JP2006096909A - ポリエチレン系架橋発泡体 - Google Patents

ポリエチレン系架橋発泡体 Download PDF

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Abstract

【課題】 高い成形性および耐熱性を持ち、自動車内装材用途あるいはパイプカバー用途などに好適なポリエチレン系架橋発泡体を得る。
【解決手段】 下記(a)〜(d)の要件を満たすポリエチレン系樹脂を架橋発泡させる。
(a)密度が890kg/m以上980kg/m以下、(b)炭素数6以上の長鎖分岐数が1,000個の炭素原子当たり0.01個以上3個以下、(c)式(1)と式(2)を共に満たし、
MS190>22×MFR−0.88 (1)
MS160>110−110×log(MFR) (2)
(d)示差走査型熱量計による昇温測定において得られる吸熱曲線のピークが一つである
【選択図】 選択図なし

Description

本発明は、ポリエチレン系架橋発泡体に関するものであり、さらに詳しくは自動車内装用緩衝材、建材用断熱材、産業資材、家具、家庭用電気器具などに適用できる各種の加熱下での成形法に対応できる特性を有し、特に成形性および耐熱性に優れたポリエチレン系架橋発泡体に関するものである。
ポリエチレン系発泡体は、軽量性、断熱性、遮音性に優れていることから、スリットや打抜きなどにより各種形状に加工され、パッキンやお風呂マット、鉄板と貼合わせて成形した建材用途の断熱折板屋根材、あるいは優れた加熱成形性から自動車内装用緩衝材などの分野で広く利用されている。
また、ポリエチレン系発泡体に関する技術は既に多く紹介されている。ポリエチレン系発泡体には、押出発泡成形などによる無架橋発泡体と電子線架橋、過酸化物架橋あるいはシラン架橋などにより樹脂成分に架橋構造を導入した架橋発泡体があるが、耐熱性と成形性が特に要求される用途には、架橋発泡体が多く用いられている。ポリエチレン系架橋発泡体の製法としては、ポリエチレンに分解型発泡剤を混練りし、シート状に成形した後、電離性放射線、一般的には電子線を照射して架橋せしめ、発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡したり、あるいは発泡剤と同時に過酸化物を混合し、同様に過酸化物、発泡剤が分解しない温度で混練りし、シート状に成形した後、過酸化物が分解する温度に加熱して架橋し、加熱して発泡する方法が一般的である。
一方、高圧法低密度ポリエチレンの物理的特性の向上や生産性の向上のために、エチレンにα−オレフィンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレンが開発され、この樹脂を用いた架橋発泡体、あるいは高圧法低密度ポリエチレンと混合した樹脂を用いた架橋発泡体が開示されている(例えば、特許文献1〜2参照)。
特公平2−57577号公報 特公平2−57578号公報
高圧法低密度ポリエチレンは架橋発泡成形性に優れるものの、それからなる架橋発泡体は引張強度など機械的特性に劣ることに加え、耐熱性、剛性が不足している。また、エチレンにα−オレフィンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレンからなる架橋発泡体は、引張強度や加熱成形性に優れるものの、自動車内装用途などの用途によっては耐熱性が不足する場合があり、その改善が強く望まれていた。
一方、通常の高密度ポリエチレンを架橋発泡成形した場合には、架橋度の調整が困難であり、発泡成形工程において、架橋度が高い場合は気泡が充分に成長できないため低発泡倍率となり、架橋度が低い場合は気泡の成長時にセルが破壊するために発泡の内部に巣(巨大な空隙)が発生してしまうという成形上の問題があった。
本発明者らは、特に耐熱性と成形性に優れた特性を持つポリエチレン系架橋発泡体について鋭意検討した結果、特定の性状を有するポリエチレン系樹脂を使用することによって、従来のポリエチレン系架橋発泡体の優れた性質に加え、特に高い成形性および耐熱性を持ち、自動車内装材用途あるいは耐熱性が特に要求されるパイプカバー用途などに好適なポリエチレン系架橋発泡体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記(a)〜(d)の要件を満たすポリエチレン系樹脂を架橋発泡させてなることを特徴とするポリエチレン系架橋発泡体に関する。
(a)密度が890kg/m以上980kg/m以下、
(b)炭素数6以上の長鎖分岐数が1,000個の炭素原子当たり0.01個以上3個以下、
(c)190℃で測定した溶融張力(MS190)(mN)と2.16kg荷重のMFR(g/10分、190℃)が、下記式(1)
MS190>22×MFR−0.88 (1)
を満たすと共に、160℃で測定した溶融張力(MS160)(mN)と2.16kg荷重のMFR(g/10分、190℃)が、下記式(2)を満たし、
MS160>110−110×log(MFR) (2)
(d)示差走査型熱量計による昇温測定において得られる吸熱曲線のピークが一つである
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の架橋発泡体を構成するポリエチレン系樹脂の密度は、JIS K6922−1に準拠して密度勾配管法で測定した値として、890kg/m以上980kg/m以下、好ましくは940kg/m以上980kg/m以下、さらに好ましくは951kg/m以上980kg/m以下である。密度が890kg/m未満の場合、得られる架橋発泡体の耐熱性が不足し、使用中に容易に熱変形しやすくなるという問題が発生する。また、密度が980kg/mを超えると架橋発泡体の衝撃強度が低下する。
