JP3704395B2 - ひねり包装用フィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた耐引裂性、突刺強度、ひねり保持性、剛性、透明性を有し、成形時の延伸性が良好なひねり包装用フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ひねり包装分野では、主にセロファンが用いられてきたが、セロファンフィルムは防湿性に劣り、夏季、冬季の湿度の変化により物性が大きく変化する欠点を有している。
これらの欠点を解決するために近年では、高密度ポリエチレンを主成分とする樹脂組成物からなる、一軸延伸ポリエチレンフィルムが多用されるようになってきた。しかし、これらのフィルムは高密度ポリエチレンを主成分としているため剛性が大きく、ひねり包装後のひねり保持性は良いものの、耐引裂性、突刺強度が十分ではなく、たとえば角の尖った物を包装するとフィルムが裂けたり、ピンホールが発生したりするなどの問題点を有する。これらの問題に対して、特開平2−209932号公報では、高密度ポリエチレンと直鎖状低密度ポリエチレン共重合体および極限粘度が0.72以下の非晶性ポリエステル樹脂の混合物を用いることにより、また特開平4−288216号公報では、高密度ポリエチレンと、炭素数が5以上のα−オレフィンの含量が2〜15重量%の線型エチレン共重合体からなる樹脂組成物を用いることにより改良を試みているが、いまだ十分ではない。すなわち耐引裂性、突刺強度の改良効果はみられるものの、剛性が低下しひねり保持性の低下を引き起こす。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記ひねり包装用フィルムの特徴であるひねり保持性を維持しつつ、従来の欠点であるフィルムの耐引裂性、突刺強度を改良したひねり包装用フィルムを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討の結果、特定のパラメーターを満足するエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体または該樹脂と他のポリオレフィン樹脂との樹脂組成物を配向させることにより、上記のひねり保持性と延伸性、耐引裂性、突刺強度という相反する特性を兼備するひねり包装用フィルムを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0005】
本発明は、少なくともシクロペンタジエン化合物と周期律表第IV族の遷移金属化合物を含む触媒の存在下にエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合させることにより得られる、下記(イ)〜(ニ)の要件を満足するエチレン・α−オレフィン共重合体(A)10重量%以上と密度0.94〜0.97g/cm 、メルトフローレート0.01〜30g/10分の高密度ポリエチレンを必須分として含有する他のポリオレフィン(B)90重量%以下との樹脂組成物からなるフィルムまたはシートが少なくとも一方向に1.1〜12倍の範囲で配向されていることを特徴とするひねり包装用フィルムである。
(イ)密度が0.86〜0.96g/cm
(ロ)メルトフローレート0.01〜100g/10分
(ハ)分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜5.0
(ニ)組成分布パラメーターCbが2.00以下
【0006】
以下本発明を詳細に説明する。
尚(A)成分としてエチレン単独重合体も含めて説明するが、これは本発明の範囲には含めない。
本発明において用いられるエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、少なくともシクロペンタジエン化合物と周期律表第IV族の遷移化合物を含む少なくとも1種の触媒の存在下にエチレンまたはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンを(共)重合させることにより得られる(イ)密度が0.86〜0.96g/cm、(ロ)メルトフローレート0.01〜100g/10分、(ハ)分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜5.0、(ニ)組成分布パラメーターCbが2.00以下を満足するエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体であるが、好ましくは図1に示されるような、連続昇温溶出分別法(TREF)により求めた溶出温度−溶出量曲線において実質的にピークを1個有し、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子と周期律表第IV族の遷移金属化合物を含む少なくとも1種の触媒下の存在下で得られるエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体(A1)および/または図2に示されるような、連続昇温溶出分別法(TREF)により求めた溶出温度−溶出量曲線において実質的にピークが複数個の特殊な新規エチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体(A2)を包含するものである。
【0007】
上記本発明のエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体(A)のα−オレフィンとしては、炭素数が3〜20、好ましくは3〜12のもの、具体的にはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどが挙げられる。また、これらのα−オレフィンの含有量は、合計で通常30モル%以下、好ましくは20モル%以下の範囲で選択されることが望ましい。
【0008】
また本発明のエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体(A)の(イ)密度は0.86〜0.96g/cm3 、好ましくは0.88〜0.94g/cm3 、さらに好ましくは0.89〜0.935g/cm3 の範囲であり、(ロ)メルトフローレート(以下MFRと称す)は0.01〜100g/分、好ましくは0.1〜50g/分、さらに好ましくは0.5〜40g/10分の範囲である。密度が0.86g/cm3 未満のものは柔らかすぎて、延伸性等が不良となり、抗ブロッキング性が劣るものとなる。また0.96g/cm3 を越えると硬すぎて、引裂強度、突刺強度等が低くなる。MFRが0.01g/10分未満では加工性が不良となり、100g/10分を越えると強度が弱いものとなる。
【0009】
一般にエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を求め、それらの比(Mw/Mn)を算出することにより求めることができ、本発明のエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体(A)の(ハ)Mw/Mnは、1.5〜5.0の範囲である。
また図1に示されるエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体(A1)においては、好ましくは1.5〜4.5、さらに好ましくは1.8〜3.5の範囲にあることが望ましい。
さらに、図2に示される特殊なエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体(A2)においては、好ましくは1.5〜4.5、さらに好ましくは1.8〜4.0、より好ましくは2.0〜3.0の範囲にあることが望ましい。
上記Mw/Mnが1.5未満では成形加工性が劣り、5.0を越えるものは耐引裂性が劣る。
