JP5887880B2 - 発泡積層体の製造方法及びその発泡積層体 - Google Patents
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Description
(i)紙基材の片面、若しくは両面に水を塗布する工程
(ii)(A)層を構成する熱可塑性樹脂(a)及び(B)層を構成する熱可塑性樹脂(b)を紙基材に積層する工程
(iii)熱可塑性樹脂(a)/紙基材/熱可塑性樹脂(b)からなる積層体に加熱処理を施し、少なくとも熱可塑性樹脂(a)を発泡する工程
さらに、紙基材に塗布する水分量が1.5g/m2以上30g/m2以下であることを特徴とする発泡積層体の製造方法に関するものである。
これらの成形方法の中でも生産効率や成形された積層体の品質などの面から、押出ラミネート成形法が好ましい。
(1)密度
密度は、JIS K6922−1(1997年)に準拠して測定した。
(2)メルトマスフローレート(MFR)
MFRは、JIS K6922−1(1997年)に準拠して測定した。
(3)加熱発泡
実施例により得られた積層体を10cm×20cmに切り出し円筒状に成形したサンプルを、120℃に加熱したギア式老化試験機(安田精機製作所製 No.102−SHF−77)中で所定の時間静置した後、取り出して空気中で室温まで冷却した。
(4)紙基材の水分量
ポリエチレン系樹脂の積層前後の紙基材について、カールフィッシャー法水分測定装置(三菱化学(株)製、商品名CA−05)を使用し測定した。測定温度は165℃である。
(5)発泡層厚み
実施例により得られた発泡体、及びブランクとして発泡させる前のラミネート積層体をサンプル取りし、光学顕微鏡により断面写真を撮影した。断面写真から発泡層の厚みを測定し、5箇所で測定した。発泡層の厚みが900μm未満であれば×、900μm以上1000μm未満であれば△、1000μm以上1100μm未満であれば○とした。なお、発泡層厚みが1000μm以上であれば、良好であると評価した。
(6)発泡表面の状態
得られた発泡体の表面の平滑性を目視で観測した。表面の平滑性が良好である場合を○、良好であるもののやや劣る場合を△、不良の場合を×とした。
(7)紙基材との接着強度
実施例により得られた積層体について、オートグラフDCS−100((株)島津製作所製)を用いて、紙基材とポリエチレン系樹脂との接着強度を測定した。引張速度は300mm/分、チャック間距離は50mm、試験片の長さ及び巾はそれぞれ70mm及び15mmとした。接着強度が5N/15mm未満であれば×、5N/15mm以上6N/15mm未満であれば△、6N/15mm以上であれば○とした。なお、紙基材との接着強度が5N/15mm以上であれば、良好であると評価した。
熱可塑性樹脂(a)として、MFRが13g/10分、密度が919kg/m3である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン 212)(A1)を、熱可塑性樹脂(b)として、MFRが7g/10分、密度が940kg/m3である高密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン LW04−1)(B1)を使用した。
実施例1に使用したポリエチレン系樹脂を使用し、紙基材における(A1)を積層する面に2g/m2の水を塗布した以外は、実施例1と同様の手法により発泡前後の積層体を得た。得られた積層体について、発泡層の厚み、紙基材との接着強度を評価した。結果を表1に示す。発泡後の発泡層の厚み、発泡表面の平滑性、紙基材との接着強度はともに良好であった。
実施例1に使用したポリエチレン系樹脂を使用し、紙基材における(A1)を積層する面に10g/m2の水を塗布した以外は、実施例1と同様の手法により発泡前後の積層体を得た。得られた積層体について、発泡層の厚み、紙基材との接着強度を評価した。結果を表1に示す。発泡後の発泡層の厚み、発泡表面の平滑性、紙基材との接着強度はともに良好であった。
実施例1に使用したポリエチレン系樹脂を使用し、紙基材における(A1)を積層する面に20g/m2の水を塗布した以外は、実施例1と同様の手法により発泡前後の積層体を得た。得られた積層体について、発泡層の厚み、紙基材との接着強度を評価した。結果を表1に示す。発泡後の発泡層の厚み、発泡表面の平滑性、紙基材との接着強度はともに良好であった。
実施例1に使用したポリエチレン系樹脂を使用し、紙基材における(A1)を積層する面に30g/m2の水を塗布した以外は、実施例1と同様の手法により発泡前後の積層体を得た。得られた積層体について、発泡層の厚み、紙基材との接着強度を評価した。結果を表1に示す。発泡後の発泡層の厚み、発泡表面の平滑性、紙基材との接着強度はともに良好であった。
