JP4161176B2 - 多層フィルム、及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスバリア性に優れた多層フィルムに関する。詳しくは、食品、飲料、薬品、電子部品等の包装に用いることができ、ガスバリア性に優れることはもちろんのこと、透明性等の外観、機械物性にも優れた多層フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
食品や飲料等の包装に用いられる包装材料は、様々な流通、冷蔵等の保存や加熱殺菌などの処理等から内容物を保護するため、強度や割れにくさ、耐熱性といった機能ばかりでなく、内容物を確認できるよう透明性に優れるなど多岐に渡る機能が要求されている。さらに、近年では、食品の酸化を抑えるため外部からの酸素の侵入を防ぐ酸素バリア性や、嗜好の変化に伴い各種香気成分等に対するバリア性機能も要求されている。
【0003】
ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6等の脂肪族ポリアミドからなるフィルムは、透明で機械物性に優れるばかりでなく、その扱いやすさ、加工のしやすさから、包装材料用フィルムとして広く用いられている。しかし、酸素等のガス状物質に対するバリア性が劣るため、内容物の酸化劣化が進みやすかったり、香気成分が透過しやすいため、内容物の賞味期限が短くなる欠点があった。
【0004】
酸素等のガス状物質に対するバリア性を向上させる目的で、上記熱可塑性樹脂と塩化ビニリデンやエチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール等のガスバリア性樹脂を組み合わせたフィルムが利用されている。しかしながら、塩化ビニリデンを積層したフィルムは保存される条件によらずガスバリア性に優れるものの、燃焼させた際にダイオキシンが発生し、環境を汚染する問題がある。エチレン・ビニルアルコール共重合体やポリビニルアルコールは前述のような環境汚染の問題はないものの、これらをバリア層とした多層フィルムは、比較的湿度の低い環境下で保存された場合は優れたガスバリア性を発揮するものの、保存される内容物が水分活性の高いものであったり、高湿度の環境下で保存されたり、さらに内容物を充填後に加熱殺菌処理を施されるとガスバリア性は大幅に低下する傾向にあり、内容物の保存性に問題が生じる問題があった。その解決方法として、ポリビニルアルコールと無機層状化合物からなるガスバリア性を改善した組成物からなる層をコーティングしたフィルムが開示されている(例えば、特許文献1あるいは特許文献2参照。)。係る発明では、従来以上にガスバリア性に優れたフィルムが得られるものの、ポリビニルアルコールを主原料としたものであることには変わりはなく、高湿度下でのガスバリア性の低下は大きい。
【0005】
一方、キシリレンジアミンと脂肪族ジカルボン酸との重縮合反応から得られるキシリレン基含有ポリアミド、特にメタキシリレンジアミンとアジピン酸から得られるポリアミドMXD6は、酸素、炭酸ガス等のガス状物質に対して低い透過性を示す材料である。上述のエチレン・ビニルアルコール共重合体やポリビニルアルコールと比較した場合、高湿度下でのガスバリア性は優れるものの、低中湿度下ではこれらの材料と比較してややガスバリア性に劣る欠点があった。
【0006】
ポリアミドMXD6のガスバリア性を改良する方法の一つとして、ポリアミド樹脂と層状珪酸塩を、押出機等を用いて混練する方法が知られている(例えば、特許文献3あるいは特許文献4参照。)。これらの方法により、ポリアミドMXD6中に実質的にガス状物質が透過しない層状珪酸塩を分散させることでポリアミドMXD6のガスバリア性は改善され、これまでポリアミドMXD6の欠点であった低中湿度下でのガスバリア性もエチレン・ビニルアルコール共重合体やポリビニルアルコールと遜色無いものとすることができる。しかし、これをフィルム化すると、層状珪酸塩の分散性が不十分である場合が多く、ガスバリア性の改善効果にばらつきが生じたり、層状珪酸塩の凝集体や、ポリアミドMXD6のゲル状物を生じやすい問題を有し、外観や機械物性が低下する問題があった。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−251874号公報
【特許文献2】
特開平7−304128号公報
【特許文献3】
特開平2−305828号公報
【特許文献4】
特開平8−53572号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述の問題を解決し、バリア層に、メタキシリレン基含有ポリアミドと層状珪酸塩からなる複合樹脂を主成分とするバリア樹脂層を有し、保存される又は曝される環境によらずガスバリア性に優れ、透明性等の外観、機械物性等に優れた多層フィルムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、特定の物性を有するメタキシリレン基含有ポリアミド樹脂中に有機膨潤化剤で処理した層状珪酸塩を均一に分散させた複合樹脂を主成分とするバリア樹脂層を中間層として特定の製造方法により実質的に無延伸の多層フィルムを得ることで、上記課題を解決し得ることを見いだし、本発明を完成するに到った。
【0010】
すなわち本発明は、実質的に無延伸の多層フィルムであって、熱可塑性樹脂からなる層(1)、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分と、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分とを重縮合して得られ、反応モル比(反応したジアミン成分のモル数/反応したジカルボン酸成分のモル数)が1.0未満及び/又は末端アミノ基濃度が60μ当量/g未満であるメタキシリレン基含有ポリアミド樹脂(A)92〜99重量%と、有機膨潤化剤で処理した層状珪酸塩(B)8〜1重量%とからなる複合樹脂(C)を主成分とする層(2)、および熱可塑性樹脂からなる層(3)の少なくとも3層がこの順に積層してなるように共押出して得られ、層(2)の厚みが多層フィルム総厚みの7乃至40%の範囲であって、かつ層(1)と層(3)のうち厚みが薄い層の厚みが総厚みの7%以上であることを特徴とする多層フィルムに関する。
【0011】
