JP4624729B2 - 積層樹脂一軸延伸フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、縦方向(MD)エルメンドルフ引裂強度にすぐれた積層樹脂一軸延伸フィルムに関する。さらに詳しくは、エチレン・α−オレフィン共重合体組成物からなる層を有する積層樹脂一軸延伸フィルムであって、縦方向エルメンドルフ引裂強度にすぐれるとともに、層間での添加剤のしみ出し・ブリーディングが防止されたフィルムに関する。
ポリエチレンまたはポリエチレンを主剤とする樹脂組成物による延伸フィルムは、透明性、強度特性、耐薬品性、製袋加工性に優れるため、種々の用途に用いられている。
しかしながら、従来のポリエチレンを用いた延伸フィルムは、延伸方向の強度が低くいために、内容物を入れた際に破袋が生じやすく、そのために内容物を損なったり、ヒートシール性が悪いために製袋品としての加工が難しかったり、また外観が悪いなどの不十分な点があった。
特開平8−134284号公報では、メタロセン化合物を用いて得られたポリエチレンを少なくとも一軸方向に延伸してなるポリエチレン系樹脂延伸フィルムに関して報告がなされているが、なお延伸方向(MD)の引裂き強度については向上が求められている。
さらに例えば青果包装袋では、内容物の水分またはディスプレイ時にフリーザーによる曇りが生じることがある為、防曇剤によりフィルム表面の曇りを防止する必要があるが、内側面に含まれる防曇剤が印刷を行う外面に移行し、印刷性が損なわれることがあった。このように、多層フィルムにおいて添加剤の層から層へのブリーディングを防止し、かつ引裂き強度の向上したフィルムが望まれていた。
特開平8−134284号公報
本発明は、ポリエチレン系樹脂層を有する積層樹脂1軸延伸フィルムであって、縦方向(MD)の引裂強度にすぐれ、かつ添加剤の層間でのブリーディングが防止されたフィルムを提供することを目的とする。本発明は特に、一方のフィルム表面は水分によるフィルム表面の曇りが防止され、反対面は防曇性を有さないという様に、フィルム表面層の防曇性を制御することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決し、縦方向の引裂強度と添加剤のブリーディング防止性能に優れる延伸フィルムを得るべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。
すなわち、以下の積層1軸延伸フィルムが、引裂強度に優れるともに、添加剤の層間移行を防止可能なことを見出して本発明を完成した。
(A)下記(i)(ii)と(iii)および/または(iv)からなる樹脂層と、
(i)メタロセン触媒を用いて得られる、メルトフローレートが0.01〜10g/10分、密度が880〜925Kg/m3であるエチレンと炭素数4〜12のα−オレフィン
との共重合体;10〜85重量部
(ii)メルトフローレートが1〜100g/10分であり、密度が926〜960Kg/m3であるエチレンと炭素数4〜12のα−オレフィンの共重合体;10〜85重量部
下記(iii)および(iv)の少なくとも1種;5〜45重量部
(iii)メルトフローレートが0.01〜20g/10分であり、密度が940〜970
Kg/m3である高密度ポリエチレン
(iv)密度が910から930Kg/m3の高圧法低密度ポリエチレン
(ただし(i)と(ii)と(iii)および(iv)の合計は100重量部である)
(B)密度が940〜980Kg/m3の高密度ポリエチレンからなる樹脂層、
を少なくとも有する積層1軸延伸フィルムであって、
前記樹脂層(A)の合計厚みがフィルム全体の厚みに対して25〜95%であり、
最表面層の一方が添加を0.05〜5重量%含むことを特徴とする1軸延伸フィルム。
なかでも、最内層および最外層が前記樹脂層(A)からなり、中間層が前記樹脂層(B)からなり、最内層または最外層のいずれか一方が防曇を含む1軸延伸フィルムは本発明の好ましい態様である。
なお(iii)および(iv)は合計量が(5〜45重量%の範囲であればどちらか一方だ
けでも構わないが、両方含まれることが好ましい。
また本発明の第2の形態は、
(A)下記(i)(ii)と(iii)および/または(iv)からなる樹脂層と、
(i)メタロセン触媒を用いて得られる、メルトフローレートが0.01〜10g/10分、密度が880〜925Kg/m3であるエチレンと炭素数4〜12のα−オレフィン
との共重合体;10〜85重量部
(ii)メルトフローレートが1〜100g/10分であり、密度が926〜960Kg/m3であるエチレンと炭素数4〜12のα−オレフィンの共重合体;10〜85重量部
下記(iii)および(iv)の少なくとも1種;5〜45重量部
(iii)メルトフローレートが0.01〜20g/10分であり、密度が940〜970
Kg/m3である高密度ポリエチレン
(iv)密度が910から930Kg/m3の高圧法低密度ポリエチレン
(ただし(i)と(ii)と(iii)および(iv)の合計は100重量部である)
(C)プロピレン・α−オレフィン共重合体、
を少なくとも有する積層1軸延伸フィルムであって、
前記樹脂層(A)の合計厚みがフィルム全体の厚みに対して25〜95%であり、
最表面層の一方が添加を 0.05〜5重量%含むことを特徴とする1軸延伸フィルム
である。
