配合し、これを溶融成形してフィルムとし、
このフィルムを延伸処理して多孔質フィルムを製造する
ことは従来より行われている。しかしながら、単にポリ
オレフィン樹脂に充填剤を配合したものを使用すると、
延伸性が悪いため低倍率の延伸ができなかった。一方、
高倍率延伸すると引裂強度が低下し、また柔軟性に劣る
などの問題点を有していた。
【0003】そこで、これら問題点を克服すべく種々の
試みがなされている。それらの多くは、ポリオレフィン
樹脂と充填剤の他に液状の化合物を添加する方法であ
る。例えば、特開昭57−47334号公報には、液状
ポリブタジエンや液状ポリブテンを添加する方法、特開
昭57−203520号公報には、液状のポリヒドロキ
シ飽和炭化水素を添加する方法、特開昭58−1499
25号公報には、液状ポリイソプレンゴムを添加する方
法、特開昭59−140235号公報には、エポキシ化
植物油を添加する方法が開示されている。
【0004】しかしながら、これら多孔フィルムの製造
方法には、延伸工程での成形加工あるいは得られた多孔
質フィルムの風合い、引張伸び等の機械的強度など点に
おいて改良が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点を解消することにあり、特定の条件を満足する
エチレン(共)重合体を主成分とするポリエチレン系樹
脂組成物に無機充填剤を配合した樹脂組成物を用いるこ
とにより、成形加工性(ドローレゾナンス、ネックイ
ン、逐次延伸性)が良く、柔軟性、通気性、透湿性、耐
溶剤性、耐薬品性に優れ、機械的強度(引裂強度、フィ
ルムインパクト)、等の諸物性のバランスに優れたフィ
ルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の多孔
質フィルムは、(A)下記(a)〜(d)の要件を満足
するエチレン(共)重合体95〜65重量%および
(B)他のエチレン系(共)重合体5〜35重量%を含
有する樹脂成分と、該樹脂成分100重量部に対して3
0〜200重量部の(C)充填剤とを有するエチレン系
重合体組成物からなることを特徴とする。 (a)密度が0.86〜0.97g/cm3 (b)メルトフローレート(MFR)が0.1〜50g
/10min (c)分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4.5 (d)組成分布パラメーターCbが2以下 また、前記エチレン系重合体組成物は、樹脂成分100
重量部に対して0.05〜30重量部の(D)オリゴマ
ーまたはゴムを含有することが望ましい。
【0007】また、前記(A)エチレン(共)重合体
は、さらに下記(e)および(f)の要件を満足する
(A1)エチレン(共)重合体であることが望ましい。 (e)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODC
B)可溶分の量X(重量%)、密度dおよびメルトフロ
ーレート(MFR)が次の関係を満足すること (式1)d-0.008×logMFR≧0.93の場合 X<2.0 (式2)d-0.008×logMFR<0.93の場合 X<9.8×103×(0.9300−d+0.008×logMFR)2+2.0 (f)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
−溶出量曲線のピークが複数個存在すること また、さらに下記(g)の要件を満足する(A2)エチ
レン(共)重合体であることが望ましい。 (g)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
−溶出量曲線のピークが一つであり、かつこの溶出温度
−溶出量曲線の積分溶出曲線から求めた全体の25%が
溶出する温度T25と全体の75%が溶出する温度T75
の差T75−T25および密度dが、下記(式3)の関係、
および下記(式4)の関係を満足すること (式3)d<0.950g/cm3 のとき T75−T25≧−300×d+285 d≧0.950g/cm3 のとき T75−T25≧0 (式4)T75−T25≦−670×d+644
【0008】また、前記(A2)エチレン(共)重合体
は、さらに下記(h)の要件を満足することが望まし
い。 (h)融点ピークを1ないし2個有し、かつそのうち最
も高い融点Tm1と密度dが、下記(式5)の関係を満足
すること (式5)Tm1≧150×d−17 また、前記(A2)エチレン(共)重合体は、さらに下
記(i)の要件を満足することが望ましい。 (i)メルトテンション(MT)とメルトフローレート
(MFR)が、下記(式6)の関係を満足すること (式6)logMT≦−0.572×logMFR+
0.3 また、前記(A)エチレン(共)重合体の(d)組成分
布パラメーターCbは、1.10〜2.00であること
が望ましい。
【0009】また、前記(A)エチレン(共)重合体
は、少なくとも共役二重結合を持つ有機環状化合物と周
期律表第IV族の遷移金属化合物を含む触媒の存在下に、
エチレンまたはエチレンとα−オレフィンとを重合させ
て得られるエチレン(共)重合体であることが望まし
い。また、前記(B)他のエチレン系(共)重合体は、
高圧ラジカル法低密度ポリエチレンであることが望まし
い。また、前記高圧ラジカル法低密度ポリエチレンのM
Z平均分子量は、40万〜90万であることが望まし
い。
【0010】また、前記(C)充填剤は、高級脂肪酸処
理した炭酸カルシウムであることが望ましい。また、前
記(D)オリゴマーまたはゴムは、ポリイソブチレンで
あることが望ましい。また、前記エチレン系重合体組成
物の溶融張力は、1.5〜10gの範囲であることが望
ましい。また、前記エチレン系重合体組成物は、前記樹
脂成分100重量部に対して、さらに目ヤニ防止剤0.
05〜1重量部と、分散剤0.05〜0.5重量部とを
有することが望ましい。
【0011】また、本発明の多孔質フィルムの製法は、
(A)下記(a)〜(d)の要件を満足するエチレン
(共)重合体95〜65重量%および(B)他のエチレ
ン系(共)重合体5〜35重量%を含有する樹脂成分
と、該樹脂成分100重量部に対して30〜200重量
部の(C)充填剤とを有するエチレン系重合体組成物を
溶融成形してフィルムまたはシートとし、このフィルム
またはシートを50〜110℃の温度で延伸倍率1.0
5〜3倍に延伸処理することを特徴とする。 (a)密度が0.86〜0.96g/cm3 (b)メルトフローレート(MFR)が0.1〜50g
/10min (c)分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4.5 (d)組成分布パラメーターCbが2以下 また、前記エチレン系重合体組成物は、該樹脂成分10
0重量部に対して0.05〜30重量部の(D)オリゴ
マーまたはゴムを含有することが望ましい。また、本発
明の多孔質フィルムの製法は、前記エチレン系重合体組
成物を溶融成形して得たフィルムまたはシートを、第1
工程において45〜60℃のアニール温度で2.0倍未
満に延伸し、第2工程において80〜110℃の温度で
さらに2倍以上に延伸することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる特定の(A)エチレン(共)重合体
とは、エチレン単独重合体またはエチレンと炭素数3〜
20のα−オレフィンより選ばれた一種以上との共重合
体である。この炭素数3〜20のα−オレフィンとして
は、好ましくは炭素数3〜12のものであり、具体的に
はプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ド
デセンなどが挙げられる。また、これらのα−オレフィ
ンの含有量は、合計で通常30モル%以下、好ましくは
20モル%の範囲で選択されることが望ましい。
【0013】本発明に係る(A)エチレン(共)重合体
の(a)密度は、0.86〜0.97g/cm3 、好ま
しくは0.89〜0.94g/cm3 、より好ましくは
0.90〜0.93g/cm3 の範囲である。密度がこ
の範囲にあると、無機充填剤の受容性に優れ、多量に配
合しても強度の低下が小さい。密度が0.86g/cm
3 未満では、引裂強度、透湿性が悪化し、0.97g/
cm3 を超えると、延伸むらが生じたり、柔軟性が損な
われる虞が生じる。
【0014】本発明に係る(A)エチレン(共)重合体
の(b)MFRは0.1〜50g/10min、好まし
くは0.3〜30g/10min、さらに好ましくは
0.5〜20g/10minの範囲である。MFRが
0.1g/10min未満では、成形加工性が劣り、5
0g/10minを超えると耐衝撃性、機械的強度など
が低下する。
【0015】本発明に係る(A)エチレン(共)重合体
の(c)分子量分布Mw/Mnは1.5〜4.5であ
り、好ましくは2.0〜4.0、さらに好ましくは2.
3〜3.5の範囲である。Mw/Mnが1.5未満で
は、成形加工性が劣り、3.5を超えると、耐衝撃性が
劣る。ここで、分子量分布Mw/Mnは、ゲルパーミエ
イションクロマトグラフィー(GPC)により重量平均
分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を求め、この比
Mw/Mnを求めることにより算出される。
【0016】本発明に係る(A)エチレン(共)重合体
の(d)組成分布パラメーターCbは2以下、好ましく
は1.10〜2.00であり、より好ましくは1.12
〜1.70、さらに好ましくは 1.15〜1.50の
範囲である。組成分布パラメーターCbが2を超える
と、ブロッキングしやすく、引裂強度、機械的強度等が
低下する虞を生じる。
【0017】ここで、組成分布パラメーターCbの測定
法は下記の通りである。すなわち、酸化防止剤を加えた
オルソジクロルベンゼン(ODCB)に試料濃度が0.