さらに本発明は、実質的に無延伸の多層フィルムの製造方法であって、熱可塑性樹脂からなる層(1)、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分と、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分とを重縮合して得られ、反応モル比(反応したジアミン成分のモル数/反応したジカルボン酸成分のモル数)が1.0未満及び/又は末端アミノ基濃度が60μ当量/g未満であるメタキシリレン基含有ポリアミド樹脂(A)92〜99重量%と、有機膨潤化剤で処理した層状珪酸塩(B)8〜1重量%とからなる複合樹脂(C)を主成分とする層(2)、熱可塑性樹脂からなる層(3)の少なくとも3層がこの順に積層してなるように共押出することを特徴とする多層フィルムの製造方法に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳しく説明する。本発明の多層フィルムを構成する層(1)は、多層フィルムをパウチや蓋などの包装材料とした際にシーラントの役割を有する。層(1)に使用可能な熱可塑性樹脂としては、シーラントとしての役割を発揮できるものであれば特に制限はなく、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン類、プロピレンホモポリマー、プロピレン−エチレンブロックコポリマー、プロピレン−エチレンランダムコポリマー等のポリプロピレン類、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、ポリブテン、ポリペンテン、アイオノマー樹脂等の各種ポリオレフィン類、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、イージーピール性を有する熱可塑性樹脂等が挙げられる。
層(1)は、上述の樹脂からなる単層でも良く、2層以上の多層構造を有していても良い。多層構造の場合、必要に応じて変性ポリオレフィン樹脂等からなる接着性樹脂層を各樹脂層間に積層しても良い。
【0013】
層(1)には、シーラントとしての能力を損なわない範囲で、各種エラストマー類などの耐衝撃性改質材、結晶核剤、脂肪酸アミド系、脂肪酸金属塩系、脂肪酸アマイド系化合物等の滑剤、銅化合物、有機もしくは無機ハロゲン系化合物、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、ヒドラジン系、硫黄系化合物、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸マグネシウムなどのリン系化合物等の酸化防止剤、熱安定剤、着色防止剤、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、離型剤、可塑剤、着色剤、難燃剤などの添加剤、酸化チタン等の無機顔料や染料等の有機顔料が含まれていても良い。
【0014】
本発明の多層フィルムを構成する層(2)は、メタキシリレン基含有ポリアミド樹脂(A)と層状珪酸塩(B)からなる複合樹脂(C)を主成分とするものからなり、多層フィルムをパウチや蓋などの包装材料とした際に、包装容器外部からの酸素の進入を遮断したり、内容物の香気成分が容器外部へ透過するのを防ぐガスバリア層としての役割を有する。
【0015】
メタキシリレン基含有ポリアミド樹脂(A)とは、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分と、炭素数4〜12のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分とを重縮合して得られるものであり、その製造方法は公知の方法によって行われる。本発明のメタキシリレン基含有ポリアミド樹脂(A)はその製造方法に関係なく特定の物性を満足するものであれば使用することができる。
【0016】
メタキシリレン基含有ポリアミド樹脂(A)の原料となるジアミン成分は、メタキシリレンジアミンを70モル%以上とすることが好ましく、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上である。ジアミン成分中のメタキシリレンジアミンが70モル%以上であると、それから得られるポリアミド樹脂は優れたガスバリヤー性を発現することができる。本発明において、メタキシリレンジアミン以外に用いることができる他のジアミン成分としては、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2−メチルペンタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、等の脂肪族ジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノメチル)デカリン、ビス(アミノメチル)トリシクロデカン等の脂環族ジアミン、ビス(4−アミノフェニル)エーテル、パラフェニレンジアミン、パラキシリレンジアミン、ビス(アミノメチル)ナフタレン等の芳香環を有するジアミン類等が挙げられる。
【0017】
メタキシリレン基含有ポリアミド樹脂(A)の原料となるジカルボン酸成分は、炭素数4〜12のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸が70モル%以上であることが好ましく、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上であり、さらにα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸としてはコハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、アジピン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸が例示できるが、特にアジピン酸を使用することが好ましい。ジカルボン酸成分中の炭素数4〜12のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸が70モル%以上であると、ガスバリヤー性の低下や結晶性の過度の低下を避けることができる。本発明において、炭素数4〜12のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸以外に用いることができる他のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類等が挙げられる。
【0018】
本発明において用いられるメタキシリレン基含有ポリアミド樹脂(A)は、反応モル比(反応したジアミンのモル数/反応したジカルボン酸のモル数)が1.0未満であることが好ましく、より好ましくは0.999〜0.990、さらに好ましくは0.998〜0.992のものである。反応モル比が1.0未満の場合、得られるフィルムは曇価の上昇が抑えられ、優れた透明性を有する。さらにフィルムへの成形加工時にメタキシリレン基含有ポリアミド樹脂(A)に由来するゲル発生も抑制でき、外観上優れたフィルムを得ることができる。ここで、反応モル比(r)は次式で求められる。