【0010】
本発明のエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体(A)の(ニ)組成分布パラメーター(Cb)の測定法は下記の通りである。
すなわち、酸化防止剤を加えたオルソジクロロベンゼン(ODCB)に試料を濃度が0.2重量%となるように135℃で加熱溶解した後、けい藻土(セライト545)を充填したカラムに移送した後、0.1℃/minの冷却速度で25℃まで冷却し、(共)重合体試料をセライト表面に沈着する。次に、この試料が沈着されているカラムにODCBを一定流量で流しながら、カラム温度を5℃きざみに120℃まで段階的に昇温して行く。すると各温度に対応した溶出成分を含んだ溶液が採取される。この溶液にメタノールを加え、試料を沈殿後、濾過、乾燥し、各温度における溶出試料を得る。各試料の、重量分率および分岐度(炭素数1000個あたりの分岐数)を測定する。分岐度は13C−NMRで測定し求める。
【0011】
このような方法で30℃から90℃で採取した各フラクションについては次のような、分岐度の補正を行う。すなわち、溶出温度に対して測定した分岐度をプロットし、相関関係を最小自乗法で直線に近似し、検量線を作成する。この近似の相関係数は十分大きい。この検量線により求めた値を各フラクションの分岐度とする。なお、溶出温度95℃以上で採取したフラクションについては溶出温度と分岐度に必ずしも直線関係が成立しないのでこの補正は行わない。
【0012】
次にそれぞれのフラクションの重量分率wi を、溶出温度5℃当たりの分岐度bi の変化量(bi −bi-1 )で割って相対濃度ci を求め、分岐度に対して相対濃度をプロットし、組成分布曲線を得る。この組成分布曲線を一定の幅で分割し、次式より組成分布パラメーターCbを算出する。
【0013】
【数1】
Figure 0003704395
【0014】
ここで、cj とbj はそれぞれj番目の区分の相対濃度と分岐度である。組成分布パラメーターCbは試料の組成が均一である場合に1.0となり、組成分布が広がるに従って値が大きくなる。
【0015】
本発明のエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体(A)の(ニ)組成分布パラメーター(Cb)は2.00以下であり、エチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体(A1)においては、好ましくは1.01〜1.2、さらに好ましくは1.02〜1.18、より好ましくは1.03〜1.17の範囲にあることが望ましい。また、本発明の特殊なエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体(A2)においては、好ましくは1.08〜2.00、さらに好ましくは1.10〜1.80、より好ましくは1.15〜1.50の範囲にあることが望ましい。
組成分布パラメーター(Cb)が2.00より大きいとブロッキングしやすく、また低分子量あるいは高分岐度成分の樹脂表面へのにじみ出しが多く衛生上の問題が生じる。
【0016】
本発明の特殊なエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体(A2)の(ホ)25℃におけるODCB可溶分の量X(重量%)と密度dおよびMFRの関係は、dおよびMFRの値が、d−0.008logMFR≧0.93を満たす場合は、Xは2重量%未満、好ましくは1重量%未満であり、d−0.008logMFR<0.93の場合は、X<9.8×103 ×(0.9300−d+0.008logMFR)2 +2.0、好ましくは、X<7.4×103 ×(0.9300−d+0.008logMFR)2 +1.0、さらに好ましくは、X<5.6×103 ×(0.9300−d+0.008logMFR)2 +0.5の関係を満足していることが必要である。
【0017】
上記25℃におけるODCB可溶分の量は、下記の方法により測定する。
試料0.5gを20mlのODCBにて135℃で2時間加熱し、試料を完全に溶解した後、25℃まで冷却する。この溶液を25℃で一晩放置後、テフロン製フィルターで濾過して濾液を採取する。この濾液のメチレンの非対称伸縮振動の波数2925cm-1付近の吸収ピークを面積を求め、予め作成した検量線により試料濃度を算出する。この値より、25℃におけるODCB可溶分量が求まる。
【0018】
25℃におけるODCB可溶分は、エチレン・α−オレフィン共重合体に含まれる高分岐度成分および低分子量成分であり、衛生性の問題や成形品内面のブロッキングの原因となる為、この含有量は少ないことが望ましい。ODCB可溶分の量は、コモノマーの含有量および分子量に影響される。従ってこれらの指標である密度およびMFRとODCB可溶分の量が上記の関係を満たすことは、共重合体全体に含まれるα−オレフィンの偏在が少ないことを示す。
【0019】
本発明の特殊なエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体(A2)は、(ホ)連続昇温溶出分別法(TREF)により求めた溶出温度−溶出量曲線において、ピークが複数個存在し、図1の重合体(A1)と明確に区別されるものである。この複数のピーク温度は85℃から100℃の間に存在することが特に好ましい。このピークが存在することにより、成形体の耐熱性が向上する。
【0020】
本発明に係わるTREFの測定方法は下記の通りである。試料を酸化防止剤(例えば、ブチルヒドロキシトルエン)を加えたODCBに試料濃度が0.05重量%となるように加え、135℃で加熱溶解する。この試料溶液5mlを、ガラスビーズを充填したカラムに注入し、0.1℃/分の冷却速度で25℃まで冷却し、試料をガラスビーズ表面に沈着する。次に、このカラムにODCBを一定流量で流しながら、カラム温度を50℃/hrの一定速度で昇温しながら、試料を順次溶出させる。この際、溶剤中に溶出する試料の濃度は、メチレンの非対称伸縮振動の波数2925cm-1に対する吸収を赤外検出機で測定することにより連続的に検出される。この値から、溶液中のエチレン・α−オレフィン共重合体の濃度を定量分析し、溶出温度と溶出速度の関係を求める。TREF分析によれば、極少量の試料で、温度変化に対する溶出速度の変化を連続的に分析出来るため、分別法では検出できない比較的細かいピークの検出が可能である。
【0021】
図1で示されるエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体(A1)は、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物と必要により助触媒である有機アルミニウム化合物と担体とを含む触媒の存在下にエチレンまたはエチレンおよび炭素数3〜20のα−オレフィンを(共)重合させることにより得られるものである。
【0022】
このエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体(A1)を製造する触媒であるシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物のシクロペンタジエニル骨格としては、シクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基等がある。置換シクロペンタジエニル基としては、炭素数1〜10の炭化水素基、シリル基、シリル置換アルキル基、シリル置換アリール基、シアノ基、シアノアルキル基、シアノアリール基、ハロゲン基、ハロアルキル基、ハロシリル基等から選ばれた少なくとも1種の置換基を有する置換シクロペンタジエニル基等がある。該置換シクロペンタジエニル基の置換基は2個以上有していてもよく、また係る置換基同士が互いに結合して環を形成していてもよい。