2重量%となるように135℃で加熱溶解する。この溶
液を、けい藻土(セライト545)を充填したカラムに
移送し、0.1℃/minの速度で25℃まで冷却し、
試料をセライト表面に沈着させる。次に、このカラムに
ODCBを一定流量で流しながら、カラム温度を5℃き
ざみに120℃まで段階的に昇温し、試料を溶出させ、
分別する。溶出液にメタノールを混合し、試料を再沈
後、ろ過、乾燥し、各溶出温度におけるフラクション試
料を得る。各温度における溶出試料の重量分率およびそ
の分岐度(炭素数1000個あたりの分岐数)を13C−
NMRにより測定する。
【0018】30℃から90℃のフラクションについて
は、次のような分岐度の補正を行う。すなわち、溶出温
度に対して測定した分岐度をプロットし、相関関係を最
小自乗法で直線に近似し、検量線を作成する。この近似
の相関係数は十分大きい。この検量線により求めた値を
各フラクションの分岐度とする。なお、溶出温度95℃
以上の成分については溶出温度と分岐度に必ずしも直線
関係が成立しないのでこの補正は行わず実測値を用い
る。
【0019】次に、それぞれのフラクションの重量分率
i を、溶出温度5℃当たりの分岐度bi の変化量(b
i−bi-1)で割って相対濃度ci を求め、分岐度に対し
て相対濃度をプロットし、組成分布曲線を得る。この組
成分布曲線を一定の幅で分割し、次式より組成分布パラ
メーターCbを算出する。 Cb=(Σcj・bj 2/Σcj・bj)÷(Σcj・bj/Σc
j) ここで、cj とbj はそれぞれj番目の区分の相対濃度
と分岐度である。組成分布パラメーターCbは試料の組
成が均一である場合に1.0となり、組成分布が広がる
に従って値が大きくなる。
【0020】本発明に係る(A)エチレン(共)重合体
は、好ましくはさらに下記(e)および(f)の要件を
満足する(A1)エチレン(共)重合体であることが望
ましい。 (e)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODC
B)可溶分の量X(重量%)、密度dおよびメルトフロ
ーレート(MFR)が次の関係を満足すること (式1)d-0.008×logMFR≧0.93の場合 X<2.0 (式2)d-0.008×logMFR<0.93の場合 X<9.8×103×(0.9300−d+0.008×logMFR)2+2.0 (f)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
−溶出量曲線のピークが複数個存在すること
【0021】該(e)25℃におけるODCB可溶分の
量X(重量%)、密度dおよびMFRの関係は、dおよ
びMFRの値がd-0.008logMFR≧0.93を満たす場合は、
Xは2重量%未満、好ましくは1重量%未満、さらに好
ましくは0.5重量%未満である。一方、d-0.008logMF
R<0.93の場合は、X<9.8×103×(0.9300−d+0.008lo
gMFR)2+2.0であり、好ましくは、X<7.4×103×(0.93
00−d+0.008logMFR)2+1.0であり、さらに好ましく
は、X<5.6×103×(0.9300−d+0.008logMFR)2+0.5で
ある。
【0022】該25℃におけるODCB可溶分は、エチ
レン(共)重合体に含まれる高分岐度成分および低分子
量成分であり、耐熱性の低下や成形体表面のベタつきの
原因となり、衛生性の問題や成形品内面のブロッキング
の原因となるため、この含有量は少ないことが望まし
い。ODCB可溶分の量は、共重合体全体のα−オレフ
ィンの含有量および分子量、すなわち密度とMFRに影
響される。従ってこれらの指標である密度、MFRおよ
びODCB可溶分の量が上記の関係を満たすことは、共
重合体全体に含まれるα−オレフィンの偏在が少ないこ
とを示す。
【0023】25℃におけるODCB可溶分の量は、下
記の方法により測定する。試料0.5gを20mlのO
DCBにて135℃で2時間加熱し、試料を完全に溶解
した後、25℃まで冷却する。この溶液を25℃で一晩
放置後、テフロン(登録商標)製フィルターでろ過して
ろ液を採取する。このろ液のメチレンの非対称伸縮振動
の波数2925cm-1付近の吸収ピーク面積を求め、あ
らかじめ作成した検量線により試料濃度を算出する。こ
の値より、25℃におけるODCB可溶分を求める。
【0024】(f)連続昇温溶出分別法(TREF)に
より求めた溶出温度−溶出量曲線において、ピークが複
数個存在することである。また、さらに85℃から10
0℃の間にピークが存在することが特に好ましい。この
ピークが存在することにより、成形体の耐熱性が向上す
る。本発明に係る(A1)エチレン(共)重合体の溶出
温度−溶出量曲線を図1に示し、いわゆる市販されてい
るメタロセン触媒によるエチレン共重合体の溶出温度−
溶出量曲線を図2に示す。
【0025】TREFの測定方法は下記の通りである。
まず、試料を酸化防止剤(例えば、ブチルヒドロキシト
ルエン)を加えたODCBに試料濃度0.05重量%と
なるように135℃で加熱溶解する。この試料溶液5m
lを、ガラスビーズを充填したカラムに注入し、4℃/
hrの冷却速度で25℃まで冷却し、試料をガラスビー
ズ表面に沈着させる。次に、このカラムにODCBを一
定流量で流しながら、カラム温度を5℃/分の一定速度
で昇温しながら、試料を順次溶出させる。この際、溶剤
中に溶出する試料の濃度は、メチレンの非対称伸縮振動
の波数2925cm-1に対する吸収を赤外検出機で連続
的に検出される。この値から、溶液中のエチレン・α−
オレフィン共重合体の濃度を定量分析し、溶出温度と溶
出速度の関係を求める。TREF分析は極少量の試料
で、温度変化に対する溶出速度の変化を連続的に分析出
来るため、分別法では検出できない比較的細かいピーク
の検出が可能である。
【0026】本発明に係る(A)エチレン(共)重合体
は、好ましくはさらに下記(g)の要件を満足する(A
2)エチレン(共)重合体であることが望ましい。本発
明に係る(A2)エチレン(共)重合体は、図3に示す
ように、(g)連続昇温溶出分別法(TREF)による
溶出温度−溶出量曲線のピークが一つであり、かつこの
溶出温度−溶出量曲線の積分溶出曲線から求めた全体の
25%が溶出する温度T25と全体の75%が溶出する温
度T75との差T75−T25および密度dが、下記(式3)
の関係、および下記(式4)の関係を満足するものであ
る。 (式3)d<0.950g/cm3 のとき T75−T25≧−300×d+285 d≧0.950g/cm3 のとき T75−T25≧0 (式4)T75−T25≦−670×d+644 T75−T25と密度dが上記(式3)の関係を満足しない
場合には、ヒートシール強度と耐熱性が劣ることにな
り、上記(式4)の関係を満足しない場合には、低温ヒ
ートシール性が劣るものとなる。
【0027】また、本発明に係る(A2)エチレン
(共)重合体は、(h)融点ピークを1ないし2個有
し、かつそのうち最も高い融点Tm1と密度dが、下記
(式5)の関係を満足することが好ましい。 (式5) Tm1≧150×d−17 融点Tm1と密度dが上記(式5)の関係を満足しない
と、耐熱性が劣るものとなる。
【0028】また、(A2)エチレン(共)重合体の中
でも、さらに下記(i)の要件を満足するエチレン
(共)重合体が好適である。 (i)メルトテンション(MT)とメルトフローレート
(MFR)が、下記(式6)の関係を満足すること (式6) logMT≦−0.572×logMFR+
0.3 MTとMFRが上記(式6)の関係を満足することによ
り、フィルム成形等の成形加工性が良好なものとなる。
【0029】本発明に係る(A2)エチレン(共)重合
体は、エチレン単独重合体またはエチレンと炭素数4〜
12のα−オレフィン共重合体であって、炭素数が好ま
しくは5〜10のα−オレフィンであり、具体的には1
−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどが挙
げられる。また、これらのα−オレフィンの含有量は、
合計で通常30モル%以下、好ましくは3〜20モル%
以下の範囲で選択されることが望ましい。ここで、(A
2)エチレン(共)重合体は、図3に示されるように、
TREFピークが1つであるものの、従来の典型的なメ
タロセン系触媒によるエチレン共重合体は上記(式4)
を満足せず、従来の典型的なメタロセン系触媒によるエ
チレン共重合体とは区別されるものである。
【0030】本発明に係る(A)エチレン(共)重合体
は、前記パラメータを満足すれば触媒、製造方法等、特
に限定されるものではないが、少なくとも共役二重結合
を持つ有機環状化合物と周期律表第IV族の遷移金属化合
物を含む触媒の存在下に、エチレンを重合、またはエチ
レンとα−オレフィンとを共重合させて得られる直鎖状
のエチレン(共)重合体であることが望ましい。このよ
うな直鎖状のエチレン(共)重合体は、分子量分布およ
び組成分布が狭いため、機械的強度に優れ、また、ヒー
トシール性、耐熱ブロッキング性等にも優れ、しかも耐
熱性のよい共重合体である。
【0031】本発明に係る(A)エチレン(共)重合体
