JP2009196200A - 加熱発泡用積層体および発泡体 - Google Patents

加熱発泡用積層体および発泡体 Download PDF

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Abstract

【課題】加熱発泡することによって断熱性に優れた発泡積層体を得ることのできる積層体およびこれを加熱発泡させて得られる発泡体を提供する。
【解決手段】(a)GPC法により測定された分子量分布曲線において、分子量10万以上の成分の全体に対する比率が30.0%以下、(b)GPC法により測定された数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の比Mw/Mnの値が8.5以下の要件を満たす高圧法低密度ポリエチレン層と水分を含む基材層の少なくとも二層よりなり、加熱により発泡した際に上記高圧法低密度ポリエチレン層が発泡層となることを特徴とする、加熱発泡用積層体を用いる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、加熱発泡することによって断熱性に優れた発泡積層体を得ることのできる積層体およびこれを加熱発泡させて得られる発泡体に関するものであり、特に発泡体表面の凹凸が非常に少なく優れた美粧性を有した発泡積層体を得ることのできる積層体およびこれを加熱発泡させて得られる発泡体に関するものである。
従来から、断熱性を有する容器として合成樹脂、特にポリスチレンを発泡させたものが多く使用されている。しかし発泡ポリスチレン容器は、廃棄時の環境への負荷が高い、印刷適性に劣るなどの欠点があり、他の素材への代替が検討されている。そのような中、紙カップ胴部の外周面にコルゲートした紙を貼り合わせて断熱層を形成した容器、同紙カップの胴部外周面にパルプ製の不織布とコート紙との積層体を接合した容器などが開発され、使用されている。
しかしながら、いずれの方法も加工、成形が容易でなく、コスト高になるという欠点があった。そこで、水分を含んだ基材の少なくとも一面に低融点の熱可塑性合成樹脂フィルムをラミネートして加熱することにより、基材に含まれている水分を利用して熱可塑性合成樹脂フィルムを発泡させて断熱層とする技術が考案された(例えば、特許文献1〜4参照。)。
特許文献1には、水分を有する紙の少なくとも片面にポリエチレンを押出ラミネートし、ポリエチレンをラミネートしない紙の表面には加熱時に蒸気圧を保持する層を形成させたラミネート加工紙を加熱することにより、表面に不規則な凹凸模様を有するラミネート加工紙を製造する方法が開示されている。また特許文献2には、このようなラミネート加工紙を胴部材および底板部材に使用した断熱性紙製容器およびその製造方法が開示されている。しかし、これらの積層体に使用される発泡層用の熱可塑性樹脂は、低密度ポリエチレンという以外は物性的および性状的に特定されておらず、通常発泡断熱容器の用途に使用される低密度ポリエチレンでは発泡体の厚みが均一になるように発泡させて美麗な外観の発泡体を得ることが難しい。しばしば起きる現象としては、遠目には目立った欠点はないように見えるが、発泡体の発泡厚みが部分的に均等でなく、よく見ると表面に微小な凹凸が多数存在し、あたかも水面にさざ波が立ったかの様な外観を呈する場合が挙げられる。この原因としては、発泡層を構成する樹脂自体が不均一な状態になっていることが推定され、発泡条件や基材の水分調整では改善することは困難であった。
特許文献3には、発泡層である低融点の熱可塑性樹脂フィルムの外側に高融点の熱可塑性樹脂フィルムを配した2層構造ラミネート膜を紙の少なくとも片面に接着し、他方の面に高融点の熱可塑性炭層フィルムを接着して容器を形成し、加熱処理することで製造される外観の良好な断熱性紙製容器およびその製造方法が開示されている。この方法によれば外観の良好な断熱性紙製容器を得ることができるが、2層構造のラミネート膜を形成させるためにはタンデムラミネーターあるいは多層ラミネーターでの加工、もしくはシングルラミネーターでの二度貼りが必要となり、加工方法が制約されるといった問題があった。
特許文献4には、発泡層である低融点の熱可塑性合成樹脂フィルムの表面に発泡と同調する成分配合の特定された印刷インキを塗布し、また容器の加熱発泡時の温度条件および経時条件を特定することで、凹凸感のない滑らかな印刷表面を有する断熱性紙製容器およびその製造方法が開示されている。しかし、同調インキは印刷部分の発泡層の膨張を阻害しない効果はあるもののそれ自体には発泡を均一化させる効果はないため、発泡体表面の微小な凹凸に関しては改善することはできない。また、発泡体表面の微小な凹凸は発泡層の樹脂に由来するものであるため、加熱発泡時の条件を特定することではこれを改善することはできないといった問題があった。