本発明のプロピレンとα−オレフィンとの共重合体は、プロピレンと、結晶性を失わない程度のプロピレン以外の炭素原子数2〜12のα−オレフィンからなるランダム共重合体樹脂、あるいはプロピレンとエチレンと炭素原子数4〜12のα−オレフィンとの3元ランダム共重合体樹脂のことである。プロピレン以外のα−オレフィンモノマーの総量が3重量%以上、10重量%以下であることが好ましい。
なお(iii)および(iv)は合計量が5〜45重量%の範囲であればどちらか一方だけ
でも構わないが、両方含まれることが好ましい。
なかでも、最内層および最外層が前記樹脂層(A)からなり、中間層が前記樹脂層(C)からなり、最内層または最外層のいずれか一方が防曇を含む1軸延伸フィルムが本発明の好ましい態様である。
本発明の添加剤としては次から選ばれる防曇が好適に用いられる;
エステル/アマイド型ノニオン界面活性剤混合物、アルキルジエタノールアミド類、脂肪
族アルコール類、脂肪酸エステル類。
本発明によれば、縦方向(MD)の引裂強度にすぐれた樹脂積層一軸延伸フィルムが提供され、耐衝撃性、ヒートシール性、シュリンクパック性に優れるので包装材として好適な延伸フィルムが提供される。
本発明により、一方のフィルム表面は水分による曇りが防曇剤によって防止され、かつ反対側表面には防曇剤の染み出しがなく、印刷に支障がおきないといったように、層間での添加剤の染み出しが防止され、両表面の物性が制御されたフィルムが提供される。
本発明のメタロセン触媒を用いて得られるエチレンとα−オレフィンとの共重合体(i)は、メタロセン触媒を用いて、エチレンと炭素原子数4〜12のα−オレフィンを共重合して得られるエチレン・α−オレフィン共重合体である。
また本発明のメタロセン触媒またはチーグラー・ナッタ触媒を用いて得られるエチレンとα−オレフィンとの共重合体(ii)は、メタロセン触媒またはチーグラー・ナッタ触媒を用いて、エチレンと炭素原子数4〜12のα−オレフィンを共重合して得られるエチレン・α−オレフィン共重合体である。
そして、エチレン・α−オレフィン共重合体(i)とエチレン・α−オレフィン共重合体(ii)は、同じα−オレフィンを共重合して得られるものでもよく、それぞれ異なるα−オレフィンを共重合して得られるものでもよい。
炭素原子数4〜12のα−オレフィンとしては、例えば、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ドデセン−1、4−メチル−ペンテン−1、4−メチル−ヘキセン−1、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘキセン、スチレン、ノルボルネン、ブタジエン、イソプレン等が挙げられ、好ましくはヘキセン−1、4−メチル−ペンテン−1、オクテン−1である。また、上記の炭素原子数4〜12のα−オレフィンは単独で用いてもよく、少なくとも2種を併用してもよい。
エチレン・α−オレフィン共重合体(i)およびエチレン・α−オレフィン共重合体(ii)としては、例えば、エチレン・ブテン−1共重合体、エチレン・4−メチル−ペンテン−1共重合体、エチレン・ヘキセン−1共重合体、エチレン・オクテン−1共重合体等が挙げられ、好ましくはエチレン・ヘキセン−1共重合体、エチレン・4−メチル−ペンテン−1、エチレン・オクテン−1共重合体であり、より好ましくはエチレン・ヘキセン−1共重合体である。
エチレン・α−オレフィン共重合体(i)のメルトフローレート(MFR)は0.01〜10g/10分であり、好ましくは0.2〜5g/10分であり、より好ましくは0.3〜1g/10分である。エチレン・α−オレフィン共重合体(i)のMFRが0.01g/10分未満の場合、溶融粘度が高くなりすぎて押出加工性が悪化することがあり、10g/10分を超えた場合、機械的強度が低下することがある。
エチレン・α−オレフィン共重合体(i)の密度は、880〜925Kg/m3であり、好ましくは900〜920Kg/m3であり、より好ましくは903〜920Kg/m3である。エチレン・α−オレフィン共重合体(i)の密度が、880Kg/m3未満の場合、925Kg/m3を超えた場合、衝撃強度や引裂バランスが大幅に低下することがある。
エチレン・α−オレフィン共重合体(ii)のメルトフローレート(MFR)は、押出加工性および機械的強度の観点から、1〜100g/10分であり、好ましくは2〜80g/10分であり、より好ましくは4〜60g/10分であることが望ましい。
エチレン・α−オレフィン共重合体(ii)の密度は、延伸性、衝撃強度および透明性の観点から、926〜960Kg/m3であり、好ましくは935〜945Kg/m3であることが望ましい。
本発明で用いられることがある高密度ポリエチレン(iii)のメルトフローレート(MF
R)は、押出加工性および機械的強度の観点から、0.1〜60g/10分、好ましくは0.1〜20g/10分、より好ましくは0.1〜10g/10分、さらに好ましくは0.5〜5g/10分であり、なかでも好ましくは0.1〜3g/10分であることが望ましい。
本発明で用いられることがある高圧法低密度ポリエチレン(iv)のメルトフローレート(MFR)は、押出加工性、機械的強度およびレトルト処理後の透明性の観点から、0.1〜10g/10、好ましくは0.1〜8g/10分であり、より好ましくは0.2〜8g/10分であることが望ましい。
高圧法低密度ポリエチレン(iv)の密度は、延伸フィルムの剛性を保つ観点から、915〜935Kg/m3、好ましくは915〜930Kg/m3であり、より好ましくは918〜930Kg/m3であることが望ましい。