【0023】
上記炭素数1〜10の炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロアルキル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、ネオフィル基等のアラルキル基等が例示される。これらの中でもアルキル基が好ましい。
置換シクロペンタジエニル基の好適なものとしては、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、n−ヘキシルシクロペンタジエニル基、1,3−ジメチルシクロペンタジエニル基、1,3−n−ブチルメチルシクロペンタジエニル基、1,3−n−プロピルメチルエチルシクロペンタジエニル基などが具体的に挙げられる。本発明の置換シクロペンタジエニル基としては、これらの中でも炭素数3以上のアルキル基が置換したシクロペンタジエニル基が好ましく、特に1,3−置換シクロペンタジエニル基が好ましい。
置換基同士すなわち炭化水素同士が互いに結合して1または2以上の環を形成する場合の置換シクロペンタジエニル基としては、インデニル基、炭素数1〜8の炭化水素基(アルキル基等)等の置換基により置換された置換インデニル基、ナフチル基、炭素数1〜8の炭化水素基(アルキル基等)等の置換基により置換された置換ナフチル基、炭素数1〜8の炭化水素基(アルキル基等)等の置換基により置換された置換フルオレニル基等が好適なものとして挙げられる。
【0024】
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物の遷移金属としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウム等が挙げられ、特にジルコニウムが好ましい。
該遷移金属化合物は、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子としては通常1〜3個を有し、また2個以上有する場合は架橋基により互いに結合していてもよい。なお、係る架橋基としては炭素数1〜4のアルキレン基、アルキルシランジイル基、シランジイル基などが挙げられる。
【0025】
周期律表第IV族の遷移金属化合物においてシクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子としては、代表的なものとして、水素、炭素数1〜20の炭化水素基(アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基、アラルキル基、ポリエニル基等)、ハロゲン、メタアルキル基、メタアリール基などが挙げられる。
【0026】
これらの具体例としては以下のものがある。ジアルキルメタロセンとして、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジメチル、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジメチル、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジフェニルなどがある。モノアルキルメタロセンとしては、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムメチルクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムフェニルクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメチルクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムフェニルクロライドなどがある。 またモノシクロペンタジエニルチタノセンであるペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリクロライド、ペンタエチルシクロペンタジエニルチタニウムトリクロライド)、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジフェニルなどが挙げられる。
【0027】
置換ビス(シクロペンタジエニル)チタニウム化合物としては、ビス(インデニル)チタニウムジフェニルまたはジクロライド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジフェニルまたはジクロライド、ジアルキル、トリアルキル、テトラアルキルまたはペンタアルキルシクロペンタジエニルチタニウム化合物としては、ビス(1,2−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジフェニルまたはジクロライド、ビス(1,2−ジエチルシクロペンタジエニル)チタニウムジフェニルまたはジクロライドまたは他のジハライド錯体、シリコン、アミンまたは炭素連結シクロペンタジエン錯体としてはジメチルシリルジシクロペンタジエニルチタニウムジフェニルまたはジクロライド、メチレンジシクロペンタジエニルチタニウムジフェニルまたはジクロライド、他のジハライド錯体が挙げられる。
【0028】
ジルコノセン化合物としては、ペンタメチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロライド、ペンタエチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロライド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジフェニル、アルキル置換シクロペンタジエンとしては、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、それらのハロアルキルまたはジハライド錯体、ジアルキル、トリアルキル、テトラアルキルまたはペンタアルキルシクロペンタジエンとしてはビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(1,2−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、およびそれらのジハライド錯体、シリコン、炭素連結シクロペンタジエン錯体としては、ジメチルシリルジシクロペンタジエニルジルコニウムジメチルまたはジハライド、メチレンジシクロペンタジエニルジルコニウムジメチルまたはジハライド、メチレンジシクロペンタジエニルジルコニウムジメチルまたはジハライドなどが挙げられる。
【0029】
さらに他のメタロセンとしては、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジメチル、ビス(シクロペンタジエニル)バナジウムジクロライドなどが挙げられる。
【0030】
本発明の他の周期律表第IV族の遷移金属化合物の例として、下記一般式で示されるシクロペンタジエニル骨格を有する配位子とそれ以外の配位子および遷移金属原子が環を形成するものも挙げられる。
【0031】
【化1】
Figure 0003704395
【0032】
式中、Cpは前記シクロペンタジエニル骨格を有する配位子、Xは水素、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル基、アリールシリル基、アリールオキシ基、アルコキシ基、アミド基、シリルオキシ基等を表し、YはSiR2 、CR2 、SiR2 SiR2 、CR2 CR2 、CR=CR、SiR2 CR2 、BR2 、BRからなる群から選ばれる2価の基、Zは−O−、−S−、−NR−、−PR−または−OR−、−SR−、−NR2 −、−PR2 −からなる群から選ばれる2価の中性リガンドを示す。ただし、Rは水素または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、シリル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、またはY、ZまたはYとZの双方からの2個またはそれ以上のR基は縮合環系を形成するものである。Mは周期律表第IV族の遷移金属を表す。