は、以下のC1〜C5からなる触媒を用いて得られる共
重合体であることがさらに好ましい。この触媒で得られ
るエチレン・α−オレフイン共重合体は、特に機械的強
度(引裂強度)に優れる。 C1:一般式Me11 p(OR2q1 4-p-qで表される
化合物(式中Me1はジルコニウム、チタン、ハフニウ
ムを示し、R1およびR2はそれぞれ炭素数1〜24の炭
化水素基、X1 はハロゲン原子を示し、pおよびqはそ
れぞれ0≦p<4、0≦p+q≦4の範囲を満たすを整
数である)、 C2:一般式Me23 m(OR4n2 z-m-nで表される
化合物(式中Me2は周期律表第I〜III族元素、R3
よびR4はそれぞれ炭素数1〜24の炭化水素基、X2
ハロゲン原子または水素原子(ただし、X2が水素原子
の場合はMe2は周期律表第III族元素の場合に限る)を
示し、zはMe2の価数を示し、mおよびnはそれぞれ
0≦m≦z、0≦n≦zの範囲を満たす整数であり、か
つ、0≦m+n≦zである)、 C3:共役二重結合を持つ有機環状化合物、 C4:有機アルミニウム化合物と水との反応によって得
られるAl−O−Al結合を含む変性有機アルミニウム
化合物および/または硼素化合物、 C5:無機担体および/または粒子状ポリマー担体を相
互に接触させて得られる触媒。
【0032】以下、さらに詳説する。上記触媒成分C1
の一般式Me11 p(OR2q1 4-p-qで表される化合
物の式中、Me1 はジルコニウム、チタン、ハフニウム
を示し、これらの遷移金属の種類は限定されるものでは
なく、複数を用いることもできるが、共重合体の耐候性
の優れるジルコニウムが含まれることが特に好ましい。
1およびR2はそれぞれ炭素数1〜24の炭化水素基
で、好ましくは炭素数1〜12、さらに好ましくは1〜
8である。具体的にはメチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基などのアルキル基;ビニ
ル基、アリル基などのアルケニル基;フェニル基、トリ
ル基、キシリル基、メシチル基、インデニル基、ナフチ
ル基などのアリール基;ベンジル基、トリチル基、フェ
ネチル基、スチリル基、ベンズヒドリル基、フェニルブ
チル基、ネオフイル基などのアラルキル基などが挙げら
れる。これらは分岐があってもよい。X1 はフッ素、ヨ
ウ素、塩素および臭素などのハロゲン原子を示す。pお
よびqはそれぞれ、0≦p<4、0≦p+q≦4の範囲
を満たすを整数である。
【0033】上記触媒成分C1の一般式で示される化合
物の例としては、テトラメチルジルコニウム、テトラエ
チルジルコニウム、テトラベンジルジルコニウム、テト
ラプロポキシジルコニウム、トリプロポキシモノクロロ
ジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム、テトラブ
トキシチタン、テトラブトキシハフニウムなどが挙げら
れ、特にテトラプロポキシジルコニウム、テトラブトキ
シジルコニウムなどのZr(OR)4 化合物が好まし
く、これらを2種以上混合して用いても差し支えない。
【0034】上記触媒成分C2の一般式Me23 m(O
4n2 z-m-nで表される化合物の式中Me2 は周期律
表第I〜III族元素を示し、リチウム、ナトリウム、カ
リウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、ホウ素、ア
ルミニウムなどである。R3およびR4 はそれぞれ炭素
数1〜24の炭化水素基、好ましくは炭素数1〜12、
さらに 好ましくは1〜8であり、具体的にはメチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基
などのアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニ
ル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル
基、インデニル基、ナフチル基などのアリール基;ベン
ジル基、トリチル基、フェネチル基、スチリル基、ベン
ズヒドリル基、フェニルブチル基、ネオフイル基などの
アラルキル基などが挙げられる。これらは分岐があって
もよい。X2 はフッ素、ヨウ素、塩素および臭素などの
ハロゲン原子または水素原子を示すものである。ただ
し、X2が水素原子の場合はMe2はホウ素、アルミニウ
ムなどに例示される周期律表第III族元素の場合に限る
ものである。また、zはMe2 の価数を示し、mおよび
nはそれぞれ、0≦m≦z、0≦n≦zの範囲を満たす
整数であり、かつ、0≦m+n≦zである。
【0035】上記触媒成分C2の一般式で示される化合
物の例としては、メチルリチウム、エチルリチウムなど
の有機リチウム化合物;ジメチルマグネシウム、ジエチ
ルマグネシウム、メチルマグネシウムクロライド、エチ
ルマグネシウムクロライドなどの有機マグネシウム化合
物;ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛などの有機亜鉛化合
物;トリメチルボロン、トリエチルボロンなどの有機ボ
ロン化合物;トリメチルアルミニウム、トリエチルアル
ミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシル
アルミニウム、トリデシルアルミニウム、ジエチルアル
ミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライ
ド、エチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルア
ルミニウムエトキサイド、ジエチルアルミニウムハイド
ライドなどの有機アルミニウム化合物等の誘導体が挙げ
られる。
【0036】上記触媒成分C3の共役二重結合を持つ有
機環状化合物には、環状で共役二重結合を2個以上、好
ましくは2〜4個、さらに好ましくは2〜3個有する環
を1個または2個以上もち、全炭素数が4〜24、好ま
しくは4〜12である環状炭化水素化合物;前記環状炭
化水素化合物が部分的に1〜6個の炭化水素残基(典型
的には、炭素数1〜12のアルキル基またはアラルキル
基)で置換された環状炭化水素化合物;共役二重結合を
2個以上、好ましくは2〜4個、さらに好ましくは2〜
3個有する環を1個または2個以上もち、全炭素数が4
〜24、好ましくは4〜12である環状炭化水素基を有
する有機ケイ素化合物;前記環状炭化水素基が部分的に
1〜6個の炭化水素残基またはアルカリ金属塩(ナトリ
ウムまたはリチウム塩)で置換された有機ケイ素化合物
が含まれる。特に好ましくは分子中のいずれかにシクロ
ペンタジエン構造をもつものが望ましい。
【0037】上記の好適な化合物としては、シクロペン
タジエン、インデン、アズレンまたはこれらのアルキ
ル、アリール、アラルキル、アルコキシまたはアリール
オキシ誘導体などが挙げられる。また、これらの化合物
がアルキレン基(その炭素数は通常2〜8、好ましくは
2〜3)を介して結合(架橋)した化合物も好適に用い
られる。
【0038】環状炭化水素基を有する有機ケイ素化合物
は、下記一般式で表示することができる。 ALSiR4-L ここで、Aはシクロペンタジエニル基、置換シクロペン
タジエニル基、インデニル基、置換インデニル基で例示
される前記環状水素基を示し、Rはメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのアル
キル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブト
キシ基などのアルコキシ基;フェニル基などのアリール
基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジル基
などのアラルキル基で示され、炭素数1〜24、好まし
くは1〜12の炭化水素残基または水素を示し、Lは1
≦L≦4、好ましくは1≦L≦3である。
【0039】上記成分C3の有機環状炭化水素化合物の
具体例としては、シクロペンタジエン、メチルシクロペ
ンタジエン、エチルシクロペンタジエン、1,3−ジメ
チルシクロペンタジエン、インデン、4−メチル−1−
インデン、4,7−ジメチルインデン、ブチルシクロヘ
プタジエン、1−メチル−3−プロピルシクロペンタジ
エンとインデン、1−メチル−3−ブチルシクロペンタ
ジエンとインデン、プロピルシクロペンタジエン、1−
メチル−3−エチルシクロペンタジエン、1,2,4−
トリメチルシクロペンタジエンシクロヘプタトリエン、
メチルシクロヘプタトリエン、シクロオクタテトラエ
ン、アズレン、フルオレン、メチルフルオレンのような
炭素数5〜24のシクロポリエンまたは置換シクロポリ
エン、モノシクロペンタジエニルシラン、ビスシクロペ
ンタジエニルシラン、トリスシクロペンタジエニルシラ
ン、モノインデニルシラン、ビスインデニルシラン、ト
リスインデニルシラン、メチルシクロペンタジエントリ
メチルシランなどが挙げられる。
【0040】本発明においては、C4:有機アルミニウ
ム化合物と水との反応によって得られるAl−O−Al
結合を含む変性有機アルミニウム化合物および/または