本発明に用いられるポリエチレン系樹脂の直鎖状ポリエチレン換算の重量平均分子量(M)は、10,000以上1,000,000以下であり、好ましくは20,000以上700,000以下であり、さらに好ましくは25,000以上300,000以下である。Mが10,000未満である場合は、得られた発泡絶縁層の衝撃強度が低下し、曲げ加工時に亀裂が発生する恐れがある。また、1,000,000以上では発泡剤、架橋剤などとの混練過程における流動性が不足し、均一な発泡体が得られない恐れがある。
本発明に用いられるポリエチレン系樹脂の190℃、2.16kg荷重におけるMFRは0.1〜50g/10分、好ましくは1〜10g/10分、さらに好ましくは2〜5g/10分である。0.1g/10分未満または50g/10分を超えると発泡成形を行うことが著しく困難になるため、均一な発泡体が得られない恐れがある。
本発明に用いられるポリエチレン系樹脂の長鎖分岐数は、1,000個の炭素原子当たり0.01個以上3個以下である。0.01個未満では気泡を保持することができず、良好な発泡体が得られない恐れがある。また、3個を超えると発泡体の力学的性質が劣る恐れがある。なお、長鎖分岐数とは、13C−NMR測定で検出されるヘキシル基以上(炭素数6以上)の分岐の数である。
本発明に用いられるポリエチレン系樹脂の190℃で測定した溶融張力MS190(mN)と2.16kg荷重のMFR(g/10分、190℃)は、下記式(1)
MS190>22×MFR−0.88 (1)
で示される関係にあり、好ましくは下記式(1)’
MS190>30×MFR−0.88 (1)’
で示される関係にあり、さらに好ましくは下記式(1)”
MS190>5+30×MFR−0.88 (1)”
で示される関係にある。(1)式を満たさない場合、気泡の保持力が乏しく、良好な発泡体が得られない恐れがある。
また、本発明に用いられるポリエチレン系樹脂の160℃で測定した溶融張力MS160(mN)と2.16kg荷重のMFR(g/10分、190℃)は、下記式(2)
MS160>110−110×log(MFR) (2)
で示される関係にあり、好ましくは下記式(2)’
MS160>130−110×log(MFR) (2)’
で示される関係にあり、さらに好ましくは下記式(2)”
MS160>150−110×log(MFR) (2)”
で示される関係にある。(2)式を満たさない場合、気泡の保持力が劣り、高発泡倍率、均一気泡を有する架橋発泡体が得られない恐れがある。
本発明の架橋発泡体に用いられるポリエチレン系樹脂は、示差走査型熱量計(DSC)による昇温測定において得られる吸熱曲線のピークが一つであることを特徴とし、これによって得られる架橋発泡体は弾性率の温度依存性が小さく、かつ、耐熱性に優れるものとなる。吸熱曲線は、アルミニウム製のパンに5〜10mgのサンプルを挿填し、DSCにて昇温することによって得られる。なお、昇温測定は、予め230℃で3分間放置した後、10℃/分で−10℃まで降温し、その後、10℃/分の昇温速度で150℃まで昇温することにより行われる。
本発明の架橋発泡体に用いられるポリエチレン系樹脂は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)/固有粘度計によって評価した収縮因子(g’値)が0.1以上0.9未満、さらには0.1以上0.7以下であることが好ましく、これによってポリエチレン系樹脂を発泡成形する際の気泡の破壊が抑制されるため、得られる架橋発泡体の発泡倍率が高くなり、気泡の均一性も向上する。本発明における収縮因子(g’値)とは、長鎖分岐の程度を表すパラメータであり、重量平均分子量(M)の3倍の絶対分子量における本ポリエチレン系樹脂の固有粘度と、分岐が全くない高密度ポリエチレン(HDPE)の同じ分子量における固有粘度との比である。また、このg’値とGPC/光散乱計によって評価した収縮因子(g値)との間には、好ましくは式(3)、さらに好ましくは式(3)’で示される関係があり、これによって発泡性はさらに向上する。なお、g値はMの3倍の絶対分子量における本ポリエチレン系樹脂の慣性半径の二乗平均と、分岐が全くないHDPEの同じ分子量における慣性半径の二乗平均との比である。
0.2<log(g’)/log(g)<1.3 (3)
0.5<log(g’)/log(g)<1.0 (3)’
さらに、Mの3倍の絶対分子量におけるg値(g3M)とMの1倍の絶対分子量におけるg値(g)の間には、式(4)、好ましくは式(4)’、さらに好ましくは式(4)”で示される関係があることが、発泡性向上のために望ましい。
0<g3M/g≦1 (4)
0<g3M/g≦0.9 (4)’
0<g3M/g≦0.8 (4)”
本発明の架橋発泡体を構成するポリエチレン系樹脂は、エチレンを重合することによって得られる末端にビニル基を有するエチレン重合体、またはエチレンと炭素数3以上のオレフィンを共重合することによって得られる末端にビニル基を有するエチレン共重合体であり、
(e)Mが2,000以上であり、
(f)M/Mが2以上5以下である
