JP4747827B2 - 加熱発泡用押出ラミネート積層体 - Google Patents

加熱発泡用押出ラミネート積層体 Download PDF

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Description

本発明は、加熱発泡することにより、発泡層が厚く、断熱性に優れ、発泡表面に大きな凹凸が生じ難く表面外観が良好な発泡積層体を得ることのできる、加熱発泡用押出ラミネート積層体に関するものである。
従来から、断熱性を有する容器として、合成樹脂、特にポリスチレンを発泡させたものが多く使用されている。しかし、発泡ポリスチレン容器は、廃棄時の環境への負荷が高い、印刷適性に劣るなどの欠点があり、他の素材への代替が検討されている。そのような中、紙カップ胴部の外周面にコルゲートした紙を貼り合わせて断熱層を形成した容器、同紙カップの胴部外周面にパルプ製の不織布とコート紙との積層体を接合した容器などが開発され、使用されている。
しかしながら、いずれの方法も加工、成形が容易でなく、コスト高になるという欠点があった。そこで、水分を含んだ基材の少なくとも一面に低融点の熱可塑性合成樹脂フィルムをラミネートし、加熱することにより、基材に含まれている水分を利用して合成樹脂フィルムを凹凸に発泡させる技術が考案された(特許文献1〜4参照。)。しかし、このようにして得られる材料は、発泡層の厚みが薄く、断熱性が不十分であった。
また、発泡層の厚い発泡層を得る手段として、熱可塑性樹脂の発泡層にシングルサイト触媒を用いて重合したエチレン・α−オレフィン共重合体を使用する手法が提案されている(特許文献5参照。)。また、発泡面の少なくとも一部を真空吸引して発泡セルの発泡層の厚くする手法が提案されている(特許文献6参照)。
しかし、シングルサイト触媒を用いて重合したエチレン・α−オレフィン共重合体は、発泡時に、発泡セルの結合により発泡層の表面に大きな凸部が発生したり、発泡セルの結合や破泡、冷却時における発泡セルの収縮などの理由により表面に大きな凹部が生じるなどの理由により、表面外観が悪化しやすいといった問題があった。また、真空吸引により発泡層を厚くする手法は、真空吸引装置が必要であること、製造工程に真空吸引を施す工程を設ける必要があることからコストパフォーマンスに劣るといった問題があった。
特公昭48−32283号公報 特開昭57−110439号公報 特開平5−42929号公報 特開2001−270571号公報 特開平10−128928号公報 特開2004−58534号公報
本発明は、上記のような状況を鑑みなされたものであって、加熱発泡することにより、発泡層が厚く、断熱性を示すと共に、発泡後の表面に大きな凹凸が生じ難く表面外観が良好な発泡体が得られる押出ラミネート成形により得られた積層体を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の押出ラミネート積層体が、加熱により発泡させた場合に優れた発泡性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記(a)〜(c)の要件を満たすポリエチレン系樹脂を、水分量が20〜30g/mである基材層と隣接した層に少なくとも一層有し、加熱発泡により上記ポリエチレン系樹脂層が発泡層となることを特徴とする、加熱発泡用押出ラミネート積層体に関するものである。
(a)エチレン・α−オレフィン共重合体(A)が1重量%以上50重量%未満、および、高圧法低密度ポリエチレン(B)が50重量%を超え99重量%以下からなる
(b)毛管粘度計で測定した130℃における溶融張力が80〜180mN
(c)130℃において動的粘弾性を測定することで求められる、角速度0.01s−1におけるせん断粘度η0.01が5,000〜17,000Pa・s
さらに、上記ポリエチレン系樹脂が、JIS K6922−1(1997年)により測定されたメルトマスフローレート(以下MFRと略す)が4〜100g/10分の範囲であり、JIS K6922−1(1997年)により測定された密度が890〜935kg/mの範囲であることを特徴とする、加熱発泡に用いられる押出ラミネート積層体に関するものである。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の積層体を構成するポリエチレン系樹脂に用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体(A)に用いるα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセンなどを挙げることができ、これらの1種または2種以上が用いられる。
