JP2004161326A - 紙容器 - Google Patents

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Hiroyuki Nanba
寛行 難波
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

【課題】高湿度下でのガスバリヤー性の低下を抑え、且つ胴膨れも抑えることができる紙容器を提供する。
【解決手段】メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分と、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分とを重縮合して得られるポリアミド樹脂、および有機膨潤化剤で処理したスメクタイトを特定の範囲で含むポリアミド樹脂組成物からなる層と、原紙からなる層を含む積層体からなることを特徴とする紙容器。
【選択図】 無

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液状内容物を充填するのに適した紙容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、原紙と樹脂層との積層体からなる紙容器は、軽量性、ガラス瓶と比較して破損しにくいこと、使用後の回収・再利用性、表面への印刷容易性などの利点から、牛乳、果汁、アルコール飲料、油類、洗剤など液状物の容器として広く使用されている。原紙と樹脂層との積層体からなる紙容器は、積層する樹脂層の種類によって酸素、水蒸気などの気体の遮断性(以下、ガスバリヤー性という)、及び樹脂への吸着性が異なること等から、内容物の風味、フレーバーの保存性等を維持するために種々の樹脂層を積層した紙容器が提案されている(例えば、特許文献1〜2参照。)。
【0003】
これらの樹脂層の中で、メタキシリレンジアミンとアジピン酸から得られるポリアミドMXD6(以下、「ナイロンMXD6」、又は「NMXD6」ということがある)は、高湿度下でも特に酸素等のガスバリヤー性に優れ、内容物が酸化や変質しにくいこと、更に熱安定性が良好なため積層体を容器に成形する際、熱接着のために加熱しても有害な分解物の生成が少ないこと等の優れた特性を有していることが知られている。このためナイロンMXD6からなる樹脂層を含有する樹脂層と原紙との積層体からなる紙容器が提案されている(例えば、特許文献3〜6参照。)。更に他の種類のポリアミド樹脂層を組み合わせた原紙との積層体からなる紙容器が開示されている(例えば、特許文献7参照)。
【0004】
しかしながら、ナイロンMXD6は、バリア性の湿度依存性があり、高湿度下ではバリア性が悪化するという問題点がある。
また、これらの樹脂層と原紙との積層体からなる紙容器では、液体の内容物を充填した際に、内容物の自重で容器の側面が外側に膨らむ胴膨れ現象を完全に抑えることはできない。胴膨れが起こると、内容物が劣化してガスが発生しているような印象を与えたり、紙容器を箱に詰めて送る場合の充填効率が悪くなると言う問題がある。
胴膨れを抑え、更に高湿度条件でもバリア性に優れる紙容器はいまだ提供されていない。
【0005】
【特許文献1】
特公平4−63776号公報
【特許文献2】
特許2661684号公報
【特許文献3】
特開平3−49953号公報
【特許文献4】
特許第3007408号公報
【特許文献5】
特開平11−207903号公報
【特許文献6】
特開平11−207904号公報
【特許文献7】
特開平6−305086号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高湿度下でのガスバリヤー性の低下を抑え、且つ胴膨れも抑えることができる紙容器を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、バリア層に使用するポリアミドMXD6に、有機膨潤化剤で処理したスメクタイトを添加することで、上記課題を解決した紙容器が得られることを見いだし、本発明を完成するに到った。
【0008】