マクロモノマーの存在下に、エチレンおよび任意に炭素数3以上のオレフィンを重合することによって得られたものであることが望ましい。マクロモノマーとは、末端にビニル基を有するオレフィン重合体であり、好ましくはエチレンを重合することによって得られる末端にビニル基を有するエチレン重合体、またはエチレンと炭素数3以上のオレフィンを共重合することによって得られる末端にビニル基を有するエチレン共重合体であり、さらに好ましくは任意に用いられる炭素数3以上のオレフィンに由来する分岐以外の分岐のうち、長鎖分岐(すなわち、13C−NMR測定で検出されるヘキシル基以上の分岐)が、主鎖メチレン炭素1,000個当たり0.01個未満である、末端にビニル基を有する直鎖状エチレン重合体または直鎖状エチレン共重合体である。
炭素数3以上のオレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテンもしくはビニルシクロアルカン等のα−オレフィン、ノルボルネンもしくはノルボルナジエン等の環状オレフィン、ブタジエンもしくは1,4−ヘキサジエン等のジエンまたはスチレンを例示することができる。また、これらのオレフィンを2種類以上混合して用いることもできる。
マクロモノマーとして末端にビニル基を有するエチレン重合体または末端にビニル基を有するエチレン共重合体を用いる場合、その直鎖状ポリエチレン換算の数平均分子量(M)は、2,000以上であり、好ましくは5,000以上であり、さらに好ましくは10,000以上である。直鎖状ポリエチレン換算の重量平均分子量(M)は、4,000以上であり、好ましくは10,000以上であり、さらに好ましくは15,000より大きい。また、重量平均分子量(M)とMの比(M/M)は、2以上5以下であり、好ましくは2以上4以下であり、さらに好ましくは2以上3.5以下である。下記一般式(5)
Z=[X/(X+Y)]×2 (5)
(ここで、Xはマクロモノマーの主鎖メチレン炭素1,000個当たりのビニル末端数であり、Yはマクロモノマーの主鎖メチレン炭素1,000個当たりの飽和末端数である。)
で表されるビニル末端数と飽和末端数の比(Z)は0.25以上1以下であり、好ましくは0.50以上1以下である。XおよびYは、H−NMR、13C−NMRまたはFT−IR等で求められる。例えば、13C−NMRにおいて、ビニル末端は114ppm、139ppm、飽和末端は32.3ppm、22.9ppm、14.1ppmのピークにより、その存在および量が確認できる。
本発明におけるマクロモノマーの製造方法に関して特に限定はないが、マクロモノマーとして末端にビニル基を有するエチレン重合体または末端にビニル基を有するエチレン共重合体を製造する場合は、例えば周期表第3族、第4族、第5族および第6族から選ばれる遷移金属を含有するメタロセン化合物を主成分として含む触媒を用いてエチレンを重合する方法を用いることができる。助触媒としては、有機アルミニウム化合物、プロトン酸塩、ルイス酸塩、金属塩、ルイス酸および粘土鉱物等が挙げられる。
本発明に用いられるポリエチレン系樹脂は、例えば周期表第3族、第4族、第5族および第6族から選ばれる遷移金属を含有するメタロセン化合物を主成分として含む触媒を用いて、マクロモノマーの存在下に、エチレンおよび任意に炭素数3以上のオレフィンを重合することによって得られる。また、マクロモノマーの製造と同様に、助触媒を用いることができる。重合温度は、−70〜300℃、好ましくは0〜250℃、さらに好ましくは20〜150℃の範囲である。エチレン分圧は、0.001〜300MPa、好ましくは0.005〜50MPa、さらに好ましくは0.01〜10MPaの範囲である。また、重合系内に分子量調節剤として水素を存在させてもよい。
本発明において、マクロモノマーの存在下に、エチレンと炭素数3以上のオレフィンを重合する場合、エチレン/炭素数3以上のオレフィン(モル比)は、1〜200、好ましくは3〜100、さらに好ましくは5〜50の供給割合を用いることができる。
本発明のポリエチレン系樹脂架橋発泡体の製造方法としては、ポリエチレン系樹脂架橋発泡体が得られる限りいかなる方法を用いてもよく、例えば上記ポリエチレン系樹脂に、分解型発泡剤を混練りし、シート状に成形した後、電離性放射線、一般的には電子線を照射して架橋せしめ、分解型発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡する方法、あるいは上記ポリエチレン系樹脂原料に分解型発泡剤と同時に過酸化物を混合し、同様に過酸化物、分解型発泡剤が分解しない温度で混練りし、シート状に成形した後、過酸化物が分解する温度に加熱して架橋し、加熱して発泡する方法等が一般的である。そして、電子線照射による架橋、または、過酸化物による架橋のいずれの場合においても、必要に応じて架橋助剤を用いることができる。
ここでいう分解型発泡剤としては、有機、無機系の各種分解型発泡剤が挙げられ、有機系としては、例えばアゾジカルボンアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P,P’−オキシベンゼンスルフォニルヒドラジド等が挙げられ、無機系としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、カルシウムアジド等が挙げられる。また、過酸化物としては、例えばジクミルパーオキサイド、ターシャリーブチルパーベンゾエート、ジターシャリーブチルパーオキサイド等の過酸化化合物を挙げることができる。