本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体(i)の製造方法としては、メタロセン触媒を用いる公知の重合方法が挙げられる。公知の重合方法として、例えば、溶液重合法、スラリー重合法、高圧イオン重合法、気相重合法等が挙げられ、好ましくは気相重合法、溶液重合法、高圧イオン重合法であり、より好ましくは気相重合法である。
メタロセン系触媒として、好ましくは、シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を有する遷移金属化合物を含む触媒系である。シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を有する遷移金属化合物とは、いわゆるメタロセン系化合物であり、例えば、一般式MLan-a(式中、Mは元素の周期律表の第4族又はランタイド系列の遷移金属原子である。Lはシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基又はヘテロ原子を含有する基であり、少なくとも一つはシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基である。複数のLは互いに架橋していてもよい。Xはハロゲン原子、水素又は炭素原子数1〜20の炭化水素基である。nは遷移金属原子の原子価を表し、aは0<a≦nなる整数である。)で表され、単独で用いてもよく、少なくとも2種類を併用してもよい。
さらに、上記のメタロセン系触媒には、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物、メチルアルモキサン等のアルモキサン化合物、および/またはトリチルテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート等のイオン性化合物を組み合わせて用いられる。
また、上記のメタロセン系触媒は、上記のメタロセン系化合物と、有機アルミニウム化合物、アルモキサン化合物および/またはイオン性化合物とを、SiO2、Al23等の微粒子状無機担体、ポリエチレン、ポリスチレン等の微粒子状有機ポリマー担体に担持または含浸させた触媒であってもよい。
上記のメタロセン系触媒を用いる重合によって得られるエチレン・α−オレフィン共重合体としては、例えば、特開平9−183816号公報に記載されているエチレン・α−オレフィン共重合体が挙げられる。
本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体(ii)の製造方法としては、公知の重合触媒を用いる公知の重合方法が挙げられる。公知の重合触媒としては、例えば、チーグラー・ナッタ触媒、メタロセン系触媒等が挙げられ、好ましくはメタロセン系触媒である。公知の重合方法としては、前述のエチレン・α−オレフィン共重合体(i)の製造方法で用いられる重合方法と同様の重合方法が挙げられる。
本発明で用いられる高密度ポリエチレン(iii)の製造方法としては、公知の重合触媒を用いる公知の重合方法が挙げられる。公知の重合触媒としては、例えば、チーグラー・ナッタ触媒等が挙げられ、公知の重合方法としては、前述のエチレン・α−オレフィン共重合体(i)の製造方法で用いられる重合方法と同様の重合方法が挙げられる。
本発明で用いられる高圧法低密度ポリエチレン(iv)の製造方法としては、一般に、槽型反応器または管型反応器を用いて、ラジカル発生剤の存在下、重合圧力140〜300MPa、重合温度200〜300℃の条件下でエチレンを重合する方法が挙げられ、メルトフローレートを調節するために、分子量調節剤として水素、メタンやエタン等の炭化水素が用いられる。
本発明の積層樹脂一軸延伸フィルムは、エチレン・α−オレフィン共重合体(i)と、エチレン・α−オレフィン共重合体(ii)、および高密度ポリエチレン(iii)または高圧法低密度ポリエチレン(iv)のいずれかを少なくともを含む樹脂層(A)および高密度ポリエチレン層(B)を有する積層樹脂一軸延伸フィルムである。
また本発明においては高密度ポリエチレン層(B)の代わりに、プロピレン・α−オレフィン共重合体(C)層を用いてもよい。
樹脂層(A)に占める各重合体の割合は、
(i)エチレン・α−オレフィン共重合体が10〜85重量部、好ましくは20〜70重量部であり、より好ましくは、20〜65重量部である。
(ii)エチレン・α−オレフィン共重合体が10〜85重量部、好ましくは15〜60 重量部であり、より好ましくは、20〜60重量部である。
(iii)と(iv)は合計で5〜45重量部であり、好ましくは15〜40重量部である。合計量が前記範囲であれば個々には特に限定されないが、
(iii)高密度ポリエチレンが好ましくは2〜20重量部、さらに好ましくは5〜17重量部であり、
(iv)高圧法低密度ポリエチレンが好ましくは3〜25重量部、さらに好ましくは10〜23重量部、であることが望ましい。
本発明の前記樹脂組成物(A)の好ましいメルトフローレート(MFR)は0.1〜10g/10分であり、好ましくは0.2〜4g/10分であり、より好ましくは0.3〜3g/10分である。メルトフローレート(MFR)がこの範囲にあれば、インフレーション法によるフィルム成形において、樹脂の押出し性が良好でバブルが安定することから、延伸工程前のフィルム原反を製造する際インフレーション法によるフィルム成形にとって、より好ましい樹脂組成物が得られる。