さらに、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)を得るための方法は特に限定するものではなく、チーグラー・ナッタ触媒やフィリップス触媒、メタロセン触媒を用いた高・中・低圧イオン重合法などを例示することができ、このような共重合体は、市販品の中から便宜選択することができる。
本発明の積層体を構成するポリエチレン系樹脂に用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体(A)のMFRは、2〜100g/10分、より好ましくは3〜50g/10分の範囲であると、積層体を成形する際の加工が容易になる。
また、本発明の積層体を構成するポリエチレン系樹脂に用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体(A)の密度は、積層体を発泡する際に加える熱量を減少できるため、870〜935kg/m、より好ましくは890〜935kg/m、さらに好ましくは890〜910kg/mの範囲であることが好ましい。
本発明の積層体を構成するポリエチレン系樹脂に用いられる高圧法低密度ポリエチレン(B)は、従来公知の高圧ラジカル重合法により得ることができる。
また、本発明の積層体を構成するポリエチレン系樹脂に用いられる高圧法低密度ポリエチレン(B)は、押出ラミネート加工が容易であることから、MFRが0.1〜20g/10分の範囲であることが好ましい。
また、本発明の積層体を構成するポリエチレン系樹脂に用いられる高圧法低密度ポリエチレン(B)は、密度が910〜936kg/mの範囲であることが、ラミネート加工の成膜安定性の点から好ましい。
また、本発明の積層体を構成するポリエチレン系樹脂に用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体(A)と高圧法低密度ポリエチレン(B)の配合比率は、(A)が1重量%以上50重量%未満、(B)が50重量%を超えて99重量%以下であり、好ましくは(A)が5重量%以上50重量%未満、(B)が50重量%を超えて95重量%以下である。エチレン・α−オレフィン共重合体(A)が1重量%未満の場合、本発明の積層体を加熱により発泡した場合の発泡性が不足するため好ましくなく、50重量%以上になると、積層体を加熱により発泡した場合に、発泡セルが結合、破泡したり、冷却時に発泡セルが収縮するために、発泡後の表面に多数の大きな凹部が生じ表面外観が悪化するため好ましくない。
本発明の積層体を構成するポリエチレン系樹脂は、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)のペレットと高圧法低密度ポリエチレン(B)のペレットを固体状態で混合したペレット混合物であってもよいが、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリー等で溶融混練した混合物の方が、品質の安定した製品が得られるので好ましい。溶融混練装置を用いる場合、溶融温度はポリエチレン系樹脂の融点〜300℃程度が好ましい。
また、本発明の積層体を構成するポリエチレン系樹脂は、MFRが4〜100g/10分、好ましくは4〜50g/10分、より好ましくは4〜25g/10分の範囲であると、積層体の発泡性に優れるため好ましい。
また、本発明の積層体を構成するポリエチレン系樹脂は、密度が890〜935kg/m、好ましくは900〜920kg/m、より好ましくは905〜920kg/mの範囲であると、積層体の発泡性に優れることに加え、積層体を加熱発泡する際、発泡のための加熱に必要な熱量が減少できるため好ましい。
また、本発明の積層体を構成するポリエチレン系樹脂は、毛管粘度計で測定した130℃における溶融張力が80〜180mNの範囲である。溶融張力が80mN未満では、積層体を加熱して発泡させた場合に、発泡セルの結合や破泡、また冷却時に発泡セルが収縮することにより、発泡表面に大きな凹凸が多数生じ表面外観を悪化させる恐れがあるため好ましくない。一方、溶融張力が180mNを超えると、積層体を加熱して発泡させた場合に十分な発泡層の厚みが得られない。なお、溶融張力の測定方法を以下に記す。