このようにして得られる材料は、食品包装容器、たとえば熱湯を注ぐだけで調理することができる麺類やスープの容器に好適に使用することができる。これらの商品では近年、商品イメージの観点から容器の美粧性の要求レベルが高くなっており、凹凸が少なく美麗な外観を有する発泡体が強く求められていた。
特公昭48−32283号公報 特開昭57−110439号公報 特開平5−42929号公報 特開2001−270571号公報
本発明は、上記のような状況を鑑みなされたものであって、加熱発泡することにより優れた断熱性を示すと共に、発泡後の表面に微小な凹凸が生じ難く表面外観が良好な発泡体が得られる積層体およびこれを加熱発泡させて得られる発泡体を提供することを目的とするものである。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の性状を有する高圧法低密度ポリエチレンを発泡層に用いた積層体を加熱により発泡させた場合に優れた発泡体外観が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(a)GPC法により測定された分子量分布曲線において、分子量10万以上の成分の全体に対する比率が30.0%以下であり、(b)GPC法により測定された数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の比Mw/Mnの値が8.5以下であることを特徴とする高圧法低密度ポリエチレンよりなる層と水分を含む基材層の少なくとも二層よりなり、加熱により発泡した際に上記高圧法低密度ポリエチレン層が発泡層となることを特徴とする、加熱発泡用積層体に関するものである。さらに、上記高圧法低密度ポリエチレンが、JIS K6922−1(1997年)により測定されたメルトマスフローレートが2〜100g/10分の範囲であり、JIS K6922−1(1997年)により測定された密度が890〜935kg/mの範囲である、加熱発泡用積層体に関するものである。さらに、上記積層体の積層方法が押出ラミネートであることを特徴とする加熱発泡用積層体に関するものである。さらに、上記積層体を加熱発泡して得られる発泡体に関するものである。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の積層体を構成する高圧法低密度ポリエチレンは、従来公知の高圧ラジカル重合法により得ることができる。
また、本発明の積層体を構成する高圧法低密度ポリエチレンは、以下に示すGPC法により測定された分子量分布曲線において、分子量10万以上の成分の全体に対する比率が30.0%以下である。さらに好ましくは、成形加工性が良好でありかつ発泡体の外観が良好となることから、10.0〜28.0%である。分子量10万以上の成分の全体に対する比率が30.0%を超えると、発泡体の発泡厚みが部分的に不均等となり、表面に微小な凹凸が発生するため好ましくない。
なお、本発明に使用される高圧法低密度ポリエチレンのように高分子量成分の比率が低い樹脂は、従来は発泡用途には使用されていなかった。発泡用樹脂においては、発泡時に気泡の形状を維持する目的で高い溶融張力を有するものを使用するのが一般的であった。高圧法低密度ポリエチレンでは溶融張力は高分子量成分の含有量と関係があることが知られており、高分子量成分の含有比率が多い方が溶融張力が高くなる傾向がある。したがって、従来発泡用途に使用されていた樹脂は高分子量成分の含有比率が高いものであり、本発明のように高分子量成分の比率が低い高圧法低密度ポリエチレンを用いることによって得られる効果は、容易には予想できないものである。
また、本発明の積層体を構成する高圧法低密度ポリエチレンは、GPC法により測定された数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の比Mw/Mnの値が8.5以下である。さらに好ましくは、成形加工性が良好でありかつ発泡体の外観が良好となることから、3.0〜8.0である。Mw/Mnの値が8.5を超えると、発泡体の発泡厚みが部分的に不均等となり、表面に微小な凹凸が発生するため好ましくない。
ここで本発明を規定するGPC法による分子量分布曲線、数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)の測定方法について、以下に記す。
測定対象となる高圧法低密度ポリエチレンを秤量後、HPLC級1,2,4−トリクロロベンゼン(和光純薬工業(株)製)に酸化防止剤としてBHT(和光純薬工業(株)製)を0.1%添加した溶媒に加えて、140℃で1時間振とうして溶解させたものを試料溶液とした。