すなわち本発明は、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分と、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分とを重縮合して得られるポリアミド樹脂(A)を92〜99質量%の範囲で、有機膨潤化剤で処理したスメクタイト(スメクタイト(B))を8〜1質量%の範囲で含むポリアミド樹脂組成物からなる層(C)と原紙からなる層(D)を含む積層体からなることを特徴とする紙容器に関する発明である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明で使用するポリアミド樹脂(A)とは、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分と、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分とを重縮合して得られるものである。かかる原料を使用して得られるポリアミドは、最終的に多層構造物のバリア層として用いた際に酸素、炭酸ガス等のガス状物質に対する遮断性等の特性が優れる。なかでも、メタキシリレンジアミンとアジピン酸を重縮合して得られるポリアミドMXD6(以下、MXナイロンということがある)は、酸素、炭酸ガス等のガス状物質に対する遮断性に優れることから特に好ましい。
【0010】
本発明において、メタキシリレンジアミン以外の他のジアミンとして、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2−メチルペンタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、等の脂肪族ジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノメチル)デカリン、ビス(アミノメチル)トリシクロデカン等の脂環族ジアミン、ビス(4−アミノフェニル)エーテル、パラフェニレンジアミン、パラキシリレンジアミン、ビス(アミノメチル)ナフタレン等の芳香環を有するジアミン類等を例示することができる。
【0011】
本発明において、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸として、例えばコハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、アジピン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸が例示できるが、これらの中でもアジピン酸が好ましい。
【0012】
上記α,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸以外のジカルボン酸として、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類等が例示でき、30モル%を超えない範囲で使用できる。
【0013】
ポリアミド樹脂(A)の相対粘度(1g/dlの96%硫酸溶液、25℃)は、2.4〜3.9、好ましくは2.5〜3.7、更に好ましくは2.6〜3.7のものを用いることができる。相対粘度が上記2.4未満の場合、ポリアミド樹脂組成物中の層状珪酸塩の分散性が不十分なため、十分なガスバリヤー性改善効果を得ることができない。相対粘度が3.9を越えるものについては、製造するのが難しい。また、相対粘度を特に2.4〜3.9とすることにより、層状珪酸塩の分散性が向上するといった特長や、Tダイ押出成形時にネックインが少ないため得られたフィルムやシートの幅を広くしたり幅サイズを調整しやすくなるといった特徴が得られる。
【0014】
本発明で使用するスメクタイトは、0.25〜0.6の電荷密度を有する2−八面体型や3−八面体型の層状珪酸塩であり、2−八面体型としては、モンモリロナイト、バイデライト等、3−八面体型としてはヘクトライト、サボナイト等が挙げられる。これらの中でも、モンモリロナイトが好ましい。
【0015】
本発明で使用するスメクタイト(B)は、有機膨潤化剤として、高分子化合物、有機系化合物系の膨潤化剤を用い、予め層状珪酸塩(スメクタイト)に接触させて、層状珪酸塩の層間を拡げたものである。有機膨潤化剤の使用量は、スメクタイト(B)中の有機膨潤化剤の含有量が20〜50質量%であるようにすることが好ましい。
【0016】
有機膨潤化剤として、第4級アンモニウム塩が好ましく使用できるが、好ましくは、炭素数12以上のアルキル基を少なくとも一つ以上有する第4級アンモニウム塩が用いられる。
【0017】
有機膨潤化剤の具体例として、トリメチルドデシルアンモニウム塩、トリメチルテトラデシルアンモニウム塩、トリメチルヘキサデシルアンモニウム塩、トリメチルオクタデシルアンモニウム塩、トリメチルエイコサニルアンモニウム塩、トリメチルオクタデセニルアンモニウム塩、トリメチルオクタデカジエニルアンモニウム塩等のトリメチルアルキルアンモニウム塩、トリエチルドデシルアンモニウム塩、トリエチルテトラデシルアンモニウム塩、トリエチルヘキサデシルアンモニウム塩、トリエチルオクタデシルアンモニウム塩等のトリエチルアルキルアンモニウム塩、トリブチルドデシルアンモニウム塩、トリブチルテトラデシルアンモニウム塩、トリブチルヘキサデシルアンモニウム塩、トリブチルオクタデシルアンモニウム塩等のトリブチルアルキルアンモニウム塩