また、架橋助剤としては、架橋助剤として知られているものであれば如何なるものも用いることが可能であり、例えばジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、トリメリット酸トリアリルエステル、トリアリルイソシアネート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリアリルエステル、トリシクロデカンジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートなどを挙げることができ、これらを2つ以上組み合わせて用いることもできる。
本発明のポリエチレン系架橋発泡体は、より高倍率のポリエチレン系架橋発泡体の製造が可能となり、表面平滑性にも優れたポリエチレン系架橋発泡体となることから、架橋度は15〜70%であることが好ましく、より好ましくは20〜50%である。また、機械的強度、伸び、成形性と緩衝性、断熱、耐熱性とのバランスに優れたポリエチレン系架橋発泡体となることから、発泡倍率は3〜50倍であることが好ましく、特に7〜30倍であることが好ましい。
また、本発明のポリエチレン系架橋発泡体は、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて他の樹脂成分を含むものであってもよく、そのような他の樹脂成分としては融点170℃以下の熱可塑性樹脂であることが好ましく、例えばポリプロピレン、エチレン/プロピレンランダム共重合体、エチレン/プロピレンブロック共重合体、エチレン/プロピレンゴム(EPM)、エチレン/プロピレン/ジエンゴム(EPDM)、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/アクリル酸共重合体、エチレン/(メタ)アルキルアクリレート共重合体あるいはこれらのエチレンとの共重合体に第三成分として無水マレイン酸を共重合した3元共重合体などのポリオレフィン、スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体、スチレン/ブタジエン/エチレンブロック共重合体、エチレン/ブタジエン/エチレンブロック共重合体やそれらの水添樹脂等が例示される。
また、必要に応じて熱安定剤、耐候剤、難燃剤、難燃助剤、分散剤、顔料、流動性改良剤、離型剤、充填剤など公知の添加剤を添加してもよい。
本発明によれば、ポリエチレン系架橋発泡体の優れた特性を有すると共に、成形性および耐熱性等にも優れたポリエチレン系架橋発泡体を得ることができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
変性ヘクトライトの調製、マクロモノマー製造用触媒の調製、マクロモノマーの製造、ポリエチレンの製造および溶媒精製は、全て不活性ガス雰囲気下で行った。変性ヘクトライトの調製、マクロモノマー製造用触媒の調製、マクロモノマーの製造、ポリエチレンの製造に用いた溶媒等は、全て予め公知の方法で精製、乾燥、脱酸素を行ったものを用いた。ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−インデニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドは公知の方法により合成、同定したものを用いた。トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)、メチルアルモキサンのトルエン溶液(商品名:PMAO;Al:2.4mol/L)およびトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(0.848M)は東ソー・ファインケム(株)製を用いた。
さらに、実施例および比較例におけるポリエチレン系樹脂の諸物性は、以下に示す方法により測定した。
〜分子量および分子量分布〜
重量平均分子量(M)および数平均分子量(M)は、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)によって測定した。GPC装置としては東ソー(株)製 HLC−8121GPC/HTを用い、カラムとしては東ソー(株)製 TSKgel GMHhr−H(20)HTを用い、カラム温度を140℃に設定し、溶離液として1,2,4−トリクロロベンゼンを用いて測定した。測定試料は1.0mg/mLの濃度で調製し、0.3mL注入して測定した。分子量の検量線は、分子量既知のポリスチレン試料を用いて校正されている。なお、MおよびMは直鎖状ポリエチレン換算の値として求めた。
〜収縮因子(g’値)〜
収縮因子(g’値)は、GPCによって分別したポリエチレン系樹脂の[η]を測定する手法で求めたMの3倍の絶対分子量における[η]を、分岐が全くないHDPEの同一分子量における[η]で除した値である。GPC装置としては東ソー(株)製 HLC−8121GPC/HTを用い、カラムとしては東ソー(株)製 TSKgel GMHhr−H(20)HTを用い、カラム温度を145℃に設定し、溶離液として1,2,4−トリクロロベンゼンを用いて測定した。測定試料は2.0mg/mLの濃度で調製し、0.3mL注入して測定した。粘度計は、Viscotek社製 キャピラリー差圧粘度計210R+を用いた。
〜収縮因子(g値)〜