r=(1−cN−b(C−N))/(1−cC+a(C−N))
式中、a:M1/2
b:M2/2
c:18.015
M1:ジアミンの分子量(g/mol)
M2:ジカルボン酸の分子量(g/mol)
N:末端アミノ基濃度(当量/g)
C:末端カルボキシル基濃度(当量/g)
【0019】
また、本発明で使用されるメタキシリレン基含有ポリアミド樹脂(A)は、末端アミノ基濃度が60μ当量/g未満であることが好ましく、50μ当量/g未満であることがより好ましい。末端アミノ基濃度が60μ当量/gより高いと、層状珪酸塩を添加して複合樹脂(C)を製造し、これからフィルムを得た場合、これから得られるフィルムの曇価が上昇する傾向があり、商品価値を大きく損なうこととなる。
【0020】
本発明で使用されるメタキシリレン基含有ポリアミド樹脂(A)は、その相対粘度(1g/dlの96%硫酸溶液、25℃)が、1.8〜3.9のものを使用することが好ましく、2.4〜3.7のものを使用することがより好ましく、2.5〜3.7のものを使用することが更に好ましい。メタキシリレン基含有ポリアミド樹脂(A)中に層状珪酸塩(B)を分散させる際は、溶融混練法が用いられるが、相対粘度が上記1.8未満であると、溶融樹脂の粘度が低すぎて層状珪酸塩が分散しづらくなり、その凝集体が生じやすく、フィルム化した際に外観が損なわれる。相対粘度が3.9を越えるメタキシリレン基含有ポリアミド樹脂(A)については、そのものの製造が困難であり、また溶融混練を行う際に特別な装置を必要とすることがある。相対粘度を特に1.8〜3.9とすることにより、押出混練時に樹脂に適度な圧力がかかるため粘土鉱物の分散性が向上するといった特長や、押出成形時にネックインが少ないため得られたフィルムやシートの幅を広くしたり幅サイズを調整しやすくなるといった特徴が得られる。
【0021】
ここで言う相対粘度(1g/dlの96%硫酸溶液、25℃)は、樹脂1gを96%硫酸100cc(1dl)に溶解し、キャノンフェンスケ型粘度計にて測定した25℃での落下時間(t)と同様に測定した96%硫酸での落下時間(t0)の比であり、次式で示される。
相対粘度=(t)/(t0)
【0022】
メタキシリレン基含有ポリアミド樹脂(A)は水分率が0.2%未満であることが好ましい。水分率が0.2%以上であると、層状珪酸塩(B)との溶融混練時に層状珪酸塩の分散性が低下するだけでなく、メタキシリレン基含有ポリアミド樹脂(A)の分子量が大きく低下したり、フィルムにゲル状物が生じやすくなるので好ましくない。
【0023】
メタキシリレン基含有ポリアミド樹脂(A)には、各種エラストマー類などの耐衝撃性改質材、結晶核剤、脂肪酸アミド系、脂肪酸金属塩系、脂肪酸アマイド系化合物等の滑剤、銅化合物、有機もしくは無機ハロゲン系化合物、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、ヒドラジン系、硫黄系化合物、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸マグネシウムなどのリン系化合物等の酸化防止剤、熱安定剤、着色防止剤、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、離型剤、可塑剤、着色剤、難燃剤などの添加剤が含まれていても良い。
【0024】
複合樹脂(C)を構成する層状珪酸塩(B)は、0.25〜0.6の電荷密度を有する2−八面体型や3−八面体型の層状珪酸塩であり、2−八面体型としては、モンモリロナイト、バイデライト等、3−八面体型としてはヘクトライト、サボナイト等が挙げられる。これらの中でも、モンモリロナイトが好ましい。
【0025】
本発明で用いられる層状珪酸塩(B)は、高分子化合物や有機系化合物等の有機膨潤化剤を予め層状珪酸塩に接触させて、層状珪酸塩の層間を拡げたものとすることが好ましい。有機膨潤化剤としては、第4級アンモニウム塩が好ましく使用できるが、より好ましくは、炭素数12以上のアルキル基を少なくとも一つ以上有する第4級アンモニウム塩が用いられる。
【0026】
有機膨潤化剤の具体例としては、例えば、トリメチルドデシルアンモニウム、トリメチルテトラデシルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、トリメチルオクタデシルアンモニウム、トリメチルエイコサニルアンモニウム、トリメチルオクタデセニルアンモニウム、トリメチルオクタデカジエニルアンモニウム等のトリメチルアルキルアンモニウム、トリエチルドデシルアンモニウム、トリエチルテトラデシルアンモニウム、トリエチルヘキサデシルアンモニウム、トリエチルオクタデシルアンモニウム等のトリエチルアルキルアンモニウム、トリブチルドデシルアンモニウム、トリブチルテトラデシルアンモニウム、トリブチルヘキサデシルアンモニウム、トリブチルオクタデシルアンモニウム等のトリブチルアルキルアンモニウム、ジメチルジドデシルアンモニウム、ジメチルジテトラデシルアンモニウム、ジメチルジヘキサデシルアンモニウム、ジメチルジオクタデシルアンモニウム、ジメチルジオクタデセニルアンモニウム、ジメチルジオクタデカジエニルアンモニウム、ジメチルジタロウアンモニウム等のジメチルジアルキルアンモニウム、ジエチルジドデジルアンモニウム、ジエチルジテトラデシルアンモニウム、ジエチルジヘキサデシルアンモニウム、ジエチルジオクタデシルアンモニウム等のジエチルジアルキルアンモニウム、ジブチルジドデシルアンモニウム、ジブチルジテトラデシルアンモニウム、ジブチルジヘキサデシルアンモニウム、ジブチルジオクタデシルアンモニウム等のジブチルジアルキルアンモニウム、メチルベンジルジヘキサデシルアンモニウム等のメチルベンジルジアルキルアンモニウム、ジベンジルジヘキサデシルアンモニウム等のジベンジルアルキルアンモニウム、トリドデシルメチルアンモニウム、トリテトラデシルメチルアンモニウム等のトリアルキルメチルアンモニウム、トリドデシルエチルアンモニウム等のトリアルキルエチルアンモニウム、トリドデシルブチルアンモニウム等のトリアルキルブチルアンモニウム等のイオン、モノメチルオクダデシルアンモニウムイオン、4−アミノ−n−酪酸イオン、6−アミノ−n−カプロン酸イオン、8−アミノカプリル酸イオン、10−アミノデカン酸イオン、12−アミノドデカン酸イオン、14−アミノテトラデカン酸イオン、16−アミノヘキサデカン酸イオン、18−アミノオクタデカン酸イオン、などが挙げられる。中でもトリメチルドデシルアンモニウム、トリメチルテトラデシルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、トリメチルオクタデシルアンモニウム等の4級アンモニウムのイオン、ジメチルジドデシルアンモニウム、ジメチルジテトラデシルアンモニウム、ジメチルジヘキサデシルアンモニウム、ジメチルジオクタデシルアンモニウム、ジメチルジタロウアンモニウム等の4級アンモニウムのイオンが例示できる。なお、これらの4級アンモニウムイオンは、単独でも複数種類の混合物としても使用できる。