測定装置として東ソー(株)製HLC−8121GPC/HTを用い、以下のようにして測定した。分離カラムとしてTSKgelGMHHR−H(20)HT(東ソー(株)製、内径7.8mm、長さ30cm)を3本連結して使用した。移動層にはHPLC級1,2,4−トリクロロベンゼン(和光純薬工業(株)製)に酸化防止剤としてBHT(和光純薬工業(株)製)を0.05%添加したものを使用し、140℃に保持した分離カラム中を流速1.0mL/分で移動させた。これに1.0mg/mLに濃度を調整した試料溶液を0.3mL注入し、示差屈折計で分離された試料成分を検出した。標準ポリスチレン(東ソー(株)製)を使用して作成した5次近似曲線を検量線として使用し、分子量分布曲線、数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を算出した。
本発明の積層体を構成する高圧法低密度ポリエチレンは、MFRが2〜100g/10分、好ましくは3〜50g/10分、より好ましくは3〜25g/10分の範囲であると、積層体の発泡性に優れ、かつ成形加工が容易となるため好ましい。
また、本発明の積層体を構成する高圧法低密度ポリエチレンは、密度が890〜935kg/m、好ましくは900〜925kg/m、より好ましくは905〜925kg/mの範囲であると、積層体の発泡性に優れることに加え、積層体を加熱発泡する際、発泡のための加熱に必要な熱量が減少できるため好ましい。
また、本発明の積層体を構成する高圧法低密度ポリエチレンの分子量分布以外の物性については特に制限はないが、毛管粘度計で測定した130℃における溶融張力が80〜300mNの範囲であることが、良好な外観を有する発泡体を得るためには好ましい。溶融張力が80mN未満では、積層体を加熱して発泡させた場合に、発泡セルの結合や破泡、また冷却時に発泡セルが収縮することにより、発泡表面に大きな凹凸が多数生じ表面外観を悪化させる恐れがある。一方溶融張力が300mNを超えると、積層体を加熱して発泡させた場合に十分な発泡層の厚みが得られない恐れがある。なお、溶融張力の測定方法を以下に記す。
23℃に設定した恒温室内において、バレル直径9.55mmの毛管粘度計に、長さが8mm、直径が2.095mm、流入角が90°のダイスを装着した。温度を130℃に設定し、ピストン降下速度を10mm/分、延伸比を24に設定し、引き取りに必要な荷重(mN)を溶融張力とした。最大延伸比が24未満の場合、破断しない最高の延伸比での引き取りに必要な荷重(mN)を溶融張力とした。
本発明の積層体を構成する高圧法低密度ポリエチレンには、他のポリエチレン系樹脂を1種もしくは複数混合してもかまわない。高圧法低密度ポリエチレンと他のポリエチレン系樹脂を溶融混合した後の分子量分布曲線およびMw/Mnの値には、特に制限はない。ただし、ポリエチレン系樹脂が高圧法低密度ポリエチレンである場合には、これらを溶融混合した後の分子量分布曲線およびMw/Mnの値は、本発明の高圧法低密度ポリエチレンの要件を満たすものでなければならない。
ポリエチレン系樹脂としては、従来公知の高圧ラジカル重合法によって製造された低密度ポリエチレン、チーグラー・ナッタ触媒あるいはメタロセン触媒を用いて製造されたエチレン・α−オレフィン共重合体、高密度ポリエチレンなどを例示することができる。なお、エチレン・α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセンなどを例示することができる。
混合比率については特に制限はないが、良好な発泡性と加工性が得られることから、混合するポリエチレン系樹脂の比率が50%未満であることが好ましく、より好ましくは30%未満である。
混合の方法には特に制限はなく、ペレット同士を固体状態で混合したペレット混合物であってもよいが、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリー等で溶融混練した混合物の方が、品質の安定した製品が得られるので好ましい。溶融混練装置を用いる場合、溶融温度はポリエチレン系樹脂の融点〜300℃程度が好ましい。
本発明の積層体を構成する高圧法低密度ポリエチレンには、必要に応じて、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤等、ポリオレフィン樹脂に一般的に用いられている添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加してもかまわない。
なお、本発明を構成する高圧法低密度ポリエチレンとして使用可能な市販品としては、ペトロセン204、ペトロセン205、ペトロセン207、ペトロセン208、ペトロセン209、ペトロセン214、ペトロセン217、ペトロセン222、ペトロセン225、ペトロセン226、ペトロセン310(いずれも東ソー(株)製)などを例示することができる。