収縮因子(g値)は、GPCによって分別したポリエチレン系樹脂を、光散乱によって慣性半径を測定する手法で求めた。本発明に用いるポリエチレン系樹脂のMの3倍の絶対分子量における慣性半径の二乗平均を、分岐が全くないHDPEの同一分子量における慣性半径の二乗平均で除した値である。光散乱検出器としては、Wyatt Technology社製 多角度光散乱検出器DAWV EOSを用い、690nmの波長で、29.5°、33.3°、39.0°、44.8°、50.7°、57.5°、64.4°、72.3°、81.1°、90.0°、98.9°、107.7°、116.6°、125.4°、133.2°、140.0°、145.8°の検出角度で測定した。
〜Z値〜
ビニル末端、飽和末端などのマクロモノマーの末端構造は、日本電子(株)製 JNM−ECA400型核磁気共鳴装置を用いて、13C−NMRによって測定した。溶媒はテトラクロロエタン−dである。ビニル末端数は、主鎖メチレン炭素(化学シフト:30ppm)1,000個当たりの個数として114ppm、139ppmのピークの平均値から求めた。また、飽和末端数は、同様に32.3ppm、22.9ppm、14.1ppmのピークの平均値から求めた。このビニル末端数(X)と飽和末端数(Y)から、Z=[X/(X+Y)]×2を求めた。
〜密度〜
密度は、JIS K6922−1(1998)に準拠して密度勾配管法で測定した。
〜MFR〜
MFRは、JIS K6922−1(1998)に準拠して190℃、2.16kg荷重で測定した。
〜長鎖分岐数〜
ポリエチレン系樹脂の長鎖分岐数は、日本電子(株)製 JNM−GSX270型核磁気共鳴装置を用いて、13C−NMRによって測定した。
〜溶融張力〜
溶融張力(MS)は、バレル直径9.55mmの毛管粘度計(東洋精機製作所、商品名:キャピログラフ)に、長さ(L)が8mm、直径(D)が2.095mm、流入角が90°のダイを装着し測定した。MSは、温度を160℃または190℃に設定し、ピストン降下速度を10mm/分、延伸比を47に設定し、引き取りに必要な荷重(mN)をMSとした。
〜吸熱ピークの数〜
DSC(パーキンエルマー社製、商品名:DSC−7)を用いて測定を行なった。5〜10mgのポリエチレン系樹脂をアルミニウムパンに挿填し、DSCに設置した後、80℃/分の昇温速度で230℃まで昇温し、230℃で3分間放置する。その後、10℃/分の降温速度で−10℃まで冷却し、再度10℃/分の昇温速度で−10℃から150℃まで昇温する手順で昇温/降温操作を行い、2回目の昇温時に観測される吸熱曲線のピーク数を評価した。
〜ゲル分率〜
発泡体を細断し、0.2g精秤する。これを130℃のキシレン中に浸積し、攪拌しながら3時間加熱して溶解部分を溶解せしめ、不溶部分を取り出し、120℃の熱風乾燥機にてキシレンを除去して室温になるまで自然冷却する。この重量W1(g)を測定し、次式でゲル分率を求める。
ゲル分率(%)=〔(0.2−W1)/0.2〕×100
〜発泡倍率〜
発泡体から10cm×10cmを切り出し、厚みt(cm)と重量W2(g)を測定し、次式で見掛密度を算出する。
見掛密度(g/cm)=W2/(10×10×t)
発泡倍率は、この見掛密度より、次式で求められる。
発泡倍率=1/見掛密度
〜加熱収縮率〜
発泡体から15cm×15cmの正方形サンプルを切り出し、その中心に各辺に平行となる各々長さ10cmの直交した標線を書き、このサンプルを120℃の熱風循環オ−ブンに入れ、1時間加熱後、取出し、室温になるまで自然冷却する。この加熱処理サンプルの各標線長さを測定し、平均値をLa(cm)とし、下記の式に従って加熱収縮率を算出した。耐熱性については、厚さ方向の加熱収縮率5%未満のものを合格とした。
加熱収縮率(%)=[(10−La)/10]×100
実施例1
[変性ヘクトライトの調製]
水60mLにエタノール60mLと37%濃塩酸2.0mLを加えた後、得られた溶液にN,N−ジメチルオクタデシルアミン 6.55g(0.022mol)を添加し、60℃に加熱することによって、N,N−ジメチルオクタデシルアミン塩酸塩溶液を調製した。この溶液にヘクトライト20gを加えた。この懸濁液を60℃で3時間撹拌し、上澄液を除去した後、60℃の水1Lで洗浄した。その後、60℃、10−3torrで24時間乾燥し、ジェットミルで粉砕することによって、平均粒径5.2μmの変性ヘクトライトを得た。元素分析の結果、変性ヘクトライト1g当たりのイオン量は0.85mmolであった。
[マクロモノマー製造用触媒の調製]
上記変性ヘクトライト8.0gをヘキサン29mLに懸濁させ、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)46mLを添加し、室温で1時間攪拌することにより、変性ヘクトライトとトリイソブチルアルミニウムの接触生成物を得た。一方、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド111.5mg(320μmol)をトルエンに溶解させたものを添加し、室温で一晩攪拌することにより、触媒スラリー(100g/L)を得た。
[マクロモノマーの製造]