【0033】
式1で表される化合物の例としては、(t−ブチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルジルコニウムジクロライド、(t−ブチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、(メチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルジルコニウムジクロライド、(メチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、(エチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)メチレンタンジクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタンジクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエニル)シランジルコニウムジベンジル、(ベンジルアミド)ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタンジクロライド、(フェニルホスフィド)ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタンジクロライドなどが挙げられる。
【0034】
本発明でいう助触媒とは、前記周期律表第IV族の遷移金属化合物を重合触媒として有効に機能させうる。または触媒的に活性化された状態のイオン性電荷を均衡させうるものをいう。本発明において用いられる助触媒としては、有機アルミニウムオキシ化合物のベンゼン可溶のアルミノキサンやベンゼン不溶の有機アルミニウムオキシ化合物、ホウ素化合物、酸化ランタンなどのランタノイド塩、酸化スズ等が挙げられる。これらの中でもアルミノキサンが最も好ましい。
【0035】
また、触媒は無機または有機化合物の担体に担持して使用されてもよい。該担体としては無機または有機化合物の多孔質酸化物が好ましく、具体的にはSiO2 、Al2 3 、MgO、ZrO2 、TiO2 、B2 3 、CaO、ZnO、BaO、ThO2 等、さらには、SiO2 −Al2 3 、SiO2 −V2 5 、SiO2 −TiO2 、SiO2 −MgO、SiO2 −Cr2 3 等が挙げられる。
【0036】
有機アルミニウム化合物としては、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;ジアルキルアルミニウムハライド;アルキルアルミニウムセスキハライド;アルキルアルミニウムジハライド;アルキルアルミニウムハイドライド、有機アルミニウムアルコキサイド等が挙げられる。
【0037】
本発明の特殊なエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体(A2)は、好ましくは以下のa1〜a5の触媒を用いる(共)重合で製造される。
a1:一般式Me1 1 p (OR2 q 1 4-p-qで表される化合物(式中Me1 はジルコニウム、チタン、ハフニウムを示し、R1 およびR2 はそれぞれ炭素数1〜24の炭化水素基、X1 はハロゲン原子を示し、pおよびqはそれぞれ0≦p<4、0≦p+q≦4の範囲を満たす整数である)。
a2:一般式Me2 3 m (OR4 n 2 z-m-n で表される化合物(式中Me2 は周期律表第I〜III族元素、R3 およびR4 はそれぞれ炭素数1〜24の炭化水素基、X2 はハロゲン原子または水素原子(ただし、X2 が水素原子の場合はMe2 は周期律表第III族元素の場合に限る)を示し、zはMe2 の価数を示し、mおよびnはそれぞれ0≦m≦z、0≦n≦zの範囲を満たす整数であり、かつ、0≦m+n≦zである)。
a3:共役二重結合を持つ有機環状化合物。
a4:Al−O−Al結合を含む変性有機アルミニウムオキシ化合物。
a5:無機担体および/又は粒子状ポリマー担体を相互に接触させて得られる触媒。
【0038】
以下、さらに詳述する。
上記触媒成分a1の一般式Me1 1 p (OR2 q 1 4-p-qで表される化合物の式中、Me1 はジルコニウム、チタン、ハフニウムを示し、これらの遷移金属の種類は限定されるものではなく、複数を用いることもできるが、共重合体の耐候性の優れるジルコニウムが含まれることが特に好ましい。R1 およびR2 はそれぞれ炭素数1〜24の炭化水素基で、好ましくは炭素数1〜12、さらに好ましくは1〜8である。具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、インデニル基、ナフチル基などのアリール基;ベンジル基、トリチル基、フェネチル基、スチリル基、ベンズヒドリル基、フェニルブチル基、ネオフィル基などのアラルキル基などが挙げられる。これらは分岐があってもよい。X1 はフッ素、ヨウ素、塩素および臭素などのハロゲン原子を示す。pおよびqはそれぞれ、0≦p<4、0≦p+q≦4の範囲を満たす整数である。
【0039】
上記触媒成分a1の一般式で示される化合物の例としては、テトラメチルジルコニウム、テトラエチルジルコニウム、テトラベンジルジルコニウム、テトラプロポキシジルコニウム、トリプロポキシモノクロロジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム、テトラブトキシチタン、テトラブトキシハフニウムなどが挙げられ、特にテトラプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウムなどのZr(OR)4 化合物が好ましく、これらを2種以上混合して用いても差し支えない。
【0040】
上記触媒成分a2の一般式Me2 3 m (OR4 n 2 z-m-n で表される化合物の式中Me2 は周期律表第I〜III族元素を示し、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、ホウ素、アルミニウムなどである。R3 およびR4 はそれぞれ炭素数1〜24の炭化水素基、好ましくは炭素数1〜12、さらに好ましくは1〜8であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、インデニル基、ナフチル基などのアリール基;ベンジル基、トリチル基、フェネチル基、スチリル基、ベンズヒドリル基、フェニルブチル基、ネオフィル基などのアラルキル基などが挙げられる。これらは分岐があってもよい。X2 はフッ素、ヨウ素、塩素および臭素などのハロゲン原子または水素原子を示すものである。ただし、X2 が水素原子の場合はMe2 はホウ素、アルミニウムなどに例示される周期律表第III族元素の場合に限るものである。また、zはMe2 の価数を示し、mおよびnはそれぞれ、0≦m≦z、0≦n≦zの範囲を満たす整数であり、かつ、0≦m+n≦zである。
【0041】