本発明の積層体を構成する基材については特に制限はないが、基材に含まれる水分は、20〜30g/mであることが好ましく、より好ましくは20〜28g/mである。20g/m未満では、積層体を発泡させた際の発泡層の厚みが不十分となる恐れがある。また、30g/mを超えると、積層体を加熱発泡させた際に、発泡セルの結合や破泡、また冷却時に発泡セルが収縮することにより、発泡表面に大きな凹凸が多数生じ表面外観を悪化させる恐れがある。
このような本発明の積層体を構成する基材として、上質紙、クラフト紙などの天然パルプを主成分とする紙(以下、単に紙と略す)、合成繊維或は合成樹脂フィルムを擬紙化した所謂合成紙、発泡シート、ゼオライトなどの多孔性無機物からなるシートなどを例示することができ、基材中に含まれる水分量の調整が比較的容易なことから紙が好ましい。基材は、従来公知の技術により着色インキなどで印刷されていてもかまわない。基材に紙を使用する場合、水分量の調節が容易なことから、坪量は150〜500g/mであることが好ましく、より好ましくは200〜400g/mである。
本発明の積層体を成形する方法としては、押出ラミネート成形法、ドライラミネート成形法、ウェットラミネート成形法、サーマルラミネート成形法、ホットメルトラミネート成形法、圧縮成形法などを例示することができる。中でも生産効率や成形された積層体の品質などの面から、押出ラミネート成形法が好ましい。押出ラミネート成形法の種類としては、シングルラミネート加工法、タンデムラミネート加工法、サンドウィッチラミネート加工法、共押出ラミネート加工法などの各種押出ラミネート加工法を例示することができる。押出ラミネート法における樹脂の温度は260〜350℃の範囲が好ましく、冷却ロールの表面温度は10〜50℃の範囲が好ましい。
また、押出ラミネート加工において、高圧法低密度ポリエチレンを溶融状態で押出し層とした直後に、該層の基材接着面を含酸素気体又は含オゾン気体に曝し、基材と貼り合わせる手法を用いると、基材層との接着性に優れることから好ましい。含オゾン気体により熱可塑製樹脂と基材との接着性を向上させる場合は、オゾンガスの処理量としては、ダイより押出された熱可塑製樹脂よりなるフィルム1m当たり0.5mg以上のオゾンを吹き付けることが好ましい。
本発明の積層体は、高圧法低密度ポリエチレン層と基材層との接着性をさらに向上させるため、高圧法低密度ポリエチレンが発泡しない程度の温度、例えば30℃〜60℃の温度で10時間以上熱処理することができる。また必要に応じて、基材の接着面に対してコロナ処理、フレーム処理、プラズマ処理などの公知の表面処理を施してもよい。また、必要であれば基材にアンカーコート剤を塗布しても良い。
本発明の積層体において、加熱により発泡する高圧法低密度ポリエチレン層の厚みは、本発明の目的が達成される限りにおいて特に制限はないが、発泡性に優れ、破損などの問題が小さいことから、30μm〜5mmの厚みであることが好ましく、経済性の観点から、30μm〜150μmの範囲が最も好適である。
本発明の積層体を加熱により発泡した場合、発泡後の発泡層の厚みが500μm以上であると、発泡積層体の断熱性に優れるため好ましい。
本発明の積層体において、加熱により発泡する高圧法低密度ポリエチレン層に対する基材層の裏側は、高分子重合体フィルムおよびシート、粘着テープなどにより被覆されていると、基材層の水分が高圧法低密度ポリエチレン層の裏側から放散されるのを防ぎ、効果的に発泡させることが可能である点から好ましい。これら高分子重合体フィルム及びシートはアルミ蒸着、アルミナ蒸着、二酸化珪素蒸着されたものでもよい。また、これら高分子重合体フィルム及びシートはさらにウレタン系インキ等を用い印刷されたものでもよい。被覆法としては、押出ラミネート、ドライラミネート、ウェットラミネートなどのラミネート法や圧着法の他、粘着テープを貼り合わせただけであってもかまわない。その中でも、加熱発泡の際に積層体の水分が抜け発泡を妨げるのを防ぐことが容易なことから、発泡層として使用される高圧法低密度ポリエチレンよりも密度の高い高分子重合体をラミネートすることが特に好ましい。高分子重合体としては、ラミネート成形が比較的容易なこと、融点の調節が容易であることから、高密度ポリエチレンと高圧法低密度ポリエチレンの混合物であることが好ましい。高密度ポリエチレンと高圧法低密度ポリエチレンの混合割合は、重量比で15/85〜85/15であると、ラミネート成形が比較的容易であり、加熱発泡時に溶融するなどして水分が抜け発泡を妨げることを防ぐことが容易になるため好ましい。
本発明の積層体は、オーブンなどで加熱することで発泡させて、十分な断熱性を持った発泡体を得ることができる。加熱方法としては、熱風、電熱、電子線の他、積層体を容器状に成形し、高温の物体を内填して充填物の熱を利用するなど、任意の手段を使用できる。加熱は、オーブン内で回分式に行う手法、コンベアなどにより連続的に行う手法などにより行うことができる。
