JP4321197B2 - ポリアミド複合材料の製造方法 - Google Patents
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Description
前記供給口aより供給部aにリン化合物をリン原子として500ppm以下含み、相対粘度が1.1〜4.7であるポリアミドA1と有機化クレイBを供給する工程;
前記ポリアミドA1と有機化クレイBとを混練部aにて溶融混練により主として分散混合する工程;
前記混練部aからの溶融混練物を供給部bに搬送すると共に、前記供給口bより供給部bに相対粘度が2.0〜4.7であるポリアミドA2を供給する工程;及び
前記供給部bからの溶融混練物とポリアミドA2とを混練部bにて溶融混練により主として分配混合する工程
からなり、前記ポリアミドA1とポリアミドA2は、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分と、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸を50モル%以上含むジカルボン酸成分とを重縮合して得られることを特徴とする、ポリアミド複合材料の製造方法に関するものである。
また本発明は、前記製造方法により製造されたポリアミド複合材料、及び該複合材料を利用してなる包装材料及び包装容器に関する。
すなわち、本発明のポリアミド複合材料及びその製造方法は、従来のものより有機化クレイの分散、分配性が優れることから、ガスバリア性、透明性に優れるのはもちろんのこと、ポリアミドの劣化が少なく、臭気も少ないものであり、従来のもの以上にその商品価値は高く、工業的に優れたものである。
ここでいう相対粘度とは1gのポリアミドA1又はA2を96%硫酸100mlに溶解して、キャノンフェンスケ型粘度計等を用いて25℃で測定した値を表す。本発明で使用するポリアミドA1の数平均分子量はおよそ2000〜50000の範囲となる。
また、供給部とは、供給された原料を混練部に搬送する機能を有するものであり、そのためのスクリュー等が設置されている。
(1)X/Yが1〜8の範囲であることが好ましく、より好ましくは1.5〜6、さらに好ましくは2〜4の範囲である。
(2)100Y/(X+Y+Z)が1〜20の範囲であることが好ましく、より好ましくは1.2〜18、さらに好ましくは1.5〜16の範囲である。
X/Yが8より大きいと、発熱によって劣化、損傷するポリアミドA1が増加するため、ポリアミド複合材料のYIが増加し商品価値が低下し、さらにはゲル又はフィッシュアイの増加を招いたり、分子量、溶融粘度が低下するためフィルム、シート等の作製時にドローダウン等が起こりやすくなるので好ましくない。X/Yが1より小さいと熱により劣化、又は分解する有機化剤が増加し、有機化クレイBは凝集するため、クレイはポリアミド複合材料中で完全に微分散及び/又は微分配しないばかりか、アミンやアンモニアなどの有機化剤分解物が悪臭の原因となるため好ましくない。
100Y/(X+Y+Z)が1未満では、ガスバリア性の向上効果が十分に現れない。また20より大きいと、ポリアミドA1及びA2中に有機化クレイBを均一に分散、分配させることが困難である。
(1)相対粘度ηr
ポリアミド1gを精秤し、96%硫酸100mlに20〜30℃で撹拌溶解した。完全に溶解した後、速やかにキャノンフェンスケ型粘度計に溶液5mlを取り、25℃の恒温槽中で10分間放置後、落下時間(t)を測定した。また、96%硫酸そのものの落下時間(t0)も同様に測定した。t及びt0から次式により相対粘度ηrを算出した。
ηr=(t)/(t0)
(2)水分率
三菱化学(株)製微量水分測定装置CA−05を用いて、窒素雰囲気下、235℃、50分の条件で測定を行った。
(3)ヘーズ
フィルムについて日本電色工業(株)製、色差・濁度測定器COH−300Aを使用し、ASTM D1003に準じてフィルムのヘーズを測定した。
(4)酸素透過係数
フィルムについてASTM D3985に準じて測定した。測定はモダンコントロール社製、型式:OX−TRAN 10/50Aを使用し、23℃、相対湿度60%の雰囲気下にて行った。
(5)X線回折(XRD)
測定は理学社製ミニフレックスを使用した。X線源にはCuKαを用い、散乱スリットは4.2度、受光スリットは0.3mm、管電圧30kV管電流15mA、走査範囲は2〜50度、サンプリング幅は0.02度、走査速度5度/分の条件で測定した。
(6)YI
ペレットについて日本電色工業(株)製、Z−Σ80 Color Measuring Systemを使用し、ASTM D1003に準じて透過法で測定した。
メタキシリレンジアミンとアジピン酸を溶融状態で所定時間重縮合後、重合槽下部のノズルからストランドとして取り出し、空冷した後ペレット形状に切断し、ポリメタキシレンアジパミド(PA1)及び(PA2)を得た。合成したPA1のηr=2.56であり、次亜リン酸ナトリウムをリン原子濃度として150ppm含有するものであった。PA2はηr=2.63であった。供給口aよりベルトフィーダーを用いてPA1を6.12kg/h、スクリューフィーダを用いて有機化クレイを2.04kg/hで供給し、供給口bより振動フィーダーを用いてPA2を51.84kg/hで押出機によりサイドフィードし、図2記載のスクリューを用いてベント付の同方向回転二軸押出機で溶融混練し、140℃で5時間乾燥し、ペレット状ポリアミド複合材料(C1)を100kg製造した。C1のηrは2.50、YIは44.6であった。また、有機化剤の分解に由来する、アミン、アンモニア様の臭気は感じられなかった。上記で得られたペレットを供給速度1.2kg/時間でシリンダー径20mmの単軸押出機に供給し、Tダイを通じてフィルム状物を押出しロール上で固化し、厚さ80μmのフィルムを得た。フィルムの外観は良好で、ヘーズは1.3%、酸素透過係数は0.1ml・mm/m2・day・MPaであり、非常に良好なガスバリア性能及び透明性を持つフィルムを得ることができた。またXRDによる観察ではクレイの顕著なピークは観察されなかった。