上記触媒成分a2の一般式で示される化合物の例としては、メチルリチウム、エチルリチウムなどの有機リチウム化合物;ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、メチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムクロライドなどの有機マグネシウム化合物;ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛などの有機亜鉛化合物;トリメチルボロン、トリエチルボロンなどの有機ボロン化合物;トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリデシルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムエトキサイド、ジエチルアルミニウムハイドライドなどの有機アルミニウム化合物等の誘導体が挙げられる。
【0042】
上記触媒成分a3の共役二重結合を持つ有機環状化合物には、環状で共役二重結合を2個以上、好ましくは2〜4個、さらに好ましくは2〜3個有する環を1個または2個以上もち、全炭素数が4〜24、好ましくは4〜12である環状炭化水素化合物;前記環状炭化水素化合物が部分的に1〜6個の炭化水素残基(典型的には、炭素数1〜12のアルキル基またはアラルキル基)で置換された環状炭化水素化合物;共役二重結合を2個以上、好ましくは2〜4個、さらに好ましくは2〜3個有する環を1個または2個以上もち、全炭素数が4〜24、好ましくは4〜12である環状炭化水素基を有する有機ケイ素化合物;前記環状炭化水素基が部分的に1〜6個の炭化水素残基またはアルカリ金属塩(ナトリウムまたはリチウム塩)で置換された有機ケイ素化合物が含まれる。特に好ましくは分子中のいずれかにシクロペンタジエン構造をもつものが望ましい。
【0043】
上記の好適な化合物としては、シクロペンタジエン、インデン、アズレンまたはこれらのアルキル、アリール、アラルキル、アルコキシまたはアリールオキシ誘導体などが挙げられる。また、これらの化合物がアルキレン基(その炭素数は通常2〜8、好ましくは2〜3)を介して結合(架橋)した化合物も好適に用いられる。
【0044】
環状炭化水素基を有する有機ケイ素化合物は、下記一般式で表示することができる。
L SiR4-L
ここで、Aはシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基で例示される前記環状水素基を示し、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基;フェニル基などのアリール基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジル基などのアラルキル基で示され、炭素数1〜24、好ましくは1〜12の炭化水素残基または水素を示し、Lは1≦L≦4、好ましくは1≦L≦3である。
【0045】
上記成分a3の有機環状炭化水素化合物の具体例として、シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、エチルシクロペンタジエン、1,3−ジメチルシクロペンタジエン、インデン、4−メチル−1−インデン、4,7−ジメチルインデン、シクロヘプタトリエン、メチルシクロヘプタトリエン、シクロオクタテトラエン、アズレン、フルオレン、メチルフルオレンのような炭素数5〜24のシクロポリエンまたは置換シクロポリエン、モノシクロペンタジエニルシラン、ビスシクロペンタジエニルシラン、トリスシクロペンタジエニルシラン、モノインデニルシラン、ビスインデニルシラン、トリスインデニルシランなどが挙げられる。
【0046】
触媒成分a4のAl−O−Al結合を含む変性有機アルミニウムオキシ化合物とは、アルキルアルミニウム化合物と水とを反応させることにより、通常アルミノキサンと称される変性有機アルミニウムオキシ化合物が得られ、分子中に通常1〜100個、好ましくは1〜50個のAl−O−Al結合を含有する。また、変性有機アルミニウム化合物は線状でも環状でもいずれでもよい。
【0047】
有機アルミニウムと水との反応は通常不活性炭化水素中で行われる。該不活性炭化水素としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素が好ましい。
水と有機アルミニウム化合物との反応比(水/Alモル比)は通常0.25/1〜1.2/1、好ましくは0.5/1〜1/1であることが望ましい。
【0048】
触媒成分a5の無機物担体および/または粒子状ポリマー担体としては、炭素質物、金属、金属酸化物、金属塩化物、金属炭酸塩またはこれらの混合物あるいは熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。該無機物担体に用いることができる好適な金属としては、鉄、アルミニウム、ニッケルなどが挙げられる。
具体的には、SiO2 、Al2 3 、MgO、ZrO2 、TiO2 、B2 3 、CaO、ZnO、BaO、ThO2 、さらには、SiO2 −Al2 3 、SiO2 −V2 5 、SiO2 −TiO2 、SiO2 −V2 5 、SiO2 −MgO、SiO2 −Cr2 3 等が挙げられる。これらの中でもSiO2 およびAl2 3 からなる群から選択された少なくとも1種の成分を主成分とするものが好ましい。
また、粒子状ポリマー担体を構成する有機化合物としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも使用でき、具体的には、粒子状のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリノルボルネン、各種天然高分子およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0049】
上記無機物担体および/または粒子状ポリマー担体は、このまま使用することもできるが、好ましくは予備処理としてこれらの担体を有機アルミニウム化合物やAl−O−Al結合を含む変性有機アルミニウムオキシ化合物などに接触処理させた後に成分a5として用いることもできる。
【0050】
上記本発明のエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体(A2)は分子量分布および組成分布が狭いため、機械的強度が強く、ヒートシール性、抗ブロッキング性に優れしかも延伸性、耐熱性の良い重合体である。
【0051】
本発明のエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体(A)の製造方法は、前記触媒の存在下、実質的に溶媒の存在しない気相重合法、スラリー重合法、溶液重合法等で製造される。つまり通常実質的に酸素、水等を断った状態で、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素等に例示される不活性炭化水素溶媒の存在下または不存在下で製造される。重合条件は特に限定されないが、重合温度は通常15〜350℃、好ましくは20〜200℃、さらに好ましくは50〜110℃であり、重合圧力は低中圧法の場合通常常圧〜70kg/cm2 G、好ましくは常圧〜20kg/cm2 Gであり、高圧法の場合通常1500kg/cm2 G以下が望ましい。重合時間は低中圧法の場合通常3分〜10時間、好ましくは5分〜5時間程度が望ましい。高圧法の場合、通常1分〜30分、好ましくは2分〜20分程度が望ましい。また、重合は一段重合法はもちろん、水素濃度、モノマー濃度、重合圧力、重合温度、触媒等の重合条件が互いに異なる2段階以上の多段重合法など特に限定されるものではない。
【0052】
本発明の他のポリオレフィン(B)成分としては、本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)成分とは異なるエチレン単独重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体、高圧ラジカル重合法によるエチレン系(共)重合体等のポリエチレン系樹脂のほか、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ−4−メチル−ペンテン−1等が挙げられるが、前記共重合体(A)との相溶性等の点からポリエチレン系樹脂が好ましく、特に高密度ポリエチレンを必須とするものが用いられる。