硼素化合物が使用される。該有機アルミニウム化合物と
水との反応によって得られるAl−O−Al結合を含む
変性有機アルミニウム化合物の具体例としては、アルキ
ルアルミニウム化合物と水とを反応させることにより得
られる、通常アルミノキサンと称される変性有機アルミ
ニウムオキシ化合物が挙げられる。この変性有機アルミ
ニウムオキシ化合物としては、分子中に通常1〜100
個、好ましくは1〜50個のAl−O−Al結合を含有
するものが挙げられる。また、変性有機アルミニウム化
合物は線状でも環状でもいずれでもよい。
【0041】有機アルミニウムと水との反応は通常不活
性炭化水素中で行われる。該不活性炭化水素としては、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の脂肪族、脂環族、芳香族
炭化水素が好ましい。水と有機アルミニウム化合物との
反応比(水/Alモル比)は通常0.25/1〜1.2
/1、好ましくは0.5/1〜1/1であることが望ま
しい。また、硼素化合物としては、 デカボラン、ジカ
ルバノナボラン、Ag[CB1 112]、Ph3C[C2
912]、Ph3C[Co(C2912)2]、Ph3[CB
1112]、Ph(CH2)2NH[C2912]、Ph(C
2)2NH[CB1112]、Ph(CH2)2NH[Co(C
2911) 2]、等が挙げられる。好ましい例として
は、N,N’−ジメチルアニリウムテトラ(ペンタフロ
オロフェニル)ボレート、トリチルテトラキスペンタフ
ルオロボレート、フェロセニウムテトラキスペンタフル
オロボレート、トリスペンタフルオロボラン等から選択
される少なくとも1種の硼素化合物が挙げられる。
【0042】触媒成分C5の無機物担体および/または
粒子状ポリマー担体とは、炭素質物、金属、金属酸化
物、金属塩化物、金属炭酸塩またはこれらの混合物ある
いは熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。該無
機物担体に用いることができる好適な金属としては、
鉄、アルミニウム、ニッケルなどが挙げられる。具体的
には、SiO2、Al23、MgO、ZrO2、Ti
2、B23、CaO、ZnO、BaO、ThO2等また
はこれらの混合物が挙げられ、SiO2−Al23、S
iO2−V25、SiO2−TiO2、SiO 2−V25
SiO2−MgO、SiO2−Cr23等が挙げられる。
これらの中でもSiO2およびAl23からなる群から
選択された少なくとも1種の成分を主成分とするものが
好ましい。
【0043】また、有機化合物としては、熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂のいずれも使用でき、具体的には、粒
子状のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポ
リ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリス
チレン、ポリノルボルネン、各種天然高分子およびこれ
らの混合物等が挙げられる。
【0044】上記無機物担体および/または粒子状ポリ
マー担体は、このまま使用することもできるが、好まし
くは予備処理としてこれらの担体を有機アルミニウム化
合物やAl−O−Al結合を含む変性有機アルミニウム
オキシ化合物などに接触処理させた後に成分C5として
用いることもできる。
【0045】本発明に係る(A)エチレン(共)重合体
は、気相法、スラリー法、溶液法等で製造され、一段重
合法、多段重合法など特に限定されるものではない。本
発明に係る(A)エチレン(共)重合体は、上述の触媒
成分の中に塩素等のハロゲンを含まない触媒を使用して
製造することにより、ハロゲン濃度としては多くとも1
0ppm以下、好ましくは5ppm以下、さらに好まし
くは実質的に含まない(ND:2ppm以下)ものとす
ることが可能である。このような塩素等のハロゲンフリ
ーのエチレン(共)重合体を用いることにより、従来の
ようなハロゲン中和剤を使用する必要がなくなり、化学
的安定性、衛生性が優れ、特に食品用包装材料等の分野
において好適に活用される成形体を提供することができ
る。
【0046】本発明に係る(B)他のエチレン系(共)
重合体としては、チーグラー型触媒等を用いる高・中・
低圧法およびその他の公知の方法によるエチレンと炭素
数3〜12のα−オレフィンとの共重合体、および高圧
ラジカル重合法によるエチレン系(共)重合体などが挙
げられる。
【0047】チーグラー型触媒等を用いる高・中・低圧
法およびその他の公知の方法によるエチレンと炭素数3
〜12のα−オレフィンとの共重合体とは、密度が0.
91〜0.94g/cm3 の線状低密度ポリエチレン
(以下LLDPEと称す)、密度が0.86〜0.91
g/cm3 の超低密度ポリエチレン(以下VLDPEと
称す)、密度が0.86〜0.91g/cm3 のエチレ
ン・プロピレン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・
ジエン共重合体ゴム等のエチレン・α−オレフィン共重
合体ゴムを包含する。
【0048】上記チーグラー型触媒によるLLDPEと
は、密度が0.91〜0.94g/cm3 、好ましくは
0.91〜0.93g/cm3 の範囲のエチレン・α−
オレフィン共重合体であり、α−オレフィンは、炭素数
3〜20、好ましくは炭素数4〜12の範囲のものであ
り、具体的にはプロピレン、1−ブテン、4−メチル−
1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げら
れる。
【0049】また、上記チーグラー型触媒によるVLD
PEとは、密度が0.86〜0.91g/cm3 、好ま
しくは0.88〜0.905g/cm3 の範囲のエチレ
ン・α−オレフィン共重合体であり、LLDPEとエチ
レン・α−オレフィン共重合体ゴム(EPR、EPD
M)の中間の性状を示すポリエチレンである。
【0050】また、上記エチレン・α−オレフィン共重
合体ゴムとは、密度が0.86〜0.91g/cm3
満のエチレン・プロピレン共重合体ゴム、エチレン・プ
ロピレン・ジエン共重合体ゴム等が挙げられ、該エチレ
ン・プロピレン系ゴムとしては、エチレンおよびプロピ
レンを主成分とするランダム共重合体(EPM)、およ
び第3成分としてジエンモノマー(ジシクロペンタジエ
ン、エチリデンノルボルネン等)を加えたものを主成分
とするランダム共重合体(EPDM)が挙げられる。
【0051】前記高圧ラジカル重合法によるエチレン系
(共)重合体とは、高圧ラジカル重合法によるエチレン
単独重合体(低密度ポリエチレン)、エチレン・ビニル
エステル共重合体およびエチレンとα,β−不飽和カル
ボン酸またはその誘導体との共重合体等が挙げられる。
【0052】上記低密度ポリエチレンは公知の高圧ラジ
カル重合法により製造され、チューブラー法、オートク
レーブ法のいずれでもよい。
【0053】また、上記エチレン・ビニルエステル共重
合体とは、高圧ラジカル重合法で製造され、エチレンを
主成分とし、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、カプロ
ン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ス
テアリン酸ビニル、トリフルオル酢酸ビニルなどのビニ
ルエステル単量体との共重合体である。これらの中でも
特に好ましいものとしては、酢酸ビニルを挙げることが
できる。エチレン50〜99.5重量%、ビニルエステ
ル0.5〜50重量%、他の共重合可能な不飽和単量体
0〜49.5重量%からなる共重合体が好ましい。さら
にビニルエステル含有量は3〜20重量%、特に好まし
くは5〜15重量%の範囲で選択される。
【0054】また、上記エチレンとα,β−不飽和カル
ボン酸またはその誘導体との共重合体の代表的な共重合
体としては、エチレン・(メタ)アクリル酸またはその
アルキルエステル共重合体が挙げられ、これらのコモノ
マーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸
メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタ
クリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プ
ロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソプ
ロピル、アクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸−n−
ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シク
ロヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリ
ル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、
アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等を挙