【0027】
本発明における層状珪酸塩(B)の配合割合は、複合樹脂(C)中で1〜8重量%となる様に添加するのが好ましく、1.5〜5重量%がさらに好ましい。層状珪酸塩(B)の配合割合が上記範囲内であれば、ガスバリア性の向上効果を得ることができ、かつ透明性を損なうことはない。
【0028】
複合樹脂(C)において、層状珪酸塩(B)は局所的に凝集することなく均一に分散していることが好ましい。ここでいう均一分散とは、キシリレン基含有ポリアミド樹脂(A)中において層状珪酸塩が平板状に分離し、それらの50%以上が5nm以上の層間距離を有することをいう。ここで層間距離とは平板状物の重心間距離のことをいう。この距離が大きい程分散状態が良好となり、フィルムとしたときの透明性等の外観が良好で、かつ酸素、炭酸ガス等のガス状物質に対する遮断性を向上させることができる。
【0029】
キシリレン基含有ポリアミド樹脂(A)と層状珪酸塩(B)から複合樹脂(C)を製造する方法としては、特に制限はないが、本発明では溶融混練法が好ましく用いられる。例えば、キシリレン基含有ポリアミド樹脂(A)の重縮合中に層状珪酸塩(B)を添加し攪拌する方法、単軸もしくは二軸押出機等の通常用いられる種々の押出機を用いて溶融混練する方法等の公知の方法を利用することができるが、これらのなかでも、二軸押出機を用いて溶融混練する方法が本発明において好ましい方法である。
【0030】
本発明においてキシリレン基含有ポリアミド樹脂(A)と層状珪酸塩(B)を、二軸押出機を使用して溶融混練する場合は、その際の溶融混練温度はポリアミド樹脂(A)の融点付近〜融点+60℃の範囲に設定し、できるだけ押出機内での樹脂の滞留時間を短くするように行うほうがよい。また、押出機内に設置されるスクリューにはポリアミド樹脂(A)と層状珪酸塩(B)を混合する部位が設けられるが、その部分には逆目スクリューエレメントやニーディングディスク等の部品を組み合わせたものを使用すると効率良く層状珪酸塩(B)が分散しやすくなる。
【0031】
本発明の多層フィルムを構成する層(2)は、複合樹脂(C)と他の樹脂成分(樹脂(D)と称す)の混合樹脂から構成してもよい。樹脂(D)としては、キシリレン基含有ポリアミド樹脂(A)を除くポリアミド類、ポリオレフィン類、ポリエステル類等が挙げられるが、脂肪族ポリアミド樹脂がフィルムの外観を損なうことなく、機械物性を改善できることから特に好ましく用いられる。脂肪族ポリアミド樹脂としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン666等の共重合体を単独で、または複数以上を使用することができる。なかでも、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン666がフィルムの機械物性を改善する効果が高いことから好ましく用いられる。
【0032】
なお、複合樹脂(C)に対して樹脂(D)を混合する際は、複合樹脂(C)中で樹脂(D)が島構造をとるようにすることが好ましい。樹脂(D)の混合量は全体の50重量%未満とすることが好ましく、より好ましくは40重量%未満、更に好ましくは30重量%未満である。樹脂(D)の重量比が50重量%以上であると、混合樹脂の主成分が樹脂(D)となり、複合樹脂成分は樹脂(D)中において島構造をとるため、著しくガスバリア性の低下が起こるため好ましくない。さらに本発明では、層(2)を形成する際の押出機温度における剪断速度100(s−1)での複合樹脂(C)の溶融粘度を樹脂(D)の溶融粘度で除した値(Z)が1以上になるようにすることが好ましく、1.1以上になるようにすることがさらに好ましい。値(Z)が1未満になる場合、複合樹脂(C)中の樹脂(D)の分散粒子径が大きくなり、十分なガスバリア性が得られないばかりでなく、衝撃強度等の機械物性が低下したり、曇価が上昇するなどの問題を生じることがある。また、複合樹脂(C)中に樹脂(D)を適度に微分散させることで、屈折率が異なる樹脂同士をブレンドした場合に生じるパール調のギラツキが抑えられ良好な透明感が得られる。ギラツキが抑えられる原因としては、層状珪酸塩により樹脂中での光の乱反射が抑えられる、もしくは結晶粒径の成長が抑えられることにより、ギラツキが低減されることなどが考えられる。
【0033】
本発明の多層フィルムを構成する層(3)は、多層フィルムをパウチや蓋などの包装材料とした際に、外層側に位置する層であり、フィルムの機械物性を保持する役割を有する。層(3)に使用可能な熱可塑性樹脂としては、機械物性の向上効果を付与できるものであれば特に制限はなく、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン類、プロピレンホモポリマー、プロピレン−エチレンブロックコポリマー、プロピレン−エチレンランダムコポリマー等のポリプロピレン類、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、ポリブテン、ポリペンテン、アイオノマー樹脂等の各種ポリオレフィン類、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド樹脂等が挙げられる。
層(3)は、上述の樹脂からなる単層でも良く、2層以上の多層構造を有していても良い。多層構造の場合、必要に応じて変性ポリオレフィン樹脂等からなる接着性樹脂層を各樹脂層間に積層しても良い。
【0034】
層(3)には、機械物性をさらに向上させるため、各種エラストマー類などの耐衝撃性改質材を加えることができ、さらには結晶核剤、脂肪酸アミド系、脂肪酸金属塩系、脂肪酸アマイド系化合物等の滑剤、銅化合物、有機もしくは無機ハロゲン系化合物、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、ヒドラジン系、硫黄系化合物、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸マグネシウムなどのリン系化合物等の酸化防止剤、熱安定剤、着色防止剤、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、離型剤、可塑剤、着色剤、難燃剤などの添加剤、酸化チタン等の無機顔料や染料等の有機顔料が含まれていても良い。
【0035】