、ジメチルジドデシルアンモニウム塩、ジメチルジテトラデシルアンモニウム塩、ジメチルジヘキサデシルアンモニウム塩、ジメチルジオクタデシルアンモニウム塩、ジメチルジオクタデセニルアンモニウム塩、ジメチルジオクタデカジエニルアンモニウム塩、ジメチルジタロウアンモニウム塩等のジメチルジアルキルアンモニウム塩、ジエチルジドデジルアンモニウム塩、ジエチルジテトラデシルアンモニウム塩、ジエチルジヘキサデシルアンモニウム塩、ジエチルジオクタデシルアンモニウム塩等のジエチルジアルキルアンモニウム塩、ジブチルジドデシルアンモニウム塩、ジブチルジテトラデシルアンモニウム塩、ジブチルジヘキサデシルアンモニウム塩、ジブチルジオクタデシルアンモニウム塩等のジブチルジアルキルアンモニウム塩、メチルベンジルジヘキサデシルアンモニウム塩等のメチルベンジルジアルキルアンモニウム塩、ジベンジルジヘキサデシルアンモニウム塩等のジベンジルアルキルアンモニウム塩、トリドデシルメチルアンモニウム塩、トリテトラデシルメチルアンモニウム塩等のトリアルキルメチルアンモニウム塩、トリドデシルエチルアンモニウム塩等のトリアルキルエチルアンモニウム塩、トリドデシルブチルアンモニウム塩等のトリアルキルブチルアンモニウム塩、モノメチルオクダデシルアンモニウム塩、4−アミノ−n−酪酸、6−アミノ−n−カプロン酸、8−アミノカプリル酸、10−アミノデカン酸、12−アミノドデカン酸、14−アミノテトラデカン酸、16−アミノヘキサデカン酸、18−アミノオクタデカン酸、などが挙げられる。中でもトリメチルドデシルアンモニウム塩、トリメチルテトラデシルアンモニウム塩、トリメチルヘキサデシルアンモニウム塩、トリメチルオクタデシルアンモニウム塩、ジメチルジドデシルアンモニウム塩、ジメチルジテトラデシルアンモニウム塩、ジメチルジヘキサデシルアンモニウム塩、ジメチルジオクタデシルアンモニウム塩、ジメチルジタロウアンモニウム塩等の4級アンモニウム塩が例示できる。なお、これらは、単独でも複数種類の混合物としても使用できる。通常、上記アンモニウム塩は、塩化物等が利用できる。
【0018】
本発明におけるスメクタイト(B)の配合割合は、ポリアミド樹脂組成物中で1〜8質量%となる様に添加するのが好ましく、1.5〜5質量%がさらに好ましい。スメクタイト(B)の配合割合が上記1質量%以上であれば、ガスバリヤー性の向上効果が現れる。上記8質量%より増やしても、それに見合ったガスバリヤー性効果が期待できない。
【0019】
ポリアミド樹脂組成物中に含有されるスメクタイト(B)は局所的に凝集することなく均一に微分散している必要がある。ここでいう均一分散とは、ポリアミド中において層状珪酸塩が平板状に分離し、それらの50%以上が5nm以上の層間距離を有することをいう。この層間距離とは平板状物の重心間距離をいう。この距離が大きい程分散状態が良好となり、最終的に紙容器のバリア層にしたときの酸素、炭酸ガス等のガス状物質に対する遮断性を向上させることができる。
【0020】
ポリアミド樹脂(A)とスメクタイト(B)を溶融混練する方法については、ポリアミド樹脂の溶融重合中にスメクタイト(B)を添加し攪拌する方法、単軸もしくは二軸押出機等の通常用いられる種々の押出機を用いて溶融混練する方法等が挙げられるが、これらのなかでも、生産性、汎用性等の点から二軸押出機を用いる方法が好ましい。
【0021】
二軸押出機を用いる際の溶融混練温度はポリアミド樹脂(A)の融点(Tm)〜(Tm+70)℃、滞留時間は5分以下に調整し、スクリューは少なくとも一カ所以上の逆目スクリューエレメント及び/またはニーディングディスクを有し、該部分において一部滞留させながら行うことが好ましい。
【0022】
溶融混練温度が240℃を下回る場合、層状珪酸塩の分散不良が生じやすくなり、300℃を越える場合及び滞留時間が5分を越える場合は、ポリアミドの熱分解による分子量の低下やゲルが生じやすくなるため好ましくない。また、スクリューに滞留部を設けることにより、層状珪酸塩の分散性が向上する。分散性、熱分解とゲル発生の抑制の点から、一般的に溶融混練時間は、1〜5分に調整するのが特に望ましい。
【0023】
本発明において、層(C)を構成するポリアミド樹脂組成物には、目的を損なわない範囲でナイロン6、ナイロン66、ナイロン6,66、ポリエステル、オレフィン等の他樹脂をブレンドしたり、タルク、カオリン、マイカなどの板状無機充填剤、各種エラストマー類などの耐衝撃性改質材、結晶核剤、脂肪酸アミド系、脂肪酸金属塩系、脂肪酸アマイド系化合物等の滑剤、銅化合物、有機もしくは無機ハロゲン系化合物、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、ヒドラジン系、硫黄系化合物、リン系化合物等の酸化防止剤、熱安定剤、着色防止剤、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、離型剤、可塑剤、着色剤、難燃剤などの添加剤を使用することができる。