げることができる。この中でも特に好ましいものとして
(メタ)アクリル酸のメチル、エチル等のアルキルエス
テルを挙げることができる。特に(メタ)アクリル酸エ
ステル含有量は3〜20重量%、好ましくは5〜15重
量%の範囲である。
【0055】以上の(B)他のエチレン系(共)重合体
の中でも、高圧ラジカル法低密度ポリエチレンが、成形
加工性に優れることから最も好ましい。また、高圧ラジ
カル法低密度ポリエチレンのMZ平均分子量は、40万
〜90万であることが好ましい。MZが40万未満で
は、溶融張力が低く、成形加工性が悪化する。また、9
0万を超えると、押出機のトルクが上昇する。ここで、
MZ平均分子量とは、Z平均分子量を意味する。
【0056】本発明に係る(C)充填剤には、無機系の
ものと有機系のものがある。無機系の充填剤としては、
炭酸カルシウム(以下「炭カル」という)、タルク、シ
リカ、クレー、カリオン、アルミナ、水酸化アルミニウ
ム、マグネシア、水酸化マグネシウム、硫酸カルシウ
ム、亜硫酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸アルミニウ
ム、珪酸カルシウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、
炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、酸化カルシウム、酸
化チタン、酸化亜鉛、マイカ、ガラスフレーク、ゼオラ
イト、珪藻土、パーライト、パーミキュライト、シラス
バルーン、ガラスマイクロフェアー、フライアッシュ、
ガラスビーズなどが挙げられる。
【0057】有機充填剤としては、ポリメチルメタクリ
レート架橋物、ポリエチレンテレフタレート架橋物、フ
ェノール樹脂その他の合成樹脂の粉末および微小ビー
ズ、木粉、パルプ粉等が挙げられる。これら充填剤のう
ち好ましいものは、炭カル、タルク、シリカ、硫酸バリ
ウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどで
あり、特に、汎用で、安価である炭カルが好ましい。ま
た、これら充填剤は2種類以上組み合わせて用いても良
い。(C)充填剤の平均粒径は、20μ以下、好ましく
は10μ以下、さらに好ましくは5μ以下である。粒径
が大きいと延伸切れを起こしやすく、また、得られたフ
ィルムの孔径が大きくなり多孔質膜としての機能が劣っ
たものとなる。
【0058】本発明に係る(D)オリゴマーまたはゴム
は、多孔質フィルムの成形時の加工性を改良し、また、
多孔質フィルムへ柔軟性を付与するものである。(D)
オリゴマーまたはゴムとしては、例えば、ポリブテン、
ポリイソブチレン、1,2−ポリブタジエン、1,4−
ポリブタジエン等のブタジエンオリゴマーまたはブタジ
エン系ゴム、イソプレンゴム、エチレンープロピレン共
重合体ゴム、エチレンープロピレンージエン共重合体ゴ
ム、エチレンーαーオレフイン共重合体ゴム等のオレフ
ィン系ゴム等が挙げられる。中でも、成形時の加工性の
改良効果および柔軟性の付与効果に優れることから、ポ
リイソブチレンが好適である。これらオリゴマーの粘度
平均分子量は、一般的には1万〜約15万の範囲であ
り、好ましくは3万〜約15万の範囲である。ゴムの粘
度平均分子量の範囲は、15万〜100万の範囲であ
り、15万〜30万位の範囲で選択されることが望まし
い。粘度平均分子量が1万未満では、ブリードアウトし
てベタつく虞が生じる。また、平均分子量が高い場合に
は、改良効果が発揮されず、成形加工性が悪化する虞が
ある。
【0059】本発明に係るエチレン系重合体組成物は、
(A)エチレン(共)重合体95〜65重量%、好まし
くは85〜75重量%および(B)他のエチレン系
(共)重合体5〜35重量%、好ましくは15〜25重
量%を含有する樹脂成分と、該樹脂成分100重量部に
対して30〜200重量部の(C)充填剤とを有するも
のである。また、(D)オリゴマーまたはゴムを、樹脂
成分100重量部に対して0.05〜30重量部の範囲
で配合することができる。本発明に係るエチレン系重合
体組成物において、(A)エチレン(共)重合体が65
重量%未満では、機械的強度(引裂強度)不足となり、
95重量%を超えると、フィルム加工性が低下する。本
発明に係るエチレン系重合体組成物において、(B)他
のエチレン系(共)重合体が5重量%未満では、溶融張
力不足となり、35重量%を超えると、押出機のトルク
が上昇する。
【0060】本発明に係るエチレン系重合体組成物にお
いて、(C)充填剤の配合比は樹脂成分100重量部に
対して30〜200重量部、好ましくは50〜150重
量部、さらに好ましくは70〜120重量部である。
(C)充填剤が200重量部を超えるとフィルム成形不
良となり、30重量部未満では通気性、透湿性が不十分
なフィルムとなる。
【0061】通気性、透湿性の点では一般に充填剤添加
量の多い方が好ましい。しかし、充填剤量を増大させる
につれ、一般的にはフィルムの強度が低下し、延伸性な
どの成形加工性が低下する傾向にある。したがって、フ
ィルムに用いるポリマーとしては高充填が可能で、かつ
フィルム強度の低下が少ないものが好ましい。この点に
おいて、本発明に係るエチレン系重合体組成物は、他の
ポリマーに比べてこれらの特性が優れており、本発明に
好適に使用される所以である。
【0062】樹脂成分に充填剤を配合するときは、分散
性を良くするために充填剤の表面をあらかじめ処理して
おくことが好ましい。表面処理剤としては、脂肪酸およ
びその金属塩、あるいは酸アミド、樹脂酸、チタネート
系カップリング剤、ワックス、オイルなどが挙げられ
る。これらの中でも、高級脂肪酸によって表面処理され
た炭酸カルシウムが、分散性の点で好ましい。
【0063】また、本発明に係るエチレン系重合体組成
物において、(D)オリゴマーまたはゴムの配合比は樹
脂成分100重量部に対して、0.05〜30重量部、
好ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは0.
3〜7重量部である。(D)オリゴマーまたはゴムが3
0重量部を超えると、通気度不足となるおそれがある。
一方、0.05重量部未満では、多孔質フィルムの成形
時の加工性の改良が不十分となる。また、多孔質フィル
ムへの柔軟性等の付与が不十分となる。また、本発明に
係るエチレン系重合体組成物には、前記樹脂成分100
重量部に対して、目ヤニ防止剤0.05〜1重量部、好
ましくは0.1〜0.8重量部、分散剤0.05〜0.
5重量部、好ましくは0.1〜0.4重量部を配合する
ことが、成形加工性の点で好ましい。目ヤニ防止剤とし
ては、高級脂肪酸の金属塩、ハイドロタルサイトが挙げ
られる。高級脂肪酸の金属塩の金属としては、例えば、
Li、Ca、Zn等が挙げられる。また、分散剤として
は、高級脂肪酸、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイ
ン酸等が挙げられる。
【0064】本発明に係るエチレン系重合体組成物の溶
融張力は、1.5g〜10g、好ましくは5〜10gの
範囲であることが好ましい。溶融張力が1.5g未満で
は、ドローレゾナンスが起き、延伸むらとなる。また、
溶融張力が10gを超えると、押出機のトルクが上昇す
る。
【0065】本発明の多孔質フィルムは、前記エチレン
系重合体組成物を溶融成形してフィルムとし、このフィ
ルムを延伸して製造されるものであり、シート状の多孔
質フィルムも包含するものである。フィルムの溶融成形
は、熱可塑性樹脂のフィルム成形に通常用いられている
方法で行う。すなわち、円形ダイを使用したインフレー
ション成型法、あるいはTダイを使用したTダイ成型法
などより適宜選択する。
【0066】本発明においてフィルムを溶融成形する
際、エチレン系重合体組成物をあらかじめ溶融混練して
おくことが好ましい。その方法は種々あるが、一つの例
はオープンロール、バンバリーミキサー、あるいは加圧
ニーダーで溶融混練するものである。しかし、これらは
一般にバッチ操作であり、生産性に劣るので、連続押出
機を用いる方法が好ましい。連続押出機としてはフルフ
ライトスクリューの押出機を用いてもよいが、混練が不
十分となる場合があるので、ニーディング機構を備えた
押出機や多軸押出機を用いることが望ましい。
【0067】延伸方法は一般的に大きく分けて一軸延伸
法と二軸延伸法があるが、本発明ではいずれの方法も可
能である。一軸延伸法は通常ロール延伸法などが用いら
れる。このような延伸法を用いる場合はフィルムのネッ
キング現象をなるべく抑えることが好ましく、そのため
にロール間隔を可及的に近接させたり、ピンチロールや
静電気によりフィルムの幅方向の収縮を抑えるなどの対
策をとる場合がある。また、二軸延伸法には大別して一
段式と二段式があるが、いずれの方法も用いることがで
きる。延伸の方式もテンター式やチューブラー式など種
々あるが、本発明においては特に限定されず用いること
ができる。
【0068】延伸は50℃以上110℃以下、好ましく
は60℃以上105℃以下の温度で行う。延伸温度が5