また、本発明の前記樹脂組成物(A)の密度としては、898〜960Kg/m3、好ましくは900〜950Kg/m3、より好ましくは900〜940Kg/m3であることが推奨される。
本発明における樹脂組成物(A)の他の製造方法としては、例えば、エチレン・α-オレフィン共重合体(i)、エチレン・α−オレフィン共重合体(ii)、高密度ポリエチレン(iii)および/または高圧法低密度ポリエチレン(iv)をドライブレンドまたはメルトブレンドする方法が挙げられる。ドライブレンドには、ヘンシェルミキサー、タンブラーミキサーなどの各種ブレンダーを用いることができ、またメルトブレンドには、単軸押出機、二軸押出機、バンバリ−ミキサー、熱ロールなどの各種ミキサーを用いることができる。
また、本発明の樹脂組成物(A)の製造方法としては、例えば、以下のような望ましい製造方法が挙げられる。
1.1個の重合器を用い、2条件以上の反応条件に分けて、エチレン・α−オレフィン共重合体(i)、(ii)および高密度ポリエチレン(iii)を連続的に重合した後に、高圧法低密度ポリエチレン(iv)を混合する方法。
2.多段重合プロセスによって、複数の重合器で各々の成分を重合し、最終的に本発明のポリエチレン系樹脂組成物を得る方法。
3.各成分のうちのいずれか2成分を多段重合によって製造した後に、残りの2成分を混合する方法。
本発明において、高密度ポリエチレン(iii)としては、DSCの融解ピークを複数有する高密度ポリエチレンが好適である。なお、DSCの融解ピークを複数有するとは、DSCのチャートにピークが明らかに2本以上見られる場合の他、ピークが1本とそれにショルダーが付随する場合も含むものである。
本発明の樹脂積層一軸延伸フィルムを構成する前記樹脂層(A)以外の樹脂層としては、その少なくとも一つが高密度ポリエチレン(B)またはプロピレン・α−オレフィン共重合体(C)からなる層である。
(高密度ポリエチレン(B)の製造方法)
本発明で用いられる高密度ポリエチレン(B)は、以下の製造方法により得ることができる。
本発明で用いられる高密度ポリエチレンの製造方法としては、公知の重合触媒および重合方法を用いることができ、公知の重合触媒としては、例えば、チーグラー・ナッタ触媒等が挙げられ、公知の重合方法としては、例えば、チーグラー・ナッタ触媒を用いるスラリー重合方法が挙げられる。
(プロピレン・α−オレフィン共重合体(C)の製造方法)
本発明の(C)層で用いられるプロピレン・α−オレフィン共重合体は、以下の製造方法により得ることができる。プロピレンとα−オレフィンとの共重合体は、プロピレンと、結晶性を失わない程度のプロピレン以外の炭素原子数2〜12のα−オレフィンからなるランダム共重合体樹脂、プロピレンとエチレンと炭素原子数4〜12のα−オレフィンとの3元ランダム共重合体樹脂のことである。
α−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられる。好ましくはエチレン、1−ブテンが挙げられる。プロピレン以外のモノマーから誘導される繰り返し単位の含有量としては、プロピレン以外のモノマーの総量が3重量%以上、10重量%以下であることが好ましい。3重量%未満であると層間接着強度が低下し好ましくない。プロピレン以外のモノマーから誘導される繰り返し単位の含有量としてさらに好ましくはプロピレン以外のモノマーの総量が3重量%以上、6重量%以下である。
プロピレンとα−オレフィンとの共重合体のメルトフローレート(MFR)は1.0〜10.0g/10minであることが好ましい。プロピレンとα−オレフィンとの共重合体の製造方法は、特に限定されるものではなく、気相重合法、溶媒重合法等が挙げられるが、特に気相重合法が好ましい。重合に用いる触媒としては、公知の種々の触媒を使用できるが、好ましくはチタン原子、マグネシウム原子およびハロゲン原子を含有する固体触媒成分を用いて得られるマルチサイト触媒、またはメタロセン錯体等を用いて得られるシングルサイト触媒が挙げられる。
本発明の樹脂積層一軸延伸フィルムにおいて、樹脂層(A)の厚みがフィルム全体の厚みの25〜95%である。より好ましくは30〜90%であり、さらに好ましくは40〜90%である。(A)の厚みが全体の25%より少ないと、十分な引裂き強度が得られないことがある。なお、樹脂組成物層(A)が複数ある場合には、合計の厚みが上記範囲にあればよい。
本発明の樹脂積層一軸延伸フィルムにおいて、樹脂層(B)または樹脂層(C)の厚みがフィルム全体の厚みの5〜75%である一軸延伸フィルムが好ましい。より好ましくは10〜70 %であり、さらに好ましくは 10〜60%である。
(B)または(C)の厚みが上記範囲を超えると、十分な引裂き強度が得られないことがある。また、(B)または(C)の厚みが上記範囲を下回ると、添加剤の移行が防止できないことがある。
高密度ポリエチレン層(B)またはプロピレン・α−オレフィン共重合体層(C)は添加剤の厚み方向拡散を防止する効果を有している。したがって(B)ないし(C)層は添加剤を含まないこと、(B)ないし(C)層が複数存在する場合は少なくとも1つの(B)ないし(C)層が添加剤を含まないこと、が必要である。
本発明の樹脂積層一軸延伸フィルムは、樹脂層(A)と高密度ポリエチレン樹脂層(B)を有していれば、積層数は特に制限されず、また他の樹脂組成物からなる層を有してもよい。