本発明の多層フィルムは、層(1)、層(2)および層(3)がこの順に積層されていれば、他の層を含んでも良い。例えば、必要に応じて変性ポリオレフィン樹脂等からなる接着性樹脂層を層(1)と層(2)、或いは層(2)と層(3)の間に積層しても良い。さらに機械物性の向上や商品性を高めるための目的で、本発明の多層フィルムの層(3)側にポリエステルやポリアミド、ポリプロピレン等からなる無延伸又は延伸フィルムを押出ラミネートやドライラミネート等により積層しても良い。
【0036】
次に、本発明の多層フィルムの製造方法について説明する。本発明の多層フィルムは複合樹脂(C)を主成分とする層(2)を中間層として共押出法により製造される。共押出法としてはTダイ法、インフレーション法等公知の方法を利用することができる。層(2)を中間層として押し出さずに外層となるようにして押出を行うと、層(2)の表面粗れが大きくなり、フィルムの曇価が上昇する傾向にあり、好ましくない。なお、層(2)を中間層とした多層フィルムにおいても曇価の上昇を抑えるためには、層(2)の厚みは多層フィルム総厚みの7乃至40%の範囲内とし、かつ層(1)と層(3)のうち厚みが薄い層の厚みが総厚みの7%以上となるようにすることが好ましく、層(2)の厚みが総厚みの10乃至30%の範囲内とし、かつ層(1)と層(3)のうち厚みが薄い層の厚みが総厚みの10%以上となるようにすることがより好ましい。層(2)が総厚みの7%未満であると、層(2)中の層状珪酸塩周辺で微細な空隙が生じた場合にその空隙の影響が大きくなり、十分なガスバリア性が得られないことがある。また層(2)の厚みが40%より大きいと、ガスバリア性能が過剰になることが多く、コスト高となるため好ましくない。さらに、層(1)と層(3)のうち厚みが薄い層の厚みが総厚みの7%未満であると、層(2)が冷えやすくなり、層状珪酸塩が含有されていることに起因するフィルム表面の粗れが起こりやすくなり、ガスバリア性や透明性が低下する傾向にあるため好ましくない。
【0037】
また、本発明の多層フィルムを製造する際は、ドラフト比を極端に大きくしないことが好ましい。ドラフト比が極端に高いと複合樹脂(C)中の層状珪酸塩(B)の周辺で微細な空隙が生じ、ガスバリア性が低下するだけでなく、曇価が上昇するなどの外観が悪化する傾向が見られる。
【0038】
本発明の多層フィルムは、実質的に無延伸フィルムとしてそのまま四方シール袋や、各種ピロー袋、スタンディングパウチ等の袋状容器、容器用の蓋材等の各種包装材料に利用することができる。さらに場合によっては本発明の多層フィルムを原反として延伸フィルムを製造することもできる。本発明の多層フィルムからなる包装容器には、様々な物品を収納、保存することができる。例えば、炭酸飲料、ジュース、水、牛乳、日本酒、ウイスキー、焼酎、コーヒー、茶、ゼリー飲料、健康飲料等の液体飲料、調味液、ソース、醤油、ドレッシング、液体だし、マヨネーズ、味噌、すりおろし香辛料等の調味料、ジャム、クリーム、チョコレートペースト等のペースト状食品、液体スープ、煮物、漬物、シチュー等の液体加工食品に代表される液体系食品やそば、うどん、ラーメン等の生麺及びゆで麺、精米、調湿米、無洗米等の調理前の米類や調理された炊飯米、五目飯、赤飯、米粥等の加工米製品類、粉末スープ、だしの素等の粉末調味料等に代表される高水分食品、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品、その他農薬や殺虫剤等の固体状や溶液状の化学薬品、液体及びペースト状の医薬品、化粧水、化粧クリーム、化粧乳液、整髪料、染毛剤、シャンプー、石鹸、洗剤等、種々の物品を収納することができる。
【0039】
特に、本発明の多層フィルムからなる包装材料は、水分活性の高い物品を収納する包装容器、高湿度下に曝される包装容器、さらにはレトルトやボイル等の加熱殺菌処理が施される包装容器の材料として適したものである。
【0040】
【実施例】
以下、実施例等により本発明を具体的に説明する。尚、実施例等において、メタキシリレン基含有ポリアミドの評価、及び得られた多層フィルムの評価は、下記の方法によった。
(1)メタキシリレン基含有ポリアミド樹脂の末端アミノ基濃度
メタキシリレン基含有ポリアミド樹脂0.5gを秤量し、フェノール/エタノール=4/1容量溶液30ccに20〜30℃で撹拌溶解した。完全に溶解した後、三菱化学(株)製自動滴定装置を用いて、N/100塩酸水溶液で中和滴定して求めた。
(2)メタキシリレン基含有ポリアミド樹脂の末端カルボシキル基濃度
メタキシリレン基含有ポリアミド樹脂0.5gを秤量し、ベンジルアルコール30ccに窒素気流下160〜180℃で撹拌溶解した。完全に溶解した後、窒素気流下80℃以下まで冷却し、撹拌しつつメタノールを10cc加え、三菱化学(株)製自動滴定装置を用いて、N/100水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定して求めた。
(3)メタキシリレン基含有ポリアミド樹脂の反応モル比
末端アミノ基濃度及び末端カルボキシル基濃度から次式より算出した。
反応モル比=(1−18.015×末端アミノ基濃度−73.07×A)/(1−18.015×末端カルボキシル基濃度+68.10×A)
Aは、(末端カルボキシル基濃度−末端アミノ基濃度)を表す。
(4)メタキシリレン基含有ポリアミド樹脂の相対粘度
メタキシリレン基含有ポリアミド1gを精秤し、96%硫酸100ccに20〜30℃で撹拌溶解した。完全に溶解した後、キャノンフェンスケ型粘度計に溶液5ccを取り、25℃±0.03℃の恒温槽中で10分間放置後、落下時間(t)を測定した。また、96%硫酸そのものの落下時間(t0)も同様に測定した。t及びt0から次式により相対粘度を算出した。
相対粘度=(t)/(t0)
(5)メタキシリレン基含有ポリアミド樹脂の水分率
三菱化学(株)製微量水分測定装置CA−05を用いて、窒素雰囲気下、235℃、50分の条件で測定を行った。
(6)多層フィルムの曇価
日本電色工業(株)製、色差・濁度測定器COH−300Aを使用し、ASTM D1003に準じてフィルムの曇価を測定した。
(7)多層フィルムの外観
フィッシュアイ等のゲル状物、層状珪酸塩の凝集体の有無を目視により判定した。また、脂肪族ポリアミドを複合樹脂にブレンドしたものについては、ギラツキの有無についても目視により判定した。
(8)多層フィルムの衝撃穴あけ強度
東測精密工業(株)製、フィルムインパクト試験機 ITF−60を使用し、サンプルを23℃50%RHの雰囲気下に一週間放置した後、先端1/2inch球形、フルスケール60kg−cmの試験条件で測定した。
(9)多層フィルムの耐ピンホール性
理学工業(株)製、ゲルボフレックステスターを使用し、サンプルを23℃50%RHの雰囲気下に一週間放置した後、ASTM F392に準じて1000サイクル後のピンホールの数を測定した。
(10)多層フィルムの酸素透過率
