JP6331348B2 - 発泡積層体の製造方法及びその発泡積層体 - Google Patents
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Description
(i)紙基材の片面、若しくは両面に水を塗布する工程。
(ii)(A)層としてJIS K6922−1(2011年)により測定された密度が935kg/m3以上970kg/m3以下であるポリエチレン系樹脂(a)、(B)層として下記(iv)〜(vi)の要件を満たすポリエチレン系樹脂組成物(b)を紙基材に積層する工程
(iii)ポリエチレン系樹脂(a)/紙基材/ポリエチレン系樹脂組成物(b)からなる積層体に加熱処理を施し、ポリエチレン系樹脂組成物(b)を発泡する工程
(iv)JIS K6922−1(2011年)により測定された密度が910kg/m3以上930kg/m3以下である高圧法低密度ポリエチレン(c)が30重量%以上90重量%以下、JIS K6922−1(2011年)により測定された密度が880kg/m3以上910kg/m3以下であるエチレン・α−オレフィン共重合体(d)が10重量%以上70重量%以下((c)と(d)の合計は100重量%)を含む
(v)JIS K6922−1(2011年)により測定された密度が890kg/m3以上925kg/m3以下
(vi)毛管粘度計で測定した130℃における溶融張力が80mN以上180mN以下
以下、本発明について詳細に説明する。
(i)紙基材の片面、若しくは両面に水を塗布する工程。
(ii)(A)層としてポリエチレン系樹脂(a)、(B)層としてポリエチレン系樹脂組成物(b)を紙基材に積層する工程
(iii)ポリエチレン系樹脂(a)/紙基材/ポリエチレン系樹脂組成物(b)からなる積層体に加熱処理を施し、ポリエチレン系樹脂組成物(b)を発泡する工程
水分を塗布する手法は、本発明の目的が達成される限りにおいて特に限定はなく、ロールコート装置、リップコート装置、スプレー装置、ダイコート装置、グラビア装置、ダンプニング装置などを用いた手法が例示することができる。水の塗布量が均一になるため、ダンプニング装置を用いた手法が好ましい。
この水の減少速度定数k(分−1)は、具体的には、紙基材/ポリエチレン系樹脂の順に積層され、ポリエチレン系樹脂の密度が940kg/m3、ポリエチレン系樹脂の厚みが40μmである積層体の加熱時の重量変化を用いて求めることができる。紙基材/ポリエチレン系樹脂からなる積層体を加熱処理した時に得られるある時間t(分)における加熱後の単位面積当たりの重量減少量ΔWt(g/m2)と式(1)から導出される下式(2)を計算して得られるある時間t(分)における単位面積当たりの重量減少量ΔWt,cal(g/m2)を各々0.5分毎に0.5分から6分まで算出した時に、下式(3)で表されるある時間t(分)における誤差εtの0.5分から6分までの合計値が最少となるように水の減少速度定数k(分−1)を求める。
εt=[(ΔWt−ΔWt,cal)/ΔWt]2 (3)
ここで、W0は紙基材/ポリエチレン系樹脂における加熱前の単位面積あたりの水分量(g/m2)である。
(1)密度
密度は、JIS K6922−1(2011年)に準拠して測定した。
(2)メルトマスフローレート(MFR)
MFRは、JIS K6922−1(2011年)に準拠して測定した。
(3)溶融張力
バレル直径9.55の毛管粘度計((株)東洋精機製作所製、商品名 キャピログラフ)に、長さが8mm、直径2.095mm、流入角が90°のダイスを装着した。温度を130℃に設定し、ピストン降下速度を10mm/分、延伸比を24に設定し、引き取りに必要な荷重を溶融張力(mN)とした。最大延伸比が24未満の場合、破断しない最高の延伸比での引き取りに必要な荷重を溶融張力(mN)とした。なお、測定は23℃に設定した恒温室内で行った。
(4)加熱発泡
実施例により得られた積層体を10cm×20cmに切り出し円筒状に成形したサンプルを、所定の温度に加熱したギア式老化試験機(安田精機製作所製 No.102−SHF−77)中で熱風をあてながら所定の時間静置した後、取り出して空気中で室温まで冷却した。また、加熱時の風量について「AGING」ボタンの「HIGH」と「LOW」で調節した。
(5)紙基材の水分量
ポリエチレン系樹脂の積層前後の紙基材について、カールフィッシャー法水分測定装置(三菱化学(株)製、商品名CA−05)を使用し測定した。測定温度は165℃である。
(6)水の減少速度定数k