23℃に設定した恒温室内において、バレル直径9.55mmの毛管粘度計に、長さが8mm、直径が2.095mm、流入角が90°のダイスを装着した。温度を130℃に設定し、ピストン降下速度を10mm/分、延伸比を24に設定し、引き取りに必要な荷重(mN)を溶融張力とした。最大延伸比が24未満の場合、破断しない最高の延伸比での引き取りに必要な荷重(mN)を溶融張力とした。
また、本発明の積層体を構成するポリエチレン系樹脂は、130℃において、円錐−円板レオメーターを用いて動的粘弾性を測定することで求められる、角速度0.01s−1におけるせん断粘度η0.01が5,000〜17,000Pa・s、好ましくは6,000〜15,000Pa・sの範囲である。せん断粘度η0.01が5,000Pa・s未満であると、積層体を加熱して発泡させた場合に、発泡セルの結合や破泡、また冷却時に発泡セルが収縮することにより、発泡表面に大きな凹凸が多数生じ表面外観を悪化させるため好ましくない。また、せん断粘度η0.01が17,000Pa・sよりも大きいと、積層体を加熱発泡させた際の発泡層の厚みが不十分となるため好ましくない。なお、せん断粘度の測定方法を以下に記す。
円錐−円板レオメーターを用い、130℃で角速度ω(s−1)が0.01s−1で貯蔵弾性率G’(Pa)、損失弾性率G”(Pa)を測定し、次式(1)によりせん断粘度η(Pa・s)を求めた。角速度が0.01s−1におけるせん断粘度を、せん断粘度η0.01とした。
η=(G’+G”0.5/ω (1)
前記の範囲の溶融張力を有するポリエチレン系樹脂は、例えば、溶融張力の高い高圧法低密度ポリエチレンに分子量が低く溶融張力の低いエチレン・α−オレフィンを少量混合することで得ることができる。
前記の範囲のせん断粘度を有するポリエチレン系樹脂は、例えば、分子量が高くせん断粘度の高い高圧法低密度ポリエチレンに、分子量が低くせん断粘度の低いエチレン・α−オレフィンを混合することで得ることができる。
本発明の積層体を構成するポリエチレン系樹脂には、必要に応じて、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤等、ポリオレフィン樹脂に一般的に用いられている添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加してもかまわない。
本発明の積層体を構成する基材に含まれる水分は、20〜30g/mであり、好ましくは20〜28g/mである。20g/m未満では、積層体を発泡させた際の発泡層の厚みが不十分となる。また、30g/mを超えると、積層体を加熱発泡させた際に、発泡セルの結合や破泡、また冷却時に発泡セルが収縮することにより、発泡表面に大きな凹凸が多数生じ表面外観を悪化させるため好ましくない。
このような本発明の積層体を構成する基材として、上質紙、クラフト紙などの天然パルプを主成分とする紙(以下、単に紙と略す)、合成繊維或は合成樹脂フィルムを擬紙化した所謂合成紙、発泡シート、ゼオライトなどの多孔性無機物からなるシートなどを例示することができ、基材中に含まれる水分量の調整が比較的容易なことから紙が好ましい。基材は、従来公知の技術により着色インキなどで印刷されていてもかまわない。基材に紙を使用する場合、水分量の調節が容易なことから、坪量は150〜500g/m、より好ましくは200〜400g/mであることが好ましい。
押出ラミネート成形法により積層体を得る手法として、シングルラミネート加工法、タンデムラミネート加工法、サンドウィッチラミネート加工法、共押出ラミネート加工法などの各種押出ラミネート加工法を例示することができる。押出ラミネート法における樹脂の温度は260〜350℃の範囲が好ましく、冷却ロールの表面温度は10〜50℃の範囲が好ましい。
また、本発明の積層体を得るための押出ラミネート加工において、エアギャップ長さをライン引取り速度で除すことにより求められるエアギャップ通過時間が0.11秒以上であることが、積層体を過熱発泡させる際に発泡表面に大きな凹凸が生じ難く、表面外観に優れた発泡体を得られることから好ましい。なお、ここでエアギャップとは、押出機ダイから押出された溶融樹脂が冷却ロール表面と接する間に通過する距離を指し、エアギャップ(Air Gap:AGと略す)、引取り速度(Line Speed:LSと略す)から、エアギャップ通過時間(Time in Air Gap:TIAGと略す)は次式(2)によって求められる。
TIAG(秒)=AG(m)/LS(m/秒) (2)