【0054】
高密度ポリエチレンは、公知のチーグラー触媒等を用いてスラリー法、溶液法または気相法による公知のプロセスにより製造されるエチレン単独重合体またはエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体およびそれらの混合物であり、具体的にはα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ドテセン等を挙げることができる。これらのα−オレフィンのうち特に好ましいのは炭素数3〜8のα−オレフィンである。
【0055】
本発明における高密度ポリエチレンは、密度が0.94〜0.97g/cm3 、好ましくは0.95〜0.97g/cm3 、メルトフローレートが0.01〜30g/10分、好ましくは0.05〜20g/10分、特に好ましくは0.1〜10g/10分である。
密度が0.94g/cm3 未満のものを用いた場合には、得られるフィルムの剛性、ひねり保持性の低下が大きくなり本発明の効果が少なく、密度が0.97g/cm3 を越えるものは耐引裂性、突刺強度が悪化するといった欠点を有する。
またメルトフローレートが0.01g/10分未満のものは加工性が悪く、10g/10分を越えるものは加工性、およびフィルムの強度が低下する欠点を有する。
【0056】
上記LLDPEとは、密度が0.91〜0.94g/cm3 未満、好ましくは0.91〜0.93g/cm3 の範囲のエチレン・α−オレフィン共重合体であり、MFRが0.05〜30g/10分、好ましくは0.1〜20g/10分の範囲で選択される。
分子量分布(Mw/Mn)は特に限定はないが、3.0〜13、好ましくは3.5〜8の範囲にあるのが一般的である。
上記LLDPEのα−オレフィンは、炭素数3〜20、好ましくは炭素数4〜12、さらに好ましくは炭素数6〜12の範囲のα−オレフィンであり、具体的にはプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられる。
上記MFRが0.05g/10分未満では、成形性が悪化し、30g/10分を超えるものは強度が低下するおそれを生じる。
【0057】
また上記VLDPEとは、密度が0.86〜0.91g/cm3 、好ましくは0.88〜0.905g/cm3 の範囲のエチレン−α−オレフィン共重合体であり、MFRが0.01〜20g/10分、好ましくは0.1〜10g/10分の範囲で選択される。該VLDPEは、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)とエチレン・α−オレフィン共重合体ゴム(EPR、EPDM)の中間の性状を示すポリエチレンであり、示差走査熱量測定法(DSC)による最大ピーク温度(Tm)60℃以上、好ましくは、100℃以上、かつ沸騰n−ヘキサン不溶分10重量%以上の性状を有する特定のエチレン・α−オレフィン共重合体であり、LLDPEが示す高結晶部分とエチレン・α−オレフィン共重合体ゴムが示す非晶部分とを合わせ持つ樹脂であって、前者の特徴である耐衝撃性、耐熱性などと、後者の特徴であるゴム状弾性、耐低温衝撃性などがバランスよく共存している。
【0058】
また上記エチレン・α−オレフィン共重合体ゴムとは、密度が0.86〜0.91g/cm3 未満のエチレン・プロピレン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴム等が挙げられ、該エチレン・プロピレン系ゴムとしては、エチレンおよびプロピレンを主成分とするランダム共重合体(EPM)、および第3成分としてジエンモノマー(ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン等)を加えたものを主成分とするランダム共重合体(EPDM)が挙げられる。
【0059】
本発明で用いられる他のポリオレフィンの第2成分(B2)とは、高圧ラジカル重合法によるエチレン系重合体であり、密度0.91〜0.94g/cm3 のエチレン単独重合体(低密度ポリエチレン)、エチレン・ビニルエステル共重合体およびエチレンとα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合体等が挙げられる。
【0060】
上記低密度ポリエチレン(以下LDPEと称す)は、MFRが0.05〜30g/10分、好ましくは0.1〜20g/10分の範囲で選択される。この範囲内であれば組成物の溶融張力が適切な範囲となりフィルム成形等が容易である。
該LDPEの密度は0.91〜0.94g/cm3 、好ましくは0.912〜0.935g/cm3 、さらに好ましくは0.912〜0.930g/cm3 の範囲で選択される。
また、分子量分布(Mw/Mn)は3.0〜12、好ましくは4.0〜8.0である。これらLDPEの製法は、公知の高圧ラジカル重合法により製造され、チューブラー法、オートクレーブ法の何れでもよい。
【0061】
また上記エチレン・ビニルエステル共重合体とは、高圧ラジカル重合法で製造される、エチレンを主成分とし、これとプロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオル酢酸ビニルなどのビニルエステル単量体との共重合体である。これらの中でも特に好ましいものとしては、酢酸ビニルを挙げることができる。エチレン50〜99.5重量%、ビニルエステル0.5〜50重量%、他の共重合可能な不飽和単量体0〜49.5重量%からなる共重合体が好ましい。さらにビニルエステル含有量は3〜20重量%、特に好ましくは5〜15重量%の範囲で選択される。
これら共重合体のMFRは、0.1〜20g/10分、好ましくは0.3〜10g/分の範囲で選択される。
【0062】
さらに上記エチレンとα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合体の代表的な共重合体としては、エチレン・(メタ)アクリル酸またはそのアルキルエステル共重合体が挙げられ、これらのコモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸−n−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等を挙げることができる。この中でも特に好ましいものとして(メタ)アクリル酸のメチル、エチル等のアルキルエステルを挙げることができる。特に(メタ)アクリル酸エステル含有量は3〜20重量%、好ましくは5〜15重量%の範囲である。
これら共重合体のMFRは、0.1〜30g/10分、好ましくは0.2〜20g/分の範囲で選択される。
【0063】
本発明のひねり包装用フィルムは、前記(共)重合体(A)単独で構成してもよいが、(A)成分と(B)成分の樹脂組成物でひねり包装用フィルムを構成する場合の(A)成分と(B)成分の配合割合は、(A)成分が10重量%以上、(B)成分90重量%以下であり、特に高密度ポリエチレンの場合においては、好ましくは(A)成分が85〜15重量%、(B)成分が15〜85重量%、さらに好ましくは(A)成分が80〜20重量%、(B)成分が20〜80重量%である。
【0064】
本発明のひねり包装用フィルムは、前記(A)成分またはその樹脂組成物をインフレーション法、Tダイ法等の公知の方法でフィルムまたはシートに成形した後、延伸、圧延等で少なくとも一方向に配向させたフィルムである。
前記延伸法には、ロール延伸法、熱板延伸法、テンター法、プーリー法等が挙げられる。