水分量が24g/m2であり、坪量320g/m2である紙基材に、MFRが7g/10分、密度が940kg/m3である高密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン LW04−1)を直径90mmφのスクリューを有する単軸押出ラミネーター(ムサシノキカイ(株)製)へ供給し、320℃の温度でTダイより押し出し、紙基材上に引き取り速度が60m/分、エアギャップ長さが130mmで40μmの厚さになるよう押出ラミネート成形を行った後、恒温恒湿槽(日立アプライアンス(株)製、EC−25MHHP)を使用して実施例及び比較例に記載の水分量に調湿した積層体を用いた。これらの積層体を(4)加熱発泡と同様の手法で0.5分毎に6分まで加熱処理を行い、小数点第4桁まで測定できる電子天秤(ザルトリウス(株)製、BP210S)を用いて、加熱処理前後の重量変化を測定し、重量減少量ΔWt(g/m2)を算出した。この重量減少量ΔWtを用いて、水の減少速度定数k(分−1)を明細書中に例示した方法を用いて算出した。
(7)発泡層厚み
実施例により得られた発泡体、及びブランクとして発泡させる前のラミネート積層体をサンプル取りし、光学顕微鏡により断面写真を撮影した。断面写真から発泡層の厚みを測定し、5箇所で測定した。
(8)発泡表面の状態
得られた発泡体の表面の平滑性を目視で観測した。表面の平滑性が良好である場合を○、良好であるもののやや劣る場合を△、不良の場合を×とした。
ポリエチレン系樹脂(a)として、MFRが7g/10分、密度が940kg/m3である高密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン LW04−1)(A1)を、ポリエチレン系樹脂組成物(b)として、MFRが8g/10分、密度が918kg/m3である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン 213)(C1)を80重量%、MFRが15g/10分、密度が898kg/m3であるエチレン・1−ヘキセン共重合体(東ソー(株)製 商品名ニポロン−Z 04P67E)(D1)を20重量%になるように配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径50mm)にて溶融混練したエチレン系樹脂組成物(B1、MFR 9g/10分、密度 914kg/m3、溶融張力 140mN)を使用した。
実施例1に使用したポリエチレン系樹脂を使用し、紙基材の(B1)を積層する面に3g/m2の水を塗布した以外は、実施例1と同様の手法により発泡前後の積層体を得た。得られた積層体について、発泡層の厚み、平滑性を評価した。結果を表1に示す。
実施例1に使用したポリエチレン系樹脂を使用し、紙基材の(A1)を積層する面に6g/m2の水を塗布し、(B1)を積層する面に6g/m2の水を塗布した以外は、実施例1と同様の手法により発泡前後の積層体を得た。得られた積層体について、発泡層の厚み、平滑性を評価した。結果を表1に示す。
ポリエチレン系樹脂組成物(b)として、(C1)を50重量%、(D1)を50重量%になるように配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径50mm)にて溶融混練したエチレン系樹脂組成物(B2、MFR 11g/10分、密度 908kg/m3、溶融張力 102mN)を使用した以外は、実施例3と同様の手法により発泡前後の積層体を得た。得られた積層体について、発泡層の厚み、平滑性を評価した。結果を表1に示す。
ポリエチレン系樹脂組成物(b)として、(C1)を35重量%、(D1)を65重量%になるように配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径50mm)にて溶融混練したエチレン系樹脂組成物(B3、MFR 12g/10分、密度 904kg/m3、溶融張力 82mN)を使用した以外は、実施例3と同様の手法により発泡前後の積層体を得た。得られた積層体について、発泡層の厚み、平滑性を評価した。結果を表1に示す。
参考例1
実施例3に使用したポリエチレン系樹脂を使用し、発泡する際の風量をLOWとした以外は、実施例3と同様の手法により発泡前後の積層体を得た。得られた積層体について、発泡層の厚み、平滑性を評価した。結果を表1に示す。
ポリエチレン系樹脂組成物(b)として、(C1)を20重量%、(D1)を80重量%になるように配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径50mm)にて溶融混練したエチレン系樹脂組成物(B4、MFR 13g/10分、密度 902kg/m3、溶融張力 15mN)を使用した以外は、実施例3と同様の手法により発泡前後の積層体を得た。得られた積層体について、発泡層の厚み、平滑性を評価した。結果を表2に示す。発泡後の発泡層厚みに劣っていた。