【0024】
本発明において、ポリアミド樹脂組成物からなる層(C)は、本発明の紙容器を構成する積層体の任意の位置に設けることができるが、容器の状態にした際、原紙からなる層(D)よりも内側に設けることが好ましく、さらには、シーラント層との間に設けるのが好ましい。
本発明においてのシーラント層とは積層体の接液面側に設けてあり、該積層体を容器に成形するときの熱接着に適した低密度ポリエチレン、直鎖ポリエチレン、低密度直鎖ポリエチレン、ポリプロピレンなどの層のことをいう。シーラント層の厚みは40〜80μmが好ましく、これより薄いと接着強度が不足したり、接合部に空隙が生じたりする。これより厚いと、作業性の悪化などの不都合が生じる。
【0025】
本発明における層(D)を構成する原紙は、天然繊維、合成繊維またはこれらの混合物を抄造して得られるものであれば特に制限はなく、抄造に用いられる天然繊維としては、針葉樹パルプや広葉樹パルプなどの木材繊維などが挙げられる。また、合成繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、酢酸セルロ−スなどが挙げられる。これらの繊維から得られた原紙の中で、原紙の機械的性質、熱的性質の面で木材パルプから得られたものが好ましい。
【0026】
また本発明において用いられる原紙は、樹脂層との接着性を向上させるために、アンダーコート剤を用いても良い。
【0027】
本発明において、積層体を構成する、前記層(C)および層(D)以外の層としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニールアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリカーボネートなどの樹脂層が挙げられる。
【0028】
前記層(C)を積層する際には、前記ポリエチレン等の樹脂層を複合し、多層構成の樹脂層としてから層(D)と積層してもよい。これらの樹脂の層は未延伸のものでも、1軸または2軸延伸してあるものでもよい。樹脂層の厚さは、紙容器の内容物の種類、性質にもよるが、5〜40μm程度が好ましい。
【0029】
また、前記ポリエチレン等の樹脂層は単独で用いても良い。例えば、層(C)と反対側になるように、原紙に積層することができる。その際には、原紙に前記樹脂層をラミネートした後に、該樹脂層と反対側に層(C)あるいは層(C)を含む樹脂層を積層するという手法がとれる。
【0030】
本発明において、前記層(C)等の樹脂層と原紙からなる層(D)を積層して積層体を得る方法としては、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系などの接着剤を用い、事前にフイルム状にした樹脂層を形成する各樹脂の層の間ならびに樹脂層と原紙とをドライラミネートする方法、樹脂層を構成する樹脂の層を事前にフイルム状に成形したものをサンド・ラミネートする方法、樹脂層を形成する樹脂を順次押出ラミネートする方法、複数の押出機ならびにフィードブロックを用いて同時に多層溶融押出をしてラミネートする方法、あるいはサンド・ラミネート、ドライラミネート、溶融押出ラミネートを適宜組み合わせた方法などを用いることができる。
【0031】
さらに、樹脂層と原紙との間の接着性を向上させるために、ラミネートする工程中、あるいは事前に樹脂層にコロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理などの物理化学的処理をすることができる。
【0032】
かくして得られた積層体から、目的容器を展開した状態に打ち抜く工程、罫線を付ける工程、必要によっては内容物と原紙の断面が接触しないように胴部の接着部分を外側に折り曲げる工程(スカイブ加工)、胴部を接着する工程、底部ならびに頭部を成形する工程など通常の容器製造工程を経て目的の紙容器を得ることができる。
【0033】
本発明の紙容器は、該容器を構成する積層体の、23℃/60%RHでの酸素透過率が20(cc/m−day−atm)未満であることが好ましい。
【0034】
また、本発明の紙容器は、液体の内容物を充填した際の、容器側面中央部の外側への膨れ(胴膨れ)が容器の幅に対して10%以下であるという特徴を有する。
【0035】
上記によって得られた本発明の紙容器は、種々の形、サイズのカートン、カップなどとして、果汁、牛乳やヨーグルトなどの乳飲料、アルコール飲料、ミネラルウォーター、サラダオイルなど食用油、工業油、洗剤などの内容物を充填して好適に使用することができる。
【0036】