また、押出ラミネート加工において、ポリエチレン系樹脂を溶融状態で押出し層とした直後に、該層の基材接着面を含酸素気体又は含オゾン気体に曝し、基材と貼り合わせる手法を用いると、基材層との接着性に優れることから好ましい。含オゾン気体によりポリエチレン系樹脂と基材との接着性を向上させる場合は、オゾンガスの処理量としては、ダイより押出されたポリエチレン系樹脂よりなるフィルム1m当たり0.5mg以上のオゾンを吹き付けることが好ましい。
本発明の積層体は、ポリエチレン系樹脂層と基材層との接着性をさらに向上させるため、ポリエチレン系樹脂が発泡しない程度の温度、例えば30℃〜60℃の温度で10時間以上熱処理することができる。また必要に応じて、基材の接着面に対してコロナ処理、フレーム処理、プラズマ処理などの公知の表面処理を施してもよい。また、必要であれば基材にアンカーコート剤を塗布しても良い。
本発明の積層体において、加熱により発泡するラミネート層の厚みは、本発明の目的が達成される限りにおいて特に限定はなく、発泡性に優れ、破損などの問題が小さいことから、30μm〜5mmの厚みであることが好ましく、経済性の観点から、30μm〜150μmの範囲が最も好適である。
本発明の積層体を加熱により発泡した場合、発泡後の発泡層の厚みが500μm以上であると、発泡積層体の断熱性に優れるため好ましい。
本発明の積層体において、加熱により発泡するポリエチレン系樹脂層に対する基材層の裏側は、高分子重合体フィルムおよびシート、粘着テープなどにより被覆されていると、基材層の水分が放散するのを防ぎ、効果的に発泡させることが可能である点から好ましい。これら高分子重合体フィルム及びシートはアルミ蒸着、アルミナ蒸着、二酸化珪素蒸着されたものでもよい。また、これら高分子重合体フィルム及びシートはさらにウレタン系インキ等を用い印刷されたものでもよい。被覆法としては、押出ラミネート、ドライラミネート、ウェットラミネートなどのラミネート法や圧着法の他、粘着テープを貼り合わせただけであってもかまわない。その中でも、加熱発泡の際に、積層体の水分が抜け発泡を妨げるのを防ぐことが容易なことから、ポリエチレン系重合体よりも高密度の高分子重合体をラミネートすることが特に好ましい。高分子重合体としては、ラミネート成形が比較的容易なこと、融点の調節が容易であることから、高密度ポリエチレンと高圧法低密度ポリエチレンの混合物であることが好ましい。高密度ポリエチレンと高圧法低密度ポリエチレンの混合割合は、重量比で15/85〜85/15であると、ラミネート成形が比較的容易であり、加熱発泡時に溶融するなどして水分が抜け発泡を妨げることを防ぐことが容易になるため好ましい。
本発明の積層体は、オーブンなどで加熱することで発泡し、十分な断熱性を持たせることができる。加熱方法としては、熱風、電熱、電子線の他、積層体を容器状に成形し、高温の物体を内填して充填物の熱を利用するなど、任意の手段を使用できる。加熱は、オーブン内で回分式に行う手法、コンベアなどにより連続的に行う手法などにより行うことができる。
加熱温度、加熱時間は、使用する基材、およびポリエチレン系樹脂の種類に依存して変化するが、一般的に加熱温度は110℃〜200℃であり、加熱時間は10秒〜5分間である。
本発明の積層体は、加熱して発泡することによりコーヒー、スープなどの高温飲料用の紙容器、インスタントラーメンなどの即席食品用の容器等、断熱性を求められる容器に好適に使用される。
本発明の積層体は、加熱することにより容易に発泡し、優れた断熱性を示すと共に、発泡後の表面に大きな凹凸が生じ難く表面外観が良好な発泡積層体が得られる、優れた積層体である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下に、各物性の評価方法を示す。
(1)基材の水分量
測定温度165℃において、カールフィッシャー法水分測定装置(三菱化学(株)製、商品名CA−05)を使用し測定した。
(2)メルトマスフローレート(MFR)
JIS K6922−1(1997年)に準拠し、測定した。
(3)密度
JIS K6922−1(1997年)に準拠し、測定した。
(4)溶融張力
バレル直径9.55mmの毛管粘度計(東洋精機製作所、商品名:キャピログラフ)に、長さが8mm、直径が2.095mm、流入角が90°のダイスを装着した。温度を130℃に設定し、ピストン降下速度を10mm/分、延伸比を24に設定し、引き取りに必要な荷重(mN)を溶融張力とした。最大延伸比が24未満の場合、破断しない最高の延伸比での引き取りに必要な荷重(mN)を溶融張力とした。なお、測定は23℃に設定した恒温室内で行った。