10Lオートクレーブに、ヘキサン6,000mLとトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714mol/L)12mLを導入し、オートクレーブの内温を85℃に昇温した。このオートクレーブに、上記触媒スラリー3mLを添加し、エチレンを分圧が1.2MPaになるまで導入して重合を開始した。重合中、分圧が1.2MPaに保たれるようにエチレンを連続的に導入した。また、重合温度を85℃に制御した。重合開始53分後に、内温を50℃まで降温してオートクレーブの内圧を0.1MPaまで脱圧した後、オートクレーブに窒素を0.6MPaになるまで導入して脱圧した。この操作を5回繰り返した。このオートクレーブから抜き出したマクロモノマーのMは9,600、M/Mは2.30であり、13C−NMRによりマクロモノマーの末端構造を解析したところ、ビニル末端数と飽和末端数の比(Z)はZ=0.57であった。また、13C−NMRにおいてメチル分岐が1,000炭素原子当たり0.52個、エチル分岐が1,000炭素原子当たり1.22個検出された。さらに、13C−NMRにおいて長鎖分岐は検出されなかった。
[ポリエチレンの製造]
上記で製造したマクロモノマーが含まれる10Lオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714mol/L)1.4mLとジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド 7μmolを導入し、オートクレーブの内温を60℃に昇温後、30分間攪拌した。続いてオートクレーブの内温を90℃に昇温後、エチレン/水素混合ガス(水素2,000ppm)を分圧が0.3MPaになるまで導入して重合を開始した。重合中、分圧が0.3MPaに保たれるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に導入した。また、重合温度を90℃に制御した。重合開始173分後に、オートクレーブの内圧を脱圧した後、内容物を吸引ろ過した。乾燥後、875gのポリマーが得られた。得られたポリエチレンのMFRは4.2g/10分、密度は960kg/m、Mは9.6×10、M/Mは6.6、長鎖分岐数は0.03個/1,000炭素、示差走査型熱量計による昇温測定において得られる吸熱曲線のピークは一つであった。その他の物性を表1〜3に示す。
得られたポリエチレン100重量部、熱安定剤としてフェノール系酸化防止剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製 Irganox1010)0.3重量部を150℃に設定したミキシングロールで十分混合した後、さらに分解型発泡剤としてアゾジカルボンアミド(永和化成工業製 ビニホールAC#50S)15重量部、酸化亜鉛0.3重量部(堺化学製)、架橋剤としてジクミルパーオキサイド(日本油脂製 パークミルD)0.8重量部を加えて混練し、発泡用組成物を得た。この混合原料を160℃に加熱した圧縮成形機(伸東工業製)(厚さ10mm)にて20MPa加圧下30分加熱して架橋と発泡剤の一部分の分解を行った。圧力を開放し、180℃に加熱した加熱槽にて加熱発泡させ、厚さ30mmの独立気泡構造を持つ発泡体を得た。この発泡体の発泡倍率は30倍、ゲル分率は46重量%であった。この発泡体の120℃での加熱収縮率は2.8%であった。
実施例2
[変性ヘクトライトの調製]
水60mLにエタノール60mLと37%濃塩酸2.0mLを加えた後、得られた溶液にN,N−ジメチルベヘニルアミン 7.78g(0.022mol)を添加し、60℃に加熱することにより、N,N−ジメチルベヘニルアミン塩酸塩溶液を調製した。この溶液にヘクトライト20gを加えた。この懸濁液を60℃で3時間撹拌し、上澄液を除去した後、60℃の水1Lで洗浄した。その後、60℃、10−3torrで24時間乾燥し、ジェットミルで粉砕することにより、平均粒径5.2μmの変性ヘクトライトを得た。元素分析の結果、変性ヘクトライト1g当たりのイオン量は0.85mmolであった。
[マクロモノマー製造用触媒の調製]
上記変性ヘクトライト8.0gをヘキサン29mLに懸濁させ、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)46mLを添加し、室温で1時間攪拌することにより、変性ヘクトライトとトリイソブチルアルミニウムの接触生成物を得た。一方、ジフェニルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド18.9mg(40μmol)をトルエンに溶解させたものを添加し、室温で一晩攪拌することによって、触媒スラリー(100g/L)を得た。
[マクロモノマーの製造]
10Lオートクレーブに、ヘキサン6,000mLとトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714mol/L)5.0mLを導入し、オートクレーブの内温を85℃に昇温した。このオートクレーブに、上記触媒スラリー0.88mLを添加し、エチレンを分圧が1.2MPaになるまで導入して重合を開始した。重合中、分圧が1.2MPaに保たれるようにエチレンを連続的に導入した。また、重合温度を85℃に制御した。重合開始90分後に、内温を50℃まで降温してオートクレーブの内圧を0.1MPaまで脱圧した後、オートクレーブに窒素を0.6MPaになるまで導入して脱圧した。この操作を5回繰り返した。このオートクレーブから抜き出したマクロモノマーのMは14,400、M/Mは3.02であり、13C−NMRによりマクロモノマーの末端構造を解析したところ、ビニル末端数と飽和末端数の比(Z)はZ=0.65であった。また、13C−NMRにおいてメチル分岐が1,000炭素原子当たり0.41個、エチル分岐が1,000炭素原子当たり0.96個検出された。さらに、13C−NMRにおいて長鎖分岐は検出されなかった。