積層数が2の場合は必然的に樹脂層(A)と樹脂層(B)のみとなり、樹脂層(A)が添加剤を含有する。積層数が3以上の場合は樹脂層(A)および/または樹脂層(B)からなる層が複数存在しても良いし、(A)(B)以外の層を有しても良い。添加剤を含有する表面層は樹脂層(A)であってもよいし、他の層でもよい。層構成として、
(A)層[含添加剤]/(B)層[添加剤なし]/(A)層[添加剤なし]
(A)層[含添加剤]/(B)層[添加剤なし]/他の樹脂層[添加剤なし]
他の樹脂層[含添加剤]/(B)層[添加剤なし]/(A)層[添加剤なし]
(B)層[含添加剤]/(A)層[添加剤なし]/(B)層[添加剤なし]/(A)層[添加剤なし]
等を例示できる。
本発明の樹脂積層一軸延伸フィルムの層構成は、これらに限定されるものではなく、目的に応じて適宜樹脂の種類や層の構成を選択することができる。
プロピレン・α−オレフィン共重合体層(C)についても、上記高密度ポリエチレン樹脂層(B)と同様の層構成を有してもよい。
本発明の樹脂積層一軸延伸フィルムを得る方法として、樹脂層(A)を少なくとも1層有する積層フィルムを一軸延伸する方法を挙げることができる。積層フィルムの製造方法としては、共押出法、押出コーティング法(押出ラミネート法ともいう。)など公知の方法が挙げられる。例えば、本発明の樹脂層(A)を構成する樹脂組成物と他の層となる樹脂を共押出して得ることができる。
また、インフレーションフィルム成形法、Tダイキャストフィルム成形法、カレンダー成形法、プレス成形法などの公知のフィルム形成方法で得られた樹脂層(A)を構成する樹脂組成物からなるフィルムに、押出しラミネート、あるいはドライラミネート等の方法で他の樹脂を積層して得ることもできる。
得られた積層フィルムを一軸延伸することにより、本発明の樹脂積層一軸延伸フィルムを得ることができる。延伸の方法としては、例えば加熱ロールと該ロールと異なる速度で回転しているロールとの間に通してMD(縦方向)に延伸する方法など従来公知の方法を適用することができる。
延伸倍率としては、3〜15倍、より好ましくは4〜10倍が望ましい。
本発明は、樹脂積層の少なくとも一つの層として、上記樹脂層(A)を存在させることによって著しく改善された縦方向(MD)エルメンドルフ引裂強度を有する一軸延伸フィルムを提供するものである。
本発明の樹脂積層一軸延伸フィルムの各層には、必要に応じて、その他のポリマー、酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤、加工性改良剤、ブロッキング防止剤等を添加してもよい。その他の樹脂や添加剤は、単独で用いてもよく、少なくとも2種を併用してもよい。
前記樹脂層(A)にも本発明の目的を損なわない範囲でその他のポリマーを添加してもよい、その他のポリマーとしてはポリオレフィン系樹脂等が挙げられ、剛性や耐熱性を改良するために添加されるポリプロピレン樹脂、衝撃強度を改良するために添加されるポリオレフィン系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。これらの他のポリマーは、共重合体(A)及び共重合体(ii)の合計100重量部に対して通常1ないし30重量部の割合で添加されることがある。
酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(商品名:IRGANOX1010、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート(商品名:IRGANOX1076、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)等のフェノール系酸化防止剤、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−[3−(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)プロポキシ]ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン(商品名:スミライザーGP、住友化学工業社製)等のホファイト系酸化防止剤等が挙げられる。
滑剤としては、例えば、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル等が挙げられ、帯電防止剤としては、例えば、炭素原子数8〜22の脂肪酸のグリセリンエステルやソルビタン酸エステル、ポリエチレングリコールエステル等が挙げられ、加工性改良剤としては、例えば、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、フッ素系樹脂等が挙げられ、ブロッキング防止剤としては、無機系ブロッキング防止剤、有機系ブロッキング防止剤が挙げられ、無機系ブロッキング防止剤としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられ、有機系ブロッキング防止剤としては、例えば、架橋ポリメタクリル酸メチル、架橋ポリ(メタクリル酸メチル−スチレン)共重合体、架橋シリコーン、架橋ポリスチレンの粉末等が挙げられる。