(5)せん断粘度
円錐−円板レオメーター(レオメトリックス社製、商品名:SR2000)を用い、130℃で角速度ω(s−1)が0.01s−1で貯蔵弾性率G’(Pa)、損失弾性率G”(Pa)を求め、次式(1)によりせん断粘度η(Pa・s)を求めた。角速度が0.01s−1におけるせん断粘度を、せん断粘度η0.01とした。
η=(G’+G”0.5/ω (1)
(6)発泡層の厚み
実施例により得られた積層体を20cm×30cmに切り出し、115℃に加熱した小型オーブン(Werner Mathis AG製)中で90秒間静置した後、取り出して空気中で室温まで冷却した。発泡後の積層体、及びブランクとして発泡させる前のラミネート積層体をサンプル取りし、光学顕微鏡により断面写真を撮影した。断面写真から発泡層の厚みを測定し、5箇所で測定した平均の発泡層の厚みが500μm以上の場合を〇、500μm未満の場合を×とした。
(7)発泡表面の状態
実施例により得られた積層体を20cm×30cmに切り出し、115℃に加熱したスモールオーブン(Werner Mathis AG製)中で90秒間静置した後、取り出して空気中で室温まで冷却した。得られた発泡体の表面の10cm×10cm中に存在する、直径2mm以上の凹凸の数を目視で計測した。表面に生じた直径2mm以上の凹凸の数が3個以下の場合を〇、それよりも多い場合を×とした。
実施例1
エチレン・α−オレフィン共重合体(A)として、MFRが15g/10分、密度が898kg/mであるエチレン・1−ヘキセン共重合体(東ソー(株)製 商品名ニポロン−Z 04P67B)(A1)を15重量%、高圧法低密度ポリエチレン(B)として、MFRが8g/10分、密度が918kg/mである高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン213)(B1)を85重量%配合し、二軸押出機(日本製鋼所製 TEX30SS)にて180℃で溶融混練しポリエチレン系樹脂のペレットを得た。得られたペレットを用いて、MFR、密度など各種物性を測定した。
さらに、得られたペレットを直径90mmφのスクリューを有する単軸押出ラミネーター(ムサシノキカイ(株)製)へ供給し、310℃の温度でTダイより押し出し、水分量が24g/mであり、坪量300g/mである紙基材上に引き取り速度が50m/分、エアギャップ通過時間が0.12秒で70μmの厚さになるよう押出ラミネート成形を行った。さらに、この積層体の、ポリエチレン系樹脂層に対する基材層の裏側に、密度が940kg/mである高分子重合体(東ソー(株)製 商品名ペトロセンLW04−1)を40μmの厚さになるよう押出ラミネート成形を行い、エチレン・α−オレフィン共重合体と高圧法低密度ポリエチレンの混合物であるポリエチレン系樹脂層、紙基材層、高分子重合体層順に積層されてなる積層体を得た。なお、基材にポリエチレン系樹脂、高分子重合体をラミネートする直前に、基材表面に100W・分/mの条件でコロナ放電処理を施した。この積層体を加熱して発泡させ、発泡層の厚み、発泡表面の状態を評価した。ポリエチレン系樹脂の特性、および、発泡性評価の結果を表1に示す。発泡後の発泡層の厚み、発泡表面の状態はともに良好であった。
実施例2
エチレン・α−オレフィン共重合体(A)として、(A1)を30重量%、高圧法低密度ポリエチレン(B)として、(B1)を70重量%配合した以外は実施例1と同様にしてポリエチレン系樹脂を得、各種物性測定を実施した。さらに、得られたペレットを実施例1と同様にして押出ラミネート成形を行い、積層体を得た。この積層体を加熱して発泡させ、発泡層の厚み、発泡表面の状態を評価した。結果を表1に示す。発泡後の発泡層の厚み、発泡表面の状態はともに良好であった。
実施例3
実施例1に使用したポリエチレン系樹脂を使用し、引取り速度を30m/分とし、エアギャップ通過時間を0.23秒とした以外は同様の手法により積層体を得た。この積層体を加熱して発泡させ、発泡層の厚み、発泡表面の状態を評価した。結果を表1に示す。発泡後の発泡層の厚み、発泡表面の状態はともに良好であった。
比較例1
ポリエチレン系樹脂として、MFRが14g/10分、密度が918kg/mである高圧法低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン(株)製 商品名ノバテックLC701)のみを用いた以外は実施例1と同様にして、押出ラミネート成形を行い、積層体を発泡させ発泡層の厚み、発泡表面の状態を評価した。ポリエチレン系樹脂の発泡層の特性、および、発泡性評価の結果を表2に示す。発泡表面の状態は良好であったが、発泡後の発泡層の厚みが不十分であった。