モダンコントロール社製、型式:OX−TRAN 2/20を使用し、ASTM D3985に準じて、23℃、相対湿度80%の雰囲気下にて測定した。
【0041】
尚、本実施例、比較例で使用した膨潤化処理を行った層状珪酸塩、膨潤化処理を行っていない層状珪酸塩の商品名は以下の通りである。
<膨潤化処理を行った層状珪酸塩>
(1)層状珪酸塩1: 白石工業(株)製「オルベン」
(膨潤化剤として、トリメチルオクタデシルアンモニウムを34wt%含有)
(2)層状珪酸塩2: 白石工業(株)製「NewDオルベン」
(膨潤化剤として、ジメチルジオクタデシルアンモニウムを43wt%含有)
<膨潤化処理を行っていない層状珪酸塩>
(3)層状珪酸塩3: クニミネ工業(株)製「クニピアF」
(4)合成層状珪酸塩: コープケミカル(株)製「ルーセンタイトSWF」
【0042】
参考例1
攪拌機、分縮器、冷却器、滴下槽、および窒素ガス導入管を備えたジャケット付きの50L反応缶にアジピン酸15kgを仕込み、十分窒素置換し、さらに少量の窒素気流下にて160℃に昇温し、アジピン酸を溶解させた。系内を攪拌しつつ、これにメタキシリレンジアミン13.8kgを、170分を要して滴下した。この間、内温は連続的に245℃まで上昇させた。なお重縮合により生成する水は、分縮器および冷却器を通して系外に除いた。メタキシリレンジアミンの滴下終了後、内温をさらに260℃まで昇温し、1時間反応を継続した後、ポリマーを反応缶下部のノズルからストランドとして取り出し、水冷後ペレット化してポリマーを得た。
次に、上記の操作にて得たポリマーを加熱ジャケット、窒素ガス導入管、真空ラインを備えた50L回転式タンブラーに入れ、回転させつつ系内を減圧にした後、純度99容量%以上の窒素で常圧にする操作を3回行った。その後、窒素流通下にて系内を140℃まで昇温させた。次に系内を減圧にし、さらに200℃まで連続的に昇温し、200℃で30分保持した後、窒素を導入して系内を常圧に戻した後、冷却してメタキシリレン基含有ポリアミド樹脂(A1)を得た。得られたメタキシリレン基含有ポリアミド樹脂(A1)は末端アミノ基濃度が27μ当量/g、末端カルボキシル基濃度が56μ当量/g、反応モル比が0.997、相対粘度が2.7であった。
【0043】
参考例2
メタキシリレンジアミンの量を14kgとした以外は参考例1と同様にして、メタキシリレン基含有ポリアミド樹脂(A2)を得た。得られたメタキシリレン基含有ポリアミド樹脂(A2)は末端アミノ基濃度が48μ当量/g、末端カルボキシル基濃度が28μ当量/g、反応モル比が1.002、相対粘度が2.9であった。
【0044】
参考例3
攪拌機、分縮器、冷却器、滴下槽、および窒素ガス導入管を備えたジャケット付きの50L反応缶にアジピン酸15kgを仕込み、十分窒素置換し、さらに少量の窒素気流下にて160℃に昇温し、アジピン酸を溶解させた。系内を攪拌しつつ、これにメタキシリレンジアミン13.9kgを、170分を要して滴下した。この間、内温は連続的に245℃まで上昇させた。なお重縮合により生成する水は、分縮器および冷却器を通して系外に除いた。メタキシリレンジアミンの滴下終了後、内温をさらに260℃まで昇温し、1時間反応を継続した後、ポリマーを反応缶下部のノズルからストランドとして取り出し、水冷後ペレット化してポリマーを得た。
次に、上記の操作で得たポリマーを150℃で6時間真空乾燥してメタキシリレン基含有ポリアミド樹脂(A3)を得た。得られたメタキシリレン基含有ポリアミド樹脂(A3)は末端アミノ基濃度が61μ当量/g、末端カルボキシル基濃度が69μ当量/g、反応モル比が0.999、相対粘度が2.1であった。
【0045】
参考例4
メタキシリレンジアミンの量を14.2kgとした以外は参考例1と同様にして、メタキシリレン基含有ポリアミド樹脂(A4)を得た。得られたメタキシリレン基含有ポリアミド樹脂(A4)は末端アミノ基濃度が65μ当量/g、末端カルボキシル基濃度が17μ当量/g、反応モル比が1.006であった。
【0046】
表1に各メタキシリレン基含有ポリアミド樹脂の物性を示す。尚、表1において、[NH2]は末端アミノ基濃度(μ当量/g)、[COOH]は末端カルボキシル基濃度(μ当量/g)を示す。
【0047】
実施例1
メタキシリレン基含有ポリアミド樹脂(A1)を97質量部と、層状珪酸塩1を3質量部とをドライブレンドした後、逆エレメントによる滞留部を設けたスクリューを設置したシリンダー径20mmφの同方向回転型二軸押出機に6kg/hrの速度で上記材料を供給し、シリンダー温度270℃の条件で溶融混練を行い、押出機ヘッドからストランド押し出し、冷却後、ペレタイズ化して複合樹脂(C1)を得た。表2に複合樹脂の組成を示す(以下同様)。
次に、3台の押出機、フィードブロック、Tダイ、冷却ロール、引き取り機等からなる多層フィルム製造装置を用いて、第1の押出機から直鎖状低密度ポリエチレン(以下、LLDPEと略す)を、第2の押出機から上記複合樹脂(C1)を、第3の押出機から無水マレイン酸変性ポリエチレン(融点;120℃、以下変性PEと略す)を共押出し、LLDPE層(40μm)/変性PE層(10μm)/ガスバリア層(複合樹脂層、15μm)/変性PE層(10μm)/LLDPE層(40μm)の層構成を有する3種5層の多層フィルムを製造した。得られた多層フィルムの評価結果を表3に示す。
【0048】
実施例2、3
A1の代わりに、A2、A3をそれぞれ用いたこと以外は実施例1と同様にして、複合樹脂(C2)、複合樹脂(C3)を製造し、次いでLLDPE層(40μm)/変性PE層(10μm)/ガスバリア層(15μm)/変性PE層(10μm)/LLDPE層(40μm)の層構成を有する3種5層の多層フィルムを製造した。得られた多層フィルムの評価結果を表3に示す。
【0049】
実施例4
層状珪酸塩1の代わりに、層状珪酸塩2を用いたこと以外は実施例1と同様にして、複合樹脂(C4)を製造し、次いでLLDPE層(40μm)/変性PE層(10μm)/ガスバリア層(15μm)/変性PE層(10μm)/LLDPE層(40μm)の層構成を有する3種5層の多層フィルムを製造した。得られた多層フィルムの評価結果を表3に示す。
【0050】
実施例5
A1を93質量部と、層状珪酸塩1を7質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、複合樹脂(C5)を製造し、次いでLLDPE層(40μm)/変性PE層(10μm)/ガスバリア層(15μm)/変性PE層(10μm)/LLDPE層(40μm)の層構成を有する3種5層の多層フィルムを製造した。得られた多層フィルムの評価結果を表3に示す。
【0051】
比較例1