上記の必要に応じて添加されるその他の樹脂や添加剤の混合方法としては、例えば、本発明の樹脂組成物またはその他の樹脂とともに樹脂や添加剤を単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、熱ロール等の各種ミキサーを用いて溶融混練した後フィルム加工に供する方法、本発明のポリエチレン系樹脂組成物とその他の樹脂や添加剤をヘンシェルミキサー、タンブラーミキサー等の各種ブレンダーを用いてドライブレンドした後フィルム加工に供する方法、または、その他の樹脂や添加剤を少なくとも一種のマスターバッチにしてヘンシェルミキサー、タンブラーミキサー等の各種ブレンダーを用いて本発明のポリエチレン系樹脂組成物とドライブレンドした後フィルム加工に供する方法等が挙げられる。
本発明には、以下にあげる添加剤を用いることができる;
[酸化防止剤]
安定剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(商品名:IRGANOX1010、チバガイギー社製)、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート(商品名:IRGANOX1076、チバガイギー社製)等のフェノール系安定剤、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトおよびトリス(2,4−ジ−ブチルフェニル)ホスファイト等のホスファイト系安定剤等が挙げられる。
[帯電防止剤]
帯電防止剤としては、例えば、アルキルジエタノールアミド類、脂肪族アルコール類、脂肪酸エステル類等が挙げられる。脂肪酸エステル類としては、例えば、グリセリン脂肪エステル類が挙げられ、ジグリセリンモノステン酸エステル(DGMS)、グリセリンモノステアリン酸エステル(GMS)、グリセリンモノヘプタデシル酸エステル、グリセリンモノパルミチン酸エステル、グリセリンモノミリスチル酸エステル、グリセリンモノラウリル酸エステル、グリセリンモノカプリン酸エステル、グリセリンモノペラルゴン酸エステル等が挙げられ、また、これらのグリセリンモノ脂肪酸エステルに、対応するグリセリンジ脂肪酸エステル、グリセリントリ脂肪酸エステルも挙げられ、好ましくは、ジグリセリンモノステアリン酸エステル等のポリグリセリン脂肪酸モノエステル類である。例えば、アルキルジエタノールアミド類としては、例えば、ステアリルジエタノールアミド、ラウリンジエタノールアミド、オレイルジエタノールアミド等が挙げられ、脂肪族アルコールとしては、例えば、ステアリルアルコール等が挙げられる。
[紫外線吸収剤]
耐候安定剤は、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、シアノアクリレート系、有機ニッケル化合物、HALS(Hinderd Amine Light Stabilizer)等があげられる。
[滑剤]
滑剤としては、例えば、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル等が挙げられる。
[加工性改良剤]
加工性改良剤としては、例えば、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、フッ素系樹脂等が挙げられる。
本発明の添加剤は防曇剤が好適に用いられ、一方の樹脂積層一軸延伸フィルム表面に防曇剤を含有してなり、MD(縦方向)における引裂強度にすぐれ、かつ片面のみ防曇性を有する樹脂積層1軸延伸フィルムを得ることができる。
本発明の防曇剤成分としては、エステル/アマイド型ノニオン界面活性剤混合物(竹本油
脂株式会社製:MCS-622)があげられるが、特に限定されるものではなく、他にも公知の
界面活性剤を用いることができ、以下のような化合物があげられる:
界面活性剤成分としては、アルキルジエタノールアミド類、脂肪族アルコール類、脂肪酸エステル類等が挙げられる。脂肪酸エステル類としては、例えば、グリセリン脂肪エステル類が挙げられ、ジグリセリンモノステン酸エステル(DGMS)、グリセリンモノステ
アリン酸エステル(GMS)、グリセリンモノヘプタデシル酸エステル、グリセリンモノパルミチン酸エステル、グリセリンモノミリスチル酸エステル、グリセリンモノラウリル酸エステル、グリセリンモノカプリン酸エステル、グリセリンモノペラルゴン酸エステル等が挙げられ、また、これらのグリセリンモノ脂肪酸エステルに対応するグリセリンジ脂肪酸エステル、グリセリントリ脂肪酸エステルも挙げられる。アルキルジエタノールアミド類としては、例えば、ステアリルジエタノールアミド、ラウリンジエタノールアミド、オレイルジエタノールアミド等が挙げられ、脂肪族アルコールとしては、例えば、ステアリルアルコール等が挙げられる。
前記樹脂積層が、最外層、最内層および中間層よりなる樹脂積層1軸延伸フィルムであって、少なくとも最内層に防曇剤を配合した前記樹脂層(A)を有する樹脂積層1軸延伸フィルムは、本発明の防曇性を有する積層延伸フィルムの好ましい態様である。
以下に本発明の防曇性を有する樹脂積層1軸延伸フィルムの好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例1
最外層:樹脂層(A)
中間層:高密度ポリエチレンまたはプロピレン・α−オレフィン共重合体
最内層:樹脂層(A)
例2
最外層:高密度ポリエチレンまたはプロピレン・α−オレフィン共重合体
中間層:樹脂層(A)
最内層:樹脂層(A)
上記例において、最内層の前記樹脂層(A)に、添加剤およびスリップ剤を添加することによって、MD(縦方向)における引裂強度にすぐれ、かつ防曇性を有する樹脂積層1軸延伸フィルムを得ることができる。さらにこれらの例においては、添加剤の外面への移行(ブリード)を阻止し、最内層のみに防曇性を発現させることができるというすぐれた効果を発揮させることが可能となる。