比較例2
エチレン・α−オレフィン共重合体(A)として、(A1)を80重量%、高圧法低密度ポリエチレン(B)として、MFRが1.6g/10分、密度が919kg/mである高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン360)を20重量%配合した以外は実施例1と同様にしてポリエチレン系樹脂を得、各種物性測定を実施した。さらに、得られたペレットを実施例1と同様にして押出ラミネート成形を行い、積層体を得た。この積層体を加熱して発泡させ、発泡層の厚み、発泡表面の状態を評価した。結果を表2に示す。発泡後の発泡層の厚みが不十分であり、さらに、発泡表面に多数の大きな凹凸が生じた。
比較例3
エチレン・α−オレフィン共重合体(A)として、(A2)を40重量%、高圧法低密度ポリエチレン(B)として、MFRが13g/10分、密度が919kg/mである高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン212)を60重量%配合した以外は実施例1と同様にしてポリエチレン系樹脂を得、各種物性測定を実施した。さらに、得られたペレットを実施例1と同様にして押出ラミネート成形を行い、積層体を得た。この積層体を加熱して発泡させ、発泡層の厚み、発泡表面の状態を評価した。結果を表2に示す。発泡後の発泡層の厚みは良好であったが、発泡表面に多数の大きな凹凸が生じた。
比較例4
エチレン・α−オレフィン共重合体(A)として、MFRが2g/10分、密度が900kg/mであるエチレン・1−ヘキセン共重合体(東ソー(株)製 商品名ニポロン−Z 7P04B)を20重量%、高圧法低密度ポリエチレン(B)として、MFRが13g/10分、密度が919kg/mである高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン212)を80重量%配合した以外は実施例1と同様にしてポリエチレン系樹脂を得、各種物性測定を実施した。さらに、得られたペレットを実施例1と同様にして押出ラミネート成形を行い、加工紙を得た。この加工紙を加熱して発泡させ、発泡層の厚み、発泡表面の状態を評価した。結果を表2に示す。加熱発泡後の発泡表面の状態は良好であったが、発泡層の厚みが不十分であった。
比較例5
基材に水分量18g/m、坪量300g/mの紙を使用した以外は実施例1と同様にして押出ラミネート成形を行い、積層体を得た。この積層体を加熱して発泡させ、発泡層の厚み、発泡表面の状態を評価した。結果を表2に示すが、発泡後の発泡層の厚みが不十分であった。
Figure 0004747827
Figure 0004747827

Claims (3)

  1. 下記(a)〜(c)の要件を満たすポリエチレン系樹脂を、水分量が20〜30g/mであり、坪量が150〜500g/m である紙基材層と隣接した層に少なくとも一層有し、加熱発泡により上記ポリエチレン系樹脂層が発泡層となることを特徴とする、加熱発泡用押出ラミネート積層体。
    (a)エチレン・α−オレフィン共重合体(A)が1重量%以上50重量%未満、および高圧法低密度ポリエチレン(B)が50重量%を超え99重量%以下からなる
    (b)毛管粘度計で測定した130℃における溶融張力が80〜180mN
    (c)130℃において動的粘弾性を測定することで求められる、角速度0.01s−1におけるせん断粘度η0.01が5,000〜17,000Pa・s
  2. ポリエチレン系樹脂が下記(d)〜(e)の要件を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の加熱発泡用押出ラミネート積層体。
    (d)JIS K6922−1(1997年)により測定されたメルトマスフローレートが4〜100g/10分
    (e)JIS K6922−1(1997年)により測定された密度が890〜935kg/m
  3. 請求項1又は請求項2に記載の加熱発泡用押出ラミネート積層体を加熱発泡させた、発泡層の厚みが500μm以上であることを特徴とする加熱発泡押出ラミネート積層体。
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