0℃未満では、延伸むらが生じて良好なフィルムが得ら
れない。また、これが110℃を超えると、延伸は良好
に行えるが、得られたフィルムの多孔性が劣ったものに
なる。一般に、ポリエチレンなどの合成樹脂の延伸温度
は、合成樹脂の融点の近辺で行われ、あまり低温で延伸
すると延伸むらが生ずる。このため、液状の化合物を添
加して延伸性を向上させているのが現状であるが、本発
明においては、上記のように低温で、かつ液状の化合物
を添加しなくとも延伸が可能であり、好ましい多孔質フ
ィルムが得られる点に大きな特徴がある。
【0069】最も好ましい延伸方法としては、第1工程
において45〜60℃のアニール温度で1.3〜2.0
倍に延伸し、第2工程において80〜110℃の温度で
2倍以上所望の最終倍率に延伸処理することが、透湿度
の点で望ましい。
【0070】延伸倍率については、多孔質フィルムに要
求される機械的物性値と通気性、透湿性のバランスによ
り適宜決定される。高い通気性を要求される用途に対し
ては5〜6倍程度の高延伸倍率で行うことが望ましい。
しかし、この場合フィルムの引裂強度がそこなわれる場
合があり、特に、一軸延伸で行うと縦裂けしやすいフィ
ルムが得られる場合があるため、通常、延伸倍率は、
1.05〜3倍の範囲で選択される。特に1.2〜3倍
程度の低倍率で行うことが好ましい。このような倍率の
場合、一般の方法では延伸むらを生ずるのに対し、本発
明では容易に延伸することができるので特性の優れたフ
ィルムを得ることができる。
【0071】得られた多孔質フィルムはそのまま使用す
ることができるが、アニーリングして後収縮を抑えるこ
ともできる。アニーリングの温度は延伸温度とエチレン
・α−オレフィン重合体の融点の間が好ましい。また、
本発明の多孔質フィルムは、透湿度が、好ましくは50
0〜10000の範囲、より好ましくは2000〜60
00の範囲であり、引裂強度が5kgf/cm以上であ
ることが好ましい。引張弾性率は1000〜2000k
gf/cm2 の範囲であることが好ましい。
【0072】本発明の多孔質フィルムには、粘着付与
剤、酸化防止剤、防曇剤、有機あるいは無機系顔料、核
剤、発泡剤、難燃剤、架橋剤などの公知の添加剤を、本
発明の目的を本質的に阻害しない範囲で添加することが
できる。
【0073】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらによって限定されるものでは
ない。
【0074】物性の測定に用いた試験方法は以下の通り
である。 (物性試験方法) [密度]JIS K6760に準拠した。 [MFR]JIS K6760に準拠した。 [DSCによるTmlの測定]厚さ0.2mmのシートを
熱プレスで成形し、シートから約5mgの試料を打ち抜
いた。この試料を230℃で10分保持後、2℃/分に
て0℃まで冷却した。その後、再び10℃/分で170
℃迄昇温し、現れた最高温ピークの頂点の温度を最高ピ
ーク温度Tmlとした。
【0075】[Mw/Mn]GPC(ウォータース社製
150C型)を用い、溶媒として135℃のODCBを
使用した。カラムは東ソーのGMHHR−H(S)を使用
した。 [TREF]カラムを140℃に保って試料を注入し、
4℃/hrで25℃まで降温し、ポリマーをガラスビー
ズ上に沈着させた後、カラムを下記条件にて昇温して各
温度で溶出したポリマー濃度を赤外検出器で検出した。 溶媒:ODCB、流速:1ml/分、昇温速度:5℃/
分、検出器:赤外分光器(波長2925cm-1)、カラ
ム:0.8cmφ×12cmL(ガラスビーズを充
填)、試料濃度:1mg/ml
【0076】[メルトテンション(MT)]溶融させた
ポリマーを一定速度で延伸したときの応力をストレイン
ゲージにて測定することにより決定した。測定試料は造
粒してペレットにしたものを用い、東洋精機製作所製M
T測定装置を使用して測定した。使用するオリフィスは
穴径2.09mmφ、長さ8mmであり、測定条件は樹
脂温度190℃、押出速度20mm/分、巻取り速度1
5m/分である。 [塩素濃度]蛍光X線法により測定し、10ppm以上
の塩素が検出された場合はこれをもって分析値とした。
10ppmを下回った場合は、ダイアインスツルメンツ
(株)製TOX−100型塩素・硫黄分析装置にて測定
し、2ppm以下についてはND(検知せず)とし、実
質的には含まれないものとした。
【0077】[溶融張力]測定温度190℃、シリンダ
ーに試料を充填した後、プランジャーを低速で降下した
時点でロードセルにかかる引張応力を測定した。 [透湿度]JIS Z 0208(カップ法)に準拠し
た。 [引裂強度]ASTM D 1922−61Tに準拠し
た。 [引張弾性率]ASTM D 882に準拠した。 [引張破壊伸び]JIS K6760に準拠した。
【0078】[成形加工性]Tダイ成形で押出された溶
融樹脂のネックインやドローレゾナンスの発生の程度で
成形加工性を判断した。 ○:適正 △:一部ドローレゾナンスが発生 ×:不適正(ネックイン、ドローレゾナンスが発生) [収縮率]フィルムのM方向に対して、幅10mm、長
さ200mmの試料を切り出した。次に、試料の中央部
に標線間距離100mmのマークを入れた。この試料を
85℃のシリコンオイルバスに30秒間入れ、取り出し
た後の標線間距離を測定し、収縮率(%)で表した。
【0079】実施例および比較例において使用した樹脂
を以下に示す。本発明のエチレン・α−オレフィン共重
合体(A1およびA2)については次の方法で製造し
た。
【0080】[(A1)エチレン(共)重合体の製造] (固体触媒の調製)窒素下で電磁誘導撹拌機付き触媒調
製器(No.1)に精製トルエンを加え、ついでジプロ
ポキシジクロロジルコニウム(Zr(OPr)2Cl2
28gおよびメチルシクロペンタジエン48gを加え、
0℃に反応系を保持しながらトリデシルアルミニウムを
45gを滴下した。滴下終了後、反応系を50℃に保持
して16時間撹拌した。この溶液をA液とした。次に、
窒素下で別の撹拌器付き触媒調製器(No.2)に精製
トルエンを加え、前記A溶液と、メチルアルミノキサン
6.4molのトルエン溶液を添加し、反応させた。こ
れをB液とした。次に、窒素下で撹拌器付き調製器(N
o.1)に精製トルエンを加え、ついで、あらかじめ4
00℃で所定時間焼成処理したシリカ(富士デビソン社
製、グレード#952、表面積300m2 /g)140
0gを加えた後、前記B溶液の全量を添加し、室温で撹
拌した。ついで、窒素ブローにて溶媒を除去して流動性
の良い固体触媒粉末を得た。これを触媒Cとする
【0081】(気相重合)連続式の流動床気相法重合装
置を用い、重合温度70℃、全圧20kgf/cm2
でエチレンと1−ヘキセンの共重合を行った。前記触媒
Cを連続的に供給して重合を行い、系内のガス組成を一
定に保つため、各ガスを連続的に供給しながら重合を行
った。
【0082】(A11:エチレン・1−ヘキセン共重合
体) (a)密度=0.913g/cm3 (b)MFR=3.5g/10min (c)分子量分布(Mw/Mn)=2.3 (d)組成分布パラメーターCb=1.24 (e)d−0.008×logMFR=0.912 ODCB可溶分(重量%)=3.0<9.8×103×(0.9300−d
+0.008logMFR)2+2.0 (f)(f)TREFピーク=2
【0083】(A12:エチレン・1−ヘキセン共重合
体) (a)密度=0.919g/cm3 (b)MFR=3.4g/10min (c)分子量分布(Mw/Mn)=2.6 (d)組成分布パラメーターCb=1.23 (e)d−0.008logMFR=0.913 ODCB可溶分(重量%)=2.8<9.8×103×(0.9300−d
+0.008logMFR)2+2.0 (f)TREFピーク=2
【0084】[(A2)エチレン(共)重合体の製造] (固体触媒の調製)電磁誘導攪拌機を備えた触媒調製装
置に、窒素下で精製したトルエン1000ml、テトラ
エトキシジルコニウム(Zr(OEt)4 )22gおよ
びインデン74gを加え、90℃に保持しながらトリプ
ロピルアルミニウム100gを100分かけて滴下し、
その後、同温度で2時間反応させた。40℃に冷却した
後、メチルアルモキサンのトルエン溶液(濃度2.5m
mol/ml)を3200ml添加し2時間撹拌した。
次に、あらかじめ450℃で5時間焼成処理したシリカ
(グレース社製、#952、表面積300m2 /g)2
000gを加え、室温で1時間攪拌の後、40℃で窒素
ブローおよび減圧乾燥を行い、流動性のよい固体触媒を
得た。
【0085】(気相重合)連続式の流動床気相重合装置
を用い、重合温度80℃、全圧20kgf/cm2Gでエ
チレンと1−ヘキセンの共重合を行った。前記固体触媒
を連続的に供給し、エチレン、1−ヘキセンおよび水素
を所定のモル比に保つように供給して重合を行い、種々
のエチレン共重合体を得た。
【0086】(A2:エチレン・1−ヘキセン共重合
体) (a)密度=0.925g/cm3 (b)MFR=2.1g/10min (c)分子量分布(Mw/Mn)=2.6 (d)組成分布パラメーターCb=1.21 (g)T75−T25(℃)=13.2 (-300×d+285=7.