上記によって得られた本発明の紙容器は、スメクタイト(B)を分散させることによりバリア層樹脂の強度・弾性率が向上し、その結果、内容物を充填した際の胴膨れを抑えることが出来る。また、スメクタイトの(B)の添加により、バリア層樹脂の耐熱性が向上するため、容器化の際の加熱による発泡を抑えることができ、ピンホールのないバリア性の良好な紙容器が得られる。
【0037】
【実施例】
以下、実施例等により本発明を具体的に説明する。尚、実施例等において、ポリアミド成形物の評価方法は、下記の方法によった。
【0038】
・ポリアミド樹脂の相対粘度
ポリアミド1gを精秤し、96%硫酸100ccに20〜30℃で撹拌溶解した。完全に溶解した後、速やかにキャノンフェンスケ型粘度計に溶液5ccを取り、25℃±0.03℃の恒温槽中で10分間放置後、落下時間(t)を測定した。また、96%硫酸そのものの落下時間(t0)も同様に測定した。t及びt0から次式により相対粘度を算出した。
相対粘度=(t)/(t0)
【0039】
・酸素透過係数
ASTM D3985に準じておこなった。モダンコントロール社(Modern Control 社)製、型式:OXTRAN 10/50A を使用し、測定条件は、温度23℃、容器内面側の相対湿度100%、容器外側の相対湿度50%である。
【0040】
・胴膨れ
紙容器に所定の内容量に相当する水を充填し、容器側面中央部での外側へのはみ出し量を測定し、側面の幅に対する割合で示した。
【0041】
実施例1
攪拌機、分縮器、冷却器、滴下槽、および窒素ガス導入管を備えたジャケット付きの50L反応缶にアジピン酸を10kg秤量して仕込み、十分窒素置換し、さらに少量の窒素気流下に160℃で均一に溶解した。これに、メタキシリレンジアミン9.2kgを撹拌下に170分を要して滴下した。この間、内温は連続的に247℃まで上昇させた。メタキシリレンジアミンの滴下とともの留出する水は、分縮器および冷却器を通して系外に除いた。メタキシリレンジアミン滴下終了後、内温を260℃まで昇温し、1時間反応を継続した。得られたポリマーは反応缶下部のノズルからストランドとして取り出し、水冷した後ペレット形状に切断し、溶融重合ポリメタキシリレンアジパミドを得た。このメタキシリレンアジパミドのペレットを250L固相重合装置に入れ、18rpmで回転させた。5Torr以下まで真空引きを行い、純度99容量%以上の窒素で常圧にする操作を3回行った。その後、室温から140℃まで昇温させた。ペレット温度が140℃に到達してから真空引きを開始し、さらに昇温を続けた。真空引き開始から110分経過したところで、ペレット温度が200℃に到達し、加熱を中止した。窒素を導入して常圧とし、ポリアミドMXD6(ポリアミド(A))を得た。このポリアミド(A)97質量部と、スメクタイト(モンモリロナイト:モンモリロナイトを有機膨潤化剤としてジメチルジオクタデシルアンモニウム塩(処理後の含有割合:42質量%)で処理したもの。白石工業(株)製、商品名「NEW−Dオルベン」)3質量部とをドライブレンドした後、該混合物を秤量フィーダーにて6kg/時間の速度でシリンダー径37mm、逆エレメントによる滞留部を有する二軸押出機に供給した。シリンダー温度270℃、スクリュー回転数500rpm、滞留時間110秒の条件で溶融混練を行い、溶融ストランドを冷却エアーにて冷却、固化した後、ペレタイズ化しポリアミド(C)を得た。
シリンダー径が40mmの押出機から低密度ポリエチレン(a層を構成、以下、「LDPE」と記すことがある。東ソー(株)製、商品名:ペトロセン204)、シリンダー径が40mmの押出機からポリアミド(C)(b層を構成)、シリンダー径が30mmの押出機から接着性ポリエチレン(c層を構成、三菱化学(株)製、商品名:モディックM503)及びシリンダー径が45mmの押出機から低密度ポリエチレン(d層を構成、東ソー(株)製、商品名:ペトロセン204)を押出し、層構成がa層/c層/b層/c層/d層の順となるようにフィードブロックを介して多層溶融状態を形成させ、あらかじめ、坪量420g/m2 の原紙に低密度ポリエチレン「ノバテックL300」(三菱化学(株)製)20μmを押出しラミネートした物の原紙面に、コロナ処理をしながらd層が積層されるように280℃ でラミネートした。ラミネートした各層の厚みは、a層/c層/b層/c層/d層でそれぞれ50/10/18/10/10(μm)であり、全厚みは98μmであった。
【0042】
前記の積層体から、打ち抜き、罫線付け、スカイブ、火炎加熱による胴部の熱接着の各工程を経て積層体をスリ−ブ状にした後、成形充填機を用いて内容積1.8リットルの、4角形の筒型の各辺が8.5cm,高さが25.7cmで上部が屋根型(ゲーベルトップ型)の紙容器を得た。表1に作製した容器の酸素透過率、胴膨れの値を示す。酸素透過率は6.7 cc/m−day−atm、胴膨れは3%と満足できるものであった。