このようなMD(縦方向)における引裂強度にすぐれ、かつ防曇性を有する樹脂積層1軸延伸フィルムは、防曇フィルムとして鮮度保持フィルムなどの用途に好適に使用することができる。
次に本発明を実施例および比較例に基づきより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
インフレーション製膜法によって、3層の樹脂積層フィルムを製造した。
実施例および比較例に用いた樹脂組成物の基本物性およびフィルム物性は次の方法に従って測定した。
〔樹脂組成物の基本物性〕
(1)密度(単位:Kg/m3
密度は、190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)測定時に得られたストランドを120℃で2時間処理し、1時間かけて室温まで徐冷した後、密度勾配管を用いて測定した。
(2)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
ASTM D1238−65Tに従い、190℃、2.16kg荷重の条件下にて測定
した。
(3)グロス(単位:%)
ASTM D1922に規定された方法に従って測定した。
(4)エルメンドルフ引裂強度
エルメンドルフ引裂強度は、ASTM D1922に準じ、(株)東洋精機製作所のエ
ルメンドルフ引裂試験機を用いて測定した。
切れ目をフィルムの引き取り方向に入れる場合をMD(縦方向)、引取方向と直角に入れる場合をTD(横方向)とする。
(5)引張初期弾性率
フィルムからJIS K6718に準ずる大きさのダンベルを打ち抜き試験片とし、フ
ィルムの引取方向と平行に打ち抜く場合をMD(縦方向)、フィルムの引取方向と直角に打ち抜く場合をTD(横方向)とする。
インストロン型万能材料試験機のエアチャックに試験片をセットし、チャック間距離86mm、引張速度200mm/分で引張試験を行い、初期応力の変位に対する傾きを引張
初期弾性率とする。
実施例および比較例に用いたエチレン・α-オレフィン共重合体(i)、エチレン・α−オレフィン共重合体(ii)、高密度ポリエチレン(iii)、高圧法低密度ポリエチレン(iv)を以下に示した。
(i)エチレン・α−オレフィン共重合体
エチレン−ヘキセン−1共重合体:MFR=0.5g/10分、密度=902Kg/m3
(ii)エチレン・α−オレフィン共重合体
エチレン−ヘキセン−1共重合体:MFR=5g/10分、密度=940Kg/m3
上記のエチレン・α−オレフィン共重合体(i)およびエチレン・α−オレフィン共重合体(ii)は公知のメタロセン触媒を用いて、気相重合法によって製造されたものであった。
(iii)高密度ポリエチレン
HDPE:MFR=0.11g/10分、密度=950Kg/m3
チーグラー・ナッタ触媒を用いてスラリー重合法によって製造されたものであった。
(iv)高圧法低密度ポリエチレン
LDPE(iv):MFR=0.6g/10分、密度=923Kg/m3
上記の高圧法低密度ポリエチレンは、管型反応器を用いて、ラジカル重合法によって製造されたものであった。
〔樹脂組成物の製造〕
エチレン・α−オレフィン共重合体(i)、エチレン・α−オレフィン共重合体(ii)、高密度ポリエチレン(iii)および高圧法低密度ポリエチレン(iv)を表1に示した組成でドライブレンドを行い、続いて池貝鉄工社製46mmφ 2軸押出機を用いて、加工温度190℃、押出量50Kg/hrで樹脂組成物ペレットを製造した。
この樹脂組成物を用いて、樹脂層(A)が形成された。
(B)高密度ポリエチレン
高密度ポリエチレンはチグラー・ナッタ触媒を用い、スラリー重合プロセスにより製造されたものを用いた。
密度=950kg/m3、MFR=1.1g/10分
防曇剤には MCS-622(竹本油脂株式会社製)を用いた。
樹脂組成物(A)95重量%と5重量%を2軸混錬機にて混合し、防曇剤マスターバッチを作成した。この防曇剤MBを、最内層に使用する樹脂に所定量(防曇剤として15000ppm添加されるように調整する)ドライブレンドすることにより、最内層に添加した。
〔樹脂積層一軸延伸フィルムの製造〕
表1に実施例及び比較例の多層フィルムの構成を示した。表中POは前記樹脂組成物(A)を、HDPEは前記高密度ポリエチレン(B)を表す。多層フィルムの製造法は下記のとおり。
[延伸用原反の調整]
リップ開度3.5mmの3層インフレーション成型機(アルピネ社製:50mmφ押出機 3台)により、ブロー比2、押出し量約100kg/hrにて厚み200μmの原反を調整する。なお、それぞれ次の条件でフィルムを製膜した。
比較例1:押出量(樹脂温度)
最外層/中間層/最内層=33[kg/h](200℃)/33[kg/h](200℃)/33[kg/h](200℃)
比較例2:押出量(樹脂温度)
最外層/中間層/最内層=40[kg/h](200℃)/40[kg/h](200℃)/20[kg/h](200℃)
比較例3:押出量(樹脂温度)
最外層/中間層/最内層=33[kg/h](200℃)/34[kg/h](200℃)/33[kg/h](200℃)
比較例4:押出量(樹脂温度)
最外層/中間層/最内層=45[kg/h](200℃)/10[kg/h](200℃)/45[kg/h](200℃)
実施例1:押出量(樹脂温度)