メタキシリレンジアミンとアジピン酸を溶融状態で所定時間重縮合後、重合槽下部のノズルからストランドとして取り出し、空冷した後ペレット形状に切断し、ポリメタキシレンアジパミド(PA3)及び(PA4)を得た。合成したPA3はηr=2.45であり、次亜リン酸ナトリウムをリン原子濃度として150ppm含有するものであった。PA4はηr=2.68であった。供給口aよりベルトフィーダーを用いてPA3を6.12kg/h、スクリューフィーダを用いて有機化クレイを2.04kg/hで供給し、供給口bより振動フィーダーを用いてPA4を51.84kg/hで押出機によりサイドフィードし、図2記載のスクリューを用いてベント付の同方向回転二軸押出機で溶融混練し、140℃で5時間乾燥し、ポリアミド複合材料(C2)を100kg製造した。C2のηrは2.60、YIは44.0であった。また、有機化剤の分解に由来する、アミン、アンモニア様の臭気は感じられなかった。上記で得られたペレットを供給速度1.2kg/時間でシリンダー径20mmの単軸押出機に供給し、Tダイを通じてフィルム状物を押出しロール上で固化し、厚さ80μmのフィルムを得た。フィルムの外観は良好で、ヘーズは2.0%、酸素透過係数は0.2ml・mm/m2・day・MPaであり、非常に良好なガスバリア性能及び透明性を持つフィルムを得ることができた。またXRDによる観察ではクレイの顕著なピークは観察されなかった。
Claims (11)
- ポリアミドA1、ポリアミドA2及び有機化クレイBを含有するポリアミド複合材料を、少なくとも供給口aを有する供給部a、混練部a、供給口bを有する供給部b、及び混練部bがこの順に配置された同方向回転かみ合い型二軸押出機を用いた溶融混練により製造する方法であって、
前記供給口aより供給部aにリン化合物をリン原子として500ppm以下含み、相対粘度が1.1〜4.7であるポリアミドA1と有機化クレイBを供給する工程;
前記ポリアミドA1と有機化クレイBとを混練部aにて溶融混練により主として分散混合する工程;
前記混練部aからの溶融混練物を供給部bに搬送すると共に、前記供給口bより供給部bに相対粘度が2.0〜4.7であるポリアミドA2を供給する工程;及び
前記供給部bからの溶融混練物とポリアミドA2とを混練部bにて溶融混練により主として分配混合する工程
からなり、前記ポリアミドA1とポリアミドA2は、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分と、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸を50モル%以上含むジカルボン酸成分とを重縮合して得られることを特徴とする、ポリアミド複合材料の製造方法。 - ポリアミドA1と有機化クレイBを、前記同方向回転かみ合い型二軸押出機のスクリューの送りネジからなる部位aにより供給口aから押出機先端に向かって搬送する工程、
供給部aから送られたポリアミドA1と有機化クレイBを、前記スクリューの分散混合性の強いエレメント群を有する部位により溶融混練して溶融混練物aを得る工程、
混練部aからの溶融混練物aと供給口bより供給されるポリアミドA2を、前記スクリューの送りネジからなる部位bにより押出機先端に向かって搬送する工程、
供給部bから送られた、溶融混練物aとポリアミドA2を、前記スクリューの分配混合性の強いエレメント群を有する部位により溶融混練して溶融混練物bを得る工程、及び
溶融混練物bを、送りネジからなる部位cにより押出機先端に向かって搬送する工程
からなる請求項1に記載のポリアミド複合材料の製造方法。 - 混練部aにおいて、ポリアミドA1と有機化クレイBを、降圧能力を有し充満率を大きくするためのエレメント、及びディスクの幅Wとスクリュー径Dの比W/Dが0.15〜1.5であるニーディングディスク及び/又はローターからなる分散混合性の強いスクリューにより溶融混練することを特徴とする請求項1又は2に記載のポリアミド複合材料の製造方法。
- 混練部bにおいて、混練部aからの溶融混練物と供給口bより供給されるポリアミドA2を、降圧能力を有し充満率を大きくするためのエレメント、及びディスクの幅Wとスクリュー径Dの比W/Dが0.02〜0.15未満であるニーディングディスク、ローター、切りかき型フライトディスク及びミキシングギアから選ばれる少なくとも1つのエレメントからなる分配混合性の強いスクリューにより溶融混練することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミド複合材料の製造方法。
- 降圧能力を有し充満率を大きくするためのエレメントが逆ネジ型フルフライト及び/又はシーリングディスクである請求項3又は4に記載のポリアミド複合材料の製造方法。
- ニーディングディスクの幅Wと二軸押出機のスクリュー径Dの比W/Dが、0.15以上であるニーディングディスクを混練部aの少なくとも一部に使用することを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のポリアミド複合材料の製造方法。
- 混練部a及び混練部bにおけるスクリューの長さが、スクリュー全長に対してそれぞれ10〜60%の範囲である請求項2〜6のいずれかに記載のポリアミド複合材料の製造方法。
- 供給口aより供給されるポリアミドA1の重量をX(kg)、有機化クレイBの重量をY(kg)とし、供給口bより供給されるポリアミドA2の重量をZ(kg)とした際に、X/Yが1〜8の範囲であり、且つ、100Y/(X+Y+Z)が1〜20の範囲であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のポリアミド複合材料の製造方法。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法により製造されたポリアミド複合材料。
- 請求項9記載の複合材料を利用してなる包装材料。
- 請求項9記載の複合材料を利用してなる包装容器。
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