【0043】
実施例2
シリンダー径が40mmの押出機から低密度ポリエチレン(a層を構成、東ソー(株)製、商品名:ペトロセン204)、シリンダー径が40mmの押出機からポリアミド(C)(b層を構成)、及びシリンダー径が30mmの押出機から接着性ポリエチレン(c層を構成、三菱化学(株)製、商品名:モディックM503)を押出し、層構成がa層/c層/b層の順となるようにフィードブロックを介して多層溶融状態を形成させ、あらかじめ、坪量420g/m2 の原紙に低密度ポリエチレン「ノバテックL300」(三菱化学(株)製)20μmを押出しラミネ−トした物の原紙面に、コロナ処理をしながらB層が積層されるように280℃でラミネートした。ラミネートした各層の厚みは、a層/c層/b層でそれぞれ50/10/18(μm)で、全厚みは78(μm)であった。
【0044】
前記の積層体から、打ち抜き、罫線付け、スカイブ、火炎加熱による胴部の熱接着の各工程を経て積層体をスリ−ブ状にした後、成形充填機を用いて内容積1.8リットルの、4角形の筒型の各辺が8.5cm,高さが25.7cmで上部が屋根型(ゲーベルトップ型)の紙容器を得た。表1に作製した積層体の酸素透過率、胴膨れの値を示す。酸素透過率は4.2cc/m−day−atm、胴膨れは3%と満足できるものであった。
【0045】
比較例1
実施例1と同一の装置を用いて、ポリアミド(C)の代わりにポリアミド(A)をb層に用いた以外は実施例1と同様にして紙容器を作製した。表2に作製した容器の酸素透過率、胴膨れの値を示す。酸素透過率は13.4 cc/m−day−atm、胴膨れは12%と満足できるものではなかった。
【0046】
比較例2
実施例2と同一の装置を用いて、ポリアミド(C)の代わりにポリアミド(A)をb層に用いた以外は実施例1と同様にして紙容器を作製した。表2に作製した容器の酸素透過率、胴膨れの値を示す。酸素透過率は8.4 cc/m−day−atm、胴膨れは14%と満足できるものではなかった。
【0047】
【表1】
Figure 2004161326
【0048】
【表2】
Figure 2004161326
【0049】
表1、表2の結果から明らかなように、本願発明の紙容器は、バリア性に優れ、胴膨れが少ない。
【0050】
【発明の効果】
本発明の紙容器は、スメクタイトを分散させることによりバリア層樹脂の強度・弾性率が向上し、その結果、内容物を充填した際の胴膨れを抑えることが出来る。また、スメクタイトの添加により、バリア層樹脂の耐熱性が向上するため、容器化の際の加熱による発泡を抑えることができ、ピンホールのないバリア性の良好な紙容器が得られる。
即ち本発明の紙容器はバリア性に優れ、且つ胴膨れが少ないという特徴を有するものであり、工業的価値が高いものである。

Claims (8)

  1. メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分と、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分とを重縮合して得られるポリアミド樹脂(A)を92〜99質量%の範囲で、有機膨潤化剤で処理したスメクタイト(スメクタイト(B))を8〜1質量%の範囲で含むポリアミド樹脂組成物からなる層(C)と原紙からなる層(D)を含む積層体からなることを特徴とする紙容器。
  2. 前記積層体が、シーラント層を含むものである請求項1に記載の紙容器。
  3. 前記ポリアミド樹脂組成物が、スメクタイト(B)がポリアミド樹脂(A)中に均一に微分散されているものであることを特徴とする請求項1または2に記載の紙容器。
  4. ポリアミド樹脂(A)の相対粘度(1g/dlの96%硫酸溶液、25℃)が2.4〜3.9であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の紙容器。
  5. スメクタイト(B)が有機膨潤化剤で処理したモンモリロナイトであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の紙容器。
  6. スメクタイト(B)中の有機膨潤化剤の含有量が20〜50質量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の紙容器。
  7. 前記積層体の23℃/60%RHでの酸素透過率が20cc/m−day−atm未満である請求項1〜6のいずれかに記載の紙容器。
  8. 液体の内容物を充填した際の、容器側面中央部の外側への膨れが、容器の幅に対して10%以下である請求項1〜7のいずれかに記載の紙容器。
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