発泡させる際の加熱温度、加熱時間は、使用する基材、および熱可塑性樹脂の種類に依存して変化するが、一般的に加熱温度は110℃〜200℃であり、加熱時間は10秒〜5分間である。
本発明の発泡体は、コーヒー、スープなどの高温飲料用の紙容器、インスタントラーメンなどの即席食品用の容器等、断熱性を求められ、かつ商品外観の美粧性が求められる容器に好適に使用することができる。
本発明の積層体は、加熱することにより容易に発泡し、優れた断熱性を示すと共に、発泡厚みのわずかな差による微小な凹凸が生じ難く、発泡後の表面の外観が良好で美粧性に非常に優れた発泡積層体を得ることができるものである。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下に、各物性の評価方法を示す。
(1)基材の水分量
測定温度165℃において、カールフィッシャー法水分測定装置(三菱化学(株)製、商品名CA−05)を使用し測定した。
(2)メルトマスフローレート(MFR)
JIS K6922−1(1997年)に準拠し、測定した。
(3)密度
JIS K6922−1(1997年)に準拠し、測定した。
(4)GPC法による分子量分布曲線、数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)の測定
本発明の詳細な説明で記載した方法により、高圧法低密度ポリエチレンの分子量分布曲線、数平均分子量および重量平均分子量を計測した。この方法により得られた分子量分布曲線から、分子量10万以上の成分の全体に対する比率を算出し、数平均分子量と重量平均分子量の値からMw/Mnを算出した。
(5)溶融張力
バレル直径9.55mmの毛管粘度計(東洋精機製作所、商品名:キャピログラフ)に、長さが8mm、直径が2.095mm、流入角が90°のダイスを装着した。温度を130℃に設定し、ピストン降下速度を10mm/分、延伸比を24に設定し、引き取りに必要な荷重(mN)を溶融張力とした。最大延伸比が24未満の場合、破断しない最高の延伸比での引き取りに必要な荷重(mN)を溶融張力とした。なお、測定は23℃に設定した恒温室内で行った。
(6)発泡層の厚み
実施例により得られた積層体を20cm×30cmに切り出し、115℃に加熱した小型オーブン(Werner Mathis AG製)中で210秒間静置した後、取り出して空気中で室温まで冷却した。発泡後の積層体、及びブランクとして発泡させる前のラミネート積層体をサンプル取りし、光学顕微鏡により断面写真を撮影した。断面写真から発泡層の厚みを測定し、5箇所で測定した平均の発泡層の厚みを当該発泡体の発泡層厚みとした。
(7)発泡表面の状態
実施例により得られた積層体を20cm×30cmに切り出し、120℃に加熱したスモールオーブン(Werner Mathis AG製)中で120秒間静置した後、取り出して空気中で室温まで冷却した。得られた発泡体の表面に、面に対して45°の角度から蛍光灯による光を当て、発泡体表面の凹凸により表面に浮き出る影の程度を目視した。影がはっきりと確認できる場合を×、ほとんど確認できない場合を○とした。
実施例1
MFRが8g/10分、密度が920kg/mであり、GPC法によって計測したMw/Mnの値が7.9であり、分子量10万以上の成分の全体に対する比率が26.3%であり、毛管粘度計で測定した130℃における溶融張力が160mNである高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン214)(A1)を、直径90mmφのスクリューを有する単軸押出ラミネーター(ムサシノキカイ(株)製)へ供給し、310℃の温度でTダイより押し出し、水分量が24g/mであり、坪量320g/mである紙基材上に引き取り速度が60m/分、エアギャップ通過時間が0.12秒で70μmの厚さになるよう押出ラミネート成形を行った。さらに、この積層体の、ポリエチレン系樹脂層に対する基材層の裏側に、密度が940kg/mである熱可塑性樹脂(東ソー(株)製 商品名ペトロセンLW04−1)を40μmの厚さになるよう押出ラミネート成形を行い、高圧法低密度ポリエチレン樹脂層、紙基材層、熱可塑性樹脂層の順に積層されてなる積層体を得た。この積層体を加熱して発泡させ、発泡体表面の状態を評価した。発泡性評価の結果を表1に示す。発泡後の発泡体表面の状態は非常に良好であった。
実施例2
高圧法低密度ポリエチレンとして、MFRが7g/10分、密度が922kg/mであり、GPC法によって計測したMw/Mnの値が8.4であり、分子量10万以上の成分の全体に対する比率が26.4%であり、毛管粘度計で測定した130℃における溶融張力が170mNである高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン204)(A2)を使用した以外は実施例1と同様にして押出ラミネート成形を行い、積層体を得た。この積層体を加熱して発泡させ、発泡体表面の状態を評価した。結果を表1に示す。発泡後の発泡体表面の状態は非常に良好であった。