また圧延法とは熱可塑性樹脂をフィルムを、その厚みより小さい間隙を有する二本の加熱ロールの間を通過させ、厚みの減少分だけ長さを伸長する方法をいう。
本発明では、構成樹脂の最も低い樹脂の融点(軟化点)より低い温度、好ましくは50℃までの温度範囲、好ましくは30℃までの温度範囲で圧延することが好ましい。
上記圧延時のロール表面粗度は1.5S以下(JIS B0601−55による)、好ましくは1.0S以下とすることが望ましいが、これらは包装材の透明性を向上させるためにはロール表面温度は細かい方が好ましいが、ブロッキング等を生じる恐れもあるためこれらを考慮して選択される。
なお配向(延伸、圧延)倍率は、1.1〜12倍、好ましくは1.2〜10倍、さらに好ましくは1.5〜8倍の範囲で選択される。
本発明のひねり包装用フィルムの厚みは10〜75μm、好ましくは15〜60μmの範囲のものが良い。厚みが10μm未満ではフィルムの強度が出ず、75μmを越えると作業性、包装適性が悪くなる。
本発明のひねり包装用フィルムは必要に応じてコロナ放電処理等の表面処理により、印刷性等の二次加工性を改良することも可能である。
【0065】
本発明のひねり包装用フィルムには、フィルムの肌荒れや透明性を損なわない程度の範囲で抗ブロッキング剤を添加することにより、フィルム同士のブロッキングを防ぎ、製袋時の作業性を向上させることができる。用いられる抗ブロッキング剤は無機物としてシリカ、炭酸カルシウム、タルク、ゼオライト、炭酸マグネシウム等、有機物としては、アルキレンビス(不)飽和高級脂肪酸アミド等が挙げられ添加量は樹脂成分に対して100〜5000ppm程度、好ましくは200〜3500ppmである。
また滑剤の添加により、フィルムに適度の滑性を与えることも同様の効果がある。用いられる滑剤としては(不)飽和脂肪酸アミド、(不)飽和高級脂肪酸の金属塩等が挙げられる。
【0066】
さらに本発明においては、防曇剤、有機あるいは無機フィラー、酸化防止剤、帯電防止剤、有機あるいは無機系顔料、着色剤、紫外線防止剤、分散剤、核剤、架橋剤などの公知の添加剤を、本発明の特性を本質的に阻害しない範囲で添加することができる。
【0067】
これらの添加剤のうち帯電防止剤としては、ポリオレフィン用として一般的に用いられている非イオン系界面活性剤、両性ベタイン型界面活性剤、アミン系帯電防止剤、多価アルコールの高級脂肪酸エステル系帯電防止剤等の内部練り込み型帯電防止剤が好適に使用される。上記非イオン系界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキル(またはアルケニル)アミン、ポリオキシエチレンアルキル(またはアルケニル)アミンの高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル(またはアルケニル)アミド、ポリオキシエチレンアルキル(またはアルケニル)アミドの高級脂肪酸エステル、高級アルコールの高級脂肪酸エステル、多価アルコールの高級脂肪酸エステル等を挙げることができる。両性ベタイン型界面活性剤の具体例としては、アルキル(またはアルケニル)ジヒドロオキシエチルベタイン等の単独または併用混合物が挙げられる。
アミン系帯電防止剤の具体例としては、パルミチルジエタノールアミン、ステアリルジエタノールアミン、パルミチルジエタノールアミド、ステアリルジエタノールアミド等が挙げられる。
多価アルコールの高級脂肪酸エステル系帯電防止剤の具体例としては、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート等が挙げられる。
これらの帯電防止剤は単独または複数の混合物として用いられるが、複数の混合物として用いるのが好ましい。具体例としては、アミン系帯電防止剤と多価アルコールの高級脂肪酸エステル系帯電防止剤の混合物等が挙げられる。
【0068】
帯電防止剤を配合する場合、その配合割合は、樹脂成分の合計に対して0.01〜3.0重量%、好ましくは0.03〜2.0重量%、より好ましくは0.04〜1.0重量%である。帯電防止剤の配合量が3.0重量%を越えるとブロッキング現象が生じるおそれがあり、0.01重量%未満では帯電防止効果が得られにくいからである。
【0069】
本発明の組成物の配合は従来の樹脂組成物配合法として一般に用いられる公知の方法により配合することができる。
その一例としては(A)成分、(B)成分、およびその他の添加可能なポリオレフィン樹脂等をフィルム成形時に単にドライブレンドすることにより行える。
また他の例としては(A)成分、(B)成分、他のポリオレフィン樹脂、および所望により各種添加剤をタンブラー、リボンブレンダーまたはヘンシェルミキサー等の混合機を使用してドライブレンドした後、単軸押出機、二軸押出機等の連続式溶融混練機をにより溶融混合し、押し出してペレットを調製することによって該樹脂組成物を得ることができる。
【0070】
また本発明において、フィルムの成形時等に発生するフィルムのロス分については再生原料としてフィルム物性を損なわない範囲で原料に添加することが可能である。
【0071】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。尚実施例1は本発明外の参考実施例である。
【0072】
実施例および比較例における試験法は以下の通りである。
〔密度〕 :JIS K6760準拠。
〔MFR〕:JIS K6760準拠。
〔ひねり保持性〕:ひねり包装機を用いて、一辺20mmのアクリル樹脂製の立方体を包み、その両端部を1.5回(540度)ひねる。これを24時間放置した後のひねりの角度を測定した。5枚について行い、その平均値を求める。
〔ひねり時の裂けおよびピンポール〕:ひねり包装機を用いて、一辺20mmのアクリル樹脂製の立方体を包み、その両端部を1.5回(540度)ひねる。このフィルムをただちに開き、裂けおよびピンホールの発生箇所を調べる。5枚について行い、その平均値を求める。
〔ヘイズ〕:ASTM D1003準拠。
〔突刺強度〕:フィルムを水平に張り、これに先端を5mmφの半球状とした金属棒を500mm/分の速度で上から降下させ、フィルムが破れた時の先端の荷重を検出し、突刺強度とした。
【0073】
実施例および比較例における試料を以下の通り調製した。
(A1)成分については次の方法で重合した。
攪拌機を付したステンレス製オートクレーブを窒素置換し精製トルエンを入れ、次いで1−ブテン、あるいは1−ヘキセンを添加し、更にビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド(Zrとして0.02mmol)、メチルアルモキサン〔MAO〕(MAO/Zr=500〔モル比〕)の混合溶液を加えた後、80℃に昇温した。次に、エチレンを張り込み重合を開始した。エチレンを連続的に重合しつつ、全圧を維持し1時間重合を行った。なお、各実施例に必要な量は、これらの重合を繰り返して製造した。
【0074】
(A2)成分については次の方法で重合した。
(固体触媒の調製)
窒素下で電磁誘導攪拌機付き触媒調製器(No.1)に精製トルエンを加え、ついでジプロポキシジクロロジルコニウム(Zr(OPr)2 Cl2 )28gおよびメチルシクロペンタジエン48gを加え、0℃に系を保持しながらトリデシルアルミニウムを45gを滴下し、滴下終了後、反応系を50℃に保持して16時間攪拌した。この溶液をA液とする。次に窒素下で別の攪拌機付きの触媒調製器(No.2)に精製トルエンを加え、前記A溶液と、ついでメチルアルミノキサン6.4molのトルエン溶液を添加し反応させた。これをB液とする。
次に窒素下で攪拌機付き調製器(No.1)に精製トルエンを加え、ついであらかじめ400℃で所定時間焼成処理したシリカ(富士デビソン社製、グレード#952、表面積300m2 /g)1400gを加えた後、前記B溶液の全量を添加し、室温で攪拌した。ついで窒素ブローにて溶媒を除去して流動性の良い固体触媒粉末を得た。これを触媒Cとする。