5) (h)TREFピーク=1つ、Tml(℃)=124 (150
×d−17=121.8) (i)MT(g)=0.8 (j)塩素濃度(ppm)=ND(none detect)
【0087】 [(B)他のエチレン系(共)重合体] 1)高圧ラジカル法低密度ポリエチレン(LDPE(1)) 密度=0.920g/cm3 、MFR=0.5g/10min MZ=80万 2)高圧ラジカル法低密度ポリエチレン(LDPE(2)) 密度=0.924g/cm3 、MFR=2.0g/10min MZ=10万 3)チーグラー系エチレン・1−ブテン共重合体(LLDPE) 密度=0.930g/cm3 、MFR=2.0g/10min 4)チーグラー系エチレン・1−ブテン共重合体(VLDPE) 密度=0.900g/cm3 、MFR=1.0g/10min 5)高密度ポリエチレン(HDPE) 密度=0.951g/cm3 、MFR=1.1g/10min 6)エチレン・プロピレン共重合体ゴム(EPR) 銘柄:EP07P JSR株式会社製
【0088】[(C)充填剤] 炭酸カルシウム(CaCO3 ) 商品名:SST40(同和カルファイン(株)製、平均
粒径=1.1μm)
【0089】[(D)オリゴマーまたはゴム] 1)ポリイソブチレン(PIB) 商品名:ハイモール55H(日本石油化学(株)製、粘
度平均分子量=50,000、数平均分子量=27,0
00) 2)ポリブテン(Wax) 商品名:日石ポリブテン HV−300(日本石油化学
株式会社製、数平均分子量(Mn)=1,400)
【0090】[実施例1](A11)エチレン共重合体
80重量部、LDPE(1)20重量部および炭酸カル
シウム100重量部をヘンシェルミキサーで約30秒間
均一に混合した後、30mmφ二軸混練押出機を用い、
190℃にて混練を行い、エチレン系重合体組成物のペ
レットを得た。この組成物について溶融張力を測定し
た。結果を表1に示す。
【0091】このペレットを用い、以下の条件で多孔質
フィルムの製造を行い、評価を行った。結果を表1に示
す。 (Tダイ成形)装置:Tダイ=1350mm、CR(ク
リアランス)=1mm、押出量:80kg/hr (延伸処理)成形温度:第1工程のアニール温度55℃
で1.5倍に延伸、第2工程では90℃で2倍に延伸、
引取速度:18m/min
【0092】[実施例2](A11)エチレン共重合体
を(A12)エチレン共重合体に変更した以外は、実施
例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0093】[実施例3](A11)エチレン共重合体
を(A2)エチレン共重合体に変更した以外は、実施例
1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0094】[比較例1]樹脂成分をLLDPE60重
量部、VLDPE40重量部に変更した以外は、実施例
1と同様に行った。結果を表1に示す。溶融張力、引裂
強度、成形加工性が劣っていた。
【0095】[比較例2]樹脂成分をLLDPE80重
量部、Wax20重量部に変更した以外は、実施例1と
同様に行った。結果を表1に示す。溶融張力、透湿度、
引裂強度、成形加工性が劣っていた。
【0096】[比較例3]樹脂成分をLLDPE80重
量部、EPR20重量部に変更した以外は、実施例1と
同様に行った。結果を表1に示す。溶融張力、透湿度、
引裂強度、引張弾性率、成形加工性が劣っていた。
【0097】[比較例4]樹脂成分をHDPE60重量
部、LDPE(1)40重量部に変更した以外は、実施
例1と同様に行った。結果を表1に示す。引裂強度が劣
っていた。
【0098】[比較例5](A11)エチレン共重合体
を96重量部、LDPE(1)を4重量部に変更した以
外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。溶
融張力、成形加工性が劣っていた。
【0099】[比較例6](A11)エチレン共重合体
を60重量部、LDPE(1)を40重量部に変更した
以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
引裂強度が劣っていた。
【0100】[実施例4]LDPE(1)をLDPE
(2)に変更した以外は、実施例1と同様に行った結果
を表1に示す。実施例1に比し溶融張力、引裂強度、成
形性に難点を有す。
【0101】
【表1】
【0102】[実施例5](A11)エチレン共重合体
80重量部、LDPE(1)20重量部、炭酸カルシウ
ム100重量部およびポリイソブチレン(PIB)0.
3重量部をヘンシェルミキサーで約30秒間均一に混合
した後、30mmφ二軸混練押出機を用い、190℃に
て混練を行い、エチレン系重合体組成物のペレットを得
た。この組成物について溶融張力を測定した。結果を表
2に示す。また、このペレットを用い、実施例1と同じ
条件で多孔質フィルムの製造を行い、評価を行った。結
果を表2に示す。ポリイソブチレンを含むエチレン系重
合体組成物からなる多孔質フィルムは、引張破壊伸びが
実施例1に比べ優れており、成形時の加工性が改良さ
れ、また、柔軟性に優れていた。
【0103】[実施例6](A11)エチレン共重合体
80重量部、LDPE(1)20重量部、炭酸カルシウ
ム100重量部およびポリイソブチレン(PIB)3.
0重量部をヘンシェルミキサーで約30秒間均一に混合
した後、30mmφ二軸混練押出機を用い、190℃に
て混練を行い、エチレン系重合体組成物のペレットを得
た。この組成物について溶融張力を測定した。結果を表
2に示す。また、このペレットを用い、実施例1と同じ
条件で多孔質フィルムの製造を行い、評価を行った。結
果を表2に示す。
【0104】[実施例7](A11)エチレン・α−オ
レフィン共重合体80重量部、LDPE(1)20重量
部、炭酸カルシウム100重量部およびポリイソブチレ
ン(PIB)5重量部をヘンシェルミキサーで約30秒
間均一に混合した後、30mmφ二軸混練押出機を用
い、190℃にて混練を行い、エチレン系重合体組成物
のペレットを得た。この組成物について溶融張力を測定
した。結果を表2に示す。また、このペレットを用い、
実施例1と同じ条件で多孔質フィルムの製造を行い、評
価を行った。結果を表2に示す。
【0105】[実施例8]実施例6の(A11)エチレ
ン共重合体を(A12)エチレン共重合体に代えた以外
は実施例6と同様に行った。結果を表2に示す。
【0106】[実施例9]実施例6の(A11)エチレ
ン共重合体を(A2)エチレン共重合体に代えた以外は
実施例6と同様に行った。結果を表2に示す。
【0107】
【表2】
【0108】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の多孔質フ
ィルムは、(A)上述の(a)〜(d)の要件を満足す
るエチレン(共)重合体95〜65重量%および(B)
他のエチレン系(共)重合体5〜35重量%を含有する
樹脂成分と、該樹脂成分100重量部に対して30〜2
00重量部の(C)充填剤とを有するエチレン系重合体
組成物からなるので、成形加工性、柔軟性、通気性、透
湿性、耐溶剤性、耐薬品性に優れ、機械的強度等のバラ
ンスに優れる。このような多孔質フィルムは、衣料用品
(ゴルフウェアー、スキーウェアー、レインコート、帽
子など)、衛生用品(紙おむつ、生理用品など)、衣料
用品(濾過器、絆創膏など)、工業用濾過剤(水処理
用、空気清浄用、各種セパレーターなど)、建材(結露
防止シートなど)等、広い用途を有している。また、前
記エチレン系重合体組成物が、樹脂成分100重量部に
対して0.05〜30重量部の(D)オリゴマーまたは
ゴムを含有していれば、多孔質フィルムの成形時の加工
性を改良し、また、多孔質フィルムへ柔軟性を付与する
ことができる。
【0109】また、前記(A)エチレン(共)重合体
が、さらに(e)25℃におけるオルソジクロロベンゼ
ン(ODCB)可溶分の量X(重量%)、密度dおよび
メルトフローレート(MFR)が上述の(式1)および
(式2)の関係を満足し、(f)連続昇温溶出分別法
(TREF)による溶出温度−溶出量曲線のピークが複
数個存在する(A1)エチレン(共)重合体であれば、
多孔質フィルムの耐熱性が向上する。
【0110】また、前記(A)エチレン(共)重合体
が、さらに(g)連続昇温溶出分別法(TREF)によ
る溶出温度−溶出量曲線のピークが一つであり、かつこ
の溶出温度−溶出量曲線の積分溶出曲線から求めた全体
の25%が溶出する温度T25と全体の75%が溶出する
温度T75との差T75−T25および密度dが、上述の(式
3)の関係、および(式4)の関係を満足する(A2)
エチレン(共)重合体であれば、低温ヒートシール性、
ヒートシール強度および耐熱性が向上する。
【0111】また、前記(A2)エチレン(共)重合体
が、さらに(h)融点ピークを1ないし2個有し、かつ
そのうち最も高い融点Tm1と密度dが、上述の(式5)
の関係を満足すれば、耐熱性がさらに向上する。また、
前記(A2)エチレン(共)重合体が、さらに上述の
(i)の要件を満足すれば、成形加工性がさらに向上す
る。また、前記(A)エチレン(共)重合体の(d)組
成分布パラメーターCbが、1.10〜2.00であれ
ば、フィルムの機械的強度に優れるものとなりフィルム
の機械的強度に優れる。
【0112】また、前記(A)エチレン(共)重合体
が、少なくとも共役二重結合を持つ有機環状化合物と周
期律表第IV族の遷移金属化合物を含む触媒の存在下に、
エチレンまたはエチレンとα−オレフィンとを重合させ
て得られるエチレン(共)重合体であれば、フィルムの
機械的強度に優れる。また、前記(B)他のエチレン系
(共)重合体が、高圧ラジカル法低密度ポリエチレンで
あれば、フィルム成形時の押出加工性に優れる。また、
前記高圧ラジカル法低密度ポリエチレンのMZ平均分子
量が、40〜90万であれば、フィルム成形時の押出加
工性に優れるとともにフィルムの機械的強度に優れる。
【0113】また、前記(C)充填剤が、高級脂肪酸処
理した炭酸カルシウムであれば、分散性が良好となる。
また、前記(D)オリゴマーまたはゴムが、ポリイソブ
チレンであれば、多孔質フィルムの成形時の加工性をさ
らに改良し、また、多孔質フィルムへ柔軟性をさらに付
与することができる。また、前記エチレン系重合体組成
物の溶融張力が、1.5〜10gの範囲であれば、成形
加工性がさらに向上する。また、前記エチレン系重合体
組成物が、前記樹脂成分100重量部に対して、さらに
目ヤニ防止剤0.05〜1重量部と、分散剤0.05〜
0.5重量部とを有していれば、目ヤニ防止と延伸性が
良好となる。
【0114】また、本発明の多孔質フィルムの製法は、
(A)上述の前記(a)〜(d)の要件を満足するエチ
レン(共)重合体95〜65重量%および(B)他のエ
チレン系(共)重合体5〜35重量%を含有する樹脂成
分と、該樹脂成分100重量部に対して30〜200重
量部の(C)充填剤とを有するエチレン系重合体組成物
を溶融成形してフィルムまたはシートとし、このフィル
ムまたはシートを50〜110℃の温度で延伸倍率1.