[ポリエチレンの製造]
上記で製造したマクロモノマーが含まれる10Lオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714mol/L)1.4mLとジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド 7μmolを導入し、オートクレーブの内温を90℃に昇温した。エチレン/水素混合ガス(水素3,600ppm)を分圧が0.3MPaになるまで導入して重合を開始した。重合中、分圧が0.3MPaに保たれるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に導入した。また、重合温度を90℃に制御した。重合開始194分後に、オートクレーブの内圧を脱圧した後、内容物を吸引ろ過した。乾燥後、870gのポリマーが得られた。得られたポリエチレンのMFRは6.1g/10分、密度は958kg/m、Mは9.7×10、M/Mは7.2、長鎖分岐数は0.03個/1,000炭素、示差走査型熱量計による昇温測定において得られる吸熱曲線のピークは一つであった。その他の物性を表1〜3に示す。
得られたポリエチレンを用い、実施例1と同じ方法で、分解型発泡剤としてアゾジカルボンアミド15重量部、酸化亜鉛0.3重量部、架橋剤としてジクミルパーオキサイド0.8重量部を加えて混練し、発泡用組成物を得た。この混合原料を160℃に加熱したプレス(厚さ10mm)にて加圧下30分加熱して架橋と発泡剤の一部分の分解を行った。圧力を開放し、得られる発泡体を180℃に加熱した加熱槽にて加熱発泡させ、厚さ30mmの独立気泡構造を持つ発泡体を得た。この発泡体の発泡倍率は31倍、ゲル分率は43重量%であった。この発泡体の120℃での加熱収縮率は2.5%であった。
実施例3
[マクロモノマーの製造]
10Lオートクレーブに、ヘキサン6,000mLとトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714mol/L)5mLを導入し、オートクレーブの内温を90℃に昇温した。このオートクレーブに、実施例1の[マクロモノマー製造用触媒の調製]で調製した触媒スラリー25mLを添加し、エチレンを分圧が1.2MPaになるまで導入して重合を開始した。重合中、分圧が1.2MPaに保たれるようにエチレンを連続的に導入した。また、重合温度を90℃に制御した。重合開始16分後に、内温を50℃まで降温してオートクレーブの内圧を0.1MPaまで脱圧した後、オートクレーブに窒素を0.6MPaになるまで導入して脱圧した。この操作を5回繰り返した。このオートクレーブから抜き出したマクロモノマーのMは9,600、M/Mは2.30であり、13C−NMRによりマクロモノマーの末端構造を解析したところ、ビニル末端数と飽和末端数の比(Z)はZ=0.57であった。また、13C−NMRにおいてメチル分岐が1,000炭素原子当たり0.52個、エチル分岐が1,000炭素原子当たり1.22個検出された。さらに、13C−NMRにおいて長鎖分岐は検出されなかった。
[ポリエチレンの製造]
上記で製造したマクロモノマーが含まれる10Lオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714mol/L)5mLとジフェニルメチレン(1−インデニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド 7μmolを導入し、オートクレーブの内温を85℃に昇温した。エチレンを分圧が0.3MPaになるまで導入して重合を開始した。重合中、分圧が0.3MPaに保たれるようにエチレンを連続的に導入した。また、重合温度を90℃に制御した。重合開始126分後に、オートクレーブの内圧を脱圧した後、内容物を吸引ろ過した。乾燥後、665gのポリマーが得られた。得られたポリエチレンのMFRは8.0g/10分、密度は972kg/m、Mは8.6×10、M/Mは6.4、長鎖分岐数は0.03個/1,000炭素、示差走査型熱量計による昇温測定において得られる吸熱曲線のピークは一つであった。その他の物性を表1〜3に示す。
得られたポリエチレンを用い、実施例1と同じ方法で、分解型発泡剤としてアゾジカルボンアミド15重量部、酸化亜鉛0.3重量部、架橋剤としてジクミルパーオキサイド0.8重量部を加えて混練し、発泡用組成物を得た。この混合原料を160℃に加熱したプレス(厚さ10mm)にて加圧下30分加熱して架橋と発泡剤の一部分の分解を行った。圧力を開放し、得られる発泡体を180℃に加熱した加熱槽にて加熱発泡させ、厚さ30mmの独立気泡構造を持つ発泡体を得た。この発泡体の発泡倍率は33倍、ゲル分率は39重量%であった。この発泡体の120℃での加熱収縮率は2.5%であった。
比較例1
示差走査型熱量計による昇温測定において得られる吸熱曲線のピークが一つである市販の高密度ポリエチレン(ニポロンハード#4000、東ソー(株)製、MFR=5.0g/10分、密度965kg/m)を用い、実施例1と同様の方法で、分解型発泡剤としてアゾジカルボンアミド15重量部、酸化亜鉛0.3重量部、架橋剤としてジクミルパーオキサイド0.8重量部を加えて混練し、発泡用組成物を得た。この混合原料を160℃に加熱したプレス(厚さ10mm)にて加圧下30分加熱して架橋と発泡剤の一部分の分解を行った。圧力を開放し、発泡体の成形を試みたが、180℃に加熱した時点で発泡体が破裂し、均一な発泡体は得られなかった。