【0075】
(重合)
連続式の流動床気相法重合装置を用い、重合温度70℃、全圧20kgf/cm2 Gでエチレンと1−ブテンあるいは1−ヘキセンの共重合を行った。前記触媒Cを連続的に供給して重合を行い、系内のガス組成を一定に保つため、各ガスを連続的に供給しながら重合を行った。
【0076】
Figure 0003704395
Figure 0003704395
【0077】
(実施例1〜10)
表1の各実施例に示した樹脂を、それぞれの配合比でヘンシェルミキサーでドライブレンドし、Tダイ成形機を用いて230℃の温度で押出し、これを単区間熱延伸ロールで延伸温度85℃、延伸倍率7倍で一軸延伸することにより厚み25μmのフィルムを製造した。
得られたフィルムについてひねり適性試験、ヘイズ、突刺強度の測定を行い、表1に併記した。
【0078】
【表1】
Figure 0003704395
【0079】
【表2】
Figure 0003704395
【0080】
【表3】
Figure 0003704395
【0081】
いずれのフィルムも、ひねり保持性が高く、ひねり時の裂けも発生せず、ヘイズ値が小さく、突刺強度は大きく、ひねり包装用フィルムとして優れた性能を示した。
【0082】
(比較例1)
表2に示したように樹脂成分を(A1)成分として(A11)5重量%、(B11)成分95重量%とし、その他は実施例と同様に行った。結果を表2に示す。(A1)成分が少ないため、ひねり保持性は良いものの、ひねり時に裂けが多発し、突刺強度も低い値となった。
【0083】
【表4】
Figure 0003704395
【0084】
【表5】
Figure 0003704395
【0085】
(比較例2)
樹脂成分を(A2)成分として(A21)5重量%、(B11)成分95重量%とし、その他は実施例と同様に行った。結果を表2に示す。(A2)成分が少ないため、ひねり保持性は良いものの、ひねり時に裂けが多発し、突刺強度も低い値となった。
【0086】
(比較例3)
樹脂成分として(B11)成分のみを用い、その他は実施例と同様に行った。ひねり保持性は十分であったが、ひねり時に裂けが多発し、突刺強度も低い値となった。
【0087】
(比較例4)
樹脂成分として(A)成分のかわりに(B12)成分を用い、その他は実施例と同様に行った。ひねり保持性は十分であったが、ひねり時に裂けが多発し、突刺強度も低い値となった。
【0088】
(比較例5)
樹脂成分として(A)成分のかわりに(B21)成分を用い、その他は実施例と同様に行った。ひねり保持性は十分であったが、ひねり時に裂けが多発し、突刺強度も低い値となった。
【0089】
(比較例6)
樹脂成分として(A)成分のかわりに(B22)成分を用い、その他は実施例と同様に行った。ひねり保持性は十分であったが、ひねり時に裂けが多発し、突刺強度も低い値となった。
【0090】
(比較例7)
樹脂成分として(A)成分のかわりに(B13)成分を用い、その他は実施例と同様に行った。ひねり時に裂けが発生し、ひねり保持性もやや不十分であった。またヘイズ値も大きく、突刺強度も低い値となった。
【0091】
【発明の効果】
本発明のひねり包装用フィルムは、特定の条件を満足するエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体を用いることにより、ひねり保持性、耐引裂性、突刺強度、光学特性にすぐれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体(A1)のTREF曲線。
【図2】本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体(A2)のTREF曲線。

Claims (5)

  1. 少なくともシクロペンタジエン化合物と周期律表第IV族の遷移金属化合物を含む触媒の存在下にエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合させることにより得られる、下記(イ)〜(ニ)の要件を満足するエチレン・α−オレフィン共重合体(A)10重量%以上と密度0.94〜0.97g/cm 、メルトフローレート0.01〜30g/10分の高密度ポリエチレンを必須として含有する他のポリオレフィン(B)90重量%以下の樹脂組成物からなるフィルムまたはシートが少なくとも一方向に1.1〜12倍の範囲に配向されていることを特徴とするひねり包装用フィルム。
    (イ)密度が0.86〜0.96g/cm
    (ロ)メルトフローレート0.01〜100g/10分
    (ハ)分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜5.0
    (ニ)組成分布パラメーターCbが2.00以下
  2. 前記のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)がシクロペンタジエニル骨格を有する配位子と周期律表第IV族の遷移化合物を含む少なくとも1種の触媒の存在下で得られる、下記(イ)〜(ホ)の要件を満足するものであることを特徴とする請求項1に記載のひねり包装用フィルム。
    (イ)密度が0.86〜0.96g/cm
    (ロ)メルトフローレート0.01〜100g/10分
    (ハ)分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜5.0
    (ニ)組成分布パラメーターCbが1.01〜1.2
    (ホ)連続昇温溶出分別法(TREF)のによる溶出温度−溶出量曲線のピークが実質的に1個存在すること
  3. 前記のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)が下記(イ)〜(ヘ)の要件を満足するものであることを特徴とする請求項1に記載のひねり包装用フィルム。
    (イ)密度が0.86〜0.96g/cm
    (ロ)メルトフローレート0.01〜100g/10分
    (ハ)分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜5.0
    (ニ)組成分布パラメーターCbが1.08〜2.00
    (ホ)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度−溶出量曲線のピークが実質的に複数個存在すること
    (ヘ)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODCB)可溶分量X(wt%)と密度d及びMFR(メルトフローレート)が次の関係を満足すること
    a)d−0.008logMFR≧0.93の場合
    X<2.0
    b)d−0.008logMFR<0.93の場合
    X<9.8×10×(0.9300−d+0.008logMFR)+2.0
  4. 前記のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)が、(ホ)連続昇温溶出分別法(TREF)により求めた溶出温度−溶出量曲線において、ピークが複数個存在し、この複数のピーク温度の高温側のピークが85℃から100℃の間に存在することを特徴とする請求項3に記載のひねり包装用フィルム。
  5. 前記のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)の密度が0.86〜0.94g/cmである請求項1〜4のいずれか1項に記載のひねり包装用フィルム。
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