05〜3倍に延伸処理する製法であるので、成形加工
性、柔軟性、通気性、透湿性、耐溶剤性、耐薬品性に優
れ、機械的強度等のバランスに優れた多孔質フィルムを
安定して得ることができる。また、前記エチレン系重合
体組成物を溶融成形して得たフィルムまたはシートを、
第1工程において45〜60℃のアニール温度で2.0
倍未満に延伸し、第2工程において80〜110℃の温
度でさらに2倍以上に延伸した場合、透湿度を容易に調
整することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る(A1)エチレン(共)重合体
の溶出温度−溶出量曲線を示すグラフである。
【図2】 一般のメタロセン系触媒によるエチレン共重
合体の溶出温度−溶出量曲線を示すグラフである。
【図3】 本発明に係る(A2)エチレン(共)重合体
の溶出温度−溶出量曲線を示すグラフである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23/08 C08L 23/08 //(C08L 23/08 101:00) (C08L 23/08 23:22) B29K 23:00 105:04

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)下記(a)〜(d)の要件を満足す
    るエチレン(共)重合体95〜65重量%および(B)
    他のエチレン系(共)重合体5〜35重量%を含有する
    樹脂成分と、該樹脂成分100重量部に対して30〜2
    00重量部の(C)充填剤とを有するエチレン系重合体
    組成物からなることを特徴とする多孔質フィルム。 (a)密度が0.86〜0.97g/cm3 (b)メルトフローレート(MFR)が0.1〜50g
    /10min (c)分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4.5 (d)組成分布パラメーターCbが2以下
  2. 【請求項2】 前記エチレン系重合体組成物が、樹脂成
    分100重量部に対して0.05〜30重量部の(D)
    オリゴマーまたはゴムを含有することを特徴とする請求
    項1記載の多孔質フィルム。
  3. 【請求項3】 前記(A)エチレン(共)重合体が、さ
    らに下記(e)および(f)の要件を満足する(A1)
    エチレン(共)重合体であることを特徴とする請求項1
    または請求項2記載の多孔質フィルム。 (e)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODC
    B)可溶分の量X(重量%)、密度dおよびメルトフロ
    ーレート(MFR)が次の関係を満足すること (式1)d-0.008×logMFR≧0.93の場合 X<2.0 (式2)d-0.008×logMFR<0.93の場合 X<9.8×103×(0.9300−d+0.008×logMFR)2+2.0 (f)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
    −溶出量曲線のピークが複数個存在すること
  4. 【請求項4】 前記(A)エチレン(共)重合体が、さ
    らに下記(g)の要件を満足する(A2)エチレン
    (共)重合体であることを特徴とする請求項1または請
    求項2記載の多孔質フィルム。 (g)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
    −溶出量曲線のピークが一つであり、かつこの溶出温度
    −溶出量曲線の積分溶出曲線から求めた全体の25%が
    溶出する温度T25と全体の75%が溶出する温度T75
    の差T75−T25および密度dが、下記(式3)の関係、
    および下記(式4)の関係を満足すること (式3)d<0.950g/cm3 のとき T75−T25≧−300×d+285 d≧0.950g/cm3 のとき T75−T25≧0 (式4)T75−T25≦−670×d+644
  5. 【請求項5】 前記(A2)エチレン(共)重合体が、
    さらに下記(h)の要件を満足することを特徴とする請
    求項4記載の多孔質フィルム。 (h)融点ピークを1ないし2個有し、かつそのうち最
    も高い融点Tm1と密度dが、下記(式5)の関係を満足
    すること (式5)Tm1≧150×d−17
  6. 【請求項6】 前記(A2)エチレン(共)重合体が、
    さらに下記(i)の要件を満足することを特徴とする請
    求項5記載の多孔質フィルム。 (i)メルトテンション(MT)とメルトフローレート
    (MFR)が、下記(式6)の関係を満足すること (式6)logMT≦−0.572×logMFR+
    0.3
  7. 【請求項7】 前記(A)エチレン(共)重合体の
    (d)組成分布パラメーターCbが、1.10〜2.0
    0であることを特徴とする請求項1ないし6いずれか一
    項に記載の多孔質フィルム。
  8. 【請求項8】 前記(A)エチレン(共)重合体が、少
    なくとも共役二重結合を持つ有機環状化合物と周期律表
    第IV族の遷移金属化合物を含む触媒の存在下に、エチレ
    ンまたはエチレンとα−オレフィンとを重合させて得ら
    れるエチレン(共)重合体であることを特徴とする請求
    項1ないし7いずれか一項に記載の多孔質フィルム。
  9. 【請求項9】 前記(B)他のエチレン系(共)重合体
    が、高圧ラジカル法低密度ポリエチレンであることを特
    徴とする請求項1ないし8いずれか一項に記載の多孔質
    フィルム。
  10. 【請求項10】 前記高圧ラジカル法低密度ポリエチレ
    ンのMZ平均分子量が、40万〜90万であることを特
    徴とする請求項9記載の多孔質フィルム。
  11. 【請求項11】 前記(C)充填剤が、高級脂肪酸処理
    した炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項1な
    いし10いずれか一項に記載の多孔質フィルム。
  12. 【請求項12】 前記(D)オリゴマーまたはゴムが、
    ポリイソブチレンであることを特徴とする請求項1ない
    し11いずれか一項に記載の多孔質フィルム。
  13. 【請求項13】 前記エチレン系重合体組成物の溶融張
    力が、1.5〜10gの範囲であることを特徴とする請
    求項1ないし12いずれか一項に記載の多孔質フィル
    ム。
  14. 【請求項14】 前記エチレン系重合体組成物が、前記
    樹脂成分100重量部に対して、さらに目ヤニ防止剤
    0.05〜1重量部と、分散剤0.05〜0.5重量部
    とを有することを特徴とする請求項1ないし13いずれ
    か一項に記載の多孔質フィルム。
  15. 【請求項15】 (A)下記(a)〜(d)の要件を満
    足するエチレン(共)重合体95〜65重量%および
    (B)他のエチレン系(共)重合体5〜35重量%を含
    有する樹脂成分と、該樹脂成分100重量部に対して3
    0〜200重量部の(C)充填剤とを有するエチレン系
    重合体組成物を溶融成形してフィルムまたはシートと
    し、このフィルムまたはシートを50〜110℃の温度
    で延伸倍率1.05〜3倍に延伸処理することを特徴と
    する多孔質フィルムの製法。 (a)密度が0.86〜0.96g/cm3 (b)メルトフローレート(MFR)が0.1〜50g
    /10min (c)分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4.5 (d)組成分布パラメーターCbが2以下
  16. 【請求項16】 前記エチレン系重合体組成物が、該樹
    脂成分100重量部に対して0.05〜30重量部の
    (D)オリゴマーまたはゴムを含有することを特徴とす
    る請求項15記載の多孔質フィルムの製法。
  17. 【請求項17】 前記エチレン系重合体組成物を溶融成
    形して得たフィルムまたはシートを、第1工程において
    45〜60℃のアニール温度で2.0倍未満に延伸し、
    第2工程において80〜110℃の温度でさらに2倍以
    上に延伸して請求項1ないし請求項3いずれか一項に記
    載の多孔質フィルムを得ることを特徴とする多孔質フィ
    ルムの製法。
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