比較例2
市販の高密度ポリエチレン(ニポロンハード#2500、東ソー(株)製、MFR=8.0g/10分、密度961kg/m)50重量%と低密度ポリエチレン(ペトロセン203、東ソー(株)製、MFR=8.0g/10分、密度919kg/m)50重量%を混合し、実施例1と同様の方法で、分解型発泡剤としてアゾジカルボンアミド15重量部、酸化亜鉛0.3重量部、架橋剤としてジクミルパーオキサイド0.8重量部を加えて混練し、発泡用組成物を得た。なお、この組成物は示差走査型熱量計による昇温測定において得られる吸熱曲線のピークが二つであった。この混合原料を160℃に加熱したプレス(厚さ10mm)にて加圧下30分加熱して架橋と発泡剤の一部分の分解を行った。圧力を開放し、得られる発泡体を180℃に加熱した加熱槽にて加熱発泡させ、厚さ30mmの独立気泡構造を持つ発泡体を得た。この発泡体の発泡倍率は26倍、ゲル分率は66重量%であった。この発泡体の120℃での加熱収縮率は8.8%と大きく、耐熱性に乏しかった。
比較例3
示差走査型熱量計による昇温測定において得られる吸熱曲線のピークが一つである市販の低密度ポリエチレン(ペトロセン205、東ソー(株)製、MFR=3.0g/10分、密度919kg/m)を用いて、実施例1と同様の方法で、分解型発泡剤としてアゾジカルボンアミド15重量部、酸化亜鉛0.3重量部、架橋剤としてジクミルパーオキサイド0.8重量部を加えて混練し、発泡用組成物を得た。この混合原料を160℃に加熱したプレス(厚さ10mm)にて加圧下30分加熱して架橋と発泡剤の一部分の分解を行った。圧力を開放し、得られる発泡体を180℃に加熱した加熱槽にて加熱発泡させ、厚さ30mmの独立気泡構造を持つ発泡体を得た。この発泡体の発泡倍率は30倍、ゲル分率は55重量%であった。この発泡体の120℃での加熱収縮率は10.6%と大きく、耐熱性に乏しかった。
比較例4
示差走査型熱量計による昇温測定において得られる吸熱曲線のピークが一つである市販のメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(アフィニティPT1650、ダウケミカル社製、MFR=3.5g/10分、密度905kg/m)を用いて、実施例1と同様の方法で、分解型発泡剤としてアゾジカルボンアミド15重量部、酸化亜鉛0.3重量部、架橋剤としてジクミルパーオキサイド0.8重量部を加えて混練し、発泡用組成物を得た。この混合原料を160℃に加熱したプレス(厚さ10mm)にて加圧下30分加熱して架橋と発泡剤の一部分の分解を行った。圧力を開放し、得られる発泡体を180℃に加熱した加熱槽にて加熱発泡させ、厚さ30mmの独立気泡構造を持つ発泡体を得た。この発泡体の発泡倍率は29倍、ゲル分率は49重量%であった。この発泡体の120℃での加熱収縮率は15%と大きく、耐熱性に乏しかった。
Figure 2006096909
Figure 2006096909
Figure 2006096909

Claims (5)

  1. 下記(a)〜(d)の要件を満たすポリエチレン系樹脂を架橋発泡させてなることを特徴とするポリエチレン系架橋発泡体。
    (a)密度が890kg/m以上980kg/m以下、
    (b)炭素数6以上の長鎖分岐数が1,000個の炭素原子当たり0.01個以上3個以下、
    (c)190℃で測定した溶融張力(MS190)(mN)と2.16kg荷重のMFR(g/10分、190℃)が、下記式(1)
    MS190>22×MFR−0.88 (1)
    を満たすと共に、160℃で測定した溶融張力(MS160)(mN)と2.16kg荷重のMFR(g/10分、190℃)が、下記式(2)を満たし、
    MS160>110−110×log(MFR) (2)
    (d)示差走査型熱量計による昇温測定において得られる吸熱曲線のピークが一つである
  2. エチレンを重合することによって得られる末端にビニル基を有するエチレン重合体、またはエチレンと炭素数3以上のオレフィンを共重合することによって得られる末端にビニル基を有するエチレン共重合体であり、
    (e)Mが2,000以上であり、
    (f)M/Mが2以上5以下である
    マクロモノマーの存在下に、エチレンおよび任意に炭素数3以上のオレフィンを重合することにより得られるポリエチレン系樹脂を架橋発泡させてなることを特徴とする請求項1に記載のポリエチレン系架橋発泡体。
  3. マクロモノマーが、エチレンを重合することによって得られ、
    (e)Mが5,000以上であり、
    (f)M/Mが2以上5以下である
    末端にビニル基を有する、直鎖状または分岐状のエチレン重合体であるポリエチレンからなることを特徴とする請求項2に記載のポリエチレン系架橋発泡体。
  4. (a)’密度が940kg/m以上980kg/m以下であるポリエチレン系樹脂を用いることを特徴とする請求項1〜3に記載のポリエチレン系架橋発泡体。
  5. (g)190℃、2.16kg荷重でのMFRが0.1〜50g/10分であるポリエチレン系樹脂を用いることを特徴とする請求項1〜4に記載のポリエチレン系架橋発泡体。
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