最外層/中間層/最内層=45[kg/h](200℃)/10[kg/h](200℃)/45[kg/h](200℃)
実施例2:押出量(樹脂温度)
最外層/中間層/最内層=25[kg/h](200℃)/50[kg/h](200℃)/25[kg/h](200℃)
〔延伸フィルムの製造条件〕
上記方法にて得られた延伸原反を表面温度(延伸温度)が実験例の表に記す延伸温度にて、加熱ロールと異なる速度で回転している
ロールとの間に通してMD(縦)方向に延伸して表1に示す延伸倍率を実施し延伸フィルムを得た。また得られたフィルムは、延伸工程後、50dynのコロナ処理を施し、30℃の恒温室にて、1日エージング処理を実施後、フィルム物性を評価する。
〔防曇性能評価〕
20℃の水を入れたビーカーに試料フィルムをかぶせ5℃の雰囲気下に1時間放置後、フィルム内面への水滴付着程度にて判定。
3段階評価とする(1:水滴が有り不透明 2:水滴があるがぼんやりと中が確認できる 3:水滴があるが透明)
Figure 0004624729
比較例1:防曇性を発現できずかつエルメンドルフ引裂強度が弱く実用的でない。
比較例2:防曇面はコントロールできるが、エルメンドルフ引裂強度が弱く実用的でない。
比較例3:エルメンドルフ引裂強度は高いが、防曇面をコントロールできず、外面に印刷層等を設ける場合印刷性を阻害する。
比較例4:防曇面はコントロールできるが、エルメンドルフ引裂強度が弱く実用的でない

実施例1:防曇面はコントロールでき、かつエルメンドルフ引裂強度が強く実用的である。
実施例2:防曇面はコントロールでき、かつエルメンドルフ引裂強度が強く実用的である。

本発明により、MD方向の引裂強度にすぐれるともに、層間での添加剤の移行を制御可能な1軸延伸フィルムが提供される。
本発明の樹脂積層一軸延伸フィルムは、耐衝撃性、ヒートシール性、シュリンクパック性に優れ、内容物の鮮度保持性、見栄え、および耐寒性に優れた包装材が提供される。
また、本発明の樹脂積層一軸延伸フィルムは一方の表面が防曇性を備えるが、他方の面は防曇剤の染み出しがないので、印刷性が損なわれず内容物の表示が損なわれない。

Claims (5)

  1. (A)下記(i)(ii)、(iii)および(iv)からなる樹脂層と、
    (B)密度が940〜980Kg/m3の高密度ポリエチレンからなる樹脂層、
    を少なくとも有する積層1軸延伸フィルムであって、
    前記樹脂層(A)の合計厚みがフィルム全体の厚みに対して25〜95%であり、
    前記樹脂層(B)からなりかつ添加剤を含まない層が少なくとも一層存在し、
    最表面層の一方が添加剤を0.05〜5重量%含有する、
    ことを特徴とする1軸延伸フィルム。
    (i)メタロセン触媒を用いて得られる、メルトフローレートが0.01〜10g/10分、密度が880〜925Kg/m3であるエチレンと炭素数4〜12のα−オレフィン
    との共重合体;10〜85重量部
    (ii)メルトフローレートが1〜100g/10分であり、密度が926〜960Kg/m3であるエチレンと炭素数4〜12のα−オレフィンの共重合体;10〜85重量部
    (iii)メルトフローレートが0.01〜20g/10分であり、密度が940〜970
    Kg/m3である高密度ポリエチレン;2〜20重量部
    (iv)密度が910から930Kg/m3の高圧法低密度ポリエチレン;3〜25重量

    (ただし(i)と(ii)と(iii)および(iv)の合計は100重量部である。)
  2. (A)下記(i)(ii)、(iii)および(iv)からなる樹脂層と、
    (C)プロピレン・α−オレフィン共重合体からなる樹脂層、
    を少なくとも有する積層1軸延伸フィルムであって、
    前記樹脂層(A)の合計厚みがフィルム全体の厚みに対して25〜95%であり、
    前記樹脂層(C)からなりかつ添加剤を含まない層が少なくとも一層存在し、
    最表面層の一方が添加剤を0.05〜5重量%含有する、
    ことを特徴とする1軸延伸フィルム。
    (i)メタロセン触媒を用いて得られる、メルトフローレートが0.01〜10g/10分、密度が880〜925Kg/m3であるエチレンと炭素数4〜12のα−オレフィン
    との共重合体;10〜85重量部
    (ii)メルトフローレートが1〜100g/10分であり、密度が926〜960Kg/m3であるエチレンと炭素数4〜12のα−オレフィンの共重合体;10〜85重量部
    (iii)メルトフローレートが0.01〜20g/10分であり、密度が940〜970
    Kg/m3である高密度ポリエチレン;2〜20重量部
    (iv)密度が910から930Kg/m3の高圧法低密度ポリエチレン;3〜25重量

    (ただし(i)と(ii)と(iii)および(iv)の合計は100重量部である。)
  3. 前記添加剤が、防曇剤である請求項1または2のいずれかに記載の1軸延伸フィルム。
  4. 最内層および最外層が樹脂層(A)からなり、中間層が樹脂層(B)からなり、最内層または最外層のいずれか一方が添加剤を含むことを特徴とする請求項1記載の1軸延伸フィルム。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の樹脂積層1軸延伸フィルムからなる包装材。

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