実施例1に使用したポリエチレン系樹脂を使用し、紙基材における(A1)を積層する面に35g/m2の水を塗布した以外は、実施例1と同様の手法により発泡前後の積層体を得た。得られた積層体について、発泡層の厚み、紙基材との接着強度を評価した。結果を表1に示す。発泡後の発泡層の厚み、発泡表面の平滑性、紙基材との接着強度はともに良好であった。
実施例1に使用したポリエチレン系樹脂を使用し、紙基材における(A1)を積層する面に15g/m2の水を塗布し、(B1)を積層する面に15g/m2の水を塗布した以外は、実施例1と同様の手法により発泡前後の積層体を得た。得られた積層体について、発泡層の厚み、紙基材との接着強度を評価した。結果を表1に示す。発泡後の発泡層の厚み、発泡表面の平滑性、紙基材との接着強度はともに良好であった。
実施例1に使用したポリエチレン系樹脂を使用し、紙基材における(A1)を積層する面に水を塗布せず、(B1)を積層する面に30g/m2の水を塗布した以外は、実施例1と同様の手法により発泡前後の積層体を得た。得られた積層体について、発泡層の厚み、紙基材との接着強度を評価した。結果を表1に示す。発泡後の発泡層の厚み、発泡表面の平滑性、紙基材との接着強度はともに良好であった。
(B)層の樹脂として、MFRが21g/10分、密度が952kg/m3である高密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ニポロンハード 2000)を90重量%、MFRが1.6g/10分、密度が919kg/m3である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン 360)を10重量%になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径50mm)にて溶融混練したエチレン系樹脂組成物(B2、MFR 16g/10分、密度 949kg/m3)を使用した以外は実施例5と同様にして、ラミネート成形を行い、発泡前後の積層体を得た。得られた積層体について、発泡層の厚み、紙基材との接着強度を評価した。結果を表1に示す。発泡後の発泡層の厚み、発泡表面の平滑性、紙基材との接着強度はともに良好であった。
(B)層の樹脂として、MFRが20g/10分、密度が966kg/m3である高密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ニポロンハード 1000)を90重量%、MFRが1.6g/10分、密度が919kg/m3である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン 360)を10重量%になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径50mm)にて溶融混練したエチレン系樹脂組成物(B3、MFR 16g/10分、密度 961kg/m3)を使用した以外は実施例5と同様にして、ラミネート成形を行い、発泡前後の積層体を得た。得られた積層体について、発泡層の厚み、紙基材との接着強度を評価した。結果を表1に示す。発泡後の発泡層の厚み、発泡表面の平滑性、紙基材との接着強度はともに良好であった。
実施例3に使用したポリエチレン系樹脂を使用し、(A1)の厚みが80μmとした以外は、実施例3と同様の手法により発泡前後の積層体を得た。得られた積層体について、発泡層の厚み、発泡表面の状態、紙基材との接着強度を評価した。評価の結果を表2に示す。発泡後の発泡層の厚み、発泡表面の平滑性、紙基材との接着強度はともに良好であった。
実施例4に使用したポリエチレン系樹脂を使用し、(A1)の厚みが80μmとした以外は、実施例4と同様の手法により発泡前後の積層体を得た。得られた積層体について、発泡層の厚み、発泡表面の状態、紙基材との接着強度を評価した。評価の結果を表2に示す。発泡後の発泡層の厚み、発泡表面の平滑性、紙基材との接着強度はともに良好であった。
実施例5に使用したポリエチレン系樹脂を使用し、(A1)の厚みが80μmとした以外は、実施例5と同様の手法により発泡前後の積層体を得た。得られた積層体について、発泡層の厚み、発泡表面の状態、紙基材との接着強度を評価した。評価の結果を表2に示す。発泡後の発泡層の厚み、発泡表面の平滑性、紙基材との接着強度はともに良好であった。
実施例5に使用したポリエチレン系樹脂を使用し、(A1)の厚みが100μmとした以外は、実施例5と同様の手法により発泡前後の積層体を得た。得られた積層体について、発泡層の厚み、発泡表面の状態、紙基材との接着強度を評価した。評価の結果を表2に示す。発泡後の発泡層の厚み、発泡表面の平滑性、紙基材との接着強度はともに良好であった。