A1の代わりに、A4を用いたこと以外は実施例1と同様にして、複合樹脂(C6)を製造し、次いでLLDPE層(40μm)/変性PE層(10μm)/ガスバリア層(15μm)/変性PE層(10μm)/LLDPE層(40μm)の層構成を有する3種5層の多層フィルムを製造した。得られた多層フィルムの評価結果を表4に示す。
【0052】
比較例2、3
層状珪酸塩1の代わりに、層状珪酸塩3、合成層状珪酸塩をそれぞれ用いたこと以外は実施例1と同様にして、複合樹脂(C7)、複合樹脂(C8)を製造し、次いでLLDPE層(40μm)/変性PE層(10μm)/ガスバリア層(15μm)/変性PE層(10μm)/LLDPE層(40μm)の層構成を有する3種5層の多層フィルムを製造した。得られた多層フィルムの評価結果を表4に示す。
【0053】
比較例4
複合樹脂C1の代わりにキシリレン基含有ポリアミド樹脂A1を使用したこと以外は実施例1と同様にして、LLDPE層(40μm)/変性PE層(10μm)/ガスバリア層(15μm)/変性PE層(10μm)/LLDPE層(40μm)の層構成を有する3種5層の多層フィルムを製造した。得られた多層フィルムの評価結果を表4に示す。
【0054】
実施例6
ガスバリア層に複合樹脂C1を70重量%とナイロン6(以下、N−6と略する)を30重量%とをドライブレンドしたものを使用したこと以外は実施例1と同様にして、LLDPE層(40μm)/変性PE層(10μm)/ガスバリア層(15μm)/変性PE層(10μm)/LLDPE層(40μm)の層構成を有する3種5層の多層フィルムを製造した。なお、ガスバリア層の押出機の温度設定は270℃であり、その温度における剪断速度100(s−1)での複合樹脂C1の溶融粘度は、570Pa・s、N−6の溶融粘度は490Pa・sであり、複合樹脂C1の溶融粘度をN−6の溶融粘度で除した値(Z)は1.2であった。得られた多層フィルムの評価結果を表4に示す。
【0055】
実施例7
複合樹脂C1を55重量%、N−6を45重量%とした以外は実施例6と同様にして、LLDPE層(40μm)/変性PE層(10μm)/ガスバリア層(15μm)/変性PE層(10μm)/LLDPE層(40μm)の層構成を有する3種5層の多層フィルムを製造した。得られた多層フィルムの評価結果を表4に示す。
【0056】
以上の実施例で示したように、本発明の構成要件である特定の末端アミノ基濃度範囲及び/又は反応モル比を満足するキシリレン基含有ポリアミド樹脂と膨潤化処理を施した層状珪酸塩からなる複合樹脂を用い、作製した実施例1〜5に記載の多層フィルムは、比較例4に示した従来例と比較して同等の外観と優れた酸素バリア性を備え、同等の実用的な機械物性を有していた。一方、特定の末端アミノ基濃度範囲及び反応モル比を満足しないキシリレン基含有ポリアミド樹脂を原料として使用した比較例1では、フィルムにキシリレン基含有ポリアミド樹脂由来と思われるゲル化物が多発して外観が悪化した。さらに、膨潤化処理を施していない層状珪酸塩を使用した比較例2、3では、フィルムに層状珪酸塩の凝集物が多発して外観が悪化し、酸素透過率の改善効果も小さいものであった。
また、本発明の構成要件を満足するように、ガスバリア層にナイロン6をブレンドした実施例6,7では外観は良好であり、かつ機械物性の改善されたものが得られた。
【0057】
実施例8
4台の押出機、フィードブロック、Tダイ、冷却ロール、引き取り機等からなる多層フィルム製造装置を用いて、第1の押出機からLLDPEを、第2の押出機から変性PEを、第3の押出機から実施例1で得た複合樹脂(C1)を、第4の押出機からN−6を共押出し、LLDPE層(60μm)/変性PE層(10μm)/ガスバリア層(15μm)/N−6層(15μm)の層構成を有する4種4層の多層フィルムを製造した。得られた多層フィルムの評価結果を表5に示す。
【0058】
実施例9
複合樹脂(C1)の代わりに、実施例5で得た複合樹脂(C5)を70重量%とN−6を30重量部混合したもの使用した以外は実施例8と同様にして、LLDPE層(60μm)/変性PE層(10μm)/ガスバリア層(15μm)/N−6層(15μm)の層構成を有する4種4層の多層フィルムを製造した。得られた多層フィルムの評価結果を表5に示す。
【0059】
実施例10
4台の押出機、フィードブロック、Tダイ、冷却ロール、引き取り機等からなる多層フィルム製造装置を用いて、第1の押出機からLLDPEを、第2の押出機から変性PEを、第3の押出機から実施例1で得た複合樹脂(C1)を、第4の押出機からN−6を共押出し、LLDPE層(50μm)/変性PE層(10μm)/N−6(10μm)/ガスバリア層(15μm)/N−6層(10μm)の層構成を有する4種5層の多層フィルムを製造した。得られた多層フィルムの評価結果を表5に示す。
【0060】
実施例11
複合樹脂(C1)の代わりに、実施例5で得た複合樹脂(C5)を70重量%とN−6を30重量部混合したもの使用した以外は実施例8と同様にして、LLDPE層(50μm)/変性PE層(10μm)/N−6(10μm)/ガスバリア層(15μm)/N−6層(10μm)の層構成を有する4種5層の多層フィルムを製造した。得られた多層フィルムの評価結果を表5に示す。
【0061】
実施例12
4台の押出機、フィードブロック、Tダイ、冷却ロール、引き取り機等からなる多層フィルム製造装置を用いて、第1の押出機からLLDPEを、第2の押出機から変性PEを、第3の押出機から実施例1で得た複合樹脂(C1)を、第4の押出機からN−6を共押出し、LLDPE層(50μm)/変性PE層(10μm)/ガスバリア層(15μm)/変性PE層(10μm)/N−6層(15μm)の層構成を有する4種5層の多層フィルムを製造した。得られた多層フィルムの評価結果を表5に示す。
【0062】
実施例13
複合樹脂(C1)の代わりに、複合樹脂(C1)を70重量%とN−6を30重量部混合したもの使用した以外は実施例8と同様にして、LLDPE層(50μm)/変性PE層(10μm)/ガスバリア層(15μm)/変性PE層(10μm)/N−6層(15μm)の層構成を有する4種5層の多層フィルムを製造した。得られた多層フィルムの評価結果を表5に示す。
【0063】
比較例5
層構成を、LLDPE層(70μm)/変性PE層(10μm)/ガスバリア層(15μm)/N−6層(5μm)とした以外は実施例8と同様にして、4種4層の多層フィルムを製造した。得られた多層フィルムの評価結果を表6に示す。
【0064】
比較例6
層構成を、LLDPE層(70μm)/変性PE層(10μm)/ガスバリア層(5μm)/変性PE層(10μm)/N−6層(20μm)とした以外は実施例12と同様にして、4種5層の多層フィルムを製造した。得られた多層フィルムの評価結果を表6に示す。
【0065】
比較例7
3台の押出機、フィードブロック、Tダイ、冷却ロール、引き取り機等からなる多層フィルム製造装置を用いて、第1の押出機からLLDPEを、第2の押出機から変性PEを、第3の押出機から実施例1で得た複合樹脂(C1)を共押出し、LLDPE層(50μm)/変性PE層(10μm)/ガスバリア層(15μm)の層構成を有する3種3層の多層フィルムを製造した。次いで、該フィルムのガスバリア層側に、ポリウレタン系接着剤を介してナイロン6からなるフィルムをドライラミネートして、LLDPE層(50μm)/変性PE層(10μm)/ガスバリア層(15μm)/N−6層(15μm)の層構成を有する4種4層の多層フィルムを製造した。得られた多層フィルムの評価結果を表6に示す。
【0066】
以上の実施例で示したように、本発明の構成要件である特定の末端アミノ基濃度範囲及び/又は反応モル比を満足するキシリレン基含有ポリアミド樹脂と膨潤化処理を施した層状珪酸塩からなる複合樹脂を用い、各層の厚み比を所定の範囲内になるようにして製造した実施例8〜13に記載の多層フィルムは、良好な外観と優れた酸素バリア性を備え、優れた機械物性を有していた。一方、ガスバリア層の一方の側の層厚み比が低い比較例5や、ガスバリア層の層厚み比が低い比較例6では、酸素透過率が実施例と比較して悪化していた。また、ガスバリア層を中間層として共押出せずに多層フィルムを製造した比較例7においても、ほぼ同様の層構成を有する実施例と比較して酸素透過率が悪化していた。
【0067】
実施例14
実施例8で得た多層フィルムから、外寸13cm×19cmの三方シール袋を作製し、内容物として煮汁入りの人参を充填し、袋内の空気量がほぼ0ccとなるようにしてヒートシールにより密封した。次いで、この包装体を85℃で30分間ボイル処理を行い、25℃、60%RHの暗室内に2週間保存した。その後、内容物の色調を調査した結果、充填直後の色調をほぼ保っていることを確認した。
【0068】
比較例8
複合樹脂C1の代わりにキシリレン基含有ポリアミド樹脂A1を使用したこと以外は実施例8と同様にして多層フィルムを作製し、次いで実施例14と同様にして煮汁入りの人参の保存試験を実施した。その結果、内容物の色調は充填直後の色調からやや退色していることを確認した。
【0069】
比較例9
複合樹脂C1の代わりにエチレン−ビニルアルコール共重合体を使用したこと以外は実施例8と同様にして多層フィルムを作製し、次いで実施例14と同様にして煮汁入りの人参の保存試験を実施した。その結果、内容物の色調は充填直後の色調から大きく退色していることを確認した。
【0070】
【表1】
Figure 0004161176
【0071】
【表2】
Figure 0004161176
【0072】
【表3】
Figure 0004161176
【0073】
【表4】
Figure 0004161176
【0074】
【表5】
Figure 0004161176
【0075】
【表6】
Figure 0004161176
【0076】
【発明の効果】
本発明の多層フィルムは、ガスバリア性に優れることはもちろんのこと、透明性等の外観、機械物性にも優れたものであり、食品、飲料、薬品、電子部品等の包装材料として非常に有用なものであり、その工業的価値は非常に高い。

Claims (9)

  1. 実質的に無延伸の多層フィルムであって、熱可塑性樹脂からなる層(1)、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分と、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分とを重縮合して得られ、反応モル比(反応したジアミン成分のモル数/反応したジカルボン酸成分のモル数)が1.0未満及び/又は末端アミノ基濃度が60μ当量/g未満であるメタキシリレン基含有ポリアミド樹脂(A)92〜99重量%と、有機膨潤化剤で処理した層状珪酸塩(B)8〜1重量%とからなる複合樹脂(C)を主成分とする層(2)、および熱可塑性樹脂からなる層(3)の少なくとも3層がこの順に積層してなるように共押出して得られ、層(2)の厚みが多層フィルム総厚みの7乃至40%の範囲であって、かつ層(1)と層(3)のうち厚みが薄い層の厚みが総厚みの7%以上であることを特徴とする多層フィルム。
  2. 複合樹脂(C)が、予めメタキシリレン基含有ポリアミド樹脂(A)と層状珪酸塩(B)とを押出機を用いて溶融混練して得たものである請求項1記載の多層フィルム。
  3. 層(2)が複合樹脂(C)と、キシリレン基含有ポリアミド樹脂(A)を除くポリアミド類、ポリオレフィン類およびポリエステル類から選ばれる樹脂(D)との混合樹脂からなり、該混合樹脂中の樹脂(D)の配合量が50重量%未満であり、かつ層(2)を形成する際の押出機温度における剪断速度100(s−1)での複合樹脂(C)の溶融粘度を樹脂(D)の溶融粘度で除した値(Z)が1以上である請求項1記載の多層フィルム。
  4. 樹脂(D)が脂肪族ポリアミド樹脂である請求項3記載の多層フィルム。
  5. 実質的に無延伸の多層フィルムの製造方法であって、熱可塑性樹脂からなる層(1)、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分と、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分とを重縮合して得られ、反応モル比(反応したジアミン成分のモル数/反応したジカルボン酸成分のモル数)が1.0未満及び/又は末端アミノ基濃度が60μ当量/g未満であるメタキシリレン基含有ポリアミド樹脂(A)92〜99重量%と、有機膨潤化剤で処理した層状珪酸塩(B)8〜1重量%とからなる複合樹脂(C)を主成分とする層(2)、熱可塑性樹脂からなる層(3)の少なくとも3層がこの順に積層してなるように共押出することを特徴とする多層フィルムの製造方法。
  6. 複合樹脂(C)が、予めメタキシリレン基含有ポリアミド樹脂(A)と層状珪酸塩(B)とを押出機を用いて溶融混練して得たものである請求項5記載の多層フィルムの製造方法。
  7. 層(2)が複合樹脂(C)と、キシリレン基含有ポリアミド樹脂(A)を除くポリアミド類、ポリオレフィン類およびポリエステル類から選ばれる樹脂(D)との混合樹脂からなり、該混合樹脂中の樹脂(D)の配合量が50重量%未満であり、かつ層(2)を形成する際の押出機温度における剪断速度100(s−1)での複合樹脂(C)の溶融粘度を樹脂(D)の溶融粘度で除した値(Z)が1以上である請求項5記載の多層フィルムの製造方法。
  8. 樹脂(D)が脂肪族ポリアミド樹脂である請求項7記載の多層フィルムの製造方法。
  9. 請求項1記載の多層フィルムを少なくとも一部に用い、層(1)を内側にしてなる包装容器。
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