実施例3
高圧法低密度ポリエチレンとして、MFRが3g/10分、密度が924kg/mであり、GPC法によって計測したMw/Mnの値が6.3であり、分子量10万以上の成分の全体に対する比率が26.6%であり、毛管粘度計で測定した130℃における溶融張力が230mNである高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン205)(A3)を使用した以外は実施例1と同様にして押出ラミネート成形を行い、積層体を得た。この積層体を加熱して発泡させ、発泡体表面の状態を評価した。結果を表1に示す。発泡後の発泡体表面の状態は非常に良好であった。
実施例4
(A1)にMFRが13g/10分、密度が905kg/mであるエチレン・1−ヘキセン共重合体(東ソー(株)製 商品名ニポロンZ 04P67D)を20重量%配合し、50mm単軸押出機((株)プラコー製)により150℃で溶融混練した後に造粒したものを高圧法低密度ポリエチレンとして使用した以外は実施例1と同様にして押出ラミネート成形を行い、積層体を得た。なお、造粒後の樹脂は、GPC法によって計測したMw/Mnの値が6.5であり、分子量10万以上の成分の全体に対する比率が23.8%であり、毛管粘度計で測定した130℃における溶融張力が130mNであった。この積層体を加熱して発泡させ、発泡体表面の状態を評価した。結果を表1に示す。発泡後の発泡体表面の状態は非常に良好であった。
比較例1
高圧法低密度ポリエチレンとして、MFRが8g/10分、密度が918kg/mであり、GPC法によって計測したMw/Mnの値が9.7であり、分子量10万以上の成分の全体に対する比率が30.6%であり、毛管粘度計で測定した130℃における溶融張力が180mNである高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン213)(A4)を使用した以外は実施例1と同様にして押出ラミネート成形を行い、積層体を得た。この積層体を加熱して発泡させ、発泡体表面の状態を評価した。発泡性評価の結果を表1に示す。発泡体表面の状態は、微小な凹凸が多数見られ、不良であった。
比較例2
高圧法低密度ポリエチレンとして、MFRが13g/10分、密度が919kg/mであり、GPC法によって計測したMw/Mnの値が8.7であり、分子量10万以上の成分の全体に対する比率が28.7%であり、毛管粘度計で測定した130℃における溶融張力が100mNである高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン212)(A5)を使用した以外は実施例1と同様にして押出ラミネート成形を行い、積層体を得た。この積層体を加熱して発泡させ、発泡体表面の状態を評価した。発泡性評価の結果を表1に示す。発泡体表面の状態は、微小な凹凸が多数見られ、不良であった。
Figure 2009196200

Claims (4)

  1. 下記(a)〜(b)の要件を満たす高圧法低密度ポリエチレン層と水分を含む基材層の少なくとも二層よりなり、加熱により発泡した際に上記高圧法低密度ポリエチレン層が発泡層となることを特徴とする、加熱発泡用積層体。
    (a)GPC法により測定された分子量分布曲線において、分子量10万以上の成分の全体に対する比率が30.0%以下
    (b)GPC法により測定された数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の比Mw/Mnの値が8.5以下
  2. 高圧法低密度ポリエチレン層が下記(c)〜(d)の要件を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の加熱発泡用積層体。
    (c)JIS K6922−1(1997年)により測定されたメルトマスフローレートが2〜100g/10分
    (d)JIS K6922−1(1997年)により測定された密度が890〜935kg/m
  3. 高圧法低密度ポリエチレン層と基材層の積層方法が押出ラミネートであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の加熱発泡用積層体。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の加熱発泡用積層体を加熱発泡させることによって得られる発泡体。
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