ポリエチレン系樹脂組成物(b)として、MFRが13g/10分、密度が918kg/m3である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン 212)(C2)を80重量%、MFRが2g/10分、密度が905kg/m3であるエチレン・1−ヘキセン共重合体(東ソー(株)製 商品名ニポロン−Z 9P52A)(D2)を20重量%になるように配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径50mm)にて溶融混練したエチレン系樹脂組成物(B5、MFR 9g/10分、密度 915kg/m3、溶融張力 210mN)を使用した以外は、実施例3と同様の手法により発泡前後の積層体を得た。得られた積層体について、発泡層の厚み、平滑性を評価した。結果を表2に示す。発泡後の発泡層厚み及び発泡層表面の平滑性に劣っていた。
紙基材の(A1)を積層する面と(B1)を積層する面に水を塗布しなかったこと以外は、実施例3と同様の手法により発泡前後の積層体を得た。得られた積層体について、発泡層の厚み、平滑性を評価した。結果を表2に示す。発泡後の発泡層の厚みが不良であった。
Claims (7)
- 少なくとも(A)層/紙基材/(B)層の順に積層されてなる発泡積層体の製造方法であって、少なくとも下記に示す(i)〜(iii)の工程を経ることを特徴とする発泡積層体の製造方法。
(i)紙基材の片面、若しくは両面に水を塗布する工程
(ii)(A)層としてJIS K6922−1(2011年)により測定された密度が935kg/m3以上970kg/m3以下であるポリエチレン系樹脂(a)、(B)層として下記(iv)〜(vi)の要件を満たすポリエチレン系樹脂組成物(b)を紙基材に積層する工程
(iii)ポリエチレン系樹脂(a)/紙基材/ポリエチレン系樹脂組成物(b)からなる積層体に水の減少速度定数k(分 −1 )が0.60以上1.30以下の条件を満たす加熱条件で加熱処理を施し、ポリエチレン系樹脂組成物(b)を発泡する工程
ここで、水の減少速度定数k(分 −1 )とは、ポリエチレン系樹脂組成物(b)を発泡させる工程において、ある加熱時間t(分)における単位時間あたりの水分変化量dW/dtと、ある加熱時間t(分)における紙基材中の水分濃度Wとの関係式である、下式(1)で表される一次速度式における比例定数である。
dW/dt=−kW (1)
(iv)JIS K6922−1(2011年)により測定された密度が910kg/m3以上930kg/m3以下である高圧法低密度ポリエチレン(c)が30重量%以上90重量%以下、JIS K6922−1(2011年)により測定された密度が880kg/m3以上910kg/m3以下であるエチレン・α−オレフィン共重合体(d)が10重量%以上70重量%以下((c)と(d)の合計は100重量%)を含む
(v)JIS K6922−1(2011年)により測定された密度が890kg/m3以上925kg/m3以下
(vi)毛管粘度計で測定した130℃における溶融張力が80mN以上180mN以下 - 紙基材に塗布する水分量が2g/m2以上30g/m2以下であることを特徴とする請求項1に記載の発泡積層体の製造方法。
- ダンプニング装置を用いて、紙基材に水を塗布することを特徴とする請求1又は2に記載の発泡積層体の製造方法。
- 紙基材の坪量が150g/m2以上400g/m2以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発泡積層体の製造方法。
- ポリエチレン系樹脂組成物(b)を発泡する工程(iii)において、水の減少速度定数k(分−1)が0.65以上1.30以下の条件を満たす加熱条件を施すことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の発泡積層体の製造方法。
- ポリエチレン系樹脂組成物(b)を発泡する工程(iii)において、水の減少速度定数k(分−1)が0.80以上1.10以下の条件を満たす加熱条件を施すことを特徴とする請求項5に記載の発泡積層体の製造方法。
- ポリエチレン系樹脂組成物(b)のJIS K6922−1(2011年)により測定されたメルトマスフローレートが5〜30g/10分であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の発泡積層体の製造方法。
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