実施例5に使用したポリエチレン系樹脂を使用し、(A1)の厚みが120μmとした以外は、実施例5と同様の手法により発泡前後の積層体を得た。得られた積層体について、発泡層の厚み、発泡表面の状態、紙基材との接着強度を評価した。評価の結果を表2に示す。発泡後の発泡層の厚み、発泡表面の平滑性、紙基材との接着強度はともに良好であった。
実施例5に使用したポリエチレン系樹脂を使用し、(A1)の厚みが150μmとした以外は、実施例5と同様の手法により発泡前後の積層体を得た。得られた積層体について、発泡層の厚み、発泡表面の状態、紙基材との接着強度を評価した。評価の結果を表2に示す。発泡後の発泡層の厚み、発泡表面の平滑性、紙基材との接着強度はともに良好であった。
実施例10に使用したポリエチレン系樹脂を使用し、(A1)の厚みが100μmとした以外は、実施例10と同様の手法により発泡前後の積層体を得た。得られた積層体について、発泡層の厚み、発泡表面の状態、紙基材との接着強度を評価した。評価の結果を表2に示す。発泡後の発泡層の厚み、発泡表面の平滑性、紙基材との接着強度はともに良好であった。
実施例9に使用したポリエチレン系樹脂を使用し、紙基材に水を塗布しなかったこと以外は、実施例1と同様の手法により発泡前後の積層体を得た。得られた積層体について、発泡層の厚み、紙基材との接着強度を評価した。結果を表3に示す。発泡表面の平滑性及び紙基材との接着強度は良好であったものの、発泡後の発泡層の厚みに劣っていた。
実施例10に使用したポリエチレン系樹脂を使用し、紙基材に水を塗布しなかったこと以外は、実施例1と同様の手法により発泡前後の積層体を得た。得られた積層体について、発泡層の厚み、紙基材との接着強度を評価した。結果を表3に示す。発泡表面の平滑性及び紙基材との接着強度は良好であったものの、発泡後の発泡層の厚みに劣っていた。
Claims (11)
- 少なくとも(A)層/紙基材/(B)層からなる発泡積層体の製造方法であって、少なくとも下記に示す(i)〜(iii)の工程を経ることを特徴とする発泡積層体の製造方法。
(i)紙基材の片面、若しくは両面に水を塗布する工程
(ii)(A)層を構成する熱可塑性樹脂(a)及び(B)層を構成する熱可塑性樹脂(b)を紙基材に積層する工程
(iii)熱可塑性樹脂(a)/紙基材/熱可塑性樹脂(b)からなる積層体に加熱処理を施し、少なくとも熱可塑性樹脂(a)を発泡する工程 - 紙基材に塗布する水分量が1.5g/m2以上30g/m2以下であることを特徴とする請求項1に記載の発泡積層体の製造方法。
- ダンプニング装置を用いて、紙基材に水を塗布することを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の発泡積層体の製造方法。
- 紙基材の坪量が150g/m2以上400g/m2以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発泡積層体の製造方法。
- 発泡前の(A)層の厚みが60μm以上200μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の発泡積層体の製造方法。
- 発泡前の(A)層の厚みが80μm以上150μm以下であることを特徴とする請求項5に記載の発泡積層体の製造方法。
- 熱可塑性樹脂(a)が、JIS K 6922−1(1997年)により測定された密度が915kg/m3以上930kg/m3以下である高圧法低密度ポリエチレン(c)であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の発泡積層体の製造方法。
- 熱可塑性樹脂(b)が、JIS K 6922−1(1997年)により測定された密度が930kg/m3以上970kg/m3以下であるポリエチレン系樹脂(d)であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の発泡積層体の製造方法。
- ポリエチレン系樹脂(d)が、JIS K 6922−1(1997年)により測定された密度が945kg/m3以上970kg/m3以下であることを特徴とする請求項8に記載の発泡積層体の製造方法。
- ポリエチレン系樹脂(d)が、JIS K 6922−1(1997年)により測定された密度が950kg/m3以上965kg/m3以下であることを特徴とする請求項8に記載の発泡積層体の製造方法。
- ポリエチレン系樹脂(d)が、高密度ポリエチレン(e)10〜90重量%、及び高圧法低密度ポリエチレン(f)10〜90重量%から成るエチレン系樹脂組成物(g)であることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の発泡